薬効分類名抗悪性腫瘍剤(チロシンキナーゼインヒビター)
一般的名称イマチニブメシル酸塩
イマチニブ錠100mg「ヤクルト」、イマチニブ錠200mg「ヤクルト」
いまちにぶじょう100mg「やくると」、いまちにぶじょう200mg「やくると」
Imatinib Tablets 100mg「Yakult」, Imatinib Tablets 200mg「Yakult」
製造販売元/高田製薬株式会社
重大な副作用
その他の副作用
併用注意
L-アスパラギナーゼ
本剤との併用により肝障害の発現率が上昇したとの報告がある。
機序は不明であるが、共に肝障害の副作用を有する。
アゾール系抗真菌剤
エリスロマイシン
クラリスロマイシン
本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。本剤とアゾール系抗真菌剤(ケトコナゾール)の併用により、本剤のCmax及びAUCはそれぞれ26%及び40%増加した。
これらの薬剤はCYP3A4活性を阻害することにより、本剤の代謝を阻害し、血中濃度を上昇させる可能性がある。
フェニトイン
デキサメタゾン
カルバマゼピン
リファンピシン
フェノバルビタール
セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort, セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
本剤の血中濃度が低下する可能性がある。フェニトインを長期投与中の患者に本剤を投与した場合、フェニトインを服用していない患者と比べ本剤のAUCは約5分の1であった。リファンピシン投与中に本剤を併用投与した場合、単独投与時に比べ、本剤のCmax、AUCがそれぞれ54%及び74%低下した。
これらの薬剤等はCYP3A4を誘導することにより、本剤の代謝を促進し、血中濃度を低下させる可能性がある。
シンバスタチン
シクロスポリン
ピモジド
トリアゾラム
ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗剤
これらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。
本剤とシンバスタチンの併用により、シンバスタチンのCmax及びAUCは平均でそれぞれ2及び3倍の増加を示した。また、この相互作用には大きな個体差がみられ、Cmax及びAUCにおける比(併用/単独)の個別値はそれぞれ0.54~17.6及び0.75~15.7(最小値~最大値)の範囲であった。
本剤のCYP3A4阻害作用によりCYP3A4基質薬物の代謝を阻害し、血中濃度を上昇させる可能性がある。
ニロチニブ
本剤及びニロチニブの血中濃度が上昇することがある。
本剤とニロチニブの併用により、本剤のAUCは18~39%、ニロチニブのAUCは18~40%上昇したとの報告がある。
ニロチニブがCYP3A4及びP糖蛋白の活性を阻害して本剤の血中濃度を上昇させる可能性がある。また、本剤がCYP3A4及びP糖蛋白の活性を阻害してニロチニブの血中濃度を上昇させる可能性もある。
ワルファリン
本剤との併用によりプロトロンビン比が顕著に上昇したとの報告がある。抗凝固剤の投与が必要とされる場合は、ヘパリンの投与が望ましい。
本剤のCYP2C9阻害作用によりワルファリンの代謝を阻害し、血中濃度を上昇させる可能性がある。
アセトアミノフェン
本剤と高用量のアセトアミノフェン(3~3.5g/日)との併用により重篤な肝障害が発現したとの報告がある。
機序は不明であるが、両薬剤による肝毒性が増強される可能性がある。
グレープフルーツジュース
本剤の血中濃度が上昇することがある。本剤服用中は飲食を避けること。
発現機序の詳細は不明であるが、グレープフルーツジュースに含まれる成分がCYP3A4を阻害することにより、本剤の代謝を阻害し、血中濃度を上昇させる可能性がある。
1. 警告
本剤の投与は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本療法が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得てから投与を開始すること。
6. 用法及び用量
-
〈慢性骨髄性白血病〉
慢性期:通常、成人にはイマチニブとして1日1回400mgを食後に経口投与する。なお、血液所見、年齢・症状により適宜増減するが、1日1回600mgまで増量できる。
移行期又は急性期:通常、成人にはイマチニブとして1日1回600mgを食後に経口投与する。なお、血液所見、年齢・症状により適宜増減するが、1日800mg(400mgを1日2回)まで増量できる。 -
〈KIT(CD117)陽性消化管間質腫瘍〉
通常、成人にはイマチニブとして1日1回400mgを食後に経口投与する。なお、年齢・症状により適宜減量する。
-
〈フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病〉
通常、成人にはイマチニブとして1日1回600mgを食後に経口投与する。なお、血液所見、年齢・症状により適宜減量する。
-
〈FIP1L1-PDGFRα陽性の好酸球増多症候群又は慢性好酸球性白血病〉
通常、成人にはイマチニブとして1日1回100mgを食後に経口投与する。なお、患者の状態により、適宜増減するが、1日1回400mgまで増量できる。
7. 用法及び用量に関連する注意
-
〈効能共通〉
- 7.1 消化管刺激作用を最低限に抑えるため、本剤は食後に多めの水で服用すること。
-
7.2 肝機能検査と用量調節
肝機能検査値(ビリルビン、AST、ALT)の上昇が認められた場合は次表を参考に投与量を調節すること。[8.2 参照],[9.3 参照],[11.1.5 参照]
