薬効分類名胆汁排泄型持続性AT₁受容体ブロッカー/利尿薬合剤

一般的名称テルミサルタン/ヒドロクロロチアジド配合錠

テルチア配合錠AP「トーワ」、テルチア配合錠BP「トーワ」

TELTHIA, TELTHIA

製造販売元/東和薬品株式会社

第4版
禁忌相互作用合併症・既往歴等のある患者腎機能障害患者肝機能障害患者生殖能を有する者妊婦授乳婦小児等高齢者

重大な副作用

頻度
副作用
頻度不明
頻度不明
0.5%未満
頻度不明
頻度不明
頻度不明
頻度不明
頻度不明
頻度不明
頻度不明
頻度不明
頻度不明
頻度不明
頻度不明
頻度不明
頻度不明
頻度不明
頻度不明
頻度不明

その他の副作用

部位
頻度
副作用
免疫系
0.5~5%未満
免疫系
0.5%未満
免疫系
頻度不明
脳・神経
5%以上
めまい(5.5%)
脳・神経
0.5%未満
脳・神経
頻度不明
不安頭のぼんやり感不眠睡眠障害うつ状態知覚異常錯感覚頭痛
心臓・血管
0.5~5%未満
心臓・血管
0.5%未満
胃腸・消化器系
0.5%未満
胃腸・消化器系
頻度不明
頻度不明
視覚異常視力異常霧視等)黄視症結膜炎目のチカチカ感羞明
肝臓まわり
0.5%未満
肺・呼吸
頻度不明
腎・尿路
0.5~5%未満
内分泌・代謝系
頻度不明
運動器
頻度不明
その他
0.5%未満

併用注意

薬剤名等

ジギタリス剤

  • ジゴキシン
    ジギトキシン
臨床症状・措置方法

テルミサルタンとの併用により、血中ジゴキシン濃度が上昇したとの報告がある。

機序・危険因子

テルミサルタン:機序不明。

薬剤名等

ジギタリス剤

  • ジゴキシン
  • ジギトキシン
臨床症状・措置方法

ヒドロクロロチアジドとの併用により、ジギタリスの心臓に対する作用を増強し、不整脈等を起こすことがある。血清カリウム値に十分注意すること。

機序・危険因子

ヒドロクロロチアジド:ヒドロクロロチアジドによる血清カリウム値の低下により多量のジギタリスが心筋Na-K ATPaseに結合し、心収縮力増強と不整脈が起こる。マグネシウム低下も同様の作用を示す。

薬剤名等

カリウム保持性利尿剤

  • スピロノラクトン
    トリアムテレン等

カリウム補給剤

臨床症状・措置方法

血清カリウム濃度が上昇するおそれがある。

機序・危険因子

テルミサルタン:カリウム貯留作用が増強するおそれがある。
危険因子:特に腎機能障害のある患者。

薬剤名等

リチウム製剤

  • 炭酸リチウム
臨床症状・措置方法

アンジオテンシン変換酵素阻害剤との併用により、リチウム中毒を起こすことが報告されている。

機序・危険因子

テルミサルタン:明確な機序は不明であるが、ナトリウムイオン不足はリチウムイオンの貯留を促進するといわれているため、テルミサルタンがナトリウム排泄を促進することにより起こると考えられる。

薬剤名等

リチウム製剤

  • 炭酸リチウム
臨床症状・措置方法

ヒドロクロロチアジドにより、振戦、消化器愁訴等、リチウム中毒を増強することがある。

機序・危険因子

ヒドロクロロチアジド:腎におけるリチウムの再吸収を促進し、リチウムの血中濃度を上昇させる。

薬剤名等

利尿降圧剤

  • フロセミド、トリクロルメチアジド等

[11.1.5 参照]

臨床症状・措置方法

急激な血圧低下を起こすおそれがあるので、低用量から投与を開始し、増量する場合は徐々に行うこと。

機序・危険因子

利尿降圧剤で治療を受けている患者にはレニン活性が亢進している患者が多く、本剤が奏効しやすい。

薬剤名等

非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDS

臨床症状・措置方法

糸球体濾過量がより減少し、腎障害のある患者では急性腎障害を引き起こす可能性がある。

機序・危険因子

テルミサルタン:プロスタグランジン合成阻害作用により、腎血流量が低下するためと考えられる。

薬剤名等

非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDS

臨床症状・措置方法

降圧薬の効果を減弱させることが報告されている。

機序・危険因子

テルミサルタン:血管拡張作用を有するプロスタグランジンの合成が阻害されるため、降圧薬の血圧低下作用を減弱させると考えられている。

薬剤名等

非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDS

臨床症状・措置方法

チアジド系薬剤の作用が減弱することがある。

機序・危険因子

ヒドロクロロチアジド:非ステロイド系消炎鎮痛剤のプロスタグランジン合成酵素阻害作用により、腎内プロスタグランジンが減少し、水・ナトリウムの体内貯留が生じてヒドロクロロチアジドの作用と拮抗する。

薬剤名等

アンジオテンシン変換酵素阻害剤

臨床症状・措置方法

急性腎障害を含む腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがある。

機序・危険因子

テルミサルタン:レニン-アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。

薬剤名等

アリスキレンフマル酸塩

臨床症状・措置方法

腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがある。なお、eGFRが60mL/min/1.73m2未満の腎機能障害のある患者へのアリスキレンフマル酸塩との併用については、治療上やむを得ないと判断される場合を除き避けること。

機序・危険因子

テルミサルタン:レニン-アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。

薬剤名等

バルビツール酸誘導体

臨床症状・措置方法

起立性低血圧が増強されることがある。

機序・危険因子

ヒドロクロロチアジド:これらの薬剤の中枢抑制作用と利尿剤の降圧作用による。

薬剤名等

あへんアルカロイド系麻薬

臨床症状・措置方法

起立性低血圧が増強されることがある。

機序・危険因子

ヒドロクロロチアジド:あへんアルカロイドの大量投与で血圧下降があらわれることが報告されている。

薬剤名等

アルコール

臨床症状・措置方法

起立性低血圧が増強されることがある。

機序・危険因子

ヒドロクロロチアジド:血管拡張作用を有するアルコールとの併用により降圧作用が増強される可能性がある。

薬剤名等

昇圧アミン

  • ノルアドレナリン
    アドレナリン
臨床症状・措置方法

昇圧アミンの作用を減弱することがある。
手術前の患者に使用する場合、本剤の一時休薬等の処置を講ずること。

機序・危険因子

ヒドロクロロチアジド:チアジド系利尿剤は昇圧アミンに対する血管壁の反応性を低下させることが報告されている。

薬剤名等

ツボクラリン及びその類似作用物質

  • ツボクラリン塩化物塩酸塩水和物
    パンクロニウム臭化物
臨床症状・措置方法

ツボクラリン及びその類似作用物質の麻痺作用を増強することがある。
手術前の患者に使用する場合、本剤の一時休薬等の処置を講ずること。

機序・危険因子

ヒドロクロロチアジド:ヒドロクロロチアジドによる血清カリウム値の低下により、これらの薬剤の神経・筋遮断作用を増強すると考えられている。

薬剤名等

降圧作用を有する他の薬剤

  • β-遮断剤
    ニトログリセリン等
臨床症状・措置方法

降圧作用を増強するおそれがある。
降圧剤の用量調節等に注意すること。

機序・危険因子

ヒドロクロロチアジド:作用機序の異なる降圧作用により互いに協力的に作用する。

薬剤名等

乳酸ナトリウム

臨床症状・措置方法

チアジド系薬剤による代謝性アルカローシス、低カリウム血症を増強することがある。

機序・危険因子

ヒドロクロロチアジド:ヒドロクロロチアジドによるカリウム排泄作用により低カリウム血症や代謝性アルカローシスが引き起こされることがある。アルカリ化剤である乳酸ナトリウムの併用はこの状態をさらに増強させる。

