薬効分類名血栓溶解剤(rt-PA製剤)
一般的名称アルテプラーゼ(遺伝子組換え)
アクチバシン注600万、アクチバシン注1200万、アクチバシン注2400万
Activacin Injection, Activacin Injection, Activacin Injection
製造販売元/協和キリン株式会社
重大な副作用
その他の副作用
併用注意
血液凝固阻止作用を有する薬剤
- ヘパリン
ワルファリンカリウム
アルガトロバン水和物
ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩
リバーロキサバン等
出血傾向が助長されることがある。
血液凝固作用を阻害することにより凝固時間を延長し、出血傾向が増強されることが考えられる。
出血傾向が助長されることがある。
血小板凝集を抑制することにより、出血傾向が増強されることが考えられる。
出血傾向が助長されることがある。
プラスミノーゲンをプラスミンに変換させ、生成したプラスミンがフィブリンを分解し血栓を溶解するため、出血傾向が増強されることが考えられる。
アプロチニン
本剤の作用が減弱するおそれがある。
アプロチニンが本剤の作用を阻害する。
レカネマブ
左記薬剤投与中に脳出血を発現した場合、出血を助長するおそれがある。
左記薬剤の副作用として脳出血の報告がある。併用により本剤が出血を助長する可能性がある。
1. 警告
- 〈効能共通〉
-
〈虚血性脳血管障害急性期に伴う機能障害の改善(発症後4.5時間以内)〉
- 1.2 重篤な頭蓋内出血を起こす危険性が高いので、以下の基準を満たす状況下に使用すること。[8.4 参照]
- 1.3 胸部大動脈解離の悪化あるいは胸部大動脈瘤破裂を起こし死亡に至った症例が報告されているため、胸痛又は背部痛を伴う、あるいは胸部X線にて縦隔の拡大所見が得られるなど、胸部大動脈解離あるいは胸部大動脈瘤を合併している可能性がある患者では、適応を十分に検討すること。
2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)
-
〈効能共通〉
- 2.1 デフィブロチドナトリウムを投与中の患者[10.1 参照]
- 2.2 出血している患者(頭蓋内出血、消化管出血、尿路出血、後腹膜出血、喀血)[出血を助長するおそれがある。]
- 2.3 重篤な肝障害のある患者[9.3.1 参照]
- 2.4 急性膵炎の患者[急性膵炎が悪化したり、出血するおそれがある。]
- 2.5 本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者
-
〈虚血性脳血管障害急性期に伴う機能障害の改善(発症後4.5時間以内)〉
- 2.6 くも膜下出血の疑いのある患者
-
2.7 脳出血を起こすおそれの高い以下の患者
- 投与前に適切な降圧治療を行っても、収縮期血圧が185mmHg以上又は拡張期血圧が110mmHg以上の患者[9.1.7 参照]
- 投与前の血糖値が400mg/dLを超える患者[9.1.6 参照]
- 投与前CTで早期虚血性変化(脳実質の吸収値がわずかに低下あるいは脳溝の消失)が広範に認められる患者
- 投与前CT(又はMRI)で正中線偏位などの圧排所見が認められる患者
- 頭蓋内出血の既往又は頭蓋内腫瘍、動静脈奇形、動脈瘤などの出血性素因のある患者
- 脳梗塞の既往のある患者(3ヵ月以内)[9.1.1 参照]
- 頭蓋内あるいは脊髄の手術又は傷害を受けた患者(3ヵ月以内)
-
2.8 出血するおそれの高い以下の患者[出血を助長するおそれがある。]
- 消化管出血又は尿路出血の既往のある患者(21日以内)
- 大手術後、日の浅い患者(14日以内)
- 投与前の血小板数が100,000/mm3以下の患者[9.1.8 参照]
- 2.9 経口抗凝固薬やヘパリンを投与している患者においては、投与前のプロトロンビン時間-国際標準値(PT-INR)が1.7を超えるか又は活性化部分トロンボプラスチン時間(aPTT)が延長している患者
