薬効分類名選択的直接作用型第Ⅹa因子阻害剤
一般的名称リバーロキサバン
リバーロキサバンOD錠10mg「サワイ」、リバーロキサバンOD錠15mg「サワイ」
りばーろきさばんおーでぃーじょう、りばーろきさばんおーでぃーじょう
RIVAROXABAN OD Tablets [SAWAI], RIVAROXABAN OD Tablets [SAWAI]
製造販売元/沢井製薬株式会社
重大な副作用
その他の副作用
併用注意
出血の危険性が増大するおそれがあるので、観察を十分に行い、注意すること。
両剤の抗凝固作用が相加的に増強される。
出血の危険性が増大するおそれがあるので、これらの薬剤と本剤の併用については、治療上の有益性と危険性を考慮して慎重に判断すること。投与中は観察を十分に行い、注意すること。
本剤の抗凝固作用と血小板凝集抑制作用により相加的に出血傾向が増強される。
- 選択的セロトニン再取り込み阻害剤
セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤
出血の危険性が増大するおそれがあるので、観察を十分に行い、注意すること。
本剤の抗凝固作用と血小板凝集抑制作用により相加的に出血傾向が増強される。
血栓溶解剤
- ウロキナーゼ、t-PA製剤(アルテプラーゼ等)
出血の危険性が増大するおそれがあるので、観察を十分に行い、注意すること。
本剤の抗凝固作用とフィブリン溶解作用により相加的に出血傾向が増強される。
フルコナゾール
ホスフルコナゾール
[16.7.2 参照]
本剤の血中濃度が上昇したとの報告がある。成人の静脈血栓塞栓症発症後の初期3週間では、治療上やむを得ないと判断された場合を除き、これらの薬剤との併用を避けること。
非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制、体重30kg以上の小児の静脈血栓塞栓症の治療及び再発抑制、並びに成人の静脈血栓塞栓症患者における初期3週間治療後の再発抑制では、本剤10mg1日1回投与を考慮する、あるいは治療上の有益性と危険性を十分に考慮し、本剤の投与が適切と判断される患者にのみ併用すること。
フルコナゾールがCYP3A4を阻害することにより本剤のクリアランスが減少するおそれがある。
クラリスロマイシン
エリスロマイシン
[16.7.3 参照]
本剤の血中濃度が上昇したとの報告がある。成人の静脈血栓塞栓症発症後の初期3週間では、治療上やむを得ないと判断された場合を除き、これらの薬剤との併用を避けること。
非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制、体重30kg以上の小児の静脈血栓塞栓症の治療及び再発抑制、並びに成人の静脈血栓塞栓症患者における初期3週間治療後の再発抑制では、本剤10mg1日1回投与を考慮する、あるいは治療上の有益性と危険性を十分に考慮し、本剤の投与が適切と判断される患者にのみ併用すること。
これらの薬剤がCYP3A4及びP-糖タンパクを阻害することにより本剤のクリアランスが減少する。
リファンピシン
[16.7.4 参照]
本剤の血中濃度が低下し、抗凝固作用が減弱したとの報告がある。
リファンピシンがCYP3A4を強力に誘導し、P-糖タンパクを誘導することにより本剤のクリアランスが増加する。
フェニトイン
カルバマゼピン
フェノバルビタール
セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
本剤の血中濃度が低下するおそれがある。
これらの薬剤等がCYP3A4を強力に誘導することにより本剤のクリアランスが増加する。
1. 警告
-
〈効能共通〉
- 1.1 本剤の投与により出血が発現し、重篤な出血の場合には、死亡に至るおそれがある。本剤の使用にあたっては、出血の危険性を考慮し、本剤投与の適否を慎重に判断すること。本剤による出血リスクを正確に評価できる指標は確立されていないため、本剤投与中は、血液凝固に関する検査値のみならず、出血や貧血等の徴候を十分に観察すること。これらの徴候が認められた場合には、直ちに適切な処置を行うこと。[2.2 参照],[8.1 参照],[8.2 参照],[8.3 参照],[8.5 参照],[9.1.1 参照],[11.1.1 参照]
-
〈静脈血栓塞栓症の治療及び再発抑制〉
- 1.2 **成人の深部静脈血栓症又は肺血栓塞栓症発症後の初期3週間の15mg1日2回投与時においては、特に出血の危険性が高まる可能性を考慮するとともに、患者の出血リスクに十分配慮し、特に、腎障害、高齢又は低体重の患者では出血の危険性が増大するおそれがあること、また、抗血小板剤を併用する患者では出血傾向が増大するおそれがあることから、これらの患者については治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合のみ本剤を投与すること。
- 1.3 **脊椎・硬膜外麻酔あるいは腰椎穿刺等との併用により、穿刺部位に血腫が生じ、神経の圧迫による麻痺があらわれるおそれがある。硬膜外カテーテル留置中、若しくは脊椎・硬膜外麻酔又は腰椎穿刺後日の浅い場合は、本剤の投与を控えること。
2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)
-
〈効能共通〉
- 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 2.2 出血している患者(頭蓋内出血、消化管出血等の臨床的に重大な出血)[出血を助長するおそれがある。][1.1 参照],[11.1.1 参照]
- 2.3 凝固障害を伴う肝疾患の患者[9.3.1 参照]
- 2.4 中等度以上の肝障害(Child-Pugh分類B又はCに相当)のある患者[9.3.2 参照],[16.6.2 参照]