薬剤名等

糖質副腎皮質ホルモン剤
ACTH

臨床症状・措置方法

低カリウム血症が発現することがある。

機序・危険因子

ヒドロクロロチアジド:ヒドロクロロチアジド及び糖質副腎皮質ホルモン剤ともカリウム排泄作用を持つ。

薬剤名等

グリチルリチン製剤

臨床症状・措置方法

血清カリウム値の低下があらわれやすくなる。

機序・危険因子

ヒドロクロロチアジド:グリチルリチン製剤は低カリウム血症を主徴とした偽アルドステロン症を引き起こすことがある。したがってヒドロクロロチアジドとの併用により低カリウム血症を増強する可能性がある。

薬剤名等

糖尿病用剤

  • SU剤
    インスリン
臨床症状・措置方法

糖尿病用剤の作用を著しく減弱することがある。

機序・危険因子

ヒドロクロロチアジド:機序は明確ではないが、ヒドロクロロチアジドによるカリウム喪失により膵臓のβ細胞のインスリン放出が低下すると考えられている。

薬剤名等

コレスチラミン

臨床症状・措置方法

チアジド系薬剤の作用が減弱することがある。

機序・危険因子

ヒドロクロロチアジド:コレスチラミンの吸着作用により、チアジド系薬剤の吸収が阻害されることがある。

薬剤名等

スルフィンピラゾン

臨床症状・措置方法

チアジド系薬剤はスルフィンピラゾンの尿酸排泄作用に拮抗することがある。

機序・危険因子

ヒドロクロロチアジド:チアジド系利尿剤は、腎での尿酸分泌の阻害、尿酸再吸収の増大作用を有すると考えられ、スルフィンピラゾンの尿酸排泄作用に拮抗することがある。

詳細情報

正確な情報は PMDA で必ず確認して下さい

注意以下の情報は参考資料としてご活用下さい

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 本剤の成分及びチアジド系薬剤又はその類似化合物(例えばクロルタリドン等のスルフォンアミド誘導体)に対し過敏症の既往歴のある患者
  2. 2.2 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5 参照]
  3. 2.3 胆汁の分泌が極めて悪い患者又は重篤な肝障害のある患者[9.3.1 参照]
  4. 2.4 無尿の患者又は血液透析中の患者[本剤の効果が期待できない。][9.2.1 参照]
  5. 2.5 急性腎不全の患者[9.2.2 参照]
  6. 2.6 体液中のナトリウム・カリウムが明らかに減少している患者[低ナトリウム血症、低カリウム血症等の電解質失調を悪化させるおそれがある。][11.1.3 参照]
  7. 2.7 アリスキレンフマル酸塩を投与中の糖尿病患者(ただし、他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く)[10.1 参照]
  8. 2.8 デスモプレシン酢酸塩水和物(男性における夜間多尿による夜間頻尿)を投与中の患者[10.1 参照]

3. 組成・性状

3.1 組成

テルチア配合錠AP「トーワ」

有効成分 1錠中  
日局 テルミサルタン
   40mg
日局 ヒドロクロロチアジド
   12.5mg
添加剤 D-マンニトール、ヒドロキシプロピルセルロース、メグルミン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、酸化チタン、マクロゴール6000、タルク、黄色三二酸化鉄
テルチア配合錠BP「トーワ」

有効成分 1錠中  
日局 テルミサルタン
   80mg
日局 ヒドロクロロチアジド
   12.5mg
添加剤 D-マンニトール、ヒドロキシプロピルセルロース、メグルミン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、酸化チタン、マクロゴール6000、タルク、黄色三二酸化鉄

3.2 製剤の性状

テルチア配合錠AP「トーワ」

剤形 フィルムコーティング錠
色調 淡黄色
外形 表面
裏面
側面
大きさ 直径 8.6mm
厚さ 4.2mm
質量 253mg
本体
表示
テルチア AP トーワ
テルミ 40
ヒドロクロロ 12.5
テルチア配合錠BP「トーワ」

剤形 フィルムコーティング錠
色調 淡黄色
外形 表面
裏面
側面
大きさ 直径 11.2mm
厚さ 4.9mm
質量 463mg
本体
表示
テルチア BP トーワ
テルミ 80
ヒドロクロロ 12.5

4. 効能又は効果

高血圧症

5. 効能又は効果に関連する注意

  1. 5.1 過度な血圧低下のおそれ等があり、本剤を高血圧治療の第一選択薬としないこと。
  2. 5.2 原則として、テルミサルタン40mgで効果不十分な場合にテルミサルタン/ヒドロクロロチアジド40mg/12.5mgの投与を、テルミサルタン80mg、又はテルミサルタン/ヒドロクロロチアジド40mg/12.5mgで効果不十分な場合にテルミサルタン/ヒドロクロロチアジド80mg/12.5mgの投与を検討すること。

6. 用法及び用量

成人には1日1回1錠(テルミサルタン/ヒドロクロロチアジドとして40mg/12.5mg又は80mg/12.5mg)を経口投与する。本剤は高血圧治療の第一選択薬として用いない。

7. 用法及び用量に関連する注意

肝障害のある患者に投与する場合、テルミサルタン/ヒドロクロロチアジドとして40mg/12.5mgを超えて投与しないこと。[9.3.2 参照]

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 本剤は、テルミサルタン40mgあるいは80mgとヒドロクロロチアジド12.5mgとの配合剤であり、テルミサルタンとヒドロクロロチアジド双方の副作用が発現するおそれがあるため、適切に本剤の使用を検討すること。
  2. 8.2 血清クレアチニン値上昇及び血清尿酸値上昇のおそれがあるので、定期的に血清クレアチニン値及び血清尿酸値のモニタリングを実施し、観察を十分に行うこと。[9.2.4 参照]
  3. 8.3 本剤の成分であるヒドロクロロチアジドは低カリウム血症を起こすことが知られているため、血清カリウム値のモニタリングを定期的に実施し、観察を十分に行うこと。
  4. 8.4 本剤の成分であるヒドロクロロチアジドは高尿酸血症を発現させるおそれがあるので、本剤投与中は定期的に血清尿酸値のモニタリングを実施し、観察を十分に行うこと。血清尿酸値の上昇が観察された場合は、その程度に応じて投薬の中止など適切な処置を行うこと。
  5. 8.5 本剤の成分であるヒドロクロロチアジドは急性近視、閉塞隅角緑内障、脈絡膜滲出を発現させるおそれがあるので、急激な視力の低下や眼痛等の異常が認められた場合には、直ちに眼科医の診察を受けるよう、患者に指導すること。[11.1.12 参照]
  6. 8.6 降圧作用に基づく失神、めまい、ふらつきがあらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。
  7. 8.7 手術前24時間は投与しないことが望ましい。アンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤投与中の患者は、麻酔及び手術中にレニン-アンジオテンシン系の抑制作用による高度な血圧低下を起こす可能性がある。
  8. 8.8 本剤を含むアンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤投与中に肝炎等の重篤な肝障害があらわれたとの報告があるので、肝機能検査を実施するなど、観察を十分に行うこと。[11.1.6 参照]
  9. 8.9 本剤の利尿効果は急激にあらわれることがあるので、電解質失調、脱水に十分注意すること。
  10. 8.10 連用する場合、電解質失調があらわれることがあるので定期的に検査を行うこと。
  11. 8.11 重篤な血液障害があらわれることがあるので、定期的に検査を実施するなど観察を十分に行うこと。[11.1.9 参照]
  12. 8.12 夜間の休息が特に必要な患者には、夜間の排尿を避けるため、午前中に投与することが望ましい。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者

