薬効分類名注射用抗アルドステロン剤
水分・電解質代謝改善剤

一般的名称カンレノ酸カリウム

ソルダクトン静注用100mg、ソルダクトン静注用200mg

そるだくとんじょうちゅうよう100mg、そるだくとんじょうちゅうよう200mg

Soldactone for Intravenous Use 100mg, Soldactone for Intravenous Use 200mg

製造販売元/ファイザー株式会社

第3版
禁忌相互作用合併症・既往歴等のある患者腎機能障害患者肝機能障害患者妊婦授乳婦小児等高齢者

重大な副作用

頻度
副作用
頻度不明
高カリウム血症、低ナトリウム血症、高ナトリウム血症、低クロール血症、高クロール血症等

その他の副作用

部位
頻度
副作用
免疫系
0.1%未満a)
血液系
0.1~5%未満a)
血液系
0.1%未満a)
腎・尿路
0.1~5%未満a)
肝臓まわり
0.1~5%未満a)
胃腸・消化器系
0.1~5%未満a)
胃腸・消化器系
0.1%未満a)
脳・神経
0.1~5%未満a)
脳・神経
0.1%未満a)
内分泌・代謝系
0.1~5%未満a)
内分泌・代謝系
頻度不明
男性で性欲減退女性で多毛声の低音化月経異常乳房痛
その他
0.1~5%未満a)
注射部位の疼痛
その他
0.1~5%未満a)
その他
0.1%未満a)

併用注意

薬剤名等

降圧剤

  • ACE阻害剤
    カルシウム拮抗剤
    β-遮断剤等

利尿剤

  • チアジド系利尿剤
    ループ利尿剤
臨床症状・措置方法

降圧作用又は利尿作用を増強するおそれがあるので、これらの薬剤の用量を調節するなど注意する。

機序・危険因子

機序:降圧剤又は利尿剤と本剤との相加・相乗作用。

薬剤名等

カリウム補給
カリウム保持性利尿剤

  • スピロノラクトン
    トリアムテレン

ACE阻害剤

  • カプトプリル
    エナラプリル
    リシノプリル等

アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬

  • ロサルタンカリウム
    カンデサルタンシレキセチル
    バルサルタン等

アリスキレン
シクロスポリン
ドロスピレノン

臨床症状・措置方法

高カリウム血症を誘発することがあるので、血清カリウム値を観察するなど十分注意する。

機序・危険因子

機序:これらの薬剤と本剤の相加・相乗作用による血清カリウム値の上昇。
危険因子:腎障害患者、高齢者

薬剤名等

フィネレノン

臨床症状・措置方法

血清カリウム値上昇及び高カリウム血症が発現する危険性が増大するおそれがあるので、治療上必要と判断される場合にのみ併用すること。併用する場合には、血清カリウム値をより頻回に測定するなど患者の状態を慎重に観察すること。

