薬効分類名血液成分製剤

一般的名称照射合成血液-LR「日赤」

照射合成血液-LR「日赤」(1単位)、照射合成血液-LR「日赤」(2単位)

Irradiated Blood for Exchange Transfusion, Leukocytes Reduced, NISSEKI(Ir-BET-LR), Irradiated Blood for Exchange Transfusion, Leukocytes Reduced, NISSEKI(Ir-BET-LR)

製造販売元/日本赤十字社

第2版
警告合併症・既往歴等のある患者小児等

重大な副作用

頻度
副作用
頻度不明
頻度不明
頻度不明
呼吸障害輸血関連急性肺障害(TRALI:transfusion-related acute lung injury)
頻度不明
頻度不明
輸血後紫斑病(PTP:post transfusion purpura)
頻度不明
頻度不明
頻度不明

その他の副作用

部位
頻度
副作用
免疫系
頻度不明
血液系
頻度不明
凝固因子や血小板の減少・希釈に伴う出血傾向白血球数の変動
肝臓まわり
頻度不明
胃腸・消化器系
頻度不明
脳・神経
頻度不明
肺・呼吸
頻度不明
微小凝集塊による肺毛細管の閉塞に伴う肺機能不全
心臓・血管
頻度不明
血圧の上昇又は低下頻脈又は徐脈
体液・電解質
頻度不明
アシドーシス血中カリウム濃度の上昇クエン酸による血中カルシウム濃度の低下による症状(手指のしびれ嘔気等)
全身・局所・適用部位
頻度不明
発熱悪寒戦慄頭痛胸痛その他痛みチアノーゼ倦怠
その他
頻度不明

詳細情報

正確な情報は PMDA で必ず確認して下さい

注意以下の情報は参考資料としてご活用下さい

本剤は献血による貴重な血液を原料としている。採血時における問診等の健診、採血血液に対する感染症関連の検査等の安全対策を講じているが、人の血液を原料としていることに由来する感染症伝播等のリスクを完全には排除できない。疾病の治療上の必要性を十分に検討の上、「血液製剤の使用指針」1) 等を参考に、必要最小限の使用にとどめること。

1. 警告

  1. 1.1 次の点について留意して輸血療法を行うこと。
    1. 1.1.1 輸血について十分な知識・経験を持つ医師のもとで使用すること。
    2. 1.1.2 輸血に際しては副作用発現時に救急処置をとれる準備をあらかじめしておくこと。

3. 組成・性状

3.1 組成

照射合成血液-LR「日赤」(1単位)

Ir-BET-LR-1
有効成分 ヒト赤血球・ヒト血漿   血液200mLに由来する赤血球に血漿約60mLを混和した血液量(1単位)
添加剤 血液保存液(CPD液)   (備考欄参照)
備考   ヒト血液200mLから白血球及び血漿の大部分を除去し、洗浄したO型の赤血球層に、白血球の大部分を除去したAB型のヒト血漿を約60mL加えたもので、放射線を照射してある。
なお、ヒト血漿には原料血液由来の血液保存液(CPD液)を含有する。採血時の血液保存液(CPD液)の添加量は、血液200mLあたり28mLである。
照射合成血液-LR「日赤」(2単位)

Ir-BET-LR-2
有効成分 ヒト赤血球・ヒト血漿   血液400mLに由来する赤血球に血漿約120mLを混和した血液量(2単位)
添加剤 血液保存液(CPD液)   (備考欄参照)
備考   ヒト血液400mLから白血球及び血漿の大部分を除去し、洗浄したO型の赤血球層に、白血球の大部分を除去したAB型のヒト血漿を約120mL加えたもので、放射線を照射してある。
なお、ヒト血漿には原料血液由来の血液保存液(CPD液)を含有する。採血時の血液保存液(CPD液)の添加量は、血液200mLあたり28mLである。

表 本剤の上清カリウム濃度及び上清総カリウム量

上清カリウム濃度(mEq/L)
〈200mL採血由来〉   平均値(最小値-最大値)
製造直後   5.2(4.5-6.0)
製造後24時間   8.5(8.0-9.2)
製造後48時間   11.6(11.1-12.2)
上清総カリウム量(mEq)
〈200mL採血由来〉   平均値(最小値-最大値)
製造直後   0.4(0.3-0.5)
製造後24時間   0.6(0.6-0.7)
製造後48時間   0.9(0.9-1.0)

