薬効分類名抗悪性腫瘍剤

一般的名称タグラキソフスプ(遺伝子組換え)製剤

エルゾンリス点滴静注1000μg

ELZONRIS I.V. Injection

製造販売元/日本新薬株式会社

警告禁忌合併症・既往歴等のある患者生殖能を有する者妊婦授乳婦小児等

重大な副作用

頻度
副作用

その他の副作用

部位
頻度
副作用
血液系
5%未満
血液系
頻度不明
心臓・血管
10%以上
心臓・血管
5~10%未満
心臓・血管
頻度不明
頻度不明
胃腸・消化器系
10%以上
悪心(23.7%)嘔吐
胃腸・消化器系
5~10%未満
胃腸・消化器系
5%未満
胃腸・消化器系
頻度不明
肝臓まわり
5%未満
感染症・発熱
5%未満
感染症・発熱
頻度不明
内分泌・代謝系
10%以上
内分泌・代謝系
頻度不明
マグネシウム増加ブドウ糖減少
運動器
5~10%未満
運動器
頻度不明
脳・神経
5~10%未満
脳・神経
頻度不明
肺・呼吸
5~10%未満
皮膚
5%未満
皮膚
頻度不明
その他
5~10%未満
その他
10%以上
発熱(27.8%)体重増加(23.7%)悪寒疲労末梢性浮腫
その他
頻度不明

詳細情報

正確な情報は PMDA で必ず確認して下さい

注意以下の情報は参考資料としてご活用下さい

1. 警告

  1. 1.1 本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍の治療に対して十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、本剤による治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得てから投与を開始すること。
  2. 1.2 毛細血管漏出症候群があらわれ、死亡に至った症例が報告されている。特に治療初期は入院管理下で本剤の投与を行うこと。また、本剤の投与開始前及び投与期間中は定期的に血清アルブミン値、血圧、脈拍数、体重の測定、心機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。低血圧、浮腫、低アルブミン血症、体重増加、肺水腫、胸水、腹水、血液濃縮等が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。[7.2 参照],[8.1 参照],[11.1.1 参照]

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者

3. 組成・性状

3.1 組成

エルゾンリス点滴静注1000μg

有効成分 1バイアル(1mL)中
タグラキソフスプ(遺伝子組換え)1) 1000μg2)   
添加剤 D-ソルビトール   50.0mg
トロメタモール   2.422mg
塩化ナトリウム  
pH調整剤  

              
1) 本剤は遺伝子組換え技術により、大腸菌を用いて製造される。
              
2) バイアルからの採取容量を考慮して過量充てんされている。
            

3.2 製剤の性状

エルゾンリス点滴静注1000μg

pH 7.30~7.70
浸透圧比 約2(生理食塩液に対する比)
性状 無色澄明~わずかに乳白色を呈する液で、半透明~白色の微粒子をわずかに認めることがある。

4. 効能又は効果

芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍

6. 用法及び用量

通常、成人及び2歳以上の小児には、タグラキソフスプ(遺伝子組換え)として12μg/kgを1日1回5日間15分かけて点滴静注し、16日間休薬する。この21日間を1サイクルとし、投与を繰り返す。

7. 用法及び用量に関連する注意

  1. 7.1 1サイクル目の投与開始前に血清アルブミン値が3.2g/dL未満の場合には、本剤の投与を開始しないこと。
  2. 7.2 本剤の投与にあたっては、以下の基準を参考に、本剤の休薬等を考慮すること。また、各サイクルの投与は10日目までに終了し、5日間の投与ができない場合であっても、11日目以降は投与しないこと。[1.2 参照],[8.1 参照],[11.1.1 参照]

    基準3)

    処置

    投与開始後に血清アルブミン値が3.5g/dL未満又は血清アルブミン値が当該サイクルの投与開始前の値から0.5g/dL以上減少

    回復するまで休薬する4)

    体重が前回投与した日の投与開始前から1.5kg以上増加

    浮腫、水分過負荷、低血圧

    ALT又はASTが基準値上限の5倍超

    基準値上限の2.5倍以下に回復するまで休薬する。

    過敏症

    グレード1又は2の場合、回復するまで休薬する。
    グレード3以上の場合は、中止する。

    血清クレアチニン値が1.8mg/dL超又はクレアチニンクリアランスが60mL/分未満

    回復するまで休薬する。

    収縮期血圧が160mmHg以上

    心拍数が130bpm以上又は40bpm以下

    体温が38℃以上

                    

