薬効分類名抗ウイルス化学療法剤
一般的名称ジドブジン
コンビビル配合錠
こんびびるはいごうじょう
Combivir Combination Tablets
製造販売元/ヴィーブヘルスケア株式会社、販売元/グラクソ・スミスクライン株式会社
重大な副作用
その他の副作用
併用注意
ペンタミジンイセチオン酸塩、ピリメタミン(国内未発売)、スルファメトキサゾール・トリメトプリム、フルシトシン、ガンシクロビル、インターフェロン、ビンクリスチン硫酸塩、ビンブラスチン硫酸塩、ドキソルビシン塩酸塩
ジドブジンの毒性作用が増強されることがある。
機序は不明であるが、ともに腎毒性又は骨髄毒性を有するためと考えられている。
プロベネシド
ジドブジンの全身クリアランスが約1/3に減少し半減期が約1.5倍延長したとの報告があるので、投与間隔を適宜あけること。
ジドブジンのグルクロン酸抱合が競合的に阻害される。また、本剤のグルクロン酸抱合体の腎排泄が抑制されることが考えられている。
フルコナゾール、ホスフルコナゾール
ジドブジンの最高血中濃度が84%上昇するとの報告がある。
ジドブジンのグルクロン酸抱合が競合的に阻害されることが考えられている。
リトナビル
ジドブジンの最高血中濃度が27%減少し、AUCが25%減少するとの報告がある。
ジドブジンのグルクロン酸抱合が促進されることが考えられている。
リファンピシン
ジドブジンの全身クリアランスが約2.5倍増加し、AUCが約1/2減少するとの報告がある。
機序は不明である。
フェニトイン
血中フェニトイン濃度が約1/2に減少するとの報告がある。また、上昇するとも報告されているので、血中フェニトイン濃度を注意深く観察すること。
機序は不明である。
サニルブジン
細胞内におけるサニルブジン三リン酸化体が減少し、サニルブジンの効果が減弱するとの報告があるので、ジドブジンとサニルブジンとの併用療法は避けることが望ましい。
ジドブジンが細胞内におけるサニルブジンのリン酸化を抑制することが考えられている。
リバビリン
In vitroにおいてリバビリンとの併用によりジドブジンの効果が減弱するとの報告があるので、ジドブジンとリバビリンの併用療法は避けることが望ましい。
ジドブジンの細胞内におけるリン酸化が競合的に阻害されることが考えられている。
アトバコン
ジドブジンのAUCが33%上昇し、グルクロン酸抱合体の最高血中濃度が19%低下した。ジドブジン500又は600mg/日を3週間投与した場合では、ジドブジンの血中濃度の上昇により、副作用の発現頻度が上昇する可能性は低いと考えられるが、アトバコンをより長期に投与する場合には、十分注意すること。
ジドブジンのグルクロン酸抱合が阻害されることが考えられている。
スルファメトキサゾール・トリメトプリム
ラミブジンのAUCが43%増加し、全身クリアランスが30%、腎クリアランスが35%減少したとの報告がある。
腎臓における排泄がラミブジンとトリメトプリムで競合すると考えられている。
ソルビトール
経口ソルビトール溶液(ソルビトールとして3.2g、10.2g、13.4g)とラミブジンの併用により、ラミブジンのAUCが減少した(それぞれ18%、36%、42%減少)との報告がある。
ソルビトールによりラミブジンの吸収が抑制されると考えられている。
1. 警告
- 1.1 本剤の有効成分の一つであるジドブジンにより、骨髄抑制があらわれるので、頻回に血液学的検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。[8.2 参照],[11.1.1 参照]
- 1.2 B型慢性肝炎を合併している患者では、ラミブジンの投与中止により、B型慢性肝炎が再燃するおそれがあるので、本剤の投与を中断する場合には十分注意すること。特に非代償性の場合、重症化するおそれがあるので注意すること。[9.1.6 参照]
2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)
- 2.1 好中球数750/mm3未満又はヘモグロビン値が7.5g/dL未満に減少した患者(ただし原疾患であるHIV感染症に起因し、本剤又は他の抗HIV薬による治療経験が無いものを除く)[7.2 参照],[9.1.1 参照]
- 2.2 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 2.3 イブプロフェン投与中の患者[10.1 参照]
4. 効能又は効果
HIV感染症
5. 効能又は効果に関連する注意
- 5.1 無症候性ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症に関する治療開始については、CD4リンパ球数及び血漿中HIV RNA量が指標とされている。よって、本剤の使用にあたっては、患者のCD4リンパ球数及び血漿中HIV RNA量を確認するとともに、最新のガイドライン1) ,2) ,3) を確認すること。
-
5.2 本剤はジドブジン及びラミブジンの固定用量を含有する配合剤であるので、ジドブジン又はラミブジンの用量調節が必要な次の患者には個別のジドブジン製剤(レトロビルカプセル)又はラミブジン製剤(エピビル錠)を用いること。
- 腎機能障害(クレアチニンクリアランス(Ccr)が30mL/min未満)を有する患者[9.2.1 参照],[9.2.2 参照],[16.6.1 参照]
- 体重30kg未満の小児患者[9.7 参照]
- 肝硬変等の重篤な肝疾患を有する患者[9.1.7 参照]
- 5.3 HIVによる神経機能障害に対する本剤の有効性は確認されていない。
- 5.4 本剤又は他の抗HIV薬による治療経験が無く、かつ、原疾患であるHIV感染症により好中球数750/mm3未満又はヘモグロビン値が7.5g/dL未満に減少したと判断される患者に対しては、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ、本剤の投与を考慮すること。[7.2 参照],[9.1.2 参照]
6. 用法及び用量
通常、成人には1回1錠(ジドブジンとして300mg及びラミブジンとして150mg)を1日2回経口投与する。
7. 用法及び用量に関連する注意