    治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること。腎血流量の減少や糸球体ろ過圧の低下により急速に腎機能を悪化させるおそれがある。

  2. 9.1.2 血清カリウム値異常の患者、高カリウム血症の患者

    治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること。本剤の成分であるテルミサルタンは、高カリウム血症の患者において、高カリウム血症を増悪させるおそれがある。また、腎機能障害、コントロール不良の糖尿病等により血清カリウム値が高くなりやすい患者では、血清カリウム値に注意すること。

  3. 9.1.3 脳血管障害のある患者

    過度の降圧が脳血流不全を引き起こし、病態を悪化させるおそれがある。

  4. 9.1.4 重篤な冠動脈硬化症又は脳動脈硬化症のある患者

    急激な利尿があらわれた場合、急速な血漿量減少、血液濃縮を来し、血栓塞栓症を誘発するおそれがある。

  5. 9.1.5 本人又は両親、兄弟に痛風、糖尿病のある患者

    高尿酸血症、高血糖症を来し、痛風、糖尿病の悪化や顕性化のおそれがある。

  6. 9.1.6 下痢、嘔吐のある患者

    電解質失調があらわれることがある。

  7. 9.1.7 高カルシウム血症、副甲状腺機能亢進症のある患者

    血清カルシウムを上昇させるおそれがある。

  8. 9.1.8 減塩療法中の患者

    低ナトリウム血症等を起こすおそれがある。また、厳重な減塩療法中の患者では、テルミサルタンの用量を少量より開始すること。急激な血圧の低下を起こすおそれがある。[11.1.3 参照],[11.1.5 参照]

  9. 9.1.9 交感神経切除後の患者

    本剤の降圧作用が増強される。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1 血液透析中の患者

    投与しないこと。本剤の効果が期待できない。

  2. 9.2.2 急性腎不全の患者

    投与しないこと。腎機能を更に悪化させるおそれがある。[2.5 参照]

  3. 9.2.3 血清クレアチニン値が2.0mg/dLを超える腎機能障害患者

    治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること。腎機能を悪化させるおそれがある。

  4. 9.2.4 腎障害のある患者

    血清クレアチニン値上昇及び血清尿酸値上昇のおそれがある。[8.2 参照]

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1 胆汁の分泌が極めて悪い患者又は重篤な肝障害のある患者

    投与しないこと。[2.3 参照],[9.3.2 参照]

  2. 9.3.2 中等度、軽度の肝障害・肝疾患のある患者

    テルミサルタンは主に胆汁中に排泄されるため、テルミサルタンのクリアランスが低下することがある。また、外国において肝障害患者でテルミサルタンの血中濃度が約3~4.5倍上昇することが報告されている。
    ヒドロクロロチアジドは、肝性昏睡を誘発することがある。[7 参照],[9.3.1 参照],[16.6.1 参照]

9.4 生殖能を有する者

  1. 9.4.1 妊娠する可能性のある女性

    妊娠していることが把握されずアンジオテンシン変換酵素阻害剤又はアンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤を使用し、胎児・新生児への影響(腎不全、頭蓋・肺・腎の形成不全、死亡等)が認められた例が報告されている1) ,2)

    本剤の投与に先立ち、代替薬の有無等も考慮して本剤投与の必要性を慎重に検討し、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。また、投与が必要な場合には次の注意事項に留意すること。[9.5 参照]

    1. (1) 本剤投与開始前に妊娠していないことを確認すること。本剤投与中も、妊娠していないことを定期的に確認すること。投与中に妊娠が判明した場合には、直ちに投与を中止すること。
    2. (2) 次の事項について、本剤投与開始時に患者に説明すること。また、投与中も必要に応じ説明すること。
      • 妊娠中に本剤を使用した場合、胎児・新生児に影響を及ぼすリスクがあること。
      • 妊娠が判明した又は疑われる場合は、速やかに担当医に相談すること。
      • 妊娠を計画する場合は、担当医に相談すること。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。投与中に妊娠が判明した場合には、直ちに投与を中止すること。
妊娠中期及び末期にテルミサルタンを含むアンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤又はアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与された患者で羊水過少症、胎児・新生児の死亡、新生児の低血圧、腎不全、高カリウム血症、頭蓋の形成不全及び羊水過少症によると推測される四肢の拘縮、頭蓋顔面の奇形、肺の発育不全等があらわれたとの報告がある。チアジド系薬剤では新生児又は乳児に高ビリルビン血症、血小板減少症等を起こすことがある。また、利尿効果に基づく血漿量減少、血液濃縮、子宮・胎盤血流量減少があらわれることがある。[2.2 参照],[9.4.1 参照]

9.6 授乳婦

授乳しないことが望ましい。
テルミサルタンでは、動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。また、動物実験(ラット出生前、出生後の発生及び母動物の機能に関する試験)の15mg/kg/日以上の投与群で出生児の4日生存率の低下、50mg/kg/日投与群で出生児の低体重及び身体発達の遅延が報告されている。ヒドロクロロチアジドは、ヒト母乳中へ移行することが報告されている。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

  1. 9.8.1 一般に過度の降圧は好ましくないとされている。脳梗塞等が起こるおそれがある。
  2. 9.8.2 急激な利尿は血漿量の減少を来し、脱水、低血圧等による立ちくらみ、めまい、失神等を起こすことがある。
  3. 9.8.3 特に心疾患等で浮腫のある高齢者では急激な利尿は急速な血漿量の減少と血液濃縮を来し、脳梗塞等の血栓塞栓症を誘発するおそれがある。
  4. 9.8.4 低ナトリウム血症、低カリウム血症があらわれやすい。

10. 相互作用

  • テルミサルタンは、主としてUGT酵素(UDP-グルクロノシルトランスフェラーゼ)によるグルクロン酸抱合によって代謝される。[16.4 参照]

10.1 併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子

アリスキレンフマル酸塩

  • ラジレス
    (糖尿病患者に使用する場合。ただし、他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く。)

[2.7 参照]

非致死性脳卒中、腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧のリスク増加が報告されている。

テルミサルタン:レニン-アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。

デスモプレシン酢酸塩水和物(ミニリンメルト)(男性における夜間多尿による夜間頻尿)
[2.8 参照]

低ナトリウム血症が発現するおそれがある。

ヒドロクロロチアジド:いずれも低ナトリウム血症が発現するおそれがある。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子

ジギタリス剤

  • ジゴキシン
    ジギトキシン

テルミサルタンとの併用により、血中ジゴキシン濃度が上昇したとの報告がある3)

テルミサルタン:機序不明。

ジギタリス剤

  • ジゴキシン
  • ジギトキシン

ヒドロクロロチアジドとの併用により、ジギタリスの心臓に対する作用を増強し、不整脈等を起こすことがある。血清カリウム値に十分注意すること。

ヒドロクロロチアジド:ヒドロクロロチアジドによる血清カリウム値の低下により多量のジギタリスが心筋Na-K ATPaseに結合し、心収縮力増強と不整脈が起こる。マグネシウム低下も同様の作用を示す。

