薬効分類名ヒト型抗ヒトIL-4/13受容体モノクローナル抗体

一般的名称デュピルマブ(遺伝子組換え)製剤

デュピクセント皮下注300mgペン、デュピクセント皮下注300mgシリンジ、デュピクセント皮下注200mgペン、デュピクセント皮下注200mgシリンジ

でゅぴくせんとひかちゅう300mgぺん、でゅぴくせんとひかちゅう300mgしりんじ、でゅぴくせんとひかちゅう200mgぺん、でゅぴくせんとひかちゅう200mgしりんじ

DUPIXENT S.C. Injection, DUPIXENT S.C. Injection, DUPIXENT S.C. Injection, DUPIXENT S.C. Injection

製造販売元/サノフィ株式会社、販売提携/リジェネロン・ジャパン株式会社

第14版
警告禁忌合併症・既往歴等のある患者妊婦授乳婦小児等高齢者

重大な副作用

頻度
副作用
0.1%未満
重篤な過敏症
頻度不明

その他の副作用

部位
頻度
副作用
感染症・発熱
5%未満
感染症・発熱
頻度不明
頻度不明
全身・局所・適用部位
5%以上
注射部位紅斑
全身・局所・適用部位
5%未満
注射部位反応注射部位そう痒注射部位浮腫注射部位疼痛注射部位硬結注射部位内出血注射部位発疹注射部位皮膚炎
脳・神経
5%未満
皮膚
5%未満
その他
5%未満
その他
頻度不明

詳細情報

正確な情報は PMDA で必ず確認して下さい

注意以下の情報は参考資料としてご活用下さい

1. 警告

本剤の投与は、適応疾患の治療に精通している医師のもとで行うこと。

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

3. 組成・性状

3.1 組成

デュピクセント皮下注300mgペン

有効成分 デュピルマブ(遺伝子組換え)1)    300mg
添加剤 L-ヒスチジン   5.4mg
L-ヒスチジン塩酸塩水和物   1.0mg
L-アルギニン塩酸塩   10.5mg
酢酸ナトリウム水和物   2.6mg
氷酢酸   0.3mg
精製白糖   100mg
ポリソルベート80   4mg
1製剤(2mL)中の分量
デュピクセント皮下注300mgシリンジ

有効成分 デュピルマブ(遺伝子組換え)1)    300mg
添加剤 L-ヒスチジン   5.4mg
L-ヒスチジン塩酸塩水和物   1.0mg
L-アルギニン塩酸塩   10.5mg
酢酸ナトリウム水和物   2.6mg
氷酢酸   0.3mg
精製白糖   100mg
ポリソルベート80   4mg
1製剤(2mL)中の分量
デュピクセント皮下注200mgペン

有効成分 デュピルマブ(遺伝子組換え)1)    200mg
添加剤 L-ヒスチジン   3.10mg
L-ヒスチジン塩酸塩水和物   0.60mg
L-アルギニン塩酸塩   12.01mg
酢酸ナトリウム水和物   1.50mg
氷酢酸   0.19mg
精製白糖   57.00mg
ポリソルベート80   2.28mg
1製剤(1.14mL)中の分量
デュピクセント皮下注200mgシリンジ

有効成分 デュピルマブ(遺伝子組換え)1)    200mg
添加剤 L-ヒスチジン   3.10mg
L-ヒスチジン塩酸塩水和物   0.60mg
L-アルギニン塩酸塩   12.01mg
酢酸ナトリウム水和物   1.50mg
氷酢酸   0.19mg
精製白糖   57.00mg
ポリソルベート80   2.28mg
1製剤(1.14mL)中の分量
          
1) 本剤は遺伝子組換え技術によりチャイニーズハムスター卵巣細胞を用いて製造される。
        

3.2 製剤の性状

デュピクセント皮下注300mgペン

pH 5.6~6.2
浸透圧比 約1.0(生理食塩液に対する比)
性状・剤形 無色~微黄色の澄明又はわずかに乳白光を呈する液(注射剤)
デュピクセント皮下注300mgシリンジ

pH 5.6~6.2
浸透圧比 約1.0(生理食塩液に対する比)
性状・剤形 無色~微黄色の澄明又はわずかに乳白光を呈する液(注射剤)
デュピクセント皮下注200mgペン

pH 5.6~6.2
浸透圧比 約1.0(生理食塩液に対する比)
性状・剤形 無色~微黄色の澄明又はわずかに乳白光を呈する液(注射剤)
デュピクセント皮下注200mgシリンジ

pH 5.6~6.2
浸透圧比 約1.0(生理食塩液に対する比)
性状・剤形 無色~微黄色の澄明又はわずかに乳白光を呈する液(注射剤)

4. 効能又は効果

  • 300mgペン、300mgシリンジ
    既存治療で効果不十分な下記皮膚疾患
    • アトピー性皮膚炎2)
    • 結節性痒疹
    • 特発性の慢性蕁麻疹
  • **中等症から重症の水疱性類天疱瘡
  • 気管支喘息(既存治療によっても喘息症状をコントロールできない重症又は難治の患者に限る)2)
  • 慢性閉塞性肺疾患(既存治療で効果不十分な患者に限る)2)
  • 鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎(既存治療で効果不十分な患者に限る)2)
  • 200mgペン、200mgシリンジ
    既存治療で効果不十分な下記皮膚疾患
    • アトピー性皮膚炎2)
    • 特発性の慢性蕁麻疹
  • *気管支喘息(既存治療によっても喘息症状をコントロールできない重症又は難治の患者に限る)2)

