薬効分類名抗精神病剤
一般的名称ブロナンセリン
ロナセンテープ20mg、ロナセンテープ30mg、ロナセンテープ40mg
LONASEN Tapes, LONASEN Tapes, LONASEN Tapes
製造販売元/住友ファーマ株式会社
重大な副作用
その他の副作用
併用注意
アドレナリン含有歯科麻酔剤
- リドカイン・アドレナリン
重篤な血圧降下を起こすことがある。
アドレナリンはアドレナリン作動性α、β-受容体の刺激剤であり、本剤のα-受容体遮断作用により、β-受容体刺激作用が優位となり、血圧降下作用が増強されるおそれがある。
中枢神経抑制剤
アルコール
相互に作用を増強することがあるので、減量するなど慎重に使用すること。
本剤及びこれらの薬剤等の中枢神経抑制作用による。
ドパミン作動薬
- レボドパ製剤
ブロモクリプチン 等
相互に作用が減弱することがある。
本剤はドパミン受容体遮断作用を有していることから、ドパミン作動性神経において、作用が拮抗することによる。
降圧薬
降圧作用が増強することがある。
本剤及びこれらの薬剤の降圧作用による。
本剤の血中濃度が上昇し、作用が増強するおそれがあるので、観察を十分に行い、必要に応じて減量あるいは低用量から開始するなど慎重に使用すること。
本剤の主要代謝酵素であるCYP3A4を阻害するため、クリアランスが減少する可能性がある。
CYP3A4誘導作用を有する薬剤
- フェニトイン
カルバマゼピン
バルビツール酸誘導体
リファンピシン 等
本剤の血中濃度が低下し、作用が減弱するおそれがある。
本剤の主要代謝酵素であるCYP3A4を誘導するため、クリアランスが増加する可能性がある。
2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)
- 2.1 昏睡状態の患者[昏睡状態が悪化するおそれがある。]
- 2.2 バルビツール酸誘導体等の中枢神経抑制剤の強い影響下にある患者[中枢神経抑制作用が増強される。]
- 2.3 アドレナリンを投与中の患者(アドレナリンをアナフィラキシーの救急治療、又は歯科領域における浸潤麻酔もしくは伝達麻酔に使用する場合を除く)[10.1 参照]
- 2.4 **イトラコナゾール、ボリコナゾール、ミコナゾール(経口剤、口腔用剤、注射剤)、フルコナゾール、ホスフルコナゾール、ポサコナゾール、リトナビルを含む製剤、ダルナビル、アタザナビル、ホスアンプレナビル、エンシトレルビル、コビシスタットを含む製剤、ロナファルニブ、セリチニブを投与中の患者[10.1 参照]
- 2.5 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
4. 効能又は効果
統合失調症
6. 用法及び用量
通常、成人にはブロナンセリンとして40mgを1日1回貼付するが、患者の状態に応じて最大80mgを1日1回貼付することもできる。
なお、患者の状態により適宜増減するが、1日量は80mgを超えないこと。
本剤は、胸部、腹部、背部のいずれかに貼付し、24時間ごとに貼り替える。
7. 用法及び用量に関連する注意
ブロナンセリン経口剤から本剤へ切り替える場合には、次の投与予定時刻に切り替え可能であるが、患者の状態を十分観察すること。切り替えに際しては、「臨床成績」の項を参考に用量を選択すること。[17.1.2 参照]
本剤からブロナンセリン経口剤へ切り替える場合には、ブロナンセリン経口剤の用法・用量に従って、1回4mg、1日2回食後経口投与より開始し、徐々に増量すること。
なお、ブロナンセリン経口剤と本剤を同時期に投与することにより過量投与にならないよう注意すること。
8. 重要な基本的注意
- 8.1 1日貼付量を遵守し、本剤の貼付量は必要最小限となるよう、患者ごとに慎重に観察しながら調節すること。
- 8.2 眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤使用中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
- 8.3 興奮、誇大性、敵意等の陽性症状を悪化させる可能性があるので観察を十分に行い、悪化がみられた場合には他の治療法に切り替えるなど適切な処置を行うこと。
