薬効分類名β-ラクタマーゼ阻害剤配合抗生物質製剤

一般的名称アンピシリンナトリウム・スルバクタムナトリウム

スルバシリン静注用0.75g、スルバシリン静注用1.5g、スルバシリン静注用3g

するばしりんじょうちゅうよう0.75g、するばしりんじょうちゅうよう1.5g、するばしりんじょうちゅうよう3g

SULBACILLIN for Injection, SULBACILLIN for Injection, SULBACILLIN for Injection

製造販売元/Meiji Seika ファルマ株式会社

第3版
禁忌相互作用合併症・既往歴等のある患者腎機能障害患者妊婦授乳婦小児等高齢者

重大な副作用

頻度
副作用
頻度不明
頻度不明
中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)
0.1%未満
頻度不明
頻度不明
頻度不明
0.1%未満
頻度不明
頻度不明

その他の副作用

部位
頻度
副作用
皮膚
0.1~1%未満
皮膚
0.1%未満
皮膚
頻度不明
血液系
1%以上
血液系
0.1~1%未満
内分泌・代謝系
頻度不明
肝臓まわり
1%以上
肝臓まわり
0.1~1%未満
肝臓まわり
0.1%未満
胃腸・消化器系
0.1~1%未満
胃腸・消化器系
0.1%未満
胃腸・消化器系
頻度不明
脳・神経
頻度不明
感染症・発熱
頻度不明
運動器
頻度不明
その他
0.1~1%未満
その他
0.1%未満
その他
頻度不明

併用注意

薬剤名等

アロプリノール

臨床症状・措置方法

アンピシリンとの併用により、発疹の発現が増加するとの報告がある。

機序・危険因子

機序不明だが薬剤性の発疹がアロプリノールとアンピシリンを併用していた67例の入院患者のうち22.4%に認められ、アンピシリン単独服用例の1,257例では7.5%に認められた。またアンピシリンを併用しないアロプリノール服用患者283例のうち2.1%が薬剤性発疹を経験したという報告がある。

薬剤名等

抗凝血薬

臨床症状・措置方法

ペニシリン注射液が血小板の凝集・凝固に影響を与え、出血傾向を増強するおそれがある。

機序・危険因子

抗凝血作用とペニシリン注射液の血小板凝集抑制作用により相加的に出血傾向が増強される可能性がある。

薬剤名等

経口避妊薬

臨床症状・措置方法

アンピシリンとの併用により避妊効果が減弱したとの報告がある。

機序・危険因子

本剤は腸内細菌叢を変化させる可能性があり、それにより経口避妊薬の腸肝循環による再吸収を抑制すると考えられている。

薬剤名等

メトトレキサート

臨床症状・措置方法

ペニシリンとの併用により、メトトレキサートのクリアランスが減少するおそれがある。

機序・危険因子

メトトレキサートの尿細管分泌が阻害され、体内からの消失が遅延し、メトトレキサートの毒性が増強する可能性がある。

薬剤名等

プロベネシド

臨床症状・措置方法

併用により、本剤の血中濃度上昇、血中濃度半減期の延長、本剤の持つ毒性リスクの上昇のおそれがある。

機序・危険因子

プロベネシドの尿細管分泌抑制作用により本剤の排泄が遅延するおそれがある。

詳細情報

正確な情報は PMDA で必ず確認して下さい

注意以下の情報は参考資料としてご活用下さい

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  2. 2.2 伝染性単核症の患者[アンピシリンの投与により発疹が高頻度に発現したとの報告がある。]

3. 組成・性状

3.1 組成

スルバシリン静注用0.75g

有効成分   1バイアル中
日局アンピシリンナトリウム0.5g(力価)
日局スルバクタムナトリウム0.25g(力価)
スルバシリン静注用1.5g

有効成分   1バイアル中
日局アンピシリンナトリウム1g(力価)
日局スルバクタムナトリウム0.5g(力価)
スルバシリン静注用3g

有効成分   1バイアル中
日局アンピシリンナトリウム2.0g(力価)
日局スルバクタムナトリウム1.0g(力価)