        

2) 最適使用推進ガイドライン対象
      

5. 効能又は効果に関連する注意

  • 〈アトピー性皮膚炎〉
    1. 5.1 ステロイド外用剤やタクロリムス外用剤等の抗炎症外用剤による適切な治療を一定期間施行しても、十分な効果が得られず、強い炎症を伴う皮疹が広範囲に及ぶ患者に用いること。[17.1.1 参照],[17.1.2 参照],[17.1.3 参照]
    2. 5.2 原則として、本剤投与時にはアトピー性皮膚炎の病変部位の状態に応じて抗炎症外用剤を併用すること。
    3. 5.3 本剤投与時も保湿外用剤を継続使用すること。
  • 〈結節性痒疹〉
    1. 5.4 「17. 臨床成績」の項の内容を熟知し、臨床試験に組み入れられた患者の背景を十分に理解した上で、本剤はステロイド外用剤等による治療を施行しても、痒疹結節を主体とする病変が多発し、複数の部位に及ぶ患者に用いること。[17.1.4 参照]
    2. 5.5 最新の診療ガイドライン等を参考に、臨床症状及び全身検索に基づいて他の皮膚疾患との鑑別を行うこと。
  • 〈特発性の慢性蕁麻疹〉
    1. 5.6 食物、物理的刺激等の蕁麻疹の症状を誘発する原因が特定されず、ヒスタミンH1受容体拮抗薬の増量等の適切な治療を行っても、日常生活に支障をきたすほどの痒みを伴う膨疹が繰り返して継続的に認められる場合に本剤を追加して投与すること。[17.1.5 参照]
  • 〈水疱性類天疱瘡〉
    1. 5.7 **最新の国内診療ガイドラインを参考に、全身性ステロイド薬の投与が必要な中等症から重症の水疱性類天疱瘡患者に対して本剤を投与すること。
    2. 5.8 **本剤の適用に先立ち、全身性ステロイド薬単独による治療の実施も考慮すること。患者の症状や状態に応じて、全身性ステロイド薬単独による治療を行わず、本剤と全身性ステロイド薬の併用による治療を開始する場合は、最新の国内診療ガイドライン等を参照の上で、本剤の投与の必要性を慎重に判断すること。
  • 〈気管支喘息〉
    1. 5.9 最新のガイドライン等を参考に、中用量又は高用量の吸入ステロイド薬とその他の長期管理薬を併用しても、全身性ステロイド薬の投与等が必要な喘息増悪をきたす患者に本剤を追加して投与すること。
    2. 5.10 本剤はIL-4及びIL-13シグナル伝達を阻害することにより、喘息の病態に関与する2型炎症反応を抑制することから、臨床試験で認められた本剤投与前の2型炎症に関連するバイオマーカー(血中好酸球数、FeNO、IgE等)の値と有効性の関係を十分に理解し、患者の当該バイオマーカーの値を考慮した上で、適応患者の選択を行うこと。[17.1.7 参照],[17.1.8 参照],[17.1.9 参照]
    3. 5.11 本剤は既に起きている気管支喘息の発作や症状を速やかに軽減する薬剤ではないので、急性の発作に対しては使用しないこと。
  • 〈慢性閉塞性肺疾患〉
    1. 5.12 最新のガイドライン等を参考に、長時間作用性β2刺激薬(LABA)、長時間作用性抗コリン薬(LAMA)及び吸入ステロイド薬(吸入ステロイド薬が禁忌の場合はLABA及びLAMA)の併用療法で全身性ステロイド薬の投与等が必要な増悪をきたす患者に本剤を追加して投与すること。
    2. 5.13 本剤はIL-4及びIL-13シグナル伝達を阻害することにより、慢性閉塞性肺疾患の病態に関与する2型炎症反応を抑制することから、本剤投与前の2型炎症に関連するバイオマーカー(血中好酸球数等)を考慮した上で、適応患者の選択を行うこと。[17.1.10 参照]
    3. 5.14 本剤は慢性閉塞性肺疾患の症状の長期管理に用いること。本剤は慢性閉塞性肺疾患の増悪時における急性期治療を目的として使用する薬剤ではない。
  • 〈鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎〉
    1. 5.15 本剤は全身性ステロイド薬、手術等ではコントロールが不十分な患者に用いること。

6. 用法及び用量

  • 〈アトピー性皮膚炎〉

    通常、成人にはデュピルマブ(遺伝子組換え)として初回に600mgを皮下投与し、その後は1回300mgを2週間隔で皮下投与する。
    通常、生後6カ月以上の小児にはデュピルマブ(遺伝子組換え)として体重に応じて以下を皮下投与する。

    • 5kg以上15kg未満:1回200mgを4週間隔
      15kg以上30kg未満:1回300mgを4週間隔
      30kg以上60kg未満:初回に400mg、その後は1回200mgを2週間隔
      60kg以上:初回に600mg、その後は1回300mgを2週間隔
  • 〈結節性痒疹〉