- 7.1 HIVは感染初期から多種多様な変異株を生じ、薬剤耐性を発現しやすいことが知られているので、本剤は他の抗HIV薬と併用すること。[18.3.1 参照],[18.3.2 参照]
- 7.2 本剤投与中貧血(ヘモグロビン値が9.5g/dL未満)又は好中球減少(1000/mm3未満)が認められた場合は、本剤の投与を中止し、個別のジドブジン製剤(レトロビルカプセル)又はラミブジン製剤(エピビル錠)を用いて用量調節を行うこと。[2.1 参照],[5.4 参照],[9.1.1 参照],[9.1.2 参照],[9.1.3 参照]
- 7.3 本剤と他の抗HIV薬との併用療法において、因果関係が特定されない重篤な副作用が発現し、治療の継続が困難であると判断された場合には、本剤若しくは併用している他の抗HIV薬の一部を減量又は休薬するのではなく、原則として本剤及び併用している他の抗HIV薬の投与をすべて一旦中止すること。
- 7.4 本剤はジドブジン及びラミブジンの固定用量を含有する配合剤であるので、本剤に加えてジドブジン含有製剤(レトロビルカプセル)又はラミブジン含有製剤を併用投与しないこと。
- 7.5 ラミブジンの薬剤耐性プロファイル等のウイルス学的特性はエムトリシタビンと類似しているので、本剤とエムトリシタビンを含む製剤を併用しないこと。また、エムトリシタビンを含む抗HIV療法においてウイルス学的効果が得られず、HIV-1逆転写酵素遺伝子のM184V/I変異が認められた場合、エムトリシタビンを本剤に変更するのみで効果の改善は期待できない。[18.3.2 参照]
8. 重要な基本的注意
-
8.1 *本剤の使用に際しては、国内外のガイドライン等の最新の情報を参考に、患者又は患者に代わる適切な者に、次の事項についてよく説明し同意を得た後、使用すること。
- 本剤の日本人における薬物動態及び有効性・安全性は確認されておらず、外国人における成績しか得られていないこと。
- 本剤はHIV感染症の根治療法薬ではないことから、日和見感染症を含むHIV感染症の進展に伴う疾病を発症し続ける可能性があるので、本剤投与開始後の身体状況の変化については、すべて担当医に報告すること。
- 本剤はジドブジン及びラミブジンの固定用量を含有する配合剤であるので、本剤に加えてジドブジン含有製剤(レトロビルカプセル)又はラミブジン含有製剤をさらに追加して服用しないこと。
- 本剤の有効成分であるジドブジンは相互作用が多く知られていることから、他院で処方された薬剤又は市販薬を服用中の場合は、すべて担当医に報告すること。
- 8.2 本剤の有効成分であるジドブジンにより骨髄抑制があらわれるので、投与開始後3ヵ月間は少なくとも2週間毎に血液学的検査を行い、その後は最低1ヵ月毎の検査を行うこと。[1.1 参照],[11.1.1 参照]
- 8.3 重篤な血液障害、乳酸アシドーシス、脂肪沈着による重度の肝腫大(脂肪肝)、横紋筋融解症、ニューロパシー、錯乱、痙攣、てんかん様発作、心不全があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと。[9.2.2 参照],[11.1.1 参照],[11.1.2 参照],[11.1.4 参照],[11.1.5 参照],[11.1.6 参照]
- 8.4 本剤の投与により、脂肪組織萎縮症があらわれることがあるので、脂肪組織萎縮症の徴候を判定するための検査を行うなど、脂肪組織萎縮症の徴候に十分注意するとともに、身体状態の変化について定期的に問診すること。
- 8.5 本剤を含む抗HIV薬の多剤併用療法を行った患者で、免疫再構築症候群が報告されている。投与開始後、免疫機能が回復し、症候性のみならず無症候性日和見感染(マイコバクテリウムアビウムコンプレックス、サイトメガロウイルス、ニューモシスチス等によるもの)等に対する炎症反応が発現することがある。また、免疫機能の回復に伴い自己免疫疾患(甲状腺機能亢進症、多発性筋炎、ギラン・バレー症候群、ブドウ膜炎等)が発現するとの報告があるので、これらの症状を評価し、必要時には適切な治療を考慮すること。
- 8.6 膵炎が発症する可能性があるので、血清アミラーゼ、血清リパーゼ、トリグリセリド等の生化学的検査を定期的に行うこと。[9.1.5 参照],[11.1.3 参照]
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1 好中球数750/mm3未満又はヘモグロビン値が7.5g/dL未満に減少した患者(ただし原疾患であるHIV感染症に起因し、本剤又は他の抗HIV薬による治療経験が無いものを除く)
- 9.1.2 好中球数750/mm3未満又はヘモグロビン値が7.5g/dL未満に減少した患者(原疾患であるHIV感染症に起因し、本剤又は他の抗HIV薬による治療経験が無いもの)
-
9.1.3 好中球数750/mm3以上1000/mm3未満又はヘモグロビン値が7.5g/dL以上9.5g/dL未満の患者
ジドブジンにより好中球数、ヘモグロビン値が更に減少することがある。[7.2 参照]
-
9.1.4 ビタミンB12欠乏患者
ジドブジンにより貧血が発現するおそれがある。
-
9.1.5 膵炎を発症する可能性のある患者(膵炎の既往歴のある患者、膵炎を発症させることが知られている薬剤との併用療法を受けている患者)
膵炎を再発又は発症する可能性がある。本剤の適用を考える場合には、他に十分な効果の認められる治療法がない場合にのみ十分注意して行うこと。[8.6 参照],[11.1.3 参照]
-
9.1.6 B型肝炎ウイルス感染を合併している患者
本剤の投与を中断する場合には十分注意すること。B型慢性肝炎を合併している患者では、本剤の投与中止により、B型慢性肝炎が再燃するおそれがある。特に非代償性の場合、重症化するおそれがある。[1.2 参照]
-
9.1.7 肝硬変等の重篤な肝疾患を有する患者
肝臓におけるグルクロン酸抱合低下により、ジドブジンの高い血中濃度が持続するおそれがある。[5.2 参照]
9.2 腎機能障害患者
-
9.2.1 腎機能障害(Ccrが30mL/min未満)を有する患者
ジドブジン及びラミブジンの高い血中濃度が持続するおそれがある。[5.2 参照],[16.6.1 参照]
-
9.2.2 腎機能障害(Ccrが30~49mL/min)を有する患者
