薬効分類名選択的SGLT2阻害剤 -2型糖尿病・慢性心不全・慢性腎臓病治療剤-
選択的SGLT2阻害剤 -2型糖尿病治療剤-
一般的名称エンパグリフロジン
ジャディアンス錠10mg、ジャディアンス錠25mg
じゃでぃあんすじょう10mg、じゃでぃあんすじょう25mg
Jardiance Tablets 10mg, Jardiance Tablets 25mg
製造販売元/日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社
重大な副作用
その他の副作用
併用注意
低血糖が起こるおそれがある。特に、スルホニルウレア剤又はインスリン製剤と併用する場合にはスルホニルウレア剤又はインスリン製剤の減量を検討すること。
血糖降下作用が増強される。
血糖降下作用を増強する薬剤
- β遮断薬
サリチル酸剤
モノアミン酸化酵素阻害剤等
血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
血糖降下作用が増強される。
血糖降下作用を減弱する薬剤
- アドレナリン
副腎皮質ホルモン
甲状腺ホルモン等
血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
血糖降下作用が減弱される。
必要に応じ利尿薬の用量を調整するなど注意すること。
利尿作用が増強されるおそれがある。
リチウム製剤
- 炭酸リチウム
リチウムの作用が減弱されるおそれがある。
リチウムの腎排泄を促進することにより、血清リチウム濃度が低下する可能性がある。
5. 効能又は効果に関連する注意
-
〈2型糖尿病〉
- 5.1 本剤は2型糖尿病と診断された患者に対してのみ使用し、1型糖尿病の患者には投与をしないこと。
- 5.2 本剤の適用はあらかじめ糖尿病治療の基本である食事療法、運動療法を十分に行った上で効果が不十分な場合に限り考慮すること。
- 5.3 高度腎機能障害患者又は透析中の末期腎不全患者では本剤の血糖降下作用が期待できないため、投与しないこと。[8.2 参照],[9.2.1 参照],[16.6.1 参照]
- 5.4 中等度腎機能障害患者では本剤の血糖降下作用が十分に得られない可能性があるので投与の必要性を慎重に判断すること。[8.2 参照],[9.2.2 参照],[16.6.1 参照],[17.1.4 参照]
-
〈慢性心不全〉
- 5.5 「臨床成績」の項の内容を熟知し、臨床試験に組み入れられた患者の背景(前治療等)を十分に理解した上で、適応患者を選択すること。[17.1.5 参照],[17.1.6 参照]
-
〈慢性腎臓病〉
- 5.6 eGFRが20mL/min/1.73m2未満の患者では、本剤の腎保護作用が十分に得られない可能性があること、本剤投与中にeGFRが低下することがあり、腎機能障害が悪化するおそれがあることから、投与の必要性を慎重に判断すること。eGFRが20mL/min/1.73m2未満の患者を対象とした臨床試験は実施していない。[8.2 参照],[9.2.4 参照],[17.1.7 参照]
- 5.7 「臨床成績」の項の内容を熟知し、臨床試験に組み入れられた患者の背景(原疾患、併用薬、腎機能等)を十分に理解した上で、慢性腎臓病に対するガイドラインにおける診断基準や重症度分類等を参考に、適応患者を選択すること。[17.1.7 参照]
8. 重要な基本的注意
-
- 8.1 本剤の使用にあたっては、患者に対し低血糖症状及びその対処方法について十分説明すること。[9.1.1 参照],[11.1.1 参照]
- 8.2 本剤投与により、血清クレアチニンの上昇又はeGFRの低下がみられることがあるので、腎機能を定期的に検査すること。腎機能障害のある患者では経過を十分に観察し、特に高度の腎機能障害患者に本剤を投与する際には、腎機能障害の悪化に注意すること。2型糖尿病の血糖コントロール改善を目的として使用している患者においては、継続的にeGFRが45mL/min/1.73m2未満に低下した場合は投与の中止を検討すること。[5.3 参照],[5.4 参照],[5.6 参照],[9.2.1 参照],[9.2.2 参照]
- 8.3 2型糖尿病の血糖コントロール改善を目的として使用する場合、本剤投与中は、血糖を定期的に検査し、薬剤の効果を確かめ、本剤を3カ月投与しても効果が不十分な場合には他の治療法への変更を考慮すること。