- 8.4 本剤の使用により、高血糖や糖尿病の悪化があらわれ、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡に至ることがあるので、本剤の使用に際しては、あらかじめこれらの副作用が発現する場合があることを、患者及びその家族に十分に説明し、口渇、多飲、多尿、頻尿等の症状があらわれた場合には、直ちに使用を中断し、医師の診察を受けるよう、指導すること。特に糖尿病又はその既往歴あるいはその危険因子を有する患者については、血糖値の測定等の観察を十分に行うこと。[9.1.5 参照],[11.1.9 参照]
- 8.5 本剤の使用により皮膚症状が発現した場合には、適切な処置を行うか、本剤を休薬又は本剤の使用を中止すること。
- 8.6 光線過敏症が発現するおそれがあるので、衣服で覆う等、貼付部位への直射日光を避けること。また、本剤を剥がした後1~2週間は、貼付していた部位への直射日光を避けること。[15.2.3 参照]
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
-
9.1.1 心・血管系疾患、低血圧、又はそれらの疑いのある患者
一過性の血圧降下があらわれることがある。
-
9.1.2 パーキンソン病又はレビー小体型認知症のある患者
錐体外路症状が悪化するおそれがある。
-
9.1.3 てんかん等の痙攣性疾患、又はこれらの既往歴のある患者
痙攣閾値を低下させるおそれがある。
-
9.1.4 自殺企図の既往及び自殺念慮を有する患者
症状を悪化させるおそれがある。
-
9.1.5 糖尿病又はその既往歴のある患者、あるいは糖尿病の家族歴、高血糖、肥満等の糖尿病の危険因子を有する患者
血糖値が上昇することがある。[8.4 参照],[11.1.9 参照]
-
9.1.6 脱水・栄養不良状態等を伴う身体的疲弊のある患者
悪性症候群が起こりやすい。[11.1.1 参照]
-
9.1.7 不動状態、長期臥床、肥満、脱水状態等の患者
肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されている。[11.1.7 参照]
9.3 肝機能障害患者
血中濃度が上昇するおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。妊娠後期に抗精神病薬が投与されている場合、新生児に哺乳障害、傾眠、呼吸障害、振戦、筋緊張低下、易刺激性等の離脱症状や錐体外路症状があらわれたとの報告がある。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に使用すること。一般に生理機能が低下しており、錐体外路症状等の副作用があらわれやすい。
10. 相互作用
- 本剤は、主として薬物代謝酵素CYP3A4で代謝される。[16.4.3 参照],[16.7 参照]
10.1 併用禁忌(併用しないこと)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
アドレナリン |
アドレナリンの作用を逆転させ、重篤な血圧降下を起こすことがある。 |
アドレナリンはアドレナリン作動性α、β-受容体の刺激剤であり、本剤のα-受容体遮断作用により、β-受容体刺激作用が優位となり、血圧降下作用が増強される。 |
本剤の血中濃度が上昇し、作用が増強するおそれがある。 |
本剤の主要代謝酵素であるCYP3A4を阻害するため、クリアランスが減少する可能性がある。 |
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
重篤な血圧降下を起こすことがある。 |
アドレナリンはアドレナリン作動性α、β-受容体の刺激剤であり、本剤のα-受容体遮断作用により、β-受容体刺激作用が優位となり、血圧降下作用が増強されるおそれがある。 |
|
中枢神経抑制剤 |
相互に作用を増強することがあるので、減量するなど慎重に使用すること。 |
本剤及びこれらの薬剤等の中枢神経抑制作用による。 |
相互に作用が減弱することがある。 |
本剤はドパミン受容体遮断作用を有していることから、ドパミン作動性神経において、作用が拮抗することによる。 |
|
降圧薬 |
降圧作用が増強することがある。 |
本剤及びこれらの薬剤の降圧作用による。 |
本剤の血中濃度が上昇し、作用が増強するおそれがあるので、観察を十分に行い、必要に応じて減量あるいは低用量から開始するなど慎重に使用すること。 |
