薬効分類名抗補体(C5)モノクローナル抗体製剤
一般的名称エクリズマブ(遺伝子組換え)点滴静注製剤
ソリリス点滴静注300mg
そりりすてんてきじょうちゅう
SOLIRIS for Intravenous Infusion 300mg
製造販売元/アレクシオンファーマ合同会社
重大な副作用
その他の副作用
併用注意
人免疫グロブリン製剤
(ポリエチレングリコール処理人免疫グロブリン等)
人免疫グロブリン製剤との併用投与によって本剤の効果が減弱するおそれがあるので、併用する場合には、本剤の補充投与を考慮すること。
人免疫グロブリン製剤との継続的な併用投与により、本剤の血清中濃度が低下する可能性がある 。
エフガルチギモド アルファ(遺伝子組換え)
本剤の効果が減弱するおそれがあるので、本剤による治療を開始する場合には、エフガルチギモド アルファのサイクル投与における最終投与から2週間後以降に投与することが望ましい。
エフガルチギモド アルファにより、本剤を含む胎児性Fc受容体(FcRn)に結合する薬剤の血清中濃度が低下する可能性がある。
1. 警告
-
1.1 本剤の投与により、髄膜炎菌感染症を発症することがあり、死亡例も認められているため、以下の点に十分注意すること。[5.1 参照],[11.1.1 参照]
- 1.1.1 本剤の投与に際しては、髄膜炎菌感染症の初期徴候(発熱、頭痛、項部硬直等)に注意して観察を十分に行い、髄膜炎菌感染症が疑われた場合には、直ちに診察し、抗菌剤の投与等の適切な処置を行うこと。
- 1.1.2 緊急な治療を要する場合等を除いて、原則、本剤投与前に髄膜炎菌に対するワクチンを接種すること。必要に応じてワクチンの追加接種を考慮すること。
- 1.1.3 髄膜炎菌感染症は致命的な経過をたどることがあるので、緊急時に十分に措置できる医療施設及び医師のもとで、あるいは髄膜炎菌感染症の診断及び治療が可能な医療施設との連携下で投与すること。
- 1.1.4 髄膜炎菌感染症のリスクについて患者に説明し、当該感染症の初期徴候を確実に理解させ、髄膜炎菌感染症に関連する副作用が発現した場合には、主治医に連絡するよう患者に注意を与えること。
- 1.2 本剤は、発作性夜間ヘモグロビン尿症、非典型溶血性尿毒症症候群、全身型重症筋無力症あるいは視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)に十分な知識を持つ医師のもとで、治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること。また、本剤投与開始に先立ち、本剤は疾病を完治させる薬剤ではないことを含め、本剤の有効性及び危険性を患者又はその家族に十分説明し、同意を得てから投与すること。
5. 効能又は効果に関連する注意
-
〈効能共通〉
- 5.1 本剤は補体C5の開裂を阻害し、終末補体複合体C5b-9の生成を抑制すると考えられるため、髄膜炎菌をはじめとする莢膜形成細菌による感染症を発症しやすくなる可能性があることから、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、本剤投与の是非を慎重に検討し、適切な対象患者に対し投与を開始すること。また、本剤投与に際しては、緊急な治療を要する場合等を除いて、原則、本剤投与開始の少なくとも2週間前までに髄膜炎菌に対するワクチンを接種すること。特に小児への本剤投与に際しては、肺炎球菌、インフルエンザ菌b型に対するワクチンの接種状況を確認し、未接種の場合にはそれぞれのワクチンの接種を検討すること。[1.1 参照],[9.1.1 参照],[9.1.2 参照],[11.1.1 参照],[11.1.2 参照],[17.1 参照]
-
〈発作性夜間ヘモグロビン尿症における溶血抑制〉
- 5.2 フローサイトメトリー法等により検査を行い、発作性夜間ヘモグロビン尿症と確定診断された患者に投与を開始すること。
- 5.3 本剤を投与開始する際には、溶血のため赤血球輸血が必要と考えられ、今後も輸血の継続が見込まれる患者を対象とすること。
- 5.4 本剤による血栓塞栓症の抑制効果、腎機能改善効果及び延命効果は確認されていない。
- 5.5 本剤の急性溶血発作に対する改善効果は確認されていない。