カリウム保持性利尿剤

  • スピロノラクトン
    トリアムテレン等

カリウム補給剤

血清カリウム濃度が上昇するおそれがある。

テルミサルタン:カリウム貯留作用が増強するおそれがある。
危険因子:特に腎機能障害のある患者。

リチウム製剤

  • 炭酸リチウム

アンジオテンシン変換酵素阻害剤との併用により、リチウム中毒を起こすことが報告されている。

テルミサルタン:明確な機序は不明であるが、ナトリウムイオン不足はリチウムイオンの貯留を促進するといわれているため、テルミサルタンがナトリウム排泄を促進することにより起こると考えられる。

リチウム製剤

  • 炭酸リチウム

ヒドロクロロチアジドにより、振戦、消化器愁訴等、リチウム中毒を増強することがある。

ヒドロクロロチアジド:腎におけるリチウムの再吸収を促進し、リチウムの血中濃度を上昇させる。

利尿降圧剤

  • フロセミド、トリクロルメチアジド等

[11.1.5 参照]

急激な血圧低下を起こすおそれがあるので、低用量から投与を開始し、増量する場合は徐々に行うこと。

利尿降圧剤で治療を受けている患者にはレニン活性が亢進している患者が多く、本剤が奏効しやすい。

非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDS

糸球体濾過量がより減少し、腎障害のある患者では急性腎障害を引き起こす可能性がある。

テルミサルタン:プロスタグランジン合成阻害作用により、腎血流量が低下するためと考えられる。

非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDS

降圧薬の効果を減弱させることが報告されている。

テルミサルタン:血管拡張作用を有するプロスタグランジンの合成が阻害されるため、降圧薬の血圧低下作用を減弱させると考えられている。

非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDS

チアジド系薬剤の作用が減弱することがある。

ヒドロクロロチアジド:非ステロイド系消炎鎮痛剤のプロスタグランジン合成酵素阻害作用により、腎内プロスタグランジンが減少し、水・ナトリウムの体内貯留が生じてヒドロクロロチアジドの作用と拮抗する。

アンジオテンシン変換酵素阻害剤

急性腎障害を含む腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがある4)

テルミサルタン:レニン-アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。

アリスキレンフマル酸塩

腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがある。なお、eGFRが60mL/min/1.73m2未満の腎機能障害のある患者へのアリスキレンフマル酸塩との併用については、治療上やむを得ないと判断される場合を除き避けること。

テルミサルタン:レニン-アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。

バルビツール酸誘導体

起立性低血圧が増強されることがある。

ヒドロクロロチアジド:これらの薬剤の中枢抑制作用と利尿剤の降圧作用による。

あへんアルカロイド系麻薬

起立性低血圧が増強されることがある。

ヒドロクロロチアジド:あへんアルカロイドの大量投与で血圧下降があらわれることが報告されている。

アルコール

起立性低血圧が増強されることがある。

ヒドロクロロチアジド:血管拡張作用を有するアルコールとの併用により降圧作用が増強される可能性がある。

昇圧アミン

  • ノルアドレナリン
    アドレナリン

昇圧アミンの作用を減弱することがある。
手術前の患者に使用する場合、本剤の一時休薬等の処置を講ずること。

ヒドロクロロチアジド:チアジド系利尿剤は昇圧アミンに対する血管壁の反応性を低下させることが報告されている。

ツボクラリン及びその類似作用物質

  • ツボクラリン塩化物塩酸塩水和物
    パンクロニウム臭化物

ツボクラリン及びその類似作用物質の麻痺作用を増強することがある。
手術前の患者に使用する場合、本剤の一時休薬等の処置を講ずること。

ヒドロクロロチアジド:ヒドロクロロチアジドによる血清カリウム値の低下により、これらの薬剤の神経・筋遮断作用を増強すると考えられている。

降圧作用を有する他の薬剤

  • β-遮断剤
    ニトログリセリン等

降圧作用を増強するおそれがある。
降圧剤の用量調節等に注意すること。

ヒドロクロロチアジド:作用機序の異なる降圧作用により互いに協力的に作用する。

乳酸ナトリウム

チアジド系薬剤による代謝性アルカローシス、低カリウム血症を増強することがある。

ヒドロクロロチアジド:ヒドロクロロチアジドによるカリウム排泄作用により低カリウム血症や代謝性アルカローシスが引き起こされることがある。アルカリ化剤である乳酸ナトリウムの併用はこの状態をさらに増強させる。

糖質副腎皮質ホルモン剤
ACTH

低カリウム血症が発現することがある。

ヒドロクロロチアジド:ヒドロクロロチアジド及び糖質副腎皮質ホルモン剤ともカリウム排泄作用を持つ。

グリチルリチン製剤

血清カリウム値の低下があらわれやすくなる。

ヒドロクロロチアジド:グリチルリチン製剤は低カリウム血症を主徴とした偽アルドステロン症を引き起こすことがある。したがってヒドロクロロチアジドとの併用により低カリウム血症を増強する可能性がある。

糖尿病用剤

  • SU剤
    インスリン

糖尿病用剤の作用を著しく減弱することがある。

ヒドロクロロチアジド:機序は明確ではないが、ヒドロクロロチアジドによるカリウム喪失により膵臓のβ細胞のインスリン放出が低下すると考えられている。

コレスチラミン

チアジド系薬剤の作用が減弱することがある。

ヒドロクロロチアジド:コレスチラミンの吸着作用により、チアジド系薬剤の吸収が阻害されることがある。

スルフィンピラゾン

チアジド系薬剤はスルフィンピラゾンの尿酸排泄作用に拮抗することがある。

ヒドロクロロチアジド:チアジド系利尿剤は、腎での尿酸分泌の阻害、尿酸再吸収の増大作用を有すると考えられ、スルフィンピラゾンの尿酸排泄作用に拮抗することがある。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 血管性浮腫(頻度不明)

    **顔面、口唇、咽頭・喉頭、舌等の腫脹を症状とする血管性浮腫があらわれ、喉頭浮腫等により呼吸困難を来した症例も報告されている。また、腹痛、嘔気、嘔吐、下痢等を伴う腸管血管性浮腫があらわれることがある。

  2. 11.1.2 高カリウム血症(頻度不明)
  3. 11.1.3 低ナトリウム血症(頻度不明)

    倦怠感、食欲不振、嘔気、嘔吐、意識障害等を伴う低ナトリウム血症があらわれることがある。高齢者であらわれやすい。[2.6 参照],[9.1.8 参照]

  4. 11.1.4 腎機能障害(0.5%未満)

    急性腎障害を呈した例が報告されている。

  5. 11.1.5 ショック、失神、意識消失(いずれも頻度不明)

    冷感、嘔吐、意識消失等があらわれた場合には、直ちに適切な処置を行うこと。[9.1.8 参照],[10.2 参照]

  6. 11.1.6 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)

    AST、ALT、Al-P、LDHの上昇等の肝機能障害があらわれることがある。[8.8 参照]

  7. 11.1.7 低血糖(頻度不明)

    脱力感、空腹感、冷汗、手の震え、集中力低下、痙攣、意識障害等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。糖尿病治療中の患者であらわれやすい。