本剤の主要代謝酵素であるCYP3A4を阻害するため、クリアランスが減少する可能性がある。 |
|
本剤の血中濃度が低下し、作用が減弱するおそれがある。 |
本剤の主要代謝酵素であるCYP3A4を誘導するため、クリアランスが増加する可能性がある。 |
11. 副作用
11.1 重大な副作用
-
11.1.1 悪性症候群(頻度不明)
無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗等が発現し、それに引き続き発熱がみられる場合は、使用を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。本症発症時には、白血球の増加や血清CKの上昇がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられることがある。なお、高熱が持続し、意識障害、呼吸困難、循環虚脱、脱水症状、急性腎障害へと移行し、死亡することがある。[9.1.6 参照]
-
11.1.2 遅発性ジスキネジア(頻度不明)
長期使用により、口周部等の不随意運動があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合は減量又は中止を考慮すること。なお、使用中止後も症状が持続することがある。
-
11.1.3 麻痺性イレウス(頻度不明)
腸管麻痺(食欲不振、悪心・嘔吐、著しい便秘、腹部の膨満あるいは弛緩及び腸内容物のうっ滞等の症状)を来し、麻痺性イレウスに移行することがあるので、腸管麻痺があらわれた場合には、使用を中止するなど適切な処置を行うこと。[15.2.1 参照]
-
11.1.4 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)(頻度不明)
低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム排泄量の増加、高張尿、痙攣、意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)があらわれることがある。このような場合には使用を中止し、水分摂取の制限等適切な処置を行うこと。
-
11.1.5 横紋筋融解症(頻度不明)
筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等が認められた場合には使用を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意すること。
- 11.1.6 無顆粒球症、白血球減少(いずれも頻度不明)
-
11.1.7 肺塞栓症、深部静脈血栓症(いずれも頻度不明)
肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されているので、観察を十分に行い、息切れ、胸痛、四肢の疼痛、浮腫等が認められた場合には、使用を中止するなど適切な処置を行うこと。[9.1.7 参照]
-
11.1.8 肝機能障害(頻度不明)
AST、ALT、γ-GTP、ALP、ビリルビン等の上昇を伴う肝機能障害があらわれることがある。
-
11.1.9 高血糖(0.1%)、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡(いずれも頻度不明)
高血糖や糖尿病の悪化があらわれ、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡に至ることがある。口渇、多飲、多尿、頻尿等の症状の発現に注意するとともに、血糖値の測定を行うなど十分な観察を行い、異常が認められた場合には、使用を中止し、インスリン製剤の投与等の適切な処置を行うこと。[8.4 参照],[9.1.5 参照]
11.2 その他の副作用
5%以上 |
5%未満 |
頻度不明 注2) |
|
|---|---|---|---|
過敏症 |
発疹、湿疹、そう痒 |
||
循環器 |
血圧上昇、血圧低下、心電図異常(QT間隔の延長、T波の変化等)、徐脈、動悸 |
起立性低血圧、頻脈、不整脈、心室性期外収縮、上室性期外収縮、心拍数増加、心拍数減少 |
|
錐体外路症状 注1) |
パーキンソン症候群(振戦、筋強剛、流涎過多、寡動、運動緩慢、歩行障害、仮面様顔貌等)(13.6%)、アカシジア(静坐不能)(10.4%) |
