薬効分類名持続性ARB/利尿薬合剤
一般的名称ロサルタンカリウム
ロサルヒド配合錠LD「ケミファ」、ロサルヒド配合錠HD「ケミファ」
ろさるひどはいごうじょうLDけみふぁ、ろさるひどはいごうじょうHDけみふぁ
Losarhyd Combination Tablets LD “Chemiphar”, Losarhyd Combination Tablets HD “Chemiphar”
製造販売元/日本ケミファ株式会社、販売元/日本薬品工業株式会社
重大な副作用
その他の副作用
併用注意
カリウム保持性利尿剤:
- スピロノラクトン
- トリアムテレン等
カリウム補給剤:
- 塩化カリウム
トリメトプリム含有製剤:
- スルファメトキサ
- ゾール・トリメトプリム
血清カリウム値が上昇するおそれがある。
本剤の成分であるロサルタンカリウムとの併用によりカリウム貯留作用が増強するおそれがある。腎機能障害のある患者には特に注意すること。
一過性の血圧低下を起こすおそれがある。
利尿降圧剤で治療を受けている患者にはレニン活性が亢進している患者が多く、本剤が奏効しやすい。
アリスキレン
腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがある。eGFRが60mL/min/1.73m2未満の腎機能障害のある患者へのアリスキレンとの併用については、治療上やむを得ないと判断される場合を除き避けること。
レニン・アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。
アンジオテンシン変換酵素阻害剤
腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがある。
レニン・アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。
バルビツール酸誘導体
起立性低血圧が増強されることがある。
これらの薬剤の中枢抑制作用と本剤の成分であるヒドロクロロチアジドの降圧作用による。
あへんアルカロイド系麻薬
起立性低血圧が増強されることがある。
本剤の成分であるヒドロクロロチアジドとあへんアルカロイドの大量投与で血圧下降があらわれることが報告されている。
アルコール
起立性低血圧が増強されることがある。
本剤の成分であるヒドロクロロチアジドと血管拡張作用を有するアルコールとの併用により降圧作用が増強される可能性がある。
昇圧アミン:
- ノルアドレナリン
- アドレナリン
昇圧アミンの作用を減弱することがある。
手術前の患者に使用する場合、本剤の一時休薬等の処置を講ずること。
本剤の成分であるヒドロクロロチアジドは昇圧アミンに対する血管壁の反応性を低下させることが報告されている。
ツボクラリン及びその類似作用物質:
- ツボクラリン塩化物塩酸塩水和物
ツボクラリン及びその類似作用物質の麻痺作用を増強することがある。手術前の患者に使用する場合、本剤の一時休薬等の処置を講ずること。
本剤の成分であるヒドロクロロチアジドによる血清カリウム値の低下により、これらの薬剤の神経・筋遮断作用を増強すると考えられている。
降圧作用を有する他の薬剤:
- β-遮断剤
- ニトログリセリン等
降圧作用を増強するおそれがある。降圧剤の用量調節等に注意すること。
作用機序の異なる降圧作用により互いに協力的に作用する。
ジギタリス剤:
- ジゴキシン
ジギタリスの心臓に対する作用を増強し、不整脈等を起こすことがある。血清カリウム値に十分注意すること。
本剤の成分であるヒドロクロロチアジドによる血清カリウム値の低下により多量のジギタリスが心筋Na-K ATPaseに結合し、心収縮力増強と不整脈が起こる。マグネシウム低下も同様の作用を示す。
乳酸ナトリウム
チアジド系薬剤による代謝性アルカローシス、低カリウム血症を増強することがある。
本剤の成分であるヒドロクロロチアジドのカリウム排泄作用により低カリウム血症や代謝性アルカローシスが引き起こされることがある。アルカリ化剤である乳酸ナトリウムの併用はこの状態を更に増強させる。
リチウム:
- 炭酸リチウム
リチウム中毒が報告されている。血中リチウム濃度に注意すること。
本剤の成分であるロサルタンカリウムのナトリウム排泄作用により、リチウムの蓄積が起こると考えられている。
リチウム:
- 炭酸リチウム
振戦、消化器愁訴等、リチウム中毒を増強することがある。血清リチウム濃度に注意すること。
本剤の成分であるヒドロクロロチアジドは腎におけるリチウムの再吸収を促進し、リチウムの血中濃度を上昇させる。
副腎皮質ホルモン剤
ACTH
低カリウム血症が発現することがある。
本剤の成分であるヒドロクロロチアジド及び副腎皮質ホルモン剤、ACTHともカリウム排泄作用を持つ。
グリチルリチン製剤
血清カリウム値の低下があらわれやすくなる。
グリチルリチン製剤は低カリウム血症を主徴とした偽アルドステロン症を引き起こすことがある。したがって本剤の成分であるヒドロクロロチアジドとグリチルリチン製剤の併用により低カリウム血症を増強する可能性がある。
糖尿病用剤:
- SU剤
- インスリン
- 速効型インスリン分泌促進薬
糖尿病用剤の作用を著しく減弱することがある。
機序は明確ではないが、本剤の成分であるヒドロクロロチアジドによるカリウム喪失により膵臓のβ細胞のインスリン放出が低下すると考えられている。
コレスチラミン
チアジド系薬剤の作用が減弱することがある。
コレスチラミンの吸着作用により本剤の成分であるヒドロクロロチアジドの吸収が阻害されることがある。
非ステロイド性消炎鎮痛剤:
- インドメタシン等
降圧作用が減弱されるおそれがある。
プロスタグランジンの合成阻害作用により、本剤の降圧作用を減弱させる可能性がある。
非ステロイド性消炎鎮痛剤:
- インドメタシン等
腎機能が悪化している患者では、さらに腎機能が悪化するおそれがある。
プロスタグランジンの合成阻害作用により、腎血流量が低下するためと考えられる。
非ステロイド性消炎鎮痛剤:
- インドメタシン等
チアジド系薬剤の作用が減弱することがある。
非ステロイド性消炎鎮痛剤のプロスタグランジン合成酵素阻害作用により、腎内プロスタグランジンが減少し、水・ナトリウムの体内貯留が生じて本剤の成分であるヒドロクロロチアジドの作用と拮抗する。
グレープフルーツジュース