- 2.5 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5 参照]
- 2.6 *リトナビルを含有する製剤、ダルナビル、ホスアンプレナビルを投与中の患者[10.1 参照],[16.7.1 参照]
- 2.7 コビシスタットを含有する製剤を投与中の患者[10.1 参照]
- 2.8 イトラコナゾール、ポサコナゾール、ボリコナゾール、ミコナゾール、ケトコナゾールの経口又は注射剤を投与中の患者[10.1 参照],[16.7.2 参照]
- 2.9 エンシトレルビルを投与中の患者[10.1 参照]
- 2.10 *ロナファルニブを投与中の患者[10.1 参照]
- 2.11 急性細菌性心内膜炎の患者[血栓はく離に伴う血栓塞栓様症状を呈するおそれがある。]
-
〈非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制〉
- 2.12 腎不全(クレアチニンクリアランス15mL/min未満)の患者[9.2.1 参照],[16.6.1 参照]
-
〈静脈血栓塞栓症の治療及び再発抑制〉
- 2.13 **重度の腎障害(成人ではクレアチニンクリアランス30mL/min未満、小児ではeGFR 30mL/min/1.73m2未満)のある患者[9.2.1 参照],[9.2.2 参照],[16.6.1 参照]
7. 用法及び用量に関連する注意
-
〈非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制〉
- 7.1 クレアチニンクリアランス30~49mL/minの患者には、10mgを1日1回投与する。[9.2.3 参照],[16.6.1 参照],[17.1.1 参照]
- 7.2 クレアチニンクリアランス15~29mL/minの患者には、本剤投与の適否を慎重に検討した上で、投与する場合は、10mgを1日1回投与する。[9.2.2 参照],[16.6.1 参照]
- 〈静脈血栓塞栓症の治療及び再発抑制〉
8. 重要な基本的注意
-
〈効能共通〉
- 8.1 プロトロンビン時間国際標準比(PT-INR)は本剤の抗凝固作用について標準化された指標でなく、活性化部分トロンボプラスチン時間(aPTT)等の凝固能検査は、本剤の抗凝固作用をモニタリングする指標として推奨されない。[1.1 参照],[11.1.1 参照]
- 8.2 出血等の副作用が生じることがあるので、必要に応じて血算(ヘモグロビン値)、便潜血等の検査を実施し、急激なヘモグロビン値や血圧の低下等の出血の徴候が認められた場合には、適切な処置を行うこと。[1.1 参照],[11.1.1 参照]
- 8.3 患者には、鼻出血、皮下出血、歯肉出血、血尿、喀血、吐血及び血便等、異常な出血の徴候が認められた場合には、医師に連絡するよう指導すること。[1.1 参照],[11.1.1 参照]
- 8.4 抗血小板剤2剤との併用時には、出血リスクが特に増大するおそれがあるため、本剤との併用についてはさらに慎重に検討し、治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合のみ、これらの薬剤と併用すること。[1.1 参照],[10.2 参照],[11.1.1 参照]
- 8.5 本剤の投与中に手術や侵襲的処置を行う場合、臨床的に可能であれば本剤の投与後24時間以上経過した後に行うことが望ましい。手術や侵襲的処置の開始を遅らせることができない場合は、緊急性と出血リスクを評価すること。本剤の投与は、手術や侵襲的処置後、患者の臨床状態に問題がなく出血がないことを確認してから、可及的速やかに再開すること。[1.1 参照],[11.1.1 参照]
-
8.6 本剤と他の抗凝固剤との切り替えにおいては、以下の点に留意すること。
- ワルファリンから本剤に切り替える必要がある場合は、ワルファリンの投与を中止した後、PT-INR等、血液凝固能検査を実施し、治療域の下限以下になったことを確認した後、可及的速やかに本剤の投与を開始すること。[16.7.9 参照]
- 注射剤の抗凝固剤(ヘパリン等)から本剤に切り替える場合、次回の静脈内又は皮下投与が予定された時間の0~2時間前又は持続静注中止後より、本剤の投与を開始すること。
- **本剤からワルファリンへの切り替え時において抗凝固作用が不十分になる可能性が示唆されているので、抗凝固作用が維持されるよう注意し、PT-INR等、血液凝固能検査の値が治療域の下限を超えるまでは、ワルファリンと本剤を併用すること。(小児の静脈血栓塞栓症を対象とした国際共同第Ⅲ相試験では、ワルファリンを2日間併用した後にPT-INRを測定し、2.0以上であることを確認できた場合に本剤を中止した。)なお、本剤の投与終了後24時間経過するまでは、PT-INRはワルファリンの抗凝固作用を正確に反映しない。
- 本剤から注射剤の抗凝固剤に切り替える場合、本剤の投与を中止し、次回の本剤投与が予定された時間に抗凝固剤の静脈内投与又は皮下投与を開始すること。
- 8.7 間質性肺疾患があらわれることがあるので、咳嗽、血痰、呼吸困難、発熱等の症状があらわれた場合には、速やかに主治医に連絡するよう患者に指導すること。[11.1.3 参照]
- 8.8 服用を忘れた場合は直ちに本剤を服用し、翌日から毎日1回の服用を行うよう患者に指導すること。服用を忘れた場合でも、一度に2回分を服用せず、次の服用まで12時間以上空けるよう、患者に指導すること。
- 8.9 本剤投与中の患者で生命を脅かす出血又は止血困難な出血の発現時に本剤の抗凝固作用の中和を必要とする場合には、中和剤であるアンデキサネット アルファ(遺伝子組換え)の電子添文を必ず参照し、禁忌、用法及び用量に関連する注意、重要な基本的注意、特定の背景を有する患者に関する注意、副作用等の使用上の注意の記載を確認すること。