    通常、成人にはデュピルマブ(遺伝子組換え)として初回に600mgを皮下投与し、その後は1回300mgを2週間隔で皮下投与する。

  • 〈特発性の慢性蕁麻疹〉

    通常、成人にはデュピルマブ(遺伝子組換え)として初回に600mgを皮下投与し、その後は1回300mgを2週間隔で皮下投与する。
    通常、12歳以上の小児にはデュピルマブ(遺伝子組換え)として体重に応じて以下を皮下投与する。

    • 30kg以上60kg未満:初回に400mg、その後は1回200mgを2週間隔
      60kg以上:初回に600mg、その後は1回300mgを2週間隔
  • 〈水疱性類天疱瘡〉

    **通常、成人にはデュピルマブ(遺伝子組換え)として初回に600mgを皮下投与し、その後は1回300mgを2週間隔で皮下投与する。

  • 〈気管支喘息〉

    *通常、成人及び12歳以上の小児にはデュピルマブ(遺伝子組換え)として初回に600mgを皮下投与し、その後は1回300mgを2週間隔で皮下投与する。
     通常、6歳以上12歳未満の小児にはデュピルマブ(遺伝子組換え)として体重に応じて以下を皮下投与する。

    • 15kg以上30kg未満:1回300mgを4週間隔
      30kg以上:1回200mgを2週間隔
  • 〈慢性閉塞性肺疾患〉

    通常、成人にはデュピルマブ(遺伝子組換え)として1回300mgを2週間隔で皮下投与する。

  • 〈鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎〉

    通常、成人にはデュピルマブ(遺伝子組換え)として1回300mgを2週間隔で皮下投与する。なお、症状安定後には、1回300mgを4週間隔で皮下投与できる。

7. 用法及び用量に関連する注意

  • 〈アトピー性皮膚炎〉
    1. 7.1 本剤による治療反応は、通常投与開始から16週までには得られる。16週までに治療反応が得られない場合は、投与中止を考慮すること。
  • 〈アトピー性皮膚炎、特発性の慢性蕁麻疹、気管支喘息〉
    1. 7.2 *200mgシリンジ又は200mgペンと300mgシリンジ又は300mgペンの生物学的同等性試験は実施していないため、600mgを投与する際には200mgシリンジ又は200mgペンを使用しないこと。
  • 〈特発性の慢性蕁麻疹〉
    1. 7.3 臨床試験において、本剤の24週以降の使用経験は無いため、24週以降も継続して投与する場合は、患者の状態を考慮し、その必要性を慎重に判断すること。特に、用法及び用量どおり、24週間使用しても効果が認められない場合には、漫然と投与を続けないよう注意すること。[17.1.5 参照]
  • 〈水疱性類天疱瘡〉
    1. 7.4 **本剤は全身性ステロイド薬と併用で投与を開始すること。病勢のコントロールが得られた後には全身性ステロイド薬の漸減を考慮すること。

8. 重要な基本的注意

  • 〈効能共通〉
    1. 8.1 本剤の投与によって合併する他のアレルギー性疾患の症状が変化する可能性があり、当該アレルギー性疾患に対する適切な治療を怠った場合、症状が急激に悪化し、喘息等では死亡に至るおそれもある。本剤の投与間隔変更後及び投与中止後の疾患管理も含めて、本剤投与中から、合併するアレルギー性疾患を担当する医師と適切に連携すること。患者に対して、医師の指示なく、それらの疾患に対する治療内容を変更しないよう指導すること。
    2. 8.2 ショック、アナフィラキシーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、適切に対処できるようにしておくこと。[11.1.1 参照]
    3. 8.3 長期ステロイド療法を受けている患者において、本剤投与開始後にステロイド薬を急に中止しないこと。ステロイド薬の減量が必要な場合には、医師の管理下で徐々に行うこと。
    4. 8.4 *好酸球増加症があらわれることがあり、特に喘息治療中の患者では好酸球性肺炎、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症等の臨床症状を伴う好酸球増加症の発現も認められている。これらは経口ステロイド薬の減量・中止時以外にも認められている。本剤投与中は、好酸球数の推移、並びに血管炎性皮疹、肺症状の悪化、心臓合併症及びニューロパチー等に注意すること。[11.1.3 参照]
    5. 8.5 本剤はIL-4及びIL-13の阻害作用により2型免疫応答を抑制する。2型免疫応答は寄生虫感染に対する生体防御機能に関与している可能性がある。患者が本剤投与中に寄生虫感染を起こし、抗寄生虫薬による治療が無効な場合には、寄生虫感染が治癒するまで本剤の投与を一時中止すること。[9.1.1 参照]
    6. 8.6 本剤投与中の生ワクチンの接種は、安全性が確認されていないので避けること。
    7. 8.7 本剤の投与開始にあたっては、医療施設において、必ず医師によるか、医師の直接の監督のもとで投与を行うこと。自己投与の適用については、医師がその妥当性を慎重に検討し、十分な教育訓練を実施した後、本剤投与による危険性と対処法について患者又はその保護者が理解し、患者自ら又はその保護者が確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導のもとで実施すること。また、適用後、本剤による副作用が疑われる場合や自己投与の継続が困難な状況となる可能性がある場合には、直ちに自己投与を中止させ、医師の管理下で慎重に観察するなど適切な処置を行うこと。また、本剤投与後に副作用の発現が疑われる場合は、医療機関へ連絡するよう患者又はその保護者に指導を行うこと。使用済みの注射器を再使用しないよう患者又はその保護者に注意を促し、すべての器具の安全な廃棄方法に関する指導の徹底を行うとともに、使用済みの注射器を廃棄する容器を提供すること。
  • 〈アトピー性皮膚炎〉
    1. 8.8 本剤が疾病を完治させる薬剤でなく、本剤投与中も保湿外用剤等を併用する必要があることを患者に対して説明し、患者が理解したことを確認したうえで投与すること。
  • 〈気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患〉
    1. 8.9 本剤の投与開始後に症状がコントロール不良又は悪化した場合には、医師の診療を受けるよう患者に指導すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 寄生虫感染患者

