薬効分類名持効型溶解インスリンアナログ製剤/GLP-1受容体作動薬
一般的名称インスリン グラルギン(遺伝子組換え)/リキシセナチド配合製剤
ソリクア配合注ソロスター
そりくあはいごうちゅうそろすたー
SOLIQUA Injection SoloStar
製造販売元/サノフィ株式会社
重大な副作用
その他の副作用
2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)
- 2.1 本剤の成分又は他のインスリン グラルギン製剤に対し過敏症の既往歴のある患者
- 2.2 低血糖症状を呈している患者[11.1.1 参照]
- 2.3 糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡又は前昏睡、1型糖尿病の患者[インスリンのみを含有する製剤による速やかな治療が必須となるので、本剤を投与すべきでない。]
- 2.4 重症感染症、手術等の緊急の場合[インスリンのみを含有する製剤による血糖管理が望まれるので、本剤の投与は適さない。]
4. 効能又は効果
インスリン療法が適応となる2型糖尿病
5. 効能又は効果に関連する注意
本剤は食事療法・運動療法に加え、糖尿病用薬による治療で効果不十分な場合に使用を検討すること。[17.1 参照]
6. 用法及び用量
通常、成人には、5~20ドーズ(インスリン グラルギン/リキシセナチドとして5~20単位/5~20μg)を1日1回朝食前に皮下注射する。ただし、1日1回5~10ドーズから開始し、患者の状態に応じて増減するが、1日20ドーズを超えないこと。
なお、本剤の用量単位である1ドーズには、インスリン グラルギン1単位及びリキシセナチド1μgが含まれる。
7. 用法及び用量に関連する注意
- 7.1 本剤の投与は朝食前1時間以内に行い、食後の投与は行わないこと。
- 7.2 本剤はインスリン グラルギンとリキシセナチドを配合した製剤であるため、患者の状態に応じて用量を増減するなど、投与量は慎重に決定すること。なお、本剤は1ドーズ刻みで調節可能である。
- 7.3 インスリン製剤以外の糖尿病用薬による治療で効果不十分な場合、5ドーズを目安として投与を開始すること。
-
7.4 基礎インスリン製剤による治療で効果不十分な場合、前治療で使用していた基礎インスリン製剤の種類に応じ、以下を参考に本剤の投与を開始すること。なお、いずれの場合も本剤の初期用量として10ドーズを超えないこと。[17.1.3 参照]
- 7.4.1 インスリン グラルギン100単位/mL製剤から本剤に変更する場合、通常初期用量は前治療のインスリン グラルギン100単位/mL製剤の1日投与量と同単位を目安として投与を開始する。
- 7.4.2 インスリン グラルギン300単位/mL製剤又は1日2回投与の基礎インスリン製剤から本剤に変更する場合、通常初期用量は前治療の基礎インスリン製剤の1日投与量よりも低用量を目安として投与を開始する。
- 7.4.3 インスリン グラルギン以外の1日1回投与の基礎インスリン製剤から本剤に変更する場合、通常初期用量は前治療の基礎インスリン製剤の1日投与量と同単位を目安として投与を開始する。
- 7.4.4 本剤の投与にあたっては、前治療で使用していた基礎インスリン製剤の投与を中止し、本剤と併用しないこと。
- 7.5 本剤の1日用量として20ドーズを超える用量が必要な場合は、他の糖尿病用薬への切替えを検討すること。
8. 重要な基本的注意
- 8.1 投与する場合には、血糖を定期的に検査し、薬剤の効果を確かめ、3~4ヵ月間投与して効果が不十分な場合には、速やかに他の治療薬への切替えを行うこと。
- 8.2 本剤の投与開始時及びその後数週間は血糖コントロールのモニタリングを十分に行うこと。特に、高用量の基礎インスリン製剤を投与している患者が本剤に切り替える場合は、血糖コントロールが一時的に悪化する可能性があることから、注意すること。[8.12 参照]
- 8.3 本剤の自己注射にあたっては、以下の点に留意すること。
- 8.4 低血糖に関する注意について、その対処法も含め患者及びその家族に十分徹底させること。[9.1.3 参照],[11.1.1 参照]
- 8.5 急激な血糖コントロールに伴い、糖尿病網膜症の顕在化又は増悪、眼の屈折異常、治療後神経障害(主として有痛性)があらわれることがあるので注意すること。
- 8.6 低血糖症状を起こすことがあるので、高所作業、自動車の運転等に従事している患者に投与するときには注意すること。[11.1.1 参照]
- 8.7 急性膵炎の初期症状(嘔吐を伴う持続的な激しい腹痛等)があらわれた場合は、使用を中止し、速やかに医師の診断を受けるよう指導すること。[9.1.2 参照],[11.1.2 参照]
- 8.8 胃腸障害が発現した場合、急性膵炎の可能性を考慮し、必要に応じて画像検査等による原因精査を考慮する等、慎重に対応すること。[9.1.2 参照],[11.1.2 参照]
- 8.9 胆石症、胆嚢炎、胆管炎又は胆汁うっ滞性黄疸が発現するおそれがあるので、腹痛等の腹部症状がみられた場合には、必要に応じて画像検査等による原因精査を考慮するなど、適切に対応すること。[11.1.4 参照]
- 8.10 本剤投与中は、甲状腺関連の症候の有無を確認し、異常が認められた場合には、専門医を受診するよう指導すること。[15.2.1 参照]
- 8.11 本剤の有効成分の一つであるリキシセナチドとDPP-4阻害薬はいずれもGLP-1受容体を介した血糖降下作用を有している。本剤とDPP-4阻害薬との併用患者を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
- 8.12 *GLP-1受容体作動薬又は基礎インスリンとして1日15単位以上による治療で効果不十分な場合に本剤へ切り替えた際の有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。[8.2 参照],[17.1 参照],[17.2.1 参照]