    3) 小児については、本基準を参考に、患者の年齢や状態に応じて、休薬等の必要性を検討すること。
                    
    4) 当該サイクルにおいて治療を要する血行動態の不安定化が認められた場合は、基準に定める症状が回復しても、当該サイクルでの投与を再開しないこと。
                  

  3. 7.3 本剤投与による過敏症又はInfusion reactionを軽減させるために、本剤投与1時間前に抗ヒスタミン剤、H2受容体拮抗剤、解熱鎮痛剤及び副腎皮質ホルモン剤の前投与を行うこと。[8.2 参照],[11.1.2 参照]
  4. 7.4 他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 毛細血管漏出症候群があらわれることがあるので、本剤の投与にあたっては以下の事項に注意すること。[1.2 参照],[7.2 参照],[11.1.1 参照]
    1. 8.1.1 毛細血管漏出症候群は投与初期に多く認められることから、少なくとも1サイクル目の初回投与から最終投与後24時間は必ず入院管理とし、2サイクル目以降についても患者の状態に応じて入院管理を検討すること。
    2. 8.1.2 本剤の投与開始前及び投与期間中は、定期的に血清アルブミン値、血圧、脈拍数、体重の測定、心機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。
    3. 8.1.3 毛細血管漏出症候群が疑われる症状があらわれた場合には、速やかに医療機関を受診するよう患者を指導すること。
  2. 8.2 過敏症又はInfusion reactionがあらわれることがあるので、本剤投与期間中は定期的にバイタルサイン(血圧、脈拍数)のモニタリングを行うなど、患者の状態を十分に観察すること。[7.3 参照],[11.1.2 参照]
  3. 8.3 肝機能障害があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与期間中は定期的に肝機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。[11.1.3 参照]
  4. 8.4 腫瘍崩壊症候群があらわれることがあるので、血清中電解質濃度測定及び腎機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。[11.1.4 参照]
  5. 8.5 骨髄抑制があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与期間中は定期的に血液検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。[11.1.5 参照]

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 遺伝性果糖不耐症の患者

    本剤の添加剤D-ソルビトールが体内で代謝されて生成した果糖が正常に代謝されず、低血糖、肝不全、腎不全等が誘発されるおそれがある。

9.4 生殖能を有する者

妊娠する可能性のある女性には、本剤投与期間中及び最終投与後1週間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。[9.5 参照]

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤を用いた生殖発生毒性試験は実施されていないが、本剤投与により産生された抗インターロイキン(IL)-3抗体及び抗IL-3中和抗体が胎盤を通過し胎児に移行した場合、胎児の造血に悪影響を及ぼす可能性がある。[9.4 参照]

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒトでの乳汁移行に関するデータはないが、本剤の構成成分であるIL-3は乳汁への移行が報告されている。

9.7 小児等

小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 毛細血管漏出症候群(24.7%)

    低血圧、浮腫、低アルブミン血症、体重増加、肺水腫、胸水、腹水、血液濃縮等の毛細血管漏出症候群の徴候、又は関連する症状が認められた場合には、本剤の休薬又は投与中止、人血清アルブミンや副腎皮質ホルモンの投与等の適切な処置を行うこと。[1.2 参照],[7.2 参照],[8.1 参照]

  2. 11.1.2 過敏症(頻度不明)、Infusion reaction(4.1%)

    発熱、悪寒、低血圧、呼吸困難等があらわれることがある。[7.3 参照],[8.2 参照]

  3. 11.1.3 肝機能障害

    ALT増加(54.6%)、AST増加(52.6%)、ALP増加(6.2%)、高トランスアミナーゼ血症(5.2%)、肝機能検査値上昇(4.1%)、高ビリルビン血症(3.1%)、肝機能異常(1.0%)、γ-GTP増加(1.0%)、肝酵素上昇(1.0%)等があらわれることがある。[8.3 参照]

  4. 11.1.4 腫瘍崩壊症候群(9.3%)

