薬効分類名抗悪性腫瘍剤-抗HER2抗体トポイソメラーゼⅠ阻害剤複合体
HER2:Human Epidermal Growth Factor Receptor Type 2(ヒト上皮増殖因子受容体2型、別称:c-erbB-2)
一般的名称トラスツズマブ デルクステカン(遺伝子組換え)注
エンハーツ点滴静注用100mg
えんはーつてんてきじょうちゅうよう100mg
ENHERTU FOR INTRAVENOUS DRIP INFUSION
製造販売元/第一三共株式会社
重大な副作用
その他の副作用
1. 警告
- 1.1 本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に本剤の有効性及び危険性(特に、間質性肺疾患の初期症状、投与中の注意事項、死亡に至った症例があること等に関する情報)を十分説明し、同意を得てから投与すること。
- 1.2 本剤の投与により間質性肺疾患があらわれ、死亡に至った症例が報告されているので、呼吸器疾患に精通した医師と連携して使用すること。投与中は、初期症状(呼吸困難、咳嗽、発熱等)の確認、定期的な動脈血酸素飽和度(SpO2)検査、胸部X線検査及び胸部CT検査の実施等、観察を十分に行うこと。異常が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。[7.2 参照],[8.1 参照],[9.1.1 参照],[11.1.1 参照]
- 1.3 本剤投与開始前に、胸部CT検査及び問診を実施し、間質性肺疾患の合併又は既往歴がないことを確認した上で、投与の可否を慎重に判断すること。[9.1.1 参照]
2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
5. 効能又は効果に関連する注意
- 〈化学療法歴のあるHER2陽性の手術不能又は再発乳癌〉
-
〈ホルモン受容体陽性かつHER2低発現又は超低発現の手術不能又は再発乳癌〉
- 5.3 *臨床試験に組み入れられた患者における前治療歴等について、「17. 臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。[17.1.4 参照]
- 5.4 *本剤の術前・術後薬物療法における有効性及び安全性は確立していない。
-
5.5 *HER2低発現及び超低発現の定義について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、十分な経験を有する病理医又は検査施設における検査により、HER2低発現又は超低発現が確認された患者に投与すること。検査にあたっては、承認された体外診断用医薬品又は医療機器を用いること。なお、承認された体外診断用医薬品又は医療機器に関する情報については、以下のウェブサイトから入手可能である:
https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/review-information/cd/0001.html
[17.1.4 参照]
-
〈化学療法歴のあるHER2低発現の手術不能又は再発乳癌〉
- 5.6 臨床試験に組み入れられた患者における前治療歴等について、「17. 臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。[17.1.5 参照]
- 5.7 本剤の術前・術後薬物療法における有効性及び安全性は確立していない。
-
5.8 HER2低発現の定義について、「17. 臨床成績」の項の内容を熟知し、十分な経験を有する病理医又は検査施設における検査により、HER2低発現が確認された患者に投与すること。検査にあたっては、承認された体外診断用医薬品又は医療機器を用いること。なお、承認された体外診断用医薬品又は医療機器に関する情報については、以下のウェブサイトから入手可能である:
https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/review-information/cd/0001.html
[17.1.5 参照]
-
〈がん化学療法後に増悪したHER2(ERBB2)遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌〉
- 5.9 「17. 臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、本剤以外の治療の実施についても慎重に検討し、適応患者の選択を行うこと。[17.1.6 参照]
- 5.10 本剤の一次治療における有効性及び安全性は確立していない。
- 5.11 本剤の術前・術後補助療法における有効性及び安全性は確立していない。
-
5.12 十分な経験を有する病理医又は検査施設における検査により、HER2(ERBB2)遺伝子変異が確認された患者に投与すること。検査にあたっては、承認された体外診断用医薬品又は医療機器を用いること。なお、承認された体外診断用医薬品又は医療機器に関する情報については、以下のウェブサイトから入手可能である:
