薬効分類名再発・難治性急性前骨髄球性白血病治療剤
一般的名称タミバロテン錠
アムノレイク錠2mg
あむのれいくじょう
Amnolake Tablets 2mg
製造販売元/東光薬品工業株式会社、販売/日本新薬株式会社
その他の副作用
併用注意
CYP3A4誘導剤
- フェニトイン
カルバマゼピン
リファンピシン
デキサメタゾン
フェノバルビタール等
セイヨウオトギリソウ〔St.John’s Wort(セント・ジョーンズ・ワート)〕含有食品
本剤の血中濃度が低下し、作用が減弱するおそれがある。
本剤の代謝には主にCYP3A4が関与しているため、本剤の代謝が亢進し血中濃度が低下する可能性がある。
CYP3A4阻害剤
- アゾール系抗真菌剤
マクロライド系抗生物質
カルシウム拮抗剤等
グレープフルーツジュース
本剤の血中濃度が増加し、副作用の発現頻度及び重症度が増加するおそれがある。
本剤の代謝には主にCYP3A4が関与しているため、本剤の代謝が阻害され血中濃度が増加する可能性がある。
制酸剤
- H2-受容体拮抗剤
- プロトンポンプ阻害剤
本剤の吸収が増加するおそれがある。
これらの薬剤により胃内のpHが上昇し、本剤の溶解度が上昇し、吸収が増加する可能性がある。
フェニトイン
フェニトインの血中濃度が上昇し、フェニトインの作用が増強するおそれがある。
類薬(エトレチナート)でフェニトインとの併用により、フェニトインの蛋白結合能を低下させるとの報告がある。
抗線溶剤
- トラネキサム酸等
アプロチニン製剤
類薬(トレチノイン)において、これらの薬剤を併用した患者で血栓症を発現し、重大な転帰をたどったとの報告があるので、併用に際しては慎重に行うこと。
類薬(トレチノイン)投与により、凝固線溶系のバランスが変化するためと考えられている。
1. 警告
- 1.1 本剤による治療は危険性を伴うため、投与期間中は入院又はそれに準ずる管理のもとで適切な処置を行うこと。また、緊急時に十分対応できる医療施設において、白血病[特に急性前骨髄球性白血病(APL)]のがん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本療法が適切と判断される症例についてのみ実施すること。治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得てから投与すること。
- 1.2 本剤は分化症候群が発現し、致死的な転帰をたどることがあるので、十分な経過観察を行うこと。このような症状があらわれた場合には休薬し、副腎皮質ホルモン剤のパルス療法等の適切な措置を行うこと。[11.1.1 参照]
- 1.3 本剤には催奇形性があるので、妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。また、妊娠する可能性のある女性には投与しないことを原則とするが、やむを得ず投与する場合には使用上の注意を厳守すること。[2.1 参照],[8.1 参照],[9.4.1 参照],[9.5 参照]
4. 効能又は効果
再発又は難治性の急性前骨髄球性白血病
5. 効能又は効果に関連する注意
- 5.1 染色体検査[t(15;17)転座]又は遺伝子検査(PML-RARA遺伝子)によりAPLと診断された患者に投与すること。
- 5.2 初発例のAPL患者での本剤の有効性・安全性は確立していない。[17.1.1 参照]
- 5.3 本剤により完全寛解を得た後に再発したAPLに対して、本剤の有効性・安全性は確立していない。
6. 用法及び用量
寛解導入療法:1日6mg/m2を2回にわけて朝、夕食後経口投与し、骨髄寛解が得られるまで投与する。投与期間は本剤の投与開始日から8週間を越えないこと。
8. 重要な基本的注意
- 8.1 本剤には催奇形性があり、副作用の発現頻度が高いので、使用上の注意を厳守し、患者又はそれに代わり得る適切な者に副作用についてよく説明した上で投与すること。[1.3 参照],[9.4.1 参照]
- 8.2 末梢血中の「芽球及び前骨髄球」の和が1,000/mm3を超える場合には、化学療法により「芽球及び前骨髄球」の和を1,000/mm3以下にしてから本剤を投与すること。
