薬効分類名抗悪性腫瘍剤
ヒト型抗ヒトCTLA-4モノクローナル抗体

一般的名称イピリムマブ(遺伝子組換え)

ヤーボイ点滴静注液20mg、ヤーボイ点滴静注液50mg

やーぼいてんてきじょうちゅうえき20mg、やーぼいてんてきじょうちゅうえき50mg

YERVOY Injection, YERVOY Injection

製造販売元/ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社、プロモーション提携/小野薬品工業株式会社

第17版
警告禁忌合併症・既往歴等のある患者肝機能障害患者生殖能を有する者妊婦授乳婦小児等高齢者

重大な副作用

頻度
副作用
1.3%*,0.1%未満
大腸炎(6.6%,4.0%),消化管穿孔
4.0%,3.2%
重度の下痢
1.3%,4.4%
頻度不明,0.5%
重度の皮膚障害
頻度不明,0.3%
下垂体炎(1.3%,3.3%),下垂体機能低下症(2.0%,1.2%),甲状腺機能低下症(1.3%,13.8%),副腎機能不全
0.7%,3.2%
1.3%,0.4%
頻度不明,頻度不明
頻度不明
頻度不明
頻度不明
頻度不明
頻度不明
頻度不明

その他の副作用

部位
頻度
副作用
皮膚
5%以上
そう痒症(21.9%),発疹
皮膚
頻度不明
皮膚
5%以上
胃腸・消化器系
5%以上
胃腸・消化器系
5%未満
胃腸・消化器系
5%以上
下痢(22.2%),悪心嘔吐
内分泌・代謝系
5%未満
内分泌・代謝系
5%以上
内分泌・代謝系
5%未満
内分泌・代謝系
5%以上
内分泌・代謝系
5%以上
肝臓まわり
5%未満
肝臓まわり
頻度不明
肺・呼吸
5%未満
肺・呼吸
頻度不明
肺・呼吸
5%未満
運動器
5%未満
運動器
5%以上
運動器
頻度不明
全身・局所・適用部位
5%以上
疲労(21.2%),発熱
全身・局所・適用部位
5%未満
全身・局所・適用部位
頻度不明
全身・局所・適用部位
5%以上
全身・局所・適用部位
5%未満
5%未満
頻度不明
脳・神経
5%未満
脳・神経
頻度不明
脳・神経
頻度不明
脳・神経
5%未満
心臓・血管
5%未満
心臓・血管
5%未満
血液系
5%未満
血液系
5%以上
感染症・発熱
5%未満
感染症・発熱
頻度不明
感染症・発熱
5%未満
生殖系
頻度不明

詳細情報

正確な情報は PMDA で必ず確認して下さい

注意以下の情報は参考資料としてご活用下さい

1. 警告

  1. 1.1 本剤は,緊急時に十分対応できる医療施設において,がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで,本剤の使用が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また,治療開始に先立ち,患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し,同意を得てから投与すること。
  2. 1.2 本剤投与により,重篤な下痢,大腸炎,消化管穿孔があらわれることがあり,本剤の投与終了から数ヵ月後に発現し,死亡に至った例も報告されている。投与中だけでなく,投与終了後も観察を十分に行い,異常が認められた場合には,副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。[8.2 参照][11.1.1 参照][11.1.2 参照]

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し重度の過敏症の既往歴のある患者

3. 組成・性状

3.1 組成

ヤーボイ点滴静注液20mg

成分 1バイアル中の分量  4mL
有効成分 イピリムマブ(遺伝子組換え)  20mg
添加剤 トロメタモール塩酸塩  12.6mg
塩化ナトリウム  23.4mg
D-マンニトール  40mg
ジエチレントリアミン五酢酸  0.16mg
ポリソルベート80  0.44mg
  その他pH調節剤を含有する。
ヤーボイ点滴静注液50mg

成分 1バイアル中の分量  10mL
有効成分 イピリムマブ(遺伝子組換え)  50mg
添加剤 トロメタモール塩酸塩  31.5mg
塩化ナトリウム  58.4mg
D-マンニトール  100mg
ジエチレントリアミン五酢酸  0.39mg
ポリソルベート80  1.10mg
  その他pH調節剤を含有する。

本剤はチャイニーズハムスター卵巣細胞を用いて製造される。

3.2 製剤の性状

ヤーボイ点滴静注液20mg

pH 6.6~7.6
外観 無色~微黄色の澄明又はわずかに乳白光を呈する液で,微粒子をわずかに認めることがある。
浸透圧比
(生理食塩液に対する比)
約1
ヤーボイ点滴静注液50mg

pH 6.6~7.6
外観 無色~微黄色の澄明又はわずかに乳白光を呈する液で,微粒子をわずかに認めることがある。
浸透圧比
(生理食塩液に対する比)
約1

4. 効能又は効果

  • 根治切除不能な悪性黒色腫
  • 根治切除不能又は転移性の腎細胞癌
  • *治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸癌
  • 切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
  • 切除不能な進行・再発の悪性胸膜中皮腫
  • 根治切除不能な進行・再発の食道癌
  • 切除不能な肝細胞癌