- 5.6 本剤投与によりPNH赤血球クローンが増加するため、本剤を中止した場合に重篤な血管内溶血が認められるおそれがあることから、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、本剤投与の是非を慎重に検討し、適切な対象患者に対し投与を開始すること。
- 〈非典型溶血性尿毒症症候群における血栓性微小血管障害の抑制〉
- 〈全身型重症筋無力症(ステロイド剤又はステロイド剤以外の免疫抑制剤が十分に奏効しない場合に限る)〉
- 〈視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)の再発予防〉
6. 用法及び用量
-
〈発作性夜間ヘモグロビン尿症における溶血抑制〉
通常、成人には、エクリズマブ(遺伝子組換え)として、1回600mgから投与を開始する。初回投与後、週1回の間隔で初回投与を含め合計4回点滴静注し、その1週間後(初回投与から4週間後)から1回900mgを2週に1回の間隔で点滴静注する。
-
〈非典型溶血性尿毒症症候群における血栓性微小血管障害の抑制及び全身型重症筋無力症(ステロイド剤又はステロイド剤以外の免疫抑制剤が十分に奏効しない場合に限る)〉
通常、エクリズマブ(遺伝子組換え)として、下記の用法・用量で点滴静注する。
年齢又は体重
導入期
維持期
18歳以上
1回900mgを
週1回で計4回
初回投与4週間後から
1回1200mgを2週に1回
18歳未満
40kg以上
1回900mgを
週1回で計4回
初回投与4週間後から
1回1200mgを2週に1回
30kg以上
40kg未満
1回600mgを
週1回で計2回
初回投与2週間後から
1回900mgを2週に1回
20kg以上
30kg未満
1回600mgを
週1回で計2回
初回投与2週間後から
1回600mgを2週に1回
10kg以上
20kg未満
1回600mgを
週1回で計1回
初回投与1週間後から
1回300mgを2週に1回
5kg以上
10kg未満
1回300mgを
週1回で計1回
初回投与1週間後から
1回300mgを3週に1回
-
〈視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)の再発予防〉
通常、成人には、エクリズマブ(遺伝子組換え)として、1回900mgから投与を開始する。初回投与後、週1回の間隔で初回投与を含め合計4回点滴静注し、その1週間後(初回投与から4週間後)から1回1200mgを2週に1回の間隔で点滴静注する。
7. 用法及び用量に関連する注意
- 〈発作性夜間ヘモグロビン尿症における溶血抑制〉
- 〈非典型溶血性尿毒症症候群における血栓性微小血管障害の抑制〉
- 〈全身型重症筋無力症(ステロイド剤又はステロイド剤以外の免疫抑制剤が十分に奏効しない場合に限る)〉
- 〈視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)の再発予防〉
-
〈非典型溶血性尿毒症症候群における血栓性微小血管障害の抑制、全身型重症筋無力症(ステロイド剤又はステロイド剤以外の免疫抑制剤が十分に奏効しない場合に限る)及び視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)の再発予防〉
-
7.8 血液浄化療法(透析を除く)により本剤の一部が除去されること、新鮮凍結血漿内には補体C5が含まれること、免疫グロブリン大量静注療法によりエンドソーム内の胎児性Fc受容体(FcRn)のリサイクリング機能が阻害される可能性があることから、本剤投与中に血液浄化療法、新鮮凍結血漿輸注又は免疫グロブリン大量静注療法を施行する必要がある場合は、下表を参考に本剤の補充投与を考慮すること。なお、下表はシミュレーション結果に基づき設定されたものであることから、補充投与後は患者の状態を慎重に観察すること。[10.2 参照]
直近の本剤投与量
本剤の補充用量
補充投与の時期
血液浄化療法
300mg
1回につき300mg
施行後60分以内
600mg以上
1回につき600mg
新鮮凍結血漿輸注
300mg以上
1回につき300mg
施行60分前
免疫グロブリン大量静注療法