-
〈静脈血栓塞栓症の治療及び再発抑制〉
- 8.10 **本剤の投与期間については、症例ごとの静脈血栓塞栓症(成人では、深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症)の再発リスク並びに出血リスクを考慮して決定し、漫然と継続投与しないこと。[17.1.3 参照],[17.1.4 参照],[17.1.5 参照]
- 8.11 **特に成人の深部静脈血栓症又は肺血栓塞栓症発症後の初期3週間の15mg1日2回投与中は、出血のリスクに十分注意すること。
- 8.12 **成人の深部静脈血栓症又は肺血栓塞栓症発症後の初期3週間は、ワルファリンから本剤への切り替えを控えること。初期3週間治療後は、ワルファリンから本剤への切り替え時に抗凝固作用が不十分となる可能性を考慮した上で切り替えの適否を慎重に判断すること。[16.7.9 参照]
- 8.13 **成人の深部静脈血栓症又は肺血栓塞栓症発症後の本剤15mg1日2回3週間投与時に服用を忘れた場合は、直ちに服用し、同日の1日用量が30mgとなるよう、患者に指導すること。この場合、一度に2回分を服用させてもよい。翌日からは毎日2回の服用を行うよう患者に指導すること。
- 8.14 **小児に本剤を使用する場合、小児の抗凝固薬療法に精通した医師あるいはその指導のもとで治療を行うこと。
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
-
9.1.1 出血リスクが高い患者
以下のような患者では、出血の危険性が増大する。[1.1 参照],[11.1.1 参照]
-
9.1.2 低体重の患者
出血の危険性が増大することがある。
-
9.1.3 潰瘍性消化管障害のおそれのある患者
潰瘍性消化管障害に対する適切な予防に配慮すること。
9.2 腎機能障害患者
-
9.2.1 腎不全の患者
**投与しないこと。成人を対象とした国内外第Ⅲ相試験において、クレアチニンクリアランス15mL/min未満の患者は除外されている。[2.12 参照],[2.13 参照],[16.6.1 参照]
-
9.2.2 重度の腎障害患者
-
〈非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制〉
本剤投与の適否を慎重に検討すること。本剤の血中濃度が上昇することが示唆されている。国内外第Ⅲ相試験において、クレアチニンクリアランス15~29mL/minの患者は除外されている。[7.2 参照],[16.6.1 参照]
-
〈静脈血栓塞栓症の治療及び再発抑制〉
**投与しないこと。成人を対象とした国内外第Ⅲ相試験において、クレアチニンクリアランス15~29mL/minの患者は除外されている。また、小児等を対象とした臨床試験では、eGFRが30mL/min/1.73m2未満の患者は除外されている。[2.13 参照],[16.6.1 参照]
-
〈非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制〉
-
9.2.3 中等度の腎障害のある患者
**本剤投与の適否を慎重に検討すること。成人ではクレアチニンクリアランス30~49mL/min、小児ではeGFRが30~60mL/min/1.73m2の患者で本剤の血中濃度が上昇することが示唆されており、出血の危険性が増大することがある。[7.1 参照],[16.6.1 参照]
9.3 肝機能障害患者
-
9.3.1 凝固障害を伴う肝疾患の患者
投与しないこと。出血の危険性が増大するおそれがある。[2.3 参照]
-
9.3.2 中等度以上の肝障害のある患者(Child-Pugh分類B又はCに相当)
投与しないこと。本剤の血中濃度が上昇し、出血の危険性が増大するおそれがある。[2.4 参照],[16.6.2 参照]
9.5 妊婦
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット、経口投与)で乳汁中に移行することが報告されている4) 。ヒトの母乳中に移行することが報告されている。
9.7 小児等
9.8 高齢者
**一般に腎機能などの生理機能が低下している。なお、非弁膜症性心房細動患者を対象とした国内第Ⅲ相試験において75歳以上の患者では75歳未満の患者と比較し、重大な出血及び重大ではないが臨床的に問題となる出血の発現率が高かった。
10. 相互作用
- 本剤は主としてチトクロームP450 3A4及び2J2(CYP3A4及びCYP2J2)により代謝される。また、本剤はP-糖タンパク及び乳癌耐性タンパク(BCRP)の基質である。[16.4 参照]
10.1 併用禁忌(併用しないこと)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
本剤の血中濃度が上昇し、抗凝固作用が増強されることにより、出血の危険性が増大するおそれがある。 |
CYP3A4の強力な阻害及びP-糖タンパクの阻害によりクリアランスが減少する。 |
|
コビシスタットを含有する製剤(ゲンボイヤ、プレジコビックス、シムツーザ) |
本剤の血中濃度が上昇し、抗凝固作用が増強されることにより、出血の危険性が増大するおそれがある。 |
CYP3A4の強力な阻害によりクリアランスが減少する。 |
以下の経口又は注射剤 |
本剤の血中濃度が上昇し、抗凝固作用が増強されることにより、出血の危険性が増大するおそれがある。 |
CYP3A4の強力な阻害及びP-糖タンパクの阻害によりクリアランスが減少する。 |
エンシトレルビル(ゾコーバ) |
本剤の血中濃度が上昇し、抗凝固作用が増強されることにより、出血の危険性が増大するおそれがある。 |