  8. 11.1.8 アナフィラキシー(頻度不明)

    呼吸困難、血圧低下、喉頭浮腫等が症状としてあらわれることがある。

  9. 11.1.9 再生不良性貧血、溶血性貧血(いずれも頻度不明)[8.11 参照]
  10. 11.1.10 間質性肺炎、肺水腫、急性呼吸窮迫症候群(いずれも頻度不明)

    発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常等を伴う間質性肺炎、肺水腫があらわれることがあるので、このような場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。また、ヒドロクロロチアジド服用後、数分から数時間以内に急性呼吸窮迫症候群が発現したとの報告がある5) ,6) ,7) ,8)

  11. 11.1.11 横紋筋融解症(頻度不明)

    筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがあるので、このような場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。

  12. 11.1.12 急性近視、閉塞隅角緑内障、脈絡膜滲出(いずれも頻度不明)

    急性近視(霧視、視力低下等を含む)、閉塞隅角緑内障、脈絡膜滲出があらわれることがある。[8.5 参照]

  13. 11.1.13 壊死性血管炎(頻度不明)
  14. 11.1.14 全身性紅斑性狼瘡の悪化(頻度不明)

11.2 その他の副作用

5%以上

0.5~5%未満

0.5%未満

頻度不明

過敏症

光線過敏症

発疹

そう痒、じん麻疹、紅斑、呼吸困難、顔面潮紅

精神神経系

めまい(5.5%)

眠気

不安感、頭のぼんやり感、不眠、睡眠障害、抑うつ状態、知覚異常、錯感覚、頭痛

血液

白血球減少、好酸球上昇、血小板減少、ヘモグロビン減少、紫斑、貧血

循環器

低血圧

動悸

ほてり、心悸亢進、ふらつき、上室性期外収縮、心房細動、上室性頻脈、徐脈、不整脈、起立性低血圧

消化器

下痢、鼓腸

腹痛、消化不良、胃炎、嘔気、嘔吐、食欲不振、口渇、口内炎、膵炎、唾液腺炎、便秘、腹部不快感

視覚異常、視力異常(霧視等)、黄視症、結膜炎、目のチカチカ感、羞明

肝臓

AST、ALT、Al-P、LDH上昇等の肝機能異常

呼吸器

咽頭炎、気管支炎、副鼻腔炎、咳、喀痰増加、鼻閉

腎臓

高尿酸血症

血清クレアチニン上昇、血中尿酸値上昇

代謝異常

脂質異常症(低比重リポ蛋白増加、トリグリセリド増加等)、低クロール性アルカローシス、糖尿病のコントロール不良

骨格筋

関節痛、下肢痛、筋肉痛、下肢痙攣、背部痛、腱炎、筋痙攣

電解質

低カリウム血症、血清カリウム上昇、低マグネシウム血症、血清カルシウムの上昇等の電解質失調

その他

頻尿、疲労、無力症

インフルエンザ様症状、上気道感染、インポテンス、尿路感染、膀胱炎、敗血症、耳鳴、倦怠感、CRP陽性、CK上昇、浮腫、脱力感、発熱、多汗、胸痛、高カルシウム血症を伴う副甲状腺障害、皮膚エリテマトーデス、しびれ、味覚異常

12. 臨床検査結果に及ぼす影響

ヒドロクロロチアジドは、甲状腺障害のない患者の血清PBIを低下させることがある。

13. 過量投与

  1. 13.1 症状

    テルミサルタンの過量服用(640mg)により、低血圧及び頻脈があらわれたとの報告がある。また、本剤の過量服用(テルミサルタン/ヒドロクロロチアジド総量として320mg/50mg~400mg/62.5mg)により、低血圧及びめまいがあらわれたとの報告がある。

  2. 13.2 処置

    テルミサルタンは血液濾過されない。また、テルミサルタンは血液透析によって除去されない。
    低血圧が起こった場合は、臥位にさせ、すみやかに生理食塩液及び補液を投与する。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意

  1. 14.1.1 PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
  2. 14.1.2 本剤を食後に服用している患者には、毎日食後に服用するよう注意を与えること。本剤の薬物動態は食事の影響を受け、空腹時投与した場合は、食後投与よりも血中濃度が高くなることが報告されており、副作用が発現するおそれがある。[16.2.2 参照]

15. その他の注意

15.3 その他の注意

海外で実施された疫学研究において、ヒドロクロロチアジドを投与された患者で、基底細胞癌及び有棘細胞癌のリスクが増加することが報告されている9) ,10)

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 本剤の成分及びチアジド系薬剤又はその類似化合物(例えばクロルタリドン等のスルフォンアミド誘導体)に対し過敏症の既往歴のある患者
  2. 2.2 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5 参照]
  3. 2.3 胆汁の分泌が極めて悪い患者又は重篤な肝障害のある患者[9.3.1 参照]
  4. 2.4 無尿の患者又は血液透析中の患者[本剤の効果が期待できない。][9.2.1 参照]
  5. 2.5 急性腎不全の患者[9.2.2 参照]
  6. 2.6 体液中のナトリウム・カリウムが明らかに減少している患者[低ナトリウム血症、低カリウム血症等の電解質失調を悪化させるおそれがある。][11.1.3 参照]
  7. 2.7 アリスキレンフマル酸塩を投与中の糖尿病患者(ただし、他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く)[10.1 参照]
  8. 2.8 デスモプレシン酢酸塩水和物(男性における夜間多尿による夜間頻尿)を投与中の患者[10.1 参照]

3. 組成・性状

3.1 組成

テルチア配合錠AP「トーワ」

有効成分 1錠中  
日局 テルミサルタン
   40mg
日局 ヒドロクロロチアジド
   12.5mg
添加剤 D-マンニトール、ヒドロキシプロピルセルロース、メグルミン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、酸化チタン、マクロゴール6000、タルク、黄色三二酸化鉄
テルチア配合錠BP「トーワ」

有効成分 1錠中  
日局 テルミサルタン
   80mg
日局 ヒドロクロロチアジド
   12.5mg
添加剤 D-マンニトール、ヒドロキシプロピルセルロース、メグルミン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、酸化チタン、マクロゴール6000、タルク、黄色三二酸化鉄

3.2 製剤の性状

テルチア配合錠AP「トーワ」

剤形 フィルムコーティング錠
色調 淡黄色
外形 表面
裏面
側面
大きさ 直径 8.6mm
厚さ 4.2mm
質量 253mg
本体
表示
テルチア AP トーワ
テルミ 40
ヒドロクロロ 12.5
テルチア配合錠BP「トーワ」

剤形 フィルムコーティング錠
色調 淡黄色
外形 表面
裏面
側面
大きさ 直径 11.2mm
厚さ 4.9mm
質量 463mg
本体
表示
テルチア BP トーワ
テルミ 80
ヒドロクロロ 12.5

4. 効能又は効果

高血圧症

5. 効能又は効果に関連する注意

  1. 5.1 過度な血圧低下のおそれ等があり、本剤を高血圧治療の第一選択薬としないこと。
  2. 5.2 原則として、テルミサルタン40mgで効果不十分な場合にテルミサルタン/ヒドロクロロチアジド40mg/12.5mgの投与を、テルミサルタン80mg、又はテルミサルタン/ヒドロクロロチアジド40mg/12.5mgで効果不十分な場合にテルミサルタン/ヒドロクロロチアジド80mg/12.5mgの投与を検討すること。