600mg以下
1回につき300mg
施行直後
900mg以上
1回につき600mg
-
7.8 血液浄化療法(透析を除く)により本剤の一部が除去されること、新鮮凍結血漿内には補体C5が含まれること、免疫グロブリン大量静注療法によりエンドソーム内の胎児性Fc受容体(FcRn)のリサイクリング機能が阻害される可能性があることから、本剤投与中に血液浄化療法、新鮮凍結血漿輸注又は免疫グロブリン大量静注療法を施行する必要がある場合は、下表を参考に本剤の補充投与を考慮すること。なお、下表はシミュレーション結果に基づき設定されたものであることから、補充投与後は患者の状態を慎重に観察すること。[10.2 参照]
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
-
9.1.1 髄膜炎菌感染症の既往のある患者
本剤により髄膜炎菌感染症に罹患しやすくなる可能性がある。[5.1 参照],[11.1.1 参照]
-
9.1.2 感染症の患者又は感染症が疑われる患者
特に莢膜形成細菌(髄膜炎菌、肺炎球菌、インフルエンザ菌等)による感染症に罹患しやすくなる可能性がある。[5.1 参照],[11.1.1 参照],[11.1.2 参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること。一般に生理機能(腎機能、肝機能、免疫機能等)が低下している。
10. 相互作用
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
人免疫グロブリン製剤 |
人免疫グロブリン製剤との併用投与によって本剤の効果が減弱するおそれがあるので、併用する場合には、本剤の補充投与を考慮すること。 |
|
エフガルチギモド アルファ(遺伝子組換え) |
本剤の効果が減弱するおそれがあるので、本剤による治療を開始する場合には、エフガルチギモド アルファのサイクル投与における最終投与から2週間後以降に投与することが望ましい。 |
エフガルチギモド アルファにより、本剤を含む胎児性Fc受容体(FcRn)に結合する薬剤の血清中濃度が低下する可能性がある。 |
11. 副作用
11.1 重大な副作用
-
11.1.1 髄膜炎菌感染症(頻度不明)
髄膜炎又は敗血症を発症し、急激に重症化することがあるので、本剤の投与に際しては、当該感染症の初期徴候(発熱、頭痛、項部硬直、羞明、精神状態の変化、痙攣、悪心・嘔吐、紫斑、点状出血等)等の観察を十分に行うこと。髄膜炎菌感染症が疑われた場合には、直ちに診察し、抗菌剤の投与等の適切な処置を行うこと。髄膜炎菌に対するワクチンを接種しても発症した例や、死亡に至った例が認められている。[1.1 参照],[5.1 参照],[9.1.1 参照],[9.1.2 参照]
-
11.1.2 重篤な感染症(頻度不明)
播種性淋菌感染症、肺炎球菌感染、インフルエンザ菌感染等の重篤な感染症があらわれることがある。[5.1 参照],[9.1.2 参照]
-
11.1.3 infusion reaction(頻度不明)
ショック、アナフィラキシー等があらわれることがある。
11.2 その他の副作用
10%以上 |
5%~10%未満 |
5%未満 |
頻度不明 |
|
|---|---|---|---|---|
血液 |
- |
白血球減少症 |
大球性貧血、好中球減少症、リンパ球減少症、鉄欠乏性貧血 |
貧血、凝固因子異常 |
耳及び迷路障害 |
- |
耳鳴 |
- |
回転性めまい、耳痛 |
眼 |
- |
- |
結膜出血、白内障、強膜出血、眼痛、結膜炎、緑内障 |
- |
胃腸 |
悪心 |
嘔吐 |
上腹部痛、腸炎、下痢、腹痛、腹部膨満、胃食道逆流性疾患、舌炎 |
便秘、消化不良、腹部不快感、歯痛、アフタ性口内炎、嚥下障害、直腸出血、胃の不快感 |
全身障害及び投与局所 |
- |
発熱 |
胸部不快感、疲労、腋窩痛、悪寒、注射部位硬結、倦怠感、末梢性浮腫 |
インフルエンザ様疾患、無力症、胸痛、注射部位疼痛、溢出、疼痛、冷感、腫脹 |
肝胆道 |
- |
- |
高ビリルビン血症、肝機能異常 |
黄疸 |
感染症 |
鼻咽頭炎 |
インフルエンザ、咽頭炎 |
