薬効分類名遺伝子組換えヒト成長ホルモン製剤

一般的名称注射用ソマトロピン(遺伝子組換え)

ヒューマトロープ注射用6mg、ヒューマトロープ注射用12mg

Humatrope, Humatrope

製造販売元/日本イーライリリー株式会社

第1版
禁忌相互作用合併症・既往歴等のある患者腎機能障害患者妊婦授乳婦高齢者

重大な副作用

頻度
副作用
頻度不明
頻度不明
頻度不明

その他の副作用

部位
頻度
副作用
免疫系
0.1%以上
発疹(蕁麻疹紅斑等)注射部位の発赤等の過敏症状
免疫系
0.1%未満
全身そう痒
内分泌・代謝系
0.1%以上
肝臓まわり
0.1%以上
胃腸・消化器系
0.1%未満
全身・局所・適用部位
0.1%以上
注射部位の熱感疼痛硬結
全身・局所・適用部位
0.1%未満
脳・神経
0.1%以上
心臓・血管
0.1%以上
肺・呼吸
0.1%未満
その他
0.1%以上

併用注意

薬剤名等
  • 糖質コルチコイド
臨床症状・措置方法

成長ホルモンの成長促進作用が抑制されることがある。

機序・危険因子

糖質コルチコイドが成長抑制効果を有するため。

薬剤名等
  • 糖質コルチコイド
臨床症状・措置方法

血清コルチゾール濃度が低下することがあるので、糖質コルチコイドの用量に注意すること。

機序・危険因子

成長ホルモンが11β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1型(11β-HSD-1)を抑制することにより、コルチゾンからコルチゾールへの変換を減少させるため。

薬剤名等
臨床症状・措置方法

本剤投与により、血糖値が上昇することがある。定期的に血糖値、HbA1c等を測定し、これらの薬剤の投与量の調整を行うこと。

機序・危険因子

成長ホルモンがインスリン感受性を低下させるため。

薬剤名等
  • 主にCYP3Aで代謝される薬剤
臨床症状・措置方法

これらの薬剤の血中濃度が低下し、作用が減弱することがある。

機序・危険因子

本剤がCYP3Aを誘導するため。

薬剤名等
臨床症状・措置方法

成長ホルモンの作用が抑制されることがある。成人成長ホルモン分泌不全症(重症に限る)の患者では本剤の増量を検討すること。

機序・危険因子

エストロゲンがIGF-I産生を抑制するため。

詳細情報

正確な情報は PMDA で必ず確認して下さい

注意以下の情報は参考資料としてご活用下さい

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 悪性腫瘍のある患者[成長ホルモンが細胞増殖作用を有するため。][9.1.2 参照],[9.1.3 参照]
  2. 2.2 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5 参照]

3. 組成・性状

3.1 組成

ヒューマトロープ注射用6mg

有効成分 1筒中
ソマトロピン(遺伝子組換え)1) 6.56mg
専用注入器装着時、6mgまで使用できる。  
添加剤 グリシン   6.56mg
D-マンニトール   19.67mg
リン酸水素二ナトリウム七水和物    1.49mg
pH調節剤   適量
添付溶解液
(注射筒入り)
  日局注射用水をもって全量3.1mLとする。
添加剤
(添付溶解液)
  m-クレゾール 9.9mg
  濃グリセリン 53.2mg
[15.1.5 参照]
  pH調節剤 適量

1) ヒト成長ホルモン遺伝子を導入した大腸菌から製造される。
ヒューマトロープ注射用12mg

有効成分 1筒中
ソマトロピン(遺伝子組換え)2) 13.13mg
専用注入器装着時、12mgまで使用できる。  
添加剤 グリシン   13.1mg
D-マンニトール   39.4mg
リン酸水素二ナトリウム七水和物    3.0mg
pH調節剤   適量
添付溶解液
(注射筒入り)
  日局注射用水をもって全量3.1mLとする。
添加剤
(添付溶解液)
  m-クレゾール 9.8mg
  濃グリセリン 9.0mg
[15.1.5 参照]
  pH調節剤 適量

2) ヒト成長ホルモン遺伝子を導入した大腸菌から製造される。

3.2 製剤の性状

ヒューマトロープ注射用6mg

形態 カートリッジ
性状・剤形 白色の塊又は粉末(凍結乾燥製剤)(注射剤)
pH 6.5~8.0
浸透圧比
(生理食塩液に対する比)
約1
1筒/添付溶解液3.1mL
ヒューマトロープ注射用12mg

形態 カートリッジ
性状・剤形 白色の塊又は粉末(凍結乾燥製剤)(注射剤)
pH 6.5~8.0
浸透圧比
(生理食塩液に対する比)
約0.7
1筒/添付溶解液3.1mL

4. 効能又は効果

  • 骨端線閉鎖を伴わない成長ホルモン分泌不全性低身長症
  • 骨端線閉鎖を伴わないターナー症候群における低身長
  • 骨端線閉鎖を伴わない軟骨異栄養症(軟骨無形成症・軟骨低形成症)における低身長
  • 成人成長ホルモン分泌不全症(重症に限る)

5. 効能又は効果に関連する注意

  • 〈骨端線閉鎖を伴わない成長ホルモン分泌不全性低身長症〉
    1. 5.1 本剤の適用は、成長ホルモン分泌不全性低身長症と診断された患者に限定すること。診断にあたっては、最新の「厚生労働科学研究費補助金難治性疾患等政策研究事業 間脳下垂体機能障害に関する調査研究班 成長ホルモン分泌不全性低身長症の診断と治療の手引き」を参照すること。
  • 〈骨端線閉鎖を伴わないターナー症候群における低身長〉
    1. 5.2 適用基準