6. 用法及び用量

成人には1日1回1錠(テルミサルタン/ヒドロクロロチアジドとして40mg/12.5mg又は80mg/12.5mg)を経口投与する。本剤は高血圧治療の第一選択薬として用いない。

7. 用法及び用量に関連する注意

肝障害のある患者に投与する場合、テルミサルタン/ヒドロクロロチアジドとして40mg/12.5mgを超えて投与しないこと。[9.3.2 参照]

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 本剤は、テルミサルタン40mgあるいは80mgとヒドロクロロチアジド12.5mgとの配合剤であり、テルミサルタンとヒドロクロロチアジド双方の副作用が発現するおそれがあるため、適切に本剤の使用を検討すること。
  2. 8.2 血清クレアチニン値上昇及び血清尿酸値上昇のおそれがあるので、定期的に血清クレアチニン値及び血清尿酸値のモニタリングを実施し、観察を十分に行うこと。[9.2.4 参照]
  3. 8.3 本剤の成分であるヒドロクロロチアジドは低カリウム血症を起こすことが知られているため、血清カリウム値のモニタリングを定期的に実施し、観察を十分に行うこと。
  4. 8.4 本剤の成分であるヒドロクロロチアジドは高尿酸血症を発現させるおそれがあるので、本剤投与中は定期的に血清尿酸値のモニタリングを実施し、観察を十分に行うこと。血清尿酸値の上昇が観察された場合は、その程度に応じて投薬の中止など適切な処置を行うこと。
  5. 8.5 本剤の成分であるヒドロクロロチアジドは急性近視、閉塞隅角緑内障、脈絡膜滲出を発現させるおそれがあるので、急激な視力の低下や眼痛等の異常が認められた場合には、直ちに眼科医の診察を受けるよう、患者に指導すること。[11.1.12 参照]
  6. 8.6 降圧作用に基づく失神、めまい、ふらつきがあらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。
  7. 8.7 手術前24時間は投与しないことが望ましい。アンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤投与中の患者は、麻酔及び手術中にレニン-アンジオテンシン系の抑制作用による高度な血圧低下を起こす可能性がある。
  8. 8.8 本剤を含むアンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤投与中に肝炎等の重篤な肝障害があらわれたとの報告があるので、肝機能検査を実施するなど、観察を十分に行うこと。[11.1.6 参照]
  9. 8.9 本剤の利尿効果は急激にあらわれることがあるので、電解質失調、脱水に十分注意すること。
  10. 8.10 連用する場合、電解質失調があらわれることがあるので定期的に検査を行うこと。
  11. 8.11 重篤な血液障害があらわれることがあるので、定期的に検査を実施するなど観察を十分に行うこと。[11.1.9 参照]
  12. 8.12 夜間の休息が特に必要な患者には、夜間の排尿を避けるため、午前中に投与することが望ましい。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者

    治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること。腎血流量の減少や糸球体ろ過圧の低下により急速に腎機能を悪化させるおそれがある。

  2. 9.1.2 血清カリウム値異常の患者、高カリウム血症の患者

    治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること。本剤の成分であるテルミサルタンは、高カリウム血症の患者において、高カリウム血症を増悪させるおそれがある。また、腎機能障害、コントロール不良の糖尿病等により血清カリウム値が高くなりやすい患者では、血清カリウム値に注意すること。

  3. 9.1.3 脳血管障害のある患者

    過度の降圧が脳血流不全を引き起こし、病態を悪化させるおそれがある。

  4. 9.1.4 重篤な冠動脈硬化症又は脳動脈硬化症のある患者

    急激な利尿があらわれた場合、急速な血漿量減少、血液濃縮を来し、血栓塞栓症を誘発するおそれがある。

  5. 9.1.5 本人又は両親、兄弟に痛風、糖尿病のある患者

    高尿酸血症、高血糖症を来し、痛風、糖尿病の悪化や顕性化のおそれがある。

  6. 9.1.6 下痢、嘔吐のある患者

    電解質失調があらわれることがある。

  7. 9.1.7 高カルシウム血症、副甲状腺機能亢進症のある患者

    血清カルシウムを上昇させるおそれがある。

  8. 9.1.8 減塩療法中の患者

    低ナトリウム血症等を起こすおそれがある。また、厳重な減塩療法中の患者では、テルミサルタンの用量を少量より開始すること。急激な血圧の低下を起こすおそれがある。[11.1.3 参照],[11.1.5 参照]

  9. 9.1.9 交感神経切除後の患者

    本剤の降圧作用が増強される。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1 血液透析中の患者

    投与しないこと。本剤の効果が期待できない。

  2. 9.2.2 急性腎不全の患者

    投与しないこと。腎機能を更に悪化させるおそれがある。[2.5 参照]

  3. 9.2.3 血清クレアチニン値が2.0mg/dLを超える腎機能障害患者

    治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること。腎機能を悪化させるおそれがある。

  4. 9.2.4 腎障害のある患者

    血清クレアチニン値上昇及び血清尿酸値上昇のおそれがある。[8.2 参照]

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1 胆汁の分泌が極めて悪い患者又は重篤な肝障害のある患者

    投与しないこと。[2.3 参照],[9.3.2 参照]

  2. 9.3.2 中等度、軽度の肝障害・肝疾患のある患者

    テルミサルタンは主に胆汁中に排泄されるため、テルミサルタンのクリアランスが低下することがある。また、外国において肝障害患者でテルミサルタンの血中濃度が約3~4.5倍上昇することが報告されている。
    ヒドロクロロチアジドは、肝性昏睡を誘発することがある。[7 参照],[9.3.1 参照],[16.6.1 参照]

9.4 生殖能を有する者

  1. 9.4.1 妊娠する可能性のある女性

    妊娠していることが把握されずアンジオテンシン変換酵素阻害剤又はアンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤を使用し、胎児・新生児への影響(腎不全、頭蓋・肺・腎の形成不全、死亡等)が認められた例が報告されている1) ,2)

    本剤の投与に先立ち、代替薬の有無等も考慮して本剤投与の必要性を慎重に検討し、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。また、投与が必要な場合には次の注意事項に留意すること。[9.5 参照]

    1. (1) 本剤投与開始前に妊娠していないことを確認すること。本剤投与中も、妊娠していないことを定期的に確認すること。投与中に妊娠が判明した場合には、直ちに投与を中止すること。
    2. (2) 次の事項について、本剤投与開始時に患者に説明すること。また、投与中も必要に応じ説明すること。
      • 妊娠中に本剤を使用した場合、胎児・新生児に影響を及ぼすリスクがあること。
      • 妊娠が判明した又は疑われる場合は、速やかに担当医に相談すること。
      • 妊娠を計画する場合は、担当医に相談すること。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。投与中に妊娠が判明した場合には、直ちに投与を中止すること。
妊娠中期及び末期にテルミサルタンを含むアンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤又はアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与された患者で羊水過少症、胎児・新生児の死亡、新生児の低血圧、腎不全、高カリウム血症、頭蓋の形成不全及び羊水過少症によると推測される四肢の拘縮、頭蓋顔面の奇形、肺の発育不全等があらわれたとの報告がある。チアジド系薬剤では新生児又は乳児に高ビリルビン血症、血小板減少症等を起こすことがある。また、利尿効果に基づく血漿量減少、血液濃縮、子宮・胎盤血流量減少があらわれることがある。[2.2 参照],[9.4.1 参照]