CYP3A4の強力な阻害及びP-糖タンパクの阻害によりクリアランスが減少する。 |
*ロナファルニブ(ゾキンヴィ) |
本剤の血中濃度が上昇し、抗凝固作用が増強されることにより、出血の危険性が増大するおそれがある。 |
CYP3A4の強力な阻害及びP-糖タンパクの阻害によりクリアランスが減少する。 |
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
出血の危険性が増大するおそれがあるので、観察を十分に行い、注意すること。 |
両剤の抗凝固作用が相加的に増強される。 |
|
血小板凝集抑制作用を有する薬剤 |
出血の危険性が増大するおそれがあるので、これらの薬剤と本剤の併用については、治療上の有益性と危険性を考慮して慎重に判断すること。投与中は観察を十分に行い、注意すること。 |
本剤の抗凝固作用と血小板凝集抑制作用により相加的に出血傾向が増強される。 |
出血の危険性が増大するおそれがあるので、観察を十分に行い、注意すること。 |
本剤の抗凝固作用と血小板凝集抑制作用により相加的に出血傾向が増強される。 |
|
出血の危険性が増大するおそれがあるので、観察を十分に行い、注意すること。 |
本剤の抗凝固作用とフィブリン溶解作用により相加的に出血傾向が増強される。 |
|
フルコナゾール |
**本剤の血中濃度が上昇したとの報告がある。成人の静脈血栓塞栓症発症後の初期3週間では、治療上やむを得ないと判断された場合を除き、これらの薬剤との併用を避けること。 |
フルコナゾールがCYP3A4を阻害することにより本剤のクリアランスが減少するおそれがある。 |
クラリスロマイシン |
**本剤の血中濃度が上昇したとの報告がある。成人の静脈血栓塞栓症発症後の初期3週間では、治療上やむを得ないと判断された場合を除き、これらの薬剤との併用を避けること。 |
これらの薬剤がCYP3A4及びP-糖タンパクを阻害することにより本剤のクリアランスが減少する。 |
リファンピシン |
本剤の血中濃度が低下し、抗凝固作用が減弱したとの報告がある。 |
リファンピシンがCYP3A4を強力に誘導し、P-糖タンパクを誘導することにより本剤のクリアランスが増加する。 |
フェニトイン |
本剤の血中濃度が低下するおそれがある。 |
これらの薬剤等がCYP3A4を強力に誘導することにより本剤のクリアランスが増加する。 |
11. 副作用
11.1 重大な副作用
-
11.1.1 出血
*頭蓋内出血(0.09%)、脳出血(0.06%)、出血性卒中(0.06%)、眼出血(0.23%)、網膜出血(0.08%)、直腸出血(1.25%)、胃腸出血(0.74%)、メレナ(0.53%)、上部消化管出血(0.36%)、下部消化管出血(0.21%)、出血性胃潰瘍(0.14%)、関節内出血(0.16%)、コンパートメント症候群を伴う筋肉内出血(0.01%)、脾破裂に至る脾臓出血(頻度不明)等の重篤な出血があらわれることがあり、死亡に至る例が報告されている。重篤な出血等の異常が認められた場合は投与を中止すること。
なお、出血に伴う合併症として、ショック、腎不全、呼吸困難、浮腫、頭痛、浮動性めまい、蒼白、脱力感があらわれることがある。また、一部の例では貧血の結果として胸痛又は狭心症様の心虚血症状があらわれている。[1.1 参照],[2.2 参照],[8.1 参照],[8.2 参照],[8.3 参照],[8.4 参照],[8.5 参照],[9.1.1 参照] -
11.1.2 肝機能障害・黄疸
ALT上昇、AST上昇を伴う肝機能障害(0.1~1%未満)、黄疸(頻度不明)があらわれることがある。
-
11.1.3 間質性肺疾患(頻度不明)
血痰、肺胞出血を伴う場合もあるので、咳嗽、血痰、息切れ、呼吸困難、発熱、肺音の異常等が認められた場合には、速やかに胸部X線、胸部CT、血清マーカー等の検査を実施すること。間質性肺疾患が疑われた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等を行うこと。[8.7 参照]
- 11.1.4 血小板減少(頻度不明)
-
11.1.5 急性腎障害(頻度不明)
経口抗凝固薬の投与後に急性腎障害があらわれることがある。経口抗凝固薬投与後の急性腎障害の中には、血尿を認めるもの、腎生検により尿細管内に赤血球円柱を多数認めるものが報告されている5) ,6) 。
11.2 その他の副作用
1~10% |
0.1~1%未満 |
0.1%未満 |
頻度不明 |
|
|---|---|---|---|---|
精神神経系 |
頭痛、浮動性めまい、不眠 |
失神 |
||
感覚器 |
結膜出血 |
耳出血 |
||
消化器 |
歯肉出血 |
肛門出血、下痢、悪心、口腔内出血、血便、腹痛、便潜血、上腹部痛、消化不良、便秘、嘔吐、吐血、口内乾燥、胃食道逆流性疾患、胃炎 |
痔核、アミラーゼ上昇、リパーゼ上昇 |
|
循環器 |
血腫 |
頻脈、低血圧 |
血管偽動脈瘤形成 |
|
呼吸器 |
鼻出血、喀血 |
呼吸困難 |
||
血液 |
貧血 |
INR増加、ヘモグロビン減少、鉄欠乏性貧血 |
血小板増加症(血小板数増加等) |
|
肝臓 |
ALT上昇、AST上昇、血中ビリルビン上昇、Al-P上昇 |
γ-GTP上昇、直接ビリルビン上昇 |
LDH上昇 |
|
腎臓 |
血尿 |
尿中血陽性 |
尿路出血、腎クレアチニン・クリアランス減少、血中クレアチニン上昇、腎機能障害、BUN上昇 |
|
生殖器 |
月経過多 |
性器出血 |
||
筋・骨格系 |
四肢痛、関節痛 |
筋肉内出血 |
||
皮膚 |
斑状出血 |
皮下出血、皮下血腫、脱毛、皮膚裂傷 |
擦過傷 |
|
過敏症 |
発疹、そう痒、アレルギー性皮膚炎 |