      染色体検査によりターナー症候群と確定診断された者で、現在の身長が同年齢の[標準値-2SD]以下である場合、又は年間の成長速度が2年以上にわたって標準値の-1.5SD以下である場合。

    2. 5.3 治療継続基準

      1年ごとに以下の基準を満たしているかどうかを判定し、いずれかを満たしたときに治療の継続をする。

      • 成長速度≧4.0cm/年
      • 治療中1年間の成長速度と治療前1年間の成長速度の差が、
        ≧1.0cm/年の場合
      • 治療2年目以降で、治療中1年間の成長速度が下記の場合

        2年目     ≧2.0cm/年
        3年目以降≧1.0cm/年

        ただし、以上のいずれも満たさないとき、又は骨年齢が15歳以上に達したときは投与を中止する。

  • 〈骨端線閉鎖を伴わない軟骨異栄養症(軟骨無形成症・軟骨低形成症)における低身長〉
    1. 5.4 適用基準

      現在の身長が同性、同年齢の[標準値-3SD]以下である場合

    2. 5.5 治療継続基準

      1年ごとに以下の基準を満たしているかどうかを判定し、いずれかを満たしたときに治療の継続をする。

      • 成長速度≧4.0cm/年
      • 治療中1年間の成長速度と治療前1年間の成長速度の差が、
        ≧1.0cm/年の場合
      • 治療2年目以降で、治療中1年間の成長速度が下記の場合

        2年目     ≧2.0cm/年
        3年目以降≧1.0cm/年

  • 〈成人成長ホルモン分泌不全症(重症に限る)〉
    1. 5.6 本剤の適用は、成人成長ホルモン分泌不全症と診断された患者のうち、以下のいずれかの患者に限定すること。なお、重症の基準は、最新の「厚生労働科学研究費補助金難治性疾患等政策研究事業 間脳下垂体機能障害に関する調査研究班 成人成長ホルモン分泌不全症の診断と治療の手引き」の病型分類を参照すること。
      1. 5.6.1 小児期発症型(小児期に成長ホルモン分泌不全症と確定診断されている患者)では、以下のいずれかを満たすもの。ただし、診断にあたっては、本治療開始前に再度成長ホルモン分泌刺激試験を行うこと。
        • 2種類以上の成長ホルモン分泌刺激試験における血清(血漿)成長ホルモン濃度の頂値が重症の基準を満たすもの。
        • 頭蓋内器質性疾患の合併ないし既往歴、治療歴又は周産期異常の既往があり、成長ホルモンを含む複数の下垂体ホルモンの分泌低下がある患者では、1種類の成長ホルモン分泌刺激試験における血清(血漿)成長ホルモン濃度の頂値が重症の基準を満たすもの。 
      2. 5.6.2 成人期発症型では、頭蓋内器質性疾患の合併ないし既往歴、治療歴又は周産期異常の既往がある患者のうち、以下のいずれかを満たすもの。
        • 成長ホルモンを含む複数の下垂体ホルモンの分泌低下がある患者で、1種類の成長ホルモン分泌刺激試験における血清(血漿)成長ホルモン濃度の頂値が重症の基準を満たすもの。
        • 成長ホルモン単独の分泌低下がある患者で、2種類の成長ホルモン分泌刺激試験における血清(血漿)成長ホルモン濃度の頂値が重症の基準を満たすもの。

          [成長ホルモン分泌刺激試験の種類と成人成長ホルモン分泌不全症で重症と診断される血清(血漿)成長ホルモン濃度の頂値]

          成長ホルモン分泌刺激試験の種類

          重症と診断される血清(血漿)

          成長ホルモン濃度の頂値

          インスリン、アルギニン、

          グルカゴン

          1.8ng/mL以下

          GHRP-2

          9ng/mL以下

6. 用法及び用量

  • 〈骨端線閉鎖を伴わない成長ホルモン分泌不全性低身長症〉

    通常1週間に体重kg当たり、ソマトロピン(遺伝子組換え)として0.175mgを6~7回に分けて皮下に注射する。

  • 〈骨端線閉鎖を伴わないターナー症候群における低身長〉

    通常1週間に体重kg当たり、ソマトロピン(遺伝子組換え)として0.35mgを6~7回に分けて皮下に注射する。

  • 〈骨端線閉鎖を伴わない軟骨異栄養症(軟骨無形成症・軟骨低形成症)における低身長〉

    通常1週間に体重kg当たり、ソマトロピン(遺伝子組換え)として0.35mgを6~7回に分けて皮下に注射する。

  • 〈成人成長ホルモン分泌不全症(重症に限る)〉

    通常開始用量として、1週間に体重kg当たり、ソマトロピン(遺伝子組換え)として0.021mgを6~7回に分けて皮下に注射する。患者の臨床症状に応じて1週間に体重kg当たり0.084mgを上限として漸増し、1週間に6~7回に分けて皮下に注射する。なお、投与量は臨床症状及び血清インスリン様成長因子-I(IGF-I)濃度等の検査所見に応じて適宜増減する。ただし、1日量として1mgを超えないこと。

