薬効分類名経口エストラジオール製剤
一般的名称エストラジオール
ジュリナ錠0.5mg
じゅりなじょう0.5mg
Julina tablets 0.5mg
製造販売元/バイエル薬品株式会社
重大な副作用
その他の副作用
併用注意
マクロライド系抗生物質
- エリスロマイシン等
イミダゾール系抗真菌剤
- ケトコナゾール等
トリアゾール系抗真菌剤
- イトラコナゾール等
本剤の血中濃度が増加し、作用が増強されるおそれがある。
これらの薬剤等は薬物代謝酵素CYP3A4を阻害することにより、本剤の代謝を阻害すると考えられる。
リファンピシン
バルビツール酸系製剤
- フェノバルビタール等
カルバマゼピン
非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤
- ネビラピン、エファビレンツ
セイヨウオトギリソウ(St. John's Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
本剤の血中濃度が減少し、作用が減弱されるおそれがある。
これらの薬剤等は薬物代謝酵素CYP3A4を誘導することにより、本剤の代謝を促進すると考えられる。
HIVプロテアーゼ阻害剤
- リトナビル等
本剤の血中濃度が変化するおそれがある。
これらの薬剤等は薬物代謝酵素CYP3A4を阻害又は誘導する可能性がある。
2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)
-
〈効能共通〉
- 2.1 エストロゲン依存性悪性腫瘍(例えば、乳癌、子宮内膜癌)及びその疑いのある患者[腫瘍の悪化あるいは顕性化を促すことがある。][8.3 参照],[8.4 参照]
- 2.2 未治療の子宮内膜増殖症のある患者[子宮内膜増殖症は細胞異型を伴う場合がある。][8.3 参照],[8.4 参照]
- 2.3 乳癌の既往歴のある患者[乳癌が再発するおそれがある。][8.3 参照]
- 2.4 血栓性静脈炎や肺塞栓症のある患者、又はその既往歴のある患者[エストロゲンは凝固因子を増加させ、血栓形成傾向を促進するとの報告がある。][11.1.1 参照]
- 2.5 動脈性の血栓塞栓疾患(例えば、冠動脈性心疾患、脳卒中)又はその既往歴のある患者[15.1.3 参照],[15.1.4 参照]
- 2.6 授乳婦[9.6 参照]
- 2.7 重篤な肝障害のある患者[9.3.1 参照]
- 2.8 診断の確定していない異常性器出血のある患者[出血が子宮内膜癌による場合は、癌の悪化あるいは顕性化を促すことがある。][8.3 参照],[8.4 参照]
- 2.9 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
-
〈更年期障害及び卵巣欠落症状に伴う症状、閉経後骨粗鬆症、生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整〉
- 2.10 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5.1 参照]
5. 効能又は効果に関連する注意
-
〈生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整、凍結融解胚移植におけるホルモン補充周期〉
妊娠率や生産率の報告を踏まえると、本剤を含む卵胞ホルモン剤と黄体ホルモン剤の併用で調節卵巣刺激の開始時期の調整又はホルモン補充周期で凍結融解胚移植を行った場合は、開始時期の調整を行わない場合又は自然排卵周期で凍結融解胚移植を行った場合と比べて、妊娠率や生産率が低下する可能性があるので、このことを患者に説明した上で、本剤の投与の要否は、患者ごとに治療上の必要性及び危険性を考慮して慎重に判断すること。[15.1.11 参照],[15.1.12 参照]
6. 用法及び用量
-
〈更年期障害及び卵巣欠落症状に伴う症状〉
通常、成人に対しエストラジオールとして1日1回0.5mgを経口投与する。
なお、増量する場合は、エストラジオールとして1日1回1.0mgを経口投与することができる。 -
〈閉経後骨粗鬆症〉
通常、成人に対しエストラジオールとして1日1回1.0mgを経口投与する。
-
〈生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整〉
通常、エストラジオールとして1日1回0.5又は1.0mgを21~28日間経口投与し、投与期間の後半に黄体ホルモン剤を併用する。