ビリルビン値/AST、ALT値
投与量調節
慢性骨髄性白血病(CML)、消化管間質腫瘍(GIST)、フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病(Ph+ALL)、好酸球増多症候群(HES)又は慢性好酸球性白血病(CEL)
ビリルビン値>施設正常値上限の3倍
又は
AST、ALT値>施設正常値上限の5倍1.ビリルビン値が1.5倍未満に、AST、ALT値が2.5倍未満に低下するまで本剤を休薬する。
2.本剤を減量して治療を再開する。 -
7.3 血液検査と用量調節
好中球減少、血小板減少が認められた場合は次表を参考に投与量を調節すること。[8.4 参照],[11.1.1 参照]
好中球数/血小板数
投与量調節
HES又はCEL(初回用量100mg/日)
好中球数<1,000/mm3
又は
血小板数<50,000/mm31.好中球数1,500/mm3以上及び血小板数75,000/mm3以上に回復するまで休薬する。
2.休薬前(重度の副作用の発現前)と同用量で治療を再開する。慢性期CML、GIST(初回用量400mg/日)、HES又はCEL(用量400mg/日)
好中球数<1,000/mm3
又は
血小板数<50,000/mm31.好中球数1,500/mm3以上及び血小板数75,000/mm3以上に回復するまで休薬する。
2.400mg/日で治療を再開する。
3.再び好中球数が1,000/mm3を下回るか、又は血小板数が50,000/mm3を下回った場合は、1へ戻り、300mg/日で治療を再開する。移行期CML、急性期CML又はPh+ALL(初回用量600mg/日)
注1) 好中球数<500/mm3
又は
血小板数<10,000/mm31.血球減少が白血病に関連しているか否かを確認(骨髄穿刺)する。
2.白血病に関連しない場合は400mg/日に減量する。
3.血球減少が2週間続く場合は更に300mg/日に減量する。
4.白血病に関連しない血球減少が4週間続く場合は好中球数が1,000/mm3以上、及び血小板数が20,000/mm3以上に回復するまで休薬し、その後300mg/日で治療を再開する。注1) 原則として、少なくとも1ヵ月治療を継続後(患者の全身状態に十分注意すること)
- 〈慢性骨髄性白血病〉
8. 重要な基本的注意
-
〈効能共通〉
- 8.1 重篤な体液貯留があらわれることがあるので、体重を定期的に測定するなど観察を十分に行うこと。[11.1.6 参照]
- 8.2 重篤な肝機能障害があらわれることがあるので、投与開始前と投与後は1ヵ月毎、あるいは患者の状態に応じて肝機能検査(ビリルビン、AST、ALT及びALP等)を行うこと。[7.2 参照],[9.3 参照],[11.1.5 参照]
- 8.3 Bcr-Ablチロシンキナーゼ阻害剤の投与によりB型肝炎ウイルスの再活性化があらわれることがあるので、本剤投与に先立って肝炎ウイルス感染の有無を確認し、本剤投与前に適切な処置を行うこと。[9.1.2 参照],[11.1.7 参照]
- 8.4 骨髄抑制があらわれることがあるので、定期的に血液検査(血球数算定、白血球分画等)を行うこと。血液検査は投与開始前と投与後の1ヵ月間は毎週、2ヵ月目は隔週、また、その後は2~3ヵ月毎に行うこと。これらの血球減少は疾患の病期にも依存し、慢性期慢性骨髄性白血病に比べて移行期慢性骨髄性白血病や急性期慢性骨髄性白血病の患者での頻度が高い。[7.3 参照],[11.1.1 参照]
- 8.5 脳出血、硬膜下出血、消化管出血、胃前庭部毛細血管拡張症があらわれることがあるので、定期的に血液検査を実施するなど観察を十分に行うこと。[11.1.2 参照],[11.1.3 参照]
- 8.6 感染症があらわれることがあるので、定期的に血液検査を実施し、観察を十分に行うこと。[11.1.7 参照]
- 8.7 重篤な腎障害があらわれることがあるので、定期的に腎機能検査(血清クレアチニン、BUN等)を実施すること。[11.1.8 参照]
- 8.8 腫瘍崩壊症候群があらわれることがあるので、血清中電解質濃度及び腎機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。[11.1.18 参照]
- 8.9 めまい、眠気、霧視等があらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。
- 〈慢性骨髄性白血病、KIT(CD117)陽性消化管間質腫瘍、FIP1L1-PDGFRα陽性の好酸球増多症候群又は慢性好酸球性白血病〉
-
〈KIT(CD117)陽性消化管間質腫瘍〉
- 8.11 腫瘍の急激な壊死・縮小をきたし腫瘍出血、消化管穿孔等があらわれることがあるので、定期的に血液検査等を実施し、初期症状としての下血、吐血、貧血、腹痛、腹部膨満感等の観察を十分に行うこと。[11.1.4 参照]
- 〈フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病〉
- 〈FIP1L1-PDGFRα陽性の好酸球増多症候群又は慢性好酸球性白血病〉
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
-
9.1.1 心疾患又はその既往歴のある患者
症状が悪化するおそれがある。また、心合併症を有する好酸球増多症候群患者において、心原性ショック及び左室機能不全が発現したことが報告されている。
-
9.1.2 B型肝炎ウイルスキャリアの患者又は既往感染者(HBs抗原陰性、かつHBc抗体又はHBs抗体陽性)