単純ヘルペス、麦粒腫、口腔ヘルペス、医療機器関連感染、肺炎、上気道感染、気管支炎、蜂巣炎、膀胱炎、ウイルス性胃腸炎、扁桃炎、帯状疱疹、敗血症、腎膿瘍、アデノウイルス結膜炎、股部白癬、尿道炎、口腔カンジダ症、耳下腺炎、歯周炎 |
尿路感染、真菌感染、ウイルス感染、膿瘍、消化管感染、感染、副鼻腔炎、歯感染、下気道感染、膿痂疹、気道感染、鼻炎、胃腸炎、限局性感染、耳部感染、腹膜炎、BKウイルス感染、ナイセリア感染(淋菌等) |
臨床検査 |
- |
- |
ALP上昇、ビリルビン上昇、C-反応性蛋白増加、白血球数増加、肝酵素増加、尿中白血球陽性、尿中血陽性、好酸球百分率増加、好中球百分率増加 |
ヘモグロビン減少、ハプトグロビン減少 |
代謝 |
- |
- |
食欲減退、糖尿病、高アルブミン血症、高血糖 |
低カリウム血症、ヘモクロマトーシス |
筋骨格 |
- |
- |
筋肉痛、関節痛、四肢痛、背部痛 |
筋痙縮、頸部痛、関節腫脹、筋骨格痛、側腹部痛、筋骨格系胸痛 |
神経系 |
頭痛 |
- |
浮動性めまい、頭部不快感、感覚鈍麻、眼振 |
味覚異常、振戦、失神、嗜眠、片頭痛、知覚障害 |
生殖系 |
- |
- |
陰嚢障害、希発月経 |
腟出血 |
呼吸器 |
- |
- |
上気道炎、咳嗽、鼻閉、鼻漏、口腔咽頭不快感 |
呼吸困難、鼻出血、咽喉頭疼痛、湿性咳嗽、咽喉乾燥 |
皮膚 |
- |
湿疹、発疹 |
皮膚乾燥、紅斑、多形紅斑、脱毛症、多毛症、接触性皮膚炎 |
そう痒症、蕁麻疹、点状出血、発汗、皮膚炎 |
免疫系 |
- |
- |
- |
季節性アレルギー |
精神系 |
- |
- |
うつ病、不安 |
不眠症、憂鬱感 |
血管・心臓 |
- |
- |
高血圧、動悸、起立性低血圧 |
進行性高血圧、ほてり、血腫、静脈硬化症 |
腎及び尿路障害 |
- |
- |
出血性膀胱炎、腎結石症、尿失禁、尿蛋白 |
排尿困難、血尿、腎疝痛 |
傷害 |
- |
- |
骨折 |
挫傷、擦過傷、転倒・転落、関節捻挫、四肢損傷 |
その他 |
- |
- |
皮膚乳頭腫 |
- |
14. 適用上の注意
14.1 薬剤調製時の注意
- 14.1.1 滅菌シリンジでバイアルから全量を抜き取り、必要量を点滴バッグ等に注入する。
- 14.1.2 日局生理食塩液、日局ブドウ糖注射液(5%)又は日局リンゲル液を点滴バッグ等に添加し、本剤を5mg/mLに希釈する。(希釈した液の容量は本剤300mgの場合60mL、600mgの場合120mL、900mgの場合180mL、1200mgの場合240mLである。)
- 14.1.3 希釈した液を含有する点滴バッグ等を静かに倒立させるなど、緩やかに溶解し、混和する。(抗体タンパクが凝集するおそれがあるため、決して激しく振らないこと。)
- 14.1.4 調製後、微粒子及び変色がないか、目視検査を行うこと。(変色、異物、その他異常を認めたものは使用しないこと。)
- 14.1.5 調製後、希釈した液は速やかに使用すること。なお、やむを得ず保存する場合は、希釈した液は2~25℃で保存し、24時間以内に使用すること。
- 14.1.6 希釈した液を投与前に室温になるまで放置すること。(加熱しないこと。)
15. その他の注意
15.1 臨床使用に基づく情報
臨床試験において抗体反応が検出された患者が認められたが、抗体発現と臨床効果又は有害事象との相関は認められなかった。
15.2 非臨床試験に基づく情報
マウスの胚・胎児発生試験(60mg/kgを器官形成期に静脈内投与)において、網膜形成異常が認められた4) 。
1. 警告
-
1.1 本剤の投与により、髄膜炎菌感染症を発症することがあり、死亡例も認められているため、以下の点に十分注意すること。[5.1 参照],[11.1.1 参照]
- 1.1.1 本剤の投与に際しては、髄膜炎菌感染症の初期徴候(発熱、頭痛、項部硬直等)に注意して観察を十分に行い、髄膜炎菌感染症が疑われた場合には、直ちに診察し、抗菌剤の投与等の適切な処置を行うこと。
- 1.1.2 緊急な治療を要する場合等を除いて、原則、本剤投与前に髄膜炎菌に対するワクチンを接種すること。必要に応じてワクチンの追加接種を考慮すること。
