薬効分類名HIF-PH阻害薬
腎性貧血治療薬

一般的名称ロキサデュスタット錠

エベレンゾ錠20mg、エベレンゾ錠50mg、エベレンゾ錠100mg

えべれんぞじょうにじゅうみりぐらむ、えべれんぞじょうごじゅうみりぐらむ、えべれんぞじょうひゃくみりぐらむ

Evrenzo Tablets 20mg, Evrenzo Tablets 50mg, Evrenzo Tablets 100mg

製造販売/アステラス製薬株式会社、提携/FibroGen Inc.

第9版
警告禁忌相互作用合併症・既往歴等のある患者肝機能障害患者生殖能を有する者妊婦授乳婦小児等

重大な副作用

頻度
副作用

その他の副作用

部位
頻度
副作用
心臓・血管
0.5%未満
心臓・血管
0.5%未満
内分泌・代謝系
0.5%未満
内分泌・代謝系
0.5%未満
0.5%未満
胃腸・消化器系
1%以上
胃腸・消化器系
0.5~1%未満
胃腸・消化器系
0.5%未満
全身・局所・適用部位
0.5%未満
感染症・発熱
0.5%未満
傷害・中毒
0.5%未満
血液系
0.5~1%未満
脳・神経
頻度不明
肺・呼吸
0.5%未満
皮膚
0.5%未満
皮膚
0.5%未満
その他
0.5%未満
その他
頻度不明
その他
1%以上
その他
0.5%未満
医療機器内血栓

併用注意

薬剤名等
臨床症状・措置方法

本剤と併用した場合、本剤の作用が減弱するおそれがあるため、併用する場合は、前後1時間以上間隔をあけて本剤を服用すること。

機序・危険因子

本剤をセベラマー炭酸塩と同時投与したところ、本剤のAUCinfが低下した。

薬剤名等
  • 多価陽イオンを含有する経口薬剤(カルシウム、鉄、マグネシウム、アルミニウム等を含む製剤)
  • [16.7.2 参照]
臨床症状・措置方法

本剤と併用した場合、本剤の作用が減弱するおそれがあるため、併用する場合は、前後1時間以上間隔をあけて本剤を服用すること。

機序・危険因子

本剤を酢酸カルシウムと同時投与したところ、本剤のAUCinfが低下した。

薬剤名等
臨床症状・措置方法

HMG-CoA還元酵素阻害剤による筋障害を増強するおそれがあるため、併用する場合は、患者の状態を慎重に観察すること。

機序・危険因子

本剤をシンバスタチン、ロスバスタチン、アトルバスタチンと併用したところ、これらの薬剤のAUCinfが上昇した,。また、本剤投与2時間前、本剤投与の4又は10時間後にシンバスタチンを投与した際も曝露量が上昇した。
本剤のOATP1B1/BCRP阻害作用により、これらの薬剤の血漿中濃度を上昇させる。

薬剤名等
臨床症状・措置方法

本剤の作用が増強するおそれがあるため、併用する場合は、本剤の減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察すること。

機序・危険因子

本剤をプロベネシドと併用したところ、本剤のAUCinfが上昇した。
プロベネシドのUGT/OAT阻害作用により、本剤の血漿中濃度を上昇させる。

薬剤名等
臨床症状・措置方法

本剤の作用が増強するおそれがあるため、併用する場合は、本剤の減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察すること。

機序・危険因子

本剤をゲムフィブロジルと併用したところ、本剤のAUCinfが上昇した。
ゲムフィブロジルのCYP2C8/OATP1B1阻害作用により、本剤の血漿中濃度を上昇させる可能性がある。

詳細情報

正確な情報は PMDA で必ず確認して下さい

注意以下の情報は参考資料としてご活用下さい

1. 警告

本剤投与中に、脳梗塞、心筋梗塞、肺塞栓等の重篤な血栓塞栓症があらわれ、死亡に至るおそれがある。本剤の投与開始前に、脳梗塞、心筋梗塞、肺塞栓等の合併症及び既往歴の有無等を含めた血栓塞栓症のリスクを評価した上で、本剤の投与の可否を慎重に判断すること。また、本剤投与中は、患者の状態を十分に観察し、血栓塞栓症が疑われる徴候や症状の発現に注意すること。血栓塞栓症が疑われる症状があらわれた場合には、速やかに医療機関を受診するよう患者を指導すること。[11.1.1 参照]