- 8.13 本剤と他の糖尿病用注射剤を取り違えないよう、毎回注射する前に本剤のラベル等を確認するよう患者に十分指導すること。
-
8.14 同一箇所への繰り返し投与により、注射箇所に皮膚アミロイドーシス又はリポジストロフィーがあらわれることがあるので、定期的に注射箇所を観察するとともに、以下の点を患者に指導すること。
- 本剤の注射箇所は、少なくとも前回の注射箇所から2~3cm離すこと。[14.2.2 参照]
- 注射箇所の腫瘤や硬結が認められた場合には、当該箇所への投与を避けること。
- 8.15 皮膚アミロイドーシス又はリポジストロフィーがあらわれた箇所に本剤を投与した場合、本剤の吸収が妨げられ十分な血糖コントロールが得られなくなることがある。血糖コントロールの不良が認められた場合には、注射箇所の腫瘤や硬結の有無を確認し、注射箇所の変更とともに投与量の調整を行うなどの適切な処置を行うこと。血糖コントロールの不良に伴い、過度に増量されたインスリン製剤が正常な箇所に投与されたことにより、低血糖に至った例が報告されている。
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
-
9.1.1 重症胃不全麻痺等の重度の胃腸障害のある患者
使用経験がなく、胃腸障害の症状が悪化するおそれがある。
- 9.1.2 膵炎の既往歴のある患者
- 9.1.3 低血糖を起こすおそれのある以下の患者又は状態
-
9.1.4 自律神経障害のある患者
低血糖の自覚症状が明確でないことがある。
-
9.1.5 腹部手術の既往又はイレウスの既往のある患者
腸閉塞を含むイレウスを起こすおそれがある。[11.1.5 参照]
-
9.1.6 全身麻酔又は深い鎮静下の患者
**GLP-1受容体作動薬又はGIP/GLP-1受容体作動薬を投与中の患者において、術前の絶食指示を遵守したにもかかわらず、全身麻酔又は深い鎮静下で誤嚥が生じた症例が報告されている。リキシセナチドは胃内容排出遅延作用があり、胃内容物残留リスクが高まるおそれがある。[18.2.4 参照]
9.2 腎機能障害患者
-
9.2.1 重度の腎機能障害(クレアチニンクリアランス:30mL/min未満)又は末期腎不全の患者
低血糖を起こすおそれがある。
重度の腎機能障害患者を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。末期腎不全の患者は臨床試験では除外されている。[11.1.1 参照]
9.3 肝機能障害患者
-
9.3.1 重度の肝機能障害のある患者
低血糖を起こすおそれがある。
重度の肝機能障害患者を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。[11.1.1 参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性に対しては本剤を投与せず、インスリン製剤を使用すること。リキシセナチドのヒトにおける潜在的なリスクは不明である。リキシセナチドにおける動物実験では、生殖発生毒性が報告されている。胚・胎児発生に関する試験において、ラットではヒトにリキシセナチドを1回20μg、1日1回投与時の血漿中曝露量(AUC)の少なくとも約4.6倍で胎児の成長遅延、骨格異常及び骨化遅延、ウサギでは約32倍で骨化遅延が認められた。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)において、微量のリキシセナチドが乳汁中へ移行することが認められている。授乳を継続する場合、授乳期にはインスリンの需要量が変化しやすいため、用量に留意し、定期的に検査を行い投与量を調整すること。
9.7 小児等
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。生理機能が低下していることが多く、胃腸障害及び低血糖が発現しやすい。[11.1.1 参照],[16.6.2 参照]
10. 相互作用
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。 |
血糖降下作用が増強される。 |
|
モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤 |
血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。 |
インスリン分泌促進、糖新生抑制作用による血糖降下作用を有する。 |
血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。 |
機序は不明であるが、インスリン感受性を増強するなどの報告がある。 |
|
血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。 |
糖に対するβ細胞の感受性の亢進やインスリン利用率の増加等による血糖降下作用を有する。また、末梢で弱いインスリン様作用を有する。 |
|
血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。 |
インスリンが結合する抗体の生成を抑制し、その結合部位からインスリンを遊離させる可能性がある。 |
|
クロラムフェニコール |
血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。 |
機序不明 |
サルファ剤 |
血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。 |
膵臓でのインスリン分泌を増加させることにより、低血糖を起こすと考えられている。腎機能低下、空腹状態の遷延、栄養不良、過量投与が危険因子となる。 |