-
〈凍結融解胚移植におけるホルモン補充周期〉
通常、エストラジオールとして1日0.5~4.5mgを経口投与し、子宮内膜の十分な肥厚が得られた時点で、黄体ホルモン剤の併用を開始して、妊娠8週まで本剤の投与を継続する。なお、1回投与量は2.0mgを超えないこと。
7. 用法及び用量に関連する注意
-
〈更年期障害及び卵巣欠落症状に伴う症状、閉経後骨粗鬆症〉
- 7.1 子宮を有する女性に投与する場合は、子宮内膜癌予防の見地から黄体ホルモン剤の併用が原則である。[15.1.1 参照],[15.1.10 参照]
- 7.2 他のホルモン補充療法から本剤に切り替える場合、周期的投与法では治療周期の最終日以降、また逐次的投与法では休薬の後、本剤の投与を開始すること。
- 〈閉経後骨粗鬆症〉
- 〈凍結融解胚移植におけるホルモン補充周期〉
8. 重要な基本的注意
-
〈効能共通〉
- 8.1 本剤の服用により、血栓症があらわれることがあるので、次のような症状・状態があらわれた場合は投与を中止すること。また、患者に対しては次のような症状・状態が認められた場合には直ちに医師等に相談するよう、あらかじめ説明すること。[9.1.7 参照],[11.1.1 参照]
-
〈更年期障害及び卵巣欠落症状に伴う症状、閉経後骨粗鬆症〉
- 8.2 外国において、卵胞ホルモン剤と黄体ホルモン剤を長期併用した女性では、乳癌になる危険性が対照群の女性と比較して高くなり、その危険性は併用期間が長期になるに従って高くなるとの報告があるので、本剤の使用にあたっては、患者に対し本剤のリスクとベネフィットについて十分な説明を行うとともに必要最小限の使用にとどめ、漫然と長期使用を行わないこと。[15.1.2 参照]
- 8.3 投与前に病歴、家族素因等の問診、乳房検診並びに婦人科検診(子宮を有する患者においては子宮内膜細胞診及び超音波検査による子宮内膜厚の測定を含む)を行い、投与開始後は定期的に乳房検診並びに婦人科検診を行うこと。[2.1 参照],[2.2 参照],[2.3 参照],[2.8 参照],[9.1.1 参照],[9.1.2 参照],[9.1.6 参照]
- 8.4 投与初期に性器出血が発現した場合、通常は投与継続中に消失するが、頻発する場合又は持続する場合には、必要に応じて子宮内膜検査を行うこと。[2.1 参照],[2.2 参照],[2.8 参照]
- 〈生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整、凍結融解胚移植におけるホルモン補充周期〉
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
-
9.1.1 子宮内膜症のある患者
症状が増悪するおそれがある。[8.3 参照]
-
9.1.2 子宮筋腫のある患者
子宮筋腫の発育を促進するおそれがある。[8.3 参照]
-
9.1.3 高血圧、心疾患又はその既往歴のある患者
エストロゲンの過量投与では体液貯留を来し、疾患を悪化させるおそれがある。
-
9.1.4 片頭痛、てんかんのある患者
観察を十分に行うこと。症状を悪化させることがある。
-
9.1.5 糖尿病患者
十分管理を行いながら使用すること。耐糖能を低下させるおそれがある。
-
9.1.6 乳癌家族素因が強い患者、乳房結節のある患者、乳腺症の患者又は乳房レントゲン像に異常がみられた患者
症状を悪化させるおそれがある。[8.3 参照]
-
9.1.7 術前又は長期臥床状態の患者
血液凝固能が亢進され、心血管系の副作用の危険性が高くなることがある。[8.1 参照],[11.1.1 参照]
-
9.1.8 全身性エリテマトーデスの患者
症状を悪化させるおそれがある。
-
9.1.9 ポルフィリン症の患者
症状を悪化させるおそれがある。
-
9.1.10 重篤な高トリグリセリド血症の患者
急性膵炎を発症するおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
-
9.3.1 重篤な肝障害のある患者
投与しないこと。代謝能が低下しており肝臓への負担が増加するため、症状が増悪することがある。[2.7 参照]
-
9.3.2 肝障害のある患者(重篤な肝障害のある患者を除く)
肝障害を悪化させることがある。
9.5 妊婦
-
〈更年期障害及び卵巣欠落症状に伴う症状、閉経後骨粗鬆症、生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整〉