上清カリウム濃度(mEq/L)
〈400mL採血由来〉   平均値(最小値-最大値)
製造直後   4.6(3.8-5.8)
製造後24時間   8.5(7.1-10.1)
製造後48時間   12.0(9.9-14.0)
上清総カリウム量(mEq)
〈400mL採血由来〉   平均値(最小値-最大値)
製造直後   0.7(0.6-0.9)
製造後24時間   1.4(1.1-1.7)
製造後48時間   1.9(1.6-2.3)
注)数値は採血当日の赤血球濃厚液-LR「日赤」(成分及び分量は赤血球液-LR「日赤」と同一)に15Gyの放射線を照射し、採血後5日目に製造した場合のもの(n=8)
採血国:日本、採血方法:献血
 
血液保存液(CPD液)
 クエン酸ナトリウム水和物 26.30g
 クエン酸水和物 3.27g
 ブドウ糖 23.20g
 リン酸二水素ナトリウム水和物 2.51g
――――――――――――――――――――――――
 注射用水を加えて溶かし、全量を1,000mLとする。
 
本剤には、輸血による移植片対宿主病(GVHD:graft versus host disease)2) ,3) を予防する目的で、15Gy以上50Gy以下の放射線が照射されている。また、本剤の上清中のカリウム濃度は、保存に伴い増加することが認められる(表参照)。[8.11 参照]

3.2 製剤の性状

照射合成血液-LR「日赤」(1単位)

性状 濃赤色の液剤である。静置するとき、主として赤血球からなる沈層と黄色の液層とに分かれる。液層は、脂肪により混濁することがあり、また、ヘモグロビンによる弱い着色を認めることがある。
照射合成血液-LR「日赤」(2単位)

性状 濃赤色の液剤である。静置するとき、主として赤血球からなる沈層と黄色の液層とに分かれる。液層は、脂肪により混濁することがあり、また、ヘモグロビンによる弱い着色を認めることがある。

4. 効能又は効果

ABO血液型不適合による新生児溶血性疾患に用いる。

5. 効能又は効果に関連する注意

  1. 5.1 輸血は補充療法であって、根治的な療法ではない。
  2. 5.2 輸血には同種免疫等による副作用4) やウイルス等に感染する危険性5) があり得るので、他に代替する治療法等がなく、その有効性が危険性を上回ると判断される場合にのみ実施すること。

