薬効分類名選択的セロトニン再取り込み阻害剤

一般的名称セルトラリン塩酸塩

セルトラリン錠25mg「杏林」、セルトラリン錠50mg「杏林」、セルトラリン錠100mg「杏林」

せるとらりんじょう25mg「きょーりん」、せるとらりんじょう50mg「きょーりん」、せるとらりんじょう100mg「きょーりん」

SERTRALINE Tablets 25mg “KYORIN”, SERTRALINE Tablets 50mg “KYORIN”, SERTRALINE Tablets 100mg “KYORIN”

製造販売元/キョーリンリメディオ株式会社、販売元/杏林製薬株式会社

第5版
禁忌相互作用合併症・既往歴等のある患者肝機能障害患者妊婦授乳婦小児等高齢者

重大な副作用

頻度
副作用
頻度不明
頻度不明
頻度不明
頻度不明
頻度不明
中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)
頻度不明
頻度不明
心室頻拍(torsade de pointesを含む)
頻度不明

その他の副作用

部位
頻度
副作用
脳・神経
1%以上
睡眠障害不眠等)錯乱状態
脳・神経
頻度不明
脳・神経
1%以上
感覚器
1%未満
感覚器
頻度不明
心臓・血管
1%以上
心臓・血管
1%未満
肝臓まわり
1%以上
血液系
1%未満
血液系
頻度不明
胃腸・消化器系
1%以上
胃腸・消化器系
1%未満
胃腸・消化器系
頻度不明
免疫系
1%以上
免疫系
頻度不明
腎・尿路
頻度不明
運動器
頻度不明
内分泌・代謝系
1%未満
その他
1%以上
倦怠多汗発汗寝汗等)
その他
頻度不明

併用注意

薬剤名等

メチルチオニニウム塩化物水和物(メチレンブルー)
[11.1.1 参照]

臨床症状・措置方法

セロトニン症候群があらわれるおそれがある。

機序・危険因子

左記薬剤のMAO阻害作用によりセロトニン作用が増強されると考えられる。

薬剤名等

リネゾリド
[11.1.1 参照]

臨床症状・措置方法

セロトニン症候群の症状(錯乱、協調運動障害、血圧上昇等)があらわれることがある。このような症状があらわれた場合には、本剤と併用薬の両方あるいはいずれか一方の投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

機序・危険因子

リネゾリドは非選択的、可逆的MAO阻害作用を有する。

薬剤名等

5-HT1B/1D受容体作動薬

  • スマトリプタンコハク酸塩
    ゾルミトリプタン
    エレトリプタン臭化水素酸塩
臨床症状・措置方法

脱力、反射亢進、協調運動障害、錯乱、不安、焦燥、興奮があらわれることがある。

機序・危険因子

相互に作用を増強させるおそれがある。

薬剤名等

トラマドール塩酸塩含有製剤
メサドン塩酸塩
ペンタゾシン含有製剤
ペチジン塩酸塩含有製剤
タペンタドール塩酸塩
デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物含有製剤
フェンタニル含有製剤

臨床症状・措置方法

セロトニン作用が増強されるおそれがある。

機序・危険因子

これらの薬剤はセロトニン作用を有する。

薬剤名等

L-トリプトファンを含有する製剤

  • アミノ酸製剤
    経腸成分栄養剤
臨床症状・措置方法

セロトニン作用が増強されるおそれがある。

機序・危険因子

L-トリプトファンはセロトニンの前駆物質であるため、脳内セロトニン濃度が高まるおそれがある。

薬剤名等

セイヨウオトギリソウ(St.John’s Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品

臨床症状・措置方法

セロトニン作用が増強されるおそれがある。

機序・危険因子

セイヨウオトギリソウ(St.John’s Wort、セント・ジョーンズ・ワート)はセロトニン作用を有する。

薬剤名等

炭酸リチウム

臨床症状・措置方法

セロトニンに関連した副作用(振戦等)が増大するおそれがある。

機序・危険因子

相互に作用を増強させるおそれがある。

薬剤名等

三環系抗うつ剤

  • クロミプラミン塩酸塩
    イミプラミン塩酸塩
    アミトリプチリン塩酸塩
臨床症状・措置方法

薬剤の血中濃度が上昇し、作用が増強されるおそれがある。

機序・危険因子

本剤がこれらの薬剤の代謝を阻害することがある。

薬剤名等
臨床症状・措置方法

ワルファリンのプロトロンビン反応時間曲線下面積が軽度増加(8%)したとの報告がある。
本剤の投与を開始もしくは中止する場合は、プロトロンビン時間を慎重にモニターすること。