7. 用法及び用量に関連する注意

  • 〈成人成長ホルモン分泌不全症(重症に限る)〉
    1. 7.1 本剤の投与量は、血清IGF-I濃度を参照して調整すること。血清IGF-I濃度は投与開始後24週目までは4週間に1回、それ以降は12週から24週間に1回の測定を目安とすること。また、副作用の発現等の際は、適宜、血清IGF-I濃度を測定し、本剤の減量、投与中止等適切な処置をとること。[8.3 参照]
    2. 7.2 加齢に伴い生理的な成長ホルモンの分泌量や血清IGF-I濃度が低下することが知られている。本剤投与による症状の改善が認められなくなり、かつ本剤を投与しなくても血清IGF-I濃度が基準範囲内にある場合は、投与中止を考慮すること。[8.3 参照]

8. 重要な基本的注意

  • 〈効能共通〉
    1. 8.1 *甲状腺機能低下症があらわれあるいは悪化し、本剤による治療効果が低下することがあるので、甲状腺機能を定期的に検査し、このような場合には適切な治療を行うことが望ましい。[11.2 参照]
    1. 8.2 *成長ホルモンは、インスリン感受性を低下させるため、本剤の投与により血糖値、HbA1cの上昇があらわれることがある。定期的に血糖値、HbA1c等を測定し、異常が認められた場合は、投与量の減量又は一時的な投与中止等、適切な処置を行うこと。特にターナー症候群においては、耐糖能の低下を合併することがあり、経過を注意深く観察すること。[9.1.1 参照],[11.1.5 参照]
  • 〈成人成長ホルモン分泌不全症(重症に限る)〉
    1. 8.3 本剤の投与中は、血清IGF-I濃度が基準範囲上限を超えないよう、定期的に検査を実施すること。[7.1 参照],[7.2 参照]
    1. 8.4 本剤と本剤以外のホルモン剤を併用する場合には、併用するホルモン剤が血清IGF-I濃度に影響を及ぼすことがあるため、慎重に血清IGF-I濃度をモニタリングすること。[10.2 参照]
    1. 8.5 本剤の投与により浮腫、関節痛等があらわれることがあるため、観察を十分に行い、異常が認められた場合は投与量の減量あるいは投与中止を考慮すること。[17.1.6 参照]
    1. 8.6 本剤の治療は、内分泌専門医もしくはその指導の下で行うこと。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 *糖尿病患者、耐糖能異常のある患者又は糖尿病の危険因子を持つ患者

    糖尿病患者では、投与開始前に血糖(血糖値、HbA1c等)及び糖尿病合併症(糖尿病網膜症等)の病勢をコントロールしておくこと。投与開始後は定期的に血糖値、HbA1c等を測定し、また、糖尿病合併症(糖尿病網膜症等)を含め、患者の状態を注意深く観察すること。必要に応じて、糖尿病用薬の投与量の調整を行うこと。投与開始後に糖尿病の症状の顕在化又は悪化が認められた場合は、本剤の投与量の減量又は一時的な投与中止等、適切な処置を行うこと。

    耐糖能異常のある患者又は糖尿病の危険因子を持つ患者(肥満、家族歴に糖尿病を持つ患者等)では、慎重に観察すること。糖尿病が顕在化することがある。[8.2 参照],[10.2 参照],[11.1.5 参照]

  2. 9.1.2 脳腫瘍(頭蓋咽頭腫、下垂体腺腫、松果体腫等)による成長ホルモン分泌不全性低身長症又は成人成長ホルモン分泌不全症の患者

    脳腫瘍の進行や再発の観察を十分に行い慎重に投与すること。成長ホルモンは細胞増殖作用を有する。[2.1 参照]

  3. 9.1.3 脳腫瘍の既往のある患者

    定期的に画像診断を実施し、脳腫瘍の発現及び進行や再発の観察を十分に行うこと。成人成長ホルモン分泌不全症患者では脳腫瘍の既往のある患者が多く含まれており、国内臨床試験において脳腫瘍の再発が報告されている。[2.1 参照]

  4. 9.1.4 心疾患のある患者

    ときに一過性の浮腫があらわれることがある。

  5. 9.1.5 脊柱管狭窄・大孔狭窄のある軟骨異栄養症(軟骨無形成症・軟骨低形成症)の患者

    低身長改善の有益性が脊柱管狭窄・大孔狭窄悪化の危険性を上回ると判断される場合のみ投与を考慮すること。MRI等による定期的観察を十分行い、脊柱管狭窄・大孔狭窄の悪化がみられた場合には投与を中止すること。症状の悪化を助長する可能性がある。

9.2 腎機能障害患者

ときに一過性の浮腫があらわれることがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。[2.2 参照]

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。母乳中への移行については不明である。

9.8 高齢者

投与量の減量あるいは投与中止も考慮に入れて、慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。また、外国において、成人成長ホルモン分泌不全症患者における成長ホルモン維持用量は加齢に伴い減少することが報告されている。

10. 相互作用

    10.2 併用注意(併用に注意すること)

    薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
    • 糖質コルチコイド

    成長ホルモンの成長促進作用が抑制されることがある。

    糖質コルチコイドが成長抑制効果を有するため。

    • 糖質コルチコイド

    血清コルチゾール濃度が低下することがあるので、糖質コルチコイドの用量に注意すること。

    成長ホルモンが11β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1型(11β-HSD-1)を抑制することにより、コルチゾンからコルチゾールへの変換を減少させるため。