5. 効能又は効果に関連する注意

  • 〈根治切除不能な悪性黒色腫〉
    1. 5.1 本剤の術後補助療法における有効性及び安全性は確立していない。
    2. 5.2 「17.臨床成績」の項の内容を熟知し,本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で,適応患者の選択を行うこと。特に,化学療法未治療の根治切除不能な悪性黒色腫患者への本剤単独投与に際しては,他の治療の実施についても慎重に検討すること。[17.1.1 参照],[17.1.2 参照],[17.1.3 参照],[17.1.4 参照]
  • 〈根治切除不能又は転移性の腎細胞癌〉
    1. 5.3 本剤の術後補助療法における有効性及び安全性は確立していない。
    2. 5.4 IMDC注1)リスク分類がintermediate又はpoorリスクの患者を対象とすること。
    3. 5.5 「17.臨床成績」の項の内容を熟知し,本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で,適応患者の選択を行うこと。[17.1.5 参照]
      注1)International Metastatic RCC Database Consortium
  • *〈治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸癌〉
    1. 5.6 本剤の術後補助療法における有効性及び安全性は確立していない。
    2. 5.7 十分な経験を有する病理医又は検査施設における検査により,MSI-Highが確認された患者に投与すること。検査にあたっては,ニボルマブ(遺伝子組換え)のMSI-Highを有する結腸・直腸癌患者への適応判定の補助を目的として承認された体外診断用医薬品又は医療機器を用いること。なお,承認された体外診断用医薬品又は医療機器に関する情報については,以下のウェブサイトから入手可能である:
      https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/review-information/cd/0001.html
  • 〈切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌〉
    1. 5.8 本剤の術後補助療法における有効性及び安全性は確立していない。
    2. 5.9 臨床試験に組み入れられた患者のEGFR遺伝子変異又はALK融合遺伝子の有無等について,「17.臨床成績」の項の内容を熟知し,本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で,適応患者の選択を行うこと。[17.1.8 参照],[17.1.9 参照]
  • 〈切除不能な進行・再発の悪性胸膜中皮腫〉
    1. 5.10 本剤の手術の補助療法における有効性及び安全性は確立していない。
  • 〈根治切除不能な進行・再発の食道癌〉
    1. 5.11 本剤の手術の補助療法における有効性及び安全性は確立していない。
    2. 5.12 「17.臨床成績」の項の内容を熟知し,本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で,適応患者の選択を行うこと。[17.1.11 参照]
  • 〈切除不能な肝細胞癌〉
    1. 5.13 局所療法(経皮的エタノール注入療法,ラジオ波焼灼療法,マイクロ波凝固療法,肝動脈塞栓療法/肝動脈化学塞栓療法,放射線療法等)の適応となる肝細胞癌患者に対する本剤の有効性及び安全性は確立していない。
    2. 5.14 臨床試験に組み入れられた患者の肝機能障害の程度等について,「17.臨床成績」の項の内容を熟知し,本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で,適応患者の選択を行うこと。[17.1.12 参照]

6. 用法及び用量

  • 〈根治切除不能な悪性黒色腫〉

    通常,成人にはイピリムマブ(遺伝子組換え)として1回3mg/kg(体重)を3週間間隔で4回点滴静注する。なお,他の抗悪性腫瘍剤と併用する場合は,ニボルマブ(遺伝子組換え)と併用すること。

  • *〈根治切除不能又は転移性の腎細胞癌,治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸癌〉

    ニボルマブ(遺伝子組換え)との併用において,通常,成人にはイピリムマブ(遺伝子組換え)として1回1mg/kg(体重)を3週間間隔で4回点滴静注する。

  • 〈切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌〉

    他の抗悪性腫瘍剤との併用において,通常,成人にはイピリムマブ(遺伝子組換え)として1回1mg/kg(体重)を6週間間隔で点滴静注する。

  • 〈切除不能な進行・再発の悪性胸膜中皮腫,根治切除不能な進行・再発の食道癌〉

    ニボルマブ(遺伝子組換え)との併用において,通常,成人にはイピリムマブ(遺伝子組換え)として1回1mg/kg(体重)を6週間間隔で点滴静注する。

  • 〈切除不能な肝細胞癌〉

    ニボルマブ(遺伝子組換え)との併用において,通常,成人にはイピリムマブ(遺伝子組換え)として1回3mg/kg(体重)を3週間間隔で4回点滴静注する。

7. 用法及び用量に関連する注意

  • 〈効能共通〉
    1. 7.1 副作用が発現した場合には,下記の基準を参考に本剤の投与を延期又は中止すること。
      投与延期及び中止の基準

      副作用

      処置

      ・Grade2の副作用(内分泌障害及び皮膚障害を除く)
      ・Grade3の皮膚障害
      ・症候性の内分泌障害

      Grade1以下又はベースラインに回復するまで投与を延期する。内分泌障害については,症状が回復するまで投与を延期する。
      上記基準まで回復しない場合は,投与を中止する。

      ・Grade3以上の副作用(内分泌障害及び皮膚障害を除く)
      ・局所的な免疫抑制療法が有効でないGrade2以上の眼障害
      ・Grade4の皮膚障害

      投与を中止する。

      肝機能障害(切除不能な肝細胞癌の場合)

      ベースラインのAST,ALT又は総ビリルビンが基準値内の肝細胞癌患者

      ・AST若しくはALTが基準値上限の3倍超かつ5倍以下又は総ビリルビンが基準値上限の1.5倍超かつ3倍以下に増加した場合

      ベースラインに回復するまで投与を延期する。

      ・AST若しくはALTが基準値上限の5倍超又は総ビリルビンが基準値上限の3倍超に増加した場合

      投与を中止する。

      ベースラインのAST又はALTが基準値上限を超えている肝細胞癌患者

      ・ベースラインのAST又はALTが基準値上限超かつ3倍以下で,投与期間中にAST又はALTが基準値上限の5倍超かつ10倍以下に増加した場合
      ・ベースラインのAST又はALTが基準値上限の3倍超かつ5倍以下で,投与期間中にAST又はALTが基準値上限の8倍超かつ10倍以下に増加した場合

      ベースラインに回復するまで投与を延期する。

      ・ベースライン値にかかわらず,投与期間中にAST若しくはALTが基準値上限の10倍超又は総ビリルビンが基準値上限の3倍超に増加した場合

      投与を中止する。

      GradeはNCI-CTCAE(Common Terminology Criteria for Adverse Events)ver.4.0に準じる。

    2. 7.2 本剤は,30分かけて点滴静注すること。
  • 〈根治切除不能な悪性黒色腫〉
    1. 7.3 ニボルマブ(遺伝子組換え)と併用する場合は,臨床試験に組み入れられた患者の前治療歴等について,「17.臨床成績」の項の内容を熟知し,本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で,併用の必要性について慎重に判断すること。また,本剤のニボルマブ(遺伝子組換え)への上乗せによる延命効果は,PD-L1を発現した腫瘍細胞が占める割合(PD-L1発現率)により異なる傾向が示唆されている。ニボルマブ(遺伝子組換え)との併用投与に際してPD-L1発現率の測定結果が得られ,PD-L1発現率が高いことが確認された患者においては,ニボルマブ(遺伝子組換え)単独投与の実施についても十分検討した上で,慎重に判断すること。[17.1.1 参照],[17.1.2 参照],[17.1.3 参照],[17.1.4 参照]
  • 〈切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌〉
    1. 7.4 ニボルマブ(遺伝子組換え)を含む他の抗悪性腫瘍剤との併用により投与すること。併用する他の抗悪性腫瘍剤は,「17.臨床成績」の項の内容を熟知し,臨床試験において検討された患者のPD-L1発現率を考慮した上で選択すること。[17.1.8 参照],[17.1.9 参照]
  • 〈根治切除不能な進行・再発の食道癌〉
    1. 7.5 ニボルマブ(遺伝子組換え)との併用投与の有効性は,PD-L1発現率(TPS)により異なる傾向が示唆されている。TPSについて,「17.臨床成績」の項の内容を熟知し,本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で,ニボルマブ(遺伝子組換え)との併用療法の必要性について慎重に判断すること。[17.1.11 参照]