- 2.10 投与前の血糖値が50mg/dL未満の患者[低血糖状態による意識障害との鑑別が困難である。]
- 2.11 発症時に痙攣発作が認められた患者[てんかんによる痙攣発作との鑑別が困難である。]
-
〈急性心筋梗塞における冠動脈血栓の溶解(発症後6時間以内)〉
-
2.12 出血するおそれの高い以下の患者[出血を助長するおそれがある。]
- 頭蓋内出血の既往又は頭蓋内腫瘍、動静脈奇形、動脈瘤などの出血性素因のある患者
- 脳梗塞の既往のある患者(3ヵ月以内)[9.1.1 参照]
- 頭蓋内あるいは脊髄の手術又は傷害を受けた患者(3ヵ月以内)
- 消化管出血又は尿路出血の既往のある患者(21日以内)
- 大手術後、日の浅い患者(14日以内)
- 2.13 重篤な高血圧症の患者[脳出血を起こすおそれがある。]
-
2.12 出血するおそれの高い以下の患者[出血を助長するおそれがある。]
6. 用法及び用量
-
〈虚血性脳血管障害急性期に伴う機能障害の改善(発症後4.5時間以内)〉
通常、成人には体重kg当たりアルテプラーゼ(遺伝子組換え)として34.8万国際単位(0.6mg/kg)を静脈内投与する。ただし、投与量の上限は3,480万国際単位(60mg)までとする。投与は総量の10%は急速投与(1~2分間)し、その後残りを1時間で投与する。
なお、本薬の投与は発症後できるだけ早期に行う。
[投与に際しては、添付の溶解液に溶解し、必要に応じて日局生理食塩液にて希釈する。] -
〈急性心筋梗塞における冠動脈血栓の溶解(発症後6時間以内)〉
通常、成人には体重kg当たりアルテプラーゼ(遺伝子組換え)として29万~43.5万国際単位(0.5mg/kg~0.75mg/kg)を静脈内投与する。総量の10%は急速投与(1~2分間)し、その後残りを1時間で投与する。
なお、本薬の投与は発症後できるだけ早期に行う。
[投与に際しては、添付の溶解液に溶解し、必要に応じて日局生理食塩液にて希釈する。]
8. 重要な基本的注意
-
〈効能共通〉
- 8.1 重篤な出血が起こることがあるので、出血の早期発見に留意し、血液凝固能等の血液検査を頻回に行うこと。[11.1.1 参照]
- 8.2 穿刺部位等からの出血を防止するため動脈・静脈穿刺の方法、管理、尿道カテーテル挿入等に十分注意すること。
- 8.3 本剤は蛋白製剤であり、再投与によりアナフィラキシー反応等が起きる可能性があるので、観察を十分に行うこと。[11.1.4 参照]
-
〈虚血性脳血管障害急性期に伴う機能障害の改善(発症後4.5時間以内)〉
- 8.4 本剤の投与により脳出血の危険性が高まるため、本剤の投与はSCU、ICUあるいはこれに準ずる体制の整った施設において実施し、患者の状態の観察を十分に行うこと。[1.2 参照]
- 8.5 本剤投与中及び投与後24時間以内は、意識状態や神経症状の観察を頻回に行い、意識状態や神経症状の急激な悪化に注意すること。なお、急激な意識状態又は神経症状の悪化が認められた場合にはCT等の画像診断を行い、脳出血の有無を確認すること。
-
8.6 本剤投与中及び投与後は血圧のモニタリングを頻回に行い、収縮期血圧を180mmHg以下及び拡張期血圧を105mmHg以下に保つよう降圧薬の投与等適切なコントロールをすること。
なお、米国における虚血性脳血管障害に対する治療ガイドラインでは、本剤投与開始後24時間の血圧管理について、次のように推奨されている。
投与開始2時間までは15分毎、次の6時間は30分毎、24時間までは60分毎に血圧を確認すること、各時点での収縮期血圧が180mmHg又は拡張期血圧が105mmHgを超えていた場合、血圧を5~10分おいて再度確認し、適切な方法で降圧療法を行うこと、降圧治療中は頻回に血圧の確認を行い低血圧の防止に努めること。 - 8.7 本剤投与後24時間以内に血液凝固阻止作用を有する薬剤並びに血小板凝集抑制作用を有する薬剤、血栓溶解剤を投与した場合の安全性及び有効性は検討されていないので、本剤投与後24時間以内は、これらの薬剤を投与しないことが望ましい。本剤投与後24時間以降は、これらの薬剤による標準的治療が実施可能であるが、画像所見で頭蓋内出血の有無を確認すること。ただし、ヘパリンについては本剤投与後24時間以内でも血管造影時のフラッシュヘパリン等で5,000単位を超えない場合は医療上の必要性に応じて投与できる。なお、その際、脳出血発生のリスクに十分に注意すること。[10.2 参照]
