薬効分類名非ステロイド型選択的ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬
一般的名称フィネレノン
ケレンディア錠10mg、ケレンディア錠20mg
けれんでぃあじょう10mg、けれんでぃあじょう20mg
Kerendia tablets 10mg, Kerendia tablets 20mg
製造販売元/バイエル薬品株式会社
重大な副作用
その他の副作用
併用注意
本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので、特に本剤開始時及び用量調節時は血清カリウム値等患者の状態を慎重に観察すること。
CYP3Aを阻害することにより本剤のクリアランスが減少する。
強い又は中程度のCYP3A誘導剤
- リファンピシン
カルバマゼピン
フェニトイン
フェノバルビタール
エファビレンツ
ミトタン
セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品等
本剤の血中濃度が著しく低下し、効果が減弱するおそれがあるので、CYP3A誘導作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること。
CYP3Aを誘導することにより本剤のクリアランスが増加する。
スピロノラクトン
トリアムテレン
カンレノ酸カリウム
エプレレノン
エサキセレノン
血清カリウム値上昇及び高カリウム血症が発現する危険性が増大するおそれがあるので、治療上必要と判断される場合にのみ併用すること。併用する場合には、血清カリウム値をより頻回に測定するなど患者の状態を慎重に観察すること。
カリウム貯留作用が増強するおそれがある。
カリウム製剤
血清カリウム値上昇及び高カリウム血症が発現する危険性が増大するおそれがあるので、血清カリウム値をより頻回に測定するなど十分に注意すること。
カリウム貯留作用が増強するおそれがある。
スルファメトキサゾール・トリメトプリム
血清カリウム値上昇及び高カリウム血症が発現する危険性が増大するおそれがあるので、血清カリウム値をより頻回に測定するなど十分に注意すること。あるいは本剤の中断を考慮すること。
カリウム貯留作用が増強するおそれがある。
グレープフルーツ含有食品
本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので、摂取しないよう注意すること。
CYP3Aを阻害することにより本剤のクリアランスが減少する。
リチウム製剤
- 炭酸リチウム
リチウム中毒を起こすおそれがあるので、血中リチウム濃度に注意すること。
明確な機序は不明であるが、ナトリウムイオン不足はリチウムイオンの貯留を促進するといわれているため、ナトリウム排泄を促進することにより起こると考えられる。
非ステロイド性消炎鎮痛薬
- インドメタシン等
腎機能障害患者では高カリウム血症があらわれるおそれがある。
明確な機序は不明であるが、プロスタグランジン産生が抑制されることにより糸球体ろ過量が減少し、カリウム貯留作用による血清カリウム値の上昇が起こると考えられる。
ミトタン
ミトタンの作用を阻害するおそれがある。
明確な機序は不明であるが、ミトタンの薬効を類薬(スピロノラクトン)が阻害するとの報告がある。
本剤40mg1日1回との併用により、これらの薬剤の血中濃度が上昇し、副作用が増強されるおそれがあるため、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。
本剤40mgがCYP3Aを弱く阻害するため、これらの薬剤の代謝が阻害されるおそれがある。
本剤40mg1日1回との併用により、これらの薬剤の血中濃度が上昇し、副作用が増強されるおそれがあるため、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。
本剤40mgがCYP2C8を弱く阻害するため、これらの薬剤の代謝が阻害されるおそれがある。
レパグリニド
[16.7.5 参照]
本剤40mg1日1回との併用により、レパグリニドの血中濃度が上昇し、副作用が増強されるおそれがあるため、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。
本剤40mgがCYP3A及びCYP2C8を弱く阻害するため、レパグリニドの代謝が阻害されるおそれがある。
2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)