    本剤を投与する前に寄生虫感染の治療を行うこと。[8.5 参照]

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤はヒトIgG4モノクローナル抗体であり、ヒトIgGは胎盤関門を通過することが知られている。また、本剤のサル相同抗体を妊娠カニクイザルへ投与した場合、胎盤を通過して胎児に移行することが確認されている。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤のヒト乳汁への移行は不明であるが、本剤はヒトIgG4モノクローナル抗体であり、ヒトIgGは乳汁中に移行することが知られている。

9.7 小児等

  • 〈アトピー性皮膚炎〉

    低出生体重児、新生児及び生後6カ月未満の乳児を対象とした臨床試験は実施していない。

  • **〈結節性痒疹、水疱性類天疱瘡、慢性閉塞性肺疾患、鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎〉

    小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

  • 〈特発性の慢性蕁麻疹〉

    6歳未満の小児等を対象とした臨床試験は実施していない。臨床試験において、6歳以上12歳未満の小児に対する投与経験は極めて限られている。

  • 〈気管支喘息〉

    *6歳未満の小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

一般的に生理機能(免疫機能等)が低下している。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 重篤な過敏症

    アナフィラキシー(0.1%未満)が報告されている。血圧低下、呼吸困難、意識消失、めまい、嘔気、嘔吐、そう痒感、潮紅、血管性浮腫等があらわれる可能性がある。[8.2 参照]

  2. 11.1.2 **急性汎発性発疹性膿疱症(0.1%未満)
  3. 11.1.3 好酸球増加症(0.9%)

    *喘息治療中の患者では、好酸球性肺炎(0.1%未満)や好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(頻度不明)も報告されている。[8.4 参照]

11.2 その他の副作用

5%以上

5%未満

頻度不明

*感染症および寄生虫症

結膜炎、口腔ヘルペス、単純ヘルペス

蟯虫症

**眼障害

アレルギー性結膜炎、眼瞼炎、眼乾燥、角膜炎

眼そう痒症、潰瘍性角膜炎

注射部位

注射部位紅斑

注射部位反応、注射部位そう痒感、注射部位浮腫、注射部位疼痛、注射部位硬結、注射部位内出血、注射部位発疹、注射部位皮膚炎

神経系障害

頭痛

皮膚および皮下組織障害

発疹

その他

発熱、関節痛

血清病、血清病様反応

14. 適用上の注意

14.1 薬剤投与前の注意

  1. 14.1.1 投与前に300mgシリンジ及び300mgペンは45分以上、200mgシリンジ及び200mgペンは30分以上かけて室温に戻しておくことが望ましい。
  2. 14.1.2 溶液が白濁したり、着色したり、微粒子がみられた場合及びシリンジに損傷がみられた場合には本剤は使用しないこと。
  3. 14.1.3 投与直前まで本剤のキャップを外さないこと。キャップを外したら直ちに投与すること。

14.2 薬剤投与時の注意

  1. 14.2.1 皮下注射は腹部、大腿部又は上腕部に行うこと。腹部へ投与する場合は、へその周り5cmを外して投与すること。注射部位反応が報告されているので、同一箇所へ繰り返し注射することは避けること。
  2. 14.2.2 **正常な皮膚の部位に注射すること。皮膚が敏感な部位、皮膚に損傷、打撲や傷のある部位、強い炎症を伴う部位には注射しないこと。
  3. 14.2.3 皮膚及び皮下組織の薄い患者に投与する際にはシリンジ製剤を用いること。
  4. 14.2.4 他の薬剤と混合しないこと。
  5. 14.2.5 本剤は1回で全量を使用する製剤であり、再使用しないこと。

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報

**,*本剤を投与したときの抗薬物抗体(ADA)陽性反応発現割合、持続するADA陽性反応発現割合及び中和抗体陽性反応発現割合は下表のとおりであった。なお、プラセボ群のADA陽性反応発現割合、持続するADA陽性反応発現割合及び中和抗体陽性反応発現割合は、それぞれ約4%、約2%及び約1%であった。高抗体価(10,000超)のADAの発現例(発現頻度 1%未満)では、本剤の薬物動態及び有効性への影響が示唆された。加えて、高抗体価のADAに関連した血清病及び血清病様反応が認められた。