https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/review-information/cd/0001.html
- 〈がん化学療法後に増悪したHER2陽性の治癒切除不能な進行・再発の胃癌〉
-
〈HER2陽性の進行・再発の固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)〉
- 5.16 **臨床試験に組み入れられた患者のがん種等について、「17. 臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、本剤以外の治療の実施についても慎重に検討し、適応患者の選択を行うこと。[17.1.9 参照],[17.1.10 参照],[17.1.11 参照],[17.1.12 参照]
- 5.17 **本剤の手術の補助療法における有効性及び安全性は確立していない。
-
5.18 **HER2陽性の定義について、「17. 臨床成績」の項の内容を熟知し、十分な経験を有する病理医又は検査施設における検査により、HER2陽性が確認された患者に投与すること。検査にあたっては、承認された体外診断用医薬品又は医療機器を用いること。なお、承認された体外診断用医薬品又は医療機器に関する情報については、以下のウェブサイトから入手可能である:
https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/review-information/cd/0001.html
[17.1.9 参照],[17.1.10 参照],[17.1.11 参照],[17.1.12 参照]
6. 用法及び用量
-
〈化学療法歴のあるHER2陽性の手術不能又は再発乳癌、ホルモン受容体陽性かつHER2低発現又は超低発現の手術不能又は再発乳癌、化学療法歴のあるHER2低発現の手術不能又は再発乳癌、がん化学療法後に増悪したHER2(ERBB2)遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌〉
通常、成人にはトラスツズマブ デルクステカン(遺伝子組換え)として1回5.4mg/kg(体重)を90分かけて3週間間隔で点滴静注する。なお、初回投与の忍容性が良好であれば2回目以降の投与時間は30分間まで短縮できる。
-
〈がん化学療法後に増悪したHER2陽性の治癒切除不能な進行・再発の胃癌〉
通常、成人にはトラスツズマブ デルクステカン(遺伝子組換え)として1回6.4mg/kg(体重)を90分かけて3週間間隔で点滴静注する。なお、初回投与の忍容性が良好であれば2回目以降の投与時間は30分間まで短縮できる。
-
**〈HER2陽性の進行・再発の固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)〉
胃癌の場合:
通常、成人にはトラスツズマブ デルクステカン(遺伝子組換え)として1回6.4mg/kg(体重)を90分かけて3週間間隔で点滴静注する。なお、初回投与の忍容性が良好であれば2回目以降の投与時間は30分間まで短縮できる。胃癌以外の場合:
通常、成人にはトラスツズマブ デルクステカン(遺伝子組換え)として1回5.4mg/kg(体重)を90分かけて3週間間隔で点滴静注する。なお、初回投与の忍容性が良好であれば2回目以降の投与時間は30分間まで短縮できる。
7. 用法及び用量に関連する注意
- 7.1 他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。
-
7.2 本剤投与により副作用が発現した場合には、次の基準を考慮して、休薬・減量・中止すること。[1.2 参照],[8.1 参照],[8.2 参照],[8.3 参照],[9.1.1 参照],[9.1.2 参照],[9.1.3 参照],[11.1.1 参照],[11.1.2 参照],[11.1.3 参照]
減量・中止する場合の投与量 効能又は効果
胃癌以外
以下の胃癌患者
〇がん化学療法後に増悪したHER2陽性の治癒切除不能な進行・再発の胃癌
〇HER2陽性の進行・再発の固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)通常投与量
5.4mg/kg
6.4mg/kg
一次減量
4.4mg/kg
5.4mg/kg
二次減量
3.2mg/kg
4.4mg/kg
中止
3.2mg/kgで忍容性が得られない場合、投与を中止する。
4.4mg/kgで忍容性が得られない場合、投与を中止する。
副作用に対する休薬、減量及び中止基準 副作用
程度 注5)
処置
間質性肺疾患
Grade 1の場合
投与を中止し、原則として再開しない。ただし、すべての所見が消失し、かつ治療上の有益性が危険性を大きく上回ると判断された場合のみ、1用量レベル減量して投与再開することもできる。再発した場合は、投与を中止する。
Grade 2~4の場合
投与を中止する。
左室駆出率(LVEF)低下
40%≦LVEF≦45%
ベースラインからの絶対値の低下<10%
休薬を考慮する。3週間以内に再測定を行い、LVEFを確認する。
