薬効分類名選択的NK₁受容体拮抗型制吐剤

一般的名称注射用ホスアプレピタントメグルミン

ホスアプレピタント点滴静注用150mg「NK」

Fosaprepitant for I.V. Infusion 150mg「NK」

製造販売元/日本化薬株式会社

第1版
禁忌相互作用肝機能障害患者妊婦授乳婦小児等高齢者

重大な副作用

頻度
副作用

その他の副作用

部位
頻度
副作用
皮膚
5%未満
脳・神経
5%未満
心臓・血管
5%未満
心臓・血管
頻度不明
胃腸・消化器系
5~10%未満
胃腸・消化器系
5%未満
肺・呼吸
5~10%未満
肺・呼吸
5%未満
肺・呼吸
頻度不明
咽頭炎後鼻漏くしゃみ刺激感
肝臓まわり
5~10%未満
腎・尿路
5%未満
腎・尿路
頻度不明
血液系
5%未満
運動器
頻度不明
全身・局所・適用部位
5%未満
全身・局所・適用部位
頻度不明
その他
5%未満

併用注意

薬剤名等

CYP3A4を阻害する薬剤

  • イトラコナゾール、エリスロマイシン、クラリスロマイシン、リトナビル等

[16.6.1 参照]

臨床症状・措置方法

本剤と強力なCYP3A4阻害剤(例:ケトコナゾール)との併用は慎重に行うこと。

機序・危険因子

本剤の活性本体アプレピタントはCYP3A4の基質であるため、CYP3A4活性を阻害する薬剤と併用することによってアプレピタントの血中濃度が上昇する場合がある。

薬剤名等

ジルチアゼム
[16.6.4 参照]

臨床症状・措置方法

本剤とジルチアゼムとの併用投与によって、両薬剤への曝露が増大する可能性がある。

機序・危険因子

本剤の活性本体アプレピタント及びジルチアゼムの代謝が競合的に阻害される。

薬剤名等

CYP3A4を誘導する薬剤

  • リファンピシン、カルバマゼピン、フェニトイン等

[16.6.2 参照]

臨床症状・措置方法

本剤の作用が減弱するおそれがある。

機序・危険因子

本剤の活性本体アプレピタントはCYP3A4の基質であるため、これらの薬剤によりアプレピタントの代謝が促進される場合がある。

薬剤名等

CYP3A4で代謝される薬剤

  • デキサメタゾン、メチルプレドニゾロン、ミダゾラム等

[7.1 参照],[8.1 参照],[16.6.3 参照],[16.6.5 参照],[16.6.6 参照]

臨床症状・措置方法

これらの薬剤の効果が増強されるおそれがある。なお、デキサメタゾンを併用する場合は、デキサメタゾンの用量を減量するなど用量に注意すること。

機序・危険因子

本剤の活性本体アプレピタントの用量依存的なCYP3A4阻害作用によって、これらの薬剤の代謝が阻害される場合がある。

薬剤名等

CYP2C9で代謝される薬剤

  • ワルファリン、トルブタミド、フェニトイン等

[8.2 参照],[16.6.7 参照],[16.6.8 参照]

臨床症状・措置方法

これらの薬剤の効果が減弱されるおそれがある。

機序・危険因子

本剤の活性本体アプレピタントのCYP2C9誘導作用により、これらの薬剤の代謝が促進される場合がある。

薬剤名等

ホルモン避妊法

  • エチニルエストラジオール等

[16.6.9 参照]

臨床症状・措置方法

これらの薬剤の効果が減弱されるおそれがあるので、本剤の投与期間中及び最終投与から1ヵ月間は、代りの避妊法又は補助的避妊法を用いる必要がある。

機序・危険因子

機序は解明されていないが、本剤の活性本体アプレピタントとの併用によりこれらの薬剤の代謝が亢進することが報告されている。

詳細情報

正確な情報は PMDA で必ず確認して下さい

注意以下の情報は参考資料としてご活用下さい

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 本剤の成分又はアプレピタントに対し過敏症の既往歴のある患者[11.1.3 参照]
  2. 2.2 ピモジド投与中の患者[10.1 参照]