機序・危険因子

機序:これらの薬剤と本剤の相加・相乗作用による血清カリウム値の上昇。
危険因子:腎障害患者、高齢者

薬剤名等

リチウム製剤

  • 炭酸リチウム
臨床症状・措置方法

利尿剤又はACE阻害剤との併用により、リチウム中毒を起こすことが報告されているので、血中リチウム濃度に注意すること。

機序・危険因子

ナトリウムイオン不足はリチウムイオンの貯留を促進するといわれているため、ナトリウム排泄を促進することにより起こると考えられる。

薬剤名等

非ステロイド性消炎鎮痛剤

  • インドメタシン等
臨床症状・措置方法

カリウム保持性利尿剤との併用により、腎機能障害患者における重度の高カリウム血症の発現が報告されている。

機序・危険因子

プロスタグランジン産生が抑制されることによって、カリウム貯留作用による血清カリウム値の上昇が起こると考えられる。
危険因子:腎機能障害

薬剤名等

乳酸ナトリウム

臨床症状・措置方法

乳酸ナトリウムのアルカリ化作用の減弱を来すことがある。

機序・危険因子

本剤により高カリウム性アシドーシスが惹起され、乳酸ナトリウムのアルカリ化作用と拮抗する可能性がある。

薬剤名等

塩化アンモニウム
コレスチラミン

臨床症状・措置方法

類薬スピロノラクトンとの併用により代謝性アシドーシスを来すとの報告がある。

機序・危険因子

これらの薬剤と本剤の相加・相乗作用が起こるおそれがある。

詳細情報

正確な情報は PMDA で必ず確認して下さい

注意以下の情報は参考資料としてご活用下さい

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 無尿又は腎不全の患者[腎機能を更に悪化させるおそれがある。また、腎からのカリウム排泄が低下しているため、高カリウム血症を誘発又は増悪させるおそれがある。][9.2.1 参照]
  2. 2.2 腎機能の進行性悪化状態の患者[9.2.2 参照]
  3. 2.3 高カリウム血症の患者[高カリウム血症を増悪させるおそれがある。]
  4. 2.4 *エプレレノン、エサキセレノン又はタクロリムスを投与中の患者[10.1 参照]
  5. 2.5 アジソン病の患者[アジソン病ではアルドステロン分泌低下により、カリウム排泄障害を来しているので、高カリウム血症となるおそれがある。]
  6. 2.6 本剤に対し過敏症の既往歴のある患者
  7. 2.7 てんかん等の痙攣性素因のある患者[動物試験で、痙攣誘発及び異常脳波が報告されている。]

3. 組成・性状

3.1 組成

ソルダクトン静注用100mg

有効成分 1アンプル中
日局 カンレノ酸カリウム   100mg
添加剤 トロメタモール
5mg
ソルダクトン静注用200mg

有効成分 1アンプル中
日局 カンレノ酸カリウム   200mg
添加剤 トロメタモール
10mg

3.2 製剤の性状

本剤は微黄色~淡黄色の塊で、1アンプルを注射用水、5%ブドウ糖注射液又は生理食塩液に溶解した時のpH及び浸透圧比は次のとおりである。
ソルダクトン静注用100mg

注射用水 溶解液 10mL
pH 9~10
浸透圧比 約0.2
5%ブドウ糖注射液 溶解液 10mL
pH 9~10
浸透圧比 約1.2
生理食塩液 溶解液 10mL
pH 9~10
浸透圧比 約1.2
(浸透圧比:生理食塩液対比)
ソルダクトン静注用200mg

注射用水 溶解液 20mL
pH 9~10
浸透圧比 約0.2
5%ブドウ糖注射液 溶解液 20mL
pH 9~10
浸透圧比 約1.2
生理食塩液 溶解液 20mL
pH 9~10
浸透圧比 約1.2
(浸透圧比:生理食塩液対比)

4. 効能又は効果

経口抗アルドステロン薬の服用困難な下記症状(高アルドステロン症によると考えられる)の改善
原発性アルドステロン症
心性浮腫(うっ血性心不全)、肝性浮腫
開心術及び開腹術時における水分・電解質代謝異常

5. 効能又は効果に関連する注意

  1. 5.1 本剤の適用対象は、経口抗アルドステロン薬の服用が困難で、高アルドステロン症によると考えられる症状であり、投与に際しては、特に適応、症状を考慮し、他の治療法によって十分に治療効果が期待できない場合にのみ本剤の投与を考慮すること。
  2. 5.2 本剤は、経口抗アルドステロン薬の服用が可能になった場合及び所期の効果が認められない場合には速やかに投与を中止すること。

6. 用法及び用量

カンレノ酸カリウムとして、通常成人1回100~200mgを1日1~2回、日局ブドウ糖注射液、生理食塩液または注射用水10~20mLに溶解してゆっくりと静脈内注射する。
なお、症状により適宜増減するが、1日投与量として600mgをこえないこと。また、投与期間は原則として2週間をこえないこと。

7. 用法及び用量に関連する注意

本剤の投与期間は、原則として2週間までとし、漫然と長期にわたって投与しないよう留意すること。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 高カリウム血症等の電解質異常があらわれることがあるので、定期的に検査を行うこと。[11.1.2 参照]