- 8.3 APLに併発する播種性血管内凝固(DIC)では、致命的な出血傾向(脳出血、肺出血等)が報告されている。本剤投与中にこのような症状があらわれた場合には、出血傾向に対する適切な処置を行うこと。
- 8.4 脂質代謝異常が引き起こされることがあるので、定期的に血中の総コレステロール及びトリグリセリドの検査を行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。[9.1.1 参照]
- 8.5 肝機能異常が引き起こされることがあるので、定期的に肝機能検査を行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。[9.3 参照]
- 8.6 本剤投与中に関節痛・骨痛の症状があらわれることがあるので、観察を十分に行うこと。[9.1.3 参照]
- 8.7 間質性肺疾患があらわれることがあるので、胸部X線検査等を行うなど観察を十分に行うこと。[11.1.4 参照]
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1 脂質異常症の素因がある患者[8.4 参照]
-
9.1.2 無酸症等著しい低胃酸状態が持続している患者
本剤は中性付近において溶解度、溶出性等が増加する性質をもつため、本剤の吸収が増加し、作用が増強されるおそれがある。また、類薬(エトレチナート)で牛乳又は高脂肪食と服用すると吸収が増加することが報告されている。 -
9.1.3 25歳以下の患者
骨の成長が終了していない可能性があるので、治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合にのみ観察及び定期的な検査を十分に行いながら慎重に投与すること。ラット、イヌを用いた動物実験で過骨症及び骨端の早期閉鎖を起こすことが報告されている1) ,2) 。[8.6 参照]
9.2 腎機能障害患者
類薬(トレチノイン)で重篤な腎障害を起こすおそれがあることが報告されている。
9.3 肝機能障害患者
類薬(エトレチナート)で肝障害が悪化するおそれがあることが報告されている。[8.5 参照]
9.4 生殖能を有する者
- 9.4.1 妊娠する可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。疾患の重症度及び治療の緊急性を考慮した上で、患者には胎児への毒性の可能性及び次の注意事項についてよく説明し理解させた後、投与すること。[1.3 参照],[8.1 参照],[9.5 参照]
- 9.4.2 男性に投与する場合には、投与中及び投与終了後6カ月間は避妊させること。ラット、イヌを用いた動物実験で、精子形成能に異常を起こすことが報告されている。
- 9.4.3 男性に投与する場合には、不妊など性腺に対する影響を考慮すること。ラット及びイヌにおいて、精巣毒性の所見が報告されており2) ,3) ,4) ,5) 、これらの所見は臨床投与条件下におけるAUCと同程度で認められている。
9.5 妊婦
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)で、乳汁中への移行が認められている9) 。
9.8 高齢者
用量に留意して定期的に血漿アルブミン検査を行い、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。血漿アルブミンが減少していることが多く、本剤は血漿蛋白との結合性が強いため、血漿アルブミンが減少していると遊離の薬物血漿中濃度が高くなるおそれがある。また、生理機能が低下していることが多く、副作用があらわれやすい。
10. 相互作用
- 本剤は薬物代謝酵素チトクロームP450(CYP3A4)により代謝されることが示されている。[16.4 参照]
10.1 併用禁忌(併用しないこと)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
ビタミンA製剤(チョコラA等)[2.3 参照] |
ビタミンA過剰症と類似した副作用症状を起こすおそれがある。 |
本剤はビタミンAと同じレチノイドである。 |