本剤の投与開始後は継続して肝機能検査や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること。Bcr-Ablチロシンキナーゼ阻害剤の投与によりB型肝炎ウイルスの再活性化があらわれることがある。[8.3 参照],[11.1.7 参照]
9.3 肝機能障害患者
代謝機能が低下しているため、本剤の体内濃度が上昇する可能性がある。また、肝障害が悪化するおそれがある。[7.2 参照],[8.2 参照],[11.1.5 参照]
9.4 生殖能を有する者
妊娠可能な女性に対しては、投与中及び投与終了後一定期間は避妊するよう指導すること。[9.5 参照]
9.5 妊婦
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。ヒトでイマチニブ及びその活性代謝物が乳汁中に移行するとの報告がある。
9.7 小児等
小児等を対象にした臨床試験は実施していない。小児に投与した場合、成長遅延が報告されている。
9.8 高齢者
減量するなど注意すること。一般に高齢者では生理機能が低下している。外国臨床試験では、軽度、中等度の表在性浮腫の発現頻度は65歳以上の高齢者で若年者より高いとの成績が報告されている。
10. 相互作用
10.1 併用禁忌(併用しないこと)
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
L-アスパラギナーゼ |
本剤との併用により肝障害の発現率が上昇したとの報告がある。 |
機序は不明であるが、共に肝障害の副作用を有する。 |
アゾール系抗真菌剤 エリスロマイシン クラリスロマイシン |
本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。本剤とアゾール系抗真菌剤(ケトコナゾール)の併用により、本剤のCmax及びAUCはそれぞれ26%及び40%増加した。 |
これらの薬剤はCYP3A4活性を阻害することにより、本剤の代謝を阻害し、血中濃度を上昇させる可能性がある。 |
フェニトイン デキサメタゾン カルバマゼピン リファンピシン フェノバルビタール セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort, セント・ジョーンズ・ワート)含有食品 |
本剤の血中濃度が低下する可能性がある。フェニトインを長期投与中の患者に本剤を投与した場合、フェニトインを服用していない患者と比べ本剤のAUCは約5分の1であった。リファンピシン投与中に本剤を併用投与した場合、単独投与時に比べ、本剤のCmax、AUCがそれぞれ54%及び74%低下した。 |
これらの薬剤等はCYP3A4を誘導することにより、本剤の代謝を促進し、血中濃度を低下させる可能性がある。 |
シンバスタチン シクロスポリン ピモジド トリアゾラム ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗剤 |
これらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。 |
本剤のCYP3A4阻害作用によりCYP3A4基質薬物の代謝を阻害し、血中濃度を上昇させる可能性がある。 |
ニロチニブ |
本剤及びニロチニブの血中濃度が上昇することがある。 |
ニロチニブがCYP3A4及びP糖蛋白の活性を阻害して本剤の血中濃度を上昇させる可能性がある。また、本剤がCYP3A4及びP糖蛋白の活性を阻害してニロチニブの血中濃度を上昇させる可能性もある。 |
ワルファリン |
本剤との併用によりプロトロンビン比が顕著に上昇したとの報告がある。抗凝固剤の投与が必要とされる場合は、ヘパリンの投与が望ましい。 |
本剤のCYP2C9阻害作用によりワルファリンの代謝を阻害し、血中濃度を上昇させる可能性がある。 |
アセトアミノフェン |
本剤と高用量のアセトアミノフェン(3~3.5g/日)との併用により重篤な肝障害が発現したとの報告がある。 |
機序は不明であるが、両薬剤による肝毒性が増強される可能性がある。 |
グレープフルーツジュース |
本剤の血中濃度が上昇することがある。本剤服用中は飲食を避けること。 |
発現機序の詳細は不明であるが、グレープフルーツジュースに含まれる成分がCYP3A4を阻害することにより、本剤の代謝を阻害し、血中濃度を上昇させる可能性がある。 |
11. 副作用
11.1 重大な副作用
-
11.1.1 骨髄抑制
汎血球減少(1%未満)、白血球減少(35%未満)、好中球減少(25%未満)、血小板減少、貧血(各30%未満)があらわれることがある。[7.3 参照],[8.4 参照]
- 11.1.2 出血(脳出血、硬膜下出血)(いずれも頻度不明)
-
11.1.3 消化管出血(1%未満)、胃前庭部毛細血管拡張症(Gastric antral vascular ectasia:GAVE)(頻度不明)
胃前庭部毛細血管拡張症による消化管出血では、明らかな下血や吐血等を認めずに、貧血が進行する場合もあるため留意すること。[8.5 参照]
-
11.1.4 消化管穿孔、腫瘍出血(各1%未満)
特に、消化管間質腫瘍の患者では、腫瘍の急激な壊死・縮小をきたし腫瘍出血、消化管穿孔、腹膜炎等があらわれることがある。下血、吐血、貧血、腹痛、腹部膨満感、嘔気、嘔吐等の初期症状に注意するなど観察を十分に行うこと。異常が認められた場合には、直ちに腹部CT検査等を実施して出血部位、穿孔所見の有無の確認を行うこと。[8.11 参照]
-
11.1.5 肝機能障害(10%未満)、黄疸(1%未満)、肝不全(頻度不明)
AST、ALT、ALP、ビリルビン上昇を伴う肝機能障害、黄疸、肝不全があらわれることがある。[7.2 参照],[8.2 参照],[9.3 参照]
-
11.1.6 重篤な体液貯留(胸水、腹水:各5%未満、肺水腫、心膜滲出液、うっ血性心不全:各1%未満、心タンポナーデ:頻度不明)