    異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置(生理食塩液、高尿酸血症治療剤等の投与、透析等)を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること。[8.4 参照]

  5. 11.1.5 骨髄抑制

    血小板減少症(37.1%)、貧血(18.6%)、好中球減少症(16.5%)、白血球減少症(9.3%)、リンパ球減少症(5.2%)、発熱性好中球減少症(3.1%)等があらわれることがある。[8.5 参照]

11.2 その他の副作用

10%以上

5~10%未満

5%未満

頻度不明

血液

白血球増加症

ヘモグロビン減少

血液凝固系

INR増加、播種性血管内凝固(DIC)、APTT延長、血中フィブリノゲン減少、フィブリンDダイマー増加、FDP増加

循環器

低血圧

頻脈

潮紅、心房細動、徐脈、心筋梗塞、洞性頻脈、上室性期外収縮、心室細動、心電図QT延長

高血圧、心嚢液貯留、血腫

霧視、眼充血、硝子体浮遊物

結膜出血、眼窩周囲浮腫

消化器

悪心(23.7%)、嘔吐

消化不良

下痢、便秘、腹部膨満、口内乾燥、嚥下障害、直腸炎、レッチング、舌血腫

口内炎、腹痛、歯肉出血、舌水疱形成

肝臓

LDH増加

感染症

蜂巣炎、尿路感染、歯肉炎、細菌検査陽性

肺炎

代謝異常

低アルブミン血症(47.4%)、低カリウム血症、食欲減退

高尿酸血症、低ナトリウム血症、高血糖、血液量増加症、低カルシウム血症、低マグネシウム血症

高カリウム血症、高リン血症、アシドーシス、体液貯留、低リン血症、乳酸アシドーシス

マグネシウム増加、ブドウ糖減少

筋骨格系

背部痛

骨痛、関節痛、筋肉痛、尾骨痛、筋痙縮、四肢痛、横紋筋融解症、仙骨痛

筋力低下

精神神経系

浮動性めまい

頭痛、失神寸前の状態、錯乱状態、ベル麻痺、脳症、嗜眠、錯感覚、嗅覚錯誤、末梢性運動ニューロパチー、末梢性感覚ニューロパチー、多発性硬化症再発、代謝性脳症、不安、精神状態変化

不眠症、うつ病、失神、脳卒中、顔面麻痺、味覚不全、傾眠

腎臓および尿路系

血中クレアチニン増加、急性腎障害

蛋白尿、腎不全、尿閉

尿路痛、頻尿

呼吸器

呼吸困難、胸水、肺水腫、気管支拡張症、咳嗽、鼻出血、しゃっくり、低酸素症、湿性咳嗽、呼吸不全、頻呼吸、喘鳴、口腔咽頭痛

皮膚

発疹

そう痒症、斑状丘疹状皮疹、血管性浮腫、冷汗、皮膚乾燥、多汗症、皮膚疼痛、点状出血

手掌・足底発赤知覚不全症候群、蕁麻疹、脱毛症、うっ滞性皮膚炎、膿疱性皮疹、紅斑性皮疹、斑状皮疹

その他

発熱(27.8%)、体重増加(23.7%)、悪寒、疲労、末梢性浮腫

CPK増加、倦怠感、インフルエンザ様疾患、疼痛、サイトカイン放出症候群、無力症、胸部不快感、低体温、顔面腫脹、末梢腫脹、全身性炎症反応症候群、注入部位溢出

胸痛、薬物不耐性、挫傷、体重減少、浮腫、全身性浮腫

14. 適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意

  1. 14.1.1 本剤は、無菌的に調製を行うこと。
  2. 14.1.2 取扱い時にはゴム手袋、防護メガネ等の着用が望ましい。眼や皮膚に薬液が付着した場合は直ちに多量の水で十分に洗浄し、医師の診断を受けるなど、適切な処置を行うこと。
  3. 14.1.3 本剤のバイアルは1回使い切りである。残液をその後の投与に使用しないこと。
  4. 14.1.4 解凍方法
    1. (1) 外箱に入れたまま室温(15~25℃)で15~30分かけて解凍すること。急速に解凍しないこと。また、解凍後に再凍結しないこと。
    2. (2) 解凍後の本剤は、室温で約1時間保存することができる。
  5. 14.1.5 希釈方法
    1. (1) 解凍した本剤のバイアルをゆっくりと渦をまくように回しながら混和した後、本剤1mLを抜き取り、生理食塩液9mLで希釈して、タグラキソフスプ(遺伝子組換え)として100μg/mLの溶液とする。希釈時は容器を少なくとも3回ゆっくりと上下反転させ、内容物を混合する。激しく振とうしないこと。
    2. (2) 希釈後速やかに投与を開始すること。やむを得ず保存する場合は、室温で保存し、4時間以内に投与を終了すること。