ベースラインからの絶対値の低下≧10%かつ≦20%
休薬し、3週間以内に再測定を行い、LVEFのベースラインからの絶対値の低下<10%に回復しない場合は、投与を中止する。
LVEF<40%又はベースラインからの絶対値の低下>20%
休薬し、3週間以内に再測定を行い、再度LVEF<40%又はベースラインからの絶対値の低下>20%が認められた場合は、投与を中止する。
症候性うっ血性心不全
投与を中止する。
QT間隔延長
Grade 3の場合
Grade 1以下に回復するまで休薬し、回復後、1用量レベル減量して投与再開する。
Grade 4の場合
投与を中止する。
Infusion reaction
Grade 1の場合
投与速度を50%減速する。
他の症状が出現しない場合は、次回以降は元の速度で投与する。Grade 2の場合
Grade 1以下に回復するまで投与を中断する。再開する場合は投与速度を50%減速する。次回以降も減速した速度で投与する。
Grade 3又は4の場合
投与を中止する。
好中球数減少
Grade 3の場合
Grade 2以下に回復するまで休薬し、回復後、1用量レベル減量又は同一用量で投与再開する。
Grade 4の場合
Grade 2以下に回復するまで休薬し、回復後、1用量レベル減量して投与再開する。
発熱性好中球減少症
回復するまで休薬し、回復後、1用量レベル減量して投与再開する。
貧血
Grade 3の場合
Grade 2以下に回復するまで休薬し、回復後、同一用量で投与再開する。
Grade 4の場合
Grade 2以下に回復するまで休薬し、回復後、1用量レベル減量して投与再開する。
血小板数減少
Grade 3の場合
Grade 1以下に回復するまで休薬する。
7日以内に回復した場合は、同一用量で投与再開する。
7日を過ぎてから回復した場合は、1用量レベル減量して投与再開する。Grade 4の場合
Grade 1以下に回復するまで休薬し、回復後、1用量レベル減量して投与再開する。
総ビリルビン増加
Grade 2の場合
Grade 1以下に回復するまで休薬する。
7日以内に回復した場合は、同一用量で投与再開する。
7日を過ぎてから回復した場合は、1用量レベル減量して投与再開する。Grade 3の場合
Grade 1以下に回復するまで休薬する。
7日以内に回復した場合は、1用量レベル減量して投与再開する。
7日を過ぎてから回復した場合は、投与を中止する。Grade 4の場合
投与を中止する。
下痢又は大腸炎
Grade 3の場合
Grade 1以下に回復するまで休薬する。
3日以内に回復した場合は、同一用量で投与再開する。
3日を過ぎてから回復した場合は、1用量レベル減量して投与再開する。Grade 4の場合
投与を中止する。
上記以外の副作用
Grade 3の場合
Grade 1以下に回復するまで休薬する。
7日以内に回復した場合は、同一用量で投与再開する。
7日を過ぎてから回復した場合は、1用量レベル減量して投与再開する。Grade 4の場合
投与を中止する。
注5) GradeはNCI-CTCAE ver.5.0に準じる。
8. 重要な基本的注意
- 8.1 間質性肺疾患があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は、臨床症状(呼吸状態、咳及び発熱等の有無)を十分に観察し、定期的に動脈血酸素飽和度(SpO2)検査、胸部X線検査及び胸部CT検査を行うこと。また、必要に応じて、血清マーカー(KL-6等)、動脈血酸素分圧(PaO2)、肺胞気動脈血酸素分圧較差(A-aDO2)、肺拡散能力(DLco)等の検査を行うこと。なお、胸部CT検査等の読影については、呼吸器疾患の診断に精通した医師の助言を得ること。また、患者に対して、初期症状があらわれた場合には、速やかに医療機関を受診するよう指導すること。[1.2 参照],[7.2 参照],[9.1.1 参照],[11.1.1 参照]
- 8.2 左室駆出率(LVEF)が低下することがあるので、本剤投与開始前に患者の心機能を確認すること。また、本剤投与中は心症状の発現状況・重篤度等に応じて適宜心機能検査(心エコー等)を行い、患者の状態(LVEFの変動を含む)を十分に観察し、休薬、投与再開又は中止を判断すること。[7.2 参照],[9.1.2 参照],[9.1.3 参照]
- 8.3 骨髄抑制があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は定期的に血液検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。[7.2 参照],[11.1.2 参照]
- 8.4 本剤の使用にあたっては、本剤と一般名が類似しているトラスツズマブ及びトラスツズマブ エムタンシンとの取り違えに注意すること。
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
-
9.1.1 間質性肺疾患のある患者又はその既往歴のある患者
間質性肺疾患が発現又は増悪し、死亡に至る可能性がある。[1.2 参照],[1.3 参照],[7.2 参照],[8.1 参照],[11.1.1 参照]