シベンゾリンコハク酸塩 ジソピラミド ピルメノール塩酸塩水和物 |
血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。 |
インスリン分泌作用を認めたとの報告がある。 |
フィブラート系薬剤 |
血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。 |
インスリン感受性増強等の作用により、本剤の作用を増強する。 |
レセルピン |
血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。 |
低血糖に対する交感神経系の症状(振戦、動悸等)をマスクし、低血糖を遷延させる可能性がある。 |
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。 |
カリウム喪失が関与すると考えられている。カリウム欠乏時には、血糖上昇反応に対するβ細胞のインスリン分泌能が低下する可能性がある。 |
|
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。 |
糖新生亢進、筋肉組織・脂肪組織からのアミノ酸や脂肪酸の遊離促進、末梢組織でのインスリン感受性低下等による血糖上昇作用を有する。 |
|
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。 |
副腎皮質刺激作用により糖質コルチコイドの分泌が増加する。糖質コルチコイドは、糖新生亢進、筋肉組織・脂肪組織からのアミノ酸や脂肪酸の遊離促進、末梢組織でのインスリン感受性低下等による血糖上昇作用を有する。 |
|
アドレナリン |
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。 |
糖新生亢進、末梢での糖利用抑制、インスリン分泌抑制による血糖上昇作用を有する。 |
グルカゴン |
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。 |
糖新生亢進、肝グリコーゲン分解促進による血糖上昇作用を有する。 |
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。 |
糖新生亢進、肝グリコーゲン分解促進による血糖上昇作用を有する。 |
|
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。 |
抗インスリン様作用による血糖上昇作用を有する。 |
|
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。 |
末梢組織でインスリンの作用に拮抗する。 |
|
経口避妊薬 |
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。 |
末梢組織でインスリンの作用に拮抗する。 |
ニコチン酸 |
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。 |
末梢組織でのインスリン感受性を低下させるため耐糖能障害を起こす。 |
濃グリセリン |
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。 |
代謝されて糖になるため、血糖値が上昇する。 |
イソニアジド |
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。 |
炭水化物代謝を阻害することによる血糖上昇作用を有する。 |
ダナゾール |
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。 |
インスリン抵抗性を増強するおそれがある。 |
フェニトイン |
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。 |
インスリン分泌抑制作用を有する。 |
ブセレリン酢酸塩 |
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。 |
機序不明 |
フェノチアジン誘導体 |
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。 |
機序不明であるが、動物実験(ラット)において、インスリン分泌が低下したとの報告がある。 |
血糖降下作用の増強による低血糖症状、又は減弱による高血糖症状があらわれることがある。 |
機序不明 |
|
血糖降下作用の増強による低血糖症状、又は減弱による高血糖症状があらわれることがある。 |
インスリン、グルカゴン及び成長ホルモン等互いに拮抗的に調節作用をもつホルモン間のバランスが変化することがある。 |
|
ペンタミジンイセチオン酸塩 |
血糖降下作用の増強による低血糖症状、又は減弱による高血糖症状があらわれることがある。 |
膵臓のβ細胞に作用し、初期に低血糖、それに引き続いて高血糖を起こすことがある。 |
血糖降下作用の増強による低血糖症状、又は減弱による高血糖症状があらわれることがある。 |
アドレナリンによる低血糖からの回復反応を抑制する。また、低血糖に対する交感神経系の症状(振戦、動悸等)をマスクし、低血糖を遷延させる可能性がある。また、インスリン感受性は薬剤により増強あるいは減弱することが報告されている。 |
|
炭酸リチウム |
血糖降下作用の増強による低血糖症状、又は減弱による高血糖症状があらわれることがある。 |
機序不明 |
クロニジン |
血糖降下作用の増強による低血糖症状、又は減弱による高血糖症状があらわれることがある。 |
機序不明 |
リキシセナチドの胃内容排出遅延作用が、併用する経口剤の吸収に影響を与えるおそれがある。 |