6. 用法及び用量

ろ過装置を具備した輸血用器具を用いて、静脈内に必要量を輸注する。

7. 用法及び用量に関連する注意

  1. 7.1 輸血用器具

    生物学的製剤基準・通則44に規定する輸血に適当と認められた器具であって、そのまま直ちに使用でき、かつ、1回限りの使用で使い捨てるものを用いる。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 輸血は、放射線照射ガイドライン6) 、血液製剤の使用指針1) 、輸血療法の実施に関する指針1) 及び血液製剤保管管理マニュアル7) に基づき、適切に行うこと。
  2. 8.2 輸血を行う場合は、その必要性とともに感染症・副作用等のリスクについて、患者又はその家族等に文書にてわかりやすく説明し、同意を得ること。
  3. 8.3 本剤は、ABO血液型、RhD血液型及び赤血球不規則抗体の検査を行っているが、本剤と患者血液の不適合により溶血等の副作用があらわれることがある。したがって、患者のABO血液型、RhD抗原の確認及び交差適合試験を含む輸血前検査を適切に行うこと。
  4. 8.4 輸血中は患者の様子を適宜観察すること。
  5. 8.5 短時間に大量輸血した場合、クエン酸による血中カルシウム濃度の低下による症状(手指のしびれ、嘔気等)、アシドーシス、凝固因子や血小板の減少・希釈に伴う出血傾向、微小凝集塊による肺毛細管の閉塞に伴う肺機能不全8) 等の障害等があらわれることがある。輸血開始後は適宜患者の血清pH及び電解質等を測定するとともに、これらの症状があらわれた場合には輸血を中止し、適切な処置を行うこと。また、微小凝集塊による副作用防止のためには、必要に応じて微小凝集塊除去用フィルターを使用すること。
  6. 8.6 本剤の使用により、同種免疫による赤血球、白血球、血小板、血漿蛋白等に対する抗体が産生され、溶血、ショック、過敏症等の免疫学的副作用があらわれることがある(本剤はリンパ球を不活化するために放射線照射を行っているが、その抗原性は保持されている)。[9.1.2 参照]
  7. 8.7 *本剤の使用により、輸血関連循環過負荷(TACO:transfusion-associated circulatory overload)9) があらわれることがある。輸血に際しては、患者の心機能や腎機能等を考慮の上、輸血量や輸血速度を決定すること。[11.1.4 参照],[13 参照]
  8. 8.8 本剤は、問診等の健診により健康状態を確認した国内の献血者から採血し、梅毒トレポネーマ、B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV-1及びHIV-2)、ヒトTリンパ球向性ウイルス1型(HTLV-1)及びヒトパルボウイルスB19についての血清学的検査、肝機能(ALT)検査、HBV-DNA、HCV-RNA、HIV-RNA及びE型肝炎ウイルス(HEV)-RNAについての核酸増幅検査に適合した献血血液を原料としている。しかし、このような措置によっても、これら及びその他血液を介するウイルス、細菌、原虫等に感染することがある。[8.9 参照],[8.10 参照],[11.1.2 参照]
  9. 8.9 本剤は、HBV、HCV、HIV-1・HIV-2等のウイルスについての検査には適合しているが、供血者がウインドウ期等にあることによる感染リスクを考慮し、感染が疑われる場合等には、患者の輸血前後の肝炎ウイルスマーカー検査あるいはHIV抗体検査等を実施し、患者の経過観察を行うこと1) [8.8 参照],[11.1.2 参照]
  10. 8.10 本剤の使用により、細菌等によるエンドトキシンショック、敗血症等10) ,11) があらわれることがあるので、観察を十分に行い、症状があらわれた場合には輸血を中止し、適切な処置を行うこと。[8.8 参照],[11.1.2 参照]
  11. 8.11 保存に伴う本剤の上清中のカリウム濃度の増加により、高カリウム血症の出現・増悪をきたす可能性があることから、速やかに使用するなどの対処を行うこと。[3.1 参照]
  12. 8.12 輸血による変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)伝播が疑われる報告12) がある。本剤の使用によるvCJD等の伝播のリスクを完全には排除できないので、使用の際には患者への説明を十分に行い、治療上の必要性を十分検討の上使用すること。
  13. 8.13 放射線照射による有核血液細胞のがん化(malignant transformation)13) 、及び潜在ウイルスの活性化・発がんの誘導14) の可能性を否定できない。
  14. 8.14 血液バッグの可塑剤(フタル酸ジ-2-エチルヘキシル:DEHP)が製剤中に溶出し、保存に伴い増加することが確認されているが、溶出したDEHPにより直接的健康被害が発生したとの報告は現在までにない。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 本剤の成分に対し、ショック等の免疫学的副作用の危険性がある患者

                  [11.1.1 参照]             

  2. 9.1.2 IgA等の血漿蛋白の欠損症のある患者

    欠損蛋白に対する抗体を保有する患者では、アナフィラキシーがあらわれることがある。[8.6 参照],[11.1.1 参照]

9.7 小児等

腎機能、心機能等の未発達な低出生体重児、新生児への輸血は患者の状態を観察しながら慎重に行うこと。また、サイトメガロウイルス(CMV)抗体陰性の胎児、低出生体重児、新生児では、間質性肺炎、肝炎等のCMV感染症に伴う重篤な症状があらわれることがある。[11.1.2 参照]

11. 副作用及び感染症

次の副作用・感染症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には輸血を中止するなど適切な処置を行うこと15) ,16)

11.1 重大な副作用及び感染症

  1. 11.1.1 ショック、アナフィラキシー(頻度不明)

    ショック、チアノーゼ、皮膚潮紅、血管浮腫、喘鳴等のアナフィラキシー17) があらわれることがある(初期症状は全身違和感、皮膚潮紅、腹痛、頻脈等で、アナフィラキシーの多くは輸血開始後10分以内に発現する)。[9.1.1 参照],[9.1.2 参照]

  2. 11.1.2 感染症(頻度不明)

    HBV、HCV等の肝炎ウイルス18) 、HIV-119) 、HIV-220) に感染し、発症することがある。また、HTLV-121) 、CMV22) 、エプスタイン・バーウイルス(EBV)23) 、ヒトパルボウイルスB1924) 、マラリア原虫25) 、HEV26) 等に感染することがあり、その他血液を介するウイルス、細菌、原虫等に感染する危険性も否定できない。[8.8 参照],[8.9 参照],[8.10 参照],[9.7 参照]