- 1.1.3 髄膜炎菌感染症は致命的な経過をたどることがあるので、緊急時に十分に措置できる医療施設及び医師のもとで、あるいは髄膜炎菌感染症の診断及び治療が可能な医療施設との連携下で投与すること。
- 1.1.4 髄膜炎菌感染症のリスクについて患者に説明し、当該感染症の初期徴候を確実に理解させ、髄膜炎菌感染症に関連する副作用が発現した場合には、主治医に連絡するよう患者に注意を与えること。
- 1.2 本剤は、発作性夜間ヘモグロビン尿症、非典型溶血性尿毒症症候群、全身型重症筋無力症あるいは視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)に十分な知識を持つ医師のもとで、治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること。また、本剤投与開始に先立ち、本剤は疾病を完治させる薬剤ではないことを含め、本剤の有効性及び危険性を患者又はその家族に十分説明し、同意を得てから投与すること。
5. 効能又は効果に関連する注意
-
〈効能共通〉
- 5.1 本剤は補体C5の開裂を阻害し、終末補体複合体C5b-9の生成を抑制すると考えられるため、髄膜炎菌をはじめとする莢膜形成細菌による感染症を発症しやすくなる可能性があることから、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、本剤投与の是非を慎重に検討し、適切な対象患者に対し投与を開始すること。また、本剤投与に際しては、緊急な治療を要する場合等を除いて、原則、本剤投与開始の少なくとも2週間前までに髄膜炎菌に対するワクチンを接種すること。特に小児への本剤投与に際しては、肺炎球菌、インフルエンザ菌b型に対するワクチンの接種状況を確認し、未接種の場合にはそれぞれのワクチンの接種を検討すること。[1.1 参照],[9.1.1 参照],[9.1.2 参照],[11.1.1 参照],[11.1.2 参照],[17.1 参照]
-
〈発作性夜間ヘモグロビン尿症における溶血抑制〉
- 5.2 フローサイトメトリー法等により検査を行い、発作性夜間ヘモグロビン尿症と確定診断された患者に投与を開始すること。
- 5.3 本剤を投与開始する際には、溶血のため赤血球輸血が必要と考えられ、今後も輸血の継続が見込まれる患者を対象とすること。
- 5.4 本剤による血栓塞栓症の抑制効果、腎機能改善効果及び延命効果は確認されていない。
- 5.5 本剤の急性溶血発作に対する改善効果は確認されていない。
- 5.6 本剤投与によりPNH赤血球クローンが増加するため、本剤を中止した場合に重篤な血管内溶血が認められるおそれがあることから、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、本剤投与の是非を慎重に検討し、適切な対象患者に対し投与を開始すること。
- 〈非典型溶血性尿毒症症候群における血栓性微小血管障害の抑制〉
- 〈全身型重症筋無力症(ステロイド剤又はステロイド剤以外の免疫抑制剤が十分に奏効しない場合に限る)〉
- 〈視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)の再発予防〉
6. 用法及び用量
-
〈発作性夜間ヘモグロビン尿症における溶血抑制〉
通常、成人には、エクリズマブ(遺伝子組換え)として、1回600mgから投与を開始する。初回投与後、週1回の間隔で初回投与を含め合計4回点滴静注し、その1週間後(初回投与から4週間後)から1回900mgを2週に1回の間隔で点滴静注する。
-
〈非典型溶血性尿毒症症候群における血栓性微小血管障害の抑制及び全身型重症筋無力症(ステロイド剤又はステロイド剤以外の免疫抑制剤が十分に奏効しない場合に限る)〉
通常、エクリズマブ(遺伝子組換え)として、下記の用法・用量で点滴静注する。
年齢又は体重
導入期
維持期
18歳以上
1回900mgを
週1回で計4回
初回投与4週間後から
1回1200mgを2週に1回
18歳未満
40kg以上
1回900mgを
週1回で計4回
初回投与4週間後から
1回1200mgを2週に1回
30kg以上
40kg未満
1回600mgを
週1回で計2回
初回投与2週間後から
1回900mgを2週に1回
20kg以上