3. 組成・性状

3.1 組成

ホスアプレピタント点滴静注用150mg「NK」

有効成分 ホスアプレピタントメグルミン1)    245.3mg
(ホスアプレピタントとして   150mg )
添加剤 エデト酸ナトリウム水和物2)    5.7mg
ポリソルベート802)    78.8mg
マルトース水和物2)    393.8mg
水酸化ナトリウム   適量
塩酸   適量
                
1) 本品は注射液吸引時の損失を考慮して、5%過量充填されているので、実充填量はホスアプレピタントメグルミン257.6mg(ホスアプレピタントとして157.5mg)である。
                
2) 過量充填した実充填量を示している。
              

3.2 製剤の性状

ホスアプレピタント点滴静注用150mg「NK」

剤形 凍結乾燥注射剤(バイアル)
塊又は粉末
色調 白色~灰白色
pH 7.0~9.0
(本品1バイアルを生理食塩液150mLに溶かした液)
浸透圧比 約1.0
(本品1バイアルを生理食塩液100mLに溶かした液)

4. 効能又は効果

抗悪性腫瘍剤(シスプラチン等)投与に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)(遅発期を含む)

5. 効能又は効果に関連する注意

本剤は強い悪心、嘔吐が生じる抗悪性腫瘍剤(シスプラチン等)の投与の場合に限り使用すること。[17.1.1 参照],[17.1.2 参照],[17.1.3 参照]

6. 用法及び用量

  • 〈成人及び12歳以上の小児〉

    他の制吐剤との併用において、通常、成人及び12歳以上の小児にはホスアプレピタントとして150mgを抗悪性腫瘍剤投与1日目に1回、点滴静注する。

  • 〈生後6ヵ月以上の乳幼児及び12歳未満の小児〉

    他の制吐剤との併用において、通常、生後6ヵ月以上の乳幼児及び12歳未満の小児にはホスアプレピタントとして3.0mg/kgを抗悪性腫瘍剤投与1日目に1回、点滴静注する。ただし、ホスアプレピタントとして150mgを超えないこと。

7. 用法及び用量に関連する注意

  1. 7.1 本剤は、原則としてコルチコステロイド及び5-HT3受容体拮抗型制吐剤と併用して使用すること。ただし、コルチコステロイドの用量については、本剤又は活性本体アプレピタントとコルチコステロイドの薬物相互作用を考慮して適宜減量すること。[10.2 参照],[16.7.5 参照],[17.1.1 参照],[17.1.2 参照],[17.1.3 参照]
  2. 7.2 本剤は、投与速度の増加及び投与濃度の上昇により、注射部位障害が発現しやすくなるため、本剤1バイアル(ホスアプレピタントとして150mg)を5mLの生理食塩液で溶解し、下記のとおり点滴静注すること。[14.1.1 参照]
    • 〈成人及び12歳以上の小児〉
    • 最終容量が100~250mL(最終濃度として0.6~1.5mg/mL)となるように生理食塩液で希釈し、抗悪性腫瘍剤の投与1時間前に30分間かけて点滴静注する。
    • 〈生後6ヵ月以上の乳幼児及び12歳未満の小児〉
    • 3.0mg/kgに相当する量を最終濃度が0.6~1.5mg/mLとなるように生理食塩液で希釈し、抗悪性腫瘍剤の投与1時間30分前に60分間かけて点滴静注する。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 本剤の活性本体アプレピタントはCYP3A4に対する用量依存的阻害作用を有し、抗悪性腫瘍剤を含めて併用薬剤と相互作用を起こすことがあるため、十分注意して投与すること。[10.2 参照]
  2. 8.2 長期ワルファリン療法を施行している患者には、がん化学療法の各コースにおける本剤処方の開始から2週間、特に7日目から10日目には、患者の血液凝固状態に関して綿密なモニタリングを行うこと。[10.2 参照],[16.7.7 参照]

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1 重度の肝障害患者

    本剤の活性本体アプレピタントは主として肝で代謝されるため、血中濃度が過度に上昇するおそれがある。また、重度肝機能不全(Child-Pughスコア>9)患者での使用経験はない。[16.6.3 参照]

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤の活性本体アプレピタントはラット、ウサギにおいて胎盤を通過することが報告されている。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ラットにおいて本剤の活性本体アプレピタントは乳汁中に移行することが報告されている。