じん麻疹(全身性そう痒症等)、アレルギー反応、血管浮腫 |
||
その他 |
挫傷 |
創傷出血、処置後出血、無力症、末梢性浮腫、食欲減退、疲労 |
限局性浮腫、倦怠感、創部分泌、発熱、硬膜下血腫 |
13. 過量投与
-
13.1 症状
出血性合併症が生じるおそれがある。
-
13.2 処置
吸収を抑えるために活性炭投与を考慮すること。出血が認められる場合は、以下の処置を行うこと。
- **適宜、次回の投与を延期するか中止すること。消失半減期は成人で5~13時間、小児等で1~4時間である。[16.1.1 参照],[16.1.2 参照]
- 症例ごとの出血の重症度及び部位に応じた出血に対する処置を講じること。
- 機械的圧迫(高度の鼻出血等)、出血管理のための外科的止血、補液及び血行動態の管理、血液製剤(合併する貧血又は凝固障害に応じて濃厚赤血球輸血、新鮮凍結血漿輸注を行う)又は血小板輸血等の適切な対症療法の開始を考慮すること。
タンパク結合率が高いので、血液透析は本剤の除去には有用でないと考えられる。
15. その他の注意
15.1 臨床使用に基づく情報
- 15.1.1 海外において実施された3抗体(ループスアンチコアグラント、抗カルジオリピン抗体、抗β2グリコプロテインI抗体)のいずれもが陽性で、血栓症の既往がある抗リン脂質抗体症候群患者を対象とした本剤とワルファリンの非盲検無作為化試験において、血栓塞栓性イベントの再発が、ワルファリン群61例では認められなかったのに対し、本剤群では59例中7例に認められた7) 。
- 15.1.2 適応外であるが、海外において実施された経カテーテル的大動脈弁置換術後1~7日後の患者を対象に本剤または抗血小板薬による治療を比較した試験において、抗血小板薬群に比較して本剤群で死亡及び血栓塞栓事象が多く認められたとの報告がある。
1. 警告
-
〈効能共通〉
- 1.1 本剤の投与により出血が発現し、重篤な出血の場合には、死亡に至るおそれがある。本剤の使用にあたっては、出血の危険性を考慮し、本剤投与の適否を慎重に判断すること。本剤による出血リスクを正確に評価できる指標は確立されていないため、本剤投与中は、血液凝固に関する検査値のみならず、出血や貧血等の徴候を十分に観察すること。これらの徴候が認められた場合には、直ちに適切な処置を行うこと。[2.2 参照],[8.1 参照],[8.2 参照],[8.3 参照],[8.5 参照],[9.1.1 参照],[11.1.1 参照]
-
〈静脈血栓塞栓症の治療及び再発抑制〉
- 1.2 **成人の深部静脈血栓症又は肺血栓塞栓症発症後の初期3週間の15mg1日2回投与時においては、特に出血の危険性が高まる可能性を考慮するとともに、患者の出血リスクに十分配慮し、特に、腎障害、高齢又は低体重の患者では出血の危険性が増大するおそれがあること、また、抗血小板剤を併用する患者では出血傾向が増大するおそれがあることから、これらの患者については治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合のみ本剤を投与すること。
- 1.3 **脊椎・硬膜外麻酔あるいは腰椎穿刺等との併用により、穿刺部位に血腫が生じ、神経の圧迫による麻痺があらわれるおそれがある。硬膜外カテーテル留置中、若しくは脊椎・硬膜外麻酔又は腰椎穿刺後日の浅い場合は、本剤の投与を控えること。
2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)
-
〈効能共通〉
- 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 2.2 出血している患者(頭蓋内出血、消化管出血等の臨床的に重大な出血)[出血を助長するおそれがある。][1.1 参照],[11.1.1 参照]
- 2.3 凝固障害を伴う肝疾患の患者[9.3.1 参照]
- 2.4 中等度以上の肝障害(Child-Pugh分類B又はCに相当)のある患者[9.3.2 参照],[16.6.2 参照]
- 2.5 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5 参照]
- 2.6 *リトナビルを含有する製剤、ダルナビル、ホスアンプレナビルを投与中の患者[10.1 参照],[16.7.1 参照]
- 2.7 コビシスタットを含有する製剤を投与中の患者[10.1 参照]
- 2.8 イトラコナゾール、ポサコナゾール、ボリコナゾール、ミコナゾール、ケトコナゾールの経口又は注射剤を投与中の患者[10.1 参照],[16.7.2 参照]
- 2.9 エンシトレルビルを投与中の患者[10.1 参照]
- 2.10 *ロナファルニブを投与中の患者[10.1 参照]
- 2.11 急性細菌性心内膜炎の患者[血栓はく離に伴う血栓塞栓様症状を呈するおそれがある。]
-
〈非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制〉
- 2.12 腎不全(クレアチニンクリアランス15mL/min未満)の患者[9.2.1 参照],[16.6.1 参照]
-
〈静脈血栓塞栓症の治療及び再発抑制〉
- 2.13 **重度の腎障害(成人ではクレアチニンクリアランス30mL/min未満、小児ではeGFR 30mL/min/1.73m2未満)のある患者[9.2.1 参照],[9.2.2 参照],[16.6.1 参照]
7. 用法及び用量に関連する注意
-
〈非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制〉
- 7.1 クレアチニンクリアランス30~49mL/minの患者には、10mgを1日1回投与する。[9.2.3 参照],[16.6.1 参照],[17.1.1 参照]