降圧作用が減弱されるおそれがある。本剤の投与中はグレープフルーツジュースの摂取は避けること。
グレープフルーツジュースに含まれる成分のCYP3A4阻害作用により本剤の有効成分であるロサルタンカリウムの活性代謝物の血中濃度が低下するため、本剤の降圧作用が減弱されるおそれがある。
2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)
- 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 2.2 チアジド系薬剤又はその類似化合物(例えばクロルタリドン等のスルフォンアミド誘導体)に対する過敏症の既往歴のある患者
- 2.3 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5 参照]
- 2.4 重篤な肝機能障害のある患者[9.3.1 参照]
- 2.5 無尿の患者又は透析患者[9.2.1 参照]
- 2.6 急性腎障害の患者[9.2.2 参照]
- 2.7 体液中のナトリウム・カリウムが明らかに減少している患者[低ナトリウム血症、低カリウム血症等の電解質失調を悪化させるおそれがある。][9.1.2 参照],[11.1.7 参照],[11.1.15 参照]
- 2.8 アリスキレンを投与中の糖尿病患者(ただし、他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く)[10.1 参照]
- 2.9 デスモプレシン酢酸塩水和物(男性における夜間多尿による夜間頻尿)を投与中の患者[10.1 参照]
4. 効能又は効果
高血圧症
5. 効能又は効果に関連する注意
過度な血圧低下のおそれ等があり、本剤を高血圧治療の第一選択薬としないこと。
6. 用法及び用量
成人には1日1回1錠(ロサルタンカリウム/ヒドロクロロチアジドとして50mg/12.5mg又は100mg/12.5mg)を経口投与する。
本剤は高血圧治療の第一選択薬として用いない。
7. 用法及び用量に関連する注意
原則として、ロサルタンカリウム50mgで効果不十分な場合にロサルタンカリウム/ヒドロクロロチアジドとして50mg/12.5mgの投与を、ロサルタンカリウム100mg又はロサルタンカリウム/ヒドロクロロチアジドとして50mg/12.5mgで効果不十分な場合にロサルタンカリウム/ヒドロクロロチアジドとして100mg/12.5mgの投与を検討すること。[8.1 参照]
8. 重要な基本的注意
- 8.1 本剤はロサルタンカリウム50mgあるいは100mgとヒドロクロロチアジド12.5mgの配合剤であり、ロサルタンカリウムとヒドロクロロチアジド双方の副作用が発現するおそれがあり、適切に本剤の使用を検討すること。[7 参照]
- 8.2 一過性の血圧低下(ショック症状、意識消失、呼吸困難等を伴う)を起こすおそれがあるので、本剤投与中は定期的(投与開始時:2週間ごと、安定後:月1回程度)に血圧のモニタリングを実施すること。
- 8.3 本剤の成分であるヒドロクロロチアジドは低カリウム血症を起こすことが知られている。ロサルタンカリウム/ヒドロクロロチアジドとして50mg/12.5mgが投与された国内臨床試験において、血清カリウム値は低下傾向を示し、また低カリウム血症の発現頻度は高カリウム血症よりも高かった。したがって、低カリウム血症の発現がより懸念されるので、血清カリウム値のモニタリングを定期的に実施し、観察を十分に行うこと。[9.1.2 参照],[11.1.7 参照]
- 8.4 本剤の成分であるヒドロクロロチアジドは高尿酸血症を発現させるおそれがあるので、本剤投与中は定期的に血清尿酸値のモニタリングを実施し、観察を十分に行うこと。[9.1.8 参照]
- 8.5 本剤の成分であるヒドロクロロチアジドは血糖値上昇若しくは糖尿病顕性化のおそれがあるので、観察を十分に行うこと。[9.1.8 参照]
- 8.6 本剤の成分であるヒドロクロロチアジドは重篤な血液障害を発現させるおそれがあるので、定期的に検査を実施するなど観察を十分に行うこと。[11.1.10 参照]
- 8.7 降圧作用に基づくめまい、ふらつきがあらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。
- 8.8 手術前24時間は投与しないことが望ましい。アンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤投与中の患者は、麻酔及び手術中にレニン・アンジオテンシン系の抑制作用による高度な血圧低下を起こすおそれがある。
- 8.9 本剤の成分を含むアンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤投与中にまれに肝炎等の重篤な肝障害があらわれたとの報告がある。肝機能検査を実施するなど、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 8.10 本剤の投与により利尿効果が急激にあらわれることがあるので、電解質失調、脱水に十分注意すること。
- 8.11 夜間の休息が特に必要な患者には、夜間の排尿を避けるため、午前中に投与することが望ましい。
- 8.12 *本剤の成分であるヒドロクロロチアジドは急性近視、閉塞隅角緑内障、脈絡膜滲出を発現させるおそれがあるので、急激な視力の低下や眼痛等の異常が認められた場合には、直ちに眼科医の診察を受けるよう、患者に指導すること。[11.1.16 参照]
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
-
9.1.1 両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること。腎血流量の減少や糸球体ろ過圧の低下により急速に腎機能を悪化させるおそれがある。
-
9.1.2 血清カリウム値異常の患者
低カリウム血症又は高カリウム血症を起こすおそれがある。[2.7 参照],[8.3 参照],[9.1.3 参照],[11.1.7 参照]
-
9.1.3 高カリウム血症の患者
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること。本剤の成分であるロサルタンカリウムは、高カリウム血症を増悪させるおそれがある。