14.2 薬剤投与時の注意

  1. 14.2.1 本剤及びフラッシュ用生理食塩液の投与は、シリンジポンプを使用すること。また、本剤投与後は、ラインを本剤と同じ投与速度の生理食塩液にてフラッシュすること。
  2. 14.2.2 本剤は、他の注射剤、生理食塩液以外の輸液と混合しないこと。
  3. 14.2.3 0.2μmのポリエーテルスルホン製インラインフィルターを使用して投与すること。

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報

海外第Ⅰ/Ⅱ相試験(STML-401-0114)及び国内第Ⅰ/Ⅱ相試験(NS401-P1-02)で本剤12μg/kgを静脈内投与した芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍(BPDCN)患者において、ベースライン時に本剤に対する抗薬物抗体が陽性であった患者は90%(84/93例)、中和抗体が陽性であった患者は28%(26/93例)であった。本剤投与後は、全ての患者が本剤に対する抗薬物抗体陽性であり、97%(90/93例)が中和抗体陽性であった。また、ベースライン時にIL-3に対する抗体が陽性であった患者は2%(2/93例)であり、中和抗体が陽性であった患者は認められなかった。本剤投与後は、85%(79/93例)がIL-3に対する抗体陽性であり、67%(62/93例)が中和抗体陽性であった。
ベースライン時に本剤に対する抗薬物抗体及び中和抗体が陽性であった患者では、陰性であった患者と比較して本剤の曝露量が低下する傾向が認められた。

15.2 非臨床試験に基づく情報

カニクイザルを用いた反復投与毒性試験において30μg/kg/日以上の用量で、脈絡叢(炎症、変性、壊死等)及び腎臓(尿細管の変性、壊死等)への影響が認められ、脈絡叢の傷害性変化は3週間の休薬で回復性が認められなかった1)

1. 警告

  1. 1.1 本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍の治療に対して十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、本剤による治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得てから投与を開始すること。
  2. 1.2 毛細血管漏出症候群があらわれ、死亡に至った症例が報告されている。特に治療初期は入院管理下で本剤の投与を行うこと。また、本剤の投与開始前及び投与期間中は定期的に血清アルブミン値、血圧、脈拍数、体重の測定、心機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。低血圧、浮腫、低アルブミン血症、体重増加、肺水腫、胸水、腹水、血液濃縮等が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。[7.2 参照],[8.1 参照],[11.1.1 参照]

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者

3. 組成・性状

3.1 組成

エルゾンリス点滴静注1000μg

有効成分 1バイアル(1mL)中
タグラキソフスプ(遺伝子組換え)1) 1000μg2)   
添加剤 D-ソルビトール   50.0mg
トロメタモール   2.422mg
塩化ナトリウム  
pH調整剤  

              
1) 本剤は遺伝子組換え技術により、大腸菌を用いて製造される。
              
2) バイアルからの採取容量を考慮して過量充てんされている。
            

3.2 製剤の性状

エルゾンリス点滴静注1000μg

pH 7.30~7.70
浸透圧比 約2(生理食塩液に対する比)
性状 無色澄明~わずかに乳白色を呈する液で、半透明~白色の微粒子をわずかに認めることがある。

4. 効能又は効果

芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍

6. 用法及び用量

通常、成人及び2歳以上の小児には、タグラキソフスプ(遺伝子組換え)として12μg/kgを1日1回5日間15分かけて点滴静注し、16日間休薬する。この21日間を1サイクルとし、投与を繰り返す。