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 本剤のT細胞活性化作用により,過度の免疫反応に起因すると考えられる様々な疾患や病態があらわれることがある。観察を十分に行い,異常が認められた場合には,過度の免疫反応による副作用の発現を考慮し,適切な鑑別診断を行うこと。過度の免疫反応による副作用が疑われる場合には,副腎皮質ホルモン剤の投与等を考慮すること。
  2. 8.2 本剤投与終了から数ヵ月後に重篤な副作用(下痢,大腸炎,下垂体機能低下症等)があらわれることがあり,死亡に至った例も報告されているので,本剤投与終了後も観察を十分に行い,異常が認められた場合は,適切な処置を行うこと。[1.2 参照]
  3. 8.3 肝不全,肝機能障害があらわれることがあるので,定期的に肝機能検査を行い,患者の状態を十分に確認すること。[11.1.3 参照]
  4. 8.4 下垂体炎,下垂体機能低下症,甲状腺機能低下症,副腎機能不全があらわれることがあるので,定期的に内分泌機能検査(TSH,遊離T3,遊離T4,ACTH,血中コルチゾール等の測定)を行い,患者の状態を十分に確認すること。また,必要に応じて画像検査等の実施も考慮すること。[11.1.5 参照]
  5. 8.5 筋炎があらわれることがあるので,筋力低下,筋肉痛,CK上昇等の観察を十分に行うこと。[11.1.9 参照]
  6. 8.6 心筋炎があらわれることがあるので,胸痛,CK上昇,心電図異常等の観察を十分に行うこと。[11.1.10 参照]
  7. 8.7 ぶどう膜炎があらわれることがあるので,眼の異常の有無を定期的に確認すること。また,眼の異常が認められた場合には,速やかに医療機関を受診するよう患者を指導すること。[11.1.12 参照]
  8. 8.8 **腫瘍崩壊症候群があらわれることがあるので,血清中電解質濃度測定及び腎機能検査を行うなど,患者の状態を十分に観察すること。[11.1.14 参照]

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 自己免疫疾患の合併又は慢性的若しくは再発性の自己免疫疾患の既往歴のある患者

    自己免疫疾患が増悪するおそれがある。

  2. 9.1.2 臓器移植歴(造血幹細胞移植歴を含む)のある患者

    本剤の投与により移植臓器に対する拒絶反応が発現するおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1 重度の肝機能障害のある患者

    重度の肝機能障害のある患者を対象とした臨床試験は実施していない。

9.4 生殖能を有する者

妊娠する可能性のある女性には,本剤投与中及び最終投与後3ヵ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。[9.5 参照]

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には,治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。 妊娠中に本剤を投与するか,本剤投与中の患者が妊娠した場合は,本剤投与による催奇形性,流産等が生じる可能性があることについて,患者に十分説明すること。ヒトIgGは胎盤を通過することが報告されており,本剤は胎児へ移行する可能性がある。また,動物実験(サル)で器官形成期から分娩までの投与により,AUC比較で臨床曝露量の約8.3倍に相当する投与量で,泌尿生殖器系の奇形,早産,出生児低体重が認められ,AUC比較で臨床曝露量の約3.1倍に相当する投与量で,流産,死産,出生児の早期死亡等の発現頻度の増加が認められている。[9.4 参照]

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し,授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(サル)における妊娠期間中の投与で,乳汁中への移行が認められている。また,ヒトIgGはヒト乳汁中に移行するため,本剤も移行する可能性がある1)

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

患者の状態を確認しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 *大腸炎(6.6%,4.0%),消化管穿孔(1.3%*,0.1%未満)

    死亡に至った例も報告されている。また,消化管穿孔があらわれた後に敗血症があらわれた例も報告されている。[1.2 参照]

  2. 11.1.2 *重度の下痢(4.0%,3.2%)

                    [1.2 参照]               

  3. 11.1.3 *肝不全,肝機能障害

    肝不全(0.7%,0.1%),ALT上昇(3.3%,11.1%),AST上昇(2.6%,10.8%)等を伴う肝機能障害があらわれることがあり,死亡に至った例も報告されている。[8.3 参照]

  4. 11.1.4 重度の皮膚障害

    中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(0.3%*,頻度不明),薬剤性過敏症症候群(いずれも頻度不明)等の重度の皮膚障害があらわれることがある。

  5. 11.1.5 *下垂体炎(1.3%,3.3%),下垂体機能低下症(2.0%,1.2%),甲状腺機能低下症(1.3%,13.8%),副腎機能不全(1.3%,4.4%)

    異常が認められた場合には,本剤の投与延期,副腎皮質ホルモン剤の投与,ホルモン補充療法等の適切な処置を行うこと。[8.4 参照]

  6. 11.1.6 末梢神経障害

    ギラン・バレー症候群(0.3%*,0.1%未満)等の末梢神経障害があらわれることがあり,死亡に至った例も報告されている。

  7. 11.1.7 腎障害

    腎不全(1.3%,1.7%)等の腎障害があらわれることがあり,死亡に至った例も報告されている。

  8. 11.1.8 *間質性肺疾患

    急性呼吸窮迫症候群(0.3%*,頻度不明),肺臓炎(0.3%*,5.3%),間質性肺疾患(頻度不明,0.8%)等があらわれることがあり,死亡に至った例も報告されている。

  9. 11.1.9 *筋炎(頻度不明,0.5%)

                    [8.5 参照]               

  10. 11.1.10 *心筋炎(頻度不明,0.3%)

                    [8.6 参照]               

  11. 11.1.11 Infusion reaction(0.7%,3.2%)

    異常が認められた場合には,本剤の投与を中止する等の適切な処置を行うとともに,症状が回復するまで患者の状態を十分に確認すること。

  12. 11.1.12 ぶどう膜炎(1.3%,0.4%)

                    [8.7 参照]               

  13. 11.1.13 脳炎,髄膜炎,脊髄炎

    脳炎(頻度不明,0.3%),髄膜炎(0.7%,0.2%),脊髄炎(頻度不明,0.1%未満)があらわれることがある。また,視神経脊髄炎スペクトラム障害(頻度不明,頻度不明)も報告されている。

  14. 11.1.14 **腫瘍崩壊症候群(頻度不明,頻度不明)