また、腎機能障害、コントロール不良の糖尿病等により血清カリウム値が高くなりやすい患者では、高カリウム血症が発現するおそれがあるので、血清カリウム値のモニタリングを定期的に実施し、観察を十分に行うこと。[9.1.2 参照],[11.1.7 参照] -
9.1.4 脳血管障害のある患者
過度の降圧が脳血流不全を惹起し、病態を悪化させるおそれがある。
-
9.1.5 体液量が減少している患者(水分摂取の不十分な患者、過度の発汗をしている患者)
一過性の血圧低下を起こすおそれがある。[11.1.5 参照]
-
9.1.6 減塩療法中の患者
低ナトリウム血症を起こすおそれがある。特に、厳重な減塩療法中の患者では、一過性の血圧低下を起こすおそれがある。[11.1.5 参照],[11.1.15 参照]
-
9.1.7 重篤な冠動脈硬化症又は脳動脈硬化症のある患者
急激な利尿があらわれた場合、急速な血漿量減少、血液濃縮を来し、血栓塞栓症を誘発するおそれがある。
- 9.1.8 本人又は両親、兄弟に痛風、糖尿病のある患者、及び高尿酸血症のある患者
-
9.1.9 下痢、嘔吐のある患者
電解質失調があらわれるおそれがある。
-
9.1.10 高カルシウム血症、副甲状腺機能亢進症のある患者
血清カルシウムを上昇させるおそれがある。
-
9.1.11 交感神経切除後の患者
本剤の降圧作用が増強されるおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
-
9.2.1 無尿の患者又は透析患者
投与しないこと。[2.5 参照]
-
9.2.2 急性腎障害の患者
投与しないこと。腎機能を更に悪化させるおそれがある。[2.6 参照]
-
9.2.3 腎機能障害患者(血清クレアチニン値 2.0mg/dL超)
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること。ヒドロクロロチアジドにより腎血流量が低下し、ロサルタンカリウムにより腎機能障害が悪化するおそれがある。
-
9.2.4 腎機能低下患者(血清クレアチニン値 1.5~2.0mg/dL)
本剤投与中は定期的に血清クレアチニン値及び血清尿酸値のモニタリングを実施し、観察を十分に行うこと。血清クレアチニン値上昇及び血清尿酸値上昇のおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
-
9.3.1 重篤な肝機能障害のある患者
投与しないこと。[2.4 参照],[9.3.2 参照]
-
9.3.2 肝機能障害又はその既往のある患者(ただし、重篤な肝機能障害のある患者を除く)
外国において、軽・中等度のアルコール性肝硬変患者にロサルタンカリウム50mgを単回経口投与すると、健康成人と比較してロサルタンの消失速度が遅延し、ロサルタン及びカルボン酸体の血漿中濃度がそれぞれ約5倍及び約2倍に上昇することが報告されている。また、ヒドロクロロチアジドは肝性昏睡を誘発するおそれがある。[9.3.1 参照]
9.4 生殖能を有する者
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。投与中に妊娠が判明した場合には、直ちに投与を中止すること。妊娠中期及び末期にアンジオテンシン変換酵素阻害剤又はアンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤を投与された患者で羊水過少症、胎児・新生児の死亡、新生児の低血圧、腎不全、多臓器不全、頭蓋の形成不全及び羊水過少症によると推測される四肢の拘縮、頭蓋顔面の奇形、肺の低形成等があらわれたとの報告がある。なお、チアジド系薬剤では新生児又は乳児に高ビリルビン血症、血小板減少症等を起こすことがある。また、利尿効果に基づく血漿量減少、血液濃縮、子宮・胎盤血流量減少があらわれることがある。[2.3 参照],[9.4.1 参照]
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。ラットの周産期及び授乳期にロサルタンカリウム1mg/kg/day/ヒドロクロロチアジド0.25mg/kg/day~ロサルタンカリウム50mg/kg/day/ヒドロクロロチアジド12.5mg/kg/dayを投与した試験において、ロサルタンカリウム50mg/kg/day/ヒドロクロロチアジド12.5mg/kg/day群で産児体重の減少及び腎の病理組織学的変化がみられた。また、ロサルタン、カルボン酸体及びヒドロクロロチアジドの乳汁移行性も確認された。本試験の産児に対する無毒性量はロサルタンカリウム10mg/kg/day/ヒドロクロロチアジド2.5mg/kg/dayであった。ヒドロクロロチアジドは、ヒト母乳中への移行が報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。乳児は電解質バランスがくずれやすい。
9.8 高齢者
- 9.8.1 一般に生理機能が低下している。
- 9.8.2 一般に過度の降圧は好ましくないとされている。脳梗塞等が起こるおそれがある。
- 9.8.3 高齢者でのロサルタンカリウム単独投与における薬物動態試験で、ロサルタン及びカルボン酸体の血漿中濃度が非高齢者に比べて高かった(非高齢者に比較してロサルタン及びカルボン酸体の血漿中濃度がそれぞれ約2倍及び約1.3倍に上昇)。
- 9.8.4 急激な利尿は血漿量の減少を来し、脱水、低血圧等による立ちくらみ、めまい、失神等を起こすことがある。
- 9.8.5 特に心疾患等で浮腫のある高齢者では急激な利尿は急速な血漿量の減少と血液濃縮を来し、脳梗塞等の血栓塞栓症を誘発するおそれがある。
- 9.8.6 低ナトリウム血症、低カリウム血症があらわれやすい。
10. 相互作用
- 本剤の成分であるロサルタンカリウムは、薬物代謝酵素チトクロームP450 2C9(CYP2C9)及び3A4(CYP3A4)により活性代謝物であるカルボン酸体に代謝される。なお、本剤の成分であるヒドロクロロチアジドは、ほとんど代謝されることなく尿中に排泄される。[16.4 参照]
10.1 併用禁忌(併用しないこと)
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