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  2. 2.2 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5 参照]

3. 組成・性状

3.1 組成

エベレンゾ錠20mg

有効成分 (1錠中)
ロキサデュスタット   20mg
添加剤 乳糖水和物  
結晶セルロース  
ポビドン  
クロスカルメロースナトリウム  
ステアリン酸マグネシウム  
ポリビニルアルコール(部分けん化物)  
酸化チタン  
マクロゴール  
タルク  
黄色三二酸化鉄  
三二酸化鉄  
エベレンゾ錠50mg

有効成分 (1錠中)
ロキサデュスタット   50mg
添加剤 乳糖水和物  
結晶セルロース  
ポビドン  
クロスカルメロースナトリウム  
ステアリン酸マグネシウム  
ポリビニルアルコール(部分けん化物)  
酸化チタン  
マクロゴール  
タルク  
黄色三二酸化鉄  
三二酸化鉄  
エベレンゾ錠100mg

有効成分 (1錠中)
ロキサデュスタット   100mg
添加剤 乳糖水和物  
結晶セルロース  
ポビドン  
クロスカルメロースナトリウム  
ステアリン酸マグネシウム  
ポリビニルアルコール(部分けん化物)  
酸化チタン  
マクロゴール  
タルク  
黄色三二酸化鉄  
三二酸化鉄  

3.2 製剤の性状

エベレンゾ錠20mg

剤形 フィルムコーティング錠
色調 淡黄赤色
外形 表面 *                                    
裏面 *                                    
側面 *                                    
大きさ 直径 約5.6mm
厚さ 約3.0mm
質量 約0.09g
エベレンゾ錠50mg

剤形 フィルムコーティング錠
色調 淡黄赤色
外形 表面 *                                    
裏面 *                                    
側面 *                                    
大きさ 直径 約8.1mm
厚さ 約3.7mm
質量 約0.21g
エベレンゾ錠100mg

剤形 フィルムコーティング錠
色調 淡黄赤色
外形 表面 *                                    
裏面 *                                    
側面 *                                    
大きさ 長径 約13.1mm
短径 約7.0mm
厚さ 約5.0mm
質量 約0.42g

4. 効能又は効果

腎性貧血

5. 効能又は効果に関連する注意

赤血球造血刺激因子製剤で未治療の場合、本剤投与開始の目安は、腹膜透析患者及び保存期慢性腎臓病患者ではヘモグロビン濃度で11g/dL未満、血液透析患者ではヘモグロビン濃度で10g/dL未満とする。

6. 用法及び用量

  • 赤血球造血刺激因子製剤で未治療の場合

    通常、成人には、ロキサデュスタットとして1回50mgを開始用量とし、週3回経口投与する。以後は、患者の状態に応じて投与量を適宜増減するが、最高用量は1回3.0mg/kgを超えないこととする。

  • 赤血球造血刺激因子製剤から切り替える場合

    通常、成人には、ロキサデュスタットとして1回70mg又は100mgを開始用量とし、週3回経口投与する。以後は、患者の状態に応じて投与量を適宜増減するが、最高用量は1回3.0mg/kgを超えないこととする。

7. 用法及び用量に関連する注意

  1. 7.1 赤血球造血刺激因子製剤から切り替える場合の開始用量

    下表を参考に切替え前の赤血球造血刺激因子製剤投与量から本剤の投与量を決定し、切り替えること。

    エリスロポエチン製剤
    (IU/週)

    ダルベポエチンアルファ
    (μg/週)

    エポエチンベータペゴル
    (μg/4週)

    本剤
    (mg/回)