急激な体重の増加、呼吸困難等の異常が認められた場合には投与を中止し、利尿剤を投与するなど、適切な処置を行うこと。[8.1 参照]
-
11.1.7 感染症
肺炎(5%未満)、敗血症(1%未満)等の感染症があらわれることがある。また、B型肝炎ウイルスの再活性化があらわれることがある。[8.3 参照],[8.6 参照],[9.1.2 参照]
-
11.1.8 重篤な腎障害(5%未満)
急性腎障害等の重篤な腎障害があらわれることがある。[8.7 参照]
- 11.1.9 間質性肺炎(5%未満)、肺線維症(頻度不明)
-
11.1.10 重篤な皮膚症状
中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(いずれも頻度不明)、多形紅斑、剥脱性皮膚炎(各1%未満)等の重篤な皮膚症状があらわれることがある。
-
11.1.11 *天疱瘡(頻度不明)
水疱、びらん、痂皮等が認められた場合には、皮膚科医と相談すること。
- 11.1.12 ショック、アナフィラキシー(1%未満)
-
11.1.13 心膜炎(頻度不明)
胸痛等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 11.1.14 脳浮腫、頭蓋内圧上昇(いずれも頻度不明)
-
11.1.15 麻痺性イレウス(頻度不明)
嘔気、嘔吐、腹痛、便秘等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
-
11.1.16 血栓症、塞栓症(いずれも頻度不明)
深部静脈血栓症、肺塞栓症等があらわれることがある。息切れ、胸痛、四肢の疼痛、浮腫等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
-
11.1.17 横紋筋融解症(頻度不明)
筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがある。
-
11.1.18 腫瘍崩壊症候群(頻度不明)
異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置(生理食塩液、高尿酸血症治療剤等の投与、透析等)を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること。[8.8 参照]
-
11.1.19 肺高血圧症(頻度不明)
呼吸困難、胸痛等の症状があらわれた場合には投与を中止するとともに、他の病因(胸水、肺水腫等)との鑑別診断を実施した上で、適切な処置を行うこと。
-
11.1.20 血栓性微小血管症(頻度不明)
破砕赤血球を伴う貧血、血小板減少、腎機能障害等が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
注)発現頻度は使用成績調査を含む
11.2 その他の副作用
5%以上 |
1~5%未満 |
1%未満 |
頻度不明 |
|
|---|---|---|---|---|
*皮膚 |
発疹 |
紅斑、脱毛、湿疹、そう痒 |
角化症、頭皮痛、疣贅、口唇炎、口唇ヘルペス、蕁麻疹、帯状疱疹、爪の障害、色素沈着障害、皮膚乾燥、紫斑、皮膚色素脱失、光線過敏性反応、脂肪織炎 |
挫創、乾癬悪化、水疱性皮疹、血管浮腫、好中球浸潤・有痛性紅斑・発熱を伴う皮膚障害(Sweet病)、苔癬様角化症、扁平苔癬、点状出血、斑状出血、手足症候群、偽性ポルフィリン症 |
精神神経系 |
- |
頭痛 |
感覚減退、錯感覚、めまい、回転性めまい、末梢神経障害、うつ病、不安、片頭痛、記憶障害、不眠、頭重感、傾眠 |
リビドー減退、錯乱、痙攣発作、失神 |
眼 |
- |
流涙増加 |
眼のそう痒感、結膜炎、結膜下出血、霧視、眼充血 |
網膜出血、眼刺激、眼乾燥、黄斑浮腫、乳頭浮腫、緑内障、硝子体出血 |
*筋・骨格系 |
筋痙攣 |
関節痛、筋肉痛 |
骨痛、関節・筋のこわばり、筋痙直、腰痛、関節腫脹、筋力低下 |
坐骨神経痛、関節炎、投与中止に伴う筋骨格系疼痛、骨壊死 |
消化器 |
嘔気、嘔吐、下痢、食欲不振 |
心窩部痛、腹部膨満、腹部不快感、腹痛、鼓腸放屁、味覚異常、口内炎 |
口渇、膵炎、消化管潰瘍、口腔アフタ、歯周炎、胃炎、血便、便秘、消化不良、胸やけ |
逆流性食道炎、大腸炎、おくび、胃腸炎、食欲亢進、憩室炎、嚥下障害 |
肝臓 |
LDH、AST、ALT、ALP上昇 |
総ビリルビン上昇 |
- |
LDH低下 |
呼吸器 |
- |
- |
咳嗽、急性上気道炎、鼻・咽頭炎、呼吸困難、咽喉頭痛、鼻出血 |
- |
血液 |
リンパ球減少症、好酸球増多症 |
白血球増多 |
血小板増多 |
- |
血管障害 |
- |
- |
血腫、舌血腫、潮紅、血圧上昇、血圧低下 |
末梢冷感 |
腎臓 |
- |
BUN上昇、血清クレアチニン上昇 |
尿潜血、尿蛋白 |
腎臓痛、頻尿、尿沈渣異常、尿中ウロビリノーゲン増加 |
浮腫 |
表在性浮腫(眼窩周囲浮腫、顔面浮腫、眼瞼浮腫等)、下肢浮腫 |
全身浮腫 |
男性性器浮腫 |
- |
生殖器 |
- |
- |
女性化乳房、月経過多 |
乳房腫大、乳頭痛、性的不能 |
臨床検査 |
血清カリウム低下、血清リン低下、血清アルブミン低下 |
血清カリウム上昇、血清ナトリウム低下、血清カルシウム低下、尿酸値上昇又は低下、血糖値上昇、CK上昇 |
フィブリノーゲン減少、CRP上昇、プロトロンビン時間の延長、血糖値低下、血清総蛋白低下、血中アミラーゼ上昇 |
ACTH上昇、TSH上昇、血清リン上昇、血清総蛋白上昇、プロトロンビン時間の短縮、 APTTの延長、フィブリノーゲン増加、FDP上昇、低マグネシウム血症 |
その他 |
