薬効分類名アドレナリン製剤

一般的名称アドレナリン注射液

アドレナリン注0.1%シリンジ「テルモ」

Adrenaline Injection 0.1% Syringe

製造販売元/テルモ株式会社

第2版
禁忌相互作用合併症・既往歴等のある患者妊婦授乳婦小児等高齢者

重大な副作用

頻度
副作用
頻度不明
頻度不明
頻度不明

その他の副作用

部位
頻度
副作用
心臓・血管
頻度不明
脳・神経
頻度不明
免疫系
頻度不明
胃腸・消化器系
頻度不明
その他
頻度不明

併用注意

薬剤名等
  • ハロゲン含有吸入麻酔薬
臨床症状・措置方法

頻脈、心室細動発現の危険性が増大する。

機序・危険因子

これらの薬剤により、心筋のカテコールアミン感受性が亢進すると考えられている。

薬剤名等
  • モノアミン酸化酵素阻害薬
臨床症状・措置方法

本剤の作用が増強され、血圧の異常上昇をきたすことがある。

機序・危険因子

本剤の代謝酵素を阻害することにより、カテコールアミン感受性が亢進すると考えられている。

薬剤名等
  • 三環系抗うつ薬
  • セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)
  • その他の抗うつ薬
臨床症状・措置方法

本剤の作用が増強され、血圧の異常上昇をきたすことがある。

機序・危険因子

アドレナリン作動性神経終末でのカテコールアミンの再取り込みを遮断し、受容体でのカテコールアミン濃度を上昇させると考えられている。

薬剤名等
  • メチルフェニデート
臨床症状・措置方法

本剤の作用が増強され、血圧の異常上昇をきたすことがある。

機序・危険因子

アドレナリン作動性神経終末でのカテコールアミンの再取り込みを遮断し、受容体でのカテコールアミン濃度を上昇させると考えられている。

薬剤名等
  • 分娩促進薬
  • バッカクアルカロイド類
臨床症状・措置方法

本剤の作用が増強され、血圧の異常上昇をきたすことがある。

機序・危険因子

これらの薬剤の血管平滑筋収縮作用により、血圧上昇作用を増強すると考えられている。

薬剤名等
  • ジギタリス製剤
臨床症状・措置方法

異所性不整脈があらわれることがある。

機序・危険因子

ともに異所性刺激能を有し、不整脈発現の可能性が高くなると考えられている。

薬剤名等
  • キニジン
臨床症状・措置方法

心室細動があらわれることがある。

機序・危険因子

相互に心筋に対する作用を増強すると考えられている。

薬剤名等
  • 甲状腺製剤
臨床症状・措置方法

冠不全発作があらわれることがある。

機序・危険因子

甲状腺ホルモンは心筋のβ受容体を増加させるため、カテコールアミン感受性が亢進すると考えられている。

薬剤名等
  • 非選択性β遮断薬
臨床症状・措置方法

(1)相互の薬剤の効果が減弱する。

機序・危険因子

(1)これらの薬剤のβ遮断作用により本剤の作用が抑制される。また、本剤のβ刺激作用により、これらの薬剤の作用が抑制される。

薬剤名等
  • 血糖降下薬
臨床症状・措置方法

血糖降下薬の作用を減弱させることがある。

機序・危険因子

本剤の血糖上昇作用によると考えられている。

薬剤名等
  • ブロモクリプチン
臨床症状・措置方法

血圧上昇、頭痛、痙攣等があらわれることがある。

機序・危険因子

機序は明らかではないが、本剤の血管収縮作用、血圧上昇作用に影響を及ぼすと考えられている。

薬剤名等
  • 利尿剤
  • チアジド系利尿剤
  • チアジド系類似剤
  • ループ利尿剤
  • カリウム保持性利尿剤
臨床症状・措置方法

本剤の作用が減弱することがある。

機序・危険因子

本剤の血管反応性を低下させることがある。

詳細情報

正確な情報は PMDA で必ず確認して下さい

注意以下の情報は参考資料としてご活用下さい

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 ブチロフェノン系・フェノチアジン系等の抗精神病薬、α遮断薬を投与中の患者(ただし、アナフィラキシーショックの救急治療時はこの限りでない。)[10.1 参照]
  2. 2.2 イソプレナリン塩酸塩、ノルアドレナリン等のカテコールアミン製剤、アドレナリン作動薬を投与中の患者(ただし、蘇生等の緊急時はこの限りでない。)[10.1 参照]