  3. 11.1.3 呼吸障害・輸血関連急性肺障害(TRALI:transfusion-related acute lung injury)(頻度不明)

    輸血中あるいは輸血後に喘鳴、低酸素血症、チアノーゼ、肺水腫、TRALI27) 等を生じることがある。特にTRALIは輸血中あるいは輸血終了後6時間以内に、急激な肺水腫、低酸素血症、頻脈、低血圧、チアノーゼ、呼吸困難を伴う呼吸障害で、時に死亡に至ることがある。これらの症状があらわれた場合には直ちに輸血を中止し、酸素投与、呼吸管理等の適切な処置を行うこと。

  4. 11.1.4 *輸血関連循環過負荷(TACO)(頻度不明)

    輸血中あるいは輸血後に、輸血に伴う循環負荷により心不全、チアノーゼ、呼吸困難、肺水腫等があらわれることがあり9) 、時に死亡に至ることがある。これらの症状があらわれた場合には直ちに輸血を中止し、酸素や利尿剤の投与等の適切な処置を行うこと。[8.7 参照],[13 参照]

  5. 11.1.5 輸血後紫斑病(PTP:post transfusion purpura)(頻度不明)

    輸血後約1週間経過して、急激な血小板減少、粘膜出血、血尿等があらわれることがある28)

  6. 11.1.6 心機能障害・不整脈(頻度不明)

    心不全、心筋障害、心房細動・心室細動等の重篤な心機能障害や不整脈があらわれることがある。

  7. 11.1.7 腎機能障害(頻度不明)

    急性腎障害等の重篤な腎機能障害があらわれることがある。

  8. 11.1.8 肝機能障害(頻度不明)

    AST、ALTの著しい上昇を伴う肝機能障害があらわれることがある。

11.2 その他の副作用

頻度不明

過敏症

蕁麻疹、発疹、発赤、そう痒感

血液

凝固因子や血小板の減少・希釈に伴う出血傾向1) 、白血球数の変動

肝・胆道系

黄疸、血中ビリルビンの上昇

腎臓

血尿、ヘモグロビン尿、BUN・クレアチニンの上昇

*消化器

悪心、嘔吐、下痢

*精神神経系

痙攣、意識レベルの低下

呼吸器

微小凝集塊による肺毛細管の閉塞に伴う肺機能不全8) 1)

循環器

血圧の上昇又は低下、頻脈又は徐脈

電解質異常

アシドーシス1) 、血中カリウム濃度の上昇、クエン酸による血中カルシウム濃度の低下による症状1) (手指のしびれ、嘔気等)

全身状態

発熱、悪寒、戦慄、頭痛・胸痛その他痛み、チアノーゼ、倦怠感

その他

鉄の沈着症2) 、鉄過剰症2)

            
1) 短時間に大量に輸血した場合にあらわれることがある。
            
2) 長期間にわたり頻回輸血した場合にあらわれることがある。
          

13. 過量投与

*過量の輸血や急速輸血等により、輸血関連循環過負荷(TACO)があらわれることがある9) [8.7 参照],[11.1.4 参照]

14. 適用上の注意

14.1 輸血準備時の注意

  1. 14.1.1 患者との適合性の確認

    事務的な過誤による血液型不適合輸血を防ぐために、本剤の受け渡し時、輸血準備時及び輸血実施時にそれぞれ、患者氏名(同姓同名に注意)、血液型、製造番号、有効期限、交差適合試験の検査結果、放射線照射の有無などについて、交差試験適合票等の記載事項と輸血用血液バッグの本体及び添付伝票とを照合し、該当患者に適合しているものであることを確認すること。麻酔時など患者本人による確認ができない場合、当該患者に相違ないことを必ず複数の者により確認すること。

  2. 14.1.2 本剤の加温

    本剤は2~6℃で保存されており、新生児交換輸血の場合には体温の低下や血圧低下、不整脈等があらわれることがあるので、本剤の加温が必要である29) 。その際、37℃を超える加温により蛋白変性及び溶血を起こすことがあるので、温度管理を厳重に行うこと。