30kg未満
1回600mgを
週1回で計2回
初回投与2週間後から
1回600mgを2週に1回
10kg以上
20kg未満
1回600mgを
週1回で計1回
初回投与1週間後から
1回300mgを2週に1回
5kg以上
10kg未満
1回300mgを
週1回で計1回
初回投与1週間後から
1回300mgを3週に1回
-
〈視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)の再発予防〉
通常、成人には、エクリズマブ(遺伝子組換え)として、1回900mgから投与を開始する。初回投与後、週1回の間隔で初回投与を含め合計4回点滴静注し、その1週間後(初回投与から4週間後)から1回1200mgを2週に1回の間隔で点滴静注する。
7. 用法及び用量に関連する注意
- 〈発作性夜間ヘモグロビン尿症における溶血抑制〉
- 〈非典型溶血性尿毒症症候群における血栓性微小血管障害の抑制〉
- 〈全身型重症筋無力症(ステロイド剤又はステロイド剤以外の免疫抑制剤が十分に奏効しない場合に限る)〉
- 〈視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)の再発予防〉
-
〈非典型溶血性尿毒症症候群における血栓性微小血管障害の抑制、全身型重症筋無力症(ステロイド剤又はステロイド剤以外の免疫抑制剤が十分に奏効しない場合に限る)及び視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)の再発予防〉
-
7.8 血液浄化療法(透析を除く)により本剤の一部が除去されること、新鮮凍結血漿内には補体C5が含まれること、免疫グロブリン大量静注療法によりエンドソーム内の胎児性Fc受容体(FcRn)のリサイクリング機能が阻害される可能性があることから、本剤投与中に血液浄化療法、新鮮凍結血漿輸注又は免疫グロブリン大量静注療法を施行する必要がある場合は、下表を参考に本剤の補充投与を考慮すること。なお、下表はシミュレーション結果に基づき設定されたものであることから、補充投与後は患者の状態を慎重に観察すること。[10.2 参照]
直近の本剤投与量
本剤の補充用量
補充投与の時期
血液浄化療法
300mg
1回につき300mg
施行後60分以内
600mg以上
1回につき600mg
新鮮凍結血漿輸注
300mg以上
1回につき300mg
施行60分前
免疫グロブリン大量静注療法
600mg以下
1回につき300mg
施行直後
900mg以上
1回につき600mg
-
7.8 血液浄化療法(透析を除く)により本剤の一部が除去されること、新鮮凍結血漿内には補体C5が含まれること、免疫グロブリン大量静注療法によりエンドソーム内の胎児性Fc受容体(FcRn)のリサイクリング機能が阻害される可能性があることから、本剤投与中に血液浄化療法、新鮮凍結血漿輸注又は免疫グロブリン大量静注療法を施行する必要がある場合は、下表を参考に本剤の補充投与を考慮すること。なお、下表はシミュレーション結果に基づき設定されたものであることから、補充投与後は患者の状態を慎重に観察すること。[10.2 参照]
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
-
9.1.1 髄膜炎菌感染症の既往のある患者
本剤により髄膜炎菌感染症に罹患しやすくなる可能性がある。[5.1 参照],[11.1.1 参照]
-
9.1.2 感染症の患者又は感染症が疑われる患者
特に莢膜形成細菌(髄膜炎菌、肺炎球菌、インフルエンザ菌等)による感染症に罹患しやすくなる可能性がある。[5.1 参照],[11.1.1 参照],[11.1.2 参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること。一般に生理機能(腎機能、肝機能、免疫機能等)が低下している。
10. 相互作用
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
人免疫グロブリン製剤 |
人免疫グロブリン製剤との併用投与によって本剤の効果が減弱するおそれがあるので、併用する場合には、本剤の補充投与を考慮すること。 |