ADA陽性反応発現割合、持続するADA陽性反応発現割合及び中和抗体陽性反応発現割合

効能

ADA陽性反応発現割合

持続するADA陽性反応発現割合

中和抗体陽性反応発現割合

アトピー性皮膚炎

成人

約6%

約2%

約1%

12~17歳

約16%

約3%

約5%

生後6カ月~11歳

約2%

0%

約1%

結節性痒疹

約8%

約1%

約3%

特発性の慢性蕁麻疹

約7%

約1%

約2%

水疱性類天疱瘡

約4%

0%

約4%

気管支喘息

12歳以上

約5%

約2%

約2%

6~11歳

約6%

約3%

約2%

慢性閉塞性肺疾患

約8%

約3%

約3%

鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎

約5%

約2%

約3%

1. 警告

本剤の投与は、適応疾患の治療に精通している医師のもとで行うこと。

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

3. 組成・性状

3.1 組成

デュピクセント皮下注300mgペン

有効成分 デュピルマブ(遺伝子組換え)1)    300mg
添加剤 L-ヒスチジン   5.4mg
L-ヒスチジン塩酸塩水和物   1.0mg
L-アルギニン塩酸塩   10.5mg
酢酸ナトリウム水和物   2.6mg
氷酢酸   0.3mg
精製白糖   100mg
ポリソルベート80   4mg
1製剤(2mL)中の分量
デュピクセント皮下注300mgシリンジ

有効成分 デュピルマブ(遺伝子組換え)1)    300mg
添加剤 L-ヒスチジン   5.4mg
L-ヒスチジン塩酸塩水和物   1.0mg
L-アルギニン塩酸塩   10.5mg
酢酸ナトリウム水和物   2.6mg
氷酢酸   0.3mg
精製白糖   100mg
ポリソルベート80   4mg
1製剤(2mL)中の分量
デュピクセント皮下注200mgペン

有効成分 デュピルマブ(遺伝子組換え)1)    200mg
添加剤 L-ヒスチジン   3.10mg
L-ヒスチジン塩酸塩水和物   0.60mg
L-アルギニン塩酸塩   12.01mg
酢酸ナトリウム水和物   1.50mg
氷酢酸   0.19mg
精製白糖   57.00mg
ポリソルベート80   2.28mg
1製剤(1.14mL)中の分量
デュピクセント皮下注200mgシリンジ

有効成分 デュピルマブ(遺伝子組換え)1)    200mg
添加剤 L-ヒスチジン   3.10mg
L-ヒスチジン塩酸塩水和物   0.60mg
L-アルギニン塩酸塩   12.01mg
酢酸ナトリウム水和物   1.50mg
氷酢酸   0.19mg
精製白糖   57.00mg
ポリソルベート80   2.28mg
1製剤(1.14mL)中の分量
          
1) 本剤は遺伝子組換え技術によりチャイニーズハムスター卵巣細胞を用いて製造される。
        

3.2 製剤の性状

デュピクセント皮下注300mgペン

pH 5.6~6.2
浸透圧比 約1.0(生理食塩液に対する比)
性状・剤形 無色~微黄色の澄明又はわずかに乳白光を呈する液(注射剤)
デュピクセント皮下注300mgシリンジ

pH 5.6~6.2
浸透圧比 約1.0(生理食塩液に対する比)
性状・剤形 無色~微黄色の澄明又はわずかに乳白光を呈する液(注射剤)
デュピクセント皮下注200mgペン

pH 5.6~6.2
浸透圧比 約1.0(生理食塩液に対する比)
性状・剤形 無色~微黄色の澄明又はわずかに乳白光を呈する液(注射剤)
デュピクセント皮下注200mgシリンジ

pH 5.6~6.2
浸透圧比 約1.0(生理食塩液に対する比)
性状・剤形 無色~微黄色の澄明又はわずかに乳白光を呈する液(注射剤)

4. 効能又は効果

  • 300mgペン、300mgシリンジ
    既存治療で効果不十分な下記皮膚疾患
    • アトピー性皮膚炎2)
    • 結節性痒疹
    • 特発性の慢性蕁麻疹
  • **中等症から重症の水疱性類天疱瘡
  • 気管支喘息(既存治療によっても喘息症状をコントロールできない重症又は難治の患者に限る)2)
  • 慢性閉塞性肺疾患(既存治療で効果不十分な患者に限る)2)
  • 鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎(既存治療で効果不十分な患者に限る)2)
  • 200mgペン、200mgシリンジ
    既存治療で効果不十分な下記皮膚疾患
    • アトピー性皮膚炎2)
    • 特発性の慢性蕁麻疹
  • *気管支喘息(既存治療によっても喘息症状をコントロールできない重症又は難治の患者に限る)2)

        