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
本剤の血中濃度が低下し、作用が減弱するおそれがある。 |
本剤の代謝には主にCYP3A4が関与しているため、本剤の代謝が亢進し血中濃度が低下する可能性がある。 |
|
本剤の血中濃度が増加し、副作用の発現頻度及び重症度が増加するおそれがある。 |
本剤の代謝には主にCYP3A4が関与しているため、本剤の代謝が阻害され血中濃度が増加する可能性がある。 |
|
本剤の吸収が増加するおそれがある。 |
これらの薬剤により胃内のpHが上昇し、本剤の溶解度が上昇し、吸収が増加する可能性がある。 |
|
フェニトイン |
フェニトインの血中濃度が上昇し、フェニトインの作用が増強するおそれがある。 |
類薬(エトレチナート)でフェニトインとの併用により、フェニトインの蛋白結合能を低下させるとの報告がある。 |
類薬(トレチノイン)において、これらの薬剤を併用した患者で血栓症を発現し、重大な転帰をたどったとの報告があるので、併用に際しては慎重に行うこと。 |
類薬(トレチノイン)投与により、凝固線溶系のバランスが変化するためと考えられている。 |
11. 副作用
11.1 重大な副作用
-
11.1.1 分化症候群(5%以上)
発熱、呼吸困難、胸水貯留、肺浸潤、間質性肺疾患、肺うっ血、心嚢液貯留、低酸素症、低血圧、肝不全、腎機能不全、多臓器不全等が発現し、重篤な転帰をたどることがあるので、このような症状が認められた場合には、本剤を中止し、副腎皮質ホルモン剤のパルス療法等の適切な処置を行うこと。[1.2 参照] -
11.1.2 感染症(5%以上)
肺炎、敗血症等があらわれることがある。 -
11.1.3 白血球増加症(5%以上)
末梢白血球数が30,000/mm3を超えた場合には、休薬等の適切な処置を行うこと。 -
11.1.4 間質性肺疾患(5%未満)
異常が認められた場合には、投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。[8.7 参照] - 11.1.5 縦隔炎(5%未満)
-
11.1.6 横紋筋融解症(5%未満)
フィブラート系薬剤を服用している脂質代謝異常の患者に本剤を投与し、本剤との因果関係が否定できない横紋筋融解症が発現し、死亡した症例が報告されている。 -
11.1.7 血栓症(頻度不明)
脳梗塞、肺梗塞、その他の動脈又は静脈血栓症等があらわれることがある。
11.2 その他の副作用
5%以上 |
5%未満 |
頻度不明 |
|
|---|---|---|---|
*精神神経系 |
頭痛 |
感覚減退、嗅覚錯誤 |
|
呼吸器 |
呼吸困難、喀血、しゃっくり、低酸素症 |
||
胃腸障害 |
口内乾燥、口内炎、悪心、嘔吐、下痢、腹痛、消化不良、便秘、痔核 |
||
皮膚 |
発疹、皮膚乾燥、湿疹、剥脱性皮膚炎 |
皮膚炎、そう痒症、水疱性皮膚炎、皮膚刺激 |
紅斑 |
筋・骨格 |
骨痛、関節痛 |
筋肉痛、背部痛 |
|
全身状態 |
発熱 |
粘膜疹、胸痛、倦怠感、腫脹 |
|
血液 |
白血球数増加、ヘモグロビン減少 |
血小板数減少、血小板数増加 |
|
*肝臓 |
AST増加、ALT増加、LDH増加、ALP増加 |
γ-GT(GTP)増加 |
|
脂質代謝 |
TG増加、TC増加 |
||
*その他 |
毛包炎、CRP増加 |
咽頭炎、耳痛、血中尿素減少、血中ナトリウム減少、血中クロール減少、尿蛋白、血中アルブミン減少、アミラーゼ増加、総蛋白増加、尿潜血 |
CPK増加 |
15. その他の注意
15.2 非臨床試験に基づく情報
- 15.2.1 イヌにおいて39週間反復投与試験で0.08mg/kg/day以上の投与群に角膜混濁及び角膜びらんが報告されている3) ので、これらに基づく視覚障害が認められた場合には、休薬等の適切な処置を行うこと。
- 15.2.2 イヌにおいて消化管からの出血が報告されている2) ,10) ことから、消化器障害が疑われる場合には便の性状に注意し、必要に応じて潜血反応等の検査を行うこと。