- 7.2 クレアチニンクリアランス15~29mL/minの患者には、本剤投与の適否を慎重に検討した上で、投与する場合は、10mgを1日1回投与する。[9.2.2 参照],[16.6.1 参照]
- 〈静脈血栓塞栓症の治療及び再発抑制〉
8. 重要な基本的注意
-
〈効能共通〉
- 8.1 プロトロンビン時間国際標準比(PT-INR)は本剤の抗凝固作用について標準化された指標でなく、活性化部分トロンボプラスチン時間(aPTT)等の凝固能検査は、本剤の抗凝固作用をモニタリングする指標として推奨されない。[1.1 参照],[11.1.1 参照]
- 8.2 出血等の副作用が生じることがあるので、必要に応じて血算(ヘモグロビン値)、便潜血等の検査を実施し、急激なヘモグロビン値や血圧の低下等の出血の徴候が認められた場合には、適切な処置を行うこと。[1.1 参照],[11.1.1 参照]
- 8.3 患者には、鼻出血、皮下出血、歯肉出血、血尿、喀血、吐血及び血便等、異常な出血の徴候が認められた場合には、医師に連絡するよう指導すること。[1.1 参照],[11.1.1 参照]
- 8.4 抗血小板剤2剤との併用時には、出血リスクが特に増大するおそれがあるため、本剤との併用についてはさらに慎重に検討し、治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合のみ、これらの薬剤と併用すること。[1.1 参照],[10.2 参照],[11.1.1 参照]
- 8.5 本剤の投与中に手術や侵襲的処置を行う場合、臨床的に可能であれば本剤の投与後24時間以上経過した後に行うことが望ましい。手術や侵襲的処置の開始を遅らせることができない場合は、緊急性と出血リスクを評価すること。本剤の投与は、手術や侵襲的処置後、患者の臨床状態に問題がなく出血がないことを確認してから、可及的速やかに再開すること。[1.1 参照],[11.1.1 参照]
-
8.6 本剤と他の抗凝固剤との切り替えにおいては、以下の点に留意すること。
- ワルファリンから本剤に切り替える必要がある場合は、ワルファリンの投与を中止した後、PT-INR等、血液凝固能検査を実施し、治療域の下限以下になったことを確認した後、可及的速やかに本剤の投与を開始すること。[16.7.9 参照]
- 注射剤の抗凝固剤(ヘパリン等)から本剤に切り替える場合、次回の静脈内又は皮下投与が予定された時間の0~2時間前又は持続静注中止後より、本剤の投与を開始すること。
- **本剤からワルファリンへの切り替え時において抗凝固作用が不十分になる可能性が示唆されているので、抗凝固作用が維持されるよう注意し、PT-INR等、血液凝固能検査の値が治療域の下限を超えるまでは、ワルファリンと本剤を併用すること。(小児の静脈血栓塞栓症を対象とした国際共同第Ⅲ相試験では、ワルファリンを2日間併用した後にPT-INRを測定し、2.0以上であることを確認できた場合に本剤を中止した。)なお、本剤の投与終了後24時間経過するまでは、PT-INRはワルファリンの抗凝固作用を正確に反映しない。
- 本剤から注射剤の抗凝固剤に切り替える場合、本剤の投与を中止し、次回の本剤投与が予定された時間に抗凝固剤の静脈内投与又は皮下投与を開始すること。
- 8.7 間質性肺疾患があらわれることがあるので、咳嗽、血痰、呼吸困難、発熱等の症状があらわれた場合には、速やかに主治医に連絡するよう患者に指導すること。[11.1.3 参照]
- 8.8 服用を忘れた場合は直ちに本剤を服用し、翌日から毎日1回の服用を行うよう患者に指導すること。服用を忘れた場合でも、一度に2回分を服用せず、次の服用まで12時間以上空けるよう、患者に指導すること。
- 8.9 本剤投与中の患者で生命を脅かす出血又は止血困難な出血の発現時に本剤の抗凝固作用の中和を必要とする場合には、中和剤であるアンデキサネット アルファ(遺伝子組換え)の電子添文を必ず参照し、禁忌、用法及び用量に関連する注意、重要な基本的注意、特定の背景を有する患者に関する注意、副作用等の使用上の注意の記載を確認すること。
-
〈静脈血栓塞栓症の治療及び再発抑制〉
- 8.10 **本剤の投与期間については、症例ごとの静脈血栓塞栓症(成人では、深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症)の再発リスク並びに出血リスクを考慮して決定し、漫然と継続投与しないこと。[17.1.3 参照],[17.1.4 参照],[17.1.5 参照]
- 8.11 **特に成人の深部静脈血栓症又は肺血栓塞栓症発症後の初期3週間の15mg1日2回投与中は、出血のリスクに十分注意すること。
- 8.12 **成人の深部静脈血栓症又は肺血栓塞栓症発症後の初期3週間は、ワルファリンから本剤への切り替えを控えること。初期3週間治療後は、ワルファリンから本剤への切り替え時に抗凝固作用が不十分となる可能性を考慮した上で切り替えの適否を慎重に判断すること。[16.7.9 参照]
- 8.13 **成人の深部静脈血栓症又は肺血栓塞栓症発症後の本剤15mg1日2回3週間投与時に服用を忘れた場合は、直ちに服用し、同日の1日用量が30mgとなるよう、患者に指導すること。この場合、一度に2回分を服用させてもよい。翌日からは毎日2回の服用を行うよう患者に指導すること。
- 8.14 **小児に本剤を使用する場合、小児の抗凝固薬療法に精通した医師あるいはその指導のもとで治療を行うこと。
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
-
9.1.1 出血リスクが高い患者
以下のような患者では、出血の危険性が増大する。[1.1 参照],[11.1.1 参照]
-
9.1.2 低体重の患者