けん怠感 |
発熱、疲労感、体重増加 |
発汗、体重減少、脱水、耳鳴、疼痛、脱力(感)、難聴、胸痛、動悸 |
頻脈、痛風、悪寒、寝汗 |
15. その他の注意
15.2 非臨床試験に基づく情報
- 15.2.1 過量投与に関して、ラットを用いた2週間反復経口投与試験では、臨床用量800mgの約2.5倍(体表面積換算)に相当する1,200mg/m2/日(200mg/kg/日)の14日間投与により、死亡は認められていない。約7.5倍の用量である3,600mg/m2/日(600mg/kg/日)では、投与7~10日に一般状態の悪化及び死亡が認められ、病理組織学的検査において広範な組織に変性病変が観察されている。
- 15.2.2 ラットを用いた2週間反復経口投与試験の200mg/kg/日以上の群及びイヌを用いた2週間反復経口投与試験の30mg/kg/日以上の群で、胸腺・リンパ節等のリンパ系組織において萎縮、リンパ球崩壊もしくはリンパ球枯渇がみられ、サルを用いた39週間反復経口投与試験の15mg/kg/日以上の群でマラリア感染の悪化が認められたとの報告がある。
- 15.2.3 イヌを用いた13週間反復経口投与試験の30mg/kg/日以上の群で精子形成の低下がみられ、ラットを用いた受胎能及び初期胚発生への影響に関する試験では、交配前70日間の投与により60mg/kg/日群において、精巣重量、精巣上体重量及び運動精子率の低下が認められたとの報告がある。
- 15.2.4 ラットを用いた2年間のがん原性試験で、腎臓の腺腫/腺癌・尿路(腎盂、膀胱及び尿道)の乳頭腫・小腸の腺癌・上皮小体の腺腫・副腎の良性及び悪性の髄質腫瘍・前胃の乳頭腫/扁平上皮癌・陰核腺の乳頭腫・包皮腺の扁平上皮癌(60mg/kg/日投与)、包皮腺の乳頭腫(30及び60mg/kg/日投与)の発現頻度の増加がみられたとの報告がある。また、非腫瘍性病変として、心臓の肥大及び拡張の発現頻度の増加がみられたとの報告がある。
1. 警告
本剤の投与は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本療法が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得てから投与を開始すること。
6. 用法及び用量
-
〈慢性骨髄性白血病〉
慢性期:通常、成人にはイマチニブとして1日1回400mgを食後に経口投与する。なお、血液所見、年齢・症状により適宜増減するが、1日1回600mgまで増量できる。
移行期又は急性期:通常、成人にはイマチニブとして1日1回600mgを食後に経口投与する。なお、血液所見、年齢・症状により適宜増減するが、1日800mg(400mgを1日2回)まで増量できる。 -
〈KIT(CD117)陽性消化管間質腫瘍〉
通常、成人にはイマチニブとして1日1回400mgを食後に経口投与する。なお、年齢・症状により適宜減量する。
-
〈フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病〉
通常、成人にはイマチニブとして1日1回600mgを食後に経口投与する。なお、血液所見、年齢・症状により適宜減量する。
-
〈FIP1L1-PDGFRα陽性の好酸球増多症候群又は慢性好酸球性白血病〉
通常、成人にはイマチニブとして1日1回100mgを食後に経口投与する。なお、患者の状態により、適宜増減するが、1日1回400mgまで増量できる。
7. 用法及び用量に関連する注意
-
〈効能共通〉
- 7.1 消化管刺激作用を最低限に抑えるため、本剤は食後に多めの水で服用すること。
-
7.2 肝機能検査と用量調節
肝機能検査値(ビリルビン、AST、ALT)の上昇が認められた場合は次表を参考に投与量を調節すること。[8.2 参照],[9.3 参照],[11.1.5 参照]
ビリルビン値/AST、ALT値
投与量調節
慢性骨髄性白血病(CML)、消化管間質腫瘍(GIST)、フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病(Ph+ALL)、好酸球増多症候群(HES)又は慢性好酸球性白血病(CEL)
ビリルビン値>施設正常値上限の3倍
又は
AST、ALT値>施設正常値上限の5倍1.ビリルビン値が1.5倍未満に、AST、ALT値が2.5倍未満に低下するまで本剤を休薬する。
2.本剤を減量して治療を再開する。 -
7.3 血液検査と用量調節
好中球減少、血小板減少が認められた場合は次表を参考に投与量を調節すること。[8.4 参照],[11.1.1 参照]
好中球数/血小板数
投与量調節
HES又はCEL(初回用量100mg/日)
好中球数<1,000/mm3
又は
血小板数<50,000/mm31.好中球数1,500/mm3以上及び血小板数75,000/mm3以上に回復するまで休薬する。
2.休薬前(重度の副作用の発現前)と同用量で治療を再開する。慢性期CML、GIST(初回用量400mg/日)、HES又はCEL(用量400mg/日)
好中球数<1,000/mm3
又は
血小板数<50,000/mm31.好中球数1,500/mm3以上及び血小板数75,000/mm3以上に回復するまで休薬する。
2.400mg/日で治療を再開する。
3.再び好中球数が1,000/mm3を下回るか、又は血小板数が50,000/mm3を下回った場合は、1へ戻り、300mg/日で治療を再開する。移行期CML、急性期CML又はPh+ALL(初回用量600mg/日)
注1) 好中球数<500/mm3
又は
血小板数<10,000/mm31.血球減少が白血病に関連しているか否かを確認(骨髄穿刺)する。
2.白血病に関連しない場合は400mg/日に減量する。
3.血球減少が2週間続く場合は更に300mg/日に減量する。