9.7 小児等

低出生体重児、新生児又は生後6ヵ月未満の乳児を対象とした臨床試験は実施していない。[17.1.3 参照]

9.8 高齢者

一般に高齢者では生理機能が低下している。なお、健康な高齢者は本剤の活性本体アプレピタントの血漿中濃度(AUC、Cmax)が非高齢者に比べて若干高くなるとの報告がある。[16.6.1 参照]

10. 相互作用

  • 本剤の活性本体アプレピタントはCYP3A4の基質であり、軽度から中程度のCYP3A4阻害(用量依存的)及び誘導作用を有し、CYP2C9の誘導作用も有する。[16.4 参照]

10.1 併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子

ピモジド

  • オーラップ錠1mg、3mg、細粒1%

                  [2.2 参照]                 

左記薬剤の血中濃度上昇により、QT延長、心室性不整脈等の重篤な副作用を起こすおそれがある。

本剤の活性本体アプレピタントの用量依存的なCYP3A4阻害作用によって、左記薬剤の血中濃度上昇を来すことがあり、重篤又は生命を脅かす事象の原因となるおそれがある。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子

CYP3A4を阻害する薬剤

  • イトラコナゾール、エリスロマイシン、クラリスロマイシン、リトナビル等

                  [16.7.1 参照]                 

本剤と強力なCYP3A4阻害剤(例:ケトコナゾール)との併用は慎重に行うこと。

本剤の活性本体アプレピタントはCYP3A4の基質であるため、CYP3A4活性を阻害する薬剤と併用することによってアプレピタントの血中濃度が上昇する場合がある。

ジルチアゼム
[16.7.4 参照]

本剤とジルチアゼムとの併用投与によって、両薬剤への曝露が増大する可能性がある。

本剤の活性本体アプレピタント及びジルチアゼムの代謝が競合的に阻害される。

CYP3A4を誘導する薬剤

  • リファンピシン、カルバマゼピン、フェニトイン等

                  [16.7.2 参照]                 

本剤の作用が減弱するおそれがある。

本剤の活性本体アプレピタントはCYP3A4の基質であるため、これらの薬剤によりアプレピタントの代謝が促進される場合がある。

CYP3A4で代謝される薬剤

  • デキサメタゾン、メチルプレドニゾロン、ミダゾラム等

[7.1 参照],[8.1 参照],[16.7.3 参照],[16.7.5 参照],[16.7.6 参照]

これらの薬剤の効果が増強されるおそれがある。なお、デキサメタゾンを併用する場合は、デキサメタゾンの用量を減量するなど用量に注意すること。

本剤の活性本体アプレピタントの用量依存的なCYP3A4阻害作用によって、これらの薬剤の代謝が阻害される場合がある。

CYP2C9で代謝される薬剤

  • ワルファリン、トルブタミド、フェニトイン等

[8.2 参照],[16.7.7 参照],[16.7.8 参照]

これらの薬剤の効果が減弱されるおそれがある。

本剤の活性本体アプレピタントのCYP2C9誘導作用により、これらの薬剤の代謝が促進される場合がある。

ホルモン避妊法

  • エチニルエストラジオール等

                  [16.7.9 参照]                 

これらの薬剤の効果が減弱されるおそれがあるので、本剤の投与期間中及び最終投与から1ヵ月間は、代りの避妊法又は補助的避妊法を用いる必要がある。

機序は解明されていないが、本剤の活性本体アプレピタントとの併用によりこれらの薬剤の代謝が亢進することが報告されている。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)

    発熱、紅斑、そう痒感、眼充血、口内炎等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

  2. 11.1.2 穿孔性十二指腸潰瘍(頻度不明)
  3. 11.1.3 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)

    全身発疹、潮紅、血管浮腫、紅斑、呼吸困難、意識消失、血圧低下等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。[2.1 参照]