- 8.4 尿路感染及び性器感染を起こし、腎盂腎炎、外陰部及び会陰部の壊死性筋膜炎(フルニエ壊疽)、敗血症等の重篤な感染症に至ることがある。十分な観察を行うなど尿路感染及び性器感染の発症に注意し、発症した場合には適切な処置を行うとともに、状態に応じて休薬等を考慮すること。尿路感染及び性器感染の症状及びその対処方法について患者に説明すること。[9.1.3 参照],[11.1.4 参照]
- 8.5 本剤の利尿作用により多尿・頻尿がみられることがある。また、体液量が減少することがあるので、適度な水分補給を行うよう指導し、観察を十分行うこと。脱水、血圧低下等の異常が認められた場合は、休薬や補液等の適切な処置を行うこと。特に体液量減少を起こしやすい患者(高齢者、腎機能障害患者、利尿薬併用患者等)においては、脱水や糖尿病性ケトアシドーシス、高浸透圧高血糖症候群、脳梗塞を含む血栓・塞栓症等の発現に注意すること。[9.1.2 参照],[9.2.2 参照],[9.8 参照],[10.2 参照],[11.1.2 参照]
-
8.6 *本剤の作用機序である尿中グルコース排泄促進作用により、血糖コントロールが良好であっても脂肪酸代謝が亢進し、ケトーシスがあらわれ、ケトアシドーシスに至ることがある。
- 8.6.1 著しい血糖の上昇を伴わない場合があるため、以下の点に留意すること。
-
8.6.2 本剤を含むSGLT2阻害剤の投与中止後、血漿中半減期から予想されるより長く尿中グルコース排泄及びケトアシドーシスが持続した症例が報告されているため、必要に応じて尿糖を測定するなど観察を十分に行うこと。
[9.1.4 参照],[11.1.3 参照]
- 8.7 排尿困難、無尿、乏尿あるいは尿閉の症状を呈する患者においては、その治療を優先するとともに他剤での治療を考慮すること。
- 8.8 本剤投与による体重減少が報告されているため、過度の体重減少に注意すること。
- 8.9 低血糖症状を起こすことがあるので、高所作業、自動車の運転等に従事している患者に投与するときは注意すること。[11.1.1 参照]
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1 低血糖を起こすおそれのある以下に掲げる患者又は状態
- 9.1.2 脱水を起こしやすい患者(血糖コントロールが極めて不良の患者、高齢者、利尿剤併用患者等)
-
9.1.3 尿路感染、性器感染のある患者
症状を悪化させるおそれがある。[8.4 参照],[11.1.4 参照]
-
9.1.4 1型糖尿病を合併する慢性心不全患者及び慢性腎臓病患者
投与を避けること。ケトアシドーシスを起こすおそれがある。[8.6 参照],[11.1.3 参照]
9.2 腎機能障害患者
-
〈2型糖尿病〉
-
9.2.1 高度腎機能障害患者又は透析中の末期腎不全患者
血糖コントロール改善を目的として投与しないこと。本剤の血糖降下作用が期待できない。[5.3 参照],[8.2 参照],[16.6.1 参照]
-
9.2.2 中等度腎機能障害患者
血糖コントロール改善を目的とした投与については、その必要性を慎重に判断すること。本剤の血糖降下作用が十分に得られない可能性がある。[5.4 参照],[8.2 参照],[8.5 参照],[16.6.1 参照],[17.1.4 参照]
-
9.2.1 高度腎機能障害患者又は透析中の末期腎不全患者
- 〈慢性心不全〉
-
〈慢性腎臓病〉
-
9.2.4 高度腎機能障害患者
eGFRが20mL/min/1.73m2未満の患者では、投与の必要性を慎重に判断すること。eGFRが20mL/min/1.73m2未満の患者では、本剤の腎保護作用が十分に得られない可能性がある。また、本剤投与中にeGFRが低下することがあり、腎機能障害が悪化するおそれがある。eGFRが20mL/min/1.73m2未満の患者を対象とした臨床試験は実施していない。[5.6 参照]
-
9.2.4 高度腎機能障害患者
9.3 肝機能障害患者
-
9.3.1 高度肝機能障害患者
有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。[16.6.2 参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、本剤を投与せず、2型糖尿病患者ではインスリン製剤等を使用すること。本剤の動物実験(ラット)で、ヒトの妊娠中期及び後期にあたる幼若動物への曝露により、腎盂及び尿細管の拡張が報告されている。また、動物実験(ラット)で胎児への移行が報告されている。