血液検査等をより頻回に行うなど、慎重に患者の状態を観察すること。副作用の発現が疑われる場合は、個別のジドブジン製剤又はラミブジン製剤を用いて用量調節を考慮すること。ジドブジン及びラミブジンの高い血中濃度が持続するおそれがある。[5.2 参照],[8.3 参照],[16.6.1 参照]
9.5 妊婦
-
9.5.1 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
-
(1) ジドブジン
ジドブジンはヒト胎盤を通過する。出生児の血漿中ジドブジン濃度は、分娩時の母親の血漿中濃度と同じであることが報告されている4) (外国人データ)。
ジドブジンが胎児臍帯血白血球のDNAに取り込まれたという報告がある5) (外国人データ)。
ラットの受胎能及び一般生殖能試験(50、150、450mg/kg/日、1日2回投与)では、中及び高用量群に胚吸収率の増加、高用量群に胎児平均体重の減少がみられた。
サルを用いた試験で、胎児にミトコンドリア障害(心筋及び骨格筋におけるミトコンドリアミオパシー)が認められたとの報告がある6) 。 -
(2) ラミブジン
ラミブジンはヒト胎盤を通過する。出生児の血清中ラミブジン濃度は、分娩時の母親の血清中及び臍帯血中の濃度と同じであることが報告されている(外国人データ)。
動物実験(ウサギ)で胎児毒性(早期の胚死亡数の増加)が報告されている。 -
(3) ジドブジン/ラミブジン共通
ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(NRTI)を子宮内曝露又は周産期曝露された新生児及び乳児において、ミトコンドリア障害によると考えられる軽微で一過性の血清乳酸値の上昇が報告されている。
非常にまれに発育遅延、てんかん様発作、他の神経疾患も報告されている。しかしながら、これら事象とNRTIの子宮内曝露、周産期曝露との関連性は確立していない。
-
(1) ジドブジン
- 9.5.2 本剤を投与された妊婦より出生した児に貧血があらわれることがある。定期的に検査を行うなど児の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
9.6 授乳婦
-
9.6.1 授乳を避けさせること。
-
(1) ジドブジン
経口投与されたジドブジン(200mg、単回投与)は、ヒト乳汁中に排泄され、血清中の濃度と同じであることが報告されている(外国人データ)。
ジドブジンの母体血漿中濃度に対する乳汁中濃度の比は0.4~3.2であることが報告されている(外国人データ)。
乳児の血清中のジドブジン濃度は24ng/mLであったとの報告がある7) (外国人データ)。 -
(2) ラミブジン
経口投与されたラミブジンはヒト乳汁中に排泄されることが報告されている(乳汁中濃度:<0.5-8.2μg/mL)8) (外国人データ)。
ラミブジンの母体血漿中濃度に対する乳汁中濃度の比は0.6~3.3であることが報告されている(外国人データ)。
乳児の血清中のラミブジン濃度は18~28ng/mLであったとの報告がある(外国人データ)。
-
(1) ジドブジン
9.7 小児等
本剤はジドブジン及びラミブジンの固定用量を含有する配合剤であるので、ジドブジン又はラミブジンの用量調節が必要である体重30kg未満の小児患者には、個別のジドブジン製剤(レトロビルカプセル)又はラミブジン製剤(エピビル錠)を用いること。[5.2 参照]
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。肝機能又は腎機能が低下していることが多いため高い血中濃度が持続するおそれがある。
10. 相互作用
10.1 併用禁忌(併用しないこと)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
イブプロフェン(ブルフェン) |
ジドブジンと併用投与した場合、血友病患者において出血傾向が増強することがある。 |
機序は不明である。 |
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
ペンタミジンイセチオン酸塩、ピリメタミン(国内未発売)、スルファメトキサゾール・トリメトプリム、フルシトシン、ガンシクロビル、インターフェロン、ビンクリスチン硫酸塩、ビンブラスチン硫酸塩、ドキソルビシン塩酸塩 |
ジドブジンの毒性作用が増強されることがある。 |
機序は不明であるが、ともに腎毒性又は骨髄毒性を有するためと考えられている。 |
プロベネシド |
ジドブジンの全身クリアランスが約1/3に減少し半減期が約1.5倍延長したとの報告があるので、投与間隔を適宜あけること。 |
ジドブジンのグルクロン酸抱合が競合的に阻害される。また、本剤のグルクロン酸抱合体の腎排泄が抑制されることが考えられている。 |
フルコナゾール、ホスフルコナゾール |
ジドブジンの最高血中濃度が84%上昇するとの報告がある9) 。 |
ジドブジンのグルクロン酸抱合が競合的に阻害されることが考えられている。 |
リトナビル |
ジドブジンの最高血中濃度が27%減少し、AUCが25%減少するとの報告がある10) 。 |
ジドブジンのグルクロン酸抱合が促進されることが考えられている。 |
リファンピシン |
ジドブジンの全身クリアランスが約2.5倍増加し、AUCが約1/2減少するとの報告がある11) 。 |
機序は不明である。 |
フェニトイン |
血中フェニトイン濃度が約1/2に減少するとの報告がある12) 。また、上昇するとも報告されているので、血中フェニトイン濃度を注意深く観察すること。 |
機序は不明である。 |
サニルブジン |
細胞内におけるサニルブジン三リン酸化体が減少し、サニルブジンの効果が減弱するとの報告があるので、ジドブジンとサニルブジンとの併用療法は避けることが望ましい。 |
ジドブジンが細胞内におけるサニルブジンのリン酸化を抑制することが考えられている。 |
リバビリン |
In vitroにおいてリバビリンとの併用によりジドブジンの効果が減弱するとの報告があるので、ジドブジンとリバビリンの併用療法は避けることが望ましい。 |
ジドブジンの細胞内におけるリン酸化が競合的に阻害されることが考えられている。 |