7. 用法及び用量に関連する注意

  1. 7.1 1サイクル目の投与開始前に血清アルブミン値が3.2g/dL未満の場合には、本剤の投与を開始しないこと。
  2. 7.2 本剤の投与にあたっては、以下の基準を参考に、本剤の休薬等を考慮すること。また、各サイクルの投与は10日目までに終了し、5日間の投与ができない場合であっても、11日目以降は投与しないこと。[1.2 参照],[8.1 参照],[11.1.1 参照]

    基準3)

    処置

    投与開始後に血清アルブミン値が3.5g/dL未満又は血清アルブミン値が当該サイクルの投与開始前の値から0.5g/dL以上減少

    回復するまで休薬する4)

    体重が前回投与した日の投与開始前から1.5kg以上増加

    浮腫、水分過負荷、低血圧

    ALT又はASTが基準値上限の5倍超

    基準値上限の2.5倍以下に回復するまで休薬する。

    過敏症

    グレード1又は2の場合、回復するまで休薬する。
    グレード3以上の場合は、中止する。

    血清クレアチニン値が1.8mg/dL超又はクレアチニンクリアランスが60mL/分未満

    回復するまで休薬する。

    収縮期血圧が160mmHg以上

    心拍数が130bpm以上又は40bpm以下

    体温が38℃以上

                    

    3) 小児については、本基準を参考に、患者の年齢や状態に応じて、休薬等の必要性を検討すること。
                    
    4) 当該サイクルにおいて治療を要する血行動態の不安定化が認められた場合は、基準に定める症状が回復しても、当該サイクルでの投与を再開しないこと。
                  

  3. 7.3 本剤投与による過敏症又はInfusion reactionを軽減させるために、本剤投与1時間前に抗ヒスタミン剤、H2受容体拮抗剤、解熱鎮痛剤及び副腎皮質ホルモン剤の前投与を行うこと。[8.2 参照],[11.1.2 参照]
  4. 7.4 他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 毛細血管漏出症候群があらわれることがあるので、本剤の投与にあたっては以下の事項に注意すること。[1.2 参照],[7.2 参照],[11.1.1 参照]
    1. 8.1.1 毛細血管漏出症候群は投与初期に多く認められることから、少なくとも1サイクル目の初回投与から最終投与後24時間は必ず入院管理とし、2サイクル目以降についても患者の状態に応じて入院管理を検討すること。
    2. 8.1.2 本剤の投与開始前及び投与期間中は、定期的に血清アルブミン値、血圧、脈拍数、体重の測定、心機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。
    3. 8.1.3 毛細血管漏出症候群が疑われる症状があらわれた場合には、速やかに医療機関を受診するよう患者を指導すること。
  2. 8.2 過敏症又はInfusion reactionがあらわれることがあるので、本剤投与期間中は定期的にバイタルサイン(血圧、脈拍数)のモニタリングを行うなど、患者の状態を十分に観察すること。[7.3 参照],[11.1.2 参照]
  3. 8.3 肝機能障害があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与期間中は定期的に肝機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。[11.1.3 参照]
  4. 8.4 腫瘍崩壊症候群があらわれることがあるので、血清中電解質濃度測定及び腎機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。[11.1.4 参照]
  5. 8.5 骨髄抑制があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与期間中は定期的に血液検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。[11.1.5 参照]

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 遺伝性果糖不耐症の患者

    本剤の添加剤D-ソルビトールが体内で代謝されて生成した果糖が正常に代謝されず、低血糖、肝不全、腎不全等が誘発されるおそれがある。

9.4 生殖能を有する者

妊娠する可能性のある女性には、本剤投与期間中及び最終投与後1週間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。[9.5 参照]

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤を用いた生殖発生毒性試験は実施されていないが、本剤投与により産生された抗インターロイキン(IL)-3抗体及び抗IL-3中和抗体が胎盤を通過し胎児に移行した場合、胎児の造血に悪影響を及ぼす可能性がある。[9.4 参照]

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒトでの乳汁移行に関するデータはないが、本剤の構成成分であるIL-3は乳汁への移行が報告されている。

9.7 小児等

小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 毛細血管漏出症候群(24.7%)

    低血圧、浮腫、低アルブミン血症、体重増加、肺水腫、胸水、腹水、血液濃縮等の毛細血管漏出症候群の徴候、又は関連する症状が認められた場合には、本剤の休薬又は投与中止、人血清アルブミンや副腎皮質ホルモンの投与等の適切な処置を行うこと。[1.2 参照],[7.2 参照],[8.1 参照]