3.2 製剤の性状

スルバシリン静注用0.75g

形状 粉末
白色~帯黄白色
pH 8.0~10.0
[1.5g(力価)/10mL(水溶液)]
浸透圧比
(生理食塩液対比)
約4~5
[1.5g(力価)/10mL(日局生理食塩液)]
スルバシリン静注用1.5g

形状 粉末
白色~帯黄白色
pH 8.0~10.0
[1.5g(力価)/10mL(水溶液)]
浸透圧比
(生理食塩液対比)
約4~5
[1.5g(力価)/10mL(日局生理食塩液)]
スルバシリン静注用3g

形状 粉末
白色~帯黄白色
pH 8.0~10.0
[1.5g(力価)/10mL(水溶液)]
浸透圧比
(生理食塩液対比)
約4~5
[1.5g(力価)/10mL(日局生理食塩液)]

4. 効能・効果

  • 〈適応菌種〉

    本剤に感性のブドウ球菌属、肺炎球菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、大腸菌、プロテウス属、インフルエンザ菌

  • 〈適応症〉

    肺炎、肺膿瘍、膀胱炎、腹膜炎

6. 用法・用量

  • 〈肺炎、肺膿瘍、腹膜炎の場合〉

    通常成人にはスルバクタムナトリウム・アンピシリンナトリウムとして、1日6g(力価)を2回に分けて静脈内注射又は点滴静注する。なお、重症感染症の場合は必要に応じて適宜増量することができるが、1回3g(力価)1日4回(1日量として12g(力価))を上限とする。

  • 〈膀胱炎の場合〉

    通常成人にはスルバクタムナトリウム・アンピシリンナトリウムとして、1日3g(力価)を2回に分けて静脈内注射又は点滴静注する。

  • 〈効能共通〉

    通常小児にはスルバクタムナトリウム・アンピシリンナトリウムとして、1日60~150mg(力価)/kgを3~4回に分けて静脈内注射又は点滴静注する。
    静脈内注射に際しては、日局注射用水、日局生理食塩液又は日局ブドウ糖注射液に溶解し、緩徐に投与する。
    なお、点滴による静脈内投与に際しては、補液に溶解して用いる。

7. 用法・用量に関連する注意

本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、β-ラクタマーゼ産生菌、かつアンピシリン耐性菌を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 本剤によるショック、アナフィラキシーの発生を確実に予知できる方法がないので、次の措置をとること。[11.1.1 参照]
    1. 8.1.1 事前に既往歴等について十分な問診を行うこと。なお、抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認すること。
    2. 8.1.2 投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。
    3. 8.1.3 投与開始から投与終了後まで、患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行うこと。特に、投与開始直後は注意深く観察すること。
  2. 8.2 無顆粒球症、貧血(溶血性貧血を含む)、血小板減少等の重篤な血液障害があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと。[11.1.3 参照]
  3. 8.3 急性腎障害、間質性腎炎等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと。[11.1.4 参照]
  4. 8.4 肝機能障害があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと。[11.1.6 参照]

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 ペニシリン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者(ただし、本剤に対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないこと)

    治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しない。

  2. 9.1.2 セフェム系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者
  3. 9.1.3 本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー反応を起こしやすい体質を有する患者
  4. 9.1.4 経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者

    観察を十分に行うこと。ビタミンK欠乏による出血傾向があらわれることがある。

  5. 9.1.5 ナトリウム摂取制限患者

    本剤0.75g製剤、1.5g製剤及び3g製剤にナトリウムがそれぞれ57.5mg(2.5mEq)、115mg(5mEq)及び230mg(10mEq)含まれていることに留意すること。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1 高度の腎障害のある患者

    本剤の投与量及び投与間隔を調節する等、慎重に投与すること。[16.6.1 参照]

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。アンピシリンの大量(3,000mg/kg/日)投与でラットに催奇形性が報告されている。アンピシリン及びスルバクタムは胎盤を通過することが報告されている。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。母乳中へ移行することが報告されている1)

9.7 小児等

  1. 9.7.1 低出生体重児及び新生児を対象とした臨床試験は実施していない。
  2. 9.7.2 1歳以下の乳児では慎重に投与すること。下痢・軟便の発現頻度が高い。