    • *糖尿病用薬
      • インスリン製剤
      • ビグアナイド系薬剤
      • スルホニルウレア剤
      • 速効型インスリン分泌促進薬
      • α-グルコシダーゼ阻害剤
      • チアゾリジン系薬剤
      • DPP-4阻害薬
      • GLP-1受容体作動薬
      • SGLT2阻害剤等
    • [9.1.1 参照]

    本剤投与により、血糖値が上昇することがある。定期的に血糖値、HbA1c等を測定し、これらの薬剤の投与量の調整を行うこと。

    成長ホルモンがインスリン感受性を低下させるため。

    • 主にCYP3Aで代謝される薬剤
      • 性ホルモン製剤
      • シクロスポリン
      • 抗てんかん剤等

    これらの薬剤の血中濃度が低下し、作用が減弱することがある。

    本剤がCYP3Aを誘導するため。

    成長ホルモンの作用が抑制されることがある。成人成長ホルモン分泌不全症(重症に限る)の患者では本剤の増量を検討すること。

    エストロゲンがIGF-I産生を抑制するため。

    11. 副作用

    次の副作用3) があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    11.1 重大な副作用

    1. 11.1.1 O脚の悪化(頻度不明)

      O脚を合併した軟骨異栄養症(軟骨無形成症・軟骨低形成症)患者に本剤を投与したところ、O脚が悪化し、手術を受けた症例が報告されている。

    2. 11.1.2 けいれん(頻度不明)
    3. 11.1.3 甲状腺機能亢進症(頻度不明)
    4. 11.1.4 ネフローゼ症候群(頻度不明)

      ネフローゼ症候群(浮腫、尿蛋白、低蛋白血症)があらわれることがある。

    5. 11.1.5 *糖尿病(頻度不明)

      耐糖能低下があらわれ、糖尿病を発症することがある。[8.2 参照],[9.1.1 参照]

    11.2 その他の副作用

    0.1%以上

    0.1%未満

    過敏症

    発疹(蕁麻疹、紅斑等)、注射部位の発赤等の過敏症状

    全身そう痒

    *内分泌

    甲状腺機能低下症4) 、耐糖能低下

    肝臓

    AST上昇、ALT上昇

    消化器

    嘔気、腹痛

    筋・骨格系

    関節痛、下肢痛、成長痛、大腿骨骨頭辷り症、筋痛

    有痛性外脛骨、外骨腫、大腿骨骨頭壊死、側弯症等の脊柱変形の進行、周期性四肢麻痺

    投与部位

    注射部位の熱感、疼痛、硬結

    皮下脂肪の消失

    神経系

    手根管症候群、錯感覚

    循環器

    高血圧

    呼吸器系

    呼吸困難

    その他

    浮腫、頭痛、尿潜血・顕微鏡的血尿、LDH上昇、CK上昇

    白血球数上昇、遊離脂肪酸上昇、ミオグロビン上昇、血清P上昇、蛋白尿、頭蓋内圧亢進に伴う乳頭浮腫・視覚異常・頭痛・悪心・嘔吐

    3) 筋肉内注射データを含む。本剤の承認された用法及び用量は「6. 用法及び用量」の項参照。

    13. 過量投与

    過量投与により最初は血糖低下が、次いで血糖上昇が認められることがある。

    長期の過量投与により末端肥大症の症状が認められることがある1) ,2)

    14. 適用上の注意

    14.1 薬剤調製時の注意

    本剤はカートリッジ製剤であり、専用の医薬品ペン型注入器を用いて使用すること。他の注入器を用いて使用してはならない。

    1. 14.1.1 本剤の使用にあたっては、必ず専用の医薬品ペン型注入器の取扱説明書を読むこと。
    2. 14.1.2 薬剤溶解時の注意
      1. (1) 専用の添付溶解液を用いること。
      2. (2) 溶解操作説明書にしたがって、添付の溶解液をカートリッジ内へ移した後、静かに振って溶解すること(激しく振とうしないこと)。
      3. (3) 溶解後の溶液が懸濁していたり、粒状物がある場合には、その溶液を投与しないこと。
    3. 14.1.3 溶解後の液は、専用の医薬品ペン型注入器に装着したまま、凍結を避け2~8℃で遮光保存し、38日以内に使用すること。

    14.2 薬剤投与時の注意

    注射部位を上腕、大腿、腹部、臀部等広範に求め、順序よく移動し、同一部位に短期間内に繰り返し注射しないこと。

    14.3 薬剤交付時の注意

    1. 14.3.1 1本の注入器を複数の患者に使用しないこと。
    2. 14.3.2 空になったカートリッジを再使用したり、他剤の投与に使用しないこと。

    15. その他の注意

    15.1 臨床使用に基づく情報

    1. 15.1.1 ヒト成長ホルモンと白血病の因果関係は明らかではないが、ヒト成長ホルモンの投与を受けた患者に白血病があらわれたとの報告があるので、定期的に血液検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。白血病、悪性腫瘍を発生しやすい先天異常、免疫不全症候群等の基礎疾患のある患者、脳腫瘍等による放射線治療歴のある患者、抗がん剤や免疫抑制薬の投与歴のある患者、治療開始時の血液像に異常がある患者に投与する場合には、特に患者の状態を観察すること。
    2. 15.1.2 ヒト成長ホルモンの投与を受けた患者に脳腫瘍が再発したとの報告がある。
    3. 15.1.3 小児がんの既往を有する患者にヒト成長ホルモンを投与した場合、二次性腫瘍の発現リスクが上昇するとの報告がある。
    4. 15.1.4 連続投与した場合、ヒト成長ホルモンに対する抗体が生じることがある。抗体の産生により効果の減弱がみられる場合には、投与を中止し、適宜他の治療法を考慮すること。
    5. 15.1.5 外国で添付の溶解液(m-クレゾール/濃グリセリン含有)に対する過敏症があらわれたとの報告がある。[3.1 参照]