ジスキネジア(構語障害、嚥下障害、口周部・四肢等の不随意運動等)、ジストニア(痙攣性斜頚、顔面・喉頭・頚部の攣縮、眼球回転発作、後弓反張等) |
|
肝臓 |
AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇、ビリルビン上昇、肝機能異常、脂肪肝 |
LDH上昇、ALP上昇 |
|
眼 |
眼の乾燥 |
調節障害、霧視、羞明 |
|
消化器 |
悪心、嘔吐、便秘、下痢、食欲不振、食欲亢進、上腹部痛、胃不快感、胃炎、胃腸炎、腹痛 |
腹部膨満感、口唇炎 |
|
内分泌 |
プロラクチン上昇 |
月経異常、乳汁分泌、射精障害、女性化乳房、勃起不全 |
|
泌尿器 |
排尿困難 |
尿閉、尿失禁、頻尿 |
|
精神神経系 |
統合失調症の悪化 |
不眠、睡眠障害、眠気、めまい・ふらつき、不安・焦燥感・易刺激性、頭重・頭痛、自殺企図、興奮、攻撃性、抑うつ、脱抑制、行動異常、妄想、悪夢、痙攣 |
過鎮静、幻覚・幻聴、被害妄想、多動、脳波異常、躁状態、意識障害、異常感、会話障害、多弁、緊張、しびれ感 |
血液 |
白血球増加、白血球減少 |
好中球増加、リンパ球減少、赤血球増加、貧血、赤血球減少、ヘモグロビン減少、ヘマトクリット減少、血小板増加、血小板減少、異型リンパ球出現 |
|
皮膚 |
紅斑(11.7%)、そう痒感 |
皮膚炎、湿疹、発疹、丘疹、小水疱、変色、刺激感、乾燥、びらん、皮膚剥脱、じん麻疹 |
疼痛、不快感、熱感 |
その他 |
体重増加 |
倦怠感、脱力感、体重減少、CK上昇、トリグリセリド上昇、血中コレステロール上昇、血中カリウム減少、血中ナトリウム減少、血糖上昇、糖尿病、血糖低下、胸痛、口渇、尿中蛋白陽性、上気道感染、発熱、鼻出血、鼻咽頭炎、四肢痛 |
発汗、咳嗽、過換気、鼻漏、多飲、水中毒、顔面浮腫、浮腫、嚥下性肺炎、低体温、血中インスリン上昇、血中リン脂質増加、BUN上昇、BUN減少、血中総蛋白減少、血中カリウム上昇、尿中ウロビリン陽性、尿糖陽性、尿潜血陽性、脱毛 |
15. その他の注意
15.1 臨床使用に基づく情報
15.2 非臨床試験に基づく情報
- 15.2.1 動物実験(イヌ)で制吐作用が認められたため、他の薬剤に基づく中毒、腸閉塞、脳腫瘍等による嘔吐症状を不顕性化する可能性がある。[11.1.3 参照]
- 15.2.2 げっ歯類(マウス、ラット)に104週間経口投与したがん原性試験において、マウス(1mg/kg/日以上)で乳腺腫瘍、下垂体腫瘍、ラット(1mg/kg/日)で乳腺腫瘍の発生頻度の上昇が認められた。これらの所見は、プロラクチンに関連した変化として、げっ歯類ではよく知られている。
- 15.2.3 動物実験(モルモット)で皮膚光感作性が認められている。[8.6 参照]
2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)
- 2.1 昏睡状態の患者[昏睡状態が悪化するおそれがある。]
- 2.2 バルビツール酸誘導体等の中枢神経抑制剤の強い影響下にある患者[中枢神経抑制作用が増強される。]
- 2.3 アドレナリンを投与中の患者(アドレナリンをアナフィラキシーの救急治療、又は歯科領域における浸潤麻酔もしくは伝達麻酔に使用する場合を除く)[10.1 参照]
- 2.4 **イトラコナゾール、ボリコナゾール、ミコナゾール(経口剤、口腔用剤、注射剤)、フルコナゾール、ホスフルコナゾール、ポサコナゾール、リトナビルを含む製剤、ダルナビル、アタザナビル、ホスアンプレナビル、エンシトレルビル、コビシスタットを含む製剤、ロナファルニブ、セリチニブを投与中の患者[10.1 参照]
- 2.5 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
4. 効能又は効果
統合失調症
6. 用法及び用量
通常、成人にはブロナンセリンとして40mgを1日1回貼付するが、患者の状態に応じて最大80mgを1日1回貼付することもできる。
なお、患者の状態により適宜増減するが、1日量は80mgを超えないこと。
本剤は、胸部、腹部、背部のいずれかに貼付し、24時間ごとに貼り替える。
7. 用法及び用量に関連する注意
ブロナンセリン経口剤から本剤へ切り替える場合には、次の投与予定時刻に切り替え可能であるが、患者の状態を十分観察すること。切り替えに際しては、「臨床成績」の項を参考に用量を選択すること。[17.1.2 参照]