血清カリウム値が上昇するおそれがある。 |
本剤の成分であるロサルタンカリウムとの併用によりカリウム貯留作用が増強するおそれがある。腎機能障害のある患者には特に注意すること。 |
|
一過性の血圧低下を起こすおそれがある。 |
利尿降圧剤で治療を受けている患者にはレニン活性が亢進している患者が多く、本剤が奏効しやすい。 |
|
アリスキレン |
腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがある。eGFRが60mL/min/1.73m2未満の腎機能障害のある患者へのアリスキレンとの併用については、治療上やむを得ないと判断される場合を除き避けること。 |
レニン・アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。 |
アンジオテンシン変換酵素阻害剤 |
腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがある。 |
レニン・アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。 |
バルビツール酸誘導体 |
起立性低血圧が増強されることがある。 |
これらの薬剤の中枢抑制作用と本剤の成分であるヒドロクロロチアジドの降圧作用による。 |
あへんアルカロイド系麻薬 |
起立性低血圧が増強されることがある。 |
本剤の成分であるヒドロクロロチアジドとあへんアルカロイドの大量投与で血圧下降があらわれることが報告されている。 |
アルコール |
起立性低血圧が増強されることがある。 |
本剤の成分であるヒドロクロロチアジドと血管拡張作用を有するアルコールとの併用により降圧作用が増強される可能性がある。 |
昇圧アミンの作用を減弱することがある。 |
本剤の成分であるヒドロクロロチアジドは昇圧アミンに対する血管壁の反応性を低下させることが報告されている。 |
|
ツボクラリン及びその類似作用物質の麻痺作用を増強することがある。手術前の患者に使用する場合、本剤の一時休薬等の処置を講ずること。 |
本剤の成分であるヒドロクロロチアジドによる血清カリウム値の低下により、これらの薬剤の神経・筋遮断作用を増強すると考えられている。 |
|
降圧作用を増強するおそれがある。降圧剤の用量調節等に注意すること。 |
作用機序の異なる降圧作用により互いに協力的に作用する。 |
|
ジギタリスの心臓に対する作用を増強し、不整脈等を起こすことがある。血清カリウム値に十分注意すること。 |
本剤の成分であるヒドロクロロチアジドによる血清カリウム値の低下により多量のジギタリスが心筋Na-K ATPaseに結合し、心収縮力増強と不整脈が起こる。マグネシウム低下も同様の作用を示す。 |
|
乳酸ナトリウム |
チアジド系薬剤による代謝性アルカローシス、低カリウム血症を増強することがある。 |
本剤の成分であるヒドロクロロチアジドのカリウム排泄作用により低カリウム血症や代謝性アルカローシスが引き起こされることがある。アルカリ化剤である乳酸ナトリウムの併用はこの状態を更に増強させる。 |
リチウム中毒が報告されている。血中リチウム濃度に注意すること。 |
本剤の成分であるロサルタンカリウムのナトリウム排泄作用により、リチウムの蓄積が起こると考えられている。 |
|
振戦、消化器愁訴等、リチウム中毒を増強することがある。血清リチウム濃度に注意すること。 |
本剤の成分であるヒドロクロロチアジドは腎におけるリチウムの再吸収を促進し、リチウムの血中濃度を上昇させる。 |
|
副腎皮質ホルモン剤 |
低カリウム血症が発現することがある。 |
本剤の成分であるヒドロクロロチアジド及び副腎皮質ホルモン剤、ACTHともカリウム排泄作用を持つ。 |
グリチルリチン製剤 |
血清カリウム値の低下があらわれやすくなる。 |
グリチルリチン製剤は低カリウム血症を主徴とした偽アルドステロン症を引き起こすことがある。したがって本剤の成分であるヒドロクロロチアジドとグリチルリチン製剤の併用により低カリウム血症を増強する可能性がある。 |
糖尿病用剤の作用を著しく減弱することがある。 |
機序は明確ではないが、本剤の成分であるヒドロクロロチアジドによるカリウム喪失により膵臓のβ細胞のインスリン放出が低下すると考えられている。 |
|
コレスチラミン |
チアジド系薬剤の作用が減弱することがある。 |
コレスチラミンの吸着作用により本剤の成分であるヒドロクロロチアジドの吸収が阻害されることがある。 |
降圧作用が減弱されるおそれがある。 |
プロスタグランジンの合成阻害作用により、本剤の降圧作用を減弱させる可能性がある。 |
|
腎機能が悪化している患者では、さらに腎機能が悪化するおそれがある。 |
プロスタグランジンの合成阻害作用により、腎血流量が低下するためと考えられる。 |
|
チアジド系薬剤の作用が減弱することがある。 |
非ステロイド性消炎鎮痛剤のプロスタグランジン合成酵素阻害作用により、腎内プロスタグランジンが減少し、水・ナトリウムの体内貯留が生じて本剤の成分であるヒドロクロロチアジドの作用と拮抗する。 |
|
グレープフルーツジュース |
降圧作用が減弱されるおそれがある。本剤の投与中はグレープフルーツジュースの摂取は避けること。 |
グレープフルーツジュースに含まれる成分のCYP3A4阻害作用により本剤の有効成分であるロサルタンカリウムの活性代謝物の血中濃度が低下するため、本剤の降圧作用が減弱されるおそれがある。 |
11. 副作用
11.1 重大な副作用
-
11.1.1 アナフィラキシー(頻度不明)
不快感、口内異常感、発汗、蕁麻疹、呼吸困難、全身潮紅、浮腫等があらわれることがある。
-
11.1.2 **血管性浮腫(頻度不明)
顔面、口唇、咽頭、舌等の腫脹があらわれることがある。また、腹痛、嘔気、嘔吐、下痢等を伴う腸管血管性浮腫があらわれることがある。
- 11.1.3 急性肝炎又は劇症肝炎(いずれも頻度不明)
- 11.1.4 急性腎障害(頻度不明)
-
11.1.5 ショック、失神、意識消失(いずれも頻度不明)
冷感、嘔吐、意識消失等があらわれた場合には、直ちに適切な処置を行うこと。[9.1.5 参照],[9.1.6 参照],[10.2 参照]
-
11.1.6 横紋筋融解症(頻度不明)
筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意すること。
-
11.1.7 低カリウム血症、高カリウム血症(いずれも頻度不明)
血清カリウム値の異常変動に伴い、倦怠感、脱力感、不整脈等があらわれることがある。[2.7 参照],[8.3 参照],[9.1.2 参照],[9.1.3 参照]
-
11.1.8 不整脈(頻度不明)
心室性期外収縮、心房細動等の不整脈があらわれることがある。
- 11.1.9 汎血球減少、白血球減少、血小板減少(いずれも頻度不明)
- 11.1.10 再生不良性貧血、溶血性貧血(いずれも頻度不明)
- 11.1.11 壊死性血管炎(頻度不明)
-
11.1.12 間質性肺炎、肺水腫、急性呼吸窮迫症候群(いずれも頻度不明)
間質性肺炎、肺水腫があらわれることがある。また、ヒドロクロロチアジド服用後、数分から数時間以内に急性呼吸窮迫症候群が発現したとの報告がある3) ,4) ,5) ,6) 。
- 11.1.13 全身性エリテマトーデスの悪化(頻度不明)
-
11.1.14 低血糖(頻度不明)
脱力感、空腹感、冷汗、手の震え、集中力低下、痙攣、意識障害等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。糖尿病治療中の患者であらわれやすい。
-
11.1.15 低ナトリウム血症(頻度不明)
倦怠感、食欲不振、嘔気、嘔吐、痙攣、意識障害等を伴う低ナトリウム血症があらわれることがある。[2.7 参照],[9.1.6 参照]
-
11.1.16 *急性近視、閉塞隅角緑内障、脈絡膜滲出(いずれも頻度不明)
急性近視(霧視、視力低下等を含む)、閉塞隅角緑内障、脈絡膜滲出があらわれることがある。[8.12 参照]
11.2 その他の副作用
0.1~5%未満 注1) |
頻度不明 |
|
|---|---|---|
精神神経系 |
めまい、浮遊感、眠気、頭痛 |
耳鳴、不眠、知覚異常 |
循環器系 |
低血圧、起立性低血圧、動悸 |
調律障害(頻脈等)、胸痛 |
消化器 |
嘔吐・嘔気 |
口内炎、下痢、口角炎、胃不快感、胃潰瘍、腹部仙痛、膵炎、唾液腺炎、便秘、食欲不振、腹部不快感、口渇 |
肝臓 |
黄疸、肝機能障害(AST上昇、ALT上昇、LDH上昇等) |
|
腎臓 |
BUN上昇、クレアチニン上昇 |
|
皮膚 |
発疹、蕁麻疹 |
多形紅斑、光線過敏、紅皮症、紅斑、そう痒、顔面潮紅、皮膚エリテマトーデス |
血液 |
貧血、赤血球数増加、赤血球数減少、ヘマトクリット低下、ヘマトクリット上昇、ヘモグロビン増加、白血球数増加、リンパ球数増加 |
好酸球数増加、好中球百分率増加、リンパ球数減少 |
その他 |
倦怠感、CK上昇、高尿酸血症、高血糖症、頚部異和感、多汗、頻尿、CRP増加、尿中ブドウ糖陽性、尿中赤血球陽性、尿中白血球陽性、尿中蛋白陽性、BNP増加 |
発熱、味覚障害、しびれ感、眼症状(かすみ、異和感等)、黄視症、ほてり、浮腫、筋肉痛、咳嗽、低マグネシウム血症、低クロール性アルカローシス、血清カルシウム増加、インポテンス、高カルシウム血症を伴う副甲状腺障害、筋痙攣、関節痛、鼻閉、紫斑、呼吸困難、血清脂質増加、女性化乳房 |
12. 臨床検査結果に及ぼす影響
甲状腺障害のない患者の血清PBIを低下させることがある。
2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)
- 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 2.2 チアジド系薬剤又はその類似化合物(例えばクロルタリドン等のスルフォンアミド誘導体)に対する過敏症の既往歴のある患者
- 2.3 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5 参照]
- 2.4 重篤な肝機能障害のある患者[9.3.1 参照]
- 2.5 無尿の患者又は透析患者[9.2.1 参照]
- 2.6 急性腎障害の患者[9.2.2 参照]
- 2.7 体液中のナトリウム・カリウムが明らかに減少している患者[低ナトリウム血症、低カリウム血症等の電解質失調を悪化させるおそれがある。][9.1.2 参照],[11.1.7 参照],[11.1.15 参照]
- 2.8 アリスキレンを投与中の糖尿病患者(ただし、他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く)[10.1 参照]
- 2.9 デスモプレシン酢酸塩水和物(男性における夜間多尿による夜間頻尿)を投与中の患者[10.1 参照]
4. 効能又は効果
高血圧症
5. 効能又は効果に関連する注意
過度な血圧低下のおそれ等があり、本剤を高血圧治療の第一選択薬としないこと。
6. 用法及び用量
成人には1日1回1錠(ロサルタンカリウム/ヒドロクロロチアジドとして50mg/12.5mg又は100mg/12.5mg)を経口投与する。
本剤は高血圧治療の第一選択薬として用いない。
7. 用法及び用量に関連する注意
原則として、ロサルタンカリウム50mgで効果不十分な場合にロサルタンカリウム/ヒドロクロロチアジドとして50mg/12.5mgの投与を、ロサルタンカリウム100mg又はロサルタンカリウム/ヒドロクロロチアジドとして50mg/12.5mgで効果不十分な場合にロサルタンカリウム/ヒドロクロロチアジドとして100mg/12.5mgの投与を検討すること。[8.1 参照]
8. 重要な基本的注意
- 8.1 本剤はロサルタンカリウム50mgあるいは100mgとヒドロクロロチアジド12.5mgの配合剤であり、ロサルタンカリウムとヒドロクロロチアジド双方の副作用が発現するおそれがあり、適切に本剤の使用を検討すること。[7 参照]
- 8.2 一過性の血圧低下(ショック症状、意識消失、呼吸困難等を伴う)を起こすおそれがあるので、本剤投与中は定期的(投与開始時:2週間ごと、安定後:月1回程度)に血圧のモニタリングを実施すること。