    4500未満

    20未満

    100以下

    70

    4500以上

    20以上

    100超

    100

  2. 7.2 投与量調整

    用量調整が必要な場合には、下表[投与量増減表]、[投与量調整表]を参考に投与量を増減すること。なお、用量調整を行った場合は、少なくとも4週間は同一用量を維持すること。ただし、増量後4週以内にヘモグロビン濃度が急激に上昇(2.0g/dLを超える)した場合、速やかに減量又は休薬すること。[8.1 参照]

    [投与量増減表]

    4週前から当該週までのHb値変化量

    当該週のHb値

    10.5g/dL未満

    10.5g/dL以上
    11.5g/dL以下

    11.5g/dL超
    12.5g/dL以下

    12.5g/dLを超える

    -1.0g/dL未満

    1段階増量

    1段階増量

    変更なし

    休薬し、Hb値が11.0g/dL未満になった時点から1段階減量して再開

    -1.0g/dL以上
    1.0g/dL以下

    1段階増量

    変更なし

    1段階減量

    1.0g/dL超
    2.0g/dL以下

    変更なし

    1段階減量

    1段階減量

    2.0g/dLを超える

    1段階減量

    [投与量調整表]

    段階

    1

    2

    3

    4

    5

    6

    7

    8

    本剤投与量(注)

    20mg

    40mg

    50mg

    70mg

    100mg

    120mg

    150mg

    200mg

    (注)1回投与量は3.0mg/kgを超えないものとする。また、200mgを超える場合は、50mgずつ増量すること。

  3. 7.3 週3回投与

    2~3日に1回の間隔(例えば月・水・金、又は火・木・土等)で週3回投与すること。

  4. 7.4 本剤の服用を忘れた場合

    次のあらかじめ定めた日の服用時間帯と24時間以上間隔があく場合は、直ちに服用すること。ただし、以後はあらかじめ定めた日に服用すること。次のあらかじめ定めた日の服用時間帯との間隔が24時間未満である場合は服用せずに、次のあらかじめ定めた日に服用すること。同日に2回分を服用しないこと。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 本剤投与開始後及び用量変更後には、ヘモグロビン濃度が目標範囲に到達し、安定するまでは週1回から2週に1回程度ヘモグロビン濃度を確認すること。ヘモグロビン濃度が4週以内に2.0g/dLを超えるような急激な上昇を認めた場合は、減量・休薬等の適切な処置をとること。[7.2 参照]
  2. 8.2 本剤投与中はヘモグロビン濃度等を定期的に確認し、腎性貧血の治療に関する最新の情報を参考にして、必要以上の造血作用があらわれないように十分注意すること。赤血球造血刺激因子製剤の臨床試験においてヘモグロビンの目標値を高く設定した場合に、死亡、心血管系障害及び脳卒中の発現頻度が高くなったとの報告がある1) ,2) ,3)
  3. 8.3 本剤投与中に中枢性甲状腺機能低下症があらわれることがあり、投与開始後約2週間であらわれたとの報告もある。本剤投与中は定期的に甲状腺機能検査(TSH、遊離T3、遊離T4)を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。[11.1.3 参照]
  4. 8.4 本剤投与により血圧が上昇する場合があるので、血圧の推移に十分注意しながら投与すること。
  5. 8.5 造血には鉄が必要なことから、必要に応じて鉄の補充を行うこと。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 脳梗塞、心筋梗塞、肺塞栓等の患者、又はそれらの既往歴のある患者

    本剤投与により血栓塞栓症を増悪あるいは誘発するおそれがある。

  2. 9.1.2 高血圧症を合併する患者

    血圧上昇があらわれるおそれがある。

  3. 9.1.3 悪性腫瘍を合併する患者

    本剤の血管新生亢進作用により悪性腫瘍を増悪させる可能性がある。

  4. 9.1.4 増殖糖尿病網膜症、黄斑浮腫、滲出性加齢黄斑変性症、網膜静脈閉塞症等を合併する患者

    本剤の血管新生亢進作用により網膜出血があらわれる可能性がある。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1 中等度以上の肝機能障害(Child-Pugh分類B及びC)のある患者

    本剤の減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察すること。
    本剤100mgを中等度の肝機能障害(Child-Pugh分類B)のある患者に単回投与した際、本剤の血漿中非結合型のCmax及びAUCinfが上昇した4) 。また、本剤では重度の肝機能障害のある患者を対象とした臨床試験は実施していない。[16.6.2 参照]

