薬効分類名不整脈治療剤
一般的名称ピルシカイニド塩酸塩水和物
ピルシカイニド塩酸塩カプセル25mg「サワイ」、ピルシカイニド塩酸塩カプセル50mg「サワイ」
ぴるしかいにどえんさんえんかぷせる、ぴるしかいにどえんさんえんかぷせる
PILSICAINIDE HYDROCHLORIDE Capsules [SAWAI], PILSICAINIDE HYDROCHLORIDE Capsules [SAWAI]
製造販売元/沢井製薬株式会社
重大な副作用
その他の副作用
併用注意
リファンピシン
本剤の作用を減弱させることがある。
リファンピシンによりチトクロームP450の産生が誘導され、本剤の代謝速度が促進し、血中濃度が低下する可能性が考えられている。
動物実験(イヌ)において、本剤の作用が増強される可能性が報告されている。
機序は明らかではないが、作用増強の可能性が考えられている。
セチリジン
両剤の血中濃度が上昇し、本剤の副作用が発現したとの報告がある。
腎でのトランスポーターを介した排泄が競合するためと考えられている。
2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)
- 2.1 うっ血性心不全のある患者[不整脈(心室頻拍、心室細動等)の誘発又は増悪、陰性変力作用による心不全の悪化を来すおそれが高い。]
- 2.2 高度の房室ブロック、高度の洞房ブロックのある患者[刺激伝導抑制作用により、これらの障害を更に悪化させるおそれがある。][9.1.3 参照]
6. 用法及び用量
通常、成人にはピルシカイニド塩酸塩水和物として、1日150mgを3回に分けて経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減するが、重症又は効果不十分な場合には、1日225mgまで増量できる。
7. 用法及び用量に関連する注意
- 7.1 透析を必要とする腎不全患者では、1日25mgから投与を開始するなど、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。[9.2.1 参照]
- 7.2 高齢者では、1回25mgから投与を開始するなど、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。[9.8 参照]
8. 重要な基本的注意
- 8.1 本剤の投与に際しては、頻回に患者の状態を観察し、心電図、脈拍、血圧、心胸比を定期的に調べること。PQの延長、QRS幅の増大、QTの延長、徐脈、血圧低下等の異常所見が認められた場合には、直ちに減量又は投与を中止すること。
- 8.2 1日用量150mgを超えて投与する場合は副作用発現の可能性が増大するので注意すること。
- 8.3 本剤でBrugada症候群に特徴的な心電図変化(右脚ブロック及び右側胸部誘導(V1~V3)のST上昇)の顕在化又はそれに伴う心室細動、心室頻拍、心室性期外収縮を発現させたとの報告があるので注意すること。
- 8.4 めまい等があらわれることがあるので、自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事する際には注意するよう患者に十分に説明すること。
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
-
9.1.1 基礎心疾患(心筋梗塞、弁膜症、心筋症等)のある患者
心不全を来すおそれのある患者では、少量から開始するなど投与量に十分注意するとともに、頻回に心電図検査を実施すること。また、開始後1~2週間は入院させること。心室頻拍、心室細動等が発現するおそれが高い。なお、心筋梗塞発症後の無症候性あるいは軽度の症状を伴う患者の場合は、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。[15.1 参照]
-
9.1.2 心不全の既往のある患者
心不全を来すおそれがある。
-
9.1.3 刺激伝導障害(房室ブロック、洞房ブロック、脚ブロック等)のある患者(高度の房室ブロック、高度の洞房ブロックのある患者を除く)
刺激伝導抑制作用により、これらの障害を更に悪化させるおそれがある。[2.2 参照]
-
9.1.4 著明な洞性徐脈のある患者
高度の徐脈、洞停止を来すおそれがある。
-
9.1.5 血清カリウム低下のある患者
催不整脈作用が発現するおそれがある。
-
9.1.6 他の抗不整脈薬を併用している患者
少量から開始するなど投与量に十分注意するとともに、頻回に心電図検査を実施すること。[10.2 参照]
-
9.1.7 恒久的ペースメーカー使用中あるいは一時的ペーシング中の患者
ペースメーカー使用中の患者に投与する場合は適当な間隔でペーシング閾値を測定すること。また、異常が認められた場合には直ちに減量又は投与を中止すること。本剤は心臓ペーシング閾値を上昇させる可能性がある。
9.2 腎機能障害患者