出血の危険性が増大することがある。
-
9.1.3 潰瘍性消化管障害のおそれのある患者
潰瘍性消化管障害に対する適切な予防に配慮すること。
9.2 腎機能障害患者
-
9.2.1 腎不全の患者
**投与しないこと。成人を対象とした国内外第Ⅲ相試験において、クレアチニンクリアランス15mL/min未満の患者は除外されている。[2.12 参照],[2.13 参照],[16.6.1 参照]
-
9.2.2 重度の腎障害患者
-
〈非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制〉
本剤投与の適否を慎重に検討すること。本剤の血中濃度が上昇することが示唆されている。国内外第Ⅲ相試験において、クレアチニンクリアランス15~29mL/minの患者は除外されている。[7.2 参照],[16.6.1 参照]
-
〈静脈血栓塞栓症の治療及び再発抑制〉
**投与しないこと。成人を対象とした国内外第Ⅲ相試験において、クレアチニンクリアランス15~29mL/minの患者は除外されている。また、小児等を対象とした臨床試験では、eGFRが30mL/min/1.73m2未満の患者は除外されている。[2.13 参照],[16.6.1 参照]
-
〈非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制〉
-
9.2.3 中等度の腎障害のある患者
**本剤投与の適否を慎重に検討すること。成人ではクレアチニンクリアランス30~49mL/min、小児ではeGFRが30~60mL/min/1.73m2の患者で本剤の血中濃度が上昇することが示唆されており、出血の危険性が増大することがある。[7.1 参照],[16.6.1 参照]
9.3 肝機能障害患者
-
9.3.1 凝固障害を伴う肝疾患の患者
投与しないこと。出血の危険性が増大するおそれがある。[2.3 参照]
-
9.3.2 中等度以上の肝障害のある患者(Child-Pugh分類B又はCに相当)
投与しないこと。本剤の血中濃度が上昇し、出血の危険性が増大するおそれがある。[2.4 参照],[16.6.2 参照]
9.5 妊婦
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット、経口投与)で乳汁中に移行することが報告されている4) 。ヒトの母乳中に移行することが報告されている。
9.7 小児等
9.8 高齢者
**一般に腎機能などの生理機能が低下している。なお、非弁膜症性心房細動患者を対象とした国内第Ⅲ相試験において75歳以上の患者では75歳未満の患者と比較し、重大な出血及び重大ではないが臨床的に問題となる出血の発現率が高かった。
10. 相互作用
- 本剤は主としてチトクロームP450 3A4及び2J2(CYP3A4及びCYP2J2)により代謝される。また、本剤はP-糖タンパク及び乳癌耐性タンパク(BCRP)の基質である。[16.4 参照]
10.1 併用禁忌(併用しないこと)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
本剤の血中濃度が上昇し、抗凝固作用が増強されることにより、出血の危険性が増大するおそれがある。 |
CYP3A4の強力な阻害及びP-糖タンパクの阻害によりクリアランスが減少する。 |
|
コビシスタットを含有する製剤(ゲンボイヤ、プレジコビックス、シムツーザ) |
本剤の血中濃度が上昇し、抗凝固作用が増強されることにより、出血の危険性が増大するおそれがある。 |
CYP3A4の強力な阻害によりクリアランスが減少する。 |
以下の経口又は注射剤 |
本剤の血中濃度が上昇し、抗凝固作用が増強されることにより、出血の危険性が増大するおそれがある。 |
CYP3A4の強力な阻害及びP-糖タンパクの阻害によりクリアランスが減少する。 |
エンシトレルビル(ゾコーバ) |
本剤の血中濃度が上昇し、抗凝固作用が増強されることにより、出血の危険性が増大するおそれがある。 |
CYP3A4の強力な阻害及びP-糖タンパクの阻害によりクリアランスが減少する。 |
*ロナファルニブ(ゾキンヴィ) |
本剤の血中濃度が上昇し、抗凝固作用が増強されることにより、出血の危険性が増大するおそれがある。 |
CYP3A4の強力な阻害及びP-糖タンパクの阻害によりクリアランスが減少する。 |
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
出血の危険性が増大するおそれがあるので、観察を十分に行い、注意すること。 |
両剤の抗凝固作用が相加的に増強される。 |
|
血小板凝集抑制作用を有する薬剤 |
出血の危険性が増大するおそれがあるので、これらの薬剤と本剤の併用については、治療上の有益性と危険性を考慮して慎重に判断すること。投与中は観察を十分に行い、注意すること。 |
本剤の抗凝固作用と血小板凝集抑制作用により相加的に出血傾向が増強される。 |
出血の危険性が増大するおそれがあるので、観察を十分に行い、注意すること。 |
本剤の抗凝固作用と血小板凝集抑制作用により相加的に出血傾向が増強される。 |
|
出血の危険性が増大するおそれがあるので、観察を十分に行い、注意すること。 |
本剤の抗凝固作用とフィブリン溶解作用により相加的に出血傾向が増強される。 |
|
フルコナゾール |
**本剤の血中濃度が上昇したとの報告がある。成人の静脈血栓塞栓症発症後の初期3週間では、治療上やむを得ないと判断された場合を除き、これらの薬剤との併用を避けること。 |
フルコナゾールがCYP3A4を阻害することにより本剤のクリアランスが減少するおそれがある。 |
クラリスロマイシン |