9.4 生殖能を有する者

**妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後1週間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。[9.5 参照]

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。母動物(ラット)への投与で、本剤は胎児に移行し、本剤の最大臨床用量における曝露量の0.4倍の曝露量で出生児の発達遅延、0.8倍の曝露量で出生児生存率の低値等が報告されている5) ,6) [2.2 参照],[9.4 参照]

9.6 授乳婦

本剤投与中及び最終投与後28日まで授乳を避けさせること。母動物(ラット)への投与で、本剤は乳汁中に移行し、出生児において乳汁による曝露の影響と考えられる発生毒性が報告されている5) ,6)

9.7 小児等

本剤では小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

10. 相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
  • リン結合性ポリマー
    • セベラマー塩酸塩
    • ビキサロマー
  •                       [16.7.2 参照]                     

本剤と併用した場合、本剤の作用が減弱するおそれがあるため、併用する場合は、前後1時間以上間隔をあけて本剤を服用すること。

本剤をセベラマー炭酸塩と同時投与したところ、本剤のAUCinfが低下した10)

  • 多価陽イオンを含有する経口薬剤(カルシウム、鉄、マグネシウム、アルミニウム等を含む製剤)
  •                       [16.7.2 参照]                     

本剤と併用した場合、本剤の作用が減弱するおそれがあるため、併用する場合は、前後1時間以上間隔をあけて本剤を服用すること。

本剤を酢酸カルシウムと同時投与したところ、本剤のAUCinfが低下した10)

  • HMG-CoA還元酵素阻害剤
    • シンバスタチン
    • ロスバスタチン
    • アトルバスタチン
  •                       [16.7.3 参照]                     

HMG-CoA還元酵素阻害剤による筋障害を増強するおそれがあるため、併用する場合は、患者の状態を慎重に観察すること。

本剤をシンバスタチン、ロスバスタチン、アトルバスタチンと併用したところ、これらの薬剤のAUCinfが上昇した11) ,12) 。また、本剤投与2時間前、本剤投与の4又は10時間後にシンバスタチンを投与した際も曝露量が上昇した。
本剤のOATP1B1/BCRP阻害作用により、これらの薬剤の血漿中濃度を上昇させる。

  • プロベネシド
  •                       [16.7.2 参照]                     

本剤の作用が増強するおそれがあるため、併用する場合は、本剤の減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察すること。

本剤をプロベネシドと併用したところ、本剤のAUCinfが上昇した13)
プロベネシドのUGT/OAT阻害作用により、本剤の血漿中濃度を上昇させる。

  • ゲムフィブロジル(国内未承認)
  •                       [16.7.2 参照]                     

本剤の作用が増強するおそれがあるため、併用する場合は、本剤の減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察すること。

本剤をゲムフィブロジルと併用したところ、本剤のAUCinfが上昇した14)
ゲムフィブロジルのCYP2C8/OATP1B1阻害作用により、本剤の血漿中濃度を上昇させる可能性がある。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 血栓塞栓症(2.3%)

    脳梗塞(0.5%)、急性心筋梗塞(0.1%)、肺塞栓症(0.1%)、シャント閉塞(0.8%)等の血栓塞栓症があらわれることがある。[1 参照]

  2. 11.1.2 痙攣発作(頻度不明)
  3. 11.1.3 中枢性甲状腺機能低下症(頻度不明)

    血中甲状腺刺激ホルモン(TSH)が正常範囲内又は低値を示す中枢性甲状腺機能低下症があらわれることがある。症状や徴候があらわれた場合には、必要に応じて投与の中止、甲状腺ホルモン製剤の投与などの適切な処置を行うこと。[8.3 参照]