本剤からブロナンセリン経口剤へ切り替える場合には、ブロナンセリン経口剤の用法・用量に従って、1回4mg、1日2回食後経口投与より開始し、徐々に増量すること。
なお、ブロナンセリン経口剤と本剤を同時期に投与することにより過量投与にならないよう注意すること。
8. 重要な基本的注意
- 8.1 1日貼付量を遵守し、本剤の貼付量は必要最小限となるよう、患者ごとに慎重に観察しながら調節すること。
- 8.2 眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤使用中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
- 8.3 興奮、誇大性、敵意等の陽性症状を悪化させる可能性があるので観察を十分に行い、悪化がみられた場合には他の治療法に切り替えるなど適切な処置を行うこと。
- 8.4 本剤の使用により、高血糖や糖尿病の悪化があらわれ、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡に至ることがあるので、本剤の使用に際しては、あらかじめこれらの副作用が発現する場合があることを、患者及びその家族に十分に説明し、口渇、多飲、多尿、頻尿等の症状があらわれた場合には、直ちに使用を中断し、医師の診察を受けるよう、指導すること。特に糖尿病又はその既往歴あるいはその危険因子を有する患者については、血糖値の測定等の観察を十分に行うこと。[9.1.5 参照],[11.1.9 参照]
- 8.5 本剤の使用により皮膚症状が発現した場合には、適切な処置を行うか、本剤を休薬又は本剤の使用を中止すること。
- 8.6 光線過敏症が発現するおそれがあるので、衣服で覆う等、貼付部位への直射日光を避けること。また、本剤を剥がした後1~2週間は、貼付していた部位への直射日光を避けること。[15.2.3 参照]
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
-
9.1.1 心・血管系疾患、低血圧、又はそれらの疑いのある患者
一過性の血圧降下があらわれることがある。
-
9.1.2 パーキンソン病又はレビー小体型認知症のある患者
錐体外路症状が悪化するおそれがある。
-
9.1.3 てんかん等の痙攣性疾患、又はこれらの既往歴のある患者
痙攣閾値を低下させるおそれがある。
-
9.1.4 自殺企図の既往及び自殺念慮を有する患者
症状を悪化させるおそれがある。
-
9.1.5 糖尿病又はその既往歴のある患者、あるいは糖尿病の家族歴、高血糖、肥満等の糖尿病の危険因子を有する患者
血糖値が上昇することがある。[8.4 参照],[11.1.9 参照]
-
9.1.6 脱水・栄養不良状態等を伴う身体的疲弊のある患者
悪性症候群が起こりやすい。[11.1.1 参照]
-
9.1.7 不動状態、長期臥床、肥満、脱水状態等の患者
肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されている。[11.1.7 参照]
9.3 肝機能障害患者
血中濃度が上昇するおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。妊娠後期に抗精神病薬が投与されている場合、新生児に哺乳障害、傾眠、呼吸障害、振戦、筋緊張低下、易刺激性等の離脱症状や錐体外路症状があらわれたとの報告がある。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に使用すること。一般に生理機能が低下しており、錐体外路症状等の副作用があらわれやすい。
10. 相互作用
- 本剤は、主として薬物代謝酵素CYP3A4で代謝される。[16.4.3 参照],[16.7 参照]
10.1 併用禁忌(併用しないこと)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
アドレナリン |
アドレナリンの作用を逆転させ、重篤な血圧降下を起こすことがある。 |
アドレナリンはアドレナリン作動性α、β-受容体の刺激剤であり、本剤のα-受容体遮断作用により、β-受容体刺激作用が優位となり、血圧降下作用が増強される。 |
本剤の血中濃度が上昇し、作用が増強するおそれがある。 |