-
〈効能共通〉
- 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 2.2 **,*イトラコナゾール、ポサコナゾール、ボリコナゾール、リトナビルを含有する製剤、ダルナビル、ホスアンプレナビル、コビシスタットを含有する製剤、クラリスロマイシン、エンシトレルビル、ロナファルニブ、セリチニブを投与中の患者[10.1 参照],[16.7.3 参照]
- 2.3 本剤投与開始時に血清カリウム値が5.5mEq/Lを超えている患者[高カリウム血症を増悪させるおそれがある。]
- 2.4 重度の肝機能障害(Child-Pugh分類C)のある患者[9.3.1 参照],[16.6.2 参照]
- 2.5 アジソン病の患者[本剤の作用により病態を悪化させるおそれがある。]
-
〈慢性心不全〉
- 2.6 *本剤投与開始時に重度の腎機能障害(eGFR25mL/min/1.73m2未満)のある患者[9.2.1 参照]
5. 効能又は効果に関連する注意
-
〈2型糖尿病を合併する慢性腎臓病〉
- 5.1 アンジオテンシン変換酵素阻害薬又はアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬による治療が適さない場合を除き、これらの薬剤が投与されている患者に投与すること。
- 5.2 本剤投与によりeGFRが低下することがあることから、eGFRが25mL/min/1.73m2未満の患者には、リスクとベネフィットを考慮した上で、本剤投与の適否を慎重に判断すること。[8.1 参照],[9.2.1 参照]
- 5.3 日本人部分集団では、国際共同第Ⅲ相試験(試験16244)の主要評価項目の腎複合エンドポイントにおいて、本剤のプラセボに対するハザード比は0.911であった一方で、国際共同第Ⅲ相試験(試験16244)の主要評価項目の構成要素の腎不全、及び国際共同第Ⅲ相試験(試験17530)の副次評価項目の腎複合エンドポイントにおいては、本剤のプラセボに対するハザード比が1を上回った。試験の対象となった全体集団と比べて日本人では本剤の腎不全への進展抑制効果が弱い可能性がある。[17.1.1 参照],[17.1.2 参照]
- 5.4 「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、臨床試験に組み入れられた患者の背景(原疾患、併用薬、腎機能、アルブミン尿等)を十分に理解した上で、適応患者を選択すること。[17.1.1 参照],[17.1.2 参照]
-
〈慢性心不全〉
- 5.5 *左室駆出率の低下した慢性心不全における本剤の有効性及び安全性は確立していないため、左室駆出率の保たれた又は軽度低下した慢性心不全患者に投与すること。
- 5.6 *「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、臨床試験に組み入れられた患者の背景(前治療、左室駆出率、腎機能等)を十分に理解した上で、適応患者を選択すること。[17.1.3 参照]
7. 用法及び用量に関連する注意
-
〈効能共通〉
- 7.1 *10mg錠と20mg錠の生物学的同等性は示されていないため、20mg又は40mgを投与する際には10mg錠を使用しないこと。[16.1.3 参照]
- 〈2型糖尿病を合併する慢性腎臓病〉
-
〈慢性心不全〉
-
7.3 *投与開始又は再開、用量調節から4週間後、その後も定期的に血清カリウム値及びeGFRを測定し、表に従って用量を調節すること。[8.1 参照],[8.4 参照],[8.5 参照]
投与開始時のeGFRが60mL/min/1.73m2以上の患者血清カリウム値(mEq/L)
用量調節
5.0未満の場合
40mg1日1回の場合:維持
20mg1日1回の場合:40mg1日1回に増量※
10mg1日1回の場合:20mg1日1回に増量※5.0以上5.5未満の場合
維持
5.5以上6.0未満の場合
40mg1日1回の場合:20mg1日1回に減量
20mg1日1回の場合:10mg1日1回に減量
10mg1日1回の場合:中止6.0以上の場合
中止
投与開始時のeGFRが25mL/min/1.73m2以上60mL/min/1.73m2未満の患者
血清カリウム値(mEq/L)
用量調節
5.0未満の場合
20mg1日1回の場合:維持
10mg1日1回の場合:20mg1日1回に増量※5.0以上5.5未満の場合
維持
5.5以上6.0未満の場合
20mg1日1回の場合:10mg1日1回に減量