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)で、乳汁中への移行が報告されている1) 。
9.7 小児等
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
一般に生理機能が低下し、脱水症状(口渇等)の認知が遅れるおそれがある。[8.5 参照],[11.1.2 参照]
-
9.8.1 75歳以上の高齢者
2型糖尿病を対象とした国内外の臨床試験の併合解析において、75歳以上の患者では75歳未満の患者と比較し、本剤25mg群で体液量減少の有害事象の発現割合が高かった。[8.5 参照]
10. 相互作用
- 本剤は投与後血漿中には主に未変化体として存在する2) が、一部はUGT2B7、UGT1A3、UGT1A8及びUGT1A9によるグルクロン酸抱合により代謝される3) (グルクロン酸抱合体として血漿中放射能の3.3~7.4%存在する)2) 。また、本剤はP-糖蛋白(P-gp)の基質である4) 。[16.4 参照]
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
低血糖が起こるおそれがある。特に、スルホニルウレア剤又はインスリン製剤と併用する場合にはスルホニルウレア剤又はインスリン製剤の減量を検討すること。 |
血糖降下作用が増強される。 |
|
血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。 |
血糖降下作用が増強される。 |
|
血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。 |
血糖降下作用が減弱される。 |
|
必要に応じ利尿薬の用量を調整するなど注意すること。 |
利尿作用が増強されるおそれがある。 |
|
リチウムの作用が減弱されるおそれがある。 |
リチウムの腎排泄を促進することにより、血清リチウム濃度が低下する可能性がある。 |
11. 副作用
11.1 重大な副作用
-
11.1.1 低血糖(1.4%)
低血糖があらわれることがある。低血糖症状が認められた場合には、糖質を含む食品を摂取するなど適切な処置を行うこととし、α-グルコシダーゼ阻害薬との併用時にはブドウ糖を投与すること。[8.1 参照],[8.9 参照],[9.1.1 参照],[10.2 参照],[17.1.3 参照]
-
11.1.2 脱水(0.3%)
口渇、多尿、頻尿、血圧低下等の症状があらわれ脱水が疑われる場合には、休薬や補液等の適切な処置を行うこと。脱水に引き続き脳梗塞を含む血栓・塞栓症等を発現した例が報告されている。[8.5 参照],[9.1.2 参照],[9.2 参照],[9.8 参照],[10.2 参照]
-
11.1.3 ケトアシドーシス(0.1%未満)
ケトアシドーシス(糖尿病性ケトアシドーシスを含む)があらわれることがある。[8.6 参照],[9.1.4 参照]
-
11.1.4 腎盂腎炎(0.1%未満)、外陰部及び会陰部の壊死性筋膜炎(フルニエ壊疽)(0.1%未満)、敗血症(0.1%未満)
腎盂腎炎、外陰部及び会陰部の壊死性筋膜炎(フルニエ壊疽)があらわれ、敗血症(敗血症性ショックを含む)に至ることがある。[8.4 参照],[9.1.3 参照]
11.2 その他の副作用
0.1~5% |
0.1%未満 |
|
|---|---|---|
感染症 |
尿路感染、膀胱炎、外陰部腟カンジダ症、無症候性細菌尿 |
外陰部腟炎、細菌性腟炎、トリコモナス症 |
生殖系障害 |
亀頭包皮炎、陰部そう痒症 |
**亀頭炎、外陰腟そう痒症、外陰腟不快感、包茎 |
代謝及び栄養障害 |
高脂血症 |
体液量減少 |
血液及びリンパ系障害 |
血液濃縮 |
|
神経障害 |
めまい |
味覚異常 |
胃腸障害 |
便秘 |
腹部膨満 |
皮膚及び皮下組織障害 |
そう痒症、発疹 |
湿疹、じん麻疹 |
腎及び尿路障害 |
頻尿、多尿、排尿困難 |
尿量増加、尿意切迫 |
一般・全身障害 |
口渇 |
空腹感 |
臨床検査 |
体重減少 |
血中ケトン体陽性、尿中ケトン体陽性 |
12. 臨床検査結果に及ぼす影響
本剤の作用機序により、本剤服用中は尿糖陽性、血清1,5-AG(1,5-アンヒドログルシトール)低値を示す。尿糖及び血清1,5-AGの検査結果は、血糖コントロールの参考とはならないので注意すること。
15. その他の注意