- 8.3 本剤の成分であるヒドロクロロチアジドは低カリウム血症を起こすことが知られている。ロサルタンカリウム/ヒドロクロロチアジドとして50mg/12.5mgが投与された国内臨床試験において、血清カリウム値は低下傾向を示し、また低カリウム血症の発現頻度は高カリウム血症よりも高かった。したがって、低カリウム血症の発現がより懸念されるので、血清カリウム値のモニタリングを定期的に実施し、観察を十分に行うこと。[9.1.2 参照],[11.1.7 参照]
- 8.4 本剤の成分であるヒドロクロロチアジドは高尿酸血症を発現させるおそれがあるので、本剤投与中は定期的に血清尿酸値のモニタリングを実施し、観察を十分に行うこと。[9.1.8 参照]
- 8.5 本剤の成分であるヒドロクロロチアジドは血糖値上昇若しくは糖尿病顕性化のおそれがあるので、観察を十分に行うこと。[9.1.8 参照]
- 8.6 本剤の成分であるヒドロクロロチアジドは重篤な血液障害を発現させるおそれがあるので、定期的に検査を実施するなど観察を十分に行うこと。[11.1.10 参照]
- 8.7 降圧作用に基づくめまい、ふらつきがあらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。
- 8.8 手術前24時間は投与しないことが望ましい。アンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤投与中の患者は、麻酔及び手術中にレニン・アンジオテンシン系の抑制作用による高度な血圧低下を起こすおそれがある。
- 8.9 本剤の成分を含むアンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤投与中にまれに肝炎等の重篤な肝障害があらわれたとの報告がある。肝機能検査を実施するなど、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 8.10 本剤の投与により利尿効果が急激にあらわれることがあるので、電解質失調、脱水に十分注意すること。
- 8.11 夜間の休息が特に必要な患者には、夜間の排尿を避けるため、午前中に投与することが望ましい。
- 8.12 *本剤の成分であるヒドロクロロチアジドは急性近視、閉塞隅角緑内障、脈絡膜滲出を発現させるおそれがあるので、急激な視力の低下や眼痛等の異常が認められた場合には、直ちに眼科医の診察を受けるよう、患者に指導すること。[11.1.16 参照]
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
-
9.1.1 両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること。腎血流量の減少や糸球体ろ過圧の低下により急速に腎機能を悪化させるおそれがある。
-
9.1.2 血清カリウム値異常の患者
低カリウム血症又は高カリウム血症を起こすおそれがある。[2.7 参照],[8.3 参照],[9.1.3 参照],[11.1.7 参照]
-
9.1.3 高カリウム血症の患者
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること。本剤の成分であるロサルタンカリウムは、高カリウム血症を増悪させるおそれがある。
また、腎機能障害、コントロール不良の糖尿病等により血清カリウム値が高くなりやすい患者では、高カリウム血症が発現するおそれがあるので、血清カリウム値のモニタリングを定期的に実施し、観察を十分に行うこと。[9.1.2 参照],[11.1.7 参照] -
9.1.4 脳血管障害のある患者
過度の降圧が脳血流不全を惹起し、病態を悪化させるおそれがある。
-
9.1.5 体液量が減少している患者(水分摂取の不十分な患者、過度の発汗をしている患者)
一過性の血圧低下を起こすおそれがある。[11.1.5 参照]
-
9.1.6 減塩療法中の患者
低ナトリウム血症を起こすおそれがある。特に、厳重な減塩療法中の患者では、一過性の血圧低下を起こすおそれがある。[11.1.5 参照],[11.1.15 参照]
-
9.1.7 重篤な冠動脈硬化症又は脳動脈硬化症のある患者
急激な利尿があらわれた場合、急速な血漿量減少、血液濃縮を来し、血栓塞栓症を誘発するおそれがある。
- 9.1.8 本人又は両親、兄弟に痛風、糖尿病のある患者、及び高尿酸血症のある患者
-
9.1.9 下痢、嘔吐のある患者
電解質失調があらわれるおそれがある。
-
9.1.10 高カルシウム血症、副甲状腺機能亢進症のある患者
血清カルシウムを上昇させるおそれがある。
-
9.1.11 交感神経切除後の患者
本剤の降圧作用が増強されるおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
-
9.2.1 無尿の患者又は透析患者
投与しないこと。[2.5 参照]
-
9.2.2 急性腎障害の患者
投与しないこと。腎機能を更に悪化させるおそれがある。[2.6 参照]
-
9.2.3 腎機能障害患者(血清クレアチニン値 2.0mg/dL超)
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること。ヒドロクロロチアジドにより腎血流量が低下し、ロサルタンカリウムにより腎機能障害が悪化するおそれがある。
-
9.2.4 腎機能低下患者(血清クレアチニン値 1.5~2.0mg/dL)
本剤投与中は定期的に血清クレアチニン値及び血清尿酸値のモニタリングを実施し、観察を十分に行うこと。血清クレアチニン値上昇及び血清尿酸値上昇のおそれがある。
9.3 肝機能障害患者
-
9.3.1 重篤な肝機能障害のある患者
投与しないこと。[2.4 参照],[9.3.2 参照]
-
9.3.2 肝機能障害又はその既往のある患者(ただし、重篤な肝機能障害のある患者を除く)
外国において、軽・中等度のアルコール性肝硬変患者にロサルタンカリウム50mgを単回経口投与すると、健康成人と比較してロサルタンの消失速度が遅延し、ロサルタン及びカルボン酸体の血漿中濃度がそれぞれ約5倍及び約2倍に上昇することが報告されている。また、ヒドロクロロチアジドは肝性昏睡を誘発するおそれがある。[9.3.1 参照]
9.4 生殖能を有する者