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 重篤な冠動脈硬化症又は脳動脈硬化症のある患者

    急激な利尿があらわれた場合、急速な血漿量減少、血液濃縮を来し、血栓塞栓症を誘発するおそれがある。

  2. 9.1.2 減塩療法中の患者

    水分・電解質が欠乏し、脱水症状や低ナトリウム血症等があらわれやすくなる。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1 腎不全の患者

    投与しないこと。腎機能を更に悪化させるおそれがある。また、腎からのカリウム排泄が低下しているため、高カリウム血症を誘発又は増悪させるおそれがある。[2.1 参照]

  2. 9.2.2 腎機能の進行性悪化状態の患者

    投与しないこと。腎からのカリウム排泄が低下しているため、高カリウム血症を誘発又は増悪させるおそれがある。[2.2 参照]

9.3 肝機能障害患者

ショックがあらわれやすい。また、高カリウム血症が発現するおそれがある。[11.1.1 参照]

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。類薬スピロノラクトンでヒト乳汁中へのカンレノ酸の移行が認められている。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

次の点に注意し、少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。

  1. 9.8.1 急激な利尿は血漿量の減少を来し、脱水、低血圧等による立ちくらみ、めまい、失神等を起こすことがある。
  2. 9.8.2 特に心疾患等で浮腫がある場合は、急激な利尿は急速な血漿量の減少と血液濃縮を来し、脳梗塞等の血栓塞栓症を誘発するおそれがある。
  3. 9.8.3 腎機能又は肝機能が低下していることが多いため、高カリウム血症があらわれやすい。

10. 相互作用

    10.1 併用禁忌(併用しないこと)

    薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子

    エプレレノン

    • (セララ)

    *エサキセレノン

    • (ミネブロ)

    タクロリムス

    • (プログラフ)

                      [2.4 参照]                 

    高カリウム血症が発現することがある。

    機序:これらの薬剤と本剤の相加・相乗作用による血清カリウム値の上昇。

    10.2 併用注意(併用に注意すること)

    薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子

    降圧剤

    • ACE阻害剤
      カルシウム拮抗剤
      β-遮断剤等

    利尿剤

    • チアジド系利尿剤
      ループ利尿剤

    降圧作用又は利尿作用を増強するおそれがあるので、これらの薬剤の用量を調節するなど注意する。

    機序:降圧剤又は利尿剤と本剤との相加・相乗作用。

    カリウム補給
    カリウム保持性利尿剤

    • スピロノラクトン
      トリアムテレン

    ACE阻害剤

    • カプトプリル
      エナラプリル
      リシノプリル等

    アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬

    • ロサルタンカリウム
      カンデサルタンシレキセチル
      バルサルタン等

    アリスキレン
    シクロスポリン
    ドロスピレノン

    高カリウム血症を誘発することがあるので、血清カリウム値を観察するなど十分注意する。

    機序:これらの薬剤と本剤の相加・相乗作用による血清カリウム値の上昇。
    危険因子:腎障害患者、高齢者

    **,*フィネレノン

    血清カリウム値上昇及び高カリウム血症が発現する危険性が増大するおそれがあるので、治療上必要と判断される場合にのみ併用すること。併用する場合には、血清カリウム値をより頻回に測定するなど患者の状態を慎重に観察すること。

    機序:これらの薬剤と本剤の相加・相乗作用による血清カリウム値の上昇。
    危険因子:腎障害患者、高齢者

    リチウム製剤

    • 炭酸リチウム

    利尿剤又はACE阻害剤との併用により、リチウム中毒を起こすことが報告されているので、血中リチウム濃度に注意すること。

    ナトリウムイオン不足はリチウムイオンの貯留を促進するといわれているため、ナトリウム排泄を促進することにより起こると考えられる。

    非ステロイド性消炎鎮痛剤

    • インドメタシン等

    カリウム保持性利尿剤との併用により、腎機能障害患者における重度の高カリウム血症の発現が報告されている。

    プロスタグランジン産生が抑制されることによって、カリウム貯留作用による血清カリウム値の上昇が起こると考えられる。
    危険因子:腎機能障害

    乳酸ナトリウム

    乳酸ナトリウムのアルカリ化作用の減弱を来すことがある。

    本剤により高カリウム性アシドーシスが惹起され、乳酸ナトリウムのアルカリ化作用と拮抗する可能性がある。

    塩化アンモニウム
    コレスチラミン

    類薬スピロノラクトンとの併用により代謝性アシドーシスを来すとの報告がある。

    これらの薬剤と本剤の相加・相乗作用が起こるおそれがある。

    11. 副作用

    次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    11.1 重大な副作用

    1. 11.1.1 ショック(頻度不明)