10mg1日1回の場合:中止6.0以上の場合
中止
※:eGFRが前回の測定から30%を超えて低下していない場合に限る。
投与中止後、血清カリウム値が5.5mEq/L未満に下がった場合には、10mgを1日1回から再開することができる。ただし、血清カリウム値が6.0mEq/L以上で投与中止となり、投与中止後も連続して血清カリウム値が5.5mEq/L以上の患者では投与中止を継続し、血清カリウム値が5.0mEq/L未満に下がった場合に、10mgを1日1回から再開することができる。
-
7.3 *投与開始又は再開、用量調節から4週間後、その後も定期的に血清カリウム値及びeGFRを測定し、表に従って用量を調節すること。[8.1 参照],[8.4 参照],[8.5 参照]
8. 重要な基本的注意
-
〈効能共通〉
- 8.1 本剤の投与開始初期に、eGFRが低下することがあるので、腎機能の悪化に注意して投与すること。[5.2 参照],[7.2 参照],[7.3 参照],[9.2.1 参照]
- 8.2 降圧作用に基づくめまい等があらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。
-
〈2型糖尿病を合併する慢性腎臓病〉
- 8.3 高カリウム血症があらわれることがあるので、原則として血清カリウム値が4.8mEq/L以下の患者に投与開始し、投与開始又は再開、増量から4週後に血清カリウム値及びeGFRを測定し、その後も定期的に測定すること。また、投与開始時の血清カリウム値が4.8mEq/L超の患者では、血清カリウム値及び患者の状態に応じて投与開始から4週後よりも前に追加の血清カリウム値測定を考慮すること。[7.2 参照],[9.1.1 参照],[9.1.2 参照],[11.1.1 参照]
-
〈慢性心不全〉
- 8.4 *高カリウム血症があらわれることがあるので、原則として血清カリウム値が5.0mEq/L以下の患者に投与開始し、投与開始又は再開、用量調節から4週後に血清カリウム値及びeGFRを測定し、その後も定期的に測定すること。また、投与開始時の血清カリウム値が5.0mEq/L超の患者では、血清カリウム値及び患者の状態に応じて投与開始から4週後よりも前に追加の血清カリウム値測定を考慮すること。[7.3 参照],[9.1.1 参照],[9.1.2 参照],[11.1.1 参照]
- 8.5 *腎機能の悪化があらわれることがあるので、投与中は定期的にeGFRを測定し、患者の状態を慎重に観察すること。[7.3 参照],[9.2.1 参照]
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
-
9.1.1 血清カリウム値が5.0mEq/L超5.5mEq/L以下の患者
本剤投与の適否を慎重に判断すること。高カリウム血症を増悪させるおそれがある。[8.3 参照],[8.4 参照],[11.1.1 参照]
-
9.1.2 高カリウム血症の発現リスクが高い患者
以下のような患者では、より頻回に血清カリウム値を測定すること。高カリウム血症の発現リスクが高まるおそれがある。[8.3 参照],[8.4 参照],[11.1.1 参照]
9.2 腎機能障害患者
-
9.2.1 *重度の腎機能障害患者
-
〈2型糖尿病を合併する慢性腎臓病〉
本剤投与によりeGFRが低下することがあることから、eGFRが25mL/min/1.73m2未満の患者には本剤投与の適否を慎重に判断すること。また、本剤投与中に末期腎不全又は透析に至った場合は、本剤の投与を中止すること。高カリウム血症の発現リスクが高まるおそれがある。[5.2 参照],[8.1 参照]
-
〈慢性心不全〉
本剤投与によりeGFRが低下し、腎機能が悪化するおそれがあることから、本剤投与開始時にeGFRが25mL/min/1.73m2未満の患者には投与しないこと。また、本剤投与中にeGFRが25mL/min/1.73m2未満に低下した場合は、本剤の投与中止を考慮すること。本剤投与中に末期腎不全又は透析に至った場合は、本剤の投与を中止すること。高カリウム血症の発現リスクが高まるおそれがある。[2.6 参照],[8.1 参照],[8.5 参照]
-
〈2型糖尿病を合併する慢性腎臓病〉
9.3 肝機能障害患者
-
9.3.1 重度の肝機能障害(Child-Pugh分類C)のある患者
投与しないこと。本剤の血中濃度が上昇するおそれがあり、臨床試験で除外されている。[2.4 参照],[16.6.2 参照]
-
9.3.2 中等度の肝機能障害(Child-Pugh分類B)のある患者