投与量を減量するか、投与間隔をあけて使用すること。また、頻回に心電図検査を実施すること。本剤は腎臓からの排泄により体内から消失する薬剤であり、血中濃度が高くなりやすく、また高い血中濃度が持続しやすい。[16.6.1 参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット)で静脈内投与した場合、胎児に移行することが報告されている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
入院させて本剤の投与を開始することが望ましい。少量から開始するなど投与量に十分注意するとともに、頻回に心電図検査を実施すること。肝・腎機能が低下していることが多く、また体重が少ない傾向があるなど副作用が発現しやすい。[7.2 参照]
11. 副作用
11.1 重大な副作用
11.2 その他の副作用
0.1~5%未満 |
頻度不明 |
|
|---|---|---|
循環器 |
QRS幅の増大、QT延長、房室ブロック、洞房ブロック、胸部不快感、動悸、心室性期外収縮、上室性期外収縮、心房細動、上室性頻拍 |
胸痛、徐脈、心房粗動、血圧低下 |
消化器 |
胃痛、悪心、嘔吐、口渇、下痢、腹部不快感 |
便秘、食欲不振 |
精神神経系 |
めまい、頭痛、眠気 |
振戦、不眠、しびれ |
血液 |
好酸球増加、リンパ球減少 |
白血球数減少、血小板数減少 |
肝臓 |
AST上昇、ALT上昇、LDH上昇 |
|
過敏症 |
発疹、蕁麻疹 |
そう痒感 |
腎臓 |
BUN上昇、クレアチニン上昇、尿蛋白陽性 |
|
泌尿器 |
排尿困難 |
|
その他 |
全身倦怠感、CK上昇、脱力感 |
熱感 |
13. 過量投与
-
13.1 症状
過量投与又は高度の腎機能障害により、本剤の血中濃度が上昇した場合、刺激伝導障害(著明なQRS幅の増大等)、心停止、心不全、心室細動、心室頻拍(Torsades de pointesを含む)、洞停止、徐脈、ショック、失神、血圧低下等の循環器障害、構語障害等の精神・神経障害を引き起こすことがある。
-
13.2 処置
直ちに本剤の投与を中止し、体外ペーシングや直流除細動を考慮する等適切な対症療法を行うこと。なお、本剤の血液透析による除去率は最大約30%と報告されている。[9.2.1 参照]
15. その他の注意
15.1 臨床使用に基づく情報
外国で心筋梗塞発症後の無症候性あるいは軽度の症状を伴う心室性期外収縮の患者を対象とした比較試験において、本剤と類似のNaチャンネル阻害作用を有する薬剤を投与した群で、プラセボ投与群に比べ、死亡率が有意に増加したとの報告がある1) 。[9.1.1 参照]
2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)
- 2.1 うっ血性心不全のある患者[不整脈(心室頻拍、心室細動等)の誘発又は増悪、陰性変力作用による心不全の悪化を来すおそれが高い。]
- 2.2 高度の房室ブロック、高度の洞房ブロックのある患者[刺激伝導抑制作用により、これらの障害を更に悪化させるおそれがある。][9.1.3 参照]
6. 用法及び用量
通常、成人にはピルシカイニド塩酸塩水和物として、1日150mgを3回に分けて経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減するが、重症又は効果不十分な場合には、1日225mgまで増量できる。
7. 用法及び用量に関連する注意
- 7.1 透析を必要とする腎不全患者では、1日25mgから投与を開始するなど、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。[9.2.1 参照]
- 7.2 高齢者では、1回25mgから投与を開始するなど、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。[9.8 参照]
8. 重要な基本的注意
- 8.1 本剤の投与に際しては、頻回に患者の状態を観察し、心電図、脈拍、血圧、心胸比を定期的に調べること。PQの延長、QRS幅の増大、QTの延長、徐脈、血圧低下等の異常所見が認められた場合には、直ちに減量又は投与を中止すること。
- 8.2 1日用量150mgを超えて投与する場合は副作用発現の可能性が増大するので注意すること。
- 8.3 本剤でBrugada症候群に特徴的な心電図変化(右脚ブロック及び右側胸部誘導(V1~V3)のST上昇)の顕在化又はそれに伴う心室細動、心室頻拍、心室性期外収縮を発現させたとの報告があるので注意すること。
- 8.4 めまい等があらわれることがあるので、自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事する際には注意するよう患者に十分に説明すること。
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