    異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置(生理食塩液,高尿酸血症治療剤等の投与,透析等)を行うとともに,症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること。[8.8 参照]
    注)「重大な副作用」の発現頻度は,本剤単独投与時,併用投与時の順に記載した。
    *:海外第3相試験(MDX010-20試験)の本剤+gp100併用群での発現頻度

11.2 その他の副作用

  • 11.2.1 単独投与注1)

5%以上

5%未満

頻度不明

皮膚

そう痒症(21.9%),発疹

そう痒性皮疹,全身性皮疹,斑状丘疹状皮疹,紅斑,全身性そう痒症,尋常性白斑,脱毛症,寝汗

皮膚炎,湿疹,蕁麻疹,皮膚剥脱,皮膚乾燥,白血球破砕性血管炎,毛髪変色

消化器

悪心,嘔吐,腹痛

腹部不快感,下腹部痛,便秘,放屁

胃腸出血,胃食道逆流性疾患,食道炎,腹膜炎,胃腸炎,憩室炎,膵炎,腸炎,胃潰瘍,大腸潰瘍,イレウス,リパーゼ上昇,血中アミラーゼ上昇,口内炎

内分泌

甲状腺機能亢進症

性腺機能低下,血中甲状腺刺激ホルモン上昇,血中コルチゾール減少,血中コルチコトロピン減少,血中テストステロン減少,血中プロラクチン異常

肝臓

ALP上昇,血中ビリルビン上昇

肝炎,肝腫大,黄疸,γ-GTP上昇

腎臓

糸球体腎炎,腎尿細管性アシドーシス,血中クレアチニン上昇

呼吸器

咳嗽,呼吸困難

呼吸不全,肺浸潤,肺水腫,アレルギー性鼻炎

筋骨格系

関節痛,筋肉痛,背部痛,頚部痛

関節炎,筋骨格痛,筋痙縮,リウマチ性多発筋痛

全身・投与部位

疲労(21.2%),発熱

悪寒,無力症,倦怠感,浮腫,体重減少,インフルエンザ様疾患,局所腫脹,注射部位疼痛,注射部位反応

粘膜の炎症,疼痛,多臓器不全,全身性炎症反応症候群

**代謝

食欲減退

脱水

低カリウム血症,低ナトリウム血症,低リン酸血症,アルカローシス

霧視

眼痛,硝子体出血,視力低下,結膜炎,眼の異物感,フォークト・小柳・原田病

神経系

頭痛,味覚異常

末梢性ニューロパチー,末梢性感覚ニューロパチー,浮動性めまい,嗜眠,失神,構語障害,脳浮腫,脳神経障害,運動失調,振戦,ミオクローヌス,重症筋無力症様症状

精神

錯乱状態,精神状態変化,うつ病,リビドー減退

心・血管系

潮紅,低血圧,ほてり

血管炎,血管障害,末梢性虚血,起立性低血圧,不整脈,心房細動

血液

貧血

溶血性貧血,リンパ球減少症,好中球減少症,血小板減少症,好酸球増加症

感染症

感染

尿路感染,気道感染

生殖器

無月経

注1)「17.臨床成績」の項に記載した臨床試験のうち単独投与における発現頻度の集計に基づき記載した。
  • 11.2.2 併用投与注2)

5%以上

5%未満

頻度不明

皮膚

そう痒症(22.1%),発疹,斑状丘疹状皮疹

脱毛症,皮膚炎,ざ瘡様皮膚炎,湿疹,紅斑,毛髪変色,多汗症,寝汗,紅斑性皮疹,斑状皮疹,丘疹性皮疹,そう痒性皮疹,皮膚色素減少,蕁麻疹,乾癬,尋常性白斑,皮膚乾燥

消化器

下痢(22.2%),悪心,嘔吐

腹痛,便秘,口内乾燥,腹部不快感,消化不良,胃食道逆流性疾患,口内炎,膵炎,胃炎,腹部膨満,嚥下障害,十二指腸炎

内分泌

甲状腺機能亢進症

甲状腺炎,血中甲状腺刺激ホルモン減少,血中甲状腺刺激ホルモン増加,自己免疫性甲状腺障害,副甲状腺機能低下症

肝臓

肝炎,高ビリルビン血症,高トランスアミナーゼ血症,ALP上昇,γ-GTP上昇

腎臓

血中クレアチニン上昇,尿細管間質性腎炎,腎炎

呼吸器

咳嗽,口腔咽頭痛,胸水,発声障害,呼吸困難

筋骨格系

関節痛

筋痙縮,筋力低下,四肢痛,筋骨格痛,脊椎関節障害,関節炎,背部痛,横紋筋融解症,関節硬直,壊死性筋炎,リウマチ性多発筋痛,ミオパチー,筋肉痛

シェーグレン症候群

*全身・投与部位

疲労,無力症,発熱

インフルエンザ様疾患,倦怠感,粘膜の炎症,疼痛,口渇,浮腫,胸痛,悪寒,体重減少,顔面浮腫

代謝

食欲減退,高アミラーゼ血症,高リパーゼ血症

脱水,糖尿病,高血糖,低アルブミン血症,低カルシウム血症,低カリウム血症,低ナトリウム血症,高カリウム血症,低マグネシウム血症,低リン酸血症,糖尿病性ケトアシドーシス

眼乾燥,霧視,視力障害,上強膜炎

神経系

頭痛,味覚不全,感覚鈍麻,嗜眠,末梢性ニューロパチー,錯感覚,失神,多発ニューロパチー,神経炎,腓骨神経麻痺,浮動性めまい,回転性めまい,重症筋無力症

自己免疫性ニューロパチー

精神

不安,うつ病,不眠症,錯乱状態

心・血管系

頻脈,ほてり,高血圧,低血圧,不整脈,動悸,心房細動,徐脈

血液

貧血

好酸球増加症,好中球減少症,血小板減少症,白血球減少症,リンパ球減少症

感染症

結膜炎,肺炎,気道感染,気管支炎

その他

過敏症,LDH上昇,CRP上昇,サルコイドーシス

注2)「17.臨床成績」の項に記載した臨床試験のうち併用投与における発現頻度の集計に基づき記載した。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意

  1. 14.1.1 本剤投与前に,溶液を目視により確認すること。本剤は半透明〜白色の微粒子を認めることがあるが,微粒子はインラインフィルターにより除去される。なお,着色異物又は明らかな変色が認められる場合は使用しないこと。
  2. 14.1.2 本剤は,そのまま,もしくは生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液を用いて1〜4mg/mLの濃度に希釈し,投与すること。
  3. 14.1.3 用時調製し,調製後は速やかに使用すること。また,残液は廃棄すること。