2) 最適使用推進ガイドライン対象
      

5. 効能又は効果に関連する注意

  • 〈アトピー性皮膚炎〉
    1. 5.1 ステロイド外用剤やタクロリムス外用剤等の抗炎症外用剤による適切な治療を一定期間施行しても、十分な効果が得られず、強い炎症を伴う皮疹が広範囲に及ぶ患者に用いること。[17.1.1 参照],[17.1.2 参照],[17.1.3 参照]
    2. 5.2 原則として、本剤投与時にはアトピー性皮膚炎の病変部位の状態に応じて抗炎症外用剤を併用すること。
    3. 5.3 本剤投与時も保湿外用剤を継続使用すること。
  • 〈結節性痒疹〉
    1. 5.4 「17. 臨床成績」の項の内容を熟知し、臨床試験に組み入れられた患者の背景を十分に理解した上で、本剤はステロイド外用剤等による治療を施行しても、痒疹結節を主体とする病変が多発し、複数の部位に及ぶ患者に用いること。[17.1.4 参照]
    2. 5.5 最新の診療ガイドライン等を参考に、臨床症状及び全身検索に基づいて他の皮膚疾患との鑑別を行うこと。
  • 〈特発性の慢性蕁麻疹〉
    1. 5.6 食物、物理的刺激等の蕁麻疹の症状を誘発する原因が特定されず、ヒスタミンH1受容体拮抗薬の増量等の適切な治療を行っても、日常生活に支障をきたすほどの痒みを伴う膨疹が繰り返して継続的に認められる場合に本剤を追加して投与すること。[17.1.5 参照]
  • 〈水疱性類天疱瘡〉
    1. 5.7 **最新の国内診療ガイドラインを参考に、全身性ステロイド薬の投与が必要な中等症から重症の水疱性類天疱瘡患者に対して本剤を投与すること。
    2. 5.8 **本剤の適用に先立ち、全身性ステロイド薬単独による治療の実施も考慮すること。患者の症状や状態に応じて、全身性ステロイド薬単独による治療を行わず、本剤と全身性ステロイド薬の併用による治療を開始する場合は、最新の国内診療ガイドライン等を参照の上で、本剤の投与の必要性を慎重に判断すること。
  • 〈気管支喘息〉
    1. 5.9 最新のガイドライン等を参考に、中用量又は高用量の吸入ステロイド薬とその他の長期管理薬を併用しても、全身性ステロイド薬の投与等が必要な喘息増悪をきたす患者に本剤を追加して投与すること。
    2. 5.10 本剤はIL-4及びIL-13シグナル伝達を阻害することにより、喘息の病態に関与する2型炎症反応を抑制することから、臨床試験で認められた本剤投与前の2型炎症に関連するバイオマーカー(血中好酸球数、FeNO、IgE等)の値と有効性の関係を十分に理解し、患者の当該バイオマーカーの値を考慮した上で、適応患者の選択を行うこと。[17.1.7 参照],[17.1.8 参照],[17.1.9 参照]
    3. 5.11 本剤は既に起きている気管支喘息の発作や症状を速やかに軽減する薬剤ではないので、急性の発作に対しては使用しないこと。
  • 〈慢性閉塞性肺疾患〉
    1. 5.12 最新のガイドライン等を参考に、長時間作用性β2刺激薬(LABA)、長時間作用性抗コリン薬(LAMA)及び吸入ステロイド薬(吸入ステロイド薬が禁忌の場合はLABA及びLAMA)の併用療法で全身性ステロイド薬の投与等が必要な増悪をきたす患者に本剤を追加して投与すること。
    2. 5.13 本剤はIL-4及びIL-13シグナル伝達を阻害することにより、慢性閉塞性肺疾患の病態に関与する2型炎症反応を抑制することから、本剤投与前の2型炎症に関連するバイオマーカー(血中好酸球数等)を考慮した上で、適応患者の選択を行うこと。[17.1.10 参照]
    3. 5.14 本剤は慢性閉塞性肺疾患の症状の長期管理に用いること。本剤は慢性閉塞性肺疾患の増悪時における急性期治療を目的として使用する薬剤ではない。
  • 〈鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎〉
    1. 5.15 本剤は全身性ステロイド薬、手術等ではコントロールが不十分な患者に用いること。

6. 用法及び用量

  • 〈アトピー性皮膚炎〉

    通常、成人にはデュピルマブ(遺伝子組換え)として初回に600mgを皮下投与し、その後は1回300mgを2週間隔で皮下投与する。
    通常、生後6カ月以上の小児にはデュピルマブ(遺伝子組換え)として体重に応じて以下を皮下投与する。

    • 5kg以上15kg未満:1回200mgを4週間隔
      15kg以上30kg未満:1回300mgを4週間隔
      30kg以上60kg未満:初回に400mg、その後は1回200mgを2週間隔
      60kg以上:初回に600mg、その後は1回300mgを2週間隔
  • 〈結節性痒疹〉

    通常、成人にはデュピルマブ(遺伝子組換え)として初回に600mgを皮下投与し、その後は1回300mgを2週間隔で皮下投与する。

  • 〈特発性の慢性蕁麻疹〉

    通常、成人にはデュピルマブ(遺伝子組換え)として初回に600mgを皮下投与し、その後は1回300mgを2週間隔で皮下投与する。
    通常、12歳以上の小児にはデュピルマブ(遺伝子組換え)として体重に応じて以下を皮下投与する。

    • 30kg以上60kg未満:初回に400mg、その後は1回200mgを2週間隔
      60kg以上:初回に600mg、その後は1回300mgを2週間隔
  • 〈水疱性類天疱瘡〉

    **通常、成人にはデュピルマブ(遺伝子組換え)として初回に600mgを皮下投与し、その後は1回300mgを2週間隔で皮下投与する。

  • 〈気管支喘息〉

    *通常、成人及び12歳以上の小児にはデュピルマブ(遺伝子組換え)として初回に600mgを皮下投与し、その後は1回300mgを2週間隔で皮下投与する。
     通常、6歳以上12歳未満の小児にはデュピルマブ(遺伝子組換え)として体重に応じて以下を皮下投与する。