11.2 その他の副作用

1%以上

0.5~1%未満

0.5%未満

頻度不明

心臓障害

うっ血性心不全、動悸

内分泌障害

甲状腺機能低下症

眼障害

網膜出血

胃腸障害

嘔吐、下痢、便秘

悪心、腹部不快感

腹痛、消化不良、胃障害

一般・全身障害及び投与部位の状態

浮腫、末梢性浮腫、倦怠感

感染症及び寄生虫症

結膜炎

傷害、中毒及び処置合併症

シャント狭窄

臨床検査

リパーゼ増加

ALT増加、CK増加

**TSH減少、遊離T3減少、遊離T4減少、血中ビリルビン増加、血中銅増加

**血液及びリンパ系障害

**血小板減少症

代謝及び栄養障害

高カリウム血症、高リン酸塩血症、鉄欠乏、食欲減退、低アルブミン血症

神経系障害

浮動性めまい

精神障害

不眠症

生殖系及び乳房障害

女性化乳房

呼吸器、胸郭及び縦隔障害

咳嗽、間質性肺疾患

皮膚及び皮下組織障害

そう痒症

全身性剥脱性皮膚炎

血管障害

高血圧

その他

医療機器内血栓

12. 臨床検査結果に及ぼす影響

本剤投与によって総コレステロール及びLDLコレステロールが減少する可能性がある15) ,16) ,17) ,18)

13. 過量投与

  1. 13.1 症状

    本剤を健康成人に5mg/kg(510mg)まで単回投与した際、一過性の心拍数増加が報告されている。本剤の過量投与によりヘモグロビン濃度が必要以上に増加するおそれがある。

  2. 13.2 処置

    本剤の減量・休薬等の適切な処置を行うこと。本剤は透析で除去されない。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

1. 警告

本剤投与中に、脳梗塞、心筋梗塞、肺塞栓等の重篤な血栓塞栓症があらわれ、死亡に至るおそれがある。本剤の投与開始前に、脳梗塞、心筋梗塞、肺塞栓等の合併症及び既往歴の有無等を含めた血栓塞栓症のリスクを評価した上で、本剤の投与の可否を慎重に判断すること。また、本剤投与中は、患者の状態を十分に観察し、血栓塞栓症が疑われる徴候や症状の発現に注意すること。血栓塞栓症が疑われる症状があらわれた場合には、速やかに医療機関を受診するよう患者を指導すること。[11.1.1 参照]

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  2. 2.2 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5 参照]

3. 組成・性状

3.1 組成

エベレンゾ錠20mg

有効成分 (1錠中)
ロキサデュスタット   20mg
添加剤 乳糖水和物  
結晶セルロース  
ポビドン  
クロスカルメロースナトリウム  
ステアリン酸マグネシウム  
ポリビニルアルコール(部分けん化物)  
酸化チタン  
マクロゴール  
タルク  
黄色三二酸化鉄  
三二酸化鉄  
エベレンゾ錠50mg

有効成分 (1錠中)
ロキサデュスタット   50mg
添加剤 乳糖水和物  
結晶セルロース  
ポビドン  
クロスカルメロースナトリウム  
ステアリン酸マグネシウム  
ポリビニルアルコール(部分けん化物)  
酸化チタン  
マクロゴール  
タルク  
黄色三二酸化鉄  
三二酸化鉄  
エベレンゾ錠100mg

有効成分 (1錠中)
ロキサデュスタット   100mg
添加剤 乳糖水和物  
結晶セルロース  
ポビドン  
クロスカルメロースナトリウム  
ステアリン酸マグネシウム  
ポリビニルアルコール(部分けん化物)  
酸化チタン  
マクロゴール  
タルク  
黄色三二酸化鉄  
三二酸化鉄  

3.2 製剤の性状

エベレンゾ錠20mg

剤形 フィルムコーティング錠
色調 淡黄赤色
外形 表面 *                                    
裏面 *                                    
側面 *                                    
大きさ 直径 約5.6mm
厚さ 約3.0mm
質量 約0.09g
エベレンゾ錠50mg

剤形 フィルムコーティング錠
色調 淡黄赤色
外形 表面 *                                    
裏面 *                                    
側面 *                                    
大きさ 直径 約8.1mm
厚さ 約3.7mm
質量 約0.21g
エベレンゾ錠100mg