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。投与中に妊娠が判明した場合には、直ちに投与を中止すること。妊娠中期及び末期にアンジオテンシン変換酵素阻害剤又はアンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤を投与された患者で羊水過少症、胎児・新生児の死亡、新生児の低血圧、腎不全、多臓器不全、頭蓋の形成不全及び羊水過少症によると推測される四肢の拘縮、頭蓋顔面の奇形、肺の低形成等があらわれたとの報告がある。なお、チアジド系薬剤では新生児又は乳児に高ビリルビン血症、血小板減少症等を起こすことがある。また、利尿効果に基づく血漿量減少、血液濃縮、子宮・胎盤血流量減少があらわれることがある。[2.3 参照],[9.4.1 参照]
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。ラットの周産期及び授乳期にロサルタンカリウム1mg/kg/day/ヒドロクロロチアジド0.25mg/kg/day~ロサルタンカリウム50mg/kg/day/ヒドロクロロチアジド12.5mg/kg/dayを投与した試験において、ロサルタンカリウム50mg/kg/day/ヒドロクロロチアジド12.5mg/kg/day群で産児体重の減少及び腎の病理組織学的変化がみられた。また、ロサルタン、カルボン酸体及びヒドロクロロチアジドの乳汁移行性も確認された。本試験の産児に対する無毒性量はロサルタンカリウム10mg/kg/day/ヒドロクロロチアジド2.5mg/kg/dayであった。ヒドロクロロチアジドは、ヒト母乳中への移行が報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。乳児は電解質バランスがくずれやすい。
9.8 高齢者
- 9.8.1 一般に生理機能が低下している。
- 9.8.2 一般に過度の降圧は好ましくないとされている。脳梗塞等が起こるおそれがある。
- 9.8.3 高齢者でのロサルタンカリウム単独投与における薬物動態試験で、ロサルタン及びカルボン酸体の血漿中濃度が非高齢者に比べて高かった(非高齢者に比較してロサルタン及びカルボン酸体の血漿中濃度がそれぞれ約2倍及び約1.3倍に上昇)。
- 9.8.4 急激な利尿は血漿量の減少を来し、脱水、低血圧等による立ちくらみ、めまい、失神等を起こすことがある。
- 9.8.5 特に心疾患等で浮腫のある高齢者では急激な利尿は急速な血漿量の減少と血液濃縮を来し、脳梗塞等の血栓塞栓症を誘発するおそれがある。
- 9.8.6 低ナトリウム血症、低カリウム血症があらわれやすい。
10. 相互作用
- 本剤の成分であるロサルタンカリウムは、薬物代謝酵素チトクロームP450 2C9(CYP2C9)及び3A4(CYP3A4)により活性代謝物であるカルボン酸体に代謝される。なお、本剤の成分であるヒドロクロロチアジドは、ほとんど代謝されることなく尿中に排泄される。[16.4 参照]
10.1 併用禁忌(併用しないこと)
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
血清カリウム値が上昇するおそれがある。 |
本剤の成分であるロサルタンカリウムとの併用によりカリウム貯留作用が増強するおそれがある。腎機能障害のある患者には特に注意すること。 |
|
一過性の血圧低下を起こすおそれがある。 |
利尿降圧剤で治療を受けている患者にはレニン活性が亢進している患者が多く、本剤が奏効しやすい。 |
|
アリスキレン |
腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがある。eGFRが60mL/min/1.73m2未満の腎機能障害のある患者へのアリスキレンとの併用については、治療上やむを得ないと判断される場合を除き避けること。 |
レニン・アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。 |
アンジオテンシン変換酵素阻害剤 |
腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがある。 |
レニン・アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。 |
バルビツール酸誘導体 |
起立性低血圧が増強されることがある。 |
これらの薬剤の中枢抑制作用と本剤の成分であるヒドロクロロチアジドの降圧作用による。 |
あへんアルカロイド系麻薬 |
起立性低血圧が増強されることがある。 |
本剤の成分であるヒドロクロロチアジドとあへんアルカロイドの大量投与で血圧下降があらわれることが報告されている。 |
アルコール |
起立性低血圧が増強されることがある。 |
本剤の成分であるヒドロクロロチアジドと血管拡張作用を有するアルコールとの併用により降圧作用が増強される可能性がある。 |
昇圧アミンの作用を減弱することがある。 |
本剤の成分であるヒドロクロロチアジドは昇圧アミンに対する血管壁の反応性を低下させることが報告されている。 |
|
ツボクラリン及びその類似作用物質の麻痺作用を増強することがある。手術前の患者に使用する場合、本剤の一時休薬等の処置を講ずること。 |
本剤の成分であるヒドロクロロチアジドによる血清カリウム値の低下により、これらの薬剤の神経・筋遮断作用を増強すると考えられている。 |
|
降圧作用を増強するおそれがある。降圧剤の用量調節等に注意すること。 |
作用機序の異なる降圧作用により互いに協力的に作用する。 |
|
ジギタリスの心臓に対する作用を増強し、不整脈等を起こすことがある。血清カリウム値に十分注意すること。 |
本剤の成分であるヒドロクロロチアジドによる血清カリウム値の低下により多量のジギタリスが心筋Na-K ATPaseに結合し、心収縮力増強と不整脈が起こる。マグネシウム低下も同様の作用を示す。 |
|
乳酸ナトリウム |
チアジド系薬剤による代謝性アルカローシス、低カリウム血症を増強することがある。 |
本剤の成分であるヒドロクロロチアジドのカリウム排泄作用により低カリウム血症や代謝性アルカローシスが引き起こされることがある。アルカリ化剤である乳酸ナトリウムの併用はこの状態を更に増強させる。 |
リチウム中毒が報告されている。血中リチウム濃度に注意すること。 |
本剤の成分であるロサルタンカリウムのナトリウム排泄作用により、リチウムの蓄積が起こると考えられている。 |