リキシセナチドの胃内容排出遅延作用による。 |
|
血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。 |
機序不明 |
|
プロトロンビン時間国際標準比(INR)の延長がリキシセナチドの類薬(エキセナチド)で報告されている。 |
リキシセナチドの胃内容排出遅延作用による。 |
11. 副作用
11.1 重大な副作用
-
11.1.1 低血糖
脱力感、倦怠感、高度の空腹感、冷汗、顔面蒼白、動悸、振戦、頭痛、めまい、嘔気、視覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、痙攣、意識障害(意識混濁、昏睡)等があらわれることがある。無処置の状態が続くと低血糖昏睡等を起こし、重篤な転帰(中枢神経系の不可逆的障害、死亡等)をとるおそれがある。
長期にわたる糖尿病、糖尿病性神経障害、β-遮断剤投与あるいは強化インスリン療法が行われている場合では、低血糖の初期の自覚症状(冷汗、振戦等)が通常と異なる場合や、自覚症状があらわれないまま、低血糖あるいは低血糖性昏睡に陥ることがある。
症状が認められた場合には糖質を含む食品を摂取する等、適切な処置を行うこと。α-グルコシダーゼ阻害剤との併用時にはブドウ糖を投与すること。経口摂取が不可能な場合は、ブドウ糖の静脈内投与やグルカゴンの筋肉内投与等、適切な処置を行うこと。
低血糖は臨床的に回復した場合にも、再発することがあるので継続的に観察すること。
臨床試験で報告された重篤な低血糖の発現割合は、0.1%(1/676例)であった。[2.2 参照],[8.4 参照],[8.6 参照],[9.1.3 参照],[9.2.1 参照],[9.3.1 参照],[9.8 参照],[10.2 参照] -
11.1.2 急性膵炎(頻度不明)
GLP-1受容体作動薬の使用は、急性膵炎のリスクの増加に関連している。急性膵炎に特徴的な症状(嘔吐を伴う持続的な腹痛等)が認められた場合には、本剤の投与を中止すること。また急性膵炎と診断された場合には、本剤の再投与は行わないこと。[8.7 参照],[8.8 参照],[9.1.2 参照]
-
11.1.3 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
全身性皮膚反応、血管神経性浮腫、気管支痙攣、低血圧等の異常が認められた場合には投与を中止すること。
- 11.1.4 胆嚢炎、胆管炎、胆汁うっ滞性黄疸(いずれも頻度不明)
-
11.1.5 イレウス(頻度不明)
腸閉塞を含むイレウスを起こすおそれがある。高度の便秘、腹部膨満、持続する腹痛、嘔吐等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。[9.1.5 参照]
11.2 その他の副作用
5%以上 |
1~5%未満 |
1%未満 |
頻度不明 |
|
|---|---|---|---|---|
消化器 |
悪心 |
腹部不快感、下痢、嘔吐、消化不良、便秘、胃腸炎、食欲不振 |
腹部膨満、腹痛 |
|
肝胆道 |
胆石症 |
|||
皮膚 |
多汗症 |
蕁麻疹 |
||
精神神経系 |
めまい、振戦 |
傾眠 |
頭痛 |
|
注射部位 |
注射部位反応(内出血、紅斑、浮腫、そう痒等) |
リポジストロフィー(皮下脂肪の萎縮・肥厚等)、皮膚アミロイドーシス |
||
感染 |
上咽頭炎、上気道感染 |
|||
その他 |
疲労 |
倦怠感、空腹感 |
14. 適用上の注意
14.1 薬剤投与前の注意
14.2 薬剤投与時の注意
- 14.2.1 1本を複数の患者に使用しないこと。
- 14.2.2 皮下注射は、腹部、大腿部又は上腕部に行う。同一部位内で投与する場合は前回の注射箇所より2~3cm離して注射すること。[8.14 参照]
- 14.2.3 静脈内及び筋肉内に投与しないこと。皮下注射したとき、まれに注射針が血管内に入り、注射後直ちに低血糖があらわれることがあるので注意すること。
15. その他の注意
15.1 臨床使用に基づく情報
- 15.1.1 インスリン又は経口血糖降下剤の投与中にアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与することにより、低血糖が起こりやすいとの報告がある1) 。
- 15.1.2 インスリンとピオグリタゾンを併用した場合、浮腫が多く報告されている。併用する場合には、浮腫及び心不全の徴候を十分観察しながら投与すること。
- 15.1.3 ヒトインスリンに対する獲得抗体を有し、高用量のインスリンを必要としている患者では、他のインスリン製剤から本剤に変更することによって、本剤の需要量が急激に変化することがある。また、本剤の投与により、インスリン グラルギン又はリキシセナチドに対する抗体が産生される可能性がある。まれに、これらの抗体による血糖値の変動があらわれ、用量調節が必要となることがある。
15.2 非臨床試験に基づく情報
-
15.2.1 リキシセナチドにおいて、ラット及びマウスにおける2年間のがん原性試験にて、ヒトでの治療用量に比べ高用量の投与により非致死性の甲状腺C細胞腫瘍が認められた。
本剤の国内第3相試験で評価した甲状腺C細胞増殖との関連が疑われる有害事象について、本剤群、リキシセナチド群及びインスリン グラルギン群のいずれの投与群においても全般的に臨床的に意味のある変動はみられず、投与群間における明らかな違いは認められなかった。
甲状腺髄様癌の既往のある患者及び甲状腺髄様癌又は多発性内分泌腫瘍症2型の家族歴のある患者に対する本剤の安全性は確立していない。[8.10 参照] - 15.2.2 リキシセナチドにおいて、ラットでの生殖試験では影響は認められなかったが、イヌを用いた反復投与毒性試験において、ヒトに本剤1回20μg、1日1回投与したときの血漿中曝露量(AUC)の117倍で精巣及び精巣上体への影響(精細管の拡張、精子低形成、無精子症及び上皮変性等)がみられた。健康成人男性に投与した試験では精子形成に影響は認められなかった。