      悪心、悪寒・冷汗、発疹、呼吸困難、チアノーゼ、血圧低下等があらわれた場合には、直ちに投与を中止し、輸液、副腎皮質ホルモン製剤、昇圧剤の投与等適切な処置を行うこと。[9.3 参照]

    2. 11.1.2 電解質異常(高カリウム血症、低ナトリウム血症、高ナトリウム血症、低クロール血症、高クロール血症等)

      高カリウム血症(4.8%)、低ナトリウム血症(1.3%)、高ナトリウム血症(0.1%)、低クロール血症(0.3%)、高クロール血症(0.1%未満)等の電解質異常があらわれることがある。また、電解質異常に伴い、不整脈等があらわれることがある。[8.1 参照]

    11.2 その他の副作用

    0.1~5%未満a)

    0.1%未満a)

    頻度不明

    過敏症

    発疹等

    血液

    白血球増加

    白血球減少、貧血

    腎臓

    BUN上昇、血清クレアチニン値上昇

    肝臓

    AST、ALT、Al-Pの上昇

    消化器

    嘔気、嘔吐、下痢

    口渇、食欲不振

    精神神経系

    頭痛

    妄想等

    内分泌

    女性型乳房

    男性で性欲減退、女性で多毛、声の低音化、月経異常、乳房痛等

    投与部位b)

    注射部位の疼痛

    その他

    発熱

    全身倦怠感、心悸亢進、胸部不快感、顔面潮紅

    a)使用成績調査を含む
    b)[14.2.2 参照]

    14. 適用上の注意

    14.1 薬剤調製時の注意

    1. 14.1.1 本剤1アンプルあたり静注用100mgは10mL、静注用200mgは20mLの溶解液に溶解する。
    2. 14.1.2 はじめに溶解液2~3mLで本剤を溶解し、これを残りの溶解液に混合希釈して調製する。
    3. 14.1.3 本剤は用時調製すること。調製後、長時間放置すると沈澱が析出することがあるので、溶解後は速やかに使用すること。
    4. 14.1.4 pH等の変化により配合変化が起こりやすいので、他の薬剤との配合に際しては注意すること。

    14.2 薬剤投与時の注意

    1. 14.2.1 本剤は静脈内注射にのみ使用すること。
    2. 14.2.2 静脈内投与により血管痛を起こすことがあるので、注射部位、注射方法等に十分注意し、注射速度をできるだけ遅くすること。また、注射に際しては血管外に漏出しないよう注意すること。[11.2 参照]

    15. その他の注意

    15.1 臨床使用に基づく情報

    スピロノラクトンを長期間服用した患者(男女とも)に乳癌が発生したとする症例報告がある。

    15.2 非臨床試験に基づく情報

    1. 15.2.1 ラットに24ヵ月経口投与した癌原性試験で、肝臓、甲状腺、精巣、乳腺の腫瘍及び骨髄性白血病が、対照群に比し有意に増加したとの報告がある。
    2. 15.2.2 類似化合物(スピロノラクトン)をラットに大量投与した慢性毒性試験において、内分泌臓器の腫瘍及び肝臓の増殖性変化がみられたとの報告がある。

    2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

    1. 2.1 無尿又は腎不全の患者[腎機能を更に悪化させるおそれがある。また、腎からのカリウム排泄が低下しているため、高カリウム血症を誘発又は増悪させるおそれがある。][9.2.1 参照]
    2. 2.2 腎機能の進行性悪化状態の患者[9.2.2 参照]
    3. 2.3 高カリウム血症の患者[高カリウム血症を増悪させるおそれがある。]
    4. 2.4 *エプレレノン、エサキセレノン又はタクロリムスを投与中の患者[10.1 参照]
    5. 2.5 アジソン病の患者[アジソン病ではアルドステロン分泌低下により、カリウム排泄障害を来しているので、高カリウム血症となるおそれがある。]
    6. 2.6 本剤に対し過敏症の既往歴のある患者
    7. 2.7 てんかん等の痙攣性素因のある患者[動物試験で、痙攣誘発及び異常脳波が報告されている。]