9.6 授乳婦

授乳しないことが望ましい。
テルミサルタンでは、動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。また、動物実験(ラット出生前、出生後の発生及び母動物の機能に関する試験)の15mg/kg/日以上の投与群で出生児の4日生存率の低下、50mg/kg/日投与群で出生児の低体重及び身体発達の遅延が報告されている。ヒドロクロロチアジドは、ヒト母乳中へ移行することが報告されている。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

  1. 9.8.1 一般に過度の降圧は好ましくないとされている。脳梗塞等が起こるおそれがある。
  2. 9.8.2 急激な利尿は血漿量の減少を来し、脱水、低血圧等による立ちくらみ、めまい、失神等を起こすことがある。
  3. 9.8.3 特に心疾患等で浮腫のある高齢者では急激な利尿は急速な血漿量の減少と血液濃縮を来し、脳梗塞等の血栓塞栓症を誘発するおそれがある。
  4. 9.8.4 低ナトリウム血症、低カリウム血症があらわれやすい。

10. 相互作用

  • テルミサルタンは、主としてUGT酵素(UDP-グルクロノシルトランスフェラーゼ)によるグルクロン酸抱合によって代謝される。[16.4 参照]

10.1 併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子

アリスキレンフマル酸塩

  • ラジレス
    (糖尿病患者に使用する場合。ただし、他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く。)

[2.7 参照]

非致死性脳卒中、腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧のリスク増加が報告されている。

テルミサルタン:レニン-アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。

デスモプレシン酢酸塩水和物(ミニリンメルト)(男性における夜間多尿による夜間頻尿)
[2.8 参照]

低ナトリウム血症が発現するおそれがある。

ヒドロクロロチアジド:いずれも低ナトリウム血症が発現するおそれがある。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子

ジギタリス剤

  • ジゴキシン
    ジギトキシン

テルミサルタンとの併用により、血中ジゴキシン濃度が上昇したとの報告がある3)

テルミサルタン:機序不明。

ジギタリス剤

  • ジゴキシン
  • ジギトキシン

ヒドロクロロチアジドとの併用により、ジギタリスの心臓に対する作用を増強し、不整脈等を起こすことがある。血清カリウム値に十分注意すること。

ヒドロクロロチアジド:ヒドロクロロチアジドによる血清カリウム値の低下により多量のジギタリスが心筋Na-K ATPaseに結合し、心収縮力増強と不整脈が起こる。マグネシウム低下も同様の作用を示す。

カリウム保持性利尿剤

  • スピロノラクトン
    トリアムテレン等

カリウム補給剤

血清カリウム濃度が上昇するおそれがある。

テルミサルタン:カリウム貯留作用が増強するおそれがある。
危険因子:特に腎機能障害のある患者。

リチウム製剤

  • 炭酸リチウム

アンジオテンシン変換酵素阻害剤との併用により、リチウム中毒を起こすことが報告されている。

テルミサルタン:明確な機序は不明であるが、ナトリウムイオン不足はリチウムイオンの貯留を促進するといわれているため、テルミサルタンがナトリウム排泄を促進することにより起こると考えられる。

リチウム製剤

  • 炭酸リチウム

ヒドロクロロチアジドにより、振戦、消化器愁訴等、リチウム中毒を増強することがある。

ヒドロクロロチアジド:腎におけるリチウムの再吸収を促進し、リチウムの血中濃度を上昇させる。

利尿降圧剤

  • フロセミド、トリクロルメチアジド等

[11.1.5 参照]

急激な血圧低下を起こすおそれがあるので、低用量から投与を開始し、増量する場合は徐々に行うこと。

利尿降圧剤で治療を受けている患者にはレニン活性が亢進している患者が多く、本剤が奏効しやすい。

非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDS

糸球体濾過量がより減少し、腎障害のある患者では急性腎障害を引き起こす可能性がある。

テルミサルタン:プロスタグランジン合成阻害作用により、腎血流量が低下するためと考えられる。

非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDS

降圧薬の効果を減弱させることが報告されている。

テルミサルタン:血管拡張作用を有するプロスタグランジンの合成が阻害されるため、降圧薬の血圧低下作用を減弱させると考えられている。

非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDS

チアジド系薬剤の作用が減弱することがある。

ヒドロクロロチアジド:非ステロイド系消炎鎮痛剤のプロスタグランジン合成酵素阻害作用により、腎内プロスタグランジンが減少し、水・ナトリウムの体内貯留が生じてヒドロクロロチアジドの作用と拮抗する。

アンジオテンシン変換酵素阻害剤

急性腎障害を含む腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがある4)

テルミサルタン:レニン-アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。

アリスキレンフマル酸塩

腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがある。なお、eGFRが60mL/min/1.73m2未満の腎機能障害のある患者へのアリスキレンフマル酸塩との併用については、治療上やむを得ないと判断される場合を除き避けること。

テルミサルタン:レニン-アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。

バルビツール酸誘導体

起立性低血圧が増強されることがある。

ヒドロクロロチアジド:これらの薬剤の中枢抑制作用と利尿剤の降圧作用による。

あへんアルカロイド系麻薬

起立性低血圧が増強されることがある。

ヒドロクロロチアジド:あへんアルカロイドの大量投与で血圧下降があらわれることが報告されている。

アルコール

起立性低血圧が増強されることがある。

ヒドロクロロチアジド:血管拡張作用を有するアルコールとの併用により降圧作用が増強される可能性がある。

昇圧アミン

  • ノルアドレナリン
    アドレナリン

昇圧アミンの作用を減弱することがある。
手術前の患者に使用する場合、本剤の一時休薬等の処置を講ずること。

ヒドロクロロチアジド:チアジド系利尿剤は昇圧アミンに対する血管壁の反応性を低下させることが報告されている。

ツボクラリン及びその類似作用物質

  • ツボクラリン塩化物塩酸塩水和物
    パンクロニウム臭化物

ツボクラリン及びその類似作用物質の麻痺作用を増強することがある。
手術前の患者に使用する場合、本剤の一時休薬等の処置を講ずること。

ヒドロクロロチアジド:ヒドロクロロチアジドによる血清カリウム値の低下により、これらの薬剤の神経・筋遮断作用を増強すると考えられている。

降圧作用を有する他の薬剤

  • β-遮断剤
    ニトログリセリン等

降圧作用を増強するおそれがある。
降圧剤の用量調節等に注意すること。

ヒドロクロロチアジド:作用機序の異なる降圧作用により互いに協力的に作用する。

乳酸ナトリウム

チアジド系薬剤による代謝性アルカローシス、低カリウム血症を増強することがある。

ヒドロクロロチアジド:ヒドロクロロチアジドによるカリウム排泄作用により低カリウム血症や代謝性アルカローシスが引き起こされることがある。アルカリ化剤である乳酸ナトリウムの併用はこの状態をさらに増強させる。

糖質副腎皮質ホルモン剤
ACTH

低カリウム血症が発現することがある。

ヒドロクロロチアジド:ヒドロクロロチアジド及び糖質副腎皮質ホルモン剤ともカリウム排泄作用を持つ。

グリチルリチン製剤

血清カリウム値の低下があらわれやすくなる。

ヒドロクロロチアジド:グリチルリチン製剤は低カリウム血症を主徴とした偽アルドステロン症を引き起こすことがある。したがってヒドロクロロチアジドとの併用により低カリウム血症を増強する可能性がある。