3. 組成・性状

3.1 組成

アドレナリン注0.1%シリンジ「テルモ」

1シリンジ1mL中
有効成分   アドレナリン 1mg
添加剤   希塩酸(溶解剤) 3.9μL
  塩化ナトリウム(等張化剤) 8.5mg
  亜硫酸水素ナトリウム(安定剤) 0.5mg
  クロロブタノ-ル(保存剤) 3mg
  水酸化ナトリウム(pH調節剤) 適量

3.2 製剤の性状

アドレナリン注0.1%シリンジ「テルモ」

剤形
色調 無色澄明
空気又は光によって徐々に微赤色となり、次に褐色となる。
pH 2.3~5.0
浸透圧比 約1(生理食塩液に対する比)

4. 効能又は効果

  • 下記疾患に基づく気管支痙攣の緩解

    気管支喘息、百日咳

  • 各種疾患もしくは状態に伴う急性低血圧またはショック時の補助治療
  • 心停止の補助治療

5. 効能又は効果に関連する注意

  • 〈効能共通〉
    1. 5.1 本剤はアドレナリン注射液をあらかじめシリンジに充塡した製剤であるため、上記以外の効能又は効果を目的として使用しないこと。
  • 〈各種疾患もしくは状態に伴う急性低血圧またはショック時の補助治療に対する使用時〉
    1. 5.2 本剤は心筋酸素需要を増加させるため、心原性ショックや出血性・外傷性ショック時の使用は避けること。

6. 用法及び用量

  • 〈気管支喘息および百日咳に基づく気管支痙攣の緩解、各種疾患もしくは状態に伴う急性低血圧またはショック時の補助治療、心停止の補助治療〉

    アドレナリンとして、通常成人1回0.2~1mg(0.2~1mL)を皮下注射または筋肉内注射する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
    蘇生などの緊急時には、アドレナリンとして、通常成人1回0.25mg(0.25mL)を超えない量を生理食塩液などで希釈し、できるだけゆっくりと静注する。なお、必要があれば、5~15分ごとにくりかえす。

8. 重要な基本的注意

  • 〈用法共通〉
    1. 8.1 本剤はアドレナリン受容体作動薬として、α受容体、β受容体それぞれに作用し、その作用は投与量、投与方法等に影響を受けやすいので注意すること。
    2. 8.2 過度の昇圧反応を起こすことがあり、急性肺水腫、不整脈、心停止等を起こすおそれがあるので、過量投与にならないよう注意すること。[11.1.1 参照],[11.1.3 参照]
  • 〈各種疾患もしくは状態に伴う急性低血圧またはショック時の補助治療に対する使用時〉
    1. 8.3 **アドレナリンはアナフィラキシーショックの救急治療の第一選択薬であり、ショック時の循環動態を改善するが、その循環動態はショックを起こした原因及び病期により異なることがあるので、治療に際し本剤の選択、使用時期には十分注意すること。
    1. 8.4 本剤には昇圧作用のほか血管収縮、気管支拡張作用等もあるので、ショックの初期治療後は他の昇圧薬を用いること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 次の患者には治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。
    1. (1) 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
    2. (2) 交感神経作動薬に対し過敏な反応を示す患者

