薬効分類名抗悪性腫瘍酵素製剤

一般的名称ペグアスパルガーゼ

オンキャスパー点滴静注用3750

おんきゃすぱーてんてきじょうちゅうよう3750

Oncaspar I.V. Infusion

製造販売元/日本セルヴィエ株式会社

第2版
警告禁忌相互作用合併症・既往歴等のある患者肝機能障害患者生殖能を有する者妊婦授乳婦小児等

重大な副作用

頻度
副作用
11.5%
頻度不明
頻度不明
出血
頻度不明
頻度不明
頻度不明
頻度不明
頻度不明
頻度不明
頻度不明

その他の副作用

部位
頻度
副作用
内分泌・代謝系
10%以上
内分泌・代謝系
5~10%未満
栄養障害
内分泌・代謝系
5%未満
内分泌・代謝系
頻度不明
血液系
10%以上
貧血(42.3%)凝血異常
血液系
5~10%未満
皮膚
10%以上
脳・神経
10%以上
脱毛症(38.5%)
脳・神経
5%未満
脳・神経
10%以上
嘔吐(38.5%)悪心(30.8%)
心臓・血管
5%未満
全身・局所・適用部位
5%未満
全身・局所・適用部位
頻度不明
胃腸・消化器系
5%未満
胃腸・消化器系
10%以上
胃腸・消化器系
5~10%未満
免疫系
5~10%未満
肝臓まわり
5%未満
その他
5%未満
気分の落ち込み不眠症
その他
10%以上
その他
5%未満

併用注意

薬剤名等
  • 代謝拮抗剤
臨床症状・措置方法

本剤を代謝拮抗剤と同時投与又は本剤投与後に代謝拮抗剤を投与する場合、本剤が代謝拮抗剤の抗腫瘍効果を減弱する可能性がある。

機序・危険因子

本剤が代謝拮抗剤の効果発現に必要な細胞複製を阻害する可能性がある。

薬剤名等
  • 副腎皮質ホルモン剤
臨床症状・措置方法

本剤を副腎皮質ホルモン剤と同時に投与する場合、凝固パラメータの変化(フィブリノゲン低下、ATIII欠乏など)が認められる又は副腎皮質ホルモン剤による骨壊死を増強する可能性がある。

機序・危険因子

本剤により副腎皮質ホルモン剤の排泄が減少し曝露が増加する可能性がある。

薬剤名等
  • ビンクリスチン硫酸塩
臨床症状・措置方法

神経系及び造血器系の副作用が増強する可能性がある。

機序・危険因子

本剤がビンクリスチンの肝クリアランスを低下させる可能性がある。

薬剤名等
  • イマチニブメシル酸塩
臨床症状・措置方法

本剤との併用により肝障害の発現率が増加したとの報告がある。

機序・危険因子

本剤がイマチニブのクリアランスを低下させる可能性がある。また、本剤による肝臓でのタンパク合成の減少により、イマチニブによる肝毒性を増加させる可能性がある。

薬剤名等
  • CYPの基質となる抗悪性腫瘍剤
臨床症状・措置方法

本剤との併用により、副作用が増強する可能性がある。

機序・危険因子

本剤による肝臓でのタンパク合成の減少によるクリアランスの低下により、CYPの基質となる抗悪性腫瘍剤の代謝及び消失を妨げる可能性がある。

薬剤名等
  • 抗凝固剤
臨床症状・措置方法

本剤との併用により、出血や血栓症の傾向が増強する可能性がある。

機序・危険因子

本剤により、凝固因子の増減が認められる可能性がある。

薬剤名等
臨床症状・措置方法

経口避妊薬の副作用が増強する可能性があるため、経口避妊薬との併用は避けること。

機序・危険因子

本剤は経口避妊薬の肝クリアランスを低下させる可能性がある。

薬剤名等
  • 生ワクチン
臨床症状・措置方法

生ワクチン接種後の患者の状態の観察を行うとともに、接種した生ワクチンの原病に基づく症状が発現した際には適切な処置を行うこと。

機序・危険因子

本剤の免疫抑制作用により、重篤な感染症を引き起こす可能性がある。

詳細情報

正確な情報は PMDA で必ず確認して下さい

注意以下の情報は参考資料としてご活用下さい

1. 警告

本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍の治療に対して十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、本剤による治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得てから投与を開始すること。