|
振戦、消化器愁訴等、リチウム中毒を増強することがある。血清リチウム濃度に注意すること。 |
本剤の成分であるヒドロクロロチアジドは腎におけるリチウムの再吸収を促進し、リチウムの血中濃度を上昇させる。 |
|
副腎皮質ホルモン剤 |
低カリウム血症が発現することがある。 |
本剤の成分であるヒドロクロロチアジド及び副腎皮質ホルモン剤、ACTHともカリウム排泄作用を持つ。 |
グリチルリチン製剤 |
血清カリウム値の低下があらわれやすくなる。 |
グリチルリチン製剤は低カリウム血症を主徴とした偽アルドステロン症を引き起こすことがある。したがって本剤の成分であるヒドロクロロチアジドとグリチルリチン製剤の併用により低カリウム血症を増強する可能性がある。 |
糖尿病用剤の作用を著しく減弱することがある。 |
機序は明確ではないが、本剤の成分であるヒドロクロロチアジドによるカリウム喪失により膵臓のβ細胞のインスリン放出が低下すると考えられている。 |
|
コレスチラミン |
チアジド系薬剤の作用が減弱することがある。 |
コレスチラミンの吸着作用により本剤の成分であるヒドロクロロチアジドの吸収が阻害されることがある。 |
降圧作用が減弱されるおそれがある。 |
プロスタグランジンの合成阻害作用により、本剤の降圧作用を減弱させる可能性がある。 |
|
腎機能が悪化している患者では、さらに腎機能が悪化するおそれがある。 |
プロスタグランジンの合成阻害作用により、腎血流量が低下するためと考えられる。 |
|
チアジド系薬剤の作用が減弱することがある。 |
非ステロイド性消炎鎮痛剤のプロスタグランジン合成酵素阻害作用により、腎内プロスタグランジンが減少し、水・ナトリウムの体内貯留が生じて本剤の成分であるヒドロクロロチアジドの作用と拮抗する。 |
|
グレープフルーツジュース |
降圧作用が減弱されるおそれがある。本剤の投与中はグレープフルーツジュースの摂取は避けること。 |
グレープフルーツジュースに含まれる成分のCYP3A4阻害作用により本剤の有効成分であるロサルタンカリウムの活性代謝物の血中濃度が低下するため、本剤の降圧作用が減弱されるおそれがある。 |
11. 副作用
11.1 重大な副作用
-
11.1.1 アナフィラキシー(頻度不明)
不快感、口内異常感、発汗、蕁麻疹、呼吸困難、全身潮紅、浮腫等があらわれることがある。
-
11.1.2 **血管性浮腫(頻度不明)
顔面、口唇、咽頭、舌等の腫脹があらわれることがある。また、腹痛、嘔気、嘔吐、下痢等を伴う腸管血管性浮腫があらわれることがある。
- 11.1.3 急性肝炎又は劇症肝炎(いずれも頻度不明)
- 11.1.4 急性腎障害(頻度不明)
-
11.1.5 ショック、失神、意識消失(いずれも頻度不明)
冷感、嘔吐、意識消失等があらわれた場合には、直ちに適切な処置を行うこと。[9.1.5 参照],[9.1.6 参照],[10.2 参照]
-
11.1.6 横紋筋融解症(頻度不明)
筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意すること。
-
11.1.7 低カリウム血症、高カリウム血症(いずれも頻度不明)
血清カリウム値の異常変動に伴い、倦怠感、脱力感、不整脈等があらわれることがある。[2.7 参照],[8.3 参照],[9.1.2 参照],[9.1.3 参照]
-
11.1.8 不整脈(頻度不明)
心室性期外収縮、心房細動等の不整脈があらわれることがある。
- 11.1.9 汎血球減少、白血球減少、血小板減少(いずれも頻度不明)
- 11.1.10 再生不良性貧血、溶血性貧血(いずれも頻度不明)
- 11.1.11 壊死性血管炎(頻度不明)
-
11.1.12 間質性肺炎、肺水腫、急性呼吸窮迫症候群(いずれも頻度不明)
間質性肺炎、肺水腫があらわれることがある。また、ヒドロクロロチアジド服用後、数分から数時間以内に急性呼吸窮迫症候群が発現したとの報告がある3) ,4) ,5) ,6) 。
- 11.1.13 全身性エリテマトーデスの悪化(頻度不明)
-
11.1.14 低血糖(頻度不明)
脱力感、空腹感、冷汗、手の震え、集中力低下、痙攣、意識障害等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。糖尿病治療中の患者であらわれやすい。
-
11.1.15 低ナトリウム血症(頻度不明)
倦怠感、食欲不振、嘔気、嘔吐、痙攣、意識障害等を伴う低ナトリウム血症があらわれることがある。[2.7 参照],[9.1.6 参照]
-
11.1.16 *急性近視、閉塞隅角緑内障、脈絡膜滲出(いずれも頻度不明)
急性近視(霧視、視力低下等を含む)、閉塞隅角緑内障、脈絡膜滲出があらわれることがある。[8.12 参照]
11.2 その他の副作用
0.1~5%未満 注1) |
頻度不明 |
|
|---|---|---|
精神神経系 |
めまい、浮遊感、眠気、頭痛 |
耳鳴、不眠、知覚異常 |
循環器系 |
低血圧、起立性低血圧、動悸 |
調律障害(頻脈等)、胸痛 |
消化器 |
嘔吐・嘔気 |
口内炎、下痢、口角炎、胃不快感、胃潰瘍、腹部仙痛、膵炎、唾液腺炎、便秘、食欲不振、腹部不快感、口渇 |
肝臓 |
黄疸、肝機能障害(AST上昇、ALT上昇、LDH上昇等) |
|
腎臓 |
BUN上昇、クレアチニン上昇 |
|
皮膚 |
発疹、蕁麻疹 |
多形紅斑、光線過敏、紅皮症、紅斑、そう痒、顔面潮紅、皮膚エリテマトーデス |
血液 |
貧血、赤血球数増加、赤血球数減少、ヘマトクリット低下、ヘマトクリット上昇、ヘモグロビン増加、白血球数増加、リンパ球数増加 |
好酸球数増加、好中球百分率増加、リンパ球数減少 |
その他 |
倦怠感、CK上昇、高尿酸血症、高血糖症、頚部異和感、多汗、頻尿、CRP増加、尿中ブドウ糖陽性、尿中赤血球陽性、尿中白血球陽性、尿中蛋白陽性、BNP増加 |
発熱、味覚障害、しびれ感、眼症状(かすみ、異和感等)、黄視症、ほてり、浮腫、筋肉痛、咳嗽、低マグネシウム血症、低クロール性アルカローシス、血清カルシウム増加、インポテンス、高カルシウム血症を伴う副甲状腺障害、筋痙攣、関節痛、鼻閉、紫斑、呼吸困難、血清脂質増加、女性化乳房 |
12. 臨床検査結果に及ぼす影響
甲状腺障害のない患者の血清PBIを低下させることがある。