      アドレナリン受容体が本剤に対し高い感受性を示すおそれがある。

    3. (3) 動脈硬化症の患者

      本剤の血管収縮作用により、閉塞性血管障害が促進され、冠動脈や脳血管等の攣縮及び基質的閉塞があらわれるおそれがある。

    4. (4) 甲状腺機能亢進症の患者

      頻脈、心房細動がみられることがあり、本剤の投与により悪化するおそれがある。

    5. (5) 糖尿病の患者

      肝におけるグリコーゲン分解の促進や、インスリン分泌の抑制により、高血糖を招くおそれがある。

    6. (6) 心室性頻拍等の重症不整脈のある患者

      本剤のβ刺激作用により、不整脈を悪化させるおそれがある。

    7. (7) 精神神経症の患者

      一般に交感神経作動薬の中枢神経系の副作用として情緒不安、不眠、錯乱、易刺激性及び精神病的状態等があるので悪化するおそれがある。

    8. (8) コカイン中毒の患者

      コカインは、交感神経末端でのカテコールアミンの再取り込みを阻害するので、本剤の作用が増強されるおそれがある。

  2. 9.1.2 高血圧の患者

    本剤の血管収縮作用により、急激な血圧上昇があらわれるおそれがある。

  3. 9.1.3 肺気腫のある患者

    肺循環障害を増悪させ、右心系への負荷が過重となり、右心不全に陥るおそれがある。

  4. 9.1.4 心疾患のある患者

    本剤のβ刺激作用により、心疾患を悪化させるおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦、妊娠している可能性のある女性又は産婦には投与しないことが望ましい。胎児の酸素欠乏をもたらしたり、分娩第二期を遅延するおそれがある。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

9.7 小児等

少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。本剤の作用に対する感受性が高いことがある。

10. 相互作用

    10.1 併用禁忌(併用しないこと)

    薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
    • 抗精神病薬
      • ブチロフェノン系薬剤(セレネース、トロペロン等)
      • フェノチアジン系薬剤(ウインタミン等)
      • イミノジベンジル系薬剤(クレミン等)
      • ゾテピン(ロドピン)
      • セロトニン・ドパミン拮抗薬(リスパダール等)
      • 多元受容体標的化抗精神病薬(セロクエル等)
      • ドパミン受容体部分作動薬(エビリファイ)
    • α遮断薬
    • [2.1 参照]

    本剤の昇圧作用の反転により、低血圧があらわれることがある。アナフィラキシーショックの救急治療時以外には併用しないこと。

    これらの薬剤のα遮断作用により、本剤のβ刺激作用が優位になると考えられている。

    • カテコールアミン製剤
      • イソプレナリン塩酸塩(プロタノール等)
      • ノルアドレナリン(ノルアドリナリン)等
    • アドレナリン作動薬
      • β刺激薬(ベネトリン等)
      • エフェドリン(エフェドリン)
      • メチルエフェドリン(メチエフ等) 等
    • [2.2 参照]

    不整脈、場合により心停止があらわれることがある。

    蘇生等の緊急時以外には併用しないこと。

    これらの薬剤のβ刺激作用により、交感神経興奮作用が増強すると考えられている。

    10.2 併用注意(併用に注意すること)

    薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子

    頻脈、心室細動発現の危険性が増大する。

    これらの薬剤により、心筋のカテコールアミン感受性が亢進すると考えられている。

    • モノアミン酸化酵素阻害薬

    本剤の作用が増強され、血圧の異常上昇をきたすことがある。

    本剤の代謝酵素を阻害することにより、カテコールアミン感受性が亢進すると考えられている。

    • 三環系抗うつ薬
      • イミプラミン
      • アミトリプチリン等
    • セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)
      • ミルナシプラン等
    • その他の抗うつ薬
      • マプロチリン等