-
9.1.1 基礎心疾患(心筋梗塞、弁膜症、心筋症等)のある患者
心不全を来すおそれのある患者では、少量から開始するなど投与量に十分注意するとともに、頻回に心電図検査を実施すること。また、開始後1~2週間は入院させること。心室頻拍、心室細動等が発現するおそれが高い。なお、心筋梗塞発症後の無症候性あるいは軽度の症状を伴う患者の場合は、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。[15.1 参照]
-
9.1.2 心不全の既往のある患者
心不全を来すおそれがある。
-
9.1.3 刺激伝導障害(房室ブロック、洞房ブロック、脚ブロック等)のある患者(高度の房室ブロック、高度の洞房ブロックのある患者を除く)
刺激伝導抑制作用により、これらの障害を更に悪化させるおそれがある。[2.2 参照]
-
9.1.4 著明な洞性徐脈のある患者
高度の徐脈、洞停止を来すおそれがある。
-
9.1.5 血清カリウム低下のある患者
催不整脈作用が発現するおそれがある。
-
9.1.6 他の抗不整脈薬を併用している患者
少量から開始するなど投与量に十分注意するとともに、頻回に心電図検査を実施すること。[10.2 参照]
-
9.1.7 恒久的ペースメーカー使用中あるいは一時的ペーシング中の患者
ペースメーカー使用中の患者に投与する場合は適当な間隔でペーシング閾値を測定すること。また、異常が認められた場合には直ちに減量又は投与を中止すること。本剤は心臓ペーシング閾値を上昇させる可能性がある。
9.2 腎機能障害患者
投与量を減量するか、投与間隔をあけて使用すること。また、頻回に心電図検査を実施すること。本剤は腎臓からの排泄により体内から消失する薬剤であり、血中濃度が高くなりやすく、また高い血中濃度が持続しやすい。[16.6.1 参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット)で静脈内投与した場合、胎児に移行することが報告されている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
入院させて本剤の投与を開始することが望ましい。少量から開始するなど投与量に十分注意するとともに、頻回に心電図検査を実施すること。肝・腎機能が低下していることが多く、また体重が少ない傾向があるなど副作用が発現しやすい。[7.2 参照]
11. 副作用
11.1 重大な副作用
11.2 その他の副作用
0.1~5%未満 |
頻度不明 |
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|---|---|---|
循環器 |
QRS幅の増大、QT延長、房室ブロック、洞房ブロック、胸部不快感、動悸、心室性期外収縮、上室性期外収縮、心房細動、上室性頻拍 |
胸痛、徐脈、心房粗動、血圧低下 |
消化器 |
胃痛、悪心、嘔吐、口渇、下痢、腹部不快感 |
便秘、食欲不振 |
精神神経系 |
めまい、頭痛、眠気 |
振戦、不眠、しびれ |
血液 |
好酸球増加、リンパ球減少 |
白血球数減少、血小板数減少 |
肝臓 |
AST上昇、ALT上昇、LDH上昇 |
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過敏症 |
発疹、蕁麻疹 |
そう痒感 |
腎臓 |
BUN上昇、クレアチニン上昇、尿蛋白陽性 |
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泌尿器 |
排尿困難 |
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その他 |
全身倦怠感、CK上昇、脱力感 |
熱感 |
13. 過量投与
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13.1 症状
過量投与又は高度の腎機能障害により、本剤の血中濃度が上昇した場合、刺激伝導障害(著明なQRS幅の増大等)、心停止、心不全、心室細動、心室頻拍(Torsades de pointesを含む)、洞停止、徐脈、ショック、失神、血圧低下等の循環器障害、構語障害等の精神・神経障害を引き起こすことがある。
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13.2 処置
直ちに本剤の投与を中止し、体外ペーシングや直流除細動を考慮する等適切な対症療法を行うこと。なお、本剤の血液透析による除去率は最大約30%と報告されている。[9.2.1 参照]
15. その他の注意
15.1 臨床使用に基づく情報
外国で心筋梗塞発症後の無症候性あるいは軽度の症状を伴う心室性期外収縮の患者を対象とした比較試験において、本剤と類似のNaチャンネル阻害作用を有する薬剤を投与した群で、プラセボ投与群に比べ、死亡率が有意に増加したとの報告がある1) 。[9.1.1 参照]