本剤の主要代謝酵素であるCYP3A4を阻害するため、クリアランスが減少する可能性がある。 |
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
重篤な血圧降下を起こすことがある。 |
アドレナリンはアドレナリン作動性α、β-受容体の刺激剤であり、本剤のα-受容体遮断作用により、β-受容体刺激作用が優位となり、血圧降下作用が増強されるおそれがある。 |
|
中枢神経抑制剤 |
相互に作用を増強することがあるので、減量するなど慎重に使用すること。 |
本剤及びこれらの薬剤等の中枢神経抑制作用による。 |
相互に作用が減弱することがある。 |
本剤はドパミン受容体遮断作用を有していることから、ドパミン作動性神経において、作用が拮抗することによる。 |
|
降圧薬 |
降圧作用が増強することがある。 |
本剤及びこれらの薬剤の降圧作用による。 |
本剤の血中濃度が上昇し、作用が増強するおそれがあるので、観察を十分に行い、必要に応じて減量あるいは低用量から開始するなど慎重に使用すること。 |
本剤の主要代謝酵素であるCYP3A4を阻害するため、クリアランスが減少する可能性がある。 |
|
本剤の血中濃度が低下し、作用が減弱するおそれがある。 |
本剤の主要代謝酵素であるCYP3A4を誘導するため、クリアランスが増加する可能性がある。 |
11. 副作用
11.1 重大な副作用
-
11.1.1 悪性症候群(頻度不明)
無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗等が発現し、それに引き続き発熱がみられる場合は、使用を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。本症発症時には、白血球の増加や血清CKの上昇がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられることがある。なお、高熱が持続し、意識障害、呼吸困難、循環虚脱、脱水症状、急性腎障害へと移行し、死亡することがある。[9.1.6 参照]
-
11.1.2 遅発性ジスキネジア(頻度不明)
長期使用により、口周部等の不随意運動があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合は減量又は中止を考慮すること。なお、使用中止後も症状が持続することがある。
-
11.1.3 麻痺性イレウス(頻度不明)
腸管麻痺(食欲不振、悪心・嘔吐、著しい便秘、腹部の膨満あるいは弛緩及び腸内容物のうっ滞等の症状)を来し、麻痺性イレウスに移行することがあるので、腸管麻痺があらわれた場合には、使用を中止するなど適切な処置を行うこと。[15.2.1 参照]
-
11.1.4 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)(頻度不明)
低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム排泄量の増加、高張尿、痙攣、意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)があらわれることがある。このような場合には使用を中止し、水分摂取の制限等適切な処置を行うこと。
-
11.1.5 横紋筋融解症(頻度不明)
筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等が認められた場合には使用を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意すること。
- 11.1.6 無顆粒球症、白血球減少(いずれも頻度不明)
-
11.1.7 肺塞栓症、深部静脈血栓症(いずれも頻度不明)
肺塞栓症、静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されているので、観察を十分に行い、息切れ、胸痛、四肢の疼痛、浮腫等が認められた場合には、使用を中止するなど適切な処置を行うこと。[9.1.7 参照]
-
11.1.8 肝機能障害(頻度不明)
AST、ALT、γ-GTP、ALP、ビリルビン等の上昇を伴う肝機能障害があらわれることがある。
-