- 8.8 エダラボンの併用投与については、本剤の臨床試験において併用が禁止されたため、併用時の効果・安全性について情報はない。エダラボンの併用投与に際しては、リスク・ベネフィットを十分に勘案し、投与の際は継続して十分な観察を行うこと。
- 8.9 虚血部位の再開通にて血流が再開することにより、梗塞部位に脳浮腫や出血性梗塞があらわれることがあるので、観察を十分に行い、必要に応じて適切な処置を行うこと。
- 8.10 本剤投与の対象となる虚血性脳血管障害は、心疾患を合併していることが多いため、本剤投与中あるいは投与後には心電図モニター、輸液の管理など全身状態に対する観察・管理を慎重に行うこと。
- 8.11 投与に際しては、患者又はそれに代わり得る適切な者に対して、本剤の副作用等について十分な説明を行うこと。
-
〈急性心筋梗塞における冠動脈血栓の溶解(発症後6時間以内)〉
- 8.12 本剤の投与は、CCU又はこれに準ずる設備を有する施設において実施し、継続して心電図のモニタリング等患者の状態の観察を十分に行い、望ましくない変化があらわれた場合には適切な処置を行うこと。
- 8.13 本剤の投与並びに本剤と血液凝固阻止作用を有する薬剤、血小板凝集抑制作用を有する薬剤及び他の血栓溶解剤との併用により出血の危険性が増大するので出血の有無を十分確認すること。[9.1.1 参照],[10.2 参照]
- 8.14 ヘパリンは、再閉塞防止の意味で本剤との併用若しくは本剤の後療法に用いる。ヘパリン並びに本剤は、単独でも出血を引き起こすことがあるので、特に動脈穿刺を行う場合は注意深くモニターする必要がある。[10.2 参照]
- 8.15 冠動脈血栓の溶解にて、血流が再開通することにより、不整脈(心室細動、心室頻拍、心室固有調律、心室性期外収縮等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には直ちに適切な処置を行うこと。
- 8.16 本剤の投与開始後に心破裂が起こることがあるので十分に注意すること。
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 〈効能共通〉
-
〈虚血性脳血管障害急性期に伴う機能障害の改善(発症後4.5時間以内)〉
- 9.1.3 重度の神経障害(NIH Stroke Scale 23以上)又は重度の意識障害(Japan Coma Scale 100以上)のある患者
-
9.1.4 亜急性細菌性心内膜炎又は急性心膜炎のある患者
心囊液貯留を起こすおそれがある。
-
9.1.5 コントロール不良の糖尿病の患者
脳出血の危険性が高まるとの報告がある。
-
9.1.6 血糖値の高い患者(投与前の血糖値が400mg/dLを超える患者を除く)
脳出血の危険性が高まるとの報告がある。[2.7 参照]
-
9.1.7 血圧の高い患者(投与前に適切な降圧治療を行っても、収縮期血圧が185mmHg以上又は拡張期血圧が110mmHg以上の患者を除く)
脳出血の危険性が高まるとの報告がある。[2.7 参照]
-
9.1.8 血小板数の低い患者(投与前の血小板数が100,000/mm3以下の患者を除く)
脳出血の危険性が高まるとの報告がある。[2.8 参照]
- 〈急性心筋梗塞における冠動脈血栓の溶解(発症後6時間以内)〉
9.3 肝機能障害患者
-
9.3.1 重篤な肝障害のある患者
投与しないこと。肝障害が悪化したり、出血するおそれがある。[2.3 参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ウサギ)で高用量にて胚・胎児死亡が報告されていること及び本剤の線維素溶解作用からみて、早期胎盤剝離が起こる可能性が考えられる。