9.8 高齢者

次の点に注意し、用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。

  1. 9.8.1 一般的に生理機能が低下していることが多く副作用が発現しやすい。
  2. 9.8.2 ビタミンK欠乏による出血傾向があらわれることがある。

10. 相互作用

    10.2 併用注意(併用に注意すること)

    薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子

    アロプリノール

    アンピシリンとの併用により、発疹の発現が増加するとの報告がある2)

    機序不明だが薬剤性の発疹がアロプリノールとアンピシリンを併用していた67例の入院患者のうち22.4%に認められ、アンピシリン単独服用例の1,257例では7.5%に認められた。またアンピシリンを併用しないアロプリノール服用患者283例のうち2.1%が薬剤性発疹を経験したという報告がある。

    抗凝血薬

    ペニシリン注射液が血小板の凝集・凝固に影響を与え、出血傾向を増強するおそれがある。

    抗凝血作用とペニシリン注射液の血小板凝集抑制作用により相加的に出血傾向が増強される可能性がある。

    経口避妊薬

    アンピシリンとの併用により避妊効果が減弱したとの報告がある。

    本剤は腸内細菌叢を変化させる可能性があり、それにより経口避妊薬の腸肝循環による再吸収を抑制すると考えられている。

    メトトレキサート

    ペニシリンとの併用により、メトトレキサートのクリアランスが減少するおそれがある。

    メトトレキサートの尿細管分泌が阻害され、体内からの消失が遅延し、メトトレキサートの毒性が増強する可能性がある。

    プロベネシド

    併用により、本剤の血中濃度上昇、血中濃度半減期の延長、本剤の持つ毒性リスクの上昇のおそれがある。

    プロベネシドの尿細管分泌抑制作用により本剤の排泄が遅延するおそれがある。

    11. 副作用

    次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    11.1 重大な副作用

    1. 11.1.1 ショック(頻度不明)、アナフィラキシー(頻度不明)

      [8.1 参照]

    2. 11.1.2 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)、急性汎発性発疹性膿疱症(頻度不明)
    3. 11.1.3 血液障害

      無顆粒球症(頻度不明)、貧血(溶血性貧血を含む)(0.38%)、血小板減少(0.19%)等の重篤な血液障害があらわれることがある。[8.2 参照]

    4. 11.1.4 急性腎障害(0.1%未満)、間質性腎炎(頻度不明)

      急性腎障害、間質性腎炎等の重篤な腎障害があらわれることがある。[8.3 参照]

    5. 11.1.5 出血性大腸炎(頻度不明)、偽膜性大腸炎(頻度不明)

      出血性大腸炎、偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎があらわれることがあるので、腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には直ちに投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    6. 11.1.6 肝機能障害(0.10%)

      [8.4 参照]

    7. 11.1.7 間質性肺炎(0.1%未満)、好酸球性肺炎(頻度不明)

      発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎、好酸球性肺炎があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。

    11.2 その他の副作用

    1%以上

    0.1~1%未満

    0.1%未満

    頻度不明

    皮膚

    発疹、そう痒感

    蕁麻疹

    多形紅斑

    血液

    好酸球増多

    白血球減少

    **代謝及び栄養障害

    **低カリウム血症

    肝臓

    AST上昇、ALT上昇

    Al-P上昇、LAP上昇、ビリルビン値上昇、γ-GTP上昇

    黄疸

    消化器

    下痢・軟便、悪心・嘔吐

    腹部不快感

    黒毛舌

    中枢神経

    痙攣等の神経症状

    菌交代

    口内炎、カンジダ症

    *筋骨格系及び結合組織障害

    *関節痛

    その他

    発熱

    ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症、出血傾向等)

    ビタミンB群欠乏症状(舌炎、口内炎、食欲不振、神経炎等)

    12. 臨床検査結果に及ぼす影響

    1. 12.1 本剤の投与により、ベネディクト試薬、あるいはフェーリング試薬による尿糖検査では偽陽性を呈することがあるので注意すること。
    2. 12.2 妊婦へのアンピシリン投与により、総結合型エストリオール、エストリオール-グルクロニド、結合型エストロン、エストラジオールの一時的な血清中濃度の減少を呈することがあるので注意すること。