    3. 組成・性状

    3.1 組成

    ソルダクトン静注用100mg

    有効成分 1アンプル中
    日局 カンレノ酸カリウム   100mg
    添加剤 トロメタモール
    5mg
    ソルダクトン静注用200mg

    有効成分 1アンプル中
    日局 カンレノ酸カリウム   200mg
    添加剤 トロメタモール
    10mg

    3.2 製剤の性状

    本剤は微黄色~淡黄色の塊で、1アンプルを注射用水、5%ブドウ糖注射液又は生理食塩液に溶解した時のpH及び浸透圧比は次のとおりである。
    ソルダクトン静注用100mg

    注射用水 溶解液 10mL
    pH 9~10
    浸透圧比 約0.2
    5%ブドウ糖注射液 溶解液 10mL
    pH 9~10
    浸透圧比 約1.2
    生理食塩液 溶解液 10mL
    pH 9~10
    浸透圧比 約1.2
    (浸透圧比:生理食塩液対比)
    ソルダクトン静注用200mg

    注射用水 溶解液 20mL
    pH 9~10
    浸透圧比 約0.2
    5%ブドウ糖注射液 溶解液 20mL
    pH 9~10
    浸透圧比 約1.2
    生理食塩液 溶解液 20mL
    pH 9~10
    浸透圧比 約1.2
    (浸透圧比:生理食塩液対比)

    4. 効能又は効果

    経口抗アルドステロン薬の服用困難な下記症状(高アルドステロン症によると考えられる)の改善
    原発性アルドステロン症
    心性浮腫(うっ血性心不全)、肝性浮腫
    開心術及び開腹術時における水分・電解質代謝異常

    5. 効能又は効果に関連する注意

    1. 5.1 本剤の適用対象は、経口抗アルドステロン薬の服用が困難で、高アルドステロン症によると考えられる症状であり、投与に際しては、特に適応、症状を考慮し、他の治療法によって十分に治療効果が期待できない場合にのみ本剤の投与を考慮すること。
    2. 5.2 本剤は、経口抗アルドステロン薬の服用が可能になった場合及び所期の効果が認められない場合には速やかに投与を中止すること。

    6. 用法及び用量

    カンレノ酸カリウムとして、通常成人1回100~200mgを1日1~2回、日局ブドウ糖注射液、生理食塩液または注射用水10~20mLに溶解してゆっくりと静脈内注射する。
    なお、症状により適宜増減するが、1日投与量として600mgをこえないこと。また、投与期間は原則として2週間をこえないこと。

    7. 用法及び用量に関連する注意

    本剤の投与期間は、原則として2週間までとし、漫然と長期にわたって投与しないよう留意すること。

    8. 重要な基本的注意

    1. 8.1 高カリウム血症等の電解質異常があらわれることがあるので、定期的に検査を行うこと。[11.1.2 参照]

    9. 特定の背景を有する患者に関する注意

    9.1 合併症・既往歴等のある患者

    1. 9.1.1 重篤な冠動脈硬化症又は脳動脈硬化症のある患者

      急激な利尿があらわれた場合、急速な血漿量減少、血液濃縮を来し、血栓塞栓症を誘発するおそれがある。

    2. 9.1.2 減塩療法中の患者

      水分・電解質が欠乏し、脱水症状や低ナトリウム血症等があらわれやすくなる。

    9.2 腎機能障害患者

    1. 9.2.1 腎不全の患者

      投与しないこと。腎機能を更に悪化させるおそれがある。また、腎からのカリウム排泄が低下しているため、高カリウム血症を誘発又は増悪させるおそれがある。[2.1 参照]

    2. 9.2.2 腎機能の進行性悪化状態の患者

      投与しないこと。腎からのカリウム排泄が低下しているため、高カリウム血症を誘発又は増悪させるおそれがある。[2.2 参照]