14.2 薬剤投与時の注意

  1. 14.2.1 本剤は,0.2〜1.2ミクロンのメンブランフィルターを用いたインラインフィルターを通して投与すること。
  2. 14.2.2 本剤は,独立したラインにより投与すること。

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報

  1. 15.1.1 海外及び国内の臨床試験において,本剤に対する抗体の産生が報告されている。
  2. 15.1.2 本剤とダカルバジンを併用投与した国内第2相試験において,重度の肝機能障害が高頻度に発現し,忍容性が認められなかった。また,本剤とベムラフェニブを併用投与した海外第1相試験において,重度の肝機能障害が高頻度に発現し,忍容性が認められなかった。

1. 警告

  1. 1.1 本剤は,緊急時に十分対応できる医療施設において,がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで,本剤の使用が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また,治療開始に先立ち,患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し,同意を得てから投与すること。
  2. 1.2 本剤投与により,重篤な下痢,大腸炎,消化管穿孔があらわれることがあり,本剤の投与終了から数ヵ月後に発現し,死亡に至った例も報告されている。投与中だけでなく,投与終了後も観察を十分に行い,異常が認められた場合には,副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。[8.2 参照][11.1.1 参照][11.1.2 参照]

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し重度の過敏症の既往歴のある患者

3. 組成・性状

3.1 組成

ヤーボイ点滴静注液20mg

成分 1バイアル中の分量  4mL
有効成分 イピリムマブ(遺伝子組換え)  20mg
添加剤 トロメタモール塩酸塩  12.6mg
塩化ナトリウム  23.4mg
D-マンニトール  40mg
ジエチレントリアミン五酢酸  0.16mg
ポリソルベート80  0.44mg
  その他pH調節剤を含有する。
ヤーボイ点滴静注液50mg

成分 1バイアル中の分量  10mL
有効成分 イピリムマブ(遺伝子組換え)  50mg
添加剤 トロメタモール塩酸塩  31.5mg
塩化ナトリウム  58.4mg
D-マンニトール  100mg
ジエチレントリアミン五酢酸  0.39mg
ポリソルベート80  1.10mg
  その他pH調節剤を含有する。

本剤はチャイニーズハムスター卵巣細胞を用いて製造される。

3.2 製剤の性状

ヤーボイ点滴静注液20mg

pH 6.6~7.6
外観 無色~微黄色の澄明又はわずかに乳白光を呈する液で,微粒子をわずかに認めることがある。
浸透圧比
(生理食塩液に対する比)
約1
ヤーボイ点滴静注液50mg

pH 6.6~7.6
外観 無色~微黄色の澄明又はわずかに乳白光を呈する液で,微粒子をわずかに認めることがある。
浸透圧比
(生理食塩液に対する比)
約1

4. 効能又は効果

  • 根治切除不能な悪性黒色腫
  • 根治切除不能又は転移性の腎細胞癌
  • *治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸癌
  • 切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌
  • 切除不能な進行・再発の悪性胸膜中皮腫
  • 根治切除不能な進行・再発の食道癌
  • 切除不能な肝細胞癌

5. 効能又は効果に関連する注意

  • 〈根治切除不能な悪性黒色腫〉
    1. 5.1 本剤の術後補助療法における有効性及び安全性は確立していない。
    2. 5.2 「17.臨床成績」の項の内容を熟知し,本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で,適応患者の選択を行うこと。特に,化学療法未治療の根治切除不能な悪性黒色腫患者への本剤単独投与に際しては,他の治療の実施についても慎重に検討すること。[17.1.1 参照],[17.1.2 参照],[17.1.3 参照],[17.1.4 参照]
  • 〈根治切除不能又は転移性の腎細胞癌〉
    1. 5.3 本剤の術後補助療法における有効性及び安全性は確立していない。
    2. 5.4 IMDC注1)リスク分類がintermediate又はpoorリスクの患者を対象とすること。
    3. 5.5 「17.臨床成績」の項の内容を熟知し,本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で,適応患者の選択を行うこと。[17.1.5 参照]
      注1)International Metastatic RCC Database Consortium
  • *〈治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸癌〉
    1. 5.6 本剤の術後補助療法における有効性及び安全性は確立していない。
    2. 5.7 十分な経験を有する病理医又は検査施設における検査により,MSI-Highが確認された患者に投与すること。検査にあたっては,ニボルマブ(遺伝子組換え)のMSI-Highを有する結腸・直腸癌患者への適応判定の補助を目的として承認された体外診断用医薬品又は医療機器を用いること。なお,承認された体外診断用医薬品又は医療機器に関する情報については,以下のウェブサイトから入手可能である:
      https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/review-information/cd/0001.html
  • 〈切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌〉
    1. 5.8 本剤の術後補助療法における有効性及び安全性は確立していない。
    2. 5.9 臨床試験に組み入れられた患者のEGFR遺伝子変異又はALK融合遺伝子の有無等について,「17.臨床成績」の項の内容を熟知し,本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で,適応患者の選択を行うこと。[17.1.8 参照],[17.1.9 参照]
  • 〈切除不能な進行・再発の悪性胸膜中皮腫〉
    1. 5.10 本剤の手術の補助療法における有効性及び安全性は確立していない。
  • 〈根治切除不能な進行・再発の食道癌〉
    1. 5.11 本剤の手術の補助療法における有効性及び安全性は確立していない。
    2. 5.12 「17.臨床成績」の項の内容を熟知し,本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で,適応患者の選択を行うこと。[17.1.11 参照]
  • 〈切除不能な肝細胞癌〉
    1. 5.13 局所療法(経皮的エタノール注入療法,ラジオ波焼灼療法,マイクロ波凝固療法,肝動脈塞栓療法/肝動脈化学塞栓療法,放射線療法等)の適応となる肝細胞癌患者に対する本剤の有効性及び安全性は確立していない。
    2. 5.14 臨床試験に組み入れられた患者の肝機能障害の程度等について,「17.臨床成績」の項の内容を熟知し,本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で,適応患者の選択を行うこと。[17.1.12 参照]

6. 用法及び用量

  • 〈根治切除不能な悪性黒色腫〉

    通常,成人にはイピリムマブ(遺伝子組換え)として1回3mg/kg(体重)を3週間間隔で4回点滴静注する。なお,他の抗悪性腫瘍剤と併用する場合は,ニボルマブ(遺伝子組換え)と併用すること。