2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)
- 2.1 本剤の成分又は他のインスリン グラルギン製剤に対し過敏症の既往歴のある患者
- 2.2 低血糖症状を呈している患者[11.1.1 参照]
- 2.3 糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡又は前昏睡、1型糖尿病の患者[インスリンのみを含有する製剤による速やかな治療が必須となるので、本剤を投与すべきでない。]
- 2.4 重症感染症、手術等の緊急の場合[インスリンのみを含有する製剤による血糖管理が望まれるので、本剤の投与は適さない。]
4. 効能又は効果
インスリン療法が適応となる2型糖尿病
5. 効能又は効果に関連する注意
本剤は食事療法・運動療法に加え、糖尿病用薬による治療で効果不十分な場合に使用を検討すること。[17.1 参照]
6. 用法及び用量
通常、成人には、5~20ドーズ(インスリン グラルギン/リキシセナチドとして5~20単位/5~20μg)を1日1回朝食前に皮下注射する。ただし、1日1回5~10ドーズから開始し、患者の状態に応じて増減するが、1日20ドーズを超えないこと。
なお、本剤の用量単位である1ドーズには、インスリン グラルギン1単位及びリキシセナチド1μgが含まれる。
7. 用法及び用量に関連する注意
- 7.1 本剤の投与は朝食前1時間以内に行い、食後の投与は行わないこと。
- 7.2 本剤はインスリン グラルギンとリキシセナチドを配合した製剤であるため、患者の状態に応じて用量を増減するなど、投与量は慎重に決定すること。なお、本剤は1ドーズ刻みで調節可能である。
- 7.3 インスリン製剤以外の糖尿病用薬による治療で効果不十分な場合、5ドーズを目安として投与を開始すること。
-
7.4 基礎インスリン製剤による治療で効果不十分な場合、前治療で使用していた基礎インスリン製剤の種類に応じ、以下を参考に本剤の投与を開始すること。なお、いずれの場合も本剤の初期用量として10ドーズを超えないこと。[17.1.3 参照]
- 7.4.1 インスリン グラルギン100単位/mL製剤から本剤に変更する場合、通常初期用量は前治療のインスリン グラルギン100単位/mL製剤の1日投与量と同単位を目安として投与を開始する。
- 7.4.2 インスリン グラルギン300単位/mL製剤又は1日2回投与の基礎インスリン製剤から本剤に変更する場合、通常初期用量は前治療の基礎インスリン製剤の1日投与量よりも低用量を目安として投与を開始する。
- 7.4.3 インスリン グラルギン以外の1日1回投与の基礎インスリン製剤から本剤に変更する場合、通常初期用量は前治療の基礎インスリン製剤の1日投与量と同単位を目安として投与を開始する。
- 7.4.4 本剤の投与にあたっては、前治療で使用していた基礎インスリン製剤の投与を中止し、本剤と併用しないこと。
- 7.5 本剤の1日用量として20ドーズを超える用量が必要な場合は、他の糖尿病用薬への切替えを検討すること。
8. 重要な基本的注意
- 8.1 投与する場合には、血糖を定期的に検査し、薬剤の効果を確かめ、3~4ヵ月間投与して効果が不十分な場合には、速やかに他の治療薬への切替えを行うこと。
- 8.2 本剤の投与開始時及びその後数週間は血糖コントロールのモニタリングを十分に行うこと。特に、高用量の基礎インスリン製剤を投与している患者が本剤に切り替える場合は、血糖コントロールが一時的に悪化する可能性があることから、注意すること。[8.12 参照]
- 8.3 本剤の自己注射にあたっては、以下の点に留意すること。
- 8.4 低血糖に関する注意について、その対処法も含め患者及びその家族に十分徹底させること。[9.1.3 参照],[11.1.1 参照]
- 8.5 急激な血糖コントロールに伴い、糖尿病網膜症の顕在化又は増悪、眼の屈折異常、治療後神経障害(主として有痛性)があらわれることがあるので注意すること。
- 8.6 低血糖症状を起こすことがあるので、高所作業、自動車の運転等に従事している患者に投与するときには注意すること。[11.1.1 参照]
- 8.7 急性膵炎の初期症状(嘔吐を伴う持続的な激しい腹痛等)があらわれた場合は、使用を中止し、速やかに医師の診断を受けるよう指導すること。[9.1.2 参照],[11.1.2 参照]
- 8.8 胃腸障害が発現した場合、急性膵炎の可能性を考慮し、必要に応じて画像検査等による原因精査を考慮する等、慎重に対応すること。[9.1.2 参照],[11.1.2 参照]
- 8.9 胆石症、胆嚢炎、胆管炎又は胆汁うっ滞性黄疸が発現するおそれがあるので、腹痛等の腹部症状がみられた場合には、必要に応じて画像検査等による原因精査を考慮するなど、適切に対応すること。[11.1.4 参照]
- 8.10 本剤投与中は、甲状腺関連の症候の有無を確認し、異常が認められた場合には、専門医を受診するよう指導すること。[15.2.1 参照]
- 8.11 本剤の有効成分の一つであるリキシセナチドとDPP-4阻害薬はいずれもGLP-1受容体を介した血糖降下作用を有している。本剤とDPP-4阻害薬との併用患者を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
- 8.12 *GLP-1受容体作動薬又は基礎インスリンとして1日15単位以上による治療で効果不十分な場合に本剤へ切り替えた際の有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。[8.2 参照],[17.1 参照],[17.2.1 参照]