9.7 小児等
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
- 慎重に投与すること。出血の危険性が高まるおそれがある。
-
9.8.1 75歳以上の高齢者
他の治療法の可能性も含め本剤の適用を慎重に検討すること。脳出血等の重篤な出血が起こることがある。
-
9.8.2 重度の神経障害(NIH Stroke Scale 23以上)又は重度の意識障害(Japan Coma Scale 100以上)のある高齢者(特に75歳以上の高齢者)
適応を十分に検討し、より慎重に投与すること。[9.1.3 参照]
-
9.8.1 75歳以上の高齢者
10. 相互作用
10.1 併用禁忌(併用しないこと)
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
血液凝固阻止作用を有する薬剤 |
出血傾向が助長されることがある。 |
血液凝固作用を阻害することにより凝固時間を延長し、出血傾向が増強されることが考えられる。 |
出血傾向が助長されることがある。 |
血小板凝集を抑制することにより、出血傾向が増強されることが考えられる。 |
|
出血傾向が助長されることがある。 |
プラスミノーゲンをプラスミンに変換させ、生成したプラスミンがフィブリンを分解し血栓を溶解するため、出血傾向が増強されることが考えられる。 |
|
アプロチニン |
本剤の作用が減弱するおそれがある。 |
アプロチニンが本剤の作用を阻害する。 |
* レカネマブ |
*左記薬剤投与中に脳出血を発現した場合、出血を助長するおそれがある。 |
*左記薬剤の副作用として脳出血の報告がある。併用により本剤が出血を助長する可能性がある。 |
11. 副作用
11.1 重大な副作用
-
11.1.1 重篤な出血
脳出血(2.5%:脳、0.4%:心)、消化管出血(0.7%:脳、0.6%:心)、肺出血(0.1%未満:脳、0.1%未満:心)、後腹膜出血(0.1%未満:脳、0.1%未満:心)等の重篤な出血があらわれることがある。また、出血の増大に伴い出血性ショックに至ることがあるので注意すること。[8.1 参照]
- 11.1.2 出血性脳梗塞(14.4%:脳)
- 11.1.3 脳梗塞(0.6%:脳)
-
11.1.4 ショック(0.1%未満:脳、0.1%:心)、アナフィラキシー(頻度不明)
血圧低下、発汗、脈拍の異常、呼吸困難、じん麻疹等の症状があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。[8.3 参照]
- 11.1.5 心破裂(0.2%:心)、心タンポナーデ(0.1%未満:脳、0.1%未満:心)
-
11.1.6 血管浮腫(0.1%未満:脳)
舌、口唇、顔面、咽頭、喉頭等の腫脹を症状とする血管浮腫があらわれることがある。このような場合には、気道の閉塞を起こしやすくなるので、直ちに投与を中止し、アドレナリン、副腎皮質ホルモン剤の投与、気道確保等の適切な処置を行うこと。
-
11.1.7 重篤な不整脈(0.13%:脳、0.1%未満:心)
心室細動、心室頻拍等があらわれることがある。
11.2 その他の副作用
1%以上 |
0.1~1%未満 |
0.1%未満 |
|
|---|---|---|---|
出血傾向 |
血尿、歯肉出血、皮下出血、カテーテル穿刺部位からの出血等 |
||
神経系 |
頭痛 |
||
呼吸器 |
しゃっくり |
||
肝臓 |
肝機能異常 |
||
皮膚 |
紅斑 |
||
消化器 |
悪心・嘔吐 |
||
その他 |
貧血 |
発熱、熱感、血圧低下、発汗 |
14. 適用上の注意
14.1 薬剤調製時の注意
- 14.1.1 最初に添付の溶解液注入針(連結針)を用いて添付溶解液(日局注射用水)により溶解すること。瞬時白く泡立つが、すぐに無色澄明になる。なお、その際激しく振らないこと。
- 14.1.2 上記の溶液を希釈する場合は日局生理食塩液を用いること。他の補液類を用いると短時間で白濁することがある。