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エフガルチギモド アルファ(遺伝子組換え) |
本剤の効果が減弱するおそれがあるので、本剤による治療を開始する場合には、エフガルチギモド アルファのサイクル投与における最終投与から2週間後以降に投与することが望ましい。 |
エフガルチギモド アルファにより、本剤を含む胎児性Fc受容体(FcRn)に結合する薬剤の血清中濃度が低下する可能性がある。 |
11. 副作用
11.1 重大な副作用
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11.1.1 髄膜炎菌感染症(頻度不明)
髄膜炎又は敗血症を発症し、急激に重症化することがあるので、本剤の投与に際しては、当該感染症の初期徴候(発熱、頭痛、項部硬直、羞明、精神状態の変化、痙攣、悪心・嘔吐、紫斑、点状出血等)等の観察を十分に行うこと。髄膜炎菌感染症が疑われた場合には、直ちに診察し、抗菌剤の投与等の適切な処置を行うこと。髄膜炎菌に対するワクチンを接種しても発症した例や、死亡に至った例が認められている。[1.1 参照],[5.1 参照],[9.1.1 参照],[9.1.2 参照]
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11.1.2 重篤な感染症(頻度不明)
播種性淋菌感染症、肺炎球菌感染、インフルエンザ菌感染等の重篤な感染症があらわれることがある。[5.1 参照],[9.1.2 参照]
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11.1.3 infusion reaction(頻度不明)
ショック、アナフィラキシー等があらわれることがある。
11.2 その他の副作用
10%以上 |
5%~10%未満 |
5%未満 |
頻度不明 |
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|---|---|---|---|---|
血液 |
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白血球減少症 |
大球性貧血、好中球減少症、リンパ球減少症、鉄欠乏性貧血 |
貧血、凝固因子異常 |
耳及び迷路障害 |
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耳鳴 |
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回転性めまい、耳痛 |
眼 |
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- |
結膜出血、白内障、強膜出血、眼痛、結膜炎、緑内障 |
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胃腸 |
悪心 |
嘔吐 |
上腹部痛、腸炎、下痢、腹痛、腹部膨満、胃食道逆流性疾患、舌炎 |
便秘、消化不良、腹部不快感、歯痛、アフタ性口内炎、嚥下障害、直腸出血、胃の不快感 |
全身障害及び投与局所 |
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発熱 |
胸部不快感、疲労、腋窩痛、悪寒、注射部位硬結、倦怠感、末梢性浮腫 |
インフルエンザ様疾患、無力症、胸痛、注射部位疼痛、溢出、疼痛、冷感、腫脹 |
肝胆道 |
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- |
高ビリルビン血症、肝機能異常 |
黄疸 |
感染症 |
鼻咽頭炎 |
インフルエンザ、咽頭炎 |
単純ヘルペス、麦粒腫、口腔ヘルペス、医療機器関連感染、肺炎、上気道感染、気管支炎、蜂巣炎、膀胱炎、ウイルス性胃腸炎、扁桃炎、帯状疱疹、敗血症、腎膿瘍、アデノウイルス結膜炎、股部白癬、尿道炎、口腔カンジダ症、耳下腺炎、歯周炎 |
尿路感染、真菌感染、ウイルス感染、膿瘍、消化管感染、感染、副鼻腔炎、歯感染、下気道感染、膿痂疹、気道感染、鼻炎、胃腸炎、限局性感染、耳部感染、腹膜炎、BKウイルス感染、ナイセリア感染(淋菌等) |