    • 15kg以上30kg未満:1回300mgを4週間隔
      30kg以上:1回200mgを2週間隔
  • 〈慢性閉塞性肺疾患〉

    通常、成人にはデュピルマブ(遺伝子組換え)として1回300mgを2週間隔で皮下投与する。

  • 〈鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎〉

    通常、成人にはデュピルマブ(遺伝子組換え)として1回300mgを2週間隔で皮下投与する。なお、症状安定後には、1回300mgを4週間隔で皮下投与できる。

7. 用法及び用量に関連する注意

  • 〈アトピー性皮膚炎〉
    1. 7.1 本剤による治療反応は、通常投与開始から16週までには得られる。16週までに治療反応が得られない場合は、投与中止を考慮すること。
  • 〈アトピー性皮膚炎、特発性の慢性蕁麻疹、気管支喘息〉
    1. 7.2 *200mgシリンジ又は200mgペンと300mgシリンジ又は300mgペンの生物学的同等性試験は実施していないため、600mgを投与する際には200mgシリンジ又は200mgペンを使用しないこと。
  • 〈特発性の慢性蕁麻疹〉
    1. 7.3 臨床試験において、本剤の24週以降の使用経験は無いため、24週以降も継続して投与する場合は、患者の状態を考慮し、その必要性を慎重に判断すること。特に、用法及び用量どおり、24週間使用しても効果が認められない場合には、漫然と投与を続けないよう注意すること。[17.1.5 参照]
  • 〈水疱性類天疱瘡〉
    1. 7.4 **本剤は全身性ステロイド薬と併用で投与を開始すること。病勢のコントロールが得られた後には全身性ステロイド薬の漸減を考慮すること。

8. 重要な基本的注意

  • 〈効能共通〉
    1. 8.1 本剤の投与によって合併する他のアレルギー性疾患の症状が変化する可能性があり、当該アレルギー性疾患に対する適切な治療を怠った場合、症状が急激に悪化し、喘息等では死亡に至るおそれもある。本剤の投与間隔変更後及び投与中止後の疾患管理も含めて、本剤投与中から、合併するアレルギー性疾患を担当する医師と適切に連携すること。患者に対して、医師の指示なく、それらの疾患に対する治療内容を変更しないよう指導すること。
    2. 8.2 ショック、アナフィラキシーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、適切に対処できるようにしておくこと。[11.1.1 参照]
    3. 8.3 長期ステロイド療法を受けている患者において、本剤投与開始後にステロイド薬を急に中止しないこと。ステロイド薬の減量が必要な場合には、医師の管理下で徐々に行うこと。
    4. 8.4 *好酸球増加症があらわれることがあり、特に喘息治療中の患者では好酸球性肺炎、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症等の臨床症状を伴う好酸球増加症の発現も認められている。これらは経口ステロイド薬の減量・中止時以外にも認められている。本剤投与中は、好酸球数の推移、並びに血管炎性皮疹、肺症状の悪化、心臓合併症及びニューロパチー等に注意すること。[11.1.3 参照]
    5. 8.5 本剤はIL-4及びIL-13の阻害作用により2型免疫応答を抑制する。2型免疫応答は寄生虫感染に対する生体防御機能に関与している可能性がある。患者が本剤投与中に寄生虫感染を起こし、抗寄生虫薬による治療が無効な場合には、寄生虫感染が治癒するまで本剤の投与を一時中止すること。[9.1.1 参照]
    6. 8.6 本剤投与中の生ワクチンの接種は、安全性が確認されていないので避けること。
    7. 8.7 本剤の投与開始にあたっては、医療施設において、必ず医師によるか、医師の直接の監督のもとで投与を行うこと。自己投与の適用については、医師がその妥当性を慎重に検討し、十分な教育訓練を実施した後、本剤投与による危険性と対処法について患者又はその保護者が理解し、患者自ら又はその保護者が確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導のもとで実施すること。また、適用後、本剤による副作用が疑われる場合や自己投与の継続が困難な状況となる可能性がある場合には、直ちに自己投与を中止させ、医師の管理下で慎重に観察するなど適切な処置を行うこと。また、本剤投与後に副作用の発現が疑われる場合は、医療機関へ連絡するよう患者又はその保護者に指導を行うこと。使用済みの注射器を再使用しないよう患者又はその保護者に注意を促し、すべての器具の安全な廃棄方法に関する指導の徹底を行うとともに、使用済みの注射器を廃棄する容器を提供すること。
  • 〈アトピー性皮膚炎〉
    1. 8.8 本剤が疾病を完治させる薬剤でなく、本剤投与中も保湿外用剤等を併用する必要があることを患者に対して説明し、患者が理解したことを確認したうえで投与すること。
  • 〈気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患〉
    1. 8.9 本剤の投与開始後に症状がコントロール不良又は悪化した場合には、医師の診療を受けるよう患者に指導すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 寄生虫感染患者

    本剤を投与する前に寄生虫感染の治療を行うこと。[8.5 参照]

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤はヒトIgG4モノクローナル抗体であり、ヒトIgGは胎盤関門を通過することが知られている。また、本剤のサル相同抗体を妊娠カニクイザルへ投与した場合、胎盤を通過して胎児に移行することが確認されている。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤のヒト乳汁への移行は不明であるが、本剤はヒトIgG4モノクローナル抗体であり、ヒトIgGは乳汁中に移行することが知られている。