アトバコン |
ジドブジンのAUCが33%上昇し、グルクロン酸抱合体の最高血中濃度が19%低下した。ジドブジン500又は600mg/日を3週間投与した場合では、ジドブジンの血中濃度の上昇により、副作用の発現頻度が上昇する可能性は低いと考えられるが、アトバコンをより長期に投与する場合には、十分注意すること。 |
ジドブジンのグルクロン酸抱合が阻害されることが考えられている。 |
スルファメトキサゾール・トリメトプリム |
ラミブジンのAUCが43%増加し、全身クリアランスが30%、腎クリアランスが35%減少したとの報告がある。 |
腎臓における排泄がラミブジンとトリメトプリムで競合すると考えられている。 |
ソルビトール |
経口ソルビトール溶液(ソルビトールとして3.2g、10.2g、13.4g)とラミブジンの併用により、ラミブジンのAUCが減少した(それぞれ18%、36%、42%減少)との報告がある。 |
ソルビトールによりラミブジンの吸収が抑制されると考えられている。 |
11. 副作用
11.1 重大な副作用
-
11.1.1 重篤な血液障害
再生不良性貧血、赤芽球癆(いずれも頻度不明)、汎血球減少(0.4%)、貧血(12.0%)、白血球減少(3.2%)、好中球減少(0.2%)、血小板減少(0.4%)[1.1 参照],[8.2 参照],[8.3 参照]
-
11.1.2 乳酸アシドーシス(0.2%)、脂肪沈着による重度の肝腫大(脂肪肝)(0.2%)
乳酸アシドーシス又は肝毒性が疑われる臨床症状や検査値異常が認められた場合には、本剤の投与を一時中止すること。特に、肝疾患の危険因子を有する患者においては注意すること。本剤を含むNRTIの単独投与又はこれらの併用療法により、重篤な乳酸アシドーシス(全身倦怠、食欲不振、急な体重減少、胃腸障害、呼吸困難、頻呼吸等)及び肝毒性(脂肪沈着による重度の肝腫大、脂肪肝を含む)が、女性に多く報告されている。[8.3 参照]
-
11.1.3 膵炎(0.4%)
血清アミラーゼ、血清リパーゼ、トリグリセリド等の検査値の上昇がみられた場合には、直ちに本剤の投与を中止すること。また、重度の腹痛、悪心・嘔吐等の症状がみられた場合にも直ちに本剤の投与を中止し、生化学的検査(血清アミラーゼ、血清リパーゼ、トリグリセリド等)及び画像診断等による観察を十分行うこと。[8.6 参照],[9.1.5 参照]
- 11.1.4 横紋筋融解症(頻度不明)
- 11.1.5 ニューロパシー(0.4%)、錯乱、痙攣、てんかん様発作(いずれも頻度不明)
- 11.1.6 心不全(頻度不明)
11.2 その他の副作用
1~11%未満 |
1%未満 |
頻度不明 |
|
|---|---|---|---|
血液 |
平均赤血球容積(MCV)増加注1)、リンパ球減少注2)、リンパ節症注2) |
||
消化器 |
嘔気、下痢、腹痛、嘔吐、食欲不振、胃炎、鼓腸放屁 |
消化不良、便秘、口内潰瘍 |
嚥下困難、口唇浮腫、舌浮腫、噯気、歯肉出血、直腸出血、痔核注2)、腹部痙直注2) |
全身症状 |
倦怠感・疲労、体脂肪の再分布/蓄積(胸部、体幹部の脂肪増加、末梢部、顔面の脂肪減少、野牛肩、血清脂質増加、血糖増加)、発熱 |
疼痛、頭痛、体重減少、無力症 |
胸痛、全身痛、悪寒、感冒症状、背痛、体温調節障害注2)、インフルエンザ様疾患 |
肝臓 |
肝機能検査値異常(AST、ALT等の上昇) |
||
筋骨格 |
骨痛・筋痛 |
ミオパシー、CK上昇を伴う筋脱力、筋痙直注2)、関節痛注2) |
|
精神神経系 |
めまい |
うつ病、錯感覚、不眠、末梢神経障害、傾眠、失神 |
痙攣等の脳症状、活動低下、手足のしびれ感、情緒不安、筋痙攣、振戦、攣縮、痛覚過敏、神経過敏症、健忘症、見当識障害、嗄声、ストレス反応、空間の広がり感、睡眠障害注2)、不安注2)、感情障害注2) |
呼吸器 |
呼吸困難、肺炎、鼻出血、咽頭炎、鼻炎注1)、咳注2)、咽頭痛注2)、気管支炎注2)、副鼻腔炎注2)、耳管炎注2)、呼吸障害注2)、上気道炎注2) |
||
皮膚 |
発疹 |
湿疹、痤瘡・毛嚢炎、そう痒、皮膚炎、脱毛 |
じん麻疹、体臭変化、爪・皮膚・口腔粘膜の色素沈着、発汗注2) |
過敏症 |
アレルギー反応 |
||
腎臓 |
頻尿、排尿障害、腎不全、無尿、多尿、血清クレアチニン上昇注2) |
||
循環器 |
心筋症、血管拡張 |
||
代謝・内分泌系 |
トリグリセリド上昇・血清コレステロール上昇、血中尿酸上昇 |
CK上昇、高乳酸塩血症 |
血清アミラーゼ上昇、脱水、高血糖注1)、重炭酸塩低下注1)、総蛋白低下注2)、重炭酸塩上昇注2)、総蛋白上昇注2)、血糖値低下注2) |
その他 |
味覚倒錯、霧視 |
羞明、弱視、難聴、敗血症、女性化乳房 |
注2)海外におけるジドブジンとラミブジンの併用療法を行った4種類の二重盲検比較試験での頻度:20%未満
注)発現頻度には使用成績調査の結果を含む
13. 過量投与
-
13.1 処置
血液透析及び腹膜透析はジドブジンの除去には一部しか関与しないが、グルクロン酸抱合体の排泄を亢進する。ラミブジンは血液透析により一部除去される(ラミブジン300mg投与時に、投与約2時間後から4時間血液透析したとき、AUC0-infが約24%低下することが報告されている)51) 。
15. その他の注意
15.2 非臨床試験に基づく情報
-
15.2.1 ジドブジンについては、がん原性試験で試験末期に雌動物(ラット及びマウス)に膣腫瘍が発生したとの報告がある。
マウス(20、30、40mg/kg/日、1日1回経口投与)及びラット(80、220、300mg/kg/日、1日1回経口投与)におけるがん原性試験で、膣扁平上皮癌(マウス高用量群5/60例、ラット高用量群2/60例)が認められた13) 。[15.2.2 参照] -
15.2.2 ジドブジンについては、マウスにおける経胎盤曝露によるがん原性試験で次の報告がある。
- 最大耐量(420mg/kg/周産期体重)を妊娠12~18日(妊娠中~末期)に投与された母動物からの出生児において、出生1年後、肺、肝及び雌性生殖器の腫瘍発生率の増加が認められた14) 。