- 9.5.1 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。[2.10 参照]
- 〈効能共通〉
9.6 授乳婦
授乳中の女性には投与しないこと。ヒトにおいて、母乳中への移行が報告されている。[2.6 参照]
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。なお、臨床試験では75歳を超える高齢者は除外されている。
11. 副作用
11.2 その他の副作用
5%以上 |
1~5%未満 |
1%未満 |
頻度不明 |
|
|---|---|---|---|---|
生殖器 |
性器分泌物 |
性器出血 |
外陰腟不快感、子宮頸管ポリープ |
月経困難症(性器出血時の腹痛)、女性陰部そう痒症、腟真菌症 |
乳房 |
乳房不快感 |
乳房痛、乳頭痛 |
乳房のう胞、乳房障害(乳腺症) |
|
消化器 |
腹部膨満、腹痛、悪心 |
便秘、腹部不快感、下痢、胃炎 |
||
精神神経系 |
浮動性めまい |
頭痛、不眠症、感覚減退(四肢のしびれ感等) |
||
循環器 |
血圧上昇、動悸 |
|||
電解質代謝 |
浮腫 |
|||
内分泌・代謝系 |
血中トリグリセリド増加 |
TSH増加 |
||
筋・骨格系 |
背部痛、筋骨格硬直(肩又は手のこわばり等) |
|||
皮膚 |
湿疹 |
|||
その他 |
倦怠感 |
15. その他の注意
15.1 臨床使用に基づく情報
-
15.1.1 ホルモン補充療法(HRT)と子宮内膜癌の危険性
卵胞ホルモン剤を長期間(約1年以上)使用した閉経期以降の女性では、子宮内膜癌になる危険性が対照群の女性と比較して高く、この危険性は、使用期間に相関して上昇し(1~5年間で2.8倍、10年以上で9.5倍)、黄体ホルモン剤の併用により抑えられる(対照群の女性と比較して0.8倍)との疫学調査の結果が報告されている1) 。[7.1 参照]
-
15.1.2 **HRTと乳癌の危険性
HRTと乳癌発生との因果関係については明らかではないが、次のような報告がある。
- (1) 米国における閉経後女性を対象とした無作為化臨床試験(Women's Health Initiative(WHI)試験)の結果、結合型エストロゲン・黄体ホルモン配合剤投与群では、乳癌になる危険性がプラセボ投与群と比較して有意に高くなる(ハザード比:1.24)との報告がある2) 。並行して行われた子宮摘出者に対する試験の結果、結合型エストロゲン単独投与群では、乳癌になる危険性がプラセボ投与群と比較して有意差はない(ハザード比:0.80)との報告がある3) ,4) 。[8.2 参照]
- (2) 英国における疫学調査(Million Women Study(MWS))の結果、卵胞ホルモン剤と黄体ホルモン剤を併用している女性では、乳癌になる危険性が対照群と比較して有意に高くなり(2.00倍)、この危険性は、併用期間が長期になるに従って高くなる(1年未満:1.45倍、1~4年:1.74倍、5~9年:2.17倍、10年以上:2.31倍)との報告がある5) 。[8.2 参照]
- (3) 閉経後女性を対象とした大規模な疫学調査のメタアナリシスの結果、閉経期ホルモン補充療法(MHT)として卵胞ホルモン剤を単独投与又は卵胞ホルモン剤と黄体ホルモン剤を併用した女性は、乳癌になる危険性がMHTの期間とともに高くなり(調整リスク比[95%信頼区間]は1~4年間の卵胞ホルモン剤と黄体ホルモン剤併用:1.60[1.52–1.69]、卵胞ホルモン剤単独:1.17[1.10–1.26]、5~14年間の卵胞ホルモン剤と黄体ホルモン剤併用:2.08[2.02–2.15]、卵胞ホルモン剤単独:1.33[1.28–1.37])、MHT非使用者に対する調整リスク比はMHT過去使用者よりMHT現使用者の方が高かった。また、MHT過去使用者において、投与中止後も過去の投与期間に依存して乳癌になる危険性が10年以上持続する場合があるとの報告がある6) 。[8.2 参照]
-
15.1.3 HRTと冠動脈性心疾患の危険性
米国におけるWHI試験の結果、結合型エストロゲン・黄体ホルモン配合剤投与群では、冠動脈性心疾患の危険性がプラセボ投与群と比較して高い傾向にあり、特に服用開始1年後では有意に高くなる(ハザード比:1.81)との報告がある7) 。並行して行われた子宮摘出者に対する試験の結果、結合型エストロゲン単独投与群では、冠動脈性心疾患の危険性がプラセボ投与群と比較して有意差はない(ハザード比:0.91)との報告がある3) 。[2.5 参照]