    本剤の作用が増強され、血圧の異常上昇をきたすことがある。

    アドレナリン作動性神経終末でのカテコールアミンの再取り込みを遮断し、受容体でのカテコールアミン濃度を上昇させると考えられている。

    • メチルフェニデート

    本剤の作用が増強され、血圧の異常上昇をきたすことがある。

    アドレナリン作動性神経終末でのカテコールアミンの再取り込みを遮断し、受容体でのカテコールアミン濃度を上昇させると考えられている。

    • 分娩促進薬
      • オキシトシン等
    • バッカクアルカロイド類
      • エルゴタミン等

    本剤の作用が増強され、血圧の異常上昇をきたすことがある。

    これらの薬剤の血管平滑筋収縮作用により、血圧上昇作用を増強すると考えられている。

    • ジギタリス製剤

    異所性不整脈があらわれることがある。

    ともに異所性刺激能を有し、不整脈発現の可能性が高くなると考えられている。

    • キニジン

    心室細動があらわれることがある。

    相互に心筋に対する作用を増強すると考えられている。

    • 甲状腺製剤
      • チロキシン等

    冠不全発作があらわれることがある。

    甲状腺ホルモンは心筋のβ受容体を増加させるため、カテコールアミン感受性が亢進すると考えられている。

    • *非選択性β遮断薬
      • プロプラノロール
      • カルベジロール等

    (1)相互の薬剤の効果が減弱する。

    (2)血圧上昇、徐脈があらわれることがある。

    (1)これらの薬剤のβ遮断作用により本剤の作用が抑制される。また、本剤のβ刺激作用により、これらの薬剤の作用が抑制される。

    (2)これらの薬剤のβ遮断作用により、本剤のα刺激作用が優位になると考えられている。

    • 血糖降下薬
      • インスリン等

    血糖降下薬の作用を減弱させることがある。

    本剤の血糖上昇作用によると考えられている。

    • ブロモクリプチン

    血圧上昇、頭痛、痙攣等があらわれることがある。

    機序は明らかではないが、本剤の血管収縮作用、血圧上昇作用に影響を及ぼすと考えられている。

    • 利尿剤
    • チアジド系利尿剤
      • トリクロルメチアジド
      • ヒドロクロロチアジド等
    • チアジド系類似剤
      • インダパミド等
    • ループ利尿剤
      • フロセミド等
    • カリウム保持性利尿剤
      • スピロノラクトン

    本剤の作用が減弱することがある。

    手術前の患者に使用する場合、利尿剤の一時休薬等を行うこと。

    本剤の血管反応性を低下させることがある。

    1) ハロタン麻酔中のヒトの50%に心室性期外収縮を誘発するアドレナリン量(粘膜下投与)は2.1μg/kgと報告されている1)
    この量は60kgのヒトの場合、20万倍希釈アドレナリン含有溶液25mLに相当する。
    2) イソフルラン麻酔中のヒトの50%に心室性期外収縮を誘発するアドレナリン量(粘膜下投与)は6.7μg/kgと報告されている1)
    この量は60kgのヒトの場合、20万倍希釈アドレナリン含有溶液80mLに相当する。
    3) セボフルラン麻酔中、5μg/kg未満のアドレナリンを粘膜下に投与しても3回以上持続する心室性期外収縮は誘発されなかったが、5μg/kg~14.9μg/kgのアドレナリンを投与した場合、1/3の症例に3回以上持続する心室性期外収縮が誘発された2)
    アドレナリン5μg/kgは、60kgのヒトの場合、20万倍希釈アドレナリン含有溶液60mLに相当する。
    4) デスフルラン麻酔中、7.0μg/kg未満のアドレナリンを粘膜下に投与しても3回以上持続する心室性期外収縮は誘発されなかったが、7.0μg/kg~13.0μg/kgのアドレナリンを投与した場合、50%(6/12例)の症例に3回以上持続する心室性期外収縮が誘発された3)
    アドレナリン7.0μg/kgは、60kgのヒトの場合、20万倍希釈アドレナリン含有溶液84mLに相当する。

    11. 副作用

    次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    11.1 重大な副作用

    1. 11.1.1 肺水腫(頻度不明)

      初期症状として、血圧の異常上昇があらわれることがある。[8.2 参照]

    2. 11.1.2 呼吸困難(頻度不明)
    3. 11.1.3 心停止(頻度不明)

      初期症状として、頻脈、不整脈、心悸亢進、胸内苦悶があらわれることがある。[8.2 参照]

    11.2 その他の副作用

    頻度不明

    循環器

    心悸亢進、胸内苦悶、不整脈、顔面潮紅・蒼白、血圧異常上昇

    精神神経系

    頭痛、めまい、不安、振戦

    過敏症

    過敏症状等

    消化器

    悪心・嘔吐

    その他

    熱感、発汗

    13. 過量投与

    1. 13.1 症状
      1. 13.1.1 ときに心室細動、脳出血等があらわれることがある。またアドレナリン受容体感受性の高い患者では、特に注意すること。
      2. 13.1.2 腎血管の異常収縮により、腎機能が停止するおそれがある。
      3. 13.1.3 血中の乳酸濃度が上昇し、重篤な代謝性アシドーシスがあらわれるおそれがある。

    14. 適用上の注意

    14.1 全般的な注意

    使用時には、以下の点に注意すること。

    • 感染に対する配慮をすること。
    • シリンジが破損するおそれがあるので、シリンジを鉗子等で叩くなど、強い衝撃を与えないこと。
    • 押子(プランジャー)が外れたり、ガスケットが変形し薬液が漏出したりするおそれがあるので押子のみを持たないこと。