剤形 フィルムコーティング錠
色調 淡黄赤色
外形 表面 *                                    
裏面 *                                    
側面 *                                    
大きさ 長径 約13.1mm
短径 約7.0mm
厚さ 約5.0mm
質量 約0.42g

4. 効能又は効果

腎性貧血

5. 効能又は効果に関連する注意

赤血球造血刺激因子製剤で未治療の場合、本剤投与開始の目安は、腹膜透析患者及び保存期慢性腎臓病患者ではヘモグロビン濃度で11g/dL未満、血液透析患者ではヘモグロビン濃度で10g/dL未満とする。

6. 用法及び用量

  • 赤血球造血刺激因子製剤で未治療の場合

    通常、成人には、ロキサデュスタットとして1回50mgを開始用量とし、週3回経口投与する。以後は、患者の状態に応じて投与量を適宜増減するが、最高用量は1回3.0mg/kgを超えないこととする。

  • 赤血球造血刺激因子製剤から切り替える場合

    通常、成人には、ロキサデュスタットとして1回70mg又は100mgを開始用量とし、週3回経口投与する。以後は、患者の状態に応じて投与量を適宜増減するが、最高用量は1回3.0mg/kgを超えないこととする。

7. 用法及び用量に関連する注意

  1. 7.1 赤血球造血刺激因子製剤から切り替える場合の開始用量

    下表を参考に切替え前の赤血球造血刺激因子製剤投与量から本剤の投与量を決定し、切り替えること。

    エリスロポエチン製剤
    (IU/週)

    ダルベポエチンアルファ
    (μg/週)

    エポエチンベータペゴル
    (μg/4週)

    本剤
    (mg/回)

    4500未満

    20未満

    100以下

    70

    4500以上

    20以上

    100超

    100

  2. 7.2 投与量調整

    用量調整が必要な場合には、下表[投与量増減表]、[投与量調整表]を参考に投与量を増減すること。なお、用量調整を行った場合は、少なくとも4週間は同一用量を維持すること。ただし、増量後4週以内にヘモグロビン濃度が急激に上昇(2.0g/dLを超える)した場合、速やかに減量又は休薬すること。[8.1 参照]

    [投与量増減表]

    4週前から当該週までのHb値変化量

    当該週のHb値

    10.5g/dL未満

    10.5g/dL以上
    11.5g/dL以下

    11.5g/dL超
    12.5g/dL以下

    12.5g/dLを超える

    -1.0g/dL未満

    1段階増量

    1段階増量

    変更なし

    休薬し、Hb値が11.0g/dL未満になった時点から1段階減量して再開

    -1.0g/dL以上
    1.0g/dL以下

    1段階増量

    変更なし

    1段階減量

    1.0g/dL超
    2.0g/dL以下

    変更なし

    1段階減量

    1段階減量

    2.0g/dLを超える

    1段階減量

    [投与量調整表]

    段階

    1

    2

    3

    4

    5

    6

    7

    8

    本剤投与量(注)