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者
  2. 2.2 重度の肝機能障害のある患者(ビリルビン基準値上限(ULN)3倍超、トランスアミナーゼULN10倍超)[9.3.1 参照]
  3. 2.3 L-アスパラギナーゼによる重篤な血栓症の既往歴のある患者[重篤な血栓症があらわれるおそれがある]
  4. 2.4 膵炎の既往歴(L-アスパラギナーゼによる膵炎を含む)のある患者[膵炎があらわれるおそれがある]
  5. 2.5 L-アスパラギナーゼによる重篤な出血性イベントの既往歴のある患者[重篤な出血性イベントがあらわれるおそれがある]

3. 組成・性状

3.1 組成

オンキャスパー点滴静注用3750

有効成分 ペグアスパルガーゼ1)    4050IU
添加剤 精製白糖   225mg
リン酸二水素ナトリウム一水和物   3.45mg
リン酸水素二ナトリウム七水和物   26.30mg
塩化ナトリウム   21.25mg
pH調節剤 2成分   適量
(1バイアル中)

・1IUはL-アスパラギンをpH7.3、37℃で分解し、1分間に1μmolのNH3を遊離するのに必要な酵素量
・本剤は大腸菌を用いて製造される。
          
1) IUは国際単位を意味する。本剤は、調製時の損失を考慮し、1バイアルから3750IUを注射するに足る量を確保するために過量充填されており、注射用水5.2mLを用いて溶解した後の溶液の濃度は750IU/mLとなる。
        

3.2 製剤の性状

オンキャスパー点滴静注用3750

色調 白色~ほとんど白色
pH 7.2~7.6
(注射用水5.2mLに溶解)
浸透圧比 約1(生理食塩液に対する比)
(注射用水5.2mLに溶解)
性状 凍結乾燥製剤

4. 効能又は効果

急性リンパ性白血病、悪性リンパ腫

5. 効能又は効果に関連する注意

  1. 5.1 診療ガイドライン等の最新の情報を参考に、本剤の投与が適切と判断される患者に使用すること。

6. 用法及び用量

他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、ペグアスパルガーゼとして、下記の用法・用量で2週間間隔で点滴静脈内投与する。

21歳以下の患者:
体表面積0.6m2以上の場合は1回2500国際単位/m2(体表面積)を、体表面積0.6m2未満の場合は1回82.5国際単位/kg(体重)を投与する。

22歳以上の患者:
1回2000国際単位/m2(体表面積)を投与する。

7. 用法及び用量に関連する注意

  1. 7.1 調製後の希釈液を1~2時間かけて投与すること。
  2. 7.2 本剤の投与スケジュール、併用薬等について、「17. 臨床成績」の項の内容を熟知し、診療ガイドライン等の最新の情報を参考にすること。[17.1.1 参照]
  3. 7.3 本剤投与中に副作用が発現した場合は、次の基準を参考に、本剤の休薬、中止又は投与速度変更の対応を行うこと。
    本剤の休薬、中止又は投与速度変更基準の目安