    14.2 薬剤投与時の注意

    • 〈用法共通〉
      1. 14.2.1 シリンジポンプでは使用しないこと。
      2. 14.2.2 使用に際しては、ブリスター包装を開封口からゆっくり開け、外筒(バレル)を持って取り出すこと。
      3. 14.2.3 筒先のキャップをゆっくり回転させながら外して、注射針等に確実に接続すること。キャップを外した後は、筒先に触れないこと。
    • 〈静脈内注射時〉
      1. 14.2.4 本剤にて心肺蘇生時、炭酸水素ナトリウムとの混注は避けること。
      2. 14.2.5 血圧の異常上昇をきたさないよう慎重に投与すること。
    • 〈点滴静注時〉
      1. 14.2.6 大量の注射液が血管外に漏出した場合、局所の虚血性壊死があらわれることがある。
    • 〈筋肉内注射時〉
      1. 14.2.7 組織・神経等への影響を避けるため次の点に注意すること。
        • 注射部位については、神経走行部位を避けて慎重に投与すること。
        • 繰り返し注射する場合には、左右交互に注射するなど、同一部位を避けること。なお、小児等には特に注意すること。
        • 注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり、血液の逆流をみた場合は、直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。

    14.3 薬剤投与後の注意

    開封後の使用は1回限りとし、使用後の残液はシリンジとともに速やかに廃棄すること。

    15. その他の注意

    15.1 臨床使用に基づく情報

    **本剤は添加剤として亜硫酸塩を含有している。喘息患者では非喘息患者よりも亜硫酸塩に対する過敏症が多く認められるとの報告がある。

    2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

    1. 2.1 ブチロフェノン系・フェノチアジン系等の抗精神病薬、α遮断薬を投与中の患者(ただし、アナフィラキシーショックの救急治療時はこの限りでない。)[10.1 参照]
    2. 2.2 イソプレナリン塩酸塩、ノルアドレナリン等のカテコールアミン製剤、アドレナリン作動薬を投与中の患者(ただし、蘇生等の緊急時はこの限りでない。)[10.1 参照]

    3. 組成・性状

    3.1 組成

    アドレナリン注0.1%シリンジ「テルモ」

    1シリンジ1mL中
    有効成分   アドレナリン 1mg
    添加剤   希塩酸(溶解剤) 3.9μL
      塩化ナトリウム(等張化剤) 8.5mg
      亜硫酸水素ナトリウム(安定剤) 0.5mg
      クロロブタノ-ル(保存剤) 3mg
      水酸化ナトリウム(pH調節剤) 適量

    3.2 製剤の性状

    アドレナリン注0.1%シリンジ「テルモ」

    剤形
    色調 無色澄明
    空気又は光によって徐々に微赤色となり、次に褐色となる。
    pH 2.3~5.0
    浸透圧比 約1(生理食塩液に対する比)

    4. 効能又は効果

    • 下記疾患に基づく気管支痙攣の緩解

      気管支喘息、百日咳

    • 各種疾患もしくは状態に伴う急性低血圧またはショック時の補助治療
    • 心停止の補助治療

    5. 効能又は効果に関連する注意

    • 〈効能共通〉
      1. 5.1 本剤はアドレナリン注射液をあらかじめシリンジに充塡した製剤であるため、上記以外の効能又は効果を目的として使用しないこと。
    • 〈各種疾患もしくは状態に伴う急性低血圧またはショック時の補助治療に対する使用時〉
      1. 5.2 本剤は心筋酸素需要を増加させるため、心原性ショックや出血性・外傷性ショック時の使用は避けること。

    6. 用法及び用量

    • 〈気管支喘息および百日咳に基づく気管支痙攣の緩解、各種疾患もしくは状態に伴う急性低血圧またはショック時の補助治療、心停止の補助治療〉

      アドレナリンとして、通常成人1回0.2~1mg(0.2~1mL)を皮下注射または筋肉内注射する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
      蘇生などの緊急時には、アドレナリンとして、通常成人1回0.25mg(0.25mL)を超えない量を生理食塩液などで希釈し、できるだけゆっくりと静注する。なお、必要があれば、5~15分ごとにくりかえす。