  • *〈根治切除不能又は転移性の腎細胞癌,治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸癌〉

    ニボルマブ(遺伝子組換え)との併用において,通常,成人にはイピリムマブ(遺伝子組換え)として1回1mg/kg(体重)を3週間間隔で4回点滴静注する。

  • 〈切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌〉

    他の抗悪性腫瘍剤との併用において,通常,成人にはイピリムマブ(遺伝子組換え)として1回1mg/kg(体重)を6週間間隔で点滴静注する。

  • 〈切除不能な進行・再発の悪性胸膜中皮腫,根治切除不能な進行・再発の食道癌〉

    ニボルマブ(遺伝子組換え)との併用において,通常,成人にはイピリムマブ(遺伝子組換え)として1回1mg/kg(体重)を6週間間隔で点滴静注する。

  • 〈切除不能な肝細胞癌〉

    ニボルマブ(遺伝子組換え)との併用において,通常,成人にはイピリムマブ(遺伝子組換え)として1回3mg/kg(体重)を3週間間隔で4回点滴静注する。

7. 用法及び用量に関連する注意

  • 〈効能共通〉
    1. 7.1 副作用が発現した場合には,下記の基準を参考に本剤の投与を延期又は中止すること。
      投与延期及び中止の基準

      副作用

      処置

      ・Grade2の副作用(内分泌障害及び皮膚障害を除く)
      ・Grade3の皮膚障害
      ・症候性の内分泌障害

      Grade1以下又はベースラインに回復するまで投与を延期する。内分泌障害については,症状が回復するまで投与を延期する。
      上記基準まで回復しない場合は,投与を中止する。

      ・Grade3以上の副作用(内分泌障害及び皮膚障害を除く)
      ・局所的な免疫抑制療法が有効でないGrade2以上の眼障害
      ・Grade4の皮膚障害

      投与を中止する。

      肝機能障害(切除不能な肝細胞癌の場合)

      ベースラインのAST,ALT又は総ビリルビンが基準値内の肝細胞癌患者

      ・AST若しくはALTが基準値上限の3倍超かつ5倍以下又は総ビリルビンが基準値上限の1.5倍超かつ3倍以下に増加した場合

      ベースラインに回復するまで投与を延期する。

      ・AST若しくはALTが基準値上限の5倍超又は総ビリルビンが基準値上限の3倍超に増加した場合

      投与を中止する。

      ベースラインのAST又はALTが基準値上限を超えている肝細胞癌患者

      ・ベースラインのAST又はALTが基準値上限超かつ3倍以下で,投与期間中にAST又はALTが基準値上限の5倍超かつ10倍以下に増加した場合
      ・ベースラインのAST又はALTが基準値上限の3倍超かつ5倍以下で,投与期間中にAST又はALTが基準値上限の8倍超かつ10倍以下に増加した場合

      ベースラインに回復するまで投与を延期する。

      ・ベースライン値にかかわらず,投与期間中にAST若しくはALTが基準値上限の10倍超又は総ビリルビンが基準値上限の3倍超に増加した場合

      投与を中止する。

      GradeはNCI-CTCAE(Common Terminology Criteria for Adverse Events)ver.4.0に準じる。

    2. 7.2 本剤は,30分かけて点滴静注すること。
  • 〈根治切除不能な悪性黒色腫〉
    1. 7.3 ニボルマブ(遺伝子組換え)と併用する場合は,臨床試験に組み入れられた患者の前治療歴等について,「17.臨床成績」の項の内容を熟知し,本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で,併用の必要性について慎重に判断すること。また,本剤のニボルマブ(遺伝子組換え)への上乗せによる延命効果は,PD-L1を発現した腫瘍細胞が占める割合(PD-L1発現率)により異なる傾向が示唆されている。ニボルマブ(遺伝子組換え)との併用投与に際してPD-L1発現率の測定結果が得られ,PD-L1発現率が高いことが確認された患者においては,ニボルマブ(遺伝子組換え)単独投与の実施についても十分検討した上で,慎重に判断すること。[17.1.1 参照],[17.1.2 参照],[17.1.3 参照],[17.1.4 参照]
  • 〈切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌〉
    1. 7.4 ニボルマブ(遺伝子組換え)を含む他の抗悪性腫瘍剤との併用により投与すること。併用する他の抗悪性腫瘍剤は,「17.臨床成績」の項の内容を熟知し,臨床試験において検討された患者のPD-L1発現率を考慮した上で選択すること。[17.1.8 参照],[17.1.9 参照]
  • 〈根治切除不能な進行・再発の食道癌〉
    1. 7.5 ニボルマブ(遺伝子組換え)との併用投与の有効性は,PD-L1発現率(TPS)により異なる傾向が示唆されている。TPSについて,「17.臨床成績」の項の内容を熟知し,本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で,ニボルマブ(遺伝子組換え)との併用療法の必要性について慎重に判断すること。[17.1.11 参照]

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 本剤のT細胞活性化作用により,過度の免疫反応に起因すると考えられる様々な疾患や病態があらわれることがある。観察を十分に行い,異常が認められた場合には,過度の免疫反応による副作用の発現を考慮し,適切な鑑別診断を行うこと。過度の免疫反応による副作用が疑われる場合には,副腎皮質ホルモン剤の投与等を考慮すること。
  2. 8.2 本剤投与終了から数ヵ月後に重篤な副作用(下痢,大腸炎,下垂体機能低下症等)があらわれることがあり,死亡に至った例も報告されているので,本剤投与終了後も観察を十分に行い,異常が認められた場合は,適切な処置を行うこと。[1.2 参照]
  3. 8.3 肝不全,肝機能障害があらわれることがあるので,定期的に肝機能検査を行い,患者の状態を十分に確認すること。[11.1.3 参照]
  4. 8.4 下垂体炎,下垂体機能低下症,甲状腺機能低下症,副腎機能不全があらわれることがあるので,定期的に内分泌機能検査(TSH,遊離T3,遊離T4,ACTH,血中コルチゾール等の測定)を行い,患者の状態を十分に確認すること。また,必要に応じて画像検査等の実施も考慮すること。[11.1.5 参照]
  5. 8.5 筋炎があらわれることがあるので,筋力低下,筋肉痛,CK上昇等の観察を十分に行うこと。[11.1.9 参照]
  6. 8.6 心筋炎があらわれることがあるので,胸痛,CK上昇,心電図異常等の観察を十分に行うこと。[11.1.10 参照]
  7. 8.7 ぶどう膜炎があらわれることがあるので,眼の異常の有無を定期的に確認すること。また,眼の異常が認められた場合には,速やかに医療機関を受診するよう患者を指導すること。[11.1.12 参照]
  8. 8.8 **腫瘍崩壊症候群があらわれることがあるので,血清中電解質濃度測定及び腎機能検査を行うなど,患者の状態を十分に観察すること。[11.1.14 参照]