    副作用

    基準*

    処置

    注入部位反応/アレルギー反応又はアナフィラキシー

    Grade 1

    投与速度を半減する。

    Grade 2

    投与を中断して適切な処置を行う。症状消失後は、投与速度を半減して再開できる。

    Grade 3以上

    投与を中止して適切な処置を行う。

    出血

    Grade 3以上

    休薬する。出血管理が可能な場合は、投与を再開できる。

    膵炎/リパーゼ及びアミラーゼ増加

    ULN3倍超のリパーゼ又はアミラーゼ増加のみで、他に膵炎の症候を認めない

    休薬する。無症候性、かつ検査値が安定又は減少傾向である場合は、投与を再開できる。

    Grade 3以上の膵炎

    投与を中止する。

    血栓塞栓症

    合併症を伴わない深部静脈血栓症

    休薬する。症状消失後は、抗血栓療法を継続しながら投与を再開できる。

    Grade 3以上の血栓症

    投与を中止する。

    肝機能障害

    ULN3倍超~10倍以下の総ビリルビン増加

    休薬する。総ビリルビン濃度がULNの1.5倍以下に回復した場合は、投与を再開できる。

    ULN10倍超の総ビリルビン増加

    投与を中止する。

    * GradeはNCI-CTCAE ver5.0に準じる。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 アナフィラキシーを含む過敏症があらわれることがあるので、緊急時に十分な対応のできる準備を行った上で開始し、本剤投与中及び投与後は患者の状態を十分に観察すること。また、過敏症を軽減するため、本剤の投与30~60分前に、解熱鎮痛剤、抗ヒスタミン剤、副腎皮質ホルモン剤等の前投与を考慮すること。[9.1.1 参照],[11.1.1 参照]
  2. 8.2 膵炎があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は定期的に血清アミラーゼ値やリパーゼ値の測定を行うなど、観察を十分に行うこと。[11.1.2 参照]
  3. 8.3 出血傾向、血栓塞栓症等があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は定期的にフィブリノゲン、AT-III等の凝固パラメータのモニタリングを行うなど、観察を十分に行うこと。[11.1.3 参照],[11.1.4 参照]
  4. 8.4 肝機能障害があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は定期的に肝機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。[11.1.5 参照]
  5. 8.5 骨髄抑制があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は定期的に血液検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。[11.1.6 参照]
  6. 8.6 高血糖があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は定期的に血糖値の測定を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。[11.1.9 参照]
  7. 8.7 痙攣発作、失神等の中枢神経障害があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察すること。また、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には十分注意させること。[11.1.10 参照]

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 L-アスパラギナーゼに対し過敏症の既往歴のある患者

    本剤を投与するにあたっては、リスクとベネフィットを慎重に検討し、投与の要否を判断した上で、過敏症に対する前投与の実施も含め、適切な安全管理下において慎重に投与すること。[8.1 参照]

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1 重度の肝機能障害のある患者(ビリルビンULN3倍超、トランスアミナーゼULN10倍超)

    本剤を投与しないこと。肝機能障害が悪化するおそれがある。[2.2 参照]

9.4 生殖能を有する者

  1. 9.4.1 妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後少なくとも1カ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。[9.5 参照],[10.2 参照]
  2. 9.4.2 本剤は経口避妊薬の肝クリアランスを阻害しうる肝毒性を有するため、本剤と経口避妊薬を併用することは推奨されていない。妊娠する可能性のある女性には、経口避妊薬以外の方法を使用すること。[10.2 参照]

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤を用いた生殖発生毒性試験は実施されていない。L-アスパラギナーゼの動物実験(ラット・ウサギ)において催奇形性、胚吸収等が報告されている。[9.4.1 参照]

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト乳汁中への移行は不明である。

9.7 小児等

新生児及び乳児を対象とした臨床試験は実施していない。

10. 相互作用

  • 本剤はタンパク合成及び肝機能に影響すること、またチトクロームP450(CYP)の発現量を低下させることにより、他の薬剤の代謝及び排泄を阻害する可能性がある。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
  • 代謝拮抗剤
    • メトトレキサート
    • シタラビン 等

本剤を代謝拮抗剤と同時投与又は本剤投与後に代謝拮抗剤を投与する場合、本剤が代謝拮抗剤の抗腫瘍効果を減弱する可能性がある。

本剤が代謝拮抗剤の効果発現に必要な細胞複製を阻害する可能性がある。

  • 副腎皮質ホルモン剤
    • プレドニゾロン
    • デキサメタゾン 等

本剤を副腎皮質ホルモン剤と同時に投与する場合、凝固パラメータの変化(フィブリノゲン低下、ATIII欠乏など)が認められる又は副腎皮質ホルモン剤による骨壊死を増強する可能性がある。