    13. 過量投与

    1. 13.1 症状

      β-ラクタム系抗生物質製剤の脳脊髄液中濃度が高くなると、痙攣等を含む神経系の副作用を引き起こすことが考えられる。

    2. 13.2 処置

      腎機能障害患者に過量投与された場合は血液透析を用いて体内から除去すること。

    14. 適用上の注意

    14.1 薬剤調製時の注意

    溶解後は速やかに使用すること。特にグルコース、フルクトース、キシリトール、マルトース水和物等の糖質含有溶解液に溶解した場合にはアンピシリンの力価が低下するので、速やかに使用し、保存しないこと。

    14.2 薬剤投与時の注意

    1. 14.2.1 静脈内投与により、血管痛、血栓又は静脈炎を起こすことがあるので、注射部位、注射方法等に十分注意し、注射速度をできるだけ遅くすること。
    2. 14.2.2 配合変化としてアンピシリンとアミノグリコシド系抗生物質製剤(ジベカシン硫酸塩、アルベカシン硫酸塩等)を混合すると力価が低下したとの報告がある。
      併用に際しては投与部位を変える及び1時間以上投与間隔をあけるなど投与方法に注意すること。

    2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

    1. 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
    2. 2.2 伝染性単核症の患者[アンピシリンの投与により発疹が高頻度に発現したとの報告がある。]

    3. 組成・性状

    3.1 組成

    スルバシリン静注用0.75g

    有効成分   1バイアル中
    日局アンピシリンナトリウム0.5g(力価)
    日局スルバクタムナトリウム0.25g(力価)
    スルバシリン静注用1.5g

    有効成分   1バイアル中
    日局アンピシリンナトリウム1g(力価)
    日局スルバクタムナトリウム0.5g(力価)
    スルバシリン静注用3g

    有効成分   1バイアル中
    日局アンピシリンナトリウム2.0g(力価)
    日局スルバクタムナトリウム1.0g(力価)

    3.2 製剤の性状

    スルバシリン静注用0.75g

    形状 粉末
    白色~帯黄白色
    pH 8.0~10.0
    [1.5g(力価)/10mL(水溶液)]
    浸透圧比
    (生理食塩液対比)
    約4~5
    [1.5g(力価)/10mL(日局生理食塩液)]
    スルバシリン静注用1.5g

    形状 粉末
    白色~帯黄白色
    pH 8.0~10.0
    [1.5g(力価)/10mL(水溶液)]
    浸透圧比
    (生理食塩液対比)
    約4~5
    [1.5g(力価)/10mL(日局生理食塩液)]
    スルバシリン静注用3g

    形状 粉末
    白色~帯黄白色
    pH 8.0~10.0
    [1.5g(力価)/10mL(水溶液)]
    浸透圧比
    (生理食塩液対比)
    約4~5
    [1.5g(力価)/10mL(日局生理食塩液)]

    4. 効能・効果

    • 〈適応菌種〉

      本剤に感性のブドウ球菌属、肺炎球菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、大腸菌、プロテウス属、インフルエンザ菌

    • 〈適応症〉

      肺炎、肺膿瘍、膀胱炎、腹膜炎

    6. 用法・用量

    • 〈肺炎、肺膿瘍、腹膜炎の場合〉

      通常成人にはスルバクタムナトリウム・アンピシリンナトリウムとして、1日6g(力価)を2回に分けて静脈内注射又は点滴静注する。なお、重症感染症の場合は必要に応じて適宜増量することができるが、1回3g(力価)1日4回(1日量として12g(力価))を上限とする。

    • 〈膀胱炎の場合〉

      通常成人にはスルバクタムナトリウム・アンピシリンナトリウムとして、1日3g(力価)を2回に分けて静脈内注射又は点滴静注する。

    • 〈効能共通〉

      通常小児にはスルバクタムナトリウム・アンピシリンナトリウムとして、1日60~150mg(力価)/kgを3~4回に分けて静脈内注射又は点滴静注する。
      静脈内注射に際しては、日局注射用水、日局生理食塩液又は日局ブドウ糖注射液に溶解し、緩徐に投与する。
      なお、点滴による静脈内投与に際しては、補液に溶解して用いる。

    7. 用法・用量に関連する注意

    本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、β-ラクタマーゼ産生菌、かつアンピシリン耐性菌を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。