- 8.13 本剤と他の糖尿病用注射剤を取り違えないよう、毎回注射する前に本剤のラベル等を確認するよう患者に十分指導すること。
-
8.14 同一箇所への繰り返し投与により、注射箇所に皮膚アミロイドーシス又はリポジストロフィーがあらわれることがあるので、定期的に注射箇所を観察するとともに、以下の点を患者に指導すること。
- 本剤の注射箇所は、少なくとも前回の注射箇所から2~3cm離すこと。[14.2.2 参照]
- 注射箇所の腫瘤や硬結が認められた場合には、当該箇所への投与を避けること。
- 8.15 皮膚アミロイドーシス又はリポジストロフィーがあらわれた箇所に本剤を投与した場合、本剤の吸収が妨げられ十分な血糖コントロールが得られなくなることがある。血糖コントロールの不良が認められた場合には、注射箇所の腫瘤や硬結の有無を確認し、注射箇所の変更とともに投与量の調整を行うなどの適切な処置を行うこと。血糖コントロールの不良に伴い、過度に増量されたインスリン製剤が正常な箇所に投与されたことにより、低血糖に至った例が報告されている。
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
-
9.1.1 重症胃不全麻痺等の重度の胃腸障害のある患者
使用経験がなく、胃腸障害の症状が悪化するおそれがある。
- 9.1.2 膵炎の既往歴のある患者
- 9.1.3 低血糖を起こすおそれのある以下の患者又は状態
-
9.1.4 自律神経障害のある患者
低血糖の自覚症状が明確でないことがある。
-
9.1.5 腹部手術の既往又はイレウスの既往のある患者
腸閉塞を含むイレウスを起こすおそれがある。[11.1.5 参照]
-
9.1.6 全身麻酔又は深い鎮静下の患者
**GLP-1受容体作動薬又はGIP/GLP-1受容体作動薬を投与中の患者において、術前の絶食指示を遵守したにもかかわらず、全身麻酔又は深い鎮静下で誤嚥が生じた症例が報告されている。リキシセナチドは胃内容排出遅延作用があり、胃内容物残留リスクが高まるおそれがある。[18.2.4 参照]
9.2 腎機能障害患者
-
9.2.1 重度の腎機能障害(クレアチニンクリアランス:30mL/min未満)又は末期腎不全の患者
低血糖を起こすおそれがある。
重度の腎機能障害患者を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。末期腎不全の患者は臨床試験では除外されている。[11.1.1 参照]
9.3 肝機能障害患者
-
9.3.1 重度の肝機能障害のある患者
低血糖を起こすおそれがある。
重度の肝機能障害患者を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。[11.1.1 参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性に対しては本剤を投与せず、インスリン製剤を使用すること。リキシセナチドのヒトにおける潜在的なリスクは不明である。リキシセナチドにおける動物実験では、生殖発生毒性が報告されている。胚・胎児発生に関する試験において、ラットではヒトにリキシセナチドを1回20μg、1日1回投与時の血漿中曝露量(AUC)の少なくとも約4.6倍で胎児の成長遅延、骨格異常及び骨化遅延、ウサギでは約32倍で骨化遅延が認められた。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)において、微量のリキシセナチドが乳汁中へ移行することが認められている。授乳を継続する場合、授乳期にはインスリンの需要量が変化しやすいため、用量に留意し、定期的に検査を行い投与量を調整すること。
9.7 小児等
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。生理機能が低下していることが多く、胃腸障害及び低血糖が発現しやすい。[11.1.1 参照],[16.6.2 参照]
10. 相互作用
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。 |
血糖降下作用が増強される。 |
|
モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤 |
血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。 |
インスリン分泌促進、糖新生抑制作用による血糖降下作用を有する。 |
血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。 |
機序は不明であるが、インスリン感受性を増強するなどの報告がある。 |
|
血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。 |
糖に対するβ細胞の感受性の亢進やインスリン利用率の増加等による血糖降下作用を有する。また、末梢で弱いインスリン様作用を有する。 |
|
血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。 |
インスリンが結合する抗体の生成を抑制し、その結合部位からインスリンを遊離させる可能性がある。 |
|
クロラムフェニコール |
血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。 |
機序不明 |
サルファ剤 |
血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。 |
膵臓でのインスリン分泌を増加させることにより、低血糖を起こすと考えられている。腎機能低下、空腹状態の遷延、栄養不良、過量投与が危険因子となる。 |
シベンゾリンコハク酸塩 ジソピラミド ピルメノール塩酸塩水和物 |