9.7 小児等

  • 〈アトピー性皮膚炎〉

    低出生体重児、新生児及び生後6カ月未満の乳児を対象とした臨床試験は実施していない。

  • **〈結節性痒疹、水疱性類天疱瘡、慢性閉塞性肺疾患、鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎〉

    小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

  • 〈特発性の慢性蕁麻疹〉

    6歳未満の小児等を対象とした臨床試験は実施していない。臨床試験において、6歳以上12歳未満の小児に対する投与経験は極めて限られている。

  • 〈気管支喘息〉

    *6歳未満の小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

一般的に生理機能(免疫機能等)が低下している。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 重篤な過敏症

    アナフィラキシー(0.1%未満)が報告されている。血圧低下、呼吸困難、意識消失、めまい、嘔気、嘔吐、そう痒感、潮紅、血管性浮腫等があらわれる可能性がある。[8.2 参照]

  2. 11.1.2 **急性汎発性発疹性膿疱症(0.1%未満)
  3. 11.1.3 好酸球増加症(0.9%)

    *喘息治療中の患者では、好酸球性肺炎(0.1%未満)や好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(頻度不明)も報告されている。[8.4 参照]

11.2 その他の副作用

5%以上

5%未満

頻度不明

*感染症および寄生虫症

結膜炎、口腔ヘルペス、単純ヘルペス

蟯虫症

**眼障害

アレルギー性結膜炎、眼瞼炎、眼乾燥、角膜炎

眼そう痒症、潰瘍性角膜炎

注射部位

注射部位紅斑

注射部位反応、注射部位そう痒感、注射部位浮腫、注射部位疼痛、注射部位硬結、注射部位内出血、注射部位発疹、注射部位皮膚炎

神経系障害

頭痛

皮膚および皮下組織障害

発疹

その他

発熱、関節痛

血清病、血清病様反応

14. 適用上の注意

14.1 薬剤投与前の注意

  1. 14.1.1 投与前に300mgシリンジ及び300mgペンは45分以上、200mgシリンジ及び200mgペンは30分以上かけて室温に戻しておくことが望ましい。
  2. 14.1.2 溶液が白濁したり、着色したり、微粒子がみられた場合及びシリンジに損傷がみられた場合には本剤は使用しないこと。
  3. 14.1.3 投与直前まで本剤のキャップを外さないこと。キャップを外したら直ちに投与すること。

14.2 薬剤投与時の注意

  1. 14.2.1 皮下注射は腹部、大腿部又は上腕部に行うこと。腹部へ投与する場合は、へその周り5cmを外して投与すること。注射部位反応が報告されているので、同一箇所へ繰り返し注射することは避けること。
  2. 14.2.2 **正常な皮膚の部位に注射すること。皮膚が敏感な部位、皮膚に損傷、打撲や傷のある部位、強い炎症を伴う部位には注射しないこと。
  3. 14.2.3 皮膚及び皮下組織の薄い患者に投与する際にはシリンジ製剤を用いること。
  4. 14.2.4 他の薬剤と混合しないこと。
  5. 14.2.5 本剤は1回で全量を使用する製剤であり、再使用しないこと。

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報

**,*本剤を投与したときの抗薬物抗体(ADA)陽性反応発現割合、持続するADA陽性反応発現割合及び中和抗体陽性反応発現割合は下表のとおりであった。なお、プラセボ群のADA陽性反応発現割合、持続するADA陽性反応発現割合及び中和抗体陽性反応発現割合は、それぞれ約4%、約2%及び約1%であった。高抗体価(10,000超)のADAの発現例(発現頻度 1%未満)では、本剤の薬物動態及び有効性への影響が示唆された。加えて、高抗体価のADAに関連した血清病及び血清病様反応が認められた。

ADA陽性反応発現割合、持続するADA陽性反応発現割合及び中和抗体陽性反応発現割合

効能

ADA陽性反応発現割合

持続するADA陽性反応発現割合

中和抗体陽性反応発現割合

アトピー性皮膚炎

成人

約6%

約2%

約1%

12~17歳

約16%

約3%

約5%

生後6カ月~11歳

約2%

0%

約1%

結節性痒疹

約8%

約1%

約3%

特発性の慢性蕁麻疹

約7%

約1%

約2%

水疱性類天疱瘡

約4%

0%

約4%

気管支喘息

12歳以上

約5%

約2%

約2%

6~11歳

約6%

約3%

約2%

慢性閉塞性肺疾患

約8%

約3%

約3%

鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎

約5%

約2%

約3%

その他詳細情報

日本標準商品分類番号
87449
ブランドコード
4490405G2020, 4490405G1024, 4490405G4023, 4490405G3027
承認番号
30200AMX00926, 23000AMX00015, 30700AMX00125, 30500AMX00261
販売開始年月
2020-11, 2018-04, 2025-11, 2023-12
貯法
凍結を避け、2~8℃にて保存、凍結を避け、2~8℃にて保存、凍結を避け、2~8℃にて保存、凍結を避け、2~8℃にて保存
有効期間
36ヵ月、36ヵ月、36ヵ月、36ヵ月
規制区分
2, 12, 13, 2, 12, 13, 2, 12, 13, 2, 12, 13

重要な注意事項

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