本剤により副腎皮質ホルモン剤の排泄が減少し曝露が増加する可能性がある。

  • ビンクリスチン硫酸塩

神経系及び造血器系の副作用が増強する可能性がある。

本剤がビンクリスチンの肝クリアランスを低下させる可能性がある。

  • イマチニブメシル酸塩

本剤との併用により肝障害の発現率が増加したとの報告がある。

本剤がイマチニブのクリアランスを低下させる可能性がある。また、本剤による肝臓でのタンパク合成の減少により、イマチニブによる肝毒性を増加させる可能性がある。

  • CYPの基質となる抗悪性腫瘍剤

本剤との併用により、副作用が増強する可能性がある。

本剤による肝臓でのタンパク合成の減少によるクリアランスの低下により、CYPの基質となる抗悪性腫瘍剤の代謝及び消失を妨げる可能性がある。

  • 抗凝固剤
    • ワルファリンカリウム
    • ヘパリン製剤
    • アセチルサリチル酸 等

本剤との併用により、出血や血栓症の傾向が増強する可能性がある。

本剤により、凝固因子の増減が認められる可能性がある。

経口避妊薬の副作用が増強する可能性があるため、経口避妊薬との併用は避けること。

本剤は経口避妊薬の肝クリアランスを低下させる可能性がある。

  • 生ワクチン

生ワクチン接種後の患者の状態の観察を行うとともに、接種した生ワクチンの原病に基づく症状が発現した際には適切な処置を行うこと。

本剤の免疫抑制作用により、重篤な感染症を引き起こす可能性がある。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 過敏症

    アナフィラキシー反応(3.8%)等があらわれることがある。[8.1 参照]

  2. 11.1.2 膵炎

    急性膵炎(3.8%)、膵炎(3.8%)、再発性膵炎(頻度不明)、膵壊死(頻度不明)等があらわれることがある。[8.2 参照]

  3. 11.1.3 出血

    小腸出血(頻度不明)等があらわれることがある。[8.3 参照]

  4. 11.1.4 血栓塞栓症

    塞栓症(頻度不明)、脳虚血(頻度不明)、播種性血管内凝固(頻度不明)等があらわれることがある。[8.3 参照]

  5. 11.1.5 肝機能障害

    ALT増加(11.5%)、AST増加(11.5%)の上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがある。[8.4 参照]

  6. 11.1.6 骨髄抑制

    好中球減少(15.4%)、白血球減少(57.7%)、血小板減少(53.8%)、発熱性好中球減少症(42.3%)等があらわれることがある。[8.5 参照]

  7. 11.1.7 感染症

    レンサ球菌性菌血症(頻度不明)、皮膚感染(頻度不明)、敗血症(頻度不明)等があらわれることがある。

  8. 11.1.8 脂質異常症

    高トリグリセリド血症(30.8%)、血中コレステロール増加(3.8%)等があらわれることがある。

  9. 11.1.9 高血糖(11.5%)

                    [8.6 参照]               

  10. 11.1.10 中枢神経障害

    痙攣発作(頻度不明)、失神(頻度不明)等があらわれることがある。[8.7 参照]

11.2 その他の副作用

10%以上

5~10%未満

5%未満

頻度不明

代謝および栄養障害

低蛋白血症(38.5%)、食欲減退、低アルブミン血症

栄養障害

低血糖、低カリウム血症、脱水

高アンモニア血症

血液およびリンパ系障害

貧血(42.3%)、凝血異常

低グロブリン血症

臨床検査

アンチトロンビンIII減少(57.7%)、プラスミン・インヒビター減少(23.1%)、プラスミノーゲン減少(23.1%)、リンパ球数減少、活性化部分トロンボプラスチン時間延長

アミラーゼ増加、血中アルブミン減少、凝固検査異常、総蛋白減少

体重減少、血中乳酸脱水素酵素増加、血中尿素増加、フィブリンDダイマー増加、免疫グロブリン減少

皮膚および皮下組織障害

脱毛症(38.5%)

蕁麻疹

感染症および寄生虫症

菌血症、毛包炎、真菌感染、肺炎

神経系障害

自律神経失調症、頭痛

末梢神経障害

血管障害

潮紅

一般・全身障害および投与部位の状態

倦怠感

発熱

胃腸障害

嘔吐(38.5%)、悪心(30.8%)