    20mg

    40mg

    50mg

    70mg

    100mg

    120mg

    150mg

    200mg

    (注)1回投与量は3.0mg/kgを超えないものとする。また、200mgを超える場合は、50mgずつ増量すること。

  3. 7.3 週3回投与

    2~3日に1回の間隔(例えば月・水・金、又は火・木・土等)で週3回投与すること。

  4. 7.4 本剤の服用を忘れた場合

    次のあらかじめ定めた日の服用時間帯と24時間以上間隔があく場合は、直ちに服用すること。ただし、以後はあらかじめ定めた日に服用すること。次のあらかじめ定めた日の服用時間帯との間隔が24時間未満である場合は服用せずに、次のあらかじめ定めた日に服用すること。同日に2回分を服用しないこと。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 本剤投与開始後及び用量変更後には、ヘモグロビン濃度が目標範囲に到達し、安定するまでは週1回から2週に1回程度ヘモグロビン濃度を確認すること。ヘモグロビン濃度が4週以内に2.0g/dLを超えるような急激な上昇を認めた場合は、減量・休薬等の適切な処置をとること。[7.2 参照]
  2. 8.2 本剤投与中はヘモグロビン濃度等を定期的に確認し、腎性貧血の治療に関する最新の情報を参考にして、必要以上の造血作用があらわれないように十分注意すること。赤血球造血刺激因子製剤の臨床試験においてヘモグロビンの目標値を高く設定した場合に、死亡、心血管系障害及び脳卒中の発現頻度が高くなったとの報告がある1) ,2) ,3)
  3. 8.3 本剤投与中に中枢性甲状腺機能低下症があらわれることがあり、投与開始後約2週間であらわれたとの報告もある。本剤投与中は定期的に甲状腺機能検査(TSH、遊離T3、遊離T4)を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。[11.1.3 参照]
  4. 8.4 本剤投与により血圧が上昇する場合があるので、血圧の推移に十分注意しながら投与すること。
  5. 8.5 造血には鉄が必要なことから、必要に応じて鉄の補充を行うこと。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 脳梗塞、心筋梗塞、肺塞栓等の患者、又はそれらの既往歴のある患者

    本剤投与により血栓塞栓症を増悪あるいは誘発するおそれがある。

  2. 9.1.2 高血圧症を合併する患者

    血圧上昇があらわれるおそれがある。

  3. 9.1.3 悪性腫瘍を合併する患者

    本剤の血管新生亢進作用により悪性腫瘍を増悪させる可能性がある。

  4. 9.1.4 増殖糖尿病網膜症、黄斑浮腫、滲出性加齢黄斑変性症、網膜静脈閉塞症等を合併する患者

    本剤の血管新生亢進作用により網膜出血があらわれる可能性がある。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1 中等度以上の肝機能障害(Child-Pugh分類B及びC)のある患者

    本剤の減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察すること。
    本剤100mgを中等度の肝機能障害(Child-Pugh分類B)のある患者に単回投与した際、本剤の血漿中非結合型のCmax及びAUCinfが上昇した4) 。また、本剤では重度の肝機能障害のある患者を対象とした臨床試験は実施していない。[16.6.2 参照]

9.4 生殖能を有する者

**妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後1週間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。[9.5 参照]

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。母動物(ラット)への投与で、本剤は胎児に移行し、本剤の最大臨床用量における曝露量の0.4倍の曝露量で出生児の発達遅延、0.8倍の曝露量で出生児生存率の低値等が報告されている5) ,6) [2.2 参照],[9.4 参照]

9.6 授乳婦

本剤投与中及び最終投与後28日まで授乳を避けさせること。母動物(ラット)への投与で、本剤は乳汁中に移行し、出生児において乳汁による曝露の影響と考えられる発生毒性が報告されている5) ,6)

9.7 小児等

本剤では小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

10. 相互作用

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
  • リン結合性ポリマー
    • セベラマー塩酸塩
    • ビキサロマー
  •                       [16.7.2 参照]                     

本剤と併用した場合、本剤の作用が減弱するおそれがあるため、併用する場合は、前後1時間以上間隔をあけて本剤を服用すること。

本剤をセベラマー炭酸塩と同時投与したところ、本剤のAUCinfが低下した10)

  • 多価陽イオンを含有する経口薬剤(カルシウム、鉄、マグネシウム、アルミニウム等を含む製剤)
  •                       [16.7.2 参照]                     

本剤と併用した場合、本剤の作用が減弱するおそれがあるため、併用する場合は、前後1時間以上間隔をあけて本剤を服用すること。

本剤を酢酸カルシウムと同時投与したところ、本剤のAUCinfが低下した10)

  • HMG-CoA還元酵素阻害剤
    • シンバスタチン
    • ロスバスタチン
    • アトルバスタチン
  •                       [16.7.3 参照]                     

HMG-CoA還元酵素阻害剤による筋障害を増強するおそれがあるため、併用する場合は、患者の状態を慎重に観察すること。

本剤をシンバスタチン、ロスバスタチン、アトルバスタチンと併用したところ、これらの薬剤のAUCinfが上昇した11) ,12) 。また、本剤投与2時間前、本剤投与の4又は10時間後にシンバスタチンを投与した際も曝露量が上昇した。
本剤のOATP1B1/BCRP阻害作用により、これらの薬剤の血漿中濃度を上昇させる。