    8. 重要な基本的注意

    1. 8.1 本剤によるショック、アナフィラキシーの発生を確実に予知できる方法がないので、次の措置をとること。[11.1.1 参照]
      1. 8.1.1 事前に既往歴等について十分な問診を行うこと。なお、抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認すること。
      2. 8.1.2 投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。
      3. 8.1.3 投与開始から投与終了後まで、患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行うこと。特に、投与開始直後は注意深く観察すること。
    2. 8.2 無顆粒球症、貧血(溶血性貧血を含む)、血小板減少等の重篤な血液障害があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと。[11.1.3 参照]
    3. 8.3 急性腎障害、間質性腎炎等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと。[11.1.4 参照]
    4. 8.4 肝機能障害があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと。[11.1.6 参照]

    9. 特定の背景を有する患者に関する注意

    9.1 合併症・既往歴等のある患者

    1. 9.1.1 ペニシリン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者(ただし、本剤に対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないこと)

      治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しない。

    2. 9.1.2 セフェム系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者
    3. 9.1.3 本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー反応を起こしやすい体質を有する患者
    4. 9.1.4 経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者

      観察を十分に行うこと。ビタミンK欠乏による出血傾向があらわれることがある。

    5. 9.1.5 ナトリウム摂取制限患者

      本剤0.75g製剤、1.5g製剤及び3g製剤にナトリウムがそれぞれ57.5mg(2.5mEq)、115mg(5mEq)及び230mg(10mEq)含まれていることに留意すること。

    9.2 腎機能障害患者

    1. 9.2.1 高度の腎障害のある患者

      本剤の投与量及び投与間隔を調節する等、慎重に投与すること。[16.6.1 参照]

    9.5 妊婦

    妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。アンピシリンの大量(3,000mg/kg/日)投与でラットに催奇形性が報告されている。アンピシリン及びスルバクタムは胎盤を通過することが報告されている。

    9.6 授乳婦

    治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。母乳中へ移行することが報告されている1)

    9.7 小児等

    1. 9.7.1 低出生体重児及び新生児を対象とした臨床試験は実施していない。
    2. 9.7.2 1歳以下の乳児では慎重に投与すること。下痢・軟便の発現頻度が高い。

    9.8 高齢者

    次の点に注意し、用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。

    1. 9.8.1 一般的に生理機能が低下していることが多く副作用が発現しやすい。
    2. 9.8.2 ビタミンK欠乏による出血傾向があらわれることがある。

    10. 相互作用

      10.2 併用注意(併用に注意すること)

      薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子

      アロプリノール

      アンピシリンとの併用により、発疹の発現が増加するとの報告がある2)

      機序不明だが薬剤性の発疹がアロプリノールとアンピシリンを併用していた67例の入院患者のうち22.4%に認められ、アンピシリン単独服用例の1,257例では7.5%に認められた。またアンピシリンを併用しないアロプリノール服用患者283例のうち2.1%が薬剤性発疹を経験したという報告がある。

      抗凝血薬

      ペニシリン注射液が血小板の凝集・凝固に影響を与え、出血傾向を増強するおそれがある。

      抗凝血作用とペニシリン注射液の血小板凝集抑制作用により相加的に出血傾向が増強される可能性がある。

      経口避妊薬

      アンピシリンとの併用により避妊効果が減弱したとの報告がある。

      本剤は腸内細菌叢を変化させる可能性があり、それにより経口避妊薬の腸肝循環による再吸収を抑制すると考えられている。

      メトトレキサート

      ペニシリンとの併用により、メトトレキサートのクリアランスが減少するおそれがある。

      メトトレキサートの尿細管分泌が阻害され、体内からの消失が遅延し、メトトレキサートの毒性が増強する可能性がある。

      プロベネシド

      併用により、本剤の血中濃度上昇、血中濃度半減期の延長、本剤の持つ毒性リスクの上昇のおそれがある。

      プロベネシドの尿細管分泌抑制作用により本剤の排泄が遅延するおそれがある。

      11. 副作用

      次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

      11.1 重大な副作用

      1. 11.1.1 ショック(頻度不明)、アナフィラキシー(頻度不明)

        [8.1 参照]

      2. 11.1.2 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)、急性汎発性発疹性膿疱症(頻度不明)
      3. 11.1.3 血液障害