患者の状態に応じて、より頻回に血清カリウム値を測定すること。本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。[16.6.2 参照]
9.4 生殖能を有する者
妊娠可能な女性に対しては、投与中は適切な避妊を行うよう指導すること。[9.5 参照]
9.5 妊婦
*妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット)において、催奇形性(重複大動脈弓)がヒト(40mg1日1回投与)の約10倍、胚・胎児毒性(胎児体重の減少)が約7倍、受胎能への影響として黄体数、着床数の減少及び初期胚発生への影響(着床後死亡数の増加及び生存胎児数の減少)が約9倍、卵巣重量の低値が約7倍の全身曝露量で認められた。また、動物実験(ラット)において、児に妊娠中の曝露によると考えられる軽度の自発運動量増加がヒトの約2倍の母動物への全身曝露量で認められた。[9.4 参照]
9.6 授乳婦
*授乳を避けさせること。動物実験(ラット、静脈内投与)で乳汁中へ移行することが報告されている。また、ラットの母動物においてヒト(40mg1日1回投与)の約2倍の全身曝露量で、授乳期の児に明らかな有害作用(死亡率の増加)が認められた。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
10. 相互作用
- *本剤は主としてCYP3Aにより代謝される。また、本剤40mg1日1回投与はCYP3A及びCYP2C8の弱い阻害作用を示す。[16.4 参照],[16.7.4 参照],[16.7.5 参照]
10.1 併用禁忌(併用しないこと)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
イトラコナゾール(イトリゾール) ポサコナゾール(ノクサフィル) ボリコナゾール(ブイフェンド) リトナビル含有製剤(ノービア、カレトラ、パキロビッド) *ダルナビル(プリジスタ) ホスアンプレナビル(レクシヴァ) コビシスタット含有製剤(ゲンボイヤ、シムツーザ、プレジコビックス) クラリスロマイシン(クラリス、クラリシッド) エンシトレルビル(ゾコーバ) *ロナファルニブ(ゾキンヴィ) **セリチニブ(ジカディア) |
本剤の血中濃度が著しく上昇するおそれがある。 |
CYP3Aを強く阻害することにより本剤のクリアランスが減少する。 |
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので、特に本剤開始時及び用量調節時は血清カリウム値等患者の状態を慎重に観察すること。 |
CYP3Aを阻害することにより本剤のクリアランスが減少する。 |
|
強い又は中程度のCYP3A誘導剤 |
本剤の血中濃度が著しく低下し、効果が減弱するおそれがあるので、CYP3A誘導作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること。 |
CYP3Aを誘導することにより本剤のクリアランスが増加する。 |
スピロノラクトン |
血清カリウム値上昇及び高カリウム血症が発現する危険性が増大するおそれがあるので、治療上必要と判断される場合にのみ併用すること。併用する場合には、血清カリウム値をより頻回に測定するなど患者の状態を慎重に観察すること。 |
カリウム貯留作用が増強するおそれがある。 |
カリウム製剤 |
血清カリウム値上昇及び高カリウム血症が発現する危険性が増大するおそれがあるので、血清カリウム値をより頻回に測定するなど十分に注意すること。 |
カリウム貯留作用が増強するおそれがある。 |
スルファメトキサゾール・トリメトプリム |
血清カリウム値上昇及び高カリウム血症が発現する危険性が増大するおそれがあるので、血清カリウム値をより頻回に測定するなど十分に注意すること。あるいは本剤の中断を考慮すること。 |
カリウム貯留作用が増強するおそれがある。 |
グレープフルーツ含有食品 |
本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので、摂取しないよう注意すること。 |
CYP3Aを阻害することにより本剤のクリアランスが減少する。 |
リチウム中毒を起こすおそれがあるので、血中リチウム濃度に注意すること。 |
明確な機序は不明であるが、ナトリウムイオン不足はリチウムイオンの貯留を促進するといわれているため、ナトリウム排泄を促進することにより起こると考えられる。 |