血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。 |
インスリン分泌作用を認めたとの報告がある。 |
フィブラート系薬剤 |
血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。 |
インスリン感受性増強等の作用により、本剤の作用を増強する。 |
レセルピン |
血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。 |
低血糖に対する交感神経系の症状(振戦、動悸等)をマスクし、低血糖を遷延させる可能性がある。 |
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。 |
カリウム喪失が関与すると考えられている。カリウム欠乏時には、血糖上昇反応に対するβ細胞のインスリン分泌能が低下する可能性がある。 |
|
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。 |
糖新生亢進、筋肉組織・脂肪組織からのアミノ酸や脂肪酸の遊離促進、末梢組織でのインスリン感受性低下等による血糖上昇作用を有する。 |
|
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。 |
副腎皮質刺激作用により糖質コルチコイドの分泌が増加する。糖質コルチコイドは、糖新生亢進、筋肉組織・脂肪組織からのアミノ酸や脂肪酸の遊離促進、末梢組織でのインスリン感受性低下等による血糖上昇作用を有する。 |
|
アドレナリン |
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。 |
糖新生亢進、末梢での糖利用抑制、インスリン分泌抑制による血糖上昇作用を有する。 |
グルカゴン |
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。 |
糖新生亢進、肝グリコーゲン分解促進による血糖上昇作用を有する。 |
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。 |
糖新生亢進、肝グリコーゲン分解促進による血糖上昇作用を有する。 |
|
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。 |
抗インスリン様作用による血糖上昇作用を有する。 |
|
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。 |
末梢組織でインスリンの作用に拮抗する。 |
|
経口避妊薬 |
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。 |
末梢組織でインスリンの作用に拮抗する。 |
ニコチン酸 |
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。 |
末梢組織でのインスリン感受性を低下させるため耐糖能障害を起こす。 |
濃グリセリン |
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。 |
代謝されて糖になるため、血糖値が上昇する。 |
イソニアジド |
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。 |
炭水化物代謝を阻害することによる血糖上昇作用を有する。 |
ダナゾール |
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。 |
インスリン抵抗性を増強するおそれがある。 |
フェニトイン |
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。 |
インスリン分泌抑制作用を有する。 |
ブセレリン酢酸塩 |
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。 |
機序不明 |
フェノチアジン誘導体 |
血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。 |
機序不明であるが、動物実験(ラット)において、インスリン分泌が低下したとの報告がある。 |
血糖降下作用の増強による低血糖症状、又は減弱による高血糖症状があらわれることがある。 |
機序不明 |
|
血糖降下作用の増強による低血糖症状、又は減弱による高血糖症状があらわれることがある。 |
インスリン、グルカゴン及び成長ホルモン等互いに拮抗的に調節作用をもつホルモン間のバランスが変化することがある。 |
|
ペンタミジンイセチオン酸塩 |
血糖降下作用の増強による低血糖症状、又は減弱による高血糖症状があらわれることがある。 |
膵臓のβ細胞に作用し、初期に低血糖、それに引き続いて高血糖を起こすことがある。 |
血糖降下作用の増強による低血糖症状、又は減弱による高血糖症状があらわれることがある。 |
アドレナリンによる低血糖からの回復反応を抑制する。また、低血糖に対する交感神経系の症状(振戦、動悸等)をマスクし、低血糖を遷延させる可能性がある。また、インスリン感受性は薬剤により増強あるいは減弱することが報告されている。 |
|
炭酸リチウム |
血糖降下作用の増強による低血糖症状、又は減弱による高血糖症状があらわれることがある。 |
機序不明 |
クロニジン |
血糖降下作用の増強による低血糖症状、又は減弱による高血糖症状があらわれることがある。 |
機序不明 |
リキシセナチドの胃内容排出遅延作用が、併用する経口剤の吸収に影響を与えるおそれがある。 |
リキシセナチドの胃内容排出遅延作用による。 |
|
血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。 |