**本剤の血中濃度が上昇したとの報告がある。成人の静脈血栓塞栓症発症後の初期3週間では、治療上やむを得ないと判断された場合を除き、これらの薬剤との併用を避けること。 |
これらの薬剤がCYP3A4及びP-糖タンパクを阻害することにより本剤のクリアランスが減少する。 |
リファンピシン |
本剤の血中濃度が低下し、抗凝固作用が減弱したとの報告がある。 |
リファンピシンがCYP3A4を強力に誘導し、P-糖タンパクを誘導することにより本剤のクリアランスが増加する。 |
フェニトイン |
本剤の血中濃度が低下するおそれがある。 |
これらの薬剤等がCYP3A4を強力に誘導することにより本剤のクリアランスが増加する。 |
11. 副作用
11.1 重大な副作用
-
11.1.1 出血
*頭蓋内出血(0.09%)、脳出血(0.06%)、出血性卒中(0.06%)、眼出血(0.23%)、網膜出血(0.08%)、直腸出血(1.25%)、胃腸出血(0.74%)、メレナ(0.53%)、上部消化管出血(0.36%)、下部消化管出血(0.21%)、出血性胃潰瘍(0.14%)、関節内出血(0.16%)、コンパートメント症候群を伴う筋肉内出血(0.01%)、脾破裂に至る脾臓出血(頻度不明)等の重篤な出血があらわれることがあり、死亡に至る例が報告されている。重篤な出血等の異常が認められた場合は投与を中止すること。
なお、出血に伴う合併症として、ショック、腎不全、呼吸困難、浮腫、頭痛、浮動性めまい、蒼白、脱力感があらわれることがある。また、一部の例では貧血の結果として胸痛又は狭心症様の心虚血症状があらわれている。[1.1 参照],[2.2 参照],[8.1 参照],[8.2 参照],[8.3 参照],[8.4 参照],[8.5 参照],[9.1.1 参照] -
11.1.2 肝機能障害・黄疸
ALT上昇、AST上昇を伴う肝機能障害(0.1~1%未満)、黄疸(頻度不明)があらわれることがある。
-
11.1.3 間質性肺疾患(頻度不明)
血痰、肺胞出血を伴う場合もあるので、咳嗽、血痰、息切れ、呼吸困難、発熱、肺音の異常等が認められた場合には、速やかに胸部X線、胸部CT、血清マーカー等の検査を実施すること。間質性肺疾患が疑われた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等を行うこと。[8.7 参照]
- 11.1.4 血小板減少(頻度不明)
-
11.1.5 急性腎障害(頻度不明)
経口抗凝固薬の投与後に急性腎障害があらわれることがある。経口抗凝固薬投与後の急性腎障害の中には、血尿を認めるもの、腎生検により尿細管内に赤血球円柱を多数認めるものが報告されている5) ,6) 。
11.2 その他の副作用
1~10% |
0.1~1%未満 |
0.1%未満 |
頻度不明 |
|
|---|---|---|---|---|
精神神経系 |
頭痛、浮動性めまい、不眠 |
失神 |
||
感覚器 |
結膜出血 |
耳出血 |
||
消化器 |
歯肉出血 |
肛門出血、下痢、悪心、口腔内出血、血便、腹痛、便潜血、上腹部痛、消化不良、便秘、嘔吐、吐血、口内乾燥、胃食道逆流性疾患、胃炎 |
痔核、アミラーゼ上昇、リパーゼ上昇 |
|
循環器 |
血腫 |
頻脈、低血圧 |
血管偽動脈瘤形成 |
|
呼吸器 |
鼻出血、喀血 |
呼吸困難 |
||
血液 |
貧血 |
INR増加、ヘモグロビン減少、鉄欠乏性貧血 |
血小板増加症(血小板数増加等) |
|
肝臓 |
ALT上昇、AST上昇、血中ビリルビン上昇、Al-P上昇 |
γ-GTP上昇、直接ビリルビン上昇 |
LDH上昇 |
|
腎臓 |
血尿 |
尿中血陽性 |
尿路出血、腎クレアチニン・クリアランス減少、血中クレアチニン上昇、腎機能障害、BUN上昇 |
|
生殖器 |
月経過多 |
性器出血 |
||
筋・骨格系 |
四肢痛、関節痛 |
筋肉内出血 |
||
皮膚 |
斑状出血 |
皮下出血、皮下血腫、脱毛、皮膚裂傷 |
擦過傷 |
|
過敏症 |
発疹、そう痒、アレルギー性皮膚炎 |
じん麻疹(全身性そう痒症等)、アレルギー反応、血管浮腫 |
||
その他 |
挫傷 |
創傷出血、処置後出血、無力症、末梢性浮腫、食欲減退、疲労 |
限局性浮腫、倦怠感、創部分泌、発熱、硬膜下血腫 |
13. 過量投与
-
13.1 症状
出血性合併症が生じるおそれがある。
-
13.2 処置
吸収を抑えるために活性炭投与を考慮すること。出血が認められる場合は、以下の処置を行うこと。
- **適宜、次回の投与を延期するか中止すること。消失半減期は成人で5~13時間、小児等で1~4時間である。[16.1.1 参照],[16.1.2 参照]
- 症例ごとの出血の重症度及び部位に応じた出血に対する処置を講じること。
- 機械的圧迫(高度の鼻出血等)、出血管理のための外科的止血、補液及び血行動態の管理、血液製剤(合併する貧血又は凝固障害に応じて濃厚赤血球輸血、新鮮凍結血漿輸注を行う)又は血小板輸血等の適切な対症療法の開始を考慮すること。
タンパク結合率が高いので、血液透析は本剤の除去には有用でないと考えられる。
15. その他の注意
15.1 臨床使用に基づく情報
- 15.1.1 海外において実施された3抗体(ループスアンチコアグラント、抗カルジオリピン抗体、抗β2グリコプロテインI抗体)のいずれもが陽性で、血栓症の既往がある抗リン脂質抗体症候群患者を対象とした本剤とワルファリンの非盲検無作為化試験において、血栓塞栓性イベントの再発が、ワルファリン群61例では認められなかったのに対し、本剤群では59例中7例に認められた7) 。
- 15.1.2 適応外であるが、海外において実施された経カテーテル的大動脈弁置換術後1~7日後の患者を対象に本剤または抗血小板薬による治療を比較した試験において、抗血小板薬群に比較して本剤群で死亡及び血栓塞栓事象が多く認められたとの報告がある。