5530万円の治療、実際いくら払うの?

iPS細胞を使ったパーキンソン病治療が話題になっています。

驚きなのは、その治療費。

約5530万円。

「そんな金額、とても払えない…」
と思いますよね。

しかし、日本には「高額療養費制度」があります。

高額療養費制度とは?

1か月に支払う医療費の自己負担額に、上限を設ける制度です。

例えば、年収約370〜770万円程度の一般的な所得では、

月の自己負担上限は約9万円+α

となります。

※厚生労働省では令和8年8月・令和9年8月にこの制度を見直すとアナウンスがされています。

計算式は、

80,100+(総医療費−267,000)×0.01

です。

70歳以上の方の上限額(平成30年8月診療分から)

適用区分 外来(個人ごと) ひと月の上限額(世帯ごと)
現役並み 年収約1,160万円〜
標報83万円以上/課税所得690万円以上
252,600円+(医療費-842,000)×1%
年収約770万円〜約1,160万円
標報53万円以上/課税所得380万円以上
167,400円+(医療費-558,000)×1%
年収約370万円〜約770万円
標報28万円以上/課税所得145万円以上
80,100円+(医療費-267,000)×1%
一般 年収156万〜約370万円
標報26万円以下
課税所得145万円未満等
18,000円
年14万4千円
57,600円
非住民課税税等 Ⅱ 住民税非課税世帯 8,000円 24,600円
Ⅰ 住民税非課税世帯
(年金収入80万円以下など)
15,000円

1つの医療機関等での自己負担(院外処方代を含みます。)では上限額を超えないときでも、同じ月の別の医療機関等での自己負担を合算することができます。この合算額が上限額を超えれば、高額療養費の支給対象となります。


69歳以下の方の上限額

適用区分 ひと月の上限額(世帯ごと)
年収約1,160万円〜
健保:標報83万円以上
国保:旧ただし書き所得901万円超
252,600円+(医療費-842,000)×1%
年収約770〜約1,160万円
健保:標報53万〜79万円
国保:旧ただし書き所得600万〜901万円
167,400円+(医療費-558,000)×1%
年収約370〜約770万円
健保:標報28万〜50万円
国保:旧ただし書き所得210万〜600万円
80,100円+(医療費-267,000)×1%
〜年収約370万円
健保:標報26万円以下
国保:旧ただし書き所得210万円以下
57,600円
住民税非課税者 35,400円

1つの医療機関等での自己負担(院外処方代を含みます。)では上限額を超えないときでも、同じ月の別の医療機関等での自己負担(69歳以下の場合は2万1千円以上であることが必要です。)を合算することができます。この合算額が上限額を超えれば、高額療養費の支給対象となります。

出典 高額療養費制度を利用される皆さまへ(厚生労働省)

5530万円を当てはめると…

80,100+(55,300,000−267,000)×0.01

自己負担額は、約63万円程度になります。

もちろん安い金額ではありません。

ですが、
「5530万円をそのまま払う」
わけではないのです。

重要なのは「1か月の上限」

ここは誤解されやすい部分です。

高額療養費制度は、

“その月の自己負担額”

に上限を設ける制度です。

つまり、
その月に別の病気で治療を受けても、
自己負担が無限に増えていくわけではありません。

例えば…

  • iPS再生医療
  • 肺炎で入院
  • CT検査
  • 別の薬の処方

などが同じ月に重なったとしても、

保険診療であれば、
原則として上限を超えた分は高額療養費制度の対象になります。

つまり、

「5530万円+追加治療=数百万円請求」

という話ではありません。

ただし対象外もある

一方で、

  • 差額ベッド代
  • 食事代
  • 保険外診療
  • 先進医療部分

などは別途負担になる場合があります。

日本の医療制度の大きな特徴

5530万円という数字だけを見ると、現実離れして見えます。
しかし日本では、高額な治療でも、患者が“治療を受けられる可能性”を支える制度があります。

今回のニュースは、再生医療の進歩だけではなく、

「高額療養費制度って実際どういう仕組み?」

を知るきっかけにもなりそうです。