-
15.1.4 HRTと脳卒中の危険性
米国におけるWHI試験の結果、結合型エストロゲン・黄体ホルモン配合剤投与群では、脳卒中(主として脳梗塞)の危険性がプラセボ投与群と比較して有意に高くなる(ハザード比:1.31)との報告がある8) 。並行して行われた子宮摘出者に対する試験の結果、結合型エストロゲン単独投与群では、脳卒中(主として脳梗塞)の危険性がプラセボ投与群と比較して有意に高くなる(ハザード比:1.37)との報告がある3) ,9) 。[2.5 参照]
-
15.1.5 HRTと認知症の危険性
米国における65歳以上の閉経後女性を対象とした無作為化臨床試験(WHI Memory Study(WHIMS))の結果、結合型エストロゲン・黄体ホルモン配合剤投与群では、アルツハイマーを含む認知症の危険性がプラセボ投与群と比較して有意に高くなる(ハザード比:2.05)との報告がある10) 。並行して行われた子宮摘出者に対する試験の結果、結合型エストロゲン単独投与群では、アルツハイマーを含む認知症の危険性がプラセボ投与群と比較して有意ではないが、高い傾向がみられた(ハザード比:1.49)との報告がある11) 。
- 15.1.6 HRTと卵巣癌の危険性
- 15.1.7 卵胞ホルモン剤の長期投与により、肝腫瘍が発生したとの報告がある。
- 15.1.8 高用量の卵胞ホルモン剤の投与により、プロラクチン分泌性の下垂体腫瘍(プロラクチノーマ)が増大したとの報告がある。
-
15.1.9 HRTと胆のう疾患の危険性
米国におけるWHI試験の結果、結合型エストロゲン・黄体ホルモン配合剤投与群において、胆のう疾患になる危険性がプラセボ投与群と比較して有意に高くなる(ハザード比:1.59)との報告がある。並行して行われた子宮摘出者に対する試験の結果、結合型エストロゲン単独投与群では、胆のう疾患になる危険性がプラセボ投与群と比較して有意に高くなる(ハザード比:1.67)との報告がある16) 。
-
15.1.10 更年期障害及び卵巣欠落症状に伴う症状、閉経後骨粗鬆症における黄体ホルモン剤の併用投与については、以下のいずれかの方法で行うことが望ましい。[7.1 参照]
〈参考〉
- 15.1.11 調節卵巣刺激の前周期に低用量黄体ホルモン・卵胞ホルモン配合剤を投与した場合の生産率や継続妊娠率は、投与しなかった場合と比較して低かったとの報告がある17) 。[5 参照]
- 15.1.12 ホルモン補充周期での凍結融解胚移植は自然排卵周期での凍結融解胚移植と比較して妊娠率及び生産率が低く、流産率が高かったとの報告がある18) 。[5 参照]
2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)
-
〈効能共通〉
- 2.1 エストロゲン依存性悪性腫瘍(例えば、乳癌、子宮内膜癌)及びその疑いのある患者[腫瘍の悪化あるいは顕性化を促すことがある。][8.3 参照],[8.4 参照]
- 2.2 未治療の子宮内膜増殖症のある患者[子宮内膜増殖症は細胞異型を伴う場合がある。][8.3 参照],[8.4 参照]
- 2.3 乳癌の既往歴のある患者[乳癌が再発するおそれがある。][8.3 参照]
- 2.4 血栓性静脈炎や肺塞栓症のある患者、又はその既往歴のある患者[エストロゲンは凝固因子を増加させ、血栓形成傾向を促進するとの報告がある。][11.1.1 参照]
- 2.5 動脈性の血栓塞栓疾患(例えば、冠動脈性心疾患、脳卒中)又はその既往歴のある患者[15.1.3 参照],[15.1.4 参照]
- 2.6 授乳婦[9.6 参照]
- 2.7 重篤な肝障害のある患者[9.3.1 参照]
- 2.8 診断の確定していない異常性器出血のある患者[出血が子宮内膜癌による場合は、癌の悪化あるいは顕性化を促すことがある。][8.3 参照],[8.4 参照]
- 2.9 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
-
〈更年期障害及び卵巣欠落症状に伴う症状、閉経後骨粗鬆症、生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整〉
- 2.10 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5.1 参照]
5. 効能又は効果に関連する注意
-