口内炎、便秘、下痢

胃食道逆流性疾患、血便排泄

精神障害

気分の落ち込み、不眠症

免疫系障害

低γグロブリン血症

肝胆道系障害

脂肪性肝炎

14. 適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意

  1. 14.1.1 本剤を取り扱う際には手袋、ゴーグル及びマスクを着用し、接触を避けること。薬液が接触した場合は直ちに多量の流水で十分に洗い流すこと。
  2. 14.1.2 本剤は、無菌的に調製を行うこと。
  3. 14.1.3 バイアル内をよく観察し、本剤の表面や底面、バイアル壁面に異物がないか目視で確認すること。
  4. 14.1.4 本剤は注射針を装着した注射筒を用いて5.2mLの日局注射用水をバイアル内に注入し、穏やかに反転させてゆっくりと溶解すること(溶解液濃度は750IU/mLとなる)。バイアルは振とうせず、激しく撹拌しないこと。
  5. 14.1.5 溶解液は無色澄明な液である。溶解液に微粒子や変色がないか目視で確認すること。微粒子又は変色が認められた場合には使用しないこと。
  6. 14.1.6 必要な投与量を含有する溶解液をバイアルから抜き取り、生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液100mLで希釈して使用すること。
  7. 14.1.7 本剤の溶解液は、生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液と混和して希釈した後に速やかに使用すること。やむをえず保存する場合、遮光下にて、室温保存下では希釈後6時間以内、2~8℃で保存(凍結させないこと)下では24時間以内に使用すること。投与前に希釈液を室温に戻すこと。また、未使用残液は廃棄すること。

14.2 薬剤投与時の注意

  1. 14.2.1 同じ静注ラインから他の薬剤を同時投与しないこと。
  2. 14.2.2 静脈内投与に際し、投与部位の炎症の徴候をモニタリングし、薬液が血管外に漏れないように慎重に投与すること。

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報

国内外の臨床試験において、本剤に対する抗体の産生が報告されている。

1. 警告

本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍の治療に対して十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、本剤による治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得てから投与を開始すること。

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者
  2. 2.2 重度の肝機能障害のある患者(ビリルビン基準値上限(ULN)3倍超、トランスアミナーゼULN10倍超)[9.3.1 参照]
  3. 2.3 L-アスパラギナーゼによる重篤な血栓症の既往歴のある患者[重篤な血栓症があらわれるおそれがある]
  4. 2.4 膵炎の既往歴(L-アスパラギナーゼによる膵炎を含む)のある患者[膵炎があらわれるおそれがある]
  5. 2.5 L-アスパラギナーゼによる重篤な出血性イベントの既往歴のある患者[重篤な出血性イベントがあらわれるおそれがある]

3. 組成・性状

3.1 組成

オンキャスパー点滴静注用3750

有効成分 ペグアスパルガーゼ1)    4050IU
添加剤 精製白糖   225mg
リン酸二水素ナトリウム一水和物   3.45mg
リン酸水素二ナトリウム七水和物   26.30mg
塩化ナトリウム   21.25mg
pH調節剤 2成分   適量
(1バイアル中)

・1IUはL-アスパラギンをpH7.3、37℃で分解し、1分間に1μmolのNH3を遊離するのに必要な酵素量
・本剤は大腸菌を用いて製造される。
          
1) IUは国際単位を意味する。本剤は、調製時の損失を考慮し、1バイアルから3750IUを注射するに足る量を確保するために過量充填されており、注射用水5.2mLを用いて溶解した後の溶液の濃度は750IU/mLとなる。
        

3.2 製剤の性状

オンキャスパー点滴静注用3750

色調 白色~ほとんど白色
pH 7.2~7.6
(注射用水5.2mLに溶解)
浸透圧比 約1(生理食塩液に対する比)
(注射用水5.2mLに溶解)
性状 凍結乾燥製剤

4. 効能又は効果

急性リンパ性白血病、悪性リンパ腫

5. 効能又は効果に関連する注意

  1. 5.1 診療ガイドライン等の最新の情報を参考に、本剤の投与が適切と判断される患者に使用すること。

6. 用法及び用量

他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、ペグアスパルガーゼとして、下記の用法・用量で2週間間隔で点滴静脈内投与する。

21歳以下の患者:
体表面積0.6m2以上の場合は1回2500国際単位/m2(体表面積)を、体表面積0.6m2未満の場合は1回82.5国際単位/kg(体重)を投与する。