11.2 その他の副作用

5~10%未満

5%未満

頻度不明

皮膚

発疹

そう痒、紅斑、皮膚病変、光線過敏症、ざ瘡、多汗症、脂性肌、蕁麻疹

精神神経系

頭痛

めまい、眠気、不眠症、不安、多幸症、異常な夢、認知障害、失見当識

循環器

潮紅

徐脈、動悸、頻脈、不整脈、ほてり、血圧上昇

消化器

便秘

下痢、腹痛、腹部不快感、口内炎

悪心、嘔吐、鼓腸、消化不良、おくび、胃炎、腸炎、胃食道逆流性疾患、口内乾燥、食欲不振、腹部膨満

呼吸器

しゃっくり

咳嗽

咽頭炎、後鼻漏、くしゃみ、咽喉刺激感

肝臓

ALTの上昇

AST、アルカリホスファターゼ、γ-GTP、ビリルビンの上昇

腎臓

蛋白尿、尿糖

BUN上昇、クレアチニン上昇、頻尿、多尿、排尿困難、血尿

血液

リンパ球数減少

貧血、好中球数減少、白血球数減少、血小板数減少、単球数減少

筋骨格系

筋痙攣、筋痛、四肢痛

注射部

疼痛、そう痒感、紅斑、硬結、腫脹

血栓性静脈炎

その他

倦怠感、浮腫、味覚異常、低ナトリウム血症

胸部不快感、疲労、無力症、嗜眠、発熱、耳鳴、疼痛、粘膜の炎症、体重増加、体重減少、多飲症、高血糖、口渇、脱水、アルブミン減少、低カリウム血症、低クロール血症、結膜炎、ブドウ球菌感染症、カンジダ症

14. 適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意

  1. 14.1.1 本剤1バイアル(ホスアプレピタントとして150mg)を5mLの生理食塩液で溶解すること。溶解時は、泡立つため2~3回静かに転倒混和すること。[7.2 参照]
  2. 14.1.2 本剤は非臨床試験(in vitro)において1.5mg/mLを超える濃度で溶血が報告されているので、最終濃度として0.6~1.5mg/mLとなるよう生理食塩液で調製すること。調製した輸液は2~3回静かに転倒混和すること。

15. その他の注意

15.2 非臨床試験に基づく情報

  1. 15.2.1 本剤の活性本体アプレピタントを用いたラットの2年間投与がん原性試験において、雌雄ラットの125mg/kg 1日2回投与群以上で甲状腺濾胞細胞腺腫の発生率の増加、雄ラットの125mg/kg 1日2回投与群以上で甲状腺濾胞細胞腺癌の発生率の増加、雄ラットの125mg/kg 1日2回投与群及び雌ラットの5mg/kg 1日2回投与群以上で肝細胞腺腫の発生率の増加、雌ラットの125mg/kg 1日2回投与群以上で肝細胞癌の発生率の増加が認められたとの報告がある。
    また、マウスの2年間投与がん原性試験において、雌マウスの500mg/kg/日群以上で肝細胞腺腫の発生率の増加、雄マウスの1,000mg/kg/日群以上及び雌マウスの500mg/kg/日群以上で肝細胞癌の発生率の増加が認められたとの報告がある。
  2. 15.2.2 新生児の雌雄イヌに4週間反復静脈内投与したところ、4mg/kg投与群以上で子宮重量の高値を伴う子宮角から体部にかけての内膜及び筋層の肥厚、子宮頸部筋層の肥厚、膣粘膜固有層及び粘膜下層の浮腫、体重増加抑制、6mg/kg投与群で精巣重量の低値を伴うライディヒ細胞の小型化、体重増加抑制が認められたが、組織構造の破壊を伴うものではなかったとの報告がある。
    また、本剤の活性本体アプレピタントを新生児の雌雄ラットに7週間反復経口投与したところ、10mg/kg 1日2回投与群以上で包皮分離の遅延及び膣開口の早期化が認められたが、これら動物の生殖行動、受胎能力、妊娠機能、生殖器の病理学的検査において変化はなく、生殖能への影響はなかったとの報告がある。

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 本剤の成分又はアプレピタントに対し過敏症の既往歴のある患者[11.1.3 参照]
  2. 2.2 ピモジド投与中の患者[10.1 参照]

3. 組成・性状

3.1 組成

ホスアプレピタント点滴静注用150mg「NK」

有効成分 ホスアプレピタントメグルミン1)    245.3mg
(ホスアプレピタントとして   150mg )
添加剤 エデト酸ナトリウム水和物2)    5.7mg
ポリソルベート802)    78.8mg
マルトース水和物2)    393.8mg
水酸化ナトリウム   適量
塩酸   適量
                