〈生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整、凍結融解胚移植におけるホルモン補充周期〉
妊娠率や生産率の報告を踏まえると、本剤を含む卵胞ホルモン剤と黄体ホルモン剤の併用で調節卵巣刺激の開始時期の調整又はホルモン補充周期で凍結融解胚移植を行った場合は、開始時期の調整を行わない場合又は自然排卵周期で凍結融解胚移植を行った場合と比べて、妊娠率や生産率が低下する可能性があるので、このことを患者に説明した上で、本剤の投与の要否は、患者ごとに治療上の必要性及び危険性を考慮して慎重に判断すること。[15.1.11 参照],[15.1.12 参照]
6. 用法及び用量
-
〈更年期障害及び卵巣欠落症状に伴う症状〉
通常、成人に対しエストラジオールとして1日1回0.5mgを経口投与する。
なお、増量する場合は、エストラジオールとして1日1回1.0mgを経口投与することができる。 -
〈閉経後骨粗鬆症〉
通常、成人に対しエストラジオールとして1日1回1.0mgを経口投与する。
-
〈生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整〉
通常、エストラジオールとして1日1回0.5又は1.0mgを21~28日間経口投与し、投与期間の後半に黄体ホルモン剤を併用する。
-
〈凍結融解胚移植におけるホルモン補充周期〉
通常、エストラジオールとして1日0.5~4.5mgを経口投与し、子宮内膜の十分な肥厚が得られた時点で、黄体ホルモン剤の併用を開始して、妊娠8週まで本剤の投与を継続する。なお、1回投与量は2.0mgを超えないこと。
7. 用法及び用量に関連する注意
-
〈更年期障害及び卵巣欠落症状に伴う症状、閉経後骨粗鬆症〉
- 7.1 子宮を有する女性に投与する場合は、子宮内膜癌予防の見地から黄体ホルモン剤の併用が原則である。[15.1.1 参照],[15.1.10 参照]
- 7.2 他のホルモン補充療法から本剤に切り替える場合、周期的投与法では治療周期の最終日以降、また逐次的投与法では休薬の後、本剤の投与を開始すること。
- 〈閉経後骨粗鬆症〉
- 〈凍結融解胚移植におけるホルモン補充周期〉
8. 重要な基本的注意
-
〈効能共通〉
- 8.1 本剤の服用により、血栓症があらわれることがあるので、次のような症状・状態があらわれた場合は投与を中止すること。また、患者に対しては次のような症状・状態が認められた場合には直ちに医師等に相談するよう、あらかじめ説明すること。[9.1.7 参照],[11.1.1 参照]
-
〈更年期障害及び卵巣欠落症状に伴う症状、閉経後骨粗鬆症〉
- 8.2 外国において、卵胞ホルモン剤と黄体ホルモン剤を長期併用した女性では、乳癌になる危険性が対照群の女性と比較して高くなり、その危険性は併用期間が長期になるに従って高くなるとの報告があるので、本剤の使用にあたっては、患者に対し本剤のリスクとベネフィットについて十分な説明を行うとともに必要最小限の使用にとどめ、漫然と長期使用を行わないこと。[15.1.2 参照]
- 8.3 投与前に病歴、家族素因等の問診、乳房検診並びに婦人科検診(子宮を有する患者においては子宮内膜細胞診及び超音波検査による子宮内膜厚の測定を含む)を行い、投与開始後は定期的に乳房検診並びに婦人科検診を行うこと。[2.1 参照],[2.2 参照],[2.3 参照],[2.8 参照],[9.1.1 参照],[9.1.2 参照],[9.1.6 参照]
- 8.4 投与初期に性器出血が発現した場合、通常は投与継続中に消失するが、頻発する場合又は持続する場合には、必要に応じて子宮内膜検査を行うこと。[2.1 参照],[2.2 参照],[2.8 参照]
- 〈生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整、凍結融解胚移植におけるホルモン補充周期〉
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
-
9.1.1 子宮内膜症のある患者
症状が増悪するおそれがある。[8.3 参照]
-
9.1.2 子宮筋腫のある患者
子宮筋腫の発育を促進するおそれがある。[8.3 参照]
-
9.1.3 高血圧、心疾患又はその既往歴のある患者
エストロゲンの過量投与では体液貯留を来し、疾患を悪化させるおそれがある。
-
9.1.4 片頭痛、てんかんのある患者
観察を十分に行うこと。症状を悪化させることがある。
-
9.1.5 糖尿病患者
十分管理を行いながら使用すること。耐糖能を低下させるおそれがある。