- 9.1.2 左室駆出率(LVEF)が低下している患者
- 9.1.3 次のような心機能の低下するおそれのある患者
9.3 肝機能障害患者
9.4 生殖能を有する者
- 9.4.1 妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後7ヵ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。[9.5 参照],[15.2.2 参照]
- 9.4.2 男性には、本剤投与中及び最終投与後4ヵ月間においてバリア法(コンドーム)を用いて避妊する必要性について説明すること。[15.2.2 参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。抗HER2抗体であるトラスツズマブを投与した妊婦に羊水過少が起きたとの報告がある。また、羊水過少を発現した症例で、胎児・新生児の腎不全、胎児発育遅延、新生児呼吸窮迫症候群、胎児の肺形成不全等が認められ、死亡に至った例も報告されている。本剤を構成するカンプトテシン誘導体の類薬であるイリノテカンを用いた動物実験(ラット、ウサギ)において、催奇形性が報告されている。[9.4.1 参照]
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。ヒトでの乳汁移行に関するデータはないが、抗HER2抗体であるトラスツズマブを用いた動物実験(カニクイザル)において、乳汁への移行が報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
11. 副作用
11.1 重大な副作用
-
11.1.1 **,*間質性肺疾患(11.6%)
重篤な間質性肺疾患があらわれることがあり、死亡に至った例も報告されている。異常が認められた場合は、本剤の投与を中止し、呼吸器疾患に精通した医師と連携の上、必要に応じて胸部CT検査、血清マーカー等の検査を実施するとともに、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。[1.2 参照],[7.2 参照],[8.1 参照],[9.1.1 参照]
-
11.1.2 **,*骨髄抑制(56.7%)
好中球数減少(38.5%)、貧血(29.6%)、白血球数減少(24.1%)、血小板数減少(22.2%)、リンパ球数減少(10.0%)、発熱性好中球減少症(1.2%)、汎血球減少症(0.2%)があらわれることがある。[7.2 参照],[8.3 参照]
-
11.1.3 **,*Infusion reaction(1.2%)
重度のInfusion reactionがあらわれた場合には本剤の投与を直ちに中止し、適切な処置を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること。[7.2 参照]
11.2 その他の副作用
30%以上 |
10~30%未満 |
10%未満 |
|
|---|---|---|---|
**,*皮膚 |
脱毛症(34.8%) |
発疹、そう痒症、皮膚色素過剰 |
|
精神神経系 |
頭痛、浮動性めまい、嗜眠 |
||
**,*消化器 |
悪心(65.2%)、嘔吐(30.5%) |
下痢、便秘、口内炎 |
腹痛、味覚障害、消化不良、腹部膨満、鼓腸、胃炎 |
肝臓 |
AST増加、ALT増加 |
血中ビリルビン増加、血中ALP増加、γ-GTP増加、肝機能異常、トランスアミナーゼ上昇、肝機能検査異常 |
|
呼吸器 |
呼吸困難、咳嗽、上気道感染、肺炎 |
||
循環器 |
駆出率減少、心電図QT延長、心不全 |
||
**,*その他 |
疲労(47.9%) |
食欲減退 |
体重減少、低カリウム血症、筋骨格痛、鼻出血、発熱、ドライアイ、末梢性浮腫、霧視、脱水、血中クレアチニン増加 |
14. 適用上の注意
14.1 薬剤調製時の注意
- 14.1.1 日本薬局方注射用水5mLを抜き取り、本剤を溶解してトラスツズマブ デルクステカン(遺伝子組換え)20mg/mLの濃度とした後、必要量を注射筒で抜き取り、直ちに日本薬局方5%ブドウ糖注射液100mLに希釈すること。
- 14.1.2 *溶解時は静かにバイアルを回転させ、完全に溶解すること。溶解後やむを得ず保存する場合は、2~8℃で24時間以内とすること。
- 14.1.3 *希釈後は速やかに使用すること。なお、希釈後やむを得ず保存する場合は、光の影響を受けやすいため遮光し、2~8℃で24時間以内とすること。
- 14.1.4 *室温での溶解、希釈及び投与は合わせて4時間以内に行うこと。残液は適切に廃棄すること。
15. その他の注意
15.1 臨床使用に基づく情報
臨床試験において、本剤に対する抗体の産生が報告されている。
15.2 非臨床試験に基づく情報
- 15.2.1 本剤の動物試験(ラット及びカニクイザル)でそれぞれ臨床曝露量の約3倍及び6倍の曝露に相当する用量で精巣毒性(ラットで精子細胞滞留、カニクイザルで円形精子細胞減少)が認められた1) 。なお、ラットでは臨床曝露量の約16倍の曝露に相当する用量で回復性を伴わない精細管変性・萎縮も認められている1) 。