    8. 重要な基本的注意

    • 〈用法共通〉
      1. 8.1 本剤はアドレナリン受容体作動薬として、α受容体、β受容体それぞれに作用し、その作用は投与量、投与方法等に影響を受けやすいので注意すること。
      2. 8.2 過度の昇圧反応を起こすことがあり、急性肺水腫、不整脈、心停止等を起こすおそれがあるので、過量投与にならないよう注意すること。[11.1.1 参照],[11.1.3 参照]
    • 〈各種疾患もしくは状態に伴う急性低血圧またはショック時の補助治療に対する使用時〉
      1. 8.3 **アドレナリンはアナフィラキシーショックの救急治療の第一選択薬であり、ショック時の循環動態を改善するが、その循環動態はショックを起こした原因及び病期により異なることがあるので、治療に際し本剤の選択、使用時期には十分注意すること。
      1. 8.4 本剤には昇圧作用のほか血管収縮、気管支拡張作用等もあるので、ショックの初期治療後は他の昇圧薬を用いること。

    9. 特定の背景を有する患者に関する注意

    9.1 合併症・既往歴等のある患者

    1. 9.1.1 次の患者には治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。
      1. (1) 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
      2. (2) 交感神経作動薬に対し過敏な反応を示す患者

        アドレナリン受容体が本剤に対し高い感受性を示すおそれがある。

      3. (3) 動脈硬化症の患者

        本剤の血管収縮作用により、閉塞性血管障害が促進され、冠動脈や脳血管等の攣縮及び基質的閉塞があらわれるおそれがある。

      4. (4) 甲状腺機能亢進症の患者

        頻脈、心房細動がみられることがあり、本剤の投与により悪化するおそれがある。

      5. (5) 糖尿病の患者

        肝におけるグリコーゲン分解の促進や、インスリン分泌の抑制により、高血糖を招くおそれがある。

      6. (6) 心室性頻拍等の重症不整脈のある患者

        本剤のβ刺激作用により、不整脈を悪化させるおそれがある。

      7. (7) 精神神経症の患者

        一般に交感神経作動薬の中枢神経系の副作用として情緒不安、不眠、錯乱、易刺激性及び精神病的状態等があるので悪化するおそれがある。

      8. (8) コカイン中毒の患者

        コカインは、交感神経末端でのカテコールアミンの再取り込みを阻害するので、本剤の作用が増強されるおそれがある。

    2. 9.1.2 高血圧の患者

      本剤の血管収縮作用により、急激な血圧上昇があらわれるおそれがある。

    3. 9.1.3 肺気腫のある患者

      肺循環障害を増悪させ、右心系への負荷が過重となり、右心不全に陥るおそれがある。

    4. 9.1.4 心疾患のある患者

      本剤のβ刺激作用により、心疾患を悪化させるおそれがある。

    9.5 妊婦

    妊婦、妊娠している可能性のある女性又は産婦には投与しないことが望ましい。胎児の酸素欠乏をもたらしたり、分娩第二期を遅延するおそれがある。

    9.6 授乳婦

    治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

    9.7 小児等

    少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

    9.8 高齢者

    少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。本剤の作用に対する感受性が高いことがある。

    10. 相互作用

      10.1 併用禁忌(併用しないこと)

      薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
      • 抗精神病薬
        • ブチロフェノン系薬剤(セレネース、トロペロン等)
        • フェノチアジン系薬剤(ウインタミン等)
        • イミノジベンジル系薬剤(クレミン等)
        • ゾテピン(ロドピン)
        • セロトニン・ドパミン拮抗薬(リスパダール等)
        • 多元受容体標的化抗精神病薬(セロクエル等)
        • ドパミン受容体部分作動薬(エビリファイ)
      • α遮断薬
      • [2.1 参照]

      本剤の昇圧作用の反転により、低血圧があらわれることがある。アナフィラキシーショックの救急治療時以外には併用しないこと。

      これらの薬剤のα遮断作用により、本剤のβ刺激作用が優位になると考えられている。

      • カテコールアミン製剤
        • イソプレナリン塩酸塩(プロタノール等)
        • ノルアドレナリン(ノルアドリナリン)等
      • アドレナリン作動薬
        • β刺激薬(ベネトリン等)
        • エフェドリン(エフェドリン)
        • メチルエフェドリン(メチエフ等) 等
      • [2.2 参照]

      不整脈、場合により心停止があらわれることがある。

      蘇生等の緊急時以外には併用しないこと。

      これらの薬剤のβ刺激作用により、交感神経興奮作用が増強すると考えられている。

      10.2 併用注意(併用に注意すること)

      薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子

      頻脈、心室細動発現の危険性が増大する。

      これらの薬剤により、心筋のカテコールアミン感受性が亢進すると考えられている。

      • モノアミン酸化酵素阻害薬

      本剤の作用が増強され、血圧の異常上昇をきたすことがある。

      本剤の代謝酵素を阻害することにより、カテコールアミン感受性が亢進すると考えられている。

      • 三環系抗うつ薬
        • イミプラミン
        • アミトリプチリン等
      • セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)
        • ミルナシプラン等
      • その他の抗うつ薬
        • マプロチリン等

      本剤の作用が増強され、血圧の異常上昇をきたすことがある。

      アドレナリン作動性神経終末でのカテコールアミンの再取り込みを遮断し、受容体でのカテコールアミン濃度を上昇させると考えられている。

      • メチルフェニデート

      本剤の作用が増強され、血圧の異常上昇をきたすことがある。

      アドレナリン作動性神経終末でのカテコールアミンの再取り込みを遮断し、受容体でのカテコールアミン濃度を上昇させると考えられている。

      • 分娩促進薬
        • オキシトシン等
      • バッカクアルカロイド類
        • エルゴタミン等

      本剤の作用が増強され、血圧の異常上昇をきたすことがある。

      これらの薬剤の血管平滑筋収縮作用により、血圧上昇作用を増強すると考えられている。

      • ジギタリス製剤

      異所性不整脈があらわれることがある。

      ともに異所性刺激能を有し、不整脈発現の可能性が高くなると考えられている。

      • キニジン

      心室細動があらわれることがある。

      相互に心筋に対する作用を増強すると考えられている。

      • 甲状腺製剤
        • チロキシン等

      冠不全発作があらわれることがある。

      甲状腺ホルモンは心筋のβ受容体を増加させるため、カテコールアミン感受性が亢進すると考えられている。

      • *非選択性β遮断薬
        • プロプラノロール
        • カルベジロール等

      (1)相互の薬剤の効果が減弱する。

      (2)血圧上昇、徐脈があらわれることがある。

      (1)これらの薬剤のβ遮断作用により本剤の作用が抑制される。また、本剤のβ刺激作用により、これらの薬剤の作用が抑制される。

      (2)これらの薬剤のβ遮断作用により、本剤のα刺激作用が優位になると考えられている。

      • 血糖降下薬
        • インスリン等

      血糖降下薬の作用を減弱させることがある。

      本剤の血糖上昇作用によると考えられている。

      • ブロモクリプチン

      血圧上昇、頭痛、痙攣等があらわれることがある。

      機序は明らかではないが、本剤の血管収縮作用、血圧上昇作用に影響を及ぼすと考えられている。

      • 利尿剤
      • チアジド系利尿剤
        • トリクロルメチアジド
        • ヒドロクロロチアジド等
      • チアジド系類似剤
        • インダパミド等
      • ループ利尿剤
        • フロセミド等
      • カリウム保持性利尿剤
        • スピロノラクトン

      本剤の作用が減弱することがある。

      手術前の患者に使用する場合、利尿剤の一時休薬等を行うこと。

      本剤の血管反応性を低下させることがある。

      1) ハロタン麻酔中のヒトの50%に心室性期外収縮を誘発するアドレナリン量(粘膜下投与)は2.1μg/kgと報告されている1)
      この量は60kgのヒトの場合、20万倍希釈アドレナリン含有溶液25mLに相当する。
      2) イソフルラン麻酔中のヒトの50%に心室性期外収縮を誘発するアドレナリン量(粘膜下投与)は6.7μg/kgと報告されている1)
      この量は60kgのヒトの場合、20万倍希釈アドレナリン含有溶液80mLに相当する。
      3) セボフルラン麻酔中、5μg/kg未満のアドレナリンを粘膜下に投与しても3回以上持続する心室性期外収縮は誘発されなかったが、5μg/kg~14.9μg/kgのアドレナリンを投与した場合、1/3の症例に3回以上持続する心室性期外収縮が誘発された2)
      アドレナリン5μg/kgは、60kgのヒトの場合、20万倍希釈アドレナリン含有溶液60mLに相当する。
      4) デスフルラン麻酔中、7.0μg/kg未満のアドレナリンを粘膜下に投与しても3回以上持続する心室性期外収縮は誘発されなかったが、7.0μg/kg~13.0μg/kgのアドレナリンを投与した場合、50%(6/12例)の症例に3回以上持続する心室性期外収縮が誘発された3)
      アドレナリン7.0μg/kgは、60kgのヒトの場合、20万倍希釈アドレナリン含有溶液84mLに相当する。