  2. 11.1.2 過敏症(頻度不明)、Infusion reaction(4.1%)

    発熱、悪寒、低血圧、呼吸困難等があらわれることがある。[7.3 参照],[8.2 参照]

  3. 11.1.3 肝機能障害

    ALT増加(54.6%)、AST増加(52.6%)、ALP増加(6.2%)、高トランスアミナーゼ血症(5.2%)、肝機能検査値上昇(4.1%)、高ビリルビン血症(3.1%)、肝機能異常(1.0%)、γ-GTP増加(1.0%)、肝酵素上昇(1.0%)等があらわれることがある。[8.3 参照]

  4. 11.1.4 腫瘍崩壊症候群(9.3%)

    異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置(生理食塩液、高尿酸血症治療剤等の投与、透析等)を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること。[8.4 参照]

  5. 11.1.5 骨髄抑制

    血小板減少症(37.1%)、貧血(18.6%)、好中球減少症(16.5%)、白血球減少症(9.3%)、リンパ球減少症(5.2%)、発熱性好中球減少症(3.1%)等があらわれることがある。[8.5 参照]

11.2 その他の副作用

10%以上

5~10%未満

5%未満

頻度不明

血液

白血球増加症

ヘモグロビン減少

血液凝固系

INR増加、播種性血管内凝固(DIC)、APTT延長、血中フィブリノゲン減少、フィブリンDダイマー増加、FDP増加

循環器

低血圧

頻脈

潮紅、心房細動、徐脈、心筋梗塞、洞性頻脈、上室性期外収縮、心室細動、心電図QT延長

高血圧、心嚢液貯留、血腫

霧視、眼充血、硝子体浮遊物

結膜出血、眼窩周囲浮腫

消化器

悪心(23.7%)、嘔吐

消化不良

下痢、便秘、腹部膨満、口内乾燥、嚥下障害、直腸炎、レッチング、舌血腫

口内炎、腹痛、歯肉出血、舌水疱形成

肝臓

LDH増加

感染症

蜂巣炎、尿路感染、歯肉炎、細菌検査陽性

肺炎

代謝異常

低アルブミン血症(47.4%)、低カリウム血症、食欲減退

高尿酸血症、低ナトリウム血症、高血糖、血液量増加症、低カルシウム血症、低マグネシウム血症

高カリウム血症、高リン血症、アシドーシス、体液貯留、低リン血症、乳酸アシドーシス

マグネシウム増加、ブドウ糖減少

筋骨格系

背部痛

骨痛、関節痛、筋肉痛、尾骨痛、筋痙縮、四肢痛、横紋筋融解症、仙骨痛

筋力低下

精神神経系

浮動性めまい

頭痛、失神寸前の状態、錯乱状態、ベル麻痺、脳症、嗜眠、錯感覚、嗅覚錯誤、末梢性運動ニューロパチー、末梢性感覚ニューロパチー、多発性硬化症再発、代謝性脳症、不安、精神状態変化