  • プロベネシド
  •                       [16.7.2 参照]                     

本剤の作用が増強するおそれがあるため、併用する場合は、本剤の減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察すること。

本剤をプロベネシドと併用したところ、本剤のAUCinfが上昇した13)
プロベネシドのUGT/OAT阻害作用により、本剤の血漿中濃度を上昇させる。

  • ゲムフィブロジル(国内未承認)
  •                       [16.7.2 参照]                     

本剤の作用が増強するおそれがあるため、併用する場合は、本剤の減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察すること。

本剤をゲムフィブロジルと併用したところ、本剤のAUCinfが上昇した14)
ゲムフィブロジルのCYP2C8/OATP1B1阻害作用により、本剤の血漿中濃度を上昇させる可能性がある。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 血栓塞栓症(2.3%)

    脳梗塞(0.5%)、急性心筋梗塞(0.1%)、肺塞栓症(0.1%)、シャント閉塞(0.8%)等の血栓塞栓症があらわれることがある。[1 参照]

  2. 11.1.2 痙攣発作(頻度不明)
  3. 11.1.3 中枢性甲状腺機能低下症(頻度不明)

    血中甲状腺刺激ホルモン(TSH)が正常範囲内又は低値を示す中枢性甲状腺機能低下症があらわれることがある。症状や徴候があらわれた場合には、必要に応じて投与の中止、甲状腺ホルモン製剤の投与などの適切な処置を行うこと。[8.3 参照]

11.2 その他の副作用

1%以上

0.5~1%未満

0.5%未満

頻度不明

心臓障害

うっ血性心不全、動悸

内分泌障害

甲状腺機能低下症

眼障害

網膜出血

胃腸障害

嘔吐、下痢、便秘

悪心、腹部不快感

腹痛、消化不良、胃障害

一般・全身障害及び投与部位の状態

浮腫、末梢性浮腫、倦怠感

感染症及び寄生虫症

結膜炎

傷害、中毒及び処置合併症

シャント狭窄

臨床検査

リパーゼ増加

ALT増加、CK増加

**TSH減少、遊離T3減少、遊離T4減少、血中ビリルビン増加、血中銅増加

**血液及びリンパ系障害

**血小板減少症

代謝及び栄養障害

高カリウム血症、高リン酸塩血症、鉄欠乏、食欲減退、低アルブミン血症

神経系障害

浮動性めまい

精神障害

不眠症

生殖系及び乳房障害

女性化乳房

呼吸器、胸郭及び縦隔障害

咳嗽、間質性肺疾患

皮膚及び皮下組織障害

そう痒症

全身性剥脱性皮膚炎

血管障害

高血圧

その他

医療機器内血栓

12. 臨床検査結果に及ぼす影響

本剤投与によって総コレステロール及びLDLコレステロールが減少する可能性がある15) ,16) ,17) ,18)

13. 過量投与

  1. 13.1 症状

    本剤を健康成人に5mg/kg(510mg)まで単回投与した際、一過性の心拍数増加が報告されている。本剤の過量投与によりヘモグロビン濃度が必要以上に増加するおそれがある。

  2. 13.2 処置

    本剤の減量・休薬等の適切な処置を行うこと。本剤は透析で除去されない。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

その他詳細情報

日本標準商品分類番号
873999
ブランドコード
3999047F1028, 3999047F2024, 3999047F3020
承認番号
30100AMX00239, 30100AMX00240, 30100AMX00241
販売開始年月
2019-11, 2019-11, 2019-11
貯法
室温保存、室温保存、室温保存
有効期間
5年、5年、5年
規制区分
2, 12, 2, 12, 2, 12

重要な注意事項

  • この情報は医療専門家による診断や治療の代替にはなりません。副作用に関する懸念がある場合は、必ず医師または薬剤師に相談してください。
  • 副作用の発生頻度や重篤度は個人差があります。ここで提供される情報は一般的なものであり、すべての患者さんに当てはまるわけではありません。
  • 薬剤の使用に関しては、必ず医療専門家の指示に従い、自己判断での変更や中止を避けてください。
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