- 15.2.3 イヌにおいて胸骨及び大腿骨骨幹部に骨梁の菲薄化が報告されている3) 。骨折を起こす可能性があるので観察を十分に行うこと。
- 15.2.4 イヌにおいて皮下投与したとき10mg/kg以上の投与群の心電図にP波の振幅縮小やR波の振幅拡大を発現させることが報告されている11) 。また、イヌにおいて4週間反復投与試験で0.27mg/kg/dayの投与群の心電図にS波の増高を発現させ、0.08mg/kg/day以上の投与群に血栓形成及び弁膜血液嚢腫等を発現させることが報告されている2) 。
- 15.2.5 ラットにおいて子宮頸部粘膜上皮及び膣粘膜上皮の角化不全並びに黄体数の減少が報告されている4) ,5) ,12) 。
- 15.2.6 ラット及びイヌにおいて血球中に移行した本剤の消失は、血漿中の消失より緩慢であることが報告されている13) ,14) 。
1. 警告
- 1.1 本剤による治療は危険性を伴うため、投与期間中は入院又はそれに準ずる管理のもとで適切な処置を行うこと。また、緊急時に十分対応できる医療施設において、白血病[特に急性前骨髄球性白血病(APL)]のがん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本療法が適切と判断される症例についてのみ実施すること。治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得てから投与すること。
- 1.2 本剤は分化症候群が発現し、致死的な転帰をたどることがあるので、十分な経過観察を行うこと。このような症状があらわれた場合には休薬し、副腎皮質ホルモン剤のパルス療法等の適切な措置を行うこと。[11.1.1 参照]
- 1.3 本剤には催奇形性があるので、妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。また、妊娠する可能性のある女性には投与しないことを原則とするが、やむを得ず投与する場合には使用上の注意を厳守すること。[2.1 参照],[8.1 参照],[9.4.1 参照],[9.5 参照]
4. 効能又は効果
再発又は難治性の急性前骨髄球性白血病
5. 効能又は効果に関連する注意
- 5.1 染色体検査[t(15;17)転座]又は遺伝子検査(PML-RARA遺伝子)によりAPLと診断された患者に投与すること。
- 5.2 初発例のAPL患者での本剤の有効性・安全性は確立していない。[17.1.1 参照]
- 5.3 本剤により完全寛解を得た後に再発したAPLに対して、本剤の有効性・安全性は確立していない。
6. 用法及び用量
寛解導入療法:1日6mg/m2を2回にわけて朝、夕食後経口投与し、骨髄寛解が得られるまで投与する。投与期間は本剤の投与開始日から8週間を越えないこと。
8. 重要な基本的注意
- 8.1 本剤には催奇形性があり、副作用の発現頻度が高いので、使用上の注意を厳守し、患者又はそれに代わり得る適切な者に副作用についてよく説明した上で投与すること。[1.3 参照],[9.4.1 参照]
- 8.2 末梢血中の「芽球及び前骨髄球」の和が1,000/mm3を超える場合には、化学療法により「芽球及び前骨髄球」の和を1,000/mm3以下にしてから本剤を投与すること。
- 8.3 APLに併発する播種性血管内凝固(DIC)では、致命的な出血傾向(脳出血、肺出血等)が報告されている。本剤投与中にこのような症状があらわれた場合には、出血傾向に対する適切な処置を行うこと。
- 8.4 脂質代謝異常が引き起こされることがあるので、定期的に血中の総コレステロール及びトリグリセリドの検査を行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。[9.1.1 参照]
- 8.5 肝機能異常が引き起こされることがあるので、定期的に肝機能検査を行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。[9.3 参照]
- 8.6 本剤投与中に関節痛・骨痛の症状があらわれることがあるので、観察を十分に行うこと。[9.1.3 参照]
- 8.7 間質性肺疾患があらわれることがあるので、胸部X線検査等を行うなど観察を十分に行うこと。[11.1.4 参照]