- 14.1.3 本剤の主薬であるアルテプラーゼは水に難溶であるため、溶解補助剤としてL-アルギニンを添加してある。本剤の溶液を希釈しすぎるとL-アルギニンの溶解補助効果が低下し主薬が析出し白濁するので極力、2400万国際単位/100mL、1200万国際単位/50mL、600万国際単位/25mL以上の濃度で使用すること。
- 14.1.4 一般の注射器により溶解液をいきおいよく注入すると泡立ちが著明になるので留意すること。
14.2 薬剤投与時の注意
溶解後は速やかに使用すること。
1. 警告
- 〈効能共通〉
-
〈虚血性脳血管障害急性期に伴う機能障害の改善(発症後4.5時間以内)〉
- 1.2 重篤な頭蓋内出血を起こす危険性が高いので、以下の基準を満たす状況下に使用すること。[8.4 参照]
- 1.3 胸部大動脈解離の悪化あるいは胸部大動脈瘤破裂を起こし死亡に至った症例が報告されているため、胸痛又は背部痛を伴う、あるいは胸部X線にて縦隔の拡大所見が得られるなど、胸部大動脈解離あるいは胸部大動脈瘤を合併している可能性がある患者では、適応を十分に検討すること。
2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)
-
〈効能共通〉
- 2.1 デフィブロチドナトリウムを投与中の患者[10.1 参照]
- 2.2 出血している患者(頭蓋内出血、消化管出血、尿路出血、後腹膜出血、喀血)[出血を助長するおそれがある。]
- 2.3 重篤な肝障害のある患者[9.3.1 参照]
- 2.4 急性膵炎の患者[急性膵炎が悪化したり、出血するおそれがある。]
- 2.5 本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者
-
〈虚血性脳血管障害急性期に伴う機能障害の改善(発症後4.5時間以内)〉
- 2.6 くも膜下出血の疑いのある患者
-
2.7 脳出血を起こすおそれの高い以下の患者
- 投与前に適切な降圧治療を行っても、収縮期血圧が185mmHg以上又は拡張期血圧が110mmHg以上の患者[9.1.7 参照]
- 投与前の血糖値が400mg/dLを超える患者[9.1.6 参照]
- 投与前CTで早期虚血性変化(脳実質の吸収値がわずかに低下あるいは脳溝の消失)が広範に認められる患者
- 投与前CT(又はMRI)で正中線偏位などの圧排所見が認められる患者
- 頭蓋内出血の既往又は頭蓋内腫瘍、動静脈奇形、動脈瘤などの出血性素因のある患者
- 脳梗塞の既往のある患者(3ヵ月以内)[9.1.1 参照]
- 頭蓋内あるいは脊髄の手術又は傷害を受けた患者(3ヵ月以内)
-
2.8 出血するおそれの高い以下の患者[出血を助長するおそれがある。]
- 消化管出血又は尿路出血の既往のある患者(21日以内)
- 大手術後、日の浅い患者(14日以内)
- 投与前の血小板数が100,000/mm3以下の患者[9.1.8 参照]
- 2.9 経口抗凝固薬やヘパリンを投与している患者においては、投与前のプロトロンビン時間-国際標準値(PT-INR)が1.7を超えるか又は活性化部分トロンボプラスチン時間(aPTT)が延長している患者
- 2.10 投与前の血糖値が50mg/dL未満の患者[低血糖状態による意識障害との鑑別が困難である。]
- 2.11 発症時に痙攣発作が認められた患者[てんかんによる痙攣発作との鑑別が困難である。]
-
〈急性心筋梗塞における冠動脈血栓の溶解(発症後6時間以内)〉
-
2.12 出血するおそれの高い以下の患者[出血を助長するおそれがある。]
- 頭蓋内出血の既往又は頭蓋内腫瘍、動静脈奇形、動脈瘤などの出血性素因のある患者
- 脳梗塞の既往のある患者(3ヵ月以内)[9.1.1 参照]
- 頭蓋内あるいは脊髄の手術又は傷害を受けた患者(3ヵ月以内)
- 消化管出血又は尿路出血の既往のある患者(21日以内)
- 大手術後、日の浅い患者(14日以内)
- 2.13 重篤な高血圧症の患者[脳出血を起こすおそれがある。]
-