4.白血病に関連しない血球減少が4週間続く場合は好中球数が1,000/mm3以上、及び血小板数が20,000/mm3以上に回復するまで休薬し、その後300mg/日で治療を再開する。注1) 原則として、少なくとも1ヵ月治療を継続後(患者の全身状態に十分注意すること)
- 〈慢性骨髄性白血病〉
8. 重要な基本的注意
-
〈効能共通〉
- 8.1 重篤な体液貯留があらわれることがあるので、体重を定期的に測定するなど観察を十分に行うこと。[11.1.6 参照]
- 8.2 重篤な肝機能障害があらわれることがあるので、投与開始前と投与後は1ヵ月毎、あるいは患者の状態に応じて肝機能検査(ビリルビン、AST、ALT及びALP等)を行うこと。[7.2 参照],[9.3 参照],[11.1.5 参照]
- 8.3 Bcr-Ablチロシンキナーゼ阻害剤の投与によりB型肝炎ウイルスの再活性化があらわれることがあるので、本剤投与に先立って肝炎ウイルス感染の有無を確認し、本剤投与前に適切な処置を行うこと。[9.1.2 参照],[11.1.7 参照]
- 8.4 骨髄抑制があらわれることがあるので、定期的に血液検査(血球数算定、白血球分画等)を行うこと。血液検査は投与開始前と投与後の1ヵ月間は毎週、2ヵ月目は隔週、また、その後は2~3ヵ月毎に行うこと。これらの血球減少は疾患の病期にも依存し、慢性期慢性骨髄性白血病に比べて移行期慢性骨髄性白血病や急性期慢性骨髄性白血病の患者での頻度が高い。[7.3 参照],[11.1.1 参照]
- 8.5 脳出血、硬膜下出血、消化管出血、胃前庭部毛細血管拡張症があらわれることがあるので、定期的に血液検査を実施するなど観察を十分に行うこと。[11.1.2 参照],[11.1.3 参照]
- 8.6 感染症があらわれることがあるので、定期的に血液検査を実施し、観察を十分に行うこと。[11.1.7 参照]
- 8.7 重篤な腎障害があらわれることがあるので、定期的に腎機能検査(血清クレアチニン、BUN等)を実施すること。[11.1.8 参照]
- 8.8 腫瘍崩壊症候群があらわれることがあるので、血清中電解質濃度及び腎機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。[11.1.18 参照]
- 8.9 めまい、眠気、霧視等があらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。
- 〈慢性骨髄性白血病、KIT(CD117)陽性消化管間質腫瘍、FIP1L1-PDGFRα陽性の好酸球増多症候群又は慢性好酸球性白血病〉
-
〈KIT(CD117)陽性消化管間質腫瘍〉
- 8.11 腫瘍の急激な壊死・縮小をきたし腫瘍出血、消化管穿孔等があらわれることがあるので、定期的に血液検査等を実施し、初期症状としての下血、吐血、貧血、腹痛、腹部膨満感等の観察を十分に行うこと。[11.1.4 参照]
- 〈フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病〉
- 〈FIP1L1-PDGFRα陽性の好酸球増多症候群又は慢性好酸球性白血病〉
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
-
9.1.1 心疾患又はその既往歴のある患者
症状が悪化するおそれがある。また、心合併症を有する好酸球増多症候群患者において、心原性ショック及び左室機能不全が発現したことが報告されている。
-
9.1.2 B型肝炎ウイルスキャリアの患者又は既往感染者(HBs抗原陰性、かつHBc抗体又はHBs抗体陽性)
本剤の投与開始後は継続して肝機能検査や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること。Bcr-Ablチロシンキナーゼ阻害剤の投与によりB型肝炎ウイルスの再活性化があらわれることがある。[8.3 参照],[11.1.7 参照]
9.3 肝機能障害患者
代謝機能が低下しているため、本剤の体内濃度が上昇する可能性がある。また、肝障害が悪化するおそれがある。[7.2 参照],[8.2 参照],[11.1.5 参照]
9.4 生殖能を有する者
妊娠可能な女性に対しては、投与中及び投与終了後一定期間は避妊するよう指導すること。[9.5 参照]
9.5 妊婦
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。ヒトでイマチニブ及びその活性代謝物が乳汁中に移行するとの報告がある。
9.7 小児等
小児等を対象にした臨床試験は実施していない。小児に投与した場合、成長遅延が報告されている。
9.8 高齢者
減量するなど注意すること。一般に高齢者では生理機能が低下している。外国臨床試験では、軽度、中等度の表在性浮腫の発現頻度は65歳以上の高齢者で若年者より高いとの成績が報告されている。
10. 相互作用
10.1 併用禁忌(併用しないこと)
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
L-アスパラギナーゼ |
本剤との併用により肝障害の発現率が上昇したとの報告がある。 |
機序は不明であるが、共に肝障害の副作用を有する。 |
アゾール系抗真菌剤 エリスロマイシン クラリスロマイシン |
本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。本剤とアゾール系抗真菌剤(ケトコナゾール)の併用により、本剤のCmax及びAUCはそれぞれ26%及び40%増加した。 |
これらの薬剤はCYP3A4活性を阻害することにより、本剤の代謝を阻害し、血中濃度を上昇させる可能性がある。 |