14.2 輸血実施時の注意

  1. 14.2.1 外観確認

    外観上異常を認めた場合は使用しないこと。

  2. 14.2.2 用時開封等

    細菌汚染を避けるため、本剤は使用するまで輸血口を開封しないこと。また、全量を使用しなかった場合、本剤の残りを再度保存して使用しないこと。

  3. 14.2.3 他の薬剤との混注

    本剤と他の薬剤との混注は避けること。

  4. 14.2.4 物理的障害による溶血

    細い針等の使用時に、強い力で加圧・吸引すると溶血することがあるので注意すること。特に吸引時には注意すること。

  5. 14.2.5 輸血用器具の目詰まり

    輸血中は輸血用器具の目詰まりに注意すること。

本剤は献血による貴重な血液を原料としている。採血時における問診等の健診、採血血液に対する感染症関連の検査等の安全対策を講じているが、人の血液を原料としていることに由来する感染症伝播等のリスクを完全には排除できない。疾病の治療上の必要性を十分に検討の上、「血液製剤の使用指針」1) 等を参考に、必要最小限の使用にとどめること。

1. 警告

  1. 1.1 次の点について留意して輸血療法を行うこと。
    1. 1.1.1 輸血について十分な知識・経験を持つ医師のもとで使用すること。
    2. 1.1.2 輸血に際しては副作用発現時に救急処置をとれる準備をあらかじめしておくこと。

3. 組成・性状

3.1 組成

照射合成血液-LR「日赤」(1単位)

Ir-BET-LR-1
有効成分 ヒト赤血球・ヒト血漿   血液200mLに由来する赤血球に血漿約60mLを混和した血液量(1単位)
添加剤 血液保存液(CPD液)   (備考欄参照)
備考   ヒト血液200mLから白血球及び血漿の大部分を除去し、洗浄したO型の赤血球層に、白血球の大部分を除去したAB型のヒト血漿を約60mL加えたもので、放射線を照射してある。
なお、ヒト血漿には原料血液由来の血液保存液(CPD液)を含有する。採血時の血液保存液(CPD液)の添加量は、血液200mLあたり28mLである。
照射合成血液-LR「日赤」(2単位)

Ir-BET-LR-2
有効成分 ヒト赤血球・ヒト血漿   血液400mLに由来する赤血球に血漿約120mLを混和した血液量(2単位)
添加剤 血液保存液(CPD液)   (備考欄参照)
備考   ヒト血液400mLから白血球及び血漿の大部分を除去し、洗浄したO型の赤血球層に、白血球の大部分を除去したAB型のヒト血漿を約120mL加えたもので、放射線を照射してある。
なお、ヒト血漿には原料血液由来の血液保存液(CPD液)を含有する。採血時の血液保存液(CPD液)の添加量は、血液200mLあたり28mLである。

表 本剤の上清カリウム濃度及び上清総カリウム量

上清カリウム濃度(mEq/L)
〈200mL採血由来〉   平均値(最小値-最大値)
製造直後   5.2(4.5-6.0)
製造後24時間   8.5(8.0-9.2)
製造後48時間   11.6(11.1-12.2)
上清総カリウム量(mEq)
〈200mL採血由来〉   平均値(最小値-最大値)
製造直後   0.4(0.3-0.5)
製造後24時間   0.6(0.6-0.7)
製造後48時間   0.9(0.9-1.0)

上清カリウム濃度(mEq/L)
〈400mL採血由来〉   平均値(最小値-最大値)
製造直後   4.6(3.8-5.8)
製造後24時間   8.5(7.1-10.1)
製造後48時間   12.0(9.9-14.0)
上清総カリウム量(mEq)
〈400mL採血由来〉   平均値(最小値-最大値)
製造直後   0.7(0.6-0.9)
製造後24時間   1.4(1.1-1.7)
製造後48時間   1.9(1.6-2.3)
注)数値は採血当日の赤血球濃厚液-LR「日赤」(成分及び分量は赤血球液-LR「日赤」と同一)に15Gyの放射線を照射し、採血後5日目に製造した場合のもの(n=8)
採血国:日本、採血方法:献血
 
血液保存液(CPD液)
 クエン酸ナトリウム水和物 26.30g
 クエン酸水和物 3.27g
 ブドウ糖 23.20g
 リン酸二水素ナトリウム水和物 2.51g
――――――――――――――――――――――――
 注射用水を加えて溶かし、全量を1,000mLとする。
 
本剤には、輸血による移植片対宿主病(GVHD:graft versus host disease)2) ,3) を予防する目的で、15Gy以上50Gy以下の放射線が照射されている。また、本剤の上清中のカリウム濃度は、保存に伴い増加することが認められる(表参照)。[8.11 参照]