- 15.2.2 カンプトテシン誘導体の哺乳類培養細胞を用いた染色体異常試験で染色体の構造異常、ラットの骨髄を用いた小核試験で小核誘発性が認められた2) 。[9.4.1 参照],[9.4.2 参照]
1. 警告
- 1.1 本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に本剤の有効性及び危険性(特に、間質性肺疾患の初期症状、投与中の注意事項、死亡に至った症例があること等に関する情報)を十分説明し、同意を得てから投与すること。
- 1.2 本剤の投与により間質性肺疾患があらわれ、死亡に至った症例が報告されているので、呼吸器疾患に精通した医師と連携して使用すること。投与中は、初期症状(呼吸困難、咳嗽、発熱等)の確認、定期的な動脈血酸素飽和度(SpO2)検査、胸部X線検査及び胸部CT検査の実施等、観察を十分に行うこと。異常が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。[7.2 参照],[8.1 参照],[9.1.1 参照],[11.1.1 参照]
- 1.3 本剤投与開始前に、胸部CT検査及び問診を実施し、間質性肺疾患の合併又は既往歴がないことを確認した上で、投与の可否を慎重に判断すること。[9.1.1 参照]
2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
5. 効能又は効果に関連する注意
- 〈化学療法歴のあるHER2陽性の手術不能又は再発乳癌〉
-
〈ホルモン受容体陽性かつHER2低発現又は超低発現の手術不能又は再発乳癌〉
- 5.3 *臨床試験に組み入れられた患者における前治療歴等について、「17. 臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。[17.1.4 参照]
- 5.4 *本剤の術前・術後薬物療法における有効性及び安全性は確立していない。
-
5.5 *HER2低発現及び超低発現の定義について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、十分な経験を有する病理医又は検査施設における検査により、HER2低発現又は超低発現が確認された患者に投与すること。検査にあたっては、承認された体外診断用医薬品又は医療機器を用いること。なお、承認された体外診断用医薬品又は医療機器に関する情報については、以下のウェブサイトから入手可能である:
https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/review-information/cd/0001.html
[17.1.4 参照]
-
〈化学療法歴のあるHER2低発現の手術不能又は再発乳癌〉
- 5.6 臨床試験に組み入れられた患者における前治療歴等について、「17. 臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。[17.1.5 参照]
- 5.7 本剤の術前・術後薬物療法における有効性及び安全性は確立していない。
-
5.8 HER2低発現の定義について、「17. 臨床成績」の項の内容を熟知し、十分な経験を有する病理医又は検査施設における検査により、HER2低発現が確認された患者に投与すること。検査にあたっては、承認された体外診断用医薬品又は医療機器を用いること。なお、承認された体外診断用医薬品又は医療機器に関する情報については、以下のウェブサイトから入手可能である:
https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/review-information/cd/0001.html
[17.1.5 参照]
-
〈がん化学療法後に増悪したHER2(ERBB2)遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌〉
- 5.9 「17. 臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、本剤以外の治療の実施についても慎重に検討し、適応患者の選択を行うこと。[17.1.6 参照]
- 5.10 本剤の一次治療における有効性及び安全性は確立していない。
- 5.11 本剤の術前・術後補助療法における有効性及び安全性は確立していない。
-
5.12 十分な経験を有する病理医又は検査施設における検査により、HER2(ERBB2)遺伝子変異が確認された患者に投与すること。検査にあたっては、承認された体外診断用医薬品又は医療機器を用いること。なお、承認された体外診断用医薬品又は医療機器に関する情報については、以下のウェブサイトから入手可能である:
https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/review-information/cd/0001.html
- 〈がん化学療法後に増悪したHER2陽性の治癒切除不能な進行・再発の胃癌〉
-