|
腎機能障害患者では高カリウム血症があらわれるおそれがある。 |
明確な機序は不明であるが、プロスタグランジン産生が抑制されることにより糸球体ろ過量が減少し、カリウム貯留作用による血清カリウム値の上昇が起こると考えられる。 |
|
ミトタン |
ミトタンの作用を阻害するおそれがある。 |
明確な機序は不明であるが、ミトタンの薬効を類薬(スピロノラクトン)が阻害するとの報告がある。 |
*本剤40mg1日1回との併用により、これらの薬剤の血中濃度が上昇し、副作用が増強されるおそれがあるため、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。 |
*本剤40mgがCYP3Aを弱く阻害するため、これらの薬剤の代謝が阻害されるおそれがある。 |
|
*本剤40mg1日1回との併用により、これらの薬剤の血中濃度が上昇し、副作用が増強されるおそれがあるため、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。 |
*本剤40mgがCYP2C8を弱く阻害するため、これらの薬剤の代謝が阻害されるおそれがある。 |
|
*レパグリニド |
*本剤40mg1日1回との併用により、レパグリニドの血中濃度が上昇し、副作用が増強されるおそれがあるため、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。 |
*本剤40mgがCYP3A及びCYP2C8を弱く阻害するため、レパグリニドの代謝が阻害されるおそれがある。 |
13. 過量投与
タンパク結合率が約90%のため、血液透析は本剤の除去には有用でないと考えられる。[16.3 参照]
2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)
-
〈効能共通〉
- 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 2.2 **,*イトラコナゾール、ポサコナゾール、ボリコナゾール、リトナビルを含有する製剤、ダルナビル、ホスアンプレナビル、コビシスタットを含有する製剤、クラリスロマイシン、エンシトレルビル、ロナファルニブ、セリチニブを投与中の患者[10.1 参照],[16.7.3 参照]
- 2.3 本剤投与開始時に血清カリウム値が5.5mEq/Lを超えている患者[高カリウム血症を増悪させるおそれがある。]
- 2.4 重度の肝機能障害(Child-Pugh分類C)のある患者[9.3.1 参照],[16.6.2 参照]
- 2.5 アジソン病の患者[本剤の作用により病態を悪化させるおそれがある。]
-
〈慢性心不全〉
- 2.6 *本剤投与開始時に重度の腎機能障害(eGFR25mL/min/1.73m2未満)のある患者[9.2.1 参照]
5. 効能又は効果に関連する注意
-
〈2型糖尿病を合併する慢性腎臓病〉
- 5.1 アンジオテンシン変換酵素阻害薬又はアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬による治療が適さない場合を除き、これらの薬剤が投与されている患者に投与すること。
- 5.2 本剤投与によりeGFRが低下することがあることから、eGFRが25mL/min/1.73m2未満の患者には、リスクとベネフィットを考慮した上で、本剤投与の適否を慎重に判断すること。[8.1 参照],[9.2.1 参照]
- 5.3 日本人部分集団では、国際共同第Ⅲ相試験(試験16244)の主要評価項目の腎複合エンドポイントにおいて、本剤のプラセボに対するハザード比は0.911であった一方で、国際共同第Ⅲ相試験(試験16244)の主要評価項目の構成要素の腎不全、及び国際共同第Ⅲ相試験(試験17530)の副次評価項目の腎複合エンドポイントにおいては、本剤のプラセボに対するハザード比が1を上回った。試験の対象となった全体集団と比べて日本人では本剤の腎不全への進展抑制効果が弱い可能性がある。[17.1.1 参照],[17.1.2 参照]
- 5.4 「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、臨床試験に組み入れられた患者の背景(原疾患、併用薬、腎機能、アルブミン尿等)を十分に理解した上で、適応患者を選択すること。[17.1.1 参照],[17.1.2 参照]
-
〈慢性心不全〉