-
9.1.6 乳癌家族素因が強い患者、乳房結節のある患者、乳腺症の患者又は乳房レントゲン像に異常がみられた患者
症状を悪化させるおそれがある。[8.3 参照]
-
9.1.7 術前又は長期臥床状態の患者
血液凝固能が亢進され、心血管系の副作用の危険性が高くなることがある。[8.1 参照],[11.1.1 参照]
-
9.1.8 全身性エリテマトーデスの患者
症状を悪化させるおそれがある。
-
9.1.9 ポルフィリン症の患者
症状を悪化させるおそれがある。
-
9.1.10 重篤な高トリグリセリド血症の患者
急性膵炎を発症するおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
-
9.3.1 重篤な肝障害のある患者
投与しないこと。代謝能が低下しており肝臓への負担が増加するため、症状が増悪することがある。[2.7 参照]
-
9.3.2 肝障害のある患者(重篤な肝障害のある患者を除く)
肝障害を悪化させることがある。
9.5 妊婦
-
〈更年期障害及び卵巣欠落症状に伴う症状、閉経後骨粗鬆症、生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整〉
- 9.5.1 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。[2.10 参照]
- 〈効能共通〉
9.6 授乳婦
授乳中の女性には投与しないこと。ヒトにおいて、母乳中への移行が報告されている。[2.6 参照]
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。なお、臨床試験では75歳を超える高齢者は除外されている。
11. 副作用
11.2 その他の副作用
5%以上 |
1~5%未満 |
1%未満 |
頻度不明 |
|
|---|---|---|---|---|
生殖器 |
性器分泌物 |
性器出血 |
外陰腟不快感、子宮頸管ポリープ |
月経困難症(性器出血時の腹痛)、女性陰部そう痒症、腟真菌症 |
乳房 |
乳房不快感 |
乳房痛、乳頭痛 |
乳房のう胞、乳房障害(乳腺症) |
|
消化器 |
腹部膨満、腹痛、悪心 |
便秘、腹部不快感、下痢、胃炎 |
||
精神神経系 |
浮動性めまい |
頭痛、不眠症、感覚減退(四肢のしびれ感等) |
||
循環器 |
血圧上昇、動悸 |
|||
電解質代謝 |
浮腫 |
|||
内分泌・代謝系 |
血中トリグリセリド増加 |
TSH増加 |
||
筋・骨格系 |
背部痛、筋骨格硬直(肩又は手のこわばり等) |
|||
皮膚 |
湿疹 |
|||
その他 |
倦怠感 |
15. その他の注意
15.1 臨床使用に基づく情報
-
15.1.1 ホルモン補充療法(HRT)と子宮内膜癌の危険性
卵胞ホルモン剤を長期間(約1年以上)使用した閉経期以降の女性では、子宮内膜癌になる危険性が対照群の女性と比較して高く、この危険性は、使用期間に相関して上昇し(1~5年間で2.8倍、10年以上で9.5倍)、黄体ホルモン剤の併用により抑えられる(対照群の女性と比較して0.8倍)との疫学調査の結果が報告されている1) 。[7.1 参照]
-
15.1.2 **HRTと乳癌の危険性
HRTと乳癌発生との因果関係については明らかではないが、次のような報告がある。
- (1) 米国における閉経後女性を対象とした無作為化臨床試験(Women's Health Initiative(WHI)試験)の結果、結合型エストロゲン・黄体ホルモン配合剤投与群では、乳癌になる危険性がプラセボ投与群と比較して有意に高くなる(ハザード比:1.24)との報告がある2) 。並行して行われた子宮摘出者に対する試験の結果、結合型エストロゲン単独投与群では、乳癌になる危険性がプラセボ投与群と比較して有意差はない(ハザード比:0.80)との報告がある3) ,4) 。[8.2 参照]
- (2) 英国における疫学調査(Million Women Study(MWS))の結果、卵胞ホルモン剤と黄体ホルモン剤を併用している女性では、乳癌になる危険性が対照群と比較して有意に高くなり(2.00倍)、この危険性は、併用期間が長期になるに従って高くなる(1年未満:1.45倍、1~4年:1.74倍、5~9年:2.17倍、10年以上:2.31倍)との報告がある5) 。[8.2 参照]