〈HER2陽性の進行・再発の固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)〉
- 5.16 **臨床試験に組み入れられた患者のがん種等について、「17. 臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、本剤以外の治療の実施についても慎重に検討し、適応患者の選択を行うこと。[17.1.9 参照],[17.1.10 参照],[17.1.11 参照],[17.1.12 参照]
- 5.17 **本剤の手術の補助療法における有効性及び安全性は確立していない。
-
5.18 **HER2陽性の定義について、「17. 臨床成績」の項の内容を熟知し、十分な経験を有する病理医又は検査施設における検査により、HER2陽性が確認された患者に投与すること。検査にあたっては、承認された体外診断用医薬品又は医療機器を用いること。なお、承認された体外診断用医薬品又は医療機器に関する情報については、以下のウェブサイトから入手可能である:
https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/review-information/cd/0001.html
[17.1.9 参照],[17.1.10 参照],[17.1.11 参照],[17.1.12 参照]
6. 用法及び用量
-
〈化学療法歴のあるHER2陽性の手術不能又は再発乳癌、ホルモン受容体陽性かつHER2低発現又は超低発現の手術不能又は再発乳癌、化学療法歴のあるHER2低発現の手術不能又は再発乳癌、がん化学療法後に増悪したHER2(ERBB2)遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌〉
通常、成人にはトラスツズマブ デルクステカン(遺伝子組換え)として1回5.4mg/kg(体重)を90分かけて3週間間隔で点滴静注する。なお、初回投与の忍容性が良好であれば2回目以降の投与時間は30分間まで短縮できる。
-
〈がん化学療法後に増悪したHER2陽性の治癒切除不能な進行・再発の胃癌〉
通常、成人にはトラスツズマブ デルクステカン(遺伝子組換え)として1回6.4mg/kg(体重)を90分かけて3週間間隔で点滴静注する。なお、初回投与の忍容性が良好であれば2回目以降の投与時間は30分間まで短縮できる。
-
**〈HER2陽性の進行・再発の固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)〉
胃癌の場合:
通常、成人にはトラスツズマブ デルクステカン(遺伝子組換え)として1回6.4mg/kg(体重)を90分かけて3週間間隔で点滴静注する。なお、初回投与の忍容性が良好であれば2回目以降の投与時間は30分間まで短縮できる。胃癌以外の場合:
通常、成人にはトラスツズマブ デルクステカン(遺伝子組換え)として1回5.4mg/kg(体重)を90分かけて3週間間隔で点滴静注する。なお、初回投与の忍容性が良好であれば2回目以降の投与時間は30分間まで短縮できる。
7. 用法及び用量に関連する注意
- 7.1 他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。
-
7.2 本剤投与により副作用が発現した場合には、次の基準を考慮して、休薬・減量・中止すること。[1.2 参照],[8.1 参照],[8.2 参照],[8.3 参照],[9.1.1 参照],[9.1.2 参照],[9.1.3 参照],[11.1.1 参照],[11.1.2 参照],[11.1.3 参照]
減量・中止する場合の投与量 効能又は効果
胃癌以外
以下の胃癌患者
〇がん化学療法後に増悪したHER2陽性の治癒切除不能な進行・再発の胃癌
〇HER2陽性の進行・再発の固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)通常投与量
5.4mg/kg
6.4mg/kg
一次減量
4.4mg/kg
5.4mg/kg
二次減量
3.2mg/kg
4.4mg/kg
中止
3.2mg/kgで忍容性が得られない場合、投与を中止する。
4.4mg/kgで忍容性が得られない場合、投与を中止する。
副作用に対する休薬、減量及び中止基準 副作用
程度 注5)
処置
間質性肺疾患
Grade 1の場合
投与を中止し、原則として再開しない。ただし、すべての所見が消失し、かつ治療上の有益性が危険性を大きく上回ると判断された場合のみ、1用量レベル減量して投与再開することもできる。再発した場合は、投与を中止する。
Grade 2~4の場合
投与を中止する。
左室駆出率(LVEF)低下
40%≦LVEF≦45%
ベースラインからの絶対値の低下<10%
休薬を考慮する。3週間以内に再測定を行い、LVEFを確認する。
ベースラインからの絶対値の低下≧10%かつ≦20%
休薬し、3週間以内に再測定を行い、LVEFのベースラインからの絶対値の低下<10%に回復しない場合は、投与を中止する。
LVEF<40%又はベースラインからの絶対値の低下>20%