- 5.5 *左室駆出率の低下した慢性心不全における本剤の有効性及び安全性は確立していないため、左室駆出率の保たれた又は軽度低下した慢性心不全患者に投与すること。
- 5.6 *「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、臨床試験に組み入れられた患者の背景(前治療、左室駆出率、腎機能等)を十分に理解した上で、適応患者を選択すること。[17.1.3 参照]
7. 用法及び用量に関連する注意
-
〈効能共通〉
- 7.1 *10mg錠と20mg錠の生物学的同等性は示されていないため、20mg又は40mgを投与する際には10mg錠を使用しないこと。[16.1.3 参照]
- 〈2型糖尿病を合併する慢性腎臓病〉
-
〈慢性心不全〉
-
7.3 *投与開始又は再開、用量調節から4週間後、その後も定期的に血清カリウム値及びeGFRを測定し、表に従って用量を調節すること。[8.1 参照],[8.4 参照],[8.5 参照]
投与開始時のeGFRが60mL/min/1.73m2以上の患者血清カリウム値(mEq/L)
用量調節
5.0未満の場合
40mg1日1回の場合:維持
20mg1日1回の場合:40mg1日1回に増量※
10mg1日1回の場合:20mg1日1回に増量※5.0以上5.5未満の場合
維持
5.5以上6.0未満の場合
40mg1日1回の場合:20mg1日1回に減量
20mg1日1回の場合:10mg1日1回に減量
10mg1日1回の場合:中止6.0以上の場合
中止
投与開始時のeGFRが25mL/min/1.73m2以上60mL/min/1.73m2未満の患者
血清カリウム値(mEq/L)
用量調節
5.0未満の場合
20mg1日1回の場合:維持
10mg1日1回の場合:20mg1日1回に増量※5.0以上5.5未満の場合
維持
5.5以上6.0未満の場合
20mg1日1回の場合:10mg1日1回に減量
10mg1日1回の場合:中止6.0以上の場合
中止
※:eGFRが前回の測定から30%を超えて低下していない場合に限る。
投与中止後、血清カリウム値が5.5mEq/L未満に下がった場合には、10mgを1日1回から再開することができる。ただし、血清カリウム値が6.0mEq/L以上で投与中止となり、投与中止後も連続して血清カリウム値が5.5mEq/L以上の患者では投与中止を継続し、血清カリウム値が5.0mEq/L未満に下がった場合に、10mgを1日1回から再開することができる。
-
7.3 *投与開始又は再開、用量調節から4週間後、その後も定期的に血清カリウム値及びeGFRを測定し、表に従って用量を調節すること。[8.1 参照],[8.4 参照],[8.5 参照]
8. 重要な基本的注意
-
〈効能共通〉
- 8.1 本剤の投与開始初期に、eGFRが低下することがあるので、腎機能の悪化に注意して投与すること。[5.2 参照],[7.2 参照],[7.3 参照],[9.2.1 参照]
- 8.2 降圧作用に基づくめまい等があらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。
-
〈2型糖尿病を合併する慢性腎臓病〉
- 8.3 高カリウム血症があらわれることがあるので、原則として血清カリウム値が4.8mEq/L以下の患者に投与開始し、投与開始又は再開、増量から4週後に血清カリウム値及びeGFRを測定し、その後も定期的に測定すること。また、投与開始時の血清カリウム値が4.8mEq/L超の患者では、血清カリウム値及び患者の状態に応じて投与開始から4週後よりも前に追加の血清カリウム値測定を考慮すること。[7.2 参照],[9.1.1 参照],[9.1.2 参照],[11.1.1 参照]
-
〈慢性心不全〉
- 8.4 *高カリウム血症があらわれることがあるので、原則として血清カリウム値が5.0mEq/L以下の患者に投与開始し、投与開始又は再開、用量調節から4週後に血清カリウム値及びeGFRを測定し、その後も定期的に測定すること。また、投与開始時の血清カリウム値が5.0mEq/L超の患者では、血清カリウム値及び患者の状態に応じて投与開始から4週後よりも前に追加の血清カリウム値測定を考慮すること。[7.3 参照],[9.1.1 参照],[9.1.2 参照],[11.1.1 参照]
- 8.5 *腎機能の悪化があらわれることがあるので、投与中は定期的にeGFRを測定し、患者の状態を慎重に観察すること。[7.3 参照],[9.2.1 参照]
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
-