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1 脂質異常症の素因がある患者[8.4 参照]
-
9.1.2 無酸症等著しい低胃酸状態が持続している患者
本剤は中性付近において溶解度、溶出性等が増加する性質をもつため、本剤の吸収が増加し、作用が増強されるおそれがある。また、類薬(エトレチナート)で牛乳又は高脂肪食と服用すると吸収が増加することが報告されている。 -
9.1.3 25歳以下の患者
骨の成長が終了していない可能性があるので、治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合にのみ観察及び定期的な検査を十分に行いながら慎重に投与すること。ラット、イヌを用いた動物実験で過骨症及び骨端の早期閉鎖を起こすことが報告されている1) ,2) 。[8.6 参照]
9.2 腎機能障害患者
類薬(トレチノイン)で重篤な腎障害を起こすおそれがあることが報告されている。
9.3 肝機能障害患者
類薬(エトレチナート)で肝障害が悪化するおそれがあることが報告されている。[8.5 参照]
9.4 生殖能を有する者
- 9.4.1 妊娠する可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。疾患の重症度及び治療の緊急性を考慮した上で、患者には胎児への毒性の可能性及び次の注意事項についてよく説明し理解させた後、投与すること。[1.3 参照],[8.1 参照],[9.5 参照]
- 9.4.2 男性に投与する場合には、投与中及び投与終了後6カ月間は避妊させること。ラット、イヌを用いた動物実験で、精子形成能に異常を起こすことが報告されている。
- 9.4.3 男性に投与する場合には、不妊など性腺に対する影響を考慮すること。ラット及びイヌにおいて、精巣毒性の所見が報告されており2) ,3) ,4) ,5) 、これらの所見は臨床投与条件下におけるAUCと同程度で認められている。
9.5 妊婦
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)で、乳汁中への移行が認められている9) 。
9.8 高齢者
用量に留意して定期的に血漿アルブミン検査を行い、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。血漿アルブミンが減少していることが多く、本剤は血漿蛋白との結合性が強いため、血漿アルブミンが減少していると遊離の薬物血漿中濃度が高くなるおそれがある。また、生理機能が低下していることが多く、副作用があらわれやすい。
10. 相互作用
- 本剤は薬物代謝酵素チトクロームP450(CYP3A4)により代謝されることが示されている。[16.4 参照]
10.1 併用禁忌(併用しないこと)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
ビタミンA製剤(チョコラA等)[2.3 参照] |
ビタミンA過剰症と類似した副作用症状を起こすおそれがある。 |
本剤はビタミンAと同じレチノイドである。 |
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
本剤の血中濃度が低下し、作用が減弱するおそれがある。 |
本剤の代謝には主にCYP3A4が関与しているため、本剤の代謝が亢進し血中濃度が低下する可能性がある。 |
|
本剤の血中濃度が増加し、副作用の発現頻度及び重症度が増加するおそれがある。 |
本剤の代謝には主にCYP3A4が関与しているため、本剤の代謝が阻害され血中濃度が増加する可能性がある。 |
|
本剤の吸収が増加するおそれがある。 |
これらの薬剤により胃内のpHが上昇し、本剤の溶解度が上昇し、吸収が増加する可能性がある。 |
|
フェニトイン |
フェニトインの血中濃度が上昇し、フェニトインの作用が増強するおそれがある。 |
類薬(エトレチナート)でフェニトインとの併用により、フェニトインの蛋白結合能を低下させるとの報告がある。 |