    15.2 非臨床試験に基づく情報

    類薬で、動物実験で妊娠前、妊娠初期投与試験において、高投与量群で交尾率及び妊娠率の低下が報告されている。

    2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

    1. 2.1 悪性腫瘍のある患者[成長ホルモンが細胞増殖作用を有するため。][9.1.2 参照],[9.1.3 参照]
    2. 2.2 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5 参照]

    3. 組成・性状

    3.1 組成

    ヒューマトロープ注射用6mg

    有効成分 1筒中
    ソマトロピン(遺伝子組換え)1) 6.56mg
    専用注入器装着時、6mgまで使用できる。  
    添加剤 グリシン   6.56mg
    D-マンニトール   19.67mg
    リン酸水素二ナトリウム七水和物    1.49mg
    pH調節剤   適量
    添付溶解液
    (注射筒入り)
      日局注射用水をもって全量3.1mLとする。
    添加剤
    (添付溶解液)
      m-クレゾール 9.9mg
      濃グリセリン 53.2mg
    [15.1.5 参照]
      pH調節剤 適量

    1) ヒト成長ホルモン遺伝子を導入した大腸菌から製造される。
    ヒューマトロープ注射用12mg

    有効成分 1筒中
    ソマトロピン(遺伝子組換え)2) 13.13mg
    専用注入器装着時、12mgまで使用できる。  
    添加剤 グリシン   13.1mg
    D-マンニトール   39.4mg
    リン酸水素二ナトリウム七水和物    3.0mg
    pH調節剤   適量
    添付溶解液
    (注射筒入り)
      日局注射用水をもって全量3.1mLとする。
    添加剤
    (添付溶解液)
      m-クレゾール 9.8mg
      濃グリセリン 9.0mg
    [15.1.5 参照]
      pH調節剤 適量

    2) ヒト成長ホルモン遺伝子を導入した大腸菌から製造される。

    3.2 製剤の性状

    ヒューマトロープ注射用6mg

    形態 カートリッジ
    性状・剤形 白色の塊又は粉末(凍結乾燥製剤)(注射剤)
    pH 6.5~8.0
    浸透圧比
    (生理食塩液に対する比)
    約1
    1筒/添付溶解液3.1mL
    ヒューマトロープ注射用12mg

    形態 カートリッジ
    性状・剤形 白色の塊又は粉末(凍結乾燥製剤)(注射剤)
    pH 6.5~8.0
    浸透圧比
    (生理食塩液に対する比)
    約0.7
    1筒/添付溶解液3.1mL

    4. 効能又は効果

    • 骨端線閉鎖を伴わない成長ホルモン分泌不全性低身長症
    • 骨端線閉鎖を伴わないターナー症候群における低身長
    • 骨端線閉鎖を伴わない軟骨異栄養症(軟骨無形成症・軟骨低形成症)における低身長
    • 成人成長ホルモン分泌不全症(重症に限る)

    5. 効能又は効果に関連する注意

    • 〈骨端線閉鎖を伴わない成長ホルモン分泌不全性低身長症〉
      1. 5.1 本剤の適用は、成長ホルモン分泌不全性低身長症と診断された患者に限定すること。診断にあたっては、最新の「厚生労働科学研究費補助金難治性疾患等政策研究事業 間脳下垂体機能障害に関する調査研究班 成長ホルモン分泌不全性低身長症の診断と治療の手引き」を参照すること。
    • 〈骨端線閉鎖を伴わないターナー症候群における低身長〉
      1. 5.2 適用基準

        染色体検査によりターナー症候群と確定診断された者で、現在の身長が同年齢の[標準値-2SD]以下である場合、又は年間の成長速度が2年以上にわたって標準値の-1.5SD以下である場合。

      2. 5.3 治療継続基準

        1年ごとに以下の基準を満たしているかどうかを判定し、いずれかを満たしたときに治療の継続をする。

        • 成長速度≧4.0cm/年
        • 治療中1年間の成長速度と治療前1年間の成長速度の差が、
          ≧1.0cm/年の場合
        • 治療2年目以降で、治療中1年間の成長速度が下記の場合

          2年目     ≧2.0cm/年
          3年目以降≧1.0cm/年

          ただし、以上のいずれも満たさないとき、又は骨年齢が15歳以上に達したときは投与を中止する。

    • 〈骨端線閉鎖を伴わない軟骨異栄養症(軟骨無形成症・軟骨低形成症)における低身長〉
      1. 5.4 適用基準

        現在の身長が同性、同年齢の[標準値-3SD]以下である場合

      2. 5.5 治療継続基準

        1年ごとに以下の基準を満たしているかどうかを判定し、いずれかを満たしたときに治療の継続をする。

        • 成長速度≧4.0cm/年
        • 治療中1年間の成長速度と治療前1年間の成長速度の差が、
          ≧1.0cm/年の場合
        • 治療2年目以降で、治療中1年間の成長速度が下記の場合