    9.3 肝機能障害患者

    ショックがあらわれやすい。また、高カリウム血症が発現するおそれがある。[11.1.1 参照]

    9.5 妊婦

    妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

    9.6 授乳婦

    治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。類薬スピロノラクトンでヒト乳汁中へのカンレノ酸の移行が認められている。

    9.7 小児等

    小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

    9.8 高齢者

    次の点に注意し、少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。

    1. 9.8.1 急激な利尿は血漿量の減少を来し、脱水、低血圧等による立ちくらみ、めまい、失神等を起こすことがある。
    2. 9.8.2 特に心疾患等で浮腫がある場合は、急激な利尿は急速な血漿量の減少と血液濃縮を来し、脳梗塞等の血栓塞栓症を誘発するおそれがある。
    3. 9.8.3 腎機能又は肝機能が低下していることが多いため、高カリウム血症があらわれやすい。

    10. 相互作用

      10.1 併用禁忌(併用しないこと)

      薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子

      エプレレノン

      • (セララ)

      *エサキセレノン

      • (ミネブロ)

      タクロリムス

      • (プログラフ)

                        [2.4 参照]                 

      高カリウム血症が発現することがある。

      機序:これらの薬剤と本剤の相加・相乗作用による血清カリウム値の上昇。

      10.2 併用注意(併用に注意すること)

      薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子

      降圧剤

      • ACE阻害剤
        カルシウム拮抗剤
        β-遮断剤等

      利尿剤

      • チアジド系利尿剤
        ループ利尿剤

      降圧作用又は利尿作用を増強するおそれがあるので、これらの薬剤の用量を調節するなど注意する。

      機序:降圧剤又は利尿剤と本剤との相加・相乗作用。

      カリウム補給
      カリウム保持性利尿剤

      • スピロノラクトン
        トリアムテレン

      ACE阻害剤

      • カプトプリル
        エナラプリル
        リシノプリル等

      アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬

      • ロサルタンカリウム
        カンデサルタンシレキセチル
        バルサルタン等

      アリスキレン
      シクロスポリン
      ドロスピレノン

      高カリウム血症を誘発することがあるので、血清カリウム値を観察するなど十分注意する。

      機序:これらの薬剤と本剤の相加・相乗作用による血清カリウム値の上昇。
      危険因子:腎障害患者、高齢者

      **,*フィネレノン

      血清カリウム値上昇及び高カリウム血症が発現する危険性が増大するおそれがあるので、治療上必要と判断される場合にのみ併用すること。併用する場合には、血清カリウム値をより頻回に測定するなど患者の状態を慎重に観察すること。

      機序:これらの薬剤と本剤の相加・相乗作用による血清カリウム値の上昇。
      危険因子:腎障害患者、高齢者

      リチウム製剤

      • 炭酸リチウム

      利尿剤又はACE阻害剤との併用により、リチウム中毒を起こすことが報告されているので、血中リチウム濃度に注意すること。

      ナトリウムイオン不足はリチウムイオンの貯留を促進するといわれているため、ナトリウム排泄を促進することにより起こると考えられる。

      非ステロイド性消炎鎮痛剤

      • インドメタシン等

      カリウム保持性利尿剤との併用により、腎機能障害患者における重度の高カリウム血症の発現が報告されている。

      プロスタグランジン産生が抑制されることによって、カリウム貯留作用による血清カリウム値の上昇が起こると考えられる。
      危険因子:腎機能障害

      乳酸ナトリウム

      乳酸ナトリウムのアルカリ化作用の減弱を来すことがある。

      本剤により高カリウム性アシドーシスが惹起され、乳酸ナトリウムのアルカリ化作用と拮抗する可能性がある。

      塩化アンモニウム
      コレスチラミン

      類薬スピロノラクトンとの併用により代謝性アシドーシスを来すとの報告がある。

      これらの薬剤と本剤の相加・相乗作用が起こるおそれがある。

      11. 副作用

      次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

      11.1 重大な副作用

      1. 11.1.1 ショック(頻度不明)