1) 本品は注射液吸引時の損失を考慮して、5%過量充填されているので、実充填量はホスアプレピタントメグルミン257.6mg(ホスアプレピタントとして157.5mg)である。
                
2) 過量充填した実充填量を示している。
              

3.2 製剤の性状

ホスアプレピタント点滴静注用150mg「NK」

剤形 凍結乾燥注射剤(バイアル)
塊又は粉末
色調 白色~灰白色
pH 7.0~9.0
(本品1バイアルを生理食塩液150mLに溶かした液)
浸透圧比 約1.0
(本品1バイアルを生理食塩液100mLに溶かした液)

4. 効能又は効果

抗悪性腫瘍剤(シスプラチン等)投与に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)(遅発期を含む)

5. 効能又は効果に関連する注意

本剤は強い悪心、嘔吐が生じる抗悪性腫瘍剤(シスプラチン等)の投与の場合に限り使用すること。[17.1.1 参照],[17.1.2 参照],[17.1.3 参照]

6. 用法及び用量

  • 〈成人及び12歳以上の小児〉

    他の制吐剤との併用において、通常、成人及び12歳以上の小児にはホスアプレピタントとして150mgを抗悪性腫瘍剤投与1日目に1回、点滴静注する。

  • 〈生後6ヵ月以上の乳幼児及び12歳未満の小児〉

    他の制吐剤との併用において、通常、生後6ヵ月以上の乳幼児及び12歳未満の小児にはホスアプレピタントとして3.0mg/kgを抗悪性腫瘍剤投与1日目に1回、点滴静注する。ただし、ホスアプレピタントとして150mgを超えないこと。

7. 用法及び用量に関連する注意

  1. 7.1 本剤は、原則としてコルチコステロイド及び5-HT3受容体拮抗型制吐剤と併用して使用すること。ただし、コルチコステロイドの用量については、本剤又は活性本体アプレピタントとコルチコステロイドの薬物相互作用を考慮して適宜減量すること。[10.2 参照],[16.7.5 参照],[17.1.1 参照],[17.1.2 参照],[17.1.3 参照]
  2. 7.2 本剤は、投与速度の増加及び投与濃度の上昇により、注射部位障害が発現しやすくなるため、本剤1バイアル(ホスアプレピタントとして150mg)を5mLの生理食塩液で溶解し、下記のとおり点滴静注すること。[14.1.1 参照]
    • 〈成人及び12歳以上の小児〉
    • 最終容量が100~250mL(最終濃度として0.6~1.5mg/mL)となるように生理食塩液で希釈し、抗悪性腫瘍剤の投与1時間前に30分間かけて点滴静注する。
    • 〈生後6ヵ月以上の乳幼児及び12歳未満の小児〉
    • 3.0mg/kgに相当する量を最終濃度が0.6~1.5mg/mLとなるように生理食塩液で希釈し、抗悪性腫瘍剤の投与1時間30分前に60分間かけて点滴静注する。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 本剤の活性本体アプレピタントはCYP3A4に対する用量依存的阻害作用を有し、抗悪性腫瘍剤を含めて併用薬剤と相互作用を起こすことがあるため、十分注意して投与すること。[10.2 参照]
  2. 8.2 長期ワルファリン療法を施行している患者には、がん化学療法の各コースにおける本剤処方の開始から2週間、特に7日目から10日目には、患者の血液凝固状態に関して綿密なモニタリングを行うこと。[10.2 参照],[16.7.7 参照]

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1 重度の肝障害患者

    本剤の活性本体アプレピタントは主として肝で代謝されるため、血中濃度が過度に上昇するおそれがある。また、重度肝機能不全(Child-Pughスコア>9)患者での使用経験はない。[16.6.3 参照]

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤の活性本体アプレピタントはラット、ウサギにおいて胎盤を通過することが報告されている。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ラットにおいて本剤の活性本体アプレピタントは乳汁中に移行することが報告されている。

9.7 小児等

低出生体重児、新生児又は生後6ヵ月未満の乳児を対象とした臨床試験は実施していない。[17.1.3 参照]

9.8 高齢者

一般に高齢者では生理機能が低下している。なお、健康な高齢者は本剤の活性本体アプレピタントの血漿中濃度(AUC、Cmax)が非高齢者に比べて若干高くなるとの報告がある。[16.6.1 参照]