          2年目     ≧2.0cm/年
          3年目以降≧1.0cm/年

    • 〈成人成長ホルモン分泌不全症(重症に限る)〉
      1. 5.6 本剤の適用は、成人成長ホルモン分泌不全症と診断された患者のうち、以下のいずれかの患者に限定すること。なお、重症の基準は、最新の「厚生労働科学研究費補助金難治性疾患等政策研究事業 間脳下垂体機能障害に関する調査研究班 成人成長ホルモン分泌不全症の診断と治療の手引き」の病型分類を参照すること。
        1. 5.6.1 小児期発症型(小児期に成長ホルモン分泌不全症と確定診断されている患者)では、以下のいずれかを満たすもの。ただし、診断にあたっては、本治療開始前に再度成長ホルモン分泌刺激試験を行うこと。
          • 2種類以上の成長ホルモン分泌刺激試験における血清(血漿)成長ホルモン濃度の頂値が重症の基準を満たすもの。
          • 頭蓋内器質性疾患の合併ないし既往歴、治療歴又は周産期異常の既往があり、成長ホルモンを含む複数の下垂体ホルモンの分泌低下がある患者では、1種類の成長ホルモン分泌刺激試験における血清(血漿)成長ホルモン濃度の頂値が重症の基準を満たすもの。 
        2. 5.6.2 成人期発症型では、頭蓋内器質性疾患の合併ないし既往歴、治療歴又は周産期異常の既往がある患者のうち、以下のいずれかを満たすもの。
          • 成長ホルモンを含む複数の下垂体ホルモンの分泌低下がある患者で、1種類の成長ホルモン分泌刺激試験における血清(血漿)成長ホルモン濃度の頂値が重症の基準を満たすもの。
          • 成長ホルモン単独の分泌低下がある患者で、2種類の成長ホルモン分泌刺激試験における血清(血漿)成長ホルモン濃度の頂値が重症の基準を満たすもの。

            [成長ホルモン分泌刺激試験の種類と成人成長ホルモン分泌不全症で重症と診断される血清(血漿)成長ホルモン濃度の頂値]

            成長ホルモン分泌刺激試験の種類

            重症と診断される血清(血漿)

            成長ホルモン濃度の頂値

            インスリン、アルギニン、

            グルカゴン

            1.8ng/mL以下

            GHRP-2

            9ng/mL以下

    6. 用法及び用量

    • 〈骨端線閉鎖を伴わない成長ホルモン分泌不全性低身長症〉

      通常1週間に体重kg当たり、ソマトロピン(遺伝子組換え)として0.175mgを6~7回に分けて皮下に注射する。

    • 〈骨端線閉鎖を伴わないターナー症候群における低身長〉

      通常1週間に体重kg当たり、ソマトロピン(遺伝子組換え)として0.35mgを6~7回に分けて皮下に注射する。

    • 〈骨端線閉鎖を伴わない軟骨異栄養症(軟骨無形成症・軟骨低形成症)における低身長〉

      通常1週間に体重kg当たり、ソマトロピン(遺伝子組換え)として0.35mgを6~7回に分けて皮下に注射する。

    • 〈成人成長ホルモン分泌不全症(重症に限る)〉

      通常開始用量として、1週間に体重kg当たり、ソマトロピン(遺伝子組換え)として0.021mgを6~7回に分けて皮下に注射する。患者の臨床症状に応じて1週間に体重kg当たり0.084mgを上限として漸増し、1週間に6~7回に分けて皮下に注射する。なお、投与量は臨床症状及び血清インスリン様成長因子-I(IGF-I)濃度等の検査所見に応じて適宜増減する。ただし、1日量として1mgを超えないこと。

    7. 用法及び用量に関連する注意

    • 〈成人成長ホルモン分泌不全症(重症に限る)〉
      1. 7.1 本剤の投与量は、血清IGF-I濃度を参照して調整すること。血清IGF-I濃度は投与開始後24週目までは4週間に1回、それ以降は12週から24週間に1回の測定を目安とすること。また、副作用の発現等の際は、適宜、血清IGF-I濃度を測定し、本剤の減量、投与中止等適切な処置をとること。[8.3 参照]
      2. 7.2 加齢に伴い生理的な成長ホルモンの分泌量や血清IGF-I濃度が低下することが知られている。本剤投与による症状の改善が認められなくなり、かつ本剤を投与しなくても血清IGF-I濃度が基準範囲内にある場合は、投与中止を考慮すること。[8.3 参照]

    8. 重要な基本的注意

    • 〈効能共通〉
      1. 8.1 *甲状腺機能低下症があらわれあるいは悪化し、本剤による治療効果が低下することがあるので、甲状腺機能を定期的に検査し、このような場合には適切な治療を行うことが望ましい。[11.2 参照]
      1. 8.2 *成長ホルモンは、インスリン感受性を低下させるため、本剤の投与により血糖値、HbA1cの上昇があらわれることがある。定期的に血糖値、HbA1c等を測定し、異常が認められた場合は、投与量の減量又は一時的な投与中止等、適切な処置を行うこと。特にターナー症候群においては、耐糖能の低下を合併することがあり、経過を注意深く観察すること。[9.1.1 参照],[11.1.5 参照]
    • 〈成人成長ホルモン分泌不全症(重症に限る)〉
      1. 8.3 本剤の投与中は、血清IGF-I濃度が基準範囲上限を超えないよう、定期的に検査を実施すること。[7.1 参照],[7.2 参照]
      1. 8.4 本剤と本剤以外のホルモン剤を併用する場合には、併用するホルモン剤が血清IGF-I濃度に影響を及ぼすことがあるため、慎重に血清IGF-I濃度をモニタリングすること。[10.2 参照]
      1. 8.5 本剤の投与により浮腫、関節痛等があらわれることがあるため、観察を十分に行い、異常が認められた場合は投与量の減量あるいは投与中止を考慮すること。[17.1.6 参照]
      1. 8.6 本剤の治療は、内分泌専門医もしくはその指導の下で行うこと。