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 自己免疫疾患の合併又は慢性的若しくは再発性の自己免疫疾患の既往歴のある患者

    自己免疫疾患が増悪するおそれがある。

  2. 9.1.2 臓器移植歴(造血幹細胞移植歴を含む)のある患者

    本剤の投与により移植臓器に対する拒絶反応が発現するおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1 重度の肝機能障害のある患者

    重度の肝機能障害のある患者を対象とした臨床試験は実施していない。

9.4 生殖能を有する者

妊娠する可能性のある女性には,本剤投与中及び最終投与後3ヵ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。[9.5 参照]

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には,治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。 妊娠中に本剤を投与するか,本剤投与中の患者が妊娠した場合は,本剤投与による催奇形性,流産等が生じる可能性があることについて,患者に十分説明すること。ヒトIgGは胎盤を通過することが報告されており,本剤は胎児へ移行する可能性がある。また,動物実験(サル)で器官形成期から分娩までの投与により,AUC比較で臨床曝露量の約8.3倍に相当する投与量で,泌尿生殖器系の奇形,早産,出生児低体重が認められ,AUC比較で臨床曝露量の約3.1倍に相当する投与量で,流産,死産,出生児の早期死亡等の発現頻度の増加が認められている。[9.4 参照]

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し,授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(サル)における妊娠期間中の投与で,乳汁中への移行が認められている。また,ヒトIgGはヒト乳汁中に移行するため,本剤も移行する可能性がある1)

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

患者の状態を確認しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 *大腸炎(6.6%,4.0%),消化管穿孔(1.3%*,0.1%未満)

    死亡に至った例も報告されている。また,消化管穿孔があらわれた後に敗血症があらわれた例も報告されている。[1.2 参照]

  2. 11.1.2 *重度の下痢(4.0%,3.2%)

                    [1.2 参照]               

  3. 11.1.3 *肝不全,肝機能障害

    肝不全(0.7%,0.1%),ALT上昇(3.3%,11.1%),AST上昇(2.6%,10.8%)等を伴う肝機能障害があらわれることがあり,死亡に至った例も報告されている。[8.3 参照]

  4. 11.1.4 重度の皮膚障害

    中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(0.3%*,頻度不明),薬剤性過敏症症候群(いずれも頻度不明)等の重度の皮膚障害があらわれることがある。

  5. 11.1.5 *下垂体炎(1.3%,3.3%),下垂体機能低下症(2.0%,1.2%),甲状腺機能低下症(1.3%,13.8%),副腎機能不全(1.3%,4.4%)

    異常が認められた場合には,本剤の投与延期,副腎皮質ホルモン剤の投与,ホルモン補充療法等の適切な処置を行うこと。[8.4 参照]

  6. 11.1.6 末梢神経障害

    ギラン・バレー症候群(0.3%*,0.1%未満)等の末梢神経障害があらわれることがあり,死亡に至った例も報告されている。

  7. 11.1.7 腎障害

    腎不全(1.3%,1.7%)等の腎障害があらわれることがあり,死亡に至った例も報告されている。

  8. 11.1.8 *間質性肺疾患

    急性呼吸窮迫症候群(0.3%*,頻度不明),肺臓炎(0.3%*,5.3%),間質性肺疾患(頻度不明,0.8%)等があらわれることがあり,死亡に至った例も報告されている。

  9. 11.1.9 *筋炎(頻度不明,0.5%)

                    [8.5 参照]               

  10. 11.1.10 *心筋炎(頻度不明,0.3%)

                    [8.6 参照]               

  11. 11.1.11 Infusion reaction(0.7%,3.2%)

    異常が認められた場合には,本剤の投与を中止する等の適切な処置を行うとともに,症状が回復するまで患者の状態を十分に確認すること。

  12. 11.1.12 ぶどう膜炎(1.3%,0.4%)

                    [8.7 参照]               

  13. 11.1.13 脳炎,髄膜炎,脊髄炎

    脳炎(頻度不明,0.3%),髄膜炎(0.7%,0.2%),脊髄炎(頻度不明,0.1%未満)があらわれることがある。また,視神経脊髄炎スペクトラム障害(頻度不明,頻度不明)も報告されている。

  14. 11.1.14 **腫瘍崩壊症候群(頻度不明,頻度不明)

    異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置(生理食塩液,高尿酸血症治療剤等の投与,透析等)を行うとともに,症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること。[8.8 参照]
    注)「重大な副作用」の発現頻度は,本剤単独投与時,併用投与時の順に記載した。
    *:海外第3相試験(MDX010-20試験)の本剤+gp100併用群での発現頻度

11.2 その他の副作用

  • 11.2.1 単独投与注1)