11.1.9 高血糖(0.1%)、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡(いずれも頻度不明)
高血糖や糖尿病の悪化があらわれ、糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡に至ることがある。口渇、多飲、多尿、頻尿等の症状の発現に注意するとともに、血糖値の測定を行うなど十分な観察を行い、異常が認められた場合には、使用を中止し、インスリン製剤の投与等の適切な処置を行うこと。[8.4 参照],[9.1.5 参照]
11.2 その他の副作用
5%以上 |
5%未満 |
頻度不明 注2) |
|
|---|---|---|---|
過敏症 |
発疹、湿疹、そう痒 |
||
循環器 |
血圧上昇、血圧低下、心電図異常(QT間隔の延長、T波の変化等)、徐脈、動悸 |
起立性低血圧、頻脈、不整脈、心室性期外収縮、上室性期外収縮、心拍数増加、心拍数減少 |
|
錐体外路症状 注1) |
パーキンソン症候群(振戦、筋強剛、流涎過多、寡動、運動緩慢、歩行障害、仮面様顔貌等)(13.6%)、アカシジア(静坐不能)(10.4%) |
ジスキネジア(構語障害、嚥下障害、口周部・四肢等の不随意運動等)、ジストニア(痙攣性斜頚、顔面・喉頭・頚部の攣縮、眼球回転発作、後弓反張等) |
|
肝臓 |
AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇、ビリルビン上昇、肝機能異常、脂肪肝 |
LDH上昇、ALP上昇 |
|
眼 |
眼の乾燥 |
調節障害、霧視、羞明 |
|
消化器 |
悪心、嘔吐、便秘、下痢、食欲不振、食欲亢進、上腹部痛、胃不快感、胃炎、胃腸炎、腹痛 |
腹部膨満感、口唇炎 |
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内分泌 |
プロラクチン上昇 |
月経異常、乳汁分泌、射精障害、女性化乳房、勃起不全 |
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泌尿器 |
排尿困難 |
尿閉、尿失禁、頻尿 |
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精神神経系 |
統合失調症の悪化 |
不眠、睡眠障害、眠気、めまい・ふらつき、不安・焦燥感・易刺激性、頭重・頭痛、自殺企図、興奮、攻撃性、抑うつ、脱抑制、行動異常、妄想、悪夢、痙攣 |
過鎮静、幻覚・幻聴、被害妄想、多動、脳波異常、躁状態、意識障害、異常感、会話障害、多弁、緊張、しびれ感 |
血液 |
白血球増加、白血球減少 |
好中球増加、リンパ球減少、赤血球増加、貧血、赤血球減少、ヘモグロビン減少、ヘマトクリット減少、血小板増加、血小板減少、異型リンパ球出現 |
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皮膚 |
紅斑(11.7%)、そう痒感 |
皮膚炎、湿疹、発疹、丘疹、小水疱、変色、刺激感、乾燥、びらん、皮膚剥脱、じん麻疹 |
疼痛、不快感、熱感 |
その他 |
体重増加 |
倦怠感、脱力感、体重減少、CK上昇、トリグリセリド上昇、血中コレステロール上昇、血中カリウム減少、血中ナトリウム減少、血糖上昇、糖尿病、血糖低下、胸痛、口渇、尿中蛋白陽性、上気道感染、発熱、鼻出血、鼻咽頭炎、四肢痛 |
発汗、咳嗽、過換気、鼻漏、多飲、水中毒、顔面浮腫、浮腫、嚥下性肺炎、低体温、血中インスリン上昇、血中リン脂質増加、BUN上昇、BUN減少、血中総蛋白減少、血中カリウム上昇、尿中ウロビリン陽性、尿糖陽性、尿潜血陽性、脱毛 |
15. その他の注意
15.1 臨床使用に基づく情報
15.2 非臨床試験に基づく情報
- 15.2.1 動物実験(イヌ)で制吐作用が認められたため、他の薬剤に基づく中毒、腸閉塞、脳腫瘍等による嘔吐症状を不顕性化する可能性がある。[11.1.3 参照]
- 15.2.2 げっ歯類(マウス、ラット)に104週間経口投与したがん原性試験において、マウス(1mg/kg/日以上)で乳腺腫瘍、下垂体腫瘍、ラット(1mg/kg/日)で乳腺腫瘍の発生頻度の上昇が認められた。これらの所見は、プロラクチンに関連した変化として、げっ歯類ではよく知られている。
- 15.2.3 動物実験(モルモット)で皮膚光感作性が認められている。[8.6 参照]