糖尿病用剤

  • SU剤
    インスリン

糖尿病用剤の作用を著しく減弱することがある。

ヒドロクロロチアジド:機序は明確ではないが、ヒドロクロロチアジドによるカリウム喪失により膵臓のβ細胞のインスリン放出が低下すると考えられている。

コレスチラミン

チアジド系薬剤の作用が減弱することがある。

ヒドロクロロチアジド:コレスチラミンの吸着作用により、チアジド系薬剤の吸収が阻害されることがある。

スルフィンピラゾン

チアジド系薬剤はスルフィンピラゾンの尿酸排泄作用に拮抗することがある。

ヒドロクロロチアジド:チアジド系利尿剤は、腎での尿酸分泌の阻害、尿酸再吸収の増大作用を有すると考えられ、スルフィンピラゾンの尿酸排泄作用に拮抗することがある。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 血管性浮腫(頻度不明)

    **顔面、口唇、咽頭・喉頭、舌等の腫脹を症状とする血管性浮腫があらわれ、喉頭浮腫等により呼吸困難を来した症例も報告されている。また、腹痛、嘔気、嘔吐、下痢等を伴う腸管血管性浮腫があらわれることがある。

  2. 11.1.2 高カリウム血症(頻度不明)
  3. 11.1.3 低ナトリウム血症(頻度不明)

    倦怠感、食欲不振、嘔気、嘔吐、意識障害等を伴う低ナトリウム血症があらわれることがある。高齢者であらわれやすい。[2.6 参照],[9.1.8 参照]

  4. 11.1.4 腎機能障害(0.5%未満)

    急性腎障害を呈した例が報告されている。

  5. 11.1.5 ショック、失神、意識消失(いずれも頻度不明)

    冷感、嘔吐、意識消失等があらわれた場合には、直ちに適切な処置を行うこと。[9.1.8 参照],[10.2 参照]

  6. 11.1.6 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)

    AST、ALT、Al-P、LDHの上昇等の肝機能障害があらわれることがある。[8.8 参照]

  7. 11.1.7 低血糖(頻度不明)

    脱力感、空腹感、冷汗、手の震え、集中力低下、痙攣、意識障害等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。糖尿病治療中の患者であらわれやすい。

  8. 11.1.8 アナフィラキシー(頻度不明)

    呼吸困難、血圧低下、喉頭浮腫等が症状としてあらわれることがある。

  9. 11.1.9 再生不良性貧血、溶血性貧血(いずれも頻度不明)[8.11 参照]
  10. 11.1.10 間質性肺炎、肺水腫、急性呼吸窮迫症候群(いずれも頻度不明)

    発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常等を伴う間質性肺炎、肺水腫があらわれることがあるので、このような場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。また、ヒドロクロロチアジド服用後、数分から数時間以内に急性呼吸窮迫症候群が発現したとの報告がある5) ,6) ,7) ,8)

  11. 11.1.11 横紋筋融解症(頻度不明)

    筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがあるので、このような場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。

  12. 11.1.12 急性近視、閉塞隅角緑内障、脈絡膜滲出(いずれも頻度不明)

    急性近視(霧視、視力低下等を含む)、閉塞隅角緑内障、脈絡膜滲出があらわれることがある。[8.5 参照]

  13. 11.1.13 壊死性血管炎(頻度不明)
  14. 11.1.14 全身性紅斑性狼瘡の悪化(頻度不明)

11.2 その他の副作用

5%以上

0.5~5%未満

0.5%未満

頻度不明

過敏症

光線過敏症

発疹

そう痒、じん麻疹、紅斑、呼吸困難、顔面潮紅

精神神経系

めまい(5.5%)

眠気

不安感、頭のぼんやり感、不眠、睡眠障害、抑うつ状態、知覚異常、錯感覚、頭痛

血液

白血球減少、好酸球上昇、血小板減少、ヘモグロビン減少、紫斑、貧血

循環器

低血圧

動悸

ほてり、心悸亢進、ふらつき、上室性期外収縮、心房細動、上室性頻脈、徐脈、不整脈、起立性低血圧

消化器

下痢、鼓腸

腹痛、消化不良、胃炎、嘔気、嘔吐、食欲不振、口渇、口内炎、膵炎、唾液腺炎、便秘、腹部不快感

視覚異常、視力異常(霧視等)、黄視症、結膜炎、目のチカチカ感、羞明

肝臓

AST、ALT、Al-P、LDH上昇等の肝機能異常

呼吸器

咽頭炎、気管支炎、副鼻腔炎、咳、喀痰増加、鼻閉

腎臓

高尿酸血症

血清クレアチニン上昇、血中尿酸値上昇

代謝異常

脂質異常症(低比重リポ蛋白増加、トリグリセリド増加等)、低クロール性アルカローシス、糖尿病のコントロール不良

骨格筋

関節痛、下肢痛、筋肉痛、下肢痙攣、背部痛、腱炎、筋痙攣

電解質

低カリウム血症、血清カリウム上昇、低マグネシウム血症、血清カルシウムの上昇等の電解質失調

その他

頻尿、疲労、無力症

インフルエンザ様症状、上気道感染、インポテンス、尿路感染、膀胱炎、敗血症、耳鳴、倦怠感、CRP陽性、CK上昇、浮腫、脱力感、発熱、多汗、胸痛、高カルシウム血症を伴う副甲状腺障害、皮膚エリテマトーデス、しびれ、味覚異常

12. 臨床検査結果に及ぼす影響

ヒドロクロロチアジドは、甲状腺障害のない患者の血清PBIを低下させることがある。

13. 過量投与

  1. 13.1 症状

    テルミサルタンの過量服用(640mg)により、低血圧及び頻脈があらわれたとの報告がある。また、本剤の過量服用(テルミサルタン/ヒドロクロロチアジド総量として320mg/50mg~400mg/62.5mg)により、低血圧及びめまいがあらわれたとの報告がある。

  2. 13.2 処置

    テルミサルタンは血液濾過されない。また、テルミサルタンは血液透析によって除去されない。
    低血圧が起こった場合は、臥位にさせ、すみやかに生理食塩液及び補液を投与する。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意

  1. 14.1.1 PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
  2. 14.1.2 本剤を食後に服用している患者には、毎日食後に服用するよう注意を与えること。本剤の薬物動態は食事の影響を受け、空腹時投与した場合は、食後投与よりも血中濃度が高くなることが報告されており、副作用が発現するおそれがある。[16.2.2 参照]

15. その他の注意

15.3 その他の注意

海外で実施された疫学研究において、ヒドロクロロチアジドを投与された患者で、基底細胞癌及び有棘細胞癌のリスクが増加することが報告されている9) ,10)

その他詳細情報

日本標準商品分類番号
872149
ブランドコード
2149113F1060, 2149113F2066
承認番号
22900AMX00349, 22900AMX00350
販売開始年月
2017-06, 2017-06
貯法
室温保存、室温保存
有効期間
3年、3年
規制区分
12, 12

重要な注意事項

  • この情報は医療専門家による診断や治療の代替にはなりません。副作用に関する懸念がある場合は、必ず医師または薬剤師に相談してください。
  • 副作用の発生頻度や重篤度は個人差があります。ここで提供される情報は一般的なものであり、すべての患者さんに当てはまるわけではありません。
  • 薬剤の使用に関しては、必ず医療専門家の指示に従い、自己判断での変更や中止を避けてください。
  • この情報は最新のものであるよう努めていますが、最新とは限りません。常に医療専門家に確認してください。
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