- 母動物に最高40mg/kgを妊娠10日から分娩を経て離乳まで投与した。引き続き離乳後は出生児に同量を生後24ヵ月まで投与したところ、投与期間末期に膣扁平上皮癌が認められた。この成績は上記のがん原性試験で認められた腫瘍の発生率及び発生時期と同様であった15) 。[15.2.1 参照]
-
15.2.3 ジドブジンの変異原性について、次の報告がある。
- Ames試験では変異原性は認められなかったが、マウスリンパ腫細胞を用いた遺伝子突然変異試験において弱い変異原性を示し、in vitroの細胞形質転換試験において陽性を示した13) 。
- ラットを用いたin vivo染色体異常試験では染色体の損傷は認められなかったが、ヒト培養リンパ球を用いたin vitro染色体異常試験、ラット及びマウスを用いたin vivo小核試験で染色体異常誘発作用が認められた13) 。また、11人のAIDS患者の末梢血リンパ球において、ジドブジン服用患者は非服用患者と比較して染色体異常頻度が高かったとの報告がある16) 。
- ジドブジンが成人AIDS患者の白血球のDNA及びその胎児臍帯血白血球のDNAに取り込まれたとの報告がある5) 。
-
15.2.4 ラミブジンについては、遺伝毒性試験において弱い染色体異常誘発作用を示したとの報告がある。また、長期のがん原性試験において発がん性を認めなかったとの報告がある。
ヒト末梢血リンパ球を用いた染色体異常試験では300μg/mL以上、マウスリンパ腫細胞を用いた遺伝子突然変異試験では2000μg/mL以上で陽性を示した。
マウス及びラットを用いた長期のがん原性試験では、臨床用量におけるヒト全身曝露量(AUC)の10倍(マウス)及び58倍(ラット)までの曝露量において、発がん性は認められなかった。
1. 警告
- 1.1 本剤の有効成分の一つであるジドブジンにより、骨髄抑制があらわれるので、頻回に血液学的検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。[8.2 参照],[11.1.1 参照]
- 1.2 B型慢性肝炎を合併している患者では、ラミブジンの投与中止により、B型慢性肝炎が再燃するおそれがあるので、本剤の投与を中断する場合には十分注意すること。特に非代償性の場合、重症化するおそれがあるので注意すること。[9.1.6 参照]
2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)
- 2.1 好中球数750/mm3未満又はヘモグロビン値が7.5g/dL未満に減少した患者(ただし原疾患であるHIV感染症に起因し、本剤又は他の抗HIV薬による治療経験が無いものを除く)[7.2 参照],[9.1.1 参照]
- 2.2 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 2.3 イブプロフェン投与中の患者[10.1 参照]
4. 効能又は効果
HIV感染症
5. 効能又は効果に関連する注意
- 5.1 無症候性ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症に関する治療開始については、CD4リンパ球数及び血漿中HIV RNA量が指標とされている。よって、本剤の使用にあたっては、患者のCD4リンパ球数及び血漿中HIV RNA量を確認するとともに、最新のガイドライン1) ,2) ,3) を確認すること。
-
5.2 本剤はジドブジン及びラミブジンの固定用量を含有する配合剤であるので、ジドブジン又はラミブジンの用量調節が必要な次の患者には個別のジドブジン製剤(レトロビルカプセル)又はラミブジン製剤(エピビル錠)を用いること。
- 腎機能障害(クレアチニンクリアランス(Ccr)が30mL/min未満)を有する患者[9.2.1 参照],[9.2.2 参照],[16.6.1 参照]
- 体重30kg未満の小児患者[9.7 参照]
- 肝硬変等の重篤な肝疾患を有する患者[9.1.7 参照]
- 5.3 HIVによる神経機能障害に対する本剤の有効性は確認されていない。
- 5.4 本剤又は他の抗HIV薬による治療経験が無く、かつ、原疾患であるHIV感染症により好中球数750/mm3未満又はヘモグロビン値が7.5g/dL未満に減少したと判断される患者に対しては、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ、本剤の投与を考慮すること。[7.2 参照],[9.1.2 参照]
6. 用法及び用量
通常、成人には1回1錠(ジドブジンとして300mg及びラミブジンとして150mg)を1日2回経口投与する。
7. 用法及び用量に関連する注意
- 7.1 HIVは感染初期から多種多様な変異株を生じ、薬剤耐性を発現しやすいことが知られているので、本剤は他の抗HIV薬と併用すること。[18.3.1 参照],[18.3.2 参照]
- 7.2 本剤投与中貧血(ヘモグロビン値が9.5g/dL未満)又は好中球減少(1000/mm3未満)が認められた場合は、本剤の投与を中止し、個別のジドブジン製剤(レトロビルカプセル)又はラミブジン製剤(エピビル錠)を用いて用量調節を行うこと。[2.1 参照],[5.4 参照],[9.1.1 参照],[9.1.2 参照],[9.1.3 参照]
- 7.3 本剤と他の抗HIV薬との併用療法において、因果関係が特定されない重篤な副作用が発現し、治療の継続が困難であると判断された場合には、本剤若しくは併用している他の抗HIV薬の一部を減量又は休薬するのではなく、原則として本剤及び併用している他の抗HIV薬の投与をすべて一旦中止すること。
- 7.4 本剤はジドブジン及びラミブジンの固定用量を含有する配合剤であるので、本剤に加えてジドブジン含有製剤(レトロビルカプセル)又はラミブジン含有製剤を併用投与しないこと。
- 7.5 ラミブジンの薬剤耐性プロファイル等のウイルス学的特性はエムトリシタビンと類似しているので、本剤とエムトリシタビンを含む製剤を併用しないこと。また、エムトリシタビンを含む抗HIV療法においてウイルス学的効果が得られず、HIV-1逆転写酵素遺伝子のM184V/I変異が認められた場合、エムトリシタビンを本剤に変更するのみで効果の改善は期待できない。[18.3.2 参照]
8. 重要な基本的注意
-