    9. 特定の背景を有する患者に関する注意

    9.1 合併症・既往歴等のある患者

    1. 9.1.1 *糖尿病患者、耐糖能異常のある患者又は糖尿病の危険因子を持つ患者

      糖尿病患者では、投与開始前に血糖(血糖値、HbA1c等)及び糖尿病合併症(糖尿病網膜症等)の病勢をコントロールしておくこと。投与開始後は定期的に血糖値、HbA1c等を測定し、また、糖尿病合併症(糖尿病網膜症等)を含め、患者の状態を注意深く観察すること。必要に応じて、糖尿病用薬の投与量の調整を行うこと。投与開始後に糖尿病の症状の顕在化又は悪化が認められた場合は、本剤の投与量の減量又は一時的な投与中止等、適切な処置を行うこと。

      耐糖能異常のある患者又は糖尿病の危険因子を持つ患者(肥満、家族歴に糖尿病を持つ患者等)では、慎重に観察すること。糖尿病が顕在化することがある。[8.2 参照],[10.2 参照],[11.1.5 参照]

    2. 9.1.2 脳腫瘍(頭蓋咽頭腫、下垂体腺腫、松果体腫等)による成長ホルモン分泌不全性低身長症又は成人成長ホルモン分泌不全症の患者

      脳腫瘍の進行や再発の観察を十分に行い慎重に投与すること。成長ホルモンは細胞増殖作用を有する。[2.1 参照]

    3. 9.1.3 脳腫瘍の既往のある患者

      定期的に画像診断を実施し、脳腫瘍の発現及び進行や再発の観察を十分に行うこと。成人成長ホルモン分泌不全症患者では脳腫瘍の既往のある患者が多く含まれており、国内臨床試験において脳腫瘍の再発が報告されている。[2.1 参照]

    4. 9.1.4 心疾患のある患者

      ときに一過性の浮腫があらわれることがある。

    5. 9.1.5 脊柱管狭窄・大孔狭窄のある軟骨異栄養症(軟骨無形成症・軟骨低形成症)の患者

      低身長改善の有益性が脊柱管狭窄・大孔狭窄悪化の危険性を上回ると判断される場合のみ投与を考慮すること。MRI等による定期的観察を十分行い、脊柱管狭窄・大孔狭窄の悪化がみられた場合には投与を中止すること。症状の悪化を助長する可能性がある。

    9.2 腎機能障害患者

    ときに一過性の浮腫があらわれることがある。

    9.5 妊婦

    妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。[2.2 参照]

    9.6 授乳婦

    治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。母乳中への移行については不明である。

    9.8 高齢者

    投与量の減量あるいは投与中止も考慮に入れて、慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。また、外国において、成人成長ホルモン分泌不全症患者における成長ホルモン維持用量は加齢に伴い減少することが報告されている。

    10. 相互作用

      10.2 併用注意(併用に注意すること)

      薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
      • 糖質コルチコイド

      成長ホルモンの成長促進作用が抑制されることがある。

      糖質コルチコイドが成長抑制効果を有するため。

      • 糖質コルチコイド

      血清コルチゾール濃度が低下することがあるので、糖質コルチコイドの用量に注意すること。

      成長ホルモンが11β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1型(11β-HSD-1)を抑制することにより、コルチゾンからコルチゾールへの変換を減少させるため。

      • *糖尿病用薬
        • インスリン製剤
        • ビグアナイド系薬剤
        • スルホニルウレア剤
        • 速効型インスリン分泌促進薬
        • α-グルコシダーゼ阻害剤
        • チアゾリジン系薬剤
        • DPP-4阻害薬
        • GLP-1受容体作動薬
        • SGLT2阻害剤等
      • [9.1.1 参照]

      本剤投与により、血糖値が上昇することがある。定期的に血糖値、HbA1c等を測定し、これらの薬剤の投与量の調整を行うこと。

      成長ホルモンがインスリン感受性を低下させるため。

      • 主にCYP3Aで代謝される薬剤
        • 性ホルモン製剤
        • シクロスポリン
        • 抗てんかん剤等

      これらの薬剤の血中濃度が低下し、作用が減弱することがある。

      本剤がCYP3Aを誘導するため。

      成長ホルモンの作用が抑制されることがある。成人成長ホルモン分泌不全症(重症に限る)の患者では本剤の増量を検討すること。

      エストロゲンがIGF-I産生を抑制するため。

      11. 副作用

      次の副作用3) があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

      11.1 重大な副作用

      1. 11.1.1 O脚の悪化(頻度不明)

        O脚を合併した軟骨異栄養症(軟骨無形成症・軟骨低形成症)患者に本剤を投与したところ、O脚が悪化し、手術を受けた症例が報告されている。

      2. 11.1.2 けいれん(頻度不明)
      3. 11.1.3 甲状腺機能亢進症(頻度不明)
      4. 11.1.4 ネフローゼ症候群(頻度不明)

        ネフローゼ症候群(浮腫、尿蛋白、低蛋白血症)があらわれることがある。

      5. 11.1.5 *糖尿病(頻度不明)