        無顆粒球症(頻度不明)、貧血(溶血性貧血を含む)(0.38%)、血小板減少(0.19%)等の重篤な血液障害があらわれることがある。[8.2 参照]

      4. 11.1.4 急性腎障害(0.1%未満)、間質性腎炎(頻度不明)

        急性腎障害、間質性腎炎等の重篤な腎障害があらわれることがある。[8.3 参照]

      5. 11.1.5 出血性大腸炎(頻度不明)、偽膜性大腸炎(頻度不明)

        出血性大腸炎、偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎があらわれることがあるので、腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には直ちに投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

      6. 11.1.6 肝機能障害(0.10%)

        [8.4 参照]

      7. 11.1.7 間質性肺炎(0.1%未満)、好酸球性肺炎(頻度不明)

        発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎、好酸球性肺炎があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。

      11.2 その他の副作用

      1%以上

      0.1~1%未満

      0.1%未満

      頻度不明

      皮膚

      発疹、そう痒感

      蕁麻疹

      多形紅斑

      血液

      好酸球増多

      白血球減少

      **代謝及び栄養障害

      **低カリウム血症

      肝臓

      AST上昇、ALT上昇

      Al-P上昇、LAP上昇、ビリルビン値上昇、γ-GTP上昇

      黄疸

      消化器

      下痢・軟便、悪心・嘔吐

      腹部不快感

      黒毛舌

      中枢神経

      痙攣等の神経症状

      菌交代

      口内炎、カンジダ症

      *筋骨格系及び結合組織障害

      *関節痛

      その他

      発熱

      ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症、出血傾向等)

      ビタミンB群欠乏症状(舌炎、口内炎、食欲不振、神経炎等)

      12. 臨床検査結果に及ぼす影響

      1. 12.1 本剤の投与により、ベネディクト試薬、あるいはフェーリング試薬による尿糖検査では偽陽性を呈することがあるので注意すること。
      2. 12.2 妊婦へのアンピシリン投与により、総結合型エストリオール、エストリオール-グルクロニド、結合型エストロン、エストラジオールの一時的な血清中濃度の減少を呈することがあるので注意すること。

      13. 過量投与

      1. 13.1 症状

        β-ラクタム系抗生物質製剤の脳脊髄液中濃度が高くなると、痙攣等を含む神経系の副作用を引き起こすことが考えられる。

      2. 13.2 処置

        腎機能障害患者に過量投与された場合は血液透析を用いて体内から除去すること。

      14. 適用上の注意

      14.1 薬剤調製時の注意

      溶解後は速やかに使用すること。特にグルコース、フルクトース、キシリトール、マルトース水和物等の糖質含有溶解液に溶解した場合にはアンピシリンの力価が低下するので、速やかに使用し、保存しないこと。

      14.2 薬剤投与時の注意

      1. 14.2.1 静脈内投与により、血管痛、血栓又は静脈炎を起こすことがあるので、注射部位、注射方法等に十分注意し、注射速度をできるだけ遅くすること。
      2. 14.2.2 配合変化としてアンピシリンとアミノグリコシド系抗生物質製剤(ジベカシン硫酸塩、アルベカシン硫酸塩等)を混合すると力価が低下したとの報告がある。
        併用に際しては投与部位を変える及び1時間以上投与間隔をあけるなど投与方法に注意すること。

      その他詳細情報

      日本標準商品分類番号
      876139
      ブランドコード
      6139504F1065, 6139504F2088, 6139504F3033
      承認番号
      21800AMY10064000, 21800AMY10065000, 22700AMX00545000
      販売開始年月
      2006-09, 2006-09, 2015-06
      貯法
      室温保存、室温保存、室温保存
      有効期間
      3年、3年、3年
      規制区分
      12, 12, 12

      重要な注意事項

      • この情報は医療専門家による診断や治療の代替にはなりません。副作用に関する懸念がある場合は、必ず医師または薬剤師に相談してください。
      • 副作用の発生頻度や重篤度は個人差があります。ここで提供される情報は一般的なものであり、すべての患者さんに当てはまるわけではありません。
      • 薬剤の使用に関しては、必ず医療専門家の指示に従い、自己判断での変更や中止を避けてください。
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