8.1 *本剤の使用に際しては、国内外のガイドライン等の最新の情報を参考に、患者又は患者に代わる適切な者に、次の事項についてよく説明し同意を得た後、使用すること。
- 本剤の日本人における薬物動態及び有効性・安全性は確認されておらず、外国人における成績しか得られていないこと。
- 本剤はHIV感染症の根治療法薬ではないことから、日和見感染症を含むHIV感染症の進展に伴う疾病を発症し続ける可能性があるので、本剤投与開始後の身体状況の変化については、すべて担当医に報告すること。
- 本剤はジドブジン及びラミブジンの固定用量を含有する配合剤であるので、本剤に加えてジドブジン含有製剤(レトロビルカプセル)又はラミブジン含有製剤をさらに追加して服用しないこと。
- 本剤の有効成分であるジドブジンは相互作用が多く知られていることから、他院で処方された薬剤又は市販薬を服用中の場合は、すべて担当医に報告すること。
- 8.2 本剤の有効成分であるジドブジンにより骨髄抑制があらわれるので、投与開始後3ヵ月間は少なくとも2週間毎に血液学的検査を行い、その後は最低1ヵ月毎の検査を行うこと。[1.1 参照],[11.1.1 参照]
- 8.3 重篤な血液障害、乳酸アシドーシス、脂肪沈着による重度の肝腫大(脂肪肝)、横紋筋融解症、ニューロパシー、錯乱、痙攣、てんかん様発作、心不全があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと。[9.2.2 参照],[11.1.1 参照],[11.1.2 参照],[11.1.4 参照],[11.1.5 参照],[11.1.6 参照]
- 8.4 本剤の投与により、脂肪組織萎縮症があらわれることがあるので、脂肪組織萎縮症の徴候を判定するための検査を行うなど、脂肪組織萎縮症の徴候に十分注意するとともに、身体状態の変化について定期的に問診すること。
- 8.5 本剤を含む抗HIV薬の多剤併用療法を行った患者で、免疫再構築症候群が報告されている。投与開始後、免疫機能が回復し、症候性のみならず無症候性日和見感染(マイコバクテリウムアビウムコンプレックス、サイトメガロウイルス、ニューモシスチス等によるもの)等に対する炎症反応が発現することがある。また、免疫機能の回復に伴い自己免疫疾患(甲状腺機能亢進症、多発性筋炎、ギラン・バレー症候群、ブドウ膜炎等)が発現するとの報告があるので、これらの症状を評価し、必要時には適切な治療を考慮すること。
- 8.6 膵炎が発症する可能性があるので、血清アミラーゼ、血清リパーゼ、トリグリセリド等の生化学的検査を定期的に行うこと。[9.1.5 参照],[11.1.3 参照]
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1 好中球数750/mm3未満又はヘモグロビン値が7.5g/dL未満に減少した患者(ただし原疾患であるHIV感染症に起因し、本剤又は他の抗HIV薬による治療経験が無いものを除く)
- 9.1.2 好中球数750/mm3未満又はヘモグロビン値が7.5g/dL未満に減少した患者(原疾患であるHIV感染症に起因し、本剤又は他の抗HIV薬による治療経験が無いもの)
-
9.1.3 好中球数750/mm3以上1000/mm3未満又はヘモグロビン値が7.5g/dL以上9.5g/dL未満の患者
ジドブジンにより好中球数、ヘモグロビン値が更に減少することがある。[7.2 参照]
-
9.1.4 ビタミンB12欠乏患者
ジドブジンにより貧血が発現するおそれがある。
-
9.1.5 膵炎を発症する可能性のある患者(膵炎の既往歴のある患者、膵炎を発症させることが知られている薬剤との併用療法を受けている患者)
膵炎を再発又は発症する可能性がある。本剤の適用を考える場合には、他に十分な効果の認められる治療法がない場合にのみ十分注意して行うこと。[8.6 参照],[11.1.3 参照]
-
9.1.6 B型肝炎ウイルス感染を合併している患者
本剤の投与を中断する場合には十分注意すること。B型慢性肝炎を合併している患者では、本剤の投与中止により、B型慢性肝炎が再燃するおそれがある。特に非代償性の場合、重症化するおそれがある。[1.2 参照]
-
9.1.7 肝硬変等の重篤な肝疾患を有する患者
肝臓におけるグルクロン酸抱合低下により、ジドブジンの高い血中濃度が持続するおそれがある。[5.2 参照]
9.2 腎機能障害患者
-
9.2.1 腎機能障害(Ccrが30mL/min未満)を有する患者
ジドブジン及びラミブジンの高い血中濃度が持続するおそれがある。[5.2 参照],[16.6.1 参照]
-
9.2.2 腎機能障害(Ccrが30~49mL/min)を有する患者
血液検査等をより頻回に行うなど、慎重に患者の状態を観察すること。副作用の発現が疑われる場合は、個別のジドブジン製剤又はラミブジン製剤を用いて用量調節を考慮すること。ジドブジン及びラミブジンの高い血中濃度が持続するおそれがある。[5.2 参照],[8.3 参照],[16.6.1 参照]
9.5 妊婦
-
9.5.1 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
-
(1) ジドブジン
ジドブジンはヒト胎盤を通過する。出生児の血漿中ジドブジン濃度は、分娩時の母親の血漿中濃度と同じであることが報告されている4) (外国人データ)。
ジドブジンが胎児臍帯血白血球のDNAに取り込まれたという報告がある5) (外国人データ)。
ラットの受胎能及び一般生殖能試験(50、150、450mg/kg/日、1日2回投与)では、中及び高用量群に胚吸収率の増加、高用量群に胎児平均体重の減少がみられた。
サルを用いた試験で、胎児にミトコンドリア障害(心筋及び骨格筋におけるミトコンドリアミオパシー)が認められたとの報告がある6) 。 -
(2) ラミブジン
ラミブジンはヒト胎盤を通過する。出生児の血清中ラミブジン濃度は、分娩時の母親の血清中及び臍帯血中の濃度と同じであることが報告されている(外国人データ)。
動物実験(ウサギ)で胎児毒性(早期の胚死亡数の増加)が報告されている。 -
(3) ジドブジン/ラミブジン共通
ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(NRTI)を子宮内曝露又は周産期曝露された新生児及び乳児において、ミトコンドリア障害によると考えられる軽微で一過性の血清乳酸値の上昇が報告されている。