        耐糖能低下があらわれ、糖尿病を発症することがある。[8.2 参照],[9.1.1 参照]

      11.2 その他の副作用

      0.1%以上

      0.1%未満

      過敏症

      発疹(蕁麻疹、紅斑等)、注射部位の発赤等の過敏症状

      全身そう痒

      *内分泌

      甲状腺機能低下症4) 、耐糖能低下

      肝臓

      AST上昇、ALT上昇

      消化器

      嘔気、腹痛

      筋・骨格系

      関節痛、下肢痛、成長痛、大腿骨骨頭辷り症、筋痛

      有痛性外脛骨、外骨腫、大腿骨骨頭壊死、側弯症等の脊柱変形の進行、周期性四肢麻痺

      投与部位

      注射部位の熱感、疼痛、硬結

      皮下脂肪の消失

      神経系

      手根管症候群、錯感覚

      循環器

      高血圧

      呼吸器系

      呼吸困難

      その他

      浮腫、頭痛、尿潜血・顕微鏡的血尿、LDH上昇、CK上昇

      白血球数上昇、遊離脂肪酸上昇、ミオグロビン上昇、血清P上昇、蛋白尿、頭蓋内圧亢進に伴う乳頭浮腫・視覚異常・頭痛・悪心・嘔吐

      3) 筋肉内注射データを含む。本剤の承認された用法及び用量は「6. 用法及び用量」の項参照。

      13. 過量投与

      過量投与により最初は血糖低下が、次いで血糖上昇が認められることがある。

      長期の過量投与により末端肥大症の症状が認められることがある1) ,2)

      14. 適用上の注意

      14.1 薬剤調製時の注意

      本剤はカートリッジ製剤であり、専用の医薬品ペン型注入器を用いて使用すること。他の注入器を用いて使用してはならない。

      1. 14.1.1 本剤の使用にあたっては、必ず専用の医薬品ペン型注入器の取扱説明書を読むこと。
      2. 14.1.2 薬剤溶解時の注意
        1. (1) 専用の添付溶解液を用いること。
        2. (2) 溶解操作説明書にしたがって、添付の溶解液をカートリッジ内へ移した後、静かに振って溶解すること(激しく振とうしないこと)。
        3. (3) 溶解後の溶液が懸濁していたり、粒状物がある場合には、その溶液を投与しないこと。
      3. 14.1.3 溶解後の液は、専用の医薬品ペン型注入器に装着したまま、凍結を避け2~8℃で遮光保存し、38日以内に使用すること。

      14.2 薬剤投与時の注意

      注射部位を上腕、大腿、腹部、臀部等広範に求め、順序よく移動し、同一部位に短期間内に繰り返し注射しないこと。

      14.3 薬剤交付時の注意

      1. 14.3.1 1本の注入器を複数の患者に使用しないこと。
      2. 14.3.2 空になったカートリッジを再使用したり、他剤の投与に使用しないこと。

      15. その他の注意

      15.1 臨床使用に基づく情報

      1. 15.1.1 ヒト成長ホルモンと白血病の因果関係は明らかではないが、ヒト成長ホルモンの投与を受けた患者に白血病があらわれたとの報告があるので、定期的に血液検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。白血病、悪性腫瘍を発生しやすい先天異常、免疫不全症候群等の基礎疾患のある患者、脳腫瘍等による放射線治療歴のある患者、抗がん剤や免疫抑制薬の投与歴のある患者、治療開始時の血液像に異常がある患者に投与する場合には、特に患者の状態を観察すること。
      2. 15.1.2 ヒト成長ホルモンの投与を受けた患者に脳腫瘍が再発したとの報告がある。
      3. 15.1.3 小児がんの既往を有する患者にヒト成長ホルモンを投与した場合、二次性腫瘍の発現リスクが上昇するとの報告がある。
      4. 15.1.4 連続投与した場合、ヒト成長ホルモンに対する抗体が生じることがある。抗体の産生により効果の減弱がみられる場合には、投与を中止し、適宜他の治療法を考慮すること。
      5. 15.1.5 外国で添付の溶解液(m-クレゾール/濃グリセリン含有)に対する過敏症があらわれたとの報告がある。[3.1 参照]

      15.2 非臨床試験に基づく情報

      類薬で、動物実験で妊娠前、妊娠初期投与試験において、高投与量群で交尾率及び妊娠率の低下が報告されている。

      その他詳細情報

      日本標準商品分類番号
      872412
      ブランドコード
      2412402L1031, 2412402L4049
      承認番号
      22000AMX02168, 22000AMX02167
      販売開始年月
      2000-07, 2000-07
      貯法
      2~8℃で保存、2~8℃で保存
      有効期間
      2年、2年
      規制区分
      12, 12

      重要な注意事項

      • この情報は医療専門家による診断や治療の代替にはなりません。副作用に関する懸念がある場合は、必ず医師または薬剤師に相談してください。
      • 副作用の発生頻度や重篤度は個人差があります。ここで提供される情報は一般的なものであり、すべての患者さんに当てはまるわけではありません。
      • 薬剤の使用に関しては、必ず医療専門家の指示に従い、自己判断での変更や中止を避けてください。
      • この情報は最新のものであるよう努めていますが、最新とは限りません。常に医療専門家に確認してください。
      • 副作用に関する情報は、信頼できる医療情報源に基づいて提供されていますが、完全性や正確性を保証するものではありません。
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