5%以上

5%未満

頻度不明

皮膚

そう痒症(21.9%),発疹

そう痒性皮疹,全身性皮疹,斑状丘疹状皮疹,紅斑,全身性そう痒症,尋常性白斑,脱毛症,寝汗

皮膚炎,湿疹,蕁麻疹,皮膚剥脱,皮膚乾燥,白血球破砕性血管炎,毛髪変色

消化器

悪心,嘔吐,腹痛

腹部不快感,下腹部痛,便秘,放屁

胃腸出血,胃食道逆流性疾患,食道炎,腹膜炎,胃腸炎,憩室炎,膵炎,腸炎,胃潰瘍,大腸潰瘍,イレウス,リパーゼ上昇,血中アミラーゼ上昇,口内炎

内分泌

甲状腺機能亢進症

性腺機能低下,血中甲状腺刺激ホルモン上昇,血中コルチゾール減少,血中コルチコトロピン減少,血中テストステロン減少,血中プロラクチン異常

肝臓

ALP上昇,血中ビリルビン上昇

肝炎,肝腫大,黄疸,γ-GTP上昇

腎臓

糸球体腎炎,腎尿細管性アシドーシス,血中クレアチニン上昇

呼吸器

咳嗽,呼吸困難

呼吸不全,肺浸潤,肺水腫,アレルギー性鼻炎

筋骨格系

関節痛,筋肉痛,背部痛,頚部痛

関節炎,筋骨格痛,筋痙縮,リウマチ性多発筋痛

全身・投与部位

疲労(21.2%),発熱

悪寒,無力症,倦怠感,浮腫,体重減少,インフルエンザ様疾患,局所腫脹,注射部位疼痛,注射部位反応

粘膜の炎症,疼痛,多臓器不全,全身性炎症反応症候群

**代謝

食欲減退

脱水

低カリウム血症,低ナトリウム血症,低リン酸血症,アルカローシス

霧視

眼痛,硝子体出血,視力低下,結膜炎,眼の異物感,フォークト・小柳・原田病

神経系

頭痛,味覚異常

末梢性ニューロパチー,末梢性感覚ニューロパチー,浮動性めまい,嗜眠,失神,構語障害,脳浮腫,脳神経障害,運動失調,振戦,ミオクローヌス,重症筋無力症様症状

精神

錯乱状態,精神状態変化,うつ病,リビドー減退

心・血管系

潮紅,低血圧,ほてり

血管炎,血管障害,末梢性虚血,起立性低血圧,不整脈,心房細動

血液

貧血

溶血性貧血,リンパ球減少症,好中球減少症,血小板減少症,好酸球増加症

感染症

感染

尿路感染,気道感染

生殖器

無月経

注1)「17.臨床成績」の項に記載した臨床試験のうち単独投与における発現頻度の集計に基づき記載した。
  • 11.2.2 併用投与注2)

5%以上

5%未満

頻度不明

皮膚

そう痒症(22.1%),発疹,斑状丘疹状皮疹

脱毛症,皮膚炎,ざ瘡様皮膚炎,湿疹,紅斑,毛髪変色,多汗症,寝汗,紅斑性皮疹,斑状皮疹,丘疹性皮疹,そう痒性皮疹,皮膚色素減少,蕁麻疹,乾癬,尋常性白斑,皮膚乾燥

消化器

下痢(22.2%),悪心,嘔吐

腹痛,便秘,口内乾燥,腹部不快感,消化不良,胃食道逆流性疾患,口内炎,膵炎,胃炎,腹部膨満,嚥下障害,十二指腸炎

内分泌

甲状腺機能亢進症

甲状腺炎,血中甲状腺刺激ホルモン減少,血中甲状腺刺激ホルモン増加,自己免疫性甲状腺障害,副甲状腺機能低下症

肝臓

肝炎,高ビリルビン血症,高トランスアミナーゼ血症,ALP上昇,γ-GTP上昇

腎臓

血中クレアチニン上昇,尿細管間質性腎炎,腎炎

呼吸器

咳嗽,口腔咽頭痛,胸水,発声障害,呼吸困難

筋骨格系

関節痛

筋痙縮,筋力低下,四肢痛,筋骨格痛,脊椎関節障害,関節炎,背部痛,横紋筋融解症,関節硬直,壊死性筋炎,リウマチ性多発筋痛,ミオパチー,筋肉痛

シェーグレン症候群

*全身・投与部位

疲労,無力症,発熱

インフルエンザ様疾患,倦怠感,粘膜の炎症,疼痛,口渇,浮腫,胸痛,悪寒,体重減少,顔面浮腫

代謝

食欲減退,高アミラーゼ血症,高リパーゼ血症

脱水,糖尿病,高血糖,低アルブミン血症,低カルシウム血症,低カリウム血症,低ナトリウム血症,高カリウム血症,低マグネシウム血症,低リン酸血症,糖尿病性ケトアシドーシス

眼乾燥,霧視,視力障害,上強膜炎

神経系

頭痛,味覚不全,感覚鈍麻,嗜眠,末梢性ニューロパチー,錯感覚,失神,多発ニューロパチー,神経炎,腓骨神経麻痺,浮動性めまい,回転性めまい,重症筋無力症

自己免疫性ニューロパチー

精神

不安,うつ病,不眠症,錯乱状態

心・血管系

頻脈,ほてり,高血圧,低血圧,不整脈,動悸,心房細動,徐脈

血液

貧血

好酸球増加症,好中球減少症,血小板減少症,白血球減少症,リンパ球減少症

感染症

結膜炎,肺炎,気道感染,気管支炎

その他

過敏症,LDH上昇,CRP上昇,サルコイドーシス

注2)「17.臨床成績」の項に記載した臨床試験のうち併用投与における発現頻度の集計に基づき記載した。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意

  1. 14.1.1 本剤投与前に,溶液を目視により確認すること。本剤は半透明〜白色の微粒子を認めることがあるが,微粒子はインラインフィルターにより除去される。なお,着色異物又は明らかな変色が認められる場合は使用しないこと。
  2. 14.1.2 本剤は,そのまま,もしくは生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液を用いて1〜4mg/mLの濃度に希釈し,投与すること。
  3. 14.1.3 用時調製し,調製後は速やかに使用すること。また,残液は廃棄すること。

14.2 薬剤投与時の注意

  1. 14.2.1 本剤は,0.2〜1.2ミクロンのメンブランフィルターを用いたインラインフィルターを通して投与すること。
  2. 14.2.2 本剤は,独立したラインにより投与すること。

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報

  1. 15.1.1 海外及び国内の臨床試験において,本剤に対する抗体の産生が報告されている。
  2. 15.1.2 本剤とダカルバジンを併用投与した国内第2相試験において,重度の肝機能障害が高頻度に発現し,忍容性が認められなかった。また,本剤とベムラフェニブを併用投与した海外第1相試験において,重度の肝機能障害が高頻度に発現し,忍容性が認められなかった。

その他詳細情報

日本標準商品分類番号
874291
ブランドコード
4291430A2022, 4291430A1026
承認番号
30300AMX00428000, 22700AMX00696000
販売開始年月
2021-11, 2015-08
貯法
凍結を避け,2〜8℃で保存、凍結を避け,2〜8℃で保存
有効期間
24箇月、24箇月
規制区分
2, 12, 13, 2, 12, 13

重要な注意事項

  • この情報は医療専門家による診断や治療の代替にはなりません。副作用に関する懸念がある場合は、必ず医師または薬剤師に相談してください。
  • 副作用の発生頻度や重篤度は個人差があります。ここで提供される情報は一般的なものであり、すべての患者さんに当てはまるわけではありません。
  • 薬剤の使用に関しては、必ず医療専門家の指示に従い、自己判断での変更や中止を避けてください。
  • この情報は最新のものであるよう努めていますが、最新とは限りません。常に医療専門家に確認してください。
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