2.12 出血するおそれの高い以下の患者[出血を助長するおそれがある。]
6. 用法及び用量
-
〈虚血性脳血管障害急性期に伴う機能障害の改善(発症後4.5時間以内)〉
通常、成人には体重kg当たりアルテプラーゼ(遺伝子組換え)として34.8万国際単位(0.6mg/kg)を静脈内投与する。ただし、投与量の上限は3,480万国際単位(60mg)までとする。投与は総量の10%は急速投与(1~2分間)し、その後残りを1時間で投与する。
なお、本薬の投与は発症後できるだけ早期に行う。
[投与に際しては、添付の溶解液に溶解し、必要に応じて日局生理食塩液にて希釈する。] -
〈急性心筋梗塞における冠動脈血栓の溶解(発症後6時間以内)〉
通常、成人には体重kg当たりアルテプラーゼ(遺伝子組換え)として29万~43.5万国際単位(0.5mg/kg~0.75mg/kg)を静脈内投与する。総量の10%は急速投与(1~2分間)し、その後残りを1時間で投与する。
なお、本薬の投与は発症後できるだけ早期に行う。
[投与に際しては、添付の溶解液に溶解し、必要に応じて日局生理食塩液にて希釈する。]
8. 重要な基本的注意
-
〈効能共通〉
- 8.1 重篤な出血が起こることがあるので、出血の早期発見に留意し、血液凝固能等の血液検査を頻回に行うこと。[11.1.1 参照]
- 8.2 穿刺部位等からの出血を防止するため動脈・静脈穿刺の方法、管理、尿道カテーテル挿入等に十分注意すること。
- 8.3 本剤は蛋白製剤であり、再投与によりアナフィラキシー反応等が起きる可能性があるので、観察を十分に行うこと。[11.1.4 参照]
-
〈虚血性脳血管障害急性期に伴う機能障害の改善(発症後4.5時間以内)〉
- 8.4 本剤の投与により脳出血の危険性が高まるため、本剤の投与はSCU、ICUあるいはこれに準ずる体制の整った施設において実施し、患者の状態の観察を十分に行うこと。[1.2 参照]
- 8.5 本剤投与中及び投与後24時間以内は、意識状態や神経症状の観察を頻回に行い、意識状態や神経症状の急激な悪化に注意すること。なお、急激な意識状態又は神経症状の悪化が認められた場合にはCT等の画像診断を行い、脳出血の有無を確認すること。
-
8.6 本剤投与中及び投与後は血圧のモニタリングを頻回に行い、収縮期血圧を180mmHg以下及び拡張期血圧を105mmHg以下に保つよう降圧薬の投与等適切なコントロールをすること。
なお、米国における虚血性脳血管障害に対する治療ガイドラインでは、本剤投与開始後24時間の血圧管理について、次のように推奨されている。
投与開始2時間までは15分毎、次の6時間は30分毎、24時間までは60分毎に血圧を確認すること、各時点での収縮期血圧が180mmHg又は拡張期血圧が105mmHgを超えていた場合、血圧を5~10分おいて再度確認し、適切な方法で降圧療法を行うこと、降圧治療中は頻回に血圧の確認を行い低血圧の防止に努めること。 - 8.7 本剤投与後24時間以内に血液凝固阻止作用を有する薬剤並びに血小板凝集抑制作用を有する薬剤、血栓溶解剤を投与した場合の安全性及び有効性は検討されていないので、本剤投与後24時間以内は、これらの薬剤を投与しないことが望ましい。本剤投与後24時間以降は、これらの薬剤による標準的治療が実施可能であるが、画像所見で頭蓋内出血の有無を確認すること。ただし、ヘパリンについては本剤投与後24時間以内でも血管造影時のフラッシュヘパリン等で5,000単位を超えない場合は医療上の必要性に応じて投与できる。なお、その際、脳出血発生のリスクに十分に注意すること。[10.2 参照]
- 8.8 エダラボンの併用投与については、本剤の臨床試験において併用が禁止されたため、併用時の効果・安全性について情報はない。エダラボンの併用投与に際しては、リスク・ベネフィットを十分に勘案し、投与の際は継続して十分な観察を行うこと。
- 8.9 虚血部位の再開通にて血流が再開することにより、梗塞部位に脳浮腫や出血性梗塞があらわれることがあるので、観察を十分に行い、必要に応じて適切な処置を行うこと。