休薬し、3週間以内に再測定を行い、再度LVEF<40%又はベースラインからの絶対値の低下>20%が認められた場合は、投与を中止する。
症候性うっ血性心不全
投与を中止する。
QT間隔延長
Grade 3の場合
Grade 1以下に回復するまで休薬し、回復後、1用量レベル減量して投与再開する。
Grade 4の場合
投与を中止する。
Infusion reaction
Grade 1の場合
投与速度を50%減速する。
他の症状が出現しない場合は、次回以降は元の速度で投与する。Grade 2の場合
Grade 1以下に回復するまで投与を中断する。再開する場合は投与速度を50%減速する。次回以降も減速した速度で投与する。
Grade 3又は4の場合
投与を中止する。
好中球数減少
Grade 3の場合
Grade 2以下に回復するまで休薬し、回復後、1用量レベル減量又は同一用量で投与再開する。
Grade 4の場合
Grade 2以下に回復するまで休薬し、回復後、1用量レベル減量して投与再開する。
発熱性好中球減少症
回復するまで休薬し、回復後、1用量レベル減量して投与再開する。
貧血
Grade 3の場合
Grade 2以下に回復するまで休薬し、回復後、同一用量で投与再開する。
Grade 4の場合
Grade 2以下に回復するまで休薬し、回復後、1用量レベル減量して投与再開する。
血小板数減少
Grade 3の場合
Grade 1以下に回復するまで休薬する。
7日以内に回復した場合は、同一用量で投与再開する。
7日を過ぎてから回復した場合は、1用量レベル減量して投与再開する。Grade 4の場合
Grade 1以下に回復するまで休薬し、回復後、1用量レベル減量して投与再開する。
総ビリルビン増加
Grade 2の場合
Grade 1以下に回復するまで休薬する。
7日以内に回復した場合は、同一用量で投与再開する。
7日を過ぎてから回復した場合は、1用量レベル減量して投与再開する。Grade 3の場合
Grade 1以下に回復するまで休薬する。
7日以内に回復した場合は、1用量レベル減量して投与再開する。
7日を過ぎてから回復した場合は、投与を中止する。Grade 4の場合
投与を中止する。
下痢又は大腸炎
Grade 3の場合
Grade 1以下に回復するまで休薬する。
3日以内に回復した場合は、同一用量で投与再開する。
3日を過ぎてから回復した場合は、1用量レベル減量して投与再開する。Grade 4の場合
投与を中止する。
上記以外の副作用
Grade 3の場合
Grade 1以下に回復するまで休薬する。
7日以内に回復した場合は、同一用量で投与再開する。
7日を過ぎてから回復した場合は、1用量レベル減量して投与再開する。Grade 4の場合
投与を中止する。
注5) GradeはNCI-CTCAE ver.5.0に準じる。
8. 重要な基本的注意
- 8.1 間質性肺疾患があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は、臨床症状(呼吸状態、咳及び発熱等の有無)を十分に観察し、定期的に動脈血酸素飽和度(SpO2)検査、胸部X線検査及び胸部CT検査を行うこと。また、必要に応じて、血清マーカー(KL-6等)、動脈血酸素分圧(PaO2)、肺胞気動脈血酸素分圧較差(A-aDO2)、肺拡散能力(DLco)等の検査を行うこと。なお、胸部CT検査等の読影については、呼吸器疾患の診断に精通した医師の助言を得ること。また、患者に対して、初期症状があらわれた場合には、速やかに医療機関を受診するよう指導すること。[1.2 参照],[7.2 参照],[9.1.1 参照],[11.1.1 参照]
- 8.2 左室駆出率(LVEF)が低下することがあるので、本剤投与開始前に患者の心機能を確認すること。また、本剤投与中は心症状の発現状況・重篤度等に応じて適宜心機能検査(心エコー等)を行い、患者の状態(LVEFの変動を含む)を十分に観察し、休薬、投与再開又は中止を判断すること。[7.2 参照],[9.1.2 参照],[9.1.3 参照]
- 8.3 骨髄抑制があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は定期的に血液検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。[7.2 参照],[11.1.2 参照]
- 8.4 本剤の使用にあたっては、本剤と一般名が類似しているトラスツズマブ及びトラスツズマブ エムタンシンとの取り違えに注意すること。
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
-
9.1.1 間質性肺疾患のある患者又はその既往歴のある患者
間質性肺疾患が発現又は増悪し、死亡に至る可能性がある。[1.2 参照],[1.3 参照],[7.2 参照],[8.1 参照],[11.1.1 参照]
- 9.1.2 左室駆出率(LVEF)が低下している患者
- 9.1.3 次のような心機能の低下するおそれのある患者
9.3 肝機能障害患者
9.4 生殖能を有する者