機序不明 |
|
プロトロンビン時間国際標準比(INR)の延長がリキシセナチドの類薬(エキセナチド)で報告されている。 |
リキシセナチドの胃内容排出遅延作用による。 |
11. 副作用
11.1 重大な副作用
-
11.1.1 低血糖
脱力感、倦怠感、高度の空腹感、冷汗、顔面蒼白、動悸、振戦、頭痛、めまい、嘔気、視覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、痙攣、意識障害(意識混濁、昏睡)等があらわれることがある。無処置の状態が続くと低血糖昏睡等を起こし、重篤な転帰(中枢神経系の不可逆的障害、死亡等)をとるおそれがある。
長期にわたる糖尿病、糖尿病性神経障害、β-遮断剤投与あるいは強化インスリン療法が行われている場合では、低血糖の初期の自覚症状(冷汗、振戦等)が通常と異なる場合や、自覚症状があらわれないまま、低血糖あるいは低血糖性昏睡に陥ることがある。
症状が認められた場合には糖質を含む食品を摂取する等、適切な処置を行うこと。α-グルコシダーゼ阻害剤との併用時にはブドウ糖を投与すること。経口摂取が不可能な場合は、ブドウ糖の静脈内投与やグルカゴンの筋肉内投与等、適切な処置を行うこと。
低血糖は臨床的に回復した場合にも、再発することがあるので継続的に観察すること。
臨床試験で報告された重篤な低血糖の発現割合は、0.1%(1/676例)であった。[2.2 参照],[8.4 参照],[8.6 参照],[9.1.3 参照],[9.2.1 参照],[9.3.1 参照],[9.8 参照],[10.2 参照] -
11.1.2 急性膵炎(頻度不明)
GLP-1受容体作動薬の使用は、急性膵炎のリスクの増加に関連している。急性膵炎に特徴的な症状(嘔吐を伴う持続的な腹痛等)が認められた場合には、本剤の投与を中止すること。また急性膵炎と診断された場合には、本剤の再投与は行わないこと。[8.7 参照],[8.8 参照],[9.1.2 参照]
-
11.1.3 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
全身性皮膚反応、血管神経性浮腫、気管支痙攣、低血圧等の異常が認められた場合には投与を中止すること。
- 11.1.4 胆嚢炎、胆管炎、胆汁うっ滞性黄疸(いずれも頻度不明)
-
11.1.5 イレウス(頻度不明)
腸閉塞を含むイレウスを起こすおそれがある。高度の便秘、腹部膨満、持続する腹痛、嘔吐等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。[9.1.5 参照]
11.2 その他の副作用
5%以上 |
1~5%未満 |
1%未満 |
頻度不明 |
|
|---|---|---|---|---|
消化器 |
悪心 |
腹部不快感、下痢、嘔吐、消化不良、便秘、胃腸炎、食欲不振 |
腹部膨満、腹痛 |
|
肝胆道 |
胆石症 |
|||
皮膚 |
多汗症 |
蕁麻疹 |
||
精神神経系 |
めまい、振戦 |
傾眠 |
頭痛 |
|
注射部位 |
注射部位反応(内出血、紅斑、浮腫、そう痒等) |
リポジストロフィー(皮下脂肪の萎縮・肥厚等)、皮膚アミロイドーシス |
||
感染 |
上咽頭炎、上気道感染 |
|||
その他 |
疲労 |
倦怠感、空腹感 |
14. 適用上の注意
14.1 薬剤投与前の注意
14.2 薬剤投与時の注意
- 14.2.1 1本を複数の患者に使用しないこと。
- 14.2.2 皮下注射は、腹部、大腿部又は上腕部に行う。同一部位内で投与する場合は前回の注射箇所より2~3cm離して注射すること。[8.14 参照]
- 14.2.3 静脈内及び筋肉内に投与しないこと。皮下注射したとき、まれに注射針が血管内に入り、注射後直ちに低血糖があらわれることがあるので注意すること。
15. その他の注意
15.1 臨床使用に基づく情報
- 15.1.1 インスリン又は経口血糖降下剤の投与中にアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与することにより、低血糖が起こりやすいとの報告がある1) 。
- 15.1.2 インスリンとピオグリタゾンを併用した場合、浮腫が多く報告されている。併用する場合には、浮腫及び心不全の徴候を十分観察しながら投与すること。
- 15.1.3 ヒトインスリンに対する獲得抗体を有し、高用量のインスリンを必要としている患者では、他のインスリン製剤から本剤に変更することによって、本剤の需要量が急激に変化することがある。また、本剤の投与により、インスリン グラルギン又はリキシセナチドに対する抗体が産生される可能性がある。まれに、これらの抗体による血糖値の変動があらわれ、用量調節が必要となることがある。
15.2 非臨床試験に基づく情報
-
15.2.1 リキシセナチドにおいて、ラット及びマウスにおける2年間のがん原性試験にて、ヒトでの治療用量に比べ高用量の投与により非致死性の甲状腺C細胞腫瘍が認められた。
本剤の国内第3相試験で評価した甲状腺C細胞増殖との関連が疑われる有害事象について、本剤群、リキシセナチド群及びインスリン グラルギン群のいずれの投与群においても全般的に臨床的に意味のある変動はみられず、投与群間における明らかな違いは認められなかった。
甲状腺髄様癌の既往のある患者及び甲状腺髄様癌又は多発性内分泌腫瘍症2型の家族歴のある患者に対する本剤の安全性は確立していない。[8.10 参照] - 15.2.2 リキシセナチドにおいて、ラットでの生殖試験では影響は認められなかったが、イヌを用いた反復投与毒性試験において、ヒトに本剤1回20μg、1日1回投与したときの血漿中曝露量(AUC)の117倍で精巣及び精巣上体への影響(精細管の拡張、精子低形成、無精子症及び上皮変性等)がみられた。健康成人男性に投与した試験では精子形成に影響は認められなかった。