3.2 製剤の性状

照射合成血液-LR「日赤」(1単位)

性状 濃赤色の液剤である。静置するとき、主として赤血球からなる沈層と黄色の液層とに分かれる。液層は、脂肪により混濁することがあり、また、ヘモグロビンによる弱い着色を認めることがある。
照射合成血液-LR「日赤」(2単位)

性状 濃赤色の液剤である。静置するとき、主として赤血球からなる沈層と黄色の液層とに分かれる。液層は、脂肪により混濁することがあり、また、ヘモグロビンによる弱い着色を認めることがある。

4. 効能又は効果

ABO血液型不適合による新生児溶血性疾患に用いる。

5. 効能又は効果に関連する注意

  1. 5.1 輸血は補充療法であって、根治的な療法ではない。
  2. 5.2 輸血には同種免疫等による副作用4) やウイルス等に感染する危険性5) があり得るので、他に代替する治療法等がなく、その有効性が危険性を上回ると判断される場合にのみ実施すること。

6. 用法及び用量

ろ過装置を具備した輸血用器具を用いて、静脈内に必要量を輸注する。

7. 用法及び用量に関連する注意

  1. 7.1 輸血用器具

    生物学的製剤基準・通則44に規定する輸血に適当と認められた器具であって、そのまま直ちに使用でき、かつ、1回限りの使用で使い捨てるものを用いる。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 輸血は、放射線照射ガイドライン6) 、血液製剤の使用指針1) 、輸血療法の実施に関する指針1) 及び血液製剤保管管理マニュアル7) に基づき、適切に行うこと。
  2. 8.2 輸血を行う場合は、その必要性とともに感染症・副作用等のリスクについて、患者又はその家族等に文書にてわかりやすく説明し、同意を得ること。
  3. 8.3 本剤は、ABO血液型、RhD血液型及び赤血球不規則抗体の検査を行っているが、本剤と患者血液の不適合により溶血等の副作用があらわれることがある。したがって、患者のABO血液型、RhD抗原の確認及び交差適合試験を含む輸血前検査を適切に行うこと。
  4. 8.4 輸血中は患者の様子を適宜観察すること。
  5. 8.5 短時間に大量輸血した場合、クエン酸による血中カルシウム濃度の低下による症状(手指のしびれ、嘔気等)、アシドーシス、凝固因子や血小板の減少・希釈に伴う出血傾向、微小凝集塊による肺毛細管の閉塞に伴う肺機能不全8) 等の障害等があらわれることがある。輸血開始後は適宜患者の血清pH及び電解質等を測定するとともに、これらの症状があらわれた場合には輸血を中止し、適切な処置を行うこと。また、微小凝集塊による副作用防止のためには、必要に応じて微小凝集塊除去用フィルターを使用すること。
  6. 8.6 本剤の使用により、同種免疫による赤血球、白血球、血小板、血漿蛋白等に対する抗体が産生され、溶血、ショック、過敏症等の免疫学的副作用があらわれることがある(本剤はリンパ球を不活化するために放射線照射を行っているが、その抗原性は保持されている)。[9.1.2 参照]
  7. 8.7 *本剤の使用により、輸血関連循環過負荷(TACO:transfusion-associated circulatory overload)9) があらわれることがある。輸血に際しては、患者の心機能や腎機能等を考慮の上、輸血量や輸血速度を決定すること。[11.1.4 参照],[13 参照]
  8. 8.8 本剤は、問診等の健診により健康状態を確認した国内の献血者から採血し、梅毒トレポネーマ、B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV-1及びHIV-2)、ヒトTリンパ球向性ウイルス1型(HTLV-1)及びヒトパルボウイルスB19についての血清学的検査、肝機能(ALT)検査、HBV-DNA、HCV-RNA、HIV-RNA及びE型肝炎ウイルス(HEV)-RNAについての核酸増幅検査に適合した献血血液を原料としている。しかし、このような措置によっても、これら及びその他血液を介するウイルス、細菌、原虫等に感染することがある。[8.9 参照],[8.10 参照],[11.1.2 参照]
  9. 8.9 本剤は、HBV、HCV、HIV-1・HIV-2等のウイルスについての検査には適合しているが、供血者がウインドウ期等にあることによる感染リスクを考慮し、感染が疑われる場合等には、患者の輸血前後の肝炎ウイルスマーカー検査あるいはHIV抗体検査等を実施し、患者の経過観察を行うこと1) [8.8 参照],[11.1.2 参照]
  10. 8.10 本剤の使用により、細菌等によるエンドトキシンショック、敗血症等10) ,11) があらわれることがあるので、観察を十分に行い、症状があらわれた場合には輸血を中止し、適切な処置を行うこと。[8.8 参照],[11.1.2 参照]
  11. 8.11 保存に伴う本剤の上清中のカリウム濃度の増加により、高カリウム血症の出現・増悪をきたす可能性があることから、速やかに使用するなどの対処を行うこと。[3.1 参照]
  12. 8.12 輸血による変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)伝播が疑われる報告12) がある。本剤の使用によるvCJD等の伝播のリスクを完全には排除できないので、使用の際には患者への説明を十分に行い、治療上の必要性を十分検討の上使用すること。
  13. 8.13 放射線照射による有核血液細胞のがん化(malignant transformation)13) 、及び潜在ウイルスの活性化・発がんの誘導14) の可能性を否定できない。
  14. 8.14 血液バッグの可塑剤(フタル酸ジ-2-エチルヘキシル:DEHP)が製剤中に溶出し、保存に伴い増加することが確認されているが、溶出したDEHPにより直接的健康被害が発生したとの報告は現在までにない。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 本剤の成分に対し、ショック等の免疫学的副作用の危険性がある患者