9.1.1 血清カリウム値が5.0mEq/L超5.5mEq/L以下の患者
本剤投与の適否を慎重に判断すること。高カリウム血症を増悪させるおそれがある。[8.3 参照],[8.4 参照],[11.1.1 参照]
-
9.1.2 高カリウム血症の発現リスクが高い患者
以下のような患者では、より頻回に血清カリウム値を測定すること。高カリウム血症の発現リスクが高まるおそれがある。[8.3 参照],[8.4 参照],[11.1.1 参照]
9.2 腎機能障害患者
-
9.2.1 *重度の腎機能障害患者
-
〈2型糖尿病を合併する慢性腎臓病〉
本剤投与によりeGFRが低下することがあることから、eGFRが25mL/min/1.73m2未満の患者には本剤投与の適否を慎重に判断すること。また、本剤投与中に末期腎不全又は透析に至った場合は、本剤の投与を中止すること。高カリウム血症の発現リスクが高まるおそれがある。[5.2 参照],[8.1 参照]
-
〈慢性心不全〉
本剤投与によりeGFRが低下し、腎機能が悪化するおそれがあることから、本剤投与開始時にeGFRが25mL/min/1.73m2未満の患者には投与しないこと。また、本剤投与中にeGFRが25mL/min/1.73m2未満に低下した場合は、本剤の投与中止を考慮すること。本剤投与中に末期腎不全又は透析に至った場合は、本剤の投与を中止すること。高カリウム血症の発現リスクが高まるおそれがある。[2.6 参照],[8.1 参照],[8.5 参照]
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〈2型糖尿病を合併する慢性腎臓病〉
9.3 肝機能障害患者
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9.3.1 重度の肝機能障害(Child-Pugh分類C)のある患者
投与しないこと。本剤の血中濃度が上昇するおそれがあり、臨床試験で除外されている。[2.4 参照],[16.6.2 参照]
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9.3.2 中等度の肝機能障害(Child-Pugh分類B)のある患者
患者の状態に応じて、より頻回に血清カリウム値を測定すること。本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。[16.6.2 参照]
9.4 生殖能を有する者
妊娠可能な女性に対しては、投与中は適切な避妊を行うよう指導すること。[9.5 参照]
9.5 妊婦
*妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット)において、催奇形性(重複大動脈弓)がヒト(40mg1日1回投与)の約10倍、胚・胎児毒性(胎児体重の減少)が約7倍、受胎能への影響として黄体数、着床数の減少及び初期胚発生への影響(着床後死亡数の増加及び生存胎児数の減少)が約9倍、卵巣重量の低値が約7倍の全身曝露量で認められた。また、動物実験(ラット)において、児に妊娠中の曝露によると考えられる軽度の自発運動量増加がヒトの約2倍の母動物への全身曝露量で認められた。[9.4 参照]
9.6 授乳婦
*授乳を避けさせること。動物実験(ラット、静脈内投与)で乳汁中へ移行することが報告されている。また、ラットの母動物においてヒト(40mg1日1回投与)の約2倍の全身曝露量で、授乳期の児に明らかな有害作用(死亡率の増加)が認められた。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
10. 相互作用
- *本剤は主としてCYP3Aにより代謝される。また、本剤40mg1日1回投与はCYP3A及びCYP2C8の弱い阻害作用を示す。[16.4 参照],[16.7.4 参照],[16.7.5 参照]
10.1 併用禁忌(併用しないこと)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
イトラコナゾール(イトリゾール) ポサコナゾール(ノクサフィル) ボリコナゾール(ブイフェンド) リトナビル含有製剤(ノービア、カレトラ、パキロビッド) *ダルナビル(プリジスタ) ホスアンプレナビル(レクシヴァ) コビシスタット含有製剤(ゲンボイヤ、シムツーザ、プレジコビックス) クラリスロマイシン(クラリス、クラリシッド) エンシトレルビル(ゾコーバ) *ロナファルニブ(ゾキンヴィ) **セリチニブ(ジカディア) |