- 9.4.1 妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後7ヵ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。[9.5 参照],[15.2.2 参照]
- 9.4.2 男性には、本剤投与中及び最終投与後4ヵ月間においてバリア法(コンドーム)を用いて避妊する必要性について説明すること。[15.2.2 参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。抗HER2抗体であるトラスツズマブを投与した妊婦に羊水過少が起きたとの報告がある。また、羊水過少を発現した症例で、胎児・新生児の腎不全、胎児発育遅延、新生児呼吸窮迫症候群、胎児の肺形成不全等が認められ、死亡に至った例も報告されている。本剤を構成するカンプトテシン誘導体の類薬であるイリノテカンを用いた動物実験(ラット、ウサギ)において、催奇形性が報告されている。[9.4.1 参照]
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。ヒトでの乳汁移行に関するデータはないが、抗HER2抗体であるトラスツズマブを用いた動物実験(カニクイザル)において、乳汁への移行が報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
11. 副作用
11.1 重大な副作用
-
11.1.1 **,*間質性肺疾患(11.6%)
重篤な間質性肺疾患があらわれることがあり、死亡に至った例も報告されている。異常が認められた場合は、本剤の投与を中止し、呼吸器疾患に精通した医師と連携の上、必要に応じて胸部CT検査、血清マーカー等の検査を実施するとともに、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。[1.2 参照],[7.2 参照],[8.1 参照],[9.1.1 参照]
-
11.1.2 **,*骨髄抑制(56.7%)
好中球数減少(38.5%)、貧血(29.6%)、白血球数減少(24.1%)、血小板数減少(22.2%)、リンパ球数減少(10.0%)、発熱性好中球減少症(1.2%)、汎血球減少症(0.2%)があらわれることがある。[7.2 参照],[8.3 参照]
-
11.1.3 **,*Infusion reaction(1.2%)
重度のInfusion reactionがあらわれた場合には本剤の投与を直ちに中止し、適切な処置を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること。[7.2 参照]
11.2 その他の副作用
30%以上 |
10~30%未満 |
10%未満 |
|
|---|---|---|---|
**,*皮膚 |
脱毛症(34.8%) |
発疹、そう痒症、皮膚色素過剰 |
|
精神神経系 |
頭痛、浮動性めまい、嗜眠 |
||
**,*消化器 |
悪心(65.2%)、嘔吐(30.5%) |
下痢、便秘、口内炎 |
腹痛、味覚障害、消化不良、腹部膨満、鼓腸、胃炎 |
肝臓 |
AST増加、ALT増加 |
血中ビリルビン増加、血中ALP増加、γ-GTP増加、肝機能異常、トランスアミナーゼ上昇、肝機能検査異常 |
|
呼吸器 |
呼吸困難、咳嗽、上気道感染、肺炎 |
||
循環器 |
駆出率減少、心電図QT延長、心不全 |
||
**,*その他 |
疲労(47.9%) |
食欲減退 |
体重減少、低カリウム血症、筋骨格痛、鼻出血、発熱、ドライアイ、末梢性浮腫、霧視、脱水、血中クレアチニン増加 |
14. 適用上の注意
14.1 薬剤調製時の注意
- 14.1.1 日本薬局方注射用水5mLを抜き取り、本剤を溶解してトラスツズマブ デルクステカン(遺伝子組換え)20mg/mLの濃度とした後、必要量を注射筒で抜き取り、直ちに日本薬局方5%ブドウ糖注射液100mLに希釈すること。
- 14.1.2 *溶解時は静かにバイアルを回転させ、完全に溶解すること。溶解後やむを得ず保存する場合は、2~8℃で24時間以内とすること。
- 14.1.3 *希釈後は速やかに使用すること。なお、希釈後やむを得ず保存する場合は、光の影響を受けやすいため遮光し、2~8℃で24時間以内とすること。
- 14.1.4 *室温での溶解、希釈及び投与は合わせて4時間以内に行うこと。残液は適切に廃棄すること。
15. その他の注意
15.1 臨床使用に基づく情報
臨床試験において、本剤に対する抗体の産生が報告されている。
15.2 非臨床試験に基づく情報
- 15.2.1 本剤の動物試験(ラット及びカニクイザル)でそれぞれ臨床曝露量の約3倍及び6倍の曝露に相当する用量で精巣毒性(ラットで精子細胞滞留、カニクイザルで円形精子細胞減少)が認められた1) 。なお、ラットでは臨床曝露量の約16倍の曝露に相当する用量で回復性を伴わない精細管変性・萎縮も認められている1) 。
- 15.2.2 カンプトテシン誘導体の哺乳類培養細胞を用いた染色体異常試験で染色体の構造異常、ラットの骨髄を用いた小核試験で小核誘発性が認められた2) 。[9.4.1 参照],[9.4.2 参照]