- 8.10 本剤投与の対象となる虚血性脳血管障害は、心疾患を合併していることが多いため、本剤投与中あるいは投与後には心電図モニター、輸液の管理など全身状態に対する観察・管理を慎重に行うこと。
- 8.11 投与に際しては、患者又はそれに代わり得る適切な者に対して、本剤の副作用等について十分な説明を行うこと。
-
〈急性心筋梗塞における冠動脈血栓の溶解(発症後6時間以内)〉
- 8.12 本剤の投与は、CCU又はこれに準ずる設備を有する施設において実施し、継続して心電図のモニタリング等患者の状態の観察を十分に行い、望ましくない変化があらわれた場合には適切な処置を行うこと。
- 8.13 本剤の投与並びに本剤と血液凝固阻止作用を有する薬剤、血小板凝集抑制作用を有する薬剤及び他の血栓溶解剤との併用により出血の危険性が増大するので出血の有無を十分確認すること。[9.1.1 参照],[10.2 参照]
- 8.14 ヘパリンは、再閉塞防止の意味で本剤との併用若しくは本剤の後療法に用いる。ヘパリン並びに本剤は、単独でも出血を引き起こすことがあるので、特に動脈穿刺を行う場合は注意深くモニターする必要がある。[10.2 参照]
- 8.15 冠動脈血栓の溶解にて、血流が再開通することにより、不整脈(心室細動、心室頻拍、心室固有調律、心室性期外収縮等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には直ちに適切な処置を行うこと。
- 8.16 本剤の投与開始後に心破裂が起こることがあるので十分に注意すること。
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
- 〈効能共通〉
-
〈虚血性脳血管障害急性期に伴う機能障害の改善(発症後4.5時間以内)〉
- 9.1.3 重度の神経障害(NIH Stroke Scale 23以上)又は重度の意識障害(Japan Coma Scale 100以上)のある患者
-
9.1.4 亜急性細菌性心内膜炎又は急性心膜炎のある患者
心囊液貯留を起こすおそれがある。
-
9.1.5 コントロール不良の糖尿病の患者
脳出血の危険性が高まるとの報告がある。
-
9.1.6 血糖値の高い患者(投与前の血糖値が400mg/dLを超える患者を除く)
脳出血の危険性が高まるとの報告がある。[2.7 参照]
-
9.1.7 血圧の高い患者(投与前に適切な降圧治療を行っても、収縮期血圧が185mmHg以上又は拡張期血圧が110mmHg以上の患者を除く)
脳出血の危険性が高まるとの報告がある。[2.7 参照]
-
9.1.8 血小板数の低い患者(投与前の血小板数が100,000/mm3以下の患者を除く)
脳出血の危険性が高まるとの報告がある。[2.8 参照]
- 〈急性心筋梗塞における冠動脈血栓の溶解(発症後6時間以内)〉
9.3 肝機能障害患者
-
9.3.1 重篤な肝障害のある患者
投与しないこと。肝障害が悪化したり、出血するおそれがある。[2.3 参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ウサギ)で高用量にて胚・胎児死亡が報告されていること及び本剤の線維素溶解作用からみて、早期胎盤剝離が起こる可能性が考えられる。
9.7 小児等
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
- 慎重に投与すること。出血の危険性が高まるおそれがある。
-
9.8.1 75歳以上の高齢者
他の治療法の可能性も含め本剤の適用を慎重に検討すること。脳出血等の重篤な出血が起こることがある。
-
9.8.2 重度の神経障害(NIH Stroke Scale 23以上)又は重度の意識障害(Japan Coma Scale 100以上)のある高齢者(特に75歳以上の高齢者)
適応を十分に検討し、より慎重に投与すること。[9.1.3 参照]
-
9.8.1 75歳以上の高齢者
10. 相互作用
10.1 併用禁忌(併用しないこと)