10. 相互作用

  • 本剤の活性本体アプレピタントはCYP3A4の基質であり、軽度から中程度のCYP3A4阻害(用量依存的)及び誘導作用を有し、CYP2C9の誘導作用も有する。[16.4 参照]

10.1 併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子

ピモジド

  • オーラップ錠1mg、3mg、細粒1%

                  [2.2 参照]                 

左記薬剤の血中濃度上昇により、QT延長、心室性不整脈等の重篤な副作用を起こすおそれがある。

本剤の活性本体アプレピタントの用量依存的なCYP3A4阻害作用によって、左記薬剤の血中濃度上昇を来すことがあり、重篤又は生命を脅かす事象の原因となるおそれがある。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子

CYP3A4を阻害する薬剤

  • イトラコナゾール、エリスロマイシン、クラリスロマイシン、リトナビル等

                  [16.7.1 参照]                 

本剤と強力なCYP3A4阻害剤(例:ケトコナゾール)との併用は慎重に行うこと。

本剤の活性本体アプレピタントはCYP3A4の基質であるため、CYP3A4活性を阻害する薬剤と併用することによってアプレピタントの血中濃度が上昇する場合がある。

ジルチアゼム
[16.7.4 参照]

本剤とジルチアゼムとの併用投与によって、両薬剤への曝露が増大する可能性がある。

本剤の活性本体アプレピタント及びジルチアゼムの代謝が競合的に阻害される。

CYP3A4を誘導する薬剤

  • リファンピシン、カルバマゼピン、フェニトイン等

                  [16.7.2 参照]                 

本剤の作用が減弱するおそれがある。

本剤の活性本体アプレピタントはCYP3A4の基質であるため、これらの薬剤によりアプレピタントの代謝が促進される場合がある。

CYP3A4で代謝される薬剤

  • デキサメタゾン、メチルプレドニゾロン、ミダゾラム等

[7.1 参照],[8.1 参照],[16.7.3 参照],[16.7.5 参照],[16.7.6 参照]

これらの薬剤の効果が増強されるおそれがある。なお、デキサメタゾンを併用する場合は、デキサメタゾンの用量を減量するなど用量に注意すること。

本剤の活性本体アプレピタントの用量依存的なCYP3A4阻害作用によって、これらの薬剤の代謝が阻害される場合がある。

CYP2C9で代謝される薬剤

  • ワルファリン、トルブタミド、フェニトイン等

[8.2 参照],[16.7.7 参照],[16.7.8 参照]

これらの薬剤の効果が減弱されるおそれがある。

本剤の活性本体アプレピタントのCYP2C9誘導作用により、これらの薬剤の代謝が促進される場合がある。

ホルモン避妊法

  • エチニルエストラジオール等

                  [16.7.9 参照]                 

これらの薬剤の効果が減弱されるおそれがあるので、本剤の投与期間中及び最終投与から1ヵ月間は、代りの避妊法又は補助的避妊法を用いる必要がある。

機序は解明されていないが、本剤の活性本体アプレピタントとの併用によりこれらの薬剤の代謝が亢進することが報告されている。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)

    発熱、紅斑、そう痒感、眼充血、口内炎等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

  2. 11.1.2 穿孔性十二指腸潰瘍(頻度不明)
  3. 11.1.3 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)

    全身発疹、潮紅、血管浮腫、紅斑、呼吸困難、意識消失、血圧低下等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。[2.1 参照]