15.2 非臨床試験に基づく情報
- 15.2.1 雌雄マウスを用いた2年間反復投与がん原性試験(100、300及び1000mg/kg/日)において、1000mg/kg/日の雄で腎腫瘍の発生頻度の増加が認められた。
- 15.2.2 雌雄ラットを用いた2年間反復投与がん原性試験(100、300及び700mg/kg/日)において、300mg/kg/日以上の雄で精巣に間細胞腫、700mg/kg/日の雄で腸間膜リンパ節の血管腫の発生頻度の増加が認められた。
- 15.2.3 マウスに本剤1000mg/kg/日(雄)及びラットに本剤300mg/kg/日(雄)を反復経口投与したときの曝露量(AUC0-24h)は、最大臨床推奨用量(1日1回25mg)のそれぞれ約33倍及び約19倍であった。
5. 効能又は効果に関連する注意
-
〈2型糖尿病〉
- 5.1 本剤は2型糖尿病と診断された患者に対してのみ使用し、1型糖尿病の患者には投与をしないこと。
- 5.2 本剤の適用はあらかじめ糖尿病治療の基本である食事療法、運動療法を十分に行った上で効果が不十分な場合に限り考慮すること。
- 5.3 高度腎機能障害患者又は透析中の末期腎不全患者では本剤の血糖降下作用が期待できないため、投与しないこと。[8.2 参照],[9.2.1 参照],[16.6.1 参照]
- 5.4 中等度腎機能障害患者では本剤の血糖降下作用が十分に得られない可能性があるので投与の必要性を慎重に判断すること。[8.2 参照],[9.2.2 参照],[16.6.1 参照],[17.1.4 参照]
-
〈慢性心不全〉
- 5.5 「臨床成績」の項の内容を熟知し、臨床試験に組み入れられた患者の背景(前治療等)を十分に理解した上で、適応患者を選択すること。[17.1.5 参照],[17.1.6 参照]
-
〈慢性腎臓病〉
- 5.6 eGFRが20mL/min/1.73m2未満の患者では、本剤の腎保護作用が十分に得られない可能性があること、本剤投与中にeGFRが低下することがあり、腎機能障害が悪化するおそれがあることから、投与の必要性を慎重に判断すること。eGFRが20mL/min/1.73m2未満の患者を対象とした臨床試験は実施していない。[8.2 参照],[9.2.4 参照],[17.1.7 参照]
- 5.7 「臨床成績」の項の内容を熟知し、臨床試験に組み入れられた患者の背景(原疾患、併用薬、腎機能等)を十分に理解した上で、慢性腎臓病に対するガイドラインにおける診断基準や重症度分類等を参考に、適応患者を選択すること。[17.1.7 参照]
8. 重要な基本的注意
-
- 8.1 本剤の使用にあたっては、患者に対し低血糖症状及びその対処方法について十分説明すること。[9.1.1 参照],[11.1.1 参照]
- 8.2 本剤投与により、血清クレアチニンの上昇又はeGFRの低下がみられることがあるので、腎機能を定期的に検査すること。腎機能障害のある患者では経過を十分に観察し、特に高度の腎機能障害患者に本剤を投与する際には、腎機能障害の悪化に注意すること。2型糖尿病の血糖コントロール改善を目的として使用している患者においては、継続的にeGFRが45mL/min/1.73m2未満に低下した場合は投与の中止を検討すること。[5.3 参照],[5.4 参照],[5.6 参照],[9.2.1 参照],[9.2.2 参照]
- 8.3 2型糖尿病の血糖コントロール改善を目的として使用する場合、本剤投与中は、血糖を定期的に検査し、薬剤の効果を確かめ、本剤を3カ月投与しても効果が不十分な場合には他の治療法への変更を考慮すること。
- 8.4 尿路感染及び性器感染を起こし、腎盂腎炎、外陰部及び会陰部の壊死性筋膜炎(フルニエ壊疽)、敗血症等の重篤な感染症に至ることがある。十分な観察を行うなど尿路感染及び性器感染の発症に注意し、発症した場合には適切な処置を行うとともに、状態に応じて休薬等を考慮すること。尿路感染及び性器感染の症状及びその対処方法について患者に説明すること。[9.1.3 参照],[11.1.4 参照]
- 8.5 本剤の利尿作用により多尿・頻尿がみられることがある。また、体液量が減少することがあるので、適度な水分補給を行うよう指導し、観察を十分行うこと。脱水、血圧低下等の異常が認められた場合は、休薬や補液等の適切な処置を行うこと。特に体液量減少を起こしやすい患者(高齢者、腎機能障害患者、利尿薬併用患者等)においては、脱水や糖尿病性ケトアシドーシス、高浸透圧高血糖症候群、脳梗塞を含む血栓・塞栓症等の発現に注意すること。[9.1.2 参照],[9.2.2 参照],[9.8 参照],[10.2 参照],[11.1.2 参照]