- (3) 閉経後女性を対象とした大規模な疫学調査のメタアナリシスの結果、閉経期ホルモン補充療法(MHT)として卵胞ホルモン剤を単独投与又は卵胞ホルモン剤と黄体ホルモン剤を併用した女性は、乳癌になる危険性がMHTの期間とともに高くなり(調整リスク比[95%信頼区間]は1~4年間の卵胞ホルモン剤と黄体ホルモン剤併用:1.60[1.52–1.69]、卵胞ホルモン剤単独:1.17[1.10–1.26]、5~14年間の卵胞ホルモン剤と黄体ホルモン剤併用:2.08[2.02–2.15]、卵胞ホルモン剤単独:1.33[1.28–1.37])、MHT非使用者に対する調整リスク比はMHT過去使用者よりMHT現使用者の方が高かった。また、MHT過去使用者において、投与中止後も過去の投与期間に依存して乳癌になる危険性が10年以上持続する場合があるとの報告がある6) 。[8.2 参照]
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15.1.3 HRTと冠動脈性心疾患の危険性
米国におけるWHI試験の結果、結合型エストロゲン・黄体ホルモン配合剤投与群では、冠動脈性心疾患の危険性がプラセボ投与群と比較して高い傾向にあり、特に服用開始1年後では有意に高くなる(ハザード比:1.81)との報告がある7) 。並行して行われた子宮摘出者に対する試験の結果、結合型エストロゲン単独投与群では、冠動脈性心疾患の危険性がプラセボ投与群と比較して有意差はない(ハザード比:0.91)との報告がある3) 。[2.5 参照]
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15.1.4 HRTと脳卒中の危険性
米国におけるWHI試験の結果、結合型エストロゲン・黄体ホルモン配合剤投与群では、脳卒中(主として脳梗塞)の危険性がプラセボ投与群と比較して有意に高くなる(ハザード比:1.31)との報告がある8) 。並行して行われた子宮摘出者に対する試験の結果、結合型エストロゲン単独投与群では、脳卒中(主として脳梗塞)の危険性がプラセボ投与群と比較して有意に高くなる(ハザード比:1.37)との報告がある3) ,9) 。[2.5 参照]
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15.1.5 HRTと認知症の危険性
米国における65歳以上の閉経後女性を対象とした無作為化臨床試験(WHI Memory Study(WHIMS))の結果、結合型エストロゲン・黄体ホルモン配合剤投与群では、アルツハイマーを含む認知症の危険性がプラセボ投与群と比較して有意に高くなる(ハザード比:2.05)との報告がある10) 。並行して行われた子宮摘出者に対する試験の結果、結合型エストロゲン単独投与群では、アルツハイマーを含む認知症の危険性がプラセボ投与群と比較して有意ではないが、高い傾向がみられた(ハザード比:1.49)との報告がある11) 。
- 15.1.6 HRTと卵巣癌の危険性
- 15.1.7 卵胞ホルモン剤の長期投与により、肝腫瘍が発生したとの報告がある。
- 15.1.8 高用量の卵胞ホルモン剤の投与により、プロラクチン分泌性の下垂体腫瘍(プロラクチノーマ)が増大したとの報告がある。
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15.1.9 HRTと胆のう疾患の危険性
米国におけるWHI試験の結果、結合型エストロゲン・黄体ホルモン配合剤投与群において、胆のう疾患になる危険性がプラセボ投与群と比較して有意に高くなる(ハザード比:1.59)との報告がある。並行して行われた子宮摘出者に対する試験の結果、結合型エストロゲン単独投与群では、胆のう疾患になる危険性がプラセボ投与群と比較して有意に高くなる(ハザード比:1.67)との報告がある16) 。
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15.1.10 更年期障害及び卵巣欠落症状に伴う症状、閉経後骨粗鬆症における黄体ホルモン剤の併用投与については、以下のいずれかの方法で行うことが望ましい。[7.1 参照]
〈参考〉
- 15.1.11 調節卵巣刺激の前周期に低用量黄体ホルモン・卵胞ホルモン配合剤を投与した場合の生産率や継続妊娠率は、投与しなかった場合と比較して低かったとの報告がある17) 。[5 参照]
- 15.1.12 ホルモン補充周期での凍結融解胚移植は自然排卵周期での凍結融解胚移植と比較して妊娠率及び生産率が低く、流産率が高かったとの報告がある18) 。[5 参照]