非常にまれに発育遅延、てんかん様発作、他の神経疾患も報告されている。しかしながら、これら事象とNRTIの子宮内曝露、周産期曝露との関連性は確立していない。
-
(1) ジドブジン
- 9.5.2 本剤を投与された妊婦より出生した児に貧血があらわれることがある。定期的に検査を行うなど児の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
9.6 授乳婦
-
9.6.1 授乳を避けさせること。
-
(1) ジドブジン
経口投与されたジドブジン(200mg、単回投与)は、ヒト乳汁中に排泄され、血清中の濃度と同じであることが報告されている(外国人データ)。
ジドブジンの母体血漿中濃度に対する乳汁中濃度の比は0.4~3.2であることが報告されている(外国人データ)。
乳児の血清中のジドブジン濃度は24ng/mLであったとの報告がある7) (外国人データ)。 -
(2) ラミブジン
経口投与されたラミブジンはヒト乳汁中に排泄されることが報告されている(乳汁中濃度:<0.5-8.2μg/mL)8) (外国人データ)。
ラミブジンの母体血漿中濃度に対する乳汁中濃度の比は0.6~3.3であることが報告されている(外国人データ)。
乳児の血清中のラミブジン濃度は18~28ng/mLであったとの報告がある(外国人データ)。
-
(1) ジドブジン
9.7 小児等
本剤はジドブジン及びラミブジンの固定用量を含有する配合剤であるので、ジドブジン又はラミブジンの用量調節が必要である体重30kg未満の小児患者には、個別のジドブジン製剤(レトロビルカプセル)又はラミブジン製剤(エピビル錠)を用いること。[5.2 参照]
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。肝機能又は腎機能が低下していることが多いため高い血中濃度が持続するおそれがある。
10. 相互作用
10.1 併用禁忌(併用しないこと)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
イブプロフェン(ブルフェン) |
ジドブジンと併用投与した場合、血友病患者において出血傾向が増強することがある。 |
機序は不明である。 |
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
ペンタミジンイセチオン酸塩、ピリメタミン(国内未発売)、スルファメトキサゾール・トリメトプリム、フルシトシン、ガンシクロビル、インターフェロン、ビンクリスチン硫酸塩、ビンブラスチン硫酸塩、ドキソルビシン塩酸塩 |
ジドブジンの毒性作用が増強されることがある。 |
機序は不明であるが、ともに腎毒性又は骨髄毒性を有するためと考えられている。 |
プロベネシド |
ジドブジンの全身クリアランスが約1/3に減少し半減期が約1.5倍延長したとの報告があるので、投与間隔を適宜あけること。 |
ジドブジンのグルクロン酸抱合が競合的に阻害される。また、本剤のグルクロン酸抱合体の腎排泄が抑制されることが考えられている。 |
フルコナゾール、ホスフルコナゾール |
ジドブジンの最高血中濃度が84%上昇するとの報告がある9) 。 |
ジドブジンのグルクロン酸抱合が競合的に阻害されることが考えられている。 |
リトナビル |
ジドブジンの最高血中濃度が27%減少し、AUCが25%減少するとの報告がある10) 。 |
ジドブジンのグルクロン酸抱合が促進されることが考えられている。 |
リファンピシン |
ジドブジンの全身クリアランスが約2.5倍増加し、AUCが約1/2減少するとの報告がある11) 。 |
機序は不明である。 |
フェニトイン |
血中フェニトイン濃度が約1/2に減少するとの報告がある12) 。また、上昇するとも報告されているので、血中フェニトイン濃度を注意深く観察すること。 |
機序は不明である。 |
サニルブジン |
細胞内におけるサニルブジン三リン酸化体が減少し、サニルブジンの効果が減弱するとの報告があるので、ジドブジンとサニルブジンとの併用療法は避けることが望ましい。 |
ジドブジンが細胞内におけるサニルブジンのリン酸化を抑制することが考えられている。 |
リバビリン |
In vitroにおいてリバビリンとの併用によりジドブジンの効果が減弱するとの報告があるので、ジドブジンとリバビリンの併用療法は避けることが望ましい。 |
ジドブジンの細胞内におけるリン酸化が競合的に阻害されることが考えられている。 |
アトバコン |
ジドブジンのAUCが33%上昇し、グルクロン酸抱合体の最高血中濃度が19%低下した。ジドブジン500又は600mg/日を3週間投与した場合では、ジドブジンの血中濃度の上昇により、副作用の発現頻度が上昇する可能性は低いと考えられるが、アトバコンをより長期に投与する場合には、十分注意すること。 |
ジドブジンのグルクロン酸抱合が阻害されることが考えられている。 |
スルファメトキサゾール・トリメトプリム |
ラミブジンのAUCが43%増加し、全身クリアランスが30%、腎クリアランスが35%減少したとの報告がある。 |
腎臓における排泄がラミブジンとトリメトプリムで競合すると考えられている。 |
ソルビトール |
経口ソルビトール溶液(ソルビトールとして3.2g、10.2g、13.4g)とラミブジンの併用により、ラミブジンのAUCが減少した(それぞれ18%、36%、42%減少)との報告がある。 |
ソルビトールによりラミブジンの吸収が抑制されると考えられている。 |
11. 副作用
11.1 重大な副作用
-
11.1.1 重篤な血液障害
再生不良性貧血、赤芽球癆(いずれも頻度不明)、汎血球減少(0.4%)、貧血(12.0%)、白血球減少(3.2%)、好中球減少(0.2%)、血小板減少(0.4%)[1.1 参照],[8.2 参照],[8.3 参照]
-
11.1.2 乳酸アシドーシス(0.2%)、脂肪沈着による重度の肝腫大(脂肪肝)(0.2%)