-
8.6 *本剤の作用機序である尿中グルコース排泄促進作用により、血糖コントロールが良好であっても脂肪酸代謝が亢進し、ケトーシスがあらわれ、ケトアシドーシスに至ることがある。
- 8.6.1 著しい血糖の上昇を伴わない場合があるため、以下の点に留意すること。
-
8.6.2 本剤を含むSGLT2阻害剤の投与中止後、血漿中半減期から予想されるより長く尿中グルコース排泄及びケトアシドーシスが持続した症例が報告されているため、必要に応じて尿糖を測定するなど観察を十分に行うこと。
[9.1.4 参照],[11.1.3 参照]
- 8.7 排尿困難、無尿、乏尿あるいは尿閉の症状を呈する患者においては、その治療を優先するとともに他剤での治療を考慮すること。
- 8.8 本剤投与による体重減少が報告されているため、過度の体重減少に注意すること。
- 8.9 低血糖症状を起こすことがあるので、高所作業、自動車の運転等に従事している患者に投与するときは注意すること。[11.1.1 参照]
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1 低血糖を起こすおそれのある以下に掲げる患者又は状態
- 9.1.2 脱水を起こしやすい患者(血糖コントロールが極めて不良の患者、高齢者、利尿剤併用患者等)
-
9.1.3 尿路感染、性器感染のある患者
症状を悪化させるおそれがある。[8.4 参照],[11.1.4 参照]
-
9.1.4 1型糖尿病を合併する慢性心不全患者及び慢性腎臓病患者
投与を避けること。ケトアシドーシスを起こすおそれがある。[8.6 参照],[11.1.3 参照]
9.2 腎機能障害患者
-
〈2型糖尿病〉
-
9.2.1 高度腎機能障害患者又は透析中の末期腎不全患者
血糖コントロール改善を目的として投与しないこと。本剤の血糖降下作用が期待できない。[5.3 参照],[8.2 参照],[16.6.1 参照]
-
9.2.2 中等度腎機能障害患者
血糖コントロール改善を目的とした投与については、その必要性を慎重に判断すること。本剤の血糖降下作用が十分に得られない可能性がある。[5.4 参照],[8.2 参照],[8.5 参照],[16.6.1 参照],[17.1.4 参照]
-
9.2.1 高度腎機能障害患者又は透析中の末期腎不全患者
- 〈慢性心不全〉
-
〈慢性腎臓病〉
-
9.2.4 高度腎機能障害患者
eGFRが20mL/min/1.73m2未満の患者では、投与の必要性を慎重に判断すること。eGFRが20mL/min/1.73m2未満の患者では、本剤の腎保護作用が十分に得られない可能性がある。また、本剤投与中にeGFRが低下することがあり、腎機能障害が悪化するおそれがある。eGFRが20mL/min/1.73m2未満の患者を対象とした臨床試験は実施していない。[5.6 参照]
-
9.2.4 高度腎機能障害患者
9.3 肝機能障害患者
-
9.3.1 高度肝機能障害患者
有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。[16.6.2 参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、本剤を投与せず、2型糖尿病患者ではインスリン製剤等を使用すること。本剤の動物実験(ラット)で、ヒトの妊娠中期及び後期にあたる幼若動物への曝露により、腎盂及び尿細管の拡張が報告されている。また、動物実験(ラット)で胎児への移行が報告されている。
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)で、乳汁中への移行が報告されている1) 。
9.7 小児等
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
一般に生理機能が低下し、脱水症状(口渇等)の認知が遅れるおそれがある。[8.5 参照],[11.1.2 参照]
-
9.8.1 75歳以上の高齢者
2型糖尿病を対象とした国内外の臨床試験の併合解析において、75歳以上の患者では75歳未満の患者と比較し、本剤25mg群で体液量減少の有害事象の発現割合が高かった。[8.5 参照]
10. 相互作用