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
血液凝固阻止作用を有する薬剤 |
出血傾向が助長されることがある。 |
血液凝固作用を阻害することにより凝固時間を延長し、出血傾向が増強されることが考えられる。 |
出血傾向が助長されることがある。 |
血小板凝集を抑制することにより、出血傾向が増強されることが考えられる。 |
|
出血傾向が助長されることがある。 |
プラスミノーゲンをプラスミンに変換させ、生成したプラスミンがフィブリンを分解し血栓を溶解するため、出血傾向が増強されることが考えられる。 |
|
アプロチニン |
本剤の作用が減弱するおそれがある。 |
アプロチニンが本剤の作用を阻害する。 |
* レカネマブ |
*左記薬剤投与中に脳出血を発現した場合、出血を助長するおそれがある。 |
*左記薬剤の副作用として脳出血の報告がある。併用により本剤が出血を助長する可能性がある。 |
11. 副作用
11.1 重大な副作用
-
11.1.1 重篤な出血
脳出血(2.5%:脳、0.4%:心)、消化管出血(0.7%:脳、0.6%:心)、肺出血(0.1%未満:脳、0.1%未満:心)、後腹膜出血(0.1%未満:脳、0.1%未満:心)等の重篤な出血があらわれることがある。また、出血の増大に伴い出血性ショックに至ることがあるので注意すること。[8.1 参照]
- 11.1.2 出血性脳梗塞(14.4%:脳)
- 11.1.3 脳梗塞(0.6%:脳)
-
11.1.4 ショック(0.1%未満:脳、0.1%:心)、アナフィラキシー(頻度不明)
血圧低下、発汗、脈拍の異常、呼吸困難、じん麻疹等の症状があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。[8.3 参照]
- 11.1.5 心破裂(0.2%:心)、心タンポナーデ(0.1%未満:脳、0.1%未満:心)
-
11.1.6 血管浮腫(0.1%未満:脳)
舌、口唇、顔面、咽頭、喉頭等の腫脹を症状とする血管浮腫があらわれることがある。このような場合には、気道の閉塞を起こしやすくなるので、直ちに投与を中止し、アドレナリン、副腎皮質ホルモン剤の投与、気道確保等の適切な処置を行うこと。
-
11.1.7 重篤な不整脈(0.13%:脳、0.1%未満:心)
心室細動、心室頻拍等があらわれることがある。
11.2 その他の副作用
1%以上 |
0.1~1%未満 |
0.1%未満 |
|
|---|---|---|---|
出血傾向 |
血尿、歯肉出血、皮下出血、カテーテル穿刺部位からの出血等 |
||
神経系 |
頭痛 |
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呼吸器 |
しゃっくり |
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肝臓 |
肝機能異常 |
||
皮膚 |
紅斑 |
||
消化器 |
悪心・嘔吐 |
||
その他 |
貧血 |
発熱、熱感、血圧低下、発汗 |
14. 適用上の注意
14.1 薬剤調製時の注意
- 14.1.1 最初に添付の溶解液注入針(連結針)を用いて添付溶解液(日局注射用水)により溶解すること。瞬時白く泡立つが、すぐに無色澄明になる。なお、その際激しく振らないこと。
- 14.1.2 上記の溶液を希釈する場合は日局生理食塩液を用いること。他の補液類を用いると短時間で白濁することがある。
- 14.1.3 本剤の主薬であるアルテプラーゼは水に難溶であるため、溶解補助剤としてL-アルギニンを添加してある。本剤の溶液を希釈しすぎるとL-アルギニンの溶解補助効果が低下し主薬が析出し白濁するので極力、2400万国際単位/100mL、1200万国際単位/50mL、600万国際単位/25mL以上の濃度で使用すること。
- 14.1.4 一般の注射器により溶解液をいきおいよく注入すると泡立ちが著明になるので留意すること。
14.2 薬剤投与時の注意
溶解後は速やかに使用すること。