不眠症、うつ病、失神、脳卒中、顔面麻痺、味覚不全、傾眠

腎臓および尿路系

血中クレアチニン増加、急性腎障害

蛋白尿、腎不全、尿閉

尿路痛、頻尿

呼吸器

呼吸困難、胸水、肺水腫、気管支拡張症、咳嗽、鼻出血、しゃっくり、低酸素症、湿性咳嗽、呼吸不全、頻呼吸、喘鳴、口腔咽頭痛

皮膚

発疹

そう痒症、斑状丘疹状皮疹、血管性浮腫、冷汗、皮膚乾燥、多汗症、皮膚疼痛、点状出血

手掌・足底発赤知覚不全症候群、蕁麻疹、脱毛症、うっ滞性皮膚炎、膿疱性皮疹、紅斑性皮疹、斑状皮疹

その他

発熱(27.8%)、体重増加(23.7%)、悪寒、疲労、末梢性浮腫

CPK増加、倦怠感、インフルエンザ様疾患、疼痛、サイトカイン放出症候群、無力症、胸部不快感、低体温、顔面腫脹、末梢腫脹、全身性炎症反応症候群、注入部位溢出

胸痛、薬物不耐性、挫傷、体重減少、浮腫、全身性浮腫

14. 適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意

  1. 14.1.1 本剤は、無菌的に調製を行うこと。
  2. 14.1.2 取扱い時にはゴム手袋、防護メガネ等の着用が望ましい。眼や皮膚に薬液が付着した場合は直ちに多量の水で十分に洗浄し、医師の診断を受けるなど、適切な処置を行うこと。
  3. 14.1.3 本剤のバイアルは1回使い切りである。残液をその後の投与に使用しないこと。
  4. 14.1.4 解凍方法
    1. (1) 外箱に入れたまま室温(15~25℃)で15~30分かけて解凍すること。急速に解凍しないこと。また、解凍後に再凍結しないこと。
    2. (2) 解凍後の本剤は、室温で約1時間保存することができる。
  5. 14.1.5 希釈方法
    1. (1) 解凍した本剤のバイアルをゆっくりと渦をまくように回しながら混和した後、本剤1mLを抜き取り、生理食塩液9mLで希釈して、タグラキソフスプ(遺伝子組換え)として100μg/mLの溶液とする。希釈時は容器を少なくとも3回ゆっくりと上下反転させ、内容物を混合する。激しく振とうしないこと。
    2. (2) 希釈後速やかに投与を開始すること。やむを得ず保存する場合は、室温で保存し、4時間以内に投与を終了すること。

14.2 薬剤投与時の注意

  1. 14.2.1 本剤及びフラッシュ用生理食塩液の投与は、シリンジポンプを使用すること。また、本剤投与後は、ラインを本剤と同じ投与速度の生理食塩液にてフラッシュすること。
  2. 14.2.2 本剤は、他の注射剤、生理食塩液以外の輸液と混合しないこと。
  3. 14.2.3 0.2μmのポリエーテルスルホン製インラインフィルターを使用して投与すること。

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報

海外第Ⅰ/Ⅱ相試験(STML-401-0114)及び国内第Ⅰ/Ⅱ相試験(NS401-P1-02)で本剤12μg/kgを静脈内投与した芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍(BPDCN)患者において、ベースライン時に本剤に対する抗薬物抗体が陽性であった患者は90%(84/93例)、中和抗体が陽性であった患者は28%(26/93例)であった。本剤投与後は、全ての患者が本剤に対する抗薬物抗体陽性であり、97%(90/93例)が中和抗体陽性であった。また、ベースライン時にIL-3に対する抗体が陽性であった患者は2%(2/93例)であり、中和抗体が陽性であった患者は認められなかった。本剤投与後は、85%(79/93例)がIL-3に対する抗体陽性であり、67%(62/93例)が中和抗体陽性であった。
ベースライン時に本剤に対する抗薬物抗体及び中和抗体が陽性であった患者では、陰性であった患者と比較して本剤の曝露量が低下する傾向が認められた。

15.2 非臨床試験に基づく情報

カニクイザルを用いた反復投与毒性試験において30μg/kg/日以上の用量で、脈絡叢(炎症、変性、壊死等)及び腎臓(尿細管の変性、壊死等)への影響が認められ、脈絡叢の傷害性変化は3週間の休薬で回復性が認められなかった1)

その他詳細情報

日本標準商品分類番号
874291
ブランドコード
4291482A1023
承認番号
30700AMX00261000
販売開始年月
2026-03
貯法
-20±5℃
有効期間
3年
規制区分
2, 12

重要な注意事項

  • この情報は医療専門家による診断や治療の代替にはなりません。副作用に関する懸念がある場合は、必ず医師または薬剤師に相談してください。
  • 副作用の発生頻度や重篤度は個人差があります。ここで提供される情報は一般的なものであり、すべての患者さんに当てはまるわけではありません。
  • 薬剤の使用に関しては、必ず医療専門家の指示に従い、自己判断での変更や中止を避けてください。
  • この情報は最新のものであるよう努めていますが、最新とは限りません。常に医療専門家に確認してください。
  • 副作用に関する情報は、信頼できる医療情報源に基づいて提供されていますが、完全性や正確性を保証するものではありません。
  • この情報を使用することにより生じたいかなる損害についても、当サイトは一切の責任を負いません。