- 本剤は投与後血漿中には主に未変化体として存在する2) が、一部はUGT2B7、UGT1A3、UGT1A8及びUGT1A9によるグルクロン酸抱合により代謝される3) (グルクロン酸抱合体として血漿中放射能の3.3~7.4%存在する)2) 。また、本剤はP-糖蛋白(P-gp)の基質である4) 。[16.4 参照]
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
低血糖が起こるおそれがある。特に、スルホニルウレア剤又はインスリン製剤と併用する場合にはスルホニルウレア剤又はインスリン製剤の減量を検討すること。 |
血糖降下作用が増強される。 |
|
血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。 |
血糖降下作用が増強される。 |
|
血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。 |
血糖降下作用が減弱される。 |
|
必要に応じ利尿薬の用量を調整するなど注意すること。 |
利尿作用が増強されるおそれがある。 |
|
リチウムの作用が減弱されるおそれがある。 |
リチウムの腎排泄を促進することにより、血清リチウム濃度が低下する可能性がある。 |
11. 副作用
11.1 重大な副作用
-
11.1.1 低血糖(1.4%)
低血糖があらわれることがある。低血糖症状が認められた場合には、糖質を含む食品を摂取するなど適切な処置を行うこととし、α-グルコシダーゼ阻害薬との併用時にはブドウ糖を投与すること。[8.1 参照],[8.9 参照],[9.1.1 参照],[10.2 参照],[17.1.3 参照]
-
11.1.2 脱水(0.3%)
口渇、多尿、頻尿、血圧低下等の症状があらわれ脱水が疑われる場合には、休薬や補液等の適切な処置を行うこと。脱水に引き続き脳梗塞を含む血栓・塞栓症等を発現した例が報告されている。[8.5 参照],[9.1.2 参照],[9.2 参照],[9.8 参照],[10.2 参照]
-
11.1.3 ケトアシドーシス(0.1%未満)
ケトアシドーシス(糖尿病性ケトアシドーシスを含む)があらわれることがある。[8.6 参照],[9.1.4 参照]
-
11.1.4 腎盂腎炎(0.1%未満)、外陰部及び会陰部の壊死性筋膜炎(フルニエ壊疽)(0.1%未満)、敗血症(0.1%未満)
腎盂腎炎、外陰部及び会陰部の壊死性筋膜炎(フルニエ壊疽)があらわれ、敗血症(敗血症性ショックを含む)に至ることがある。[8.4 参照],[9.1.3 参照]
11.2 その他の副作用
0.1~5% |
0.1%未満 |
|
|---|---|---|
感染症 |
尿路感染、膀胱炎、外陰部腟カンジダ症、無症候性細菌尿 |
外陰部腟炎、細菌性腟炎、トリコモナス症 |
生殖系障害 |
亀頭包皮炎、陰部そう痒症 |
**亀頭炎、外陰腟そう痒症、外陰腟不快感、包茎 |
代謝及び栄養障害 |
高脂血症 |
体液量減少 |
血液及びリンパ系障害 |
血液濃縮 |
|
神経障害 |
めまい |
味覚異常 |
胃腸障害 |
便秘 |
腹部膨満 |
皮膚及び皮下組織障害 |
そう痒症、発疹 |
湿疹、じん麻疹 |
腎及び尿路障害 |
頻尿、多尿、排尿困難 |
尿量増加、尿意切迫 |
一般・全身障害 |
口渇 |
空腹感 |
臨床検査 |
体重減少 |
血中ケトン体陽性、尿中ケトン体陽性 |
12. 臨床検査結果に及ぼす影響
本剤の作用機序により、本剤服用中は尿糖陽性、血清1,5-AG(1,5-アンヒドログルシトール)低値を示す。尿糖及び血清1,5-AGの検査結果は、血糖コントロールの参考とはならないので注意すること。
15. その他の注意
15.2 非臨床試験に基づく情報
- 15.2.1 雌雄マウスを用いた2年間反復投与がん原性試験(100、300及び1000mg/kg/日)において、1000mg/kg/日の雄で腎腫瘍の発生頻度の増加が認められた。
- 15.2.2 雌雄ラットを用いた2年間反復投与がん原性試験(100、300及び700mg/kg/日)において、300mg/kg/日以上の雄で精巣に間細胞腫、700mg/kg/日の雄で腸間膜リンパ節の血管腫の発生頻度の増加が認められた。
- 15.2.3 マウスに本剤1000mg/kg/日(雄)及びラットに本剤300mg/kg/日(雄)を反復経口投与したときの曝露量(AUC0-24h)は、最大臨床推奨用量(1日1回25mg)のそれぞれ約33倍及び約19倍であった。
S10
S25