22歳以上の患者:
1回2000国際単位/m2(体表面積)を投与する。

7. 用法及び用量に関連する注意

  1. 7.1 調製後の希釈液を1~2時間かけて投与すること。
  2. 7.2 本剤の投与スケジュール、併用薬等について、「17. 臨床成績」の項の内容を熟知し、診療ガイドライン等の最新の情報を参考にすること。[17.1.1 参照]
  3. 7.3 本剤投与中に副作用が発現した場合は、次の基準を参考に、本剤の休薬、中止又は投与速度変更の対応を行うこと。
    本剤の休薬、中止又は投与速度変更基準の目安

    副作用

    基準*

    処置

    注入部位反応/アレルギー反応又はアナフィラキシー

    Grade 1

    投与速度を半減する。

    Grade 2

    投与を中断して適切な処置を行う。症状消失後は、投与速度を半減して再開できる。

    Grade 3以上

    投与を中止して適切な処置を行う。

    出血

    Grade 3以上

    休薬する。出血管理が可能な場合は、投与を再開できる。

    膵炎/リパーゼ及びアミラーゼ増加

    ULN3倍超のリパーゼ又はアミラーゼ増加のみで、他に膵炎の症候を認めない

    休薬する。無症候性、かつ検査値が安定又は減少傾向である場合は、投与を再開できる。

    Grade 3以上の膵炎

    投与を中止する。

    血栓塞栓症

    合併症を伴わない深部静脈血栓症

    休薬する。症状消失後は、抗血栓療法を継続しながら投与を再開できる。

    Grade 3以上の血栓症

    投与を中止する。

    肝機能障害

    ULN3倍超~10倍以下の総ビリルビン増加

    休薬する。総ビリルビン濃度がULNの1.5倍以下に回復した場合は、投与を再開できる。

    ULN10倍超の総ビリルビン増加

    投与を中止する。

    * GradeはNCI-CTCAE ver5.0に準じる。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 アナフィラキシーを含む過敏症があらわれることがあるので、緊急時に十分な対応のできる準備を行った上で開始し、本剤投与中及び投与後は患者の状態を十分に観察すること。また、過敏症を軽減するため、本剤の投与30~60分前に、解熱鎮痛剤、抗ヒスタミン剤、副腎皮質ホルモン剤等の前投与を考慮すること。[9.1.1 参照],[11.1.1 参照]
  2. 8.2 膵炎があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は定期的に血清アミラーゼ値やリパーゼ値の測定を行うなど、観察を十分に行うこと。[11.1.2 参照]
  3. 8.3 出血傾向、血栓塞栓症等があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は定期的にフィブリノゲン、AT-III等の凝固パラメータのモニタリングを行うなど、観察を十分に行うこと。[11.1.3 参照],[11.1.4 参照]
  4. 8.4 肝機能障害があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は定期的に肝機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。[11.1.5 参照]
  5. 8.5 骨髄抑制があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は定期的に血液検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。[11.1.6 参照]
  6. 8.6 高血糖があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は定期的に血糖値の測定を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。[11.1.9 参照]
  7. 8.7 痙攣発作、失神等の中枢神経障害があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察すること。また、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には十分注意させること。[11.1.10 参照]

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 L-アスパラギナーゼに対し過敏症の既往歴のある患者

    本剤を投与するにあたっては、リスクとベネフィットを慎重に検討し、投与の要否を判断した上で、過敏症に対する前投与の実施も含め、適切な安全管理下において慎重に投与すること。[8.1 参照]

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1 重度の肝機能障害のある患者(ビリルビンULN3倍超、トランスアミナーゼULN10倍超)

    本剤を投与しないこと。肝機能障害が悪化するおそれがある。[2.2 参照]

9.4 生殖能を有する者

  1. 9.4.1 妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後少なくとも1カ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。[9.5 参照],[10.2 参照]
  2. 9.4.2 本剤は経口避妊薬の肝クリアランスを阻害しうる肝毒性を有するため、本剤と経口避妊薬を併用することは推奨されていない。妊娠する可能性のある女性には、経口避妊薬以外の方法を使用すること。[10.2 参照]