11.2 その他の副作用

5~10%未満

5%未満

頻度不明

皮膚

発疹

そう痒、紅斑、皮膚病変、光線過敏症、ざ瘡、多汗症、脂性肌、蕁麻疹

精神神経系

頭痛

めまい、眠気、不眠症、不安、多幸症、異常な夢、認知障害、失見当識

循環器

潮紅

徐脈、動悸、頻脈、不整脈、ほてり、血圧上昇

消化器

便秘

下痢、腹痛、腹部不快感、口内炎

悪心、嘔吐、鼓腸、消化不良、おくび、胃炎、腸炎、胃食道逆流性疾患、口内乾燥、食欲不振、腹部膨満

呼吸器

しゃっくり

咳嗽

咽頭炎、後鼻漏、くしゃみ、咽喉刺激感

肝臓

ALTの上昇

AST、アルカリホスファターゼ、γ-GTP、ビリルビンの上昇

腎臓

蛋白尿、尿糖

BUN上昇、クレアチニン上昇、頻尿、多尿、排尿困難、血尿

血液

リンパ球数減少

貧血、好中球数減少、白血球数減少、血小板数減少、単球数減少

筋骨格系

筋痙攣、筋痛、四肢痛

注射部

疼痛、そう痒感、紅斑、硬結、腫脹

血栓性静脈炎

その他

倦怠感、浮腫、味覚異常、低ナトリウム血症

胸部不快感、疲労、無力症、嗜眠、発熱、耳鳴、疼痛、粘膜の炎症、体重増加、体重減少、多飲症、高血糖、口渇、脱水、アルブミン減少、低カリウム血症、低クロール血症、結膜炎、ブドウ球菌感染症、カンジダ症

14. 適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意

  1. 14.1.1 本剤1バイアル(ホスアプレピタントとして150mg)を5mLの生理食塩液で溶解すること。溶解時は、泡立つため2~3回静かに転倒混和すること。[7.2 参照]
  2. 14.1.2 本剤は非臨床試験(in vitro)において1.5mg/mLを超える濃度で溶血が報告されているので、最終濃度として0.6~1.5mg/mLとなるよう生理食塩液で調製すること。調製した輸液は2~3回静かに転倒混和すること。

15. その他の注意

15.2 非臨床試験に基づく情報

  1. 15.2.1 本剤の活性本体アプレピタントを用いたラットの2年間投与がん原性試験において、雌雄ラットの125mg/kg 1日2回投与群以上で甲状腺濾胞細胞腺腫の発生率の増加、雄ラットの125mg/kg 1日2回投与群以上で甲状腺濾胞細胞腺癌の発生率の増加、雄ラットの125mg/kg 1日2回投与群及び雌ラットの5mg/kg 1日2回投与群以上で肝細胞腺腫の発生率の増加、雌ラットの125mg/kg 1日2回投与群以上で肝細胞癌の発生率の増加が認められたとの報告がある。
    また、マウスの2年間投与がん原性試験において、雌マウスの500mg/kg/日群以上で肝細胞腺腫の発生率の増加、雄マウスの1,000mg/kg/日群以上及び雌マウスの500mg/kg/日群以上で肝細胞癌の発生率の増加が認められたとの報告がある。
  2. 15.2.2 新生児の雌雄イヌに4週間反復静脈内投与したところ、4mg/kg投与群以上で子宮重量の高値を伴う子宮角から体部にかけての内膜及び筋層の肥厚、子宮頸部筋層の肥厚、膣粘膜固有層及び粘膜下層の浮腫、体重増加抑制、6mg/kg投与群で精巣重量の低値を伴うライディヒ細胞の小型化、体重増加抑制が認められたが、組織構造の破壊を伴うものではなかったとの報告がある。
    また、本剤の活性本体アプレピタントを新生児の雌雄ラットに7週間反復経口投与したところ、10mg/kg 1日2回投与群以上で包皮分離の遅延及び膣開口の早期化が認められたが、これら動物の生殖行動、受胎能力、妊娠機能、生殖器の病理学的検査において変化はなく、生殖能への影響はなかったとの報告がある。

その他詳細情報

日本標準商品分類番号
872391
ブランドコード
2391405D1039
承認番号
30300AMX00362
販売開始年月
2021-12
貯法
冷所(2~8℃)保存
有効期間
3年
規制区分
12

重要な注意事項

  • この情報は医療専門家による診断や治療の代替にはなりません。副作用に関する懸念がある場合は、必ず医師または薬剤師に相談してください。
  • 副作用の発生頻度や重篤度は個人差があります。ここで提供される情報は一般的なものであり、すべての患者さんに当てはまるわけではありません。
  • 薬剤の使用に関しては、必ず医療専門家の指示に従い、自己判断での変更や中止を避けてください。
  • この情報は最新のものであるよう努めていますが、最新とは限りません。常に医療専門家に確認してください。
  • 副作用に関する情報は、信頼できる医療情報源に基づいて提供されていますが、完全性や正確性を保証するものではありません。
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