臨床検査 |
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- |
ALP上昇、ビリルビン上昇、C-反応性蛋白増加、白血球数増加、肝酵素増加、尿中白血球陽性、尿中血陽性、好酸球百分率増加、好中球百分率増加 |
ヘモグロビン減少、ハプトグロビン減少 |
代謝 |
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食欲減退、糖尿病、高アルブミン血症、高血糖 |
低カリウム血症、ヘモクロマトーシス |
筋骨格 |
- |
- |
筋肉痛、関節痛、四肢痛、背部痛 |
筋痙縮、頸部痛、関節腫脹、筋骨格痛、側腹部痛、筋骨格系胸痛 |
神経系 |
頭痛 |
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浮動性めまい、頭部不快感、感覚鈍麻、眼振 |
味覚異常、振戦、失神、嗜眠、片頭痛、知覚障害 |
生殖系 |
- |
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陰嚢障害、希発月経 |
腟出血 |
呼吸器 |
- |
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上気道炎、咳嗽、鼻閉、鼻漏、口腔咽頭不快感 |
呼吸困難、鼻出血、咽喉頭疼痛、湿性咳嗽、咽喉乾燥 |
皮膚 |
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湿疹、発疹 |
皮膚乾燥、紅斑、多形紅斑、脱毛症、多毛症、接触性皮膚炎 |
そう痒症、蕁麻疹、点状出血、発汗、皮膚炎 |
免疫系 |
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- |
- |
季節性アレルギー |
精神系 |
- |
- |
うつ病、不安 |
不眠症、憂鬱感 |
血管・心臓 |
- |
- |
高血圧、動悸、起立性低血圧 |
進行性高血圧、ほてり、血腫、静脈硬化症 |
腎及び尿路障害 |
- |
- |
出血性膀胱炎、腎結石症、尿失禁、尿蛋白 |
排尿困難、血尿、腎疝痛 |
傷害 |
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骨折 |
挫傷、擦過傷、転倒・転落、関節捻挫、四肢損傷 |
その他 |
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皮膚乳頭腫 |
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14. 適用上の注意
14.1 薬剤調製時の注意
- 14.1.1 滅菌シリンジでバイアルから全量を抜き取り、必要量を点滴バッグ等に注入する。
- 14.1.2 日局生理食塩液、日局ブドウ糖注射液(5%)又は日局リンゲル液を点滴バッグ等に添加し、本剤を5mg/mLに希釈する。(希釈した液の容量は本剤300mgの場合60mL、600mgの場合120mL、900mgの場合180mL、1200mgの場合240mLである。)
- 14.1.3 希釈した液を含有する点滴バッグ等を静かに倒立させるなど、緩やかに溶解し、混和する。(抗体タンパクが凝集するおそれがあるため、決して激しく振らないこと。)
- 14.1.4 調製後、微粒子及び変色がないか、目視検査を行うこと。(変色、異物、その他異常を認めたものは使用しないこと。)
- 14.1.5 調製後、希釈した液は速やかに使用すること。なお、やむを得ず保存する場合は、希釈した液は2~25℃で保存し、24時間以内に使用すること。
- 14.1.6 希釈した液を投与前に室温になるまで放置すること。(加熱しないこと。)
15. その他の注意
15.1 臨床使用に基づく情報
臨床試験において抗体反応が検出された患者が認められたが、抗体発現と臨床効果又は有害事象との相関は認められなかった。
15.2 非臨床試験に基づく情報
マウスの胚・胎児発生試験(60mg/kgを器官形成期に静脈内投与)において、網膜形成異常が認められた4) 。