本剤の血中濃度が著しく上昇するおそれがある。 |
CYP3Aを強く阻害することにより本剤のクリアランスが減少する。 |
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので、特に本剤開始時及び用量調節時は血清カリウム値等患者の状態を慎重に観察すること。 |
CYP3Aを阻害することにより本剤のクリアランスが減少する。 |
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強い又は中程度のCYP3A誘導剤 |
本剤の血中濃度が著しく低下し、効果が減弱するおそれがあるので、CYP3A誘導作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること。 |
CYP3Aを誘導することにより本剤のクリアランスが増加する。 |
スピロノラクトン |
血清カリウム値上昇及び高カリウム血症が発現する危険性が増大するおそれがあるので、治療上必要と判断される場合にのみ併用すること。併用する場合には、血清カリウム値をより頻回に測定するなど患者の状態を慎重に観察すること。 |
カリウム貯留作用が増強するおそれがある。 |
カリウム製剤 |
血清カリウム値上昇及び高カリウム血症が発現する危険性が増大するおそれがあるので、血清カリウム値をより頻回に測定するなど十分に注意すること。 |
カリウム貯留作用が増強するおそれがある。 |
スルファメトキサゾール・トリメトプリム |
血清カリウム値上昇及び高カリウム血症が発現する危険性が増大するおそれがあるので、血清カリウム値をより頻回に測定するなど十分に注意すること。あるいは本剤の中断を考慮すること。 |
カリウム貯留作用が増強するおそれがある。 |
グレープフルーツ含有食品 |
本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので、摂取しないよう注意すること。 |
CYP3Aを阻害することにより本剤のクリアランスが減少する。 |
リチウム中毒を起こすおそれがあるので、血中リチウム濃度に注意すること。 |
明確な機序は不明であるが、ナトリウムイオン不足はリチウムイオンの貯留を促進するといわれているため、ナトリウム排泄を促進することにより起こると考えられる。 |
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腎機能障害患者では高カリウム血症があらわれるおそれがある。 |
明確な機序は不明であるが、プロスタグランジン産生が抑制されることにより糸球体ろ過量が減少し、カリウム貯留作用による血清カリウム値の上昇が起こると考えられる。 |
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ミトタン |
ミトタンの作用を阻害するおそれがある。 |
明確な機序は不明であるが、ミトタンの薬効を類薬(スピロノラクトン)が阻害するとの報告がある。 |
*本剤40mg1日1回との併用により、これらの薬剤の血中濃度が上昇し、副作用が増強されるおそれがあるため、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。 |
*本剤40mgがCYP3Aを弱く阻害するため、これらの薬剤の代謝が阻害されるおそれがある。 |
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*本剤40mg1日1回との併用により、これらの薬剤の血中濃度が上昇し、副作用が増強されるおそれがあるため、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。 |
*本剤40mgがCYP2C8を弱く阻害するため、これらの薬剤の代謝が阻害されるおそれがある。 |
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*レパグリニド |
*本剤40mg1日1回との併用により、レパグリニドの血中濃度が上昇し、副作用が増強されるおそれがあるため、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。 |
*本剤40mgがCYP3A及びCYP2C8を弱く阻害するため、レパグリニドの代謝が阻害されるおそれがある。 |
13. 過量投与
タンパク結合率が約90%のため、血液透析は本剤の除去には有用でないと考えられる。[16.3 参照]