                  [11.1.1 参照]             

  2. 9.1.2 IgA等の血漿蛋白の欠損症のある患者

    欠損蛋白に対する抗体を保有する患者では、アナフィラキシーがあらわれることがある。[8.6 参照],[11.1.1 参照]

9.7 小児等

腎機能、心機能等の未発達な低出生体重児、新生児への輸血は患者の状態を観察しながら慎重に行うこと。また、サイトメガロウイルス(CMV)抗体陰性の胎児、低出生体重児、新生児では、間質性肺炎、肝炎等のCMV感染症に伴う重篤な症状があらわれることがある。[11.1.2 参照]

11. 副作用及び感染症

次の副作用・感染症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には輸血を中止するなど適切な処置を行うこと15) ,16)

11.1 重大な副作用及び感染症

  1. 11.1.1 ショック、アナフィラキシー(頻度不明)

    ショック、チアノーゼ、皮膚潮紅、血管浮腫、喘鳴等のアナフィラキシー17) があらわれることがある(初期症状は全身違和感、皮膚潮紅、腹痛、頻脈等で、アナフィラキシーの多くは輸血開始後10分以内に発現する)。[9.1.1 参照],[9.1.2 参照]

  2. 11.1.2 感染症(頻度不明)

    HBV、HCV等の肝炎ウイルス18) 、HIV-119) 、HIV-220) に感染し、発症することがある。また、HTLV-121) 、CMV22) 、エプスタイン・バーウイルス(EBV)23) 、ヒトパルボウイルスB1924) 、マラリア原虫25) 、HEV26) 等に感染することがあり、その他血液を介するウイルス、細菌、原虫等に感染する危険性も否定できない。[8.8 参照],[8.9 参照],[8.10 参照],[9.7 参照]

  3. 11.1.3 呼吸障害・輸血関連急性肺障害(TRALI:transfusion-related acute lung injury)(頻度不明)

    輸血中あるいは輸血後に喘鳴、低酸素血症、チアノーゼ、肺水腫、TRALI27) 等を生じることがある。特にTRALIは輸血中あるいは輸血終了後6時間以内に、急激な肺水腫、低酸素血症、頻脈、低血圧、チアノーゼ、呼吸困難を伴う呼吸障害で、時に死亡に至ることがある。これらの症状があらわれた場合には直ちに輸血を中止し、酸素投与、呼吸管理等の適切な処置を行うこと。

  4. 11.1.4 *輸血関連循環過負荷(TACO)(頻度不明)

    輸血中あるいは輸血後に、輸血に伴う循環負荷により心不全、チアノーゼ、呼吸困難、肺水腫等があらわれることがあり9) 、時に死亡に至ることがある。これらの症状があらわれた場合には直ちに輸血を中止し、酸素や利尿剤の投与等の適切な処置を行うこと。[8.7 参照],[13 参照]

  5. 11.1.5 輸血後紫斑病(PTP:post transfusion purpura)(頻度不明)

    輸血後約1週間経過して、急激な血小板減少、粘膜出血、血尿等があらわれることがある28)