フェニトイン デキサメタゾン カルバマゼピン リファンピシン フェノバルビタール セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort, セント・ジョーンズ・ワート)含有食品 |
本剤の血中濃度が低下する可能性がある。フェニトインを長期投与中の患者に本剤を投与した場合、フェニトインを服用していない患者と比べ本剤のAUCは約5分の1であった。リファンピシン投与中に本剤を併用投与した場合、単独投与時に比べ、本剤のCmax、AUCがそれぞれ54%及び74%低下した。 |
これらの薬剤等はCYP3A4を誘導することにより、本剤の代謝を促進し、血中濃度を低下させる可能性がある。 |
シンバスタチン シクロスポリン ピモジド トリアゾラム ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗剤 |
これらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。 |
本剤のCYP3A4阻害作用によりCYP3A4基質薬物の代謝を阻害し、血中濃度を上昇させる可能性がある。 |
ニロチニブ |
本剤及びニロチニブの血中濃度が上昇することがある。 |
ニロチニブがCYP3A4及びP糖蛋白の活性を阻害して本剤の血中濃度を上昇させる可能性がある。また、本剤がCYP3A4及びP糖蛋白の活性を阻害してニロチニブの血中濃度を上昇させる可能性もある。 |
ワルファリン |
本剤との併用によりプロトロンビン比が顕著に上昇したとの報告がある。抗凝固剤の投与が必要とされる場合は、ヘパリンの投与が望ましい。 |
本剤のCYP2C9阻害作用によりワルファリンの代謝を阻害し、血中濃度を上昇させる可能性がある。 |
アセトアミノフェン |
本剤と高用量のアセトアミノフェン(3~3.5g/日)との併用により重篤な肝障害が発現したとの報告がある。 |
機序は不明であるが、両薬剤による肝毒性が増強される可能性がある。 |
グレープフルーツジュース |
本剤の血中濃度が上昇することがある。本剤服用中は飲食を避けること。 |
発現機序の詳細は不明であるが、グレープフルーツジュースに含まれる成分がCYP3A4を阻害することにより、本剤の代謝を阻害し、血中濃度を上昇させる可能性がある。 |
11. 副作用
11.1 重大な副作用
-
11.1.1 骨髄抑制
汎血球減少(1%未満)、白血球減少(35%未満)、好中球減少(25%未満)、血小板減少、貧血(各30%未満)があらわれることがある。[7.3 参照],[8.4 参照]
- 11.1.2 出血(脳出血、硬膜下出血)(いずれも頻度不明)
-
11.1.3 消化管出血(1%未満)、胃前庭部毛細血管拡張症(Gastric antral vascular ectasia:GAVE)(頻度不明)
胃前庭部毛細血管拡張症による消化管出血では、明らかな下血や吐血等を認めずに、貧血が進行する場合もあるため留意すること。[8.5 参照]
-
11.1.4 消化管穿孔、腫瘍出血(各1%未満)
特に、消化管間質腫瘍の患者では、腫瘍の急激な壊死・縮小をきたし腫瘍出血、消化管穿孔、腹膜炎等があらわれることがある。下血、吐血、貧血、腹痛、腹部膨満感、嘔気、嘔吐等の初期症状に注意するなど観察を十分に行うこと。異常が認められた場合には、直ちに腹部CT検査等を実施して出血部位、穿孔所見の有無の確認を行うこと。[8.11 参照]
-
11.1.5 肝機能障害(10%未満)、黄疸(1%未満)、肝不全(頻度不明)
AST、ALT、ALP、ビリルビン上昇を伴う肝機能障害、黄疸、肝不全があらわれることがある。[7.2 参照],[8.2 参照],[9.3 参照]
-
11.1.6 重篤な体液貯留(胸水、腹水:各5%未満、肺水腫、心膜滲出液、うっ血性心不全:各1%未満、心タンポナーデ:頻度不明)
急激な体重の増加、呼吸困難等の異常が認められた場合には投与を中止し、利尿剤を投与するなど、適切な処置を行うこと。[8.1 参照]
-
11.1.7 感染症
肺炎(5%未満)、敗血症(1%未満)等の感染症があらわれることがある。また、B型肝炎ウイルスの再活性化があらわれることがある。[8.3 参照],[8.6 参照],[9.1.2 参照]
-
11.1.8 重篤な腎障害(5%未満)
急性腎障害等の重篤な腎障害があらわれることがある。[8.7 参照]
- 11.1.9 間質性肺炎(5%未満)、肺線維症(頻度不明)
-
11.1.10 重篤な皮膚症状
中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(いずれも頻度不明)、多形紅斑、剥脱性皮膚炎(各1%未満)等の重篤な皮膚症状があらわれることがある。
-
11.1.11 *天疱瘡(頻度不明)
水疱、びらん、痂皮等が認められた場合には、皮膚科医と相談すること。
- 11.1.12 ショック、アナフィラキシー(1%未満)
-
11.1.13 心膜炎(頻度不明)
胸痛等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 11.1.14 脳浮腫、頭蓋内圧上昇(いずれも頻度不明)
-
11.1.15 麻痺性イレウス(頻度不明)
嘔気、嘔吐、腹痛、便秘等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
-
11.1.16 血栓症、塞栓症(いずれも頻度不明)
深部静脈血栓症、肺塞栓症等があらわれることがある。息切れ、胸痛、四肢の疼痛、浮腫等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
-
11.1.17 横紋筋融解症(頻度不明)
筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがある。
-
11.1.18 腫瘍崩壊症候群(頻度不明)
異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置(生理食塩液、高尿酸血症治療剤等の投与、透析等)を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること。[8.8 参照]
-
11.1.19 肺高血圧症(頻度不明)
呼吸困難、胸痛等の症状があらわれた場合には投与を中止するとともに、他の病因(胸水、肺水腫等)との鑑別診断を実施した上で、適切な処置を行うこと。
-
11.1.20 血栓性微小血管症(頻度不明)
破砕赤血球を伴う貧血、血小板減少、腎機能障害等が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
注)発現頻度は使用成績調査を含む
11.2 その他の副作用
5%以上 |
1~5%未満 |
1%未満 |
頻度不明 |
|
|---|---|---|---|---|
*皮膚 |
発疹 |
紅斑、脱毛、湿疹、そう痒 |
角化症、頭皮痛、疣贅、口唇炎、口唇ヘルペス、蕁麻疹、帯状疱疹、爪の障害、色素沈着障害、皮膚乾燥、紫斑、皮膚色素脱失、光線過敏性反応、脂肪織炎 |
挫創、乾癬悪化、水疱性皮疹、血管浮腫、好中球浸潤・有痛性紅斑・発熱を伴う皮膚障害(Sweet病)、苔癬様角化症、扁平苔癬、点状出血、斑状出血、手足症候群、偽性ポルフィリン症 |
精神神経系 |
- |
頭痛 |
感覚減退、錯感覚、めまい、回転性めまい、末梢神経障害、うつ病、不安、片頭痛、記憶障害、不眠、頭重感、傾眠 |
リビドー減退、錯乱、痙攣発作、失神 |
眼 |
- |
流涙増加 |
眼のそう痒感、結膜炎、結膜下出血、霧視、眼充血 |
網膜出血、眼刺激、眼乾燥、黄斑浮腫、乳頭浮腫、緑内障、硝子体出血 |
*筋・骨格系 |
筋痙攣 |
関節痛、筋肉痛 |
骨痛、関節・筋のこわばり、筋痙直、腰痛、関節腫脹、筋力低下 |
坐骨神経痛、関節炎、投与中止に伴う筋骨格系疼痛、骨壊死 |
消化器 |
嘔気、嘔吐、下痢、食欲不振 |
心窩部痛、腹部膨満、腹部不快感、腹痛、鼓腸放屁、味覚異常、口内炎 |
口渇、膵炎、消化管潰瘍、口腔アフタ、歯周炎、胃炎、血便、便秘、消化不良、胸やけ |
逆流性食道炎、大腸炎、おくび、胃腸炎、食欲亢進、憩室炎、嚥下障害 |
肝臓 |
LDH、AST、ALT、ALP上昇 |
総ビリルビン上昇 |
- |
LDH低下 |
呼吸器 |
- |
- |
咳嗽、急性上気道炎、鼻・咽頭炎、呼吸困難、咽喉頭痛、鼻出血 |
- |
血液 |
リンパ球減少症、好酸球増多症 |
白血球増多 |
血小板増多 |
- |
血管障害 |
- |
- |
血腫、舌血腫、潮紅、血圧上昇、血圧低下 |
末梢冷感 |
腎臓 |
- |
BUN上昇、血清クレアチニン上昇 |
尿潜血、尿蛋白 |
腎臓痛、頻尿、尿沈渣異常、尿中ウロビリノーゲン増加 |
浮腫 |
表在性浮腫(眼窩周囲浮腫、顔面浮腫、眼瞼浮腫等)、下肢浮腫 |
全身浮腫 |
男性性器浮腫 |
- |
生殖器 |
- |
- |
女性化乳房、月経過多 |
乳房腫大、乳頭痛、性的不能 |
臨床検査 |
血清カリウム低下、血清リン低下、血清アルブミン低下 |
血清カリウム上昇、血清ナトリウム低下、血清カルシウム低下、尿酸値上昇又は低下、血糖値上昇、CK上昇 |
フィブリノーゲン減少、CRP上昇、プロトロンビン時間の延長、血糖値低下、血清総蛋白低下、血中アミラーゼ上昇 |
ACTH上昇、TSH上昇、血清リン上昇、血清総蛋白上昇、プロトロンビン時間の短縮、 APTTの延長、フィブリノーゲン増加、FDP上昇、低マグネシウム血症 |
その他 |
けん怠感 |
発熱、疲労感、体重増加 |
発汗、体重減少、脱水、耳鳴、疼痛、脱力(感)、難聴、胸痛、動悸 |
頻脈、痛風、悪寒、寝汗 |
15. その他の注意
15.2 非臨床試験に基づく情報
- 15.2.1 過量投与に関して、ラットを用いた2週間反復経口投与試験では、臨床用量800mgの約2.5倍(体表面積換算)に相当する1,200mg/m2/日(200mg/kg/日)の14日間投与により、死亡は認められていない。約7.5倍の用量である3,600mg/m2/日(600mg/kg/日)では、投与7~10日に一般状態の悪化及び死亡が認められ、病理組織学的検査において広範な組織に変性病変が観察されている。
- 15.2.2 ラットを用いた2週間反復経口投与試験の200mg/kg/日以上の群及びイヌを用いた2週間反復経口投与試験の30mg/kg/日以上の群で、胸腺・リンパ節等のリンパ系組織において萎縮、リンパ球崩壊もしくはリンパ球枯渇がみられ、サルを用いた39週間反復経口投与試験の15mg/kg/日以上の群でマラリア感染の悪化が認められたとの報告がある。
- 15.2.3 イヌを用いた13週間反復経口投与試験の30mg/kg/日以上の群で精子形成の低下がみられ、ラットを用いた受胎能及び初期胚発生への影響に関する試験では、交配前70日間の投与により60mg/kg/日群において、精巣重量、精巣上体重量及び運動精子率の低下が認められたとの報告がある。
- 15.2.4 ラットを用いた2年間のがん原性試験で、腎臓の腺腫/腺癌・尿路(腎盂、膀胱及び尿道)の乳頭腫・小腸の腺癌・上皮小体の腺腫・副腎の良性及び悪性の髄質腫瘍・前胃の乳頭腫/扁平上皮癌・陰核腺の乳頭腫・包皮腺の扁平上皮癌(60mg/kg/日投与)、包皮腺の乳頭腫(30及び60mg/kg/日投与)の発現頻度の増加がみられたとの報告がある。また、非腫瘍性病変として、心臓の肥大及び拡張の発現頻度の増加がみられたとの報告がある。