      11. 副作用

      次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

      11.1 重大な副作用

      1. 11.1.1 肺水腫(頻度不明)

        初期症状として、血圧の異常上昇があらわれることがある。[8.2 参照]

      2. 11.1.2 呼吸困難(頻度不明)
      3. 11.1.3 心停止(頻度不明)

        初期症状として、頻脈、不整脈、心悸亢進、胸内苦悶があらわれることがある。[8.2 参照]

      11.2 その他の副作用

      頻度不明

      循環器

      心悸亢進、胸内苦悶、不整脈、顔面潮紅・蒼白、血圧異常上昇

      精神神経系

      頭痛、めまい、不安、振戦

      過敏症

      過敏症状等

      消化器

      悪心・嘔吐

      その他

      熱感、発汗

      13. 過量投与

      1. 13.1 症状
        1. 13.1.1 ときに心室細動、脳出血等があらわれることがある。またアドレナリン受容体感受性の高い患者では、特に注意すること。
        2. 13.1.2 腎血管の異常収縮により、腎機能が停止するおそれがある。
        3. 13.1.3 血中の乳酸濃度が上昇し、重篤な代謝性アシドーシスがあらわれるおそれがある。

      14. 適用上の注意

      14.1 全般的な注意

      使用時には、以下の点に注意すること。

      • 感染に対する配慮をすること。
      • シリンジが破損するおそれがあるので、シリンジを鉗子等で叩くなど、強い衝撃を与えないこと。
      • 押子(プランジャー)が外れたり、ガスケットが変形し薬液が漏出したりするおそれがあるので押子のみを持たないこと。

      14.2 薬剤投与時の注意

      • 〈用法共通〉
        1. 14.2.1 シリンジポンプでは使用しないこと。
        2. 14.2.2 使用に際しては、ブリスター包装を開封口からゆっくり開け、外筒(バレル)を持って取り出すこと。
        3. 14.2.3 筒先のキャップをゆっくり回転させながら外して、注射針等に確実に接続すること。キャップを外した後は、筒先に触れないこと。
      • 〈静脈内注射時〉
        1. 14.2.4 本剤にて心肺蘇生時、炭酸水素ナトリウムとの混注は避けること。
        2. 14.2.5 血圧の異常上昇をきたさないよう慎重に投与すること。
      • 〈点滴静注時〉
        1. 14.2.6 大量の注射液が血管外に漏出した場合、局所の虚血性壊死があらわれることがある。
      • 〈筋肉内注射時〉
        1. 14.2.7 組織・神経等への影響を避けるため次の点に注意すること。
          • 注射部位については、神経走行部位を避けて慎重に投与すること。
          • 繰り返し注射する場合には、左右交互に注射するなど、同一部位を避けること。なお、小児等には特に注意すること。
          • 注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり、血液の逆流をみた場合は、直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。

      14.3 薬剤投与後の注意

      開封後の使用は1回限りとし、使用後の残液はシリンジとともに速やかに廃棄すること。

      15. その他の注意

      15.1 臨床使用に基づく情報

      **本剤は添加剤として亜硫酸塩を含有している。喘息患者では非喘息患者よりも亜硫酸塩に対する過敏症が多く認められるとの報告がある。

      その他詳細情報

      日本標準商品分類番号
      872451
      ブランドコード
      2451402G1040
      承認番号
      22100AMX00614
      販売開始年月
      2000-12
      貯法
      遮光・室温保存
      有効期間
      3年
      規制区分
      2, 12

      重要な注意事項

      • この情報は医療専門家による診断や治療の代替にはなりません。副作用に関する懸念がある場合は、必ず医師または薬剤師に相談してください。
      • 副作用の発生頻度や重篤度は個人差があります。ここで提供される情報は一般的なものであり、すべての患者さんに当てはまるわけではありません。
      • 薬剤の使用に関しては、必ず医療専門家の指示に従い、自己判断での変更や中止を避けてください。
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