乳酸アシドーシス又は肝毒性が疑われる臨床症状や検査値異常が認められた場合には、本剤の投与を一時中止すること。特に、肝疾患の危険因子を有する患者においては注意すること。本剤を含むNRTIの単独投与又はこれらの併用療法により、重篤な乳酸アシドーシス(全身倦怠、食欲不振、急な体重減少、胃腸障害、呼吸困難、頻呼吸等)及び肝毒性(脂肪沈着による重度の肝腫大、脂肪肝を含む)が、女性に多く報告されている。[8.3 参照]
-
11.1.3 膵炎(0.4%)
血清アミラーゼ、血清リパーゼ、トリグリセリド等の検査値の上昇がみられた場合には、直ちに本剤の投与を中止すること。また、重度の腹痛、悪心・嘔吐等の症状がみられた場合にも直ちに本剤の投与を中止し、生化学的検査(血清アミラーゼ、血清リパーゼ、トリグリセリド等)及び画像診断等による観察を十分行うこと。[8.6 参照],[9.1.5 参照]
- 11.1.4 横紋筋融解症(頻度不明)
- 11.1.5 ニューロパシー(0.4%)、錯乱、痙攣、てんかん様発作(いずれも頻度不明)
- 11.1.6 心不全(頻度不明)
11.2 その他の副作用
1~11%未満 |
1%未満 |
頻度不明 |
|
|---|---|---|---|
血液 |
平均赤血球容積(MCV)増加注1)、リンパ球減少注2)、リンパ節症注2) |
||
消化器 |
嘔気、下痢、腹痛、嘔吐、食欲不振、胃炎、鼓腸放屁 |
消化不良、便秘、口内潰瘍 |
嚥下困難、口唇浮腫、舌浮腫、噯気、歯肉出血、直腸出血、痔核注2)、腹部痙直注2) |
全身症状 |
倦怠感・疲労、体脂肪の再分布/蓄積(胸部、体幹部の脂肪増加、末梢部、顔面の脂肪減少、野牛肩、血清脂質増加、血糖増加)、発熱 |
疼痛、頭痛、体重減少、無力症 |
胸痛、全身痛、悪寒、感冒症状、背痛、体温調節障害注2)、インフルエンザ様疾患 |
肝臓 |
肝機能検査値異常(AST、ALT等の上昇) |
||
筋骨格 |
骨痛・筋痛 |
ミオパシー、CK上昇を伴う筋脱力、筋痙直注2)、関節痛注2) |
|
精神神経系 |
めまい |
うつ病、錯感覚、不眠、末梢神経障害、傾眠、失神 |
痙攣等の脳症状、活動低下、手足のしびれ感、情緒不安、筋痙攣、振戦、攣縮、痛覚過敏、神経過敏症、健忘症、見当識障害、嗄声、ストレス反応、空間の広がり感、睡眠障害注2)、不安注2)、感情障害注2) |
呼吸器 |
呼吸困難、肺炎、鼻出血、咽頭炎、鼻炎注1)、咳注2)、咽頭痛注2)、気管支炎注2)、副鼻腔炎注2)、耳管炎注2)、呼吸障害注2)、上気道炎注2) |
||
皮膚 |
発疹 |
湿疹、痤瘡・毛嚢炎、そう痒、皮膚炎、脱毛 |
じん麻疹、体臭変化、爪・皮膚・口腔粘膜の色素沈着、発汗注2) |
過敏症 |
アレルギー反応 |
||
腎臓 |
頻尿、排尿障害、腎不全、無尿、多尿、血清クレアチニン上昇注2) |
||
循環器 |
心筋症、血管拡張 |
||
代謝・内分泌系 |
トリグリセリド上昇・血清コレステロール上昇、血中尿酸上昇 |
CK上昇、高乳酸塩血症 |
血清アミラーゼ上昇、脱水、高血糖注1)、重炭酸塩低下注1)、総蛋白低下注2)、重炭酸塩上昇注2)、総蛋白上昇注2)、血糖値低下注2) |
その他 |
味覚倒錯、霧視 |
羞明、弱視、難聴、敗血症、女性化乳房 |
注2)海外におけるジドブジンとラミブジンの併用療法を行った4種類の二重盲検比較試験での頻度:20%未満
注)発現頻度には使用成績調査の結果を含む
13. 過量投与
-
13.1 処置
血液透析及び腹膜透析はジドブジンの除去には一部しか関与しないが、グルクロン酸抱合体の排泄を亢進する。ラミブジンは血液透析により一部除去される(ラミブジン300mg投与時に、投与約2時間後から4時間血液透析したとき、AUC0-infが約24%低下することが報告されている)51) 。
15. その他の注意
15.2 非臨床試験に基づく情報
-
15.2.1 ジドブジンについては、がん原性試験で試験末期に雌動物(ラット及びマウス)に膣腫瘍が発生したとの報告がある。
マウス(20、30、40mg/kg/日、1日1回経口投与)及びラット(80、220、300mg/kg/日、1日1回経口投与)におけるがん原性試験で、膣扁平上皮癌(マウス高用量群5/60例、ラット高用量群2/60例)が認められた13) 。[15.2.2 参照] -
15.2.2 ジドブジンについては、マウスにおける経胎盤曝露によるがん原性試験で次の報告がある。
- 最大耐量(420mg/kg/周産期体重)を妊娠12~18日(妊娠中~末期)に投与された母動物からの出生児において、出生1年後、肺、肝及び雌性生殖器の腫瘍発生率の増加が認められた14) 。
- 母動物に最高40mg/kgを妊娠10日から分娩を経て離乳まで投与した。引き続き離乳後は出生児に同量を生後24ヵ月まで投与したところ、投与期間末期に膣扁平上皮癌が認められた。この成績は上記のがん原性試験で認められた腫瘍の発生率及び発生時期と同様であった15) 。[15.2.1 参照]
-
15.2.3 ジドブジンの変異原性について、次の報告がある。
- Ames試験では変異原性は認められなかったが、マウスリンパ腫細胞を用いた遺伝子突然変異試験において弱い変異原性を示し、in vitroの細胞形質転換試験において陽性を示した13) 。
- ラットを用いたin vivo染色体異常試験では染色体の損傷は認められなかったが、ヒト培養リンパ球を用いたin vitro染色体異常試験、ラット及びマウスを用いたin vivo小核試験で染色体異常誘発作用が認められた13) 。また、11人のAIDS患者の末梢血リンパ球において、ジドブジン服用患者は非服用患者と比較して染色体異常頻度が高かったとの報告がある16) 。
- ジドブジンが成人AIDS患者の白血球のDNA及びその胎児臍帯血白血球のDNAに取り込まれたとの報告がある5) 。
-
15.2.4 ラミブジンについては、遺伝毒性試験において弱い染色体異常誘発作用を示したとの報告がある。また、長期のがん原性試験において発がん性を認めなかったとの報告がある。
ヒト末梢血リンパ球を用いた染色体異常試験では300μg/mL以上、マウスリンパ腫細胞を用いた遺伝子突然変異試験では2000μg/mL以上で陽性を示した。
マウス及びラットを用いた長期のがん原性試験では、臨床用量におけるヒト全身曝露量(AUC)の10倍(マウス)及び58倍(ラット)までの曝露量において、発がん性は認められなかった。