  6. 11.1.6 心機能障害・不整脈(頻度不明)

    心不全、心筋障害、心房細動・心室細動等の重篤な心機能障害や不整脈があらわれることがある。

  7. 11.1.7 腎機能障害(頻度不明)

    急性腎障害等の重篤な腎機能障害があらわれることがある。

  8. 11.1.8 肝機能障害(頻度不明)

    AST、ALTの著しい上昇を伴う肝機能障害があらわれることがある。

11.2 その他の副作用

頻度不明

過敏症

蕁麻疹、発疹、発赤、そう痒感

血液

凝固因子や血小板の減少・希釈に伴う出血傾向1) 、白血球数の変動

肝・胆道系

黄疸、血中ビリルビンの上昇

腎臓

血尿、ヘモグロビン尿、BUN・クレアチニンの上昇

*消化器

悪心、嘔吐、下痢

*精神神経系

痙攣、意識レベルの低下

呼吸器

微小凝集塊による肺毛細管の閉塞に伴う肺機能不全8) 1)

循環器

血圧の上昇又は低下、頻脈又は徐脈

電解質異常

アシドーシス1) 、血中カリウム濃度の上昇、クエン酸による血中カルシウム濃度の低下による症状1) (手指のしびれ、嘔気等)

全身状態

発熱、悪寒、戦慄、頭痛・胸痛その他痛み、チアノーゼ、倦怠感

その他

鉄の沈着症2) 、鉄過剰症2)

            
1) 短時間に大量に輸血した場合にあらわれることがある。
            
2) 長期間にわたり頻回輸血した場合にあらわれることがある。
          

13. 過量投与

*過量の輸血や急速輸血等により、輸血関連循環過負荷(TACO)があらわれることがある9) [8.7 参照],[11.1.4 参照]

14. 適用上の注意

14.1 輸血準備時の注意

  1. 14.1.1 患者との適合性の確認

    事務的な過誤による血液型不適合輸血を防ぐために、本剤の受け渡し時、輸血準備時及び輸血実施時にそれぞれ、患者氏名(同姓同名に注意)、血液型、製造番号、有効期限、交差適合試験の検査結果、放射線照射の有無などについて、交差試験適合票等の記載事項と輸血用血液バッグの本体及び添付伝票とを照合し、該当患者に適合しているものであることを確認すること。麻酔時など患者本人による確認ができない場合、当該患者に相違ないことを必ず複数の者により確認すること。

  2. 14.1.2 本剤の加温

    本剤は2~6℃で保存されており、新生児交換輸血の場合には体温の低下や血圧低下、不整脈等があらわれることがあるので、本剤の加温が必要である29) 。その際、37℃を超える加温により蛋白変性及び溶血を起こすことがあるので、温度管理を厳重に行うこと。

14.2 輸血実施時の注意

  1. 14.2.1 外観確認

    外観上異常を認めた場合は使用しないこと。

  2. 14.2.2 用時開封等

    細菌汚染を避けるため、本剤は使用するまで輸血口を開封しないこと。また、全量を使用しなかった場合、本剤の残りを再度保存して使用しないこと。

  3. 14.2.3 他の薬剤との混注

    本剤と他の薬剤との混注は避けること。

  4. 14.2.4 物理的障害による溶血

    細い針等の使用時に、強い力で加圧・吸引すると溶血することがあるので注意すること。特に吸引時には注意すること。

  5. 14.2.5 輸血用器具の目詰まり

    輸血中は輸血用器具の目詰まりに注意すること。

その他詳細情報

日本標準商品分類番号
876342
ブランドコード
6342414X5025, 6342414X6021
承認番号
22400AMX00780000, 22400AMX00780000
販売開始年月
2013-03, 2013-03
貯法
2~6℃で保存、2~6℃で保存
有効期間
製造後48時間、製造後48時間
規制区分
14, 12, 14, 12

重要な注意事項

  • この情報は医療専門家による診断や治療の代替にはなりません。副作用に関する懸念がある場合は、必ず医師または薬剤師に相談してください。
  • 副作用の発生頻度や重篤度は個人差があります。ここで提供される情報は一般的なものであり、すべての患者さんに当てはまるわけではありません。
  • 薬剤の使用に関しては、必ず医療専門家の指示に従い、自己判断での変更や中止を避けてください。
  • この情報は最新のものであるよう努めていますが、最新とは限りません。常に医療専門家に確認してください。
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