        悪心、悪寒・冷汗、発疹、呼吸困難、チアノーゼ、血圧低下等があらわれた場合には、直ちに投与を中止し、輸液、副腎皮質ホルモン製剤、昇圧剤の投与等適切な処置を行うこと。[9.3 参照]

      2. 11.1.2 電解質異常(高カリウム血症、低ナトリウム血症、高ナトリウム血症、低クロール血症、高クロール血症等)

        高カリウム血症(4.8%)、低ナトリウム血症(1.3%)、高ナトリウム血症(0.1%)、低クロール血症(0.3%)、高クロール血症(0.1%未満)等の電解質異常があらわれることがある。また、電解質異常に伴い、不整脈等があらわれることがある。[8.1 参照]

      11.2 その他の副作用

      0.1~5%未満a)

      0.1%未満a)

      頻度不明

      過敏症

      発疹等

      血液

      白血球増加

      白血球減少、貧血

      腎臓

      BUN上昇、血清クレアチニン値上昇

      肝臓

      AST、ALT、Al-Pの上昇

      消化器

      嘔気、嘔吐、下痢

      口渇、食欲不振

      精神神経系

      頭痛

      妄想等

      内分泌

      女性型乳房

      男性で性欲減退、女性で多毛、声の低音化、月経異常、乳房痛等

      投与部位b)

      注射部位の疼痛

      その他

      発熱

      全身倦怠感、心悸亢進、胸部不快感、顔面潮紅

      a)使用成績調査を含む
      b)[14.2.2 参照]

      14. 適用上の注意

      14.1 薬剤調製時の注意

      1. 14.1.1 本剤1アンプルあたり静注用100mgは10mL、静注用200mgは20mLの溶解液に溶解する。
      2. 14.1.2 はじめに溶解液2~3mLで本剤を溶解し、これを残りの溶解液に混合希釈して調製する。
      3. 14.1.3 本剤は用時調製すること。調製後、長時間放置すると沈澱が析出することがあるので、溶解後は速やかに使用すること。
      4. 14.1.4 pH等の変化により配合変化が起こりやすいので、他の薬剤との配合に際しては注意すること。

      14.2 薬剤投与時の注意

      1. 14.2.1 本剤は静脈内注射にのみ使用すること。
      2. 14.2.2 静脈内投与により血管痛を起こすことがあるので、注射部位、注射方法等に十分注意し、注射速度をできるだけ遅くすること。また、注射に際しては血管外に漏出しないよう注意すること。[11.2 参照]

      15. その他の注意

      15.1 臨床使用に基づく情報

      スピロノラクトンを長期間服用した患者(男女とも)に乳癌が発生したとする症例報告がある。

      15.2 非臨床試験に基づく情報

      1. 15.2.1 ラットに24ヵ月経口投与した癌原性試験で、肝臓、甲状腺、精巣、乳腺の腫瘍及び骨髄性白血病が、対照群に比し有意に増加したとの報告がある。
      2. 15.2.2 類似化合物(スピロノラクトン)をラットに大量投与した慢性毒性試験において、内分泌臓器の腫瘍及び肝臓の増殖性変化がみられたとの報告がある。

      その他詳細情報

      日本標準商品分類番号
      872133
      ブランドコード
      2133400D1082, 2133400D2097
      承認番号
      22000AMX02059, 22000AMX02055
      販売開始年月
      1981-01, 1981-01
      貯法
      室温保存、室温保存
      有効期間
      3年、3年
      規制区分
      2, 12, 2, 12

      重要な注意事項

      • この情報は医療専門家による診断や治療の代替にはなりません。副作用に関する懸念がある場合は、必ず医師または薬剤師に相談してください。
      • 副作用の発生頻度や重篤度は個人差があります。ここで提供される情報は一般的なものであり、すべての患者さんに当てはまるわけではありません。
      • 薬剤の使用に関しては、必ず医療専門家の指示に従い、自己判断での変更や中止を避けてください。
      • この情報は最新のものであるよう努めていますが、最新とは限りません。常に医療専門家に確認してください。
      • 副作用に関する情報は、信頼できる医療情報源に基づいて提供されていますが、完全性や正確性を保証するものではありません。
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