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤を用いた生殖発生毒性試験は実施されていない。L-アスパラギナーゼの動物実験(ラット・ウサギ)において催奇形性、胚吸収等が報告されている。[9.4.1 参照]

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト乳汁中への移行は不明である。

9.7 小児等

新生児及び乳児を対象とした臨床試験は実施していない。

10. 相互作用

  • 本剤はタンパク合成及び肝機能に影響すること、またチトクロームP450(CYP)の発現量を低下させることにより、他の薬剤の代謝及び排泄を阻害する可能性がある。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
  • 代謝拮抗剤
    • メトトレキサート
    • シタラビン 等

本剤を代謝拮抗剤と同時投与又は本剤投与後に代謝拮抗剤を投与する場合、本剤が代謝拮抗剤の抗腫瘍効果を減弱する可能性がある。

本剤が代謝拮抗剤の効果発現に必要な細胞複製を阻害する可能性がある。

  • 副腎皮質ホルモン剤
    • プレドニゾロン
    • デキサメタゾン 等

本剤を副腎皮質ホルモン剤と同時に投与する場合、凝固パラメータの変化(フィブリノゲン低下、ATIII欠乏など)が認められる又は副腎皮質ホルモン剤による骨壊死を増強する可能性がある。

本剤により副腎皮質ホルモン剤の排泄が減少し曝露が増加する可能性がある。

  • ビンクリスチン硫酸塩

神経系及び造血器系の副作用が増強する可能性がある。

本剤がビンクリスチンの肝クリアランスを低下させる可能性がある。

  • イマチニブメシル酸塩

本剤との併用により肝障害の発現率が増加したとの報告がある。

本剤がイマチニブのクリアランスを低下させる可能性がある。また、本剤による肝臓でのタンパク合成の減少により、イマチニブによる肝毒性を増加させる可能性がある。

  • CYPの基質となる抗悪性腫瘍剤

本剤との併用により、副作用が増強する可能性がある。

本剤による肝臓でのタンパク合成の減少によるクリアランスの低下により、CYPの基質となる抗悪性腫瘍剤の代謝及び消失を妨げる可能性がある。

  • 抗凝固剤
    • ワルファリンカリウム
    • ヘパリン製剤
    • アセチルサリチル酸 等

本剤との併用により、出血や血栓症の傾向が増強する可能性がある。

本剤により、凝固因子の増減が認められる可能性がある。

経口避妊薬の副作用が増強する可能性があるため、経口避妊薬との併用は避けること。

本剤は経口避妊薬の肝クリアランスを低下させる可能性がある。

  • 生ワクチン

生ワクチン接種後の患者の状態の観察を行うとともに、接種した生ワクチンの原病に基づく症状が発現した際には適切な処置を行うこと。

本剤の免疫抑制作用により、重篤な感染症を引き起こす可能性がある。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 過敏症

    アナフィラキシー反応(3.8%)等があらわれることがある。[8.1 参照]

  2. 11.1.2 膵炎

    急性膵炎(3.8%)、膵炎(3.8%)、再発性膵炎(頻度不明)、膵壊死(頻度不明)等があらわれることがある。[8.2 参照]

  3. 11.1.3 出血

    小腸出血(頻度不明)等があらわれることがある。[8.3 参照]

  4. 11.1.4 血栓塞栓症

    塞栓症(頻度不明)、脳虚血(頻度不明)、播種性血管内凝固(頻度不明)等があらわれることがある。[8.3 参照]

  5. 11.1.5 肝機能障害

    ALT増加(11.5%)、AST増加(11.5%)の上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがある。[8.4 参照]

  6. 11.1.6 骨髄抑制

    好中球減少(15.4%)、白血球減少(57.7%)、血小板減少(53.8%)、発熱性好中球減少症(42.3%)等があらわれることがある。[8.5 参照]

  7. 11.1.7 感染症

    レンサ球菌性菌血症(頻度不明)、皮膚感染(頻度不明)、敗血症(頻度不明)等があらわれることがある。

  8. 11.1.8 脂質異常症

    高トリグリセリド血症(30.8%)、血中コレステロール増加(3.8%)等があらわれることがある。

  9. 11.1.9 高血糖(11.5%)