類薬(トレチノイン)において、これらの薬剤を併用した患者で血栓症を発現し、重大な転帰をたどったとの報告があるので、併用に際しては慎重に行うこと。 |
類薬(トレチノイン)投与により、凝固線溶系のバランスが変化するためと考えられている。 |
11. 副作用
11.1 重大な副作用
-
11.1.1 分化症候群(5%以上)
発熱、呼吸困難、胸水貯留、肺浸潤、間質性肺疾患、肺うっ血、心嚢液貯留、低酸素症、低血圧、肝不全、腎機能不全、多臓器不全等が発現し、重篤な転帰をたどることがあるので、このような症状が認められた場合には、本剤を中止し、副腎皮質ホルモン剤のパルス療法等の適切な処置を行うこと。[1.2 参照] -
11.1.2 感染症(5%以上)
肺炎、敗血症等があらわれることがある。 -
11.1.3 白血球増加症(5%以上)
末梢白血球数が30,000/mm3を超えた場合には、休薬等の適切な処置を行うこと。 -
11.1.4 間質性肺疾患(5%未満)
異常が認められた場合には、投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。[8.7 参照] - 11.1.5 縦隔炎(5%未満)
-
11.1.6 横紋筋融解症(5%未満)
フィブラート系薬剤を服用している脂質代謝異常の患者に本剤を投与し、本剤との因果関係が否定できない横紋筋融解症が発現し、死亡した症例が報告されている。 -
11.1.7 血栓症(頻度不明)
脳梗塞、肺梗塞、その他の動脈又は静脈血栓症等があらわれることがある。
11.2 その他の副作用
5%以上 |
5%未満 |
頻度不明 |
|
|---|---|---|---|
*精神神経系 |
頭痛 |
感覚減退、嗅覚錯誤 |
|
呼吸器 |
呼吸困難、喀血、しゃっくり、低酸素症 |
||
胃腸障害 |
口内乾燥、口内炎、悪心、嘔吐、下痢、腹痛、消化不良、便秘、痔核 |
||
皮膚 |
発疹、皮膚乾燥、湿疹、剥脱性皮膚炎 |
皮膚炎、そう痒症、水疱性皮膚炎、皮膚刺激 |
紅斑 |
筋・骨格 |
骨痛、関節痛 |
筋肉痛、背部痛 |
|
全身状態 |
発熱 |
粘膜疹、胸痛、倦怠感、腫脹 |
|
血液 |
白血球数増加、ヘモグロビン減少 |
血小板数減少、血小板数増加 |
|
*肝臓 |
AST増加、ALT増加、LDH増加、ALP増加 |
γ-GT(GTP)増加 |
|
脂質代謝 |
TG増加、TC増加 |
||
*その他 |
毛包炎、CRP増加 |
咽頭炎、耳痛、血中尿素減少、血中ナトリウム減少、血中クロール減少、尿蛋白、血中アルブミン減少、アミラーゼ増加、総蛋白増加、尿潜血 |
CPK増加 |
15. その他の注意
15.2 非臨床試験に基づく情報
- 15.2.1 イヌにおいて39週間反復投与試験で0.08mg/kg/day以上の投与群に角膜混濁及び角膜びらんが報告されている3) ので、これらに基づく視覚障害が認められた場合には、休薬等の適切な処置を行うこと。
- 15.2.2 イヌにおいて消化管からの出血が報告されている2) ,10) ことから、消化器障害が疑われる場合には便の性状に注意し、必要に応じて潜血反応等の検査を行うこと。
- 15.2.3 イヌにおいて胸骨及び大腿骨骨幹部に骨梁の菲薄化が報告されている3) 。骨折を起こす可能性があるので観察を十分に行うこと。
- 15.2.4 イヌにおいて皮下投与したとき10mg/kg以上の投与群の心電図にP波の振幅縮小やR波の振幅拡大を発現させることが報告されている11) 。また、イヌにおいて4週間反復投与試験で0.27mg/kg/dayの投与群の心電図にS波の増高を発現させ、0.08mg/kg/day以上の投与群に血栓形成及び弁膜血液嚢腫等を発現させることが報告されている2) 。
- 15.2.5 ラットにおいて子宮頸部粘膜上皮及び膣粘膜上皮の角化不全並びに黄体数の減少が報告されている4) ,5) ,12) 。
- 15.2.6 ラット及びイヌにおいて血球中に移行した本剤の消失は、血漿中の消失より緩慢であることが報告されている13) ,14) 。
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