                    [8.6 参照]               

  10. 11.1.10 中枢神経障害

    痙攣発作(頻度不明)、失神(頻度不明)等があらわれることがある。[8.7 参照]

11.2 その他の副作用

10%以上

5~10%未満

5%未満

頻度不明

代謝および栄養障害

低蛋白血症(38.5%)、食欲減退、低アルブミン血症

栄養障害

低血糖、低カリウム血症、脱水

高アンモニア血症

血液およびリンパ系障害

貧血(42.3%)、凝血異常

低グロブリン血症

臨床検査

アンチトロンビンIII減少(57.7%)、プラスミン・インヒビター減少(23.1%)、プラスミノーゲン減少(23.1%)、リンパ球数減少、活性化部分トロンボプラスチン時間延長

アミラーゼ増加、血中アルブミン減少、凝固検査異常、総蛋白減少

体重減少、血中乳酸脱水素酵素増加、血中尿素増加、フィブリンDダイマー増加、免疫グロブリン減少

皮膚および皮下組織障害

脱毛症(38.5%)

蕁麻疹

感染症および寄生虫症

菌血症、毛包炎、真菌感染、肺炎

神経系障害

自律神経失調症、頭痛

末梢神経障害

血管障害

潮紅

一般・全身障害および投与部位の状態

倦怠感

発熱

胃腸障害

嘔吐(38.5%)、悪心(30.8%)

口内炎、便秘、下痢

胃食道逆流性疾患、血便排泄

精神障害

気分の落ち込み、不眠症

免疫系障害

低γグロブリン血症

肝胆道系障害

脂肪性肝炎

14. 適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意

  1. 14.1.1 本剤を取り扱う際には手袋、ゴーグル及びマスクを着用し、接触を避けること。薬液が接触した場合は直ちに多量の流水で十分に洗い流すこと。
  2. 14.1.2 本剤は、無菌的に調製を行うこと。
  3. 14.1.3 バイアル内をよく観察し、本剤の表面や底面、バイアル壁面に異物がないか目視で確認すること。
  4. 14.1.4 本剤は注射針を装着した注射筒を用いて5.2mLの日局注射用水をバイアル内に注入し、穏やかに反転させてゆっくりと溶解すること(溶解液濃度は750IU/mLとなる)。バイアルは振とうせず、激しく撹拌しないこと。
  5. 14.1.5 溶解液は無色澄明な液である。溶解液に微粒子や変色がないか目視で確認すること。微粒子又は変色が認められた場合には使用しないこと。
  6. 14.1.6 必要な投与量を含有する溶解液をバイアルから抜き取り、生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液100mLで希釈して使用すること。
  7. 14.1.7 本剤の溶解液は、生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液と混和して希釈した後に速やかに使用すること。やむをえず保存する場合、遮光下にて、室温保存下では希釈後6時間以内、2~8℃で保存(凍結させないこと)下では24時間以内に使用すること。投与前に希釈液を室温に戻すこと。また、未使用残液は廃棄すること。

14.2 薬剤投与時の注意

  1. 14.2.1 同じ静注ラインから他の薬剤を同時投与しないこと。
  2. 14.2.2 静脈内投与に際し、投与部位の炎症の徴候をモニタリングし、薬液が血管外に漏れないように慎重に投与すること。

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報

国内外の臨床試験において、本剤に対する抗体の産生が報告されている。

その他詳細情報

日本標準商品分類番号
87429
ブランドコード
4291468D1020
承認番号
30500AMX00129000
販売開始年月
2023-10
貯法
2~8℃保存
有効期間
36箇月
規制区分
2, 12

重要な注意事項

  • この情報は医療専門家による診断や治療の代替にはなりません。副作用に関する懸念がある場合は、必ず医師または薬剤師に相談してください。
  • 副作用の発生頻度や重篤度は個人差があります。ここで提供される情報は一般的なものであり、すべての患者さんに当てはまるわけではありません。
  • 薬剤の使用に関しては、必ず医療専門家の指示に従い、自己判断での変更や中止を避けてください。
  • この情報は最新のものであるよう努めていますが、最新とは限りません。常に医療専門家に確認してください。
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