機序・危険因子

機序不明

薬剤名等

出血傾向が増強する薬剤

  • 非定型抗精神病剤
    フェノチアジン系薬剤
    三環系抗うつ剤
    アスピリン等の非ステロイド系抗炎症剤
    ワルファリン等
    [9.1.7 参照],[16.7.1 参照]
臨床症状・措置方法

異常出血(鼻出血、胃腸出血、血尿等)が報告されているので、注意して投与すること。

機序・危険因子

SSRIの投与により血小板凝集能が阻害され、これらの薬剤との併用により出血傾向が増大することがある。

薬剤名等

血糖降下薬

臨床症状・措置方法

トルブタミドのクリアランスが減少(16%)したとの報告がある。

機序・危険因子

本剤がこの薬剤の代謝を阻害するためと考えられる。

薬剤名等

シメチジン
[16.7.3 参照]

臨床症状・措置方法

本剤のAUC及びCmaxの増大(50%、24%)及びt1/2の延長(26%)がみられたとの報告がある。

機序・危険因子

本剤の代謝が阻害されたためと考えられる。

薬剤名等

アルコール
(飲酒)

臨床症状・措置方法

本剤投与中は、飲酒を避けることが望ましい。

機序・危険因子

本剤との相互作用は認められていないが、他の抗うつ剤で作用の増強が報告されている。

薬剤名等

QT延長を起こすことが知られている薬剤
[9.1.6 参照],[11.1.8 参照]

臨床症状・措置方法

QT延長を起こすおそれがある。

機序・危険因子

併用によりQT延長作用が相加的に増加するおそれがある。

薬剤名等

スルピリン水和物

臨床症状・措置方法

本剤の血漿中濃度が低下し、有効性が減弱するおそれがある。

機序・危険因子

併用によりCYP2B6及びCYP3A4が誘導され、本剤の代謝が促進されるためと考えられる。

詳細情報

正確な情報は PMDA で必ず確認して下さい

注意以下の情報は参考資料としてご活用下さい

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  2. 2.2 MAO阻害剤を投与中あるいは投与中止後14日間以内の患者[10.1 参照],[11.1.1 参照]
  3. 2.3 ピモジドを投与中の患者[10.1 参照],[11.1.8 参照]

3. 組成・性状

3.1 組成

セルトラリン錠25mg「杏林」

1錠中
有効成分 セルトラリンとして   25mg
(セルトラリン塩酸塩   28mg )
添加剤 結晶セルロース、リン酸水素カルシウム水和物、デンプングリコール酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、マクロゴール、酸化チタン、ポリソルベート80、カルナウバロウ
セルトラリン錠50mg「杏林」

1錠中
有効成分 セルトラリンとして   50mg
(セルトラリン塩酸塩   56mg )
添加剤 結晶セルロース、リン酸水素カルシウム水和物、デンプングリコール酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、マクロゴール、酸化チタン、ポリソルベート80、カルナウバロウ
セルトラリン錠100mg「杏林」

1錠中
有効成分 セルトラリンとして   100mg
(セルトラリン塩酸塩   112mg )
添加剤 結晶セルロース、リン酸水素カルシウム水和物、デンプングリコール酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、マクロゴール、酸化チタン、ポリソルベート80、カルナウバロウ

3.2 製剤の性状

セルトラリン錠25mg「杏林」

剤形 楕円形 フィルムコーティング錠
色調 白色
外形
大きさ 長径 8.5mm
短径 4.5mm
厚さ 2.7mm
質量 93mg
本体表示/
識別コード
セルトラリン
25 杏林
セルトラリン錠50mg「杏林」

剤形 フィルムコーティング錠
色調 白色
外形
大きさ 直径 7.1mm
厚さ 3.6mm
質量 155mg
本体表示/
識別コード
セルトラリン
50 杏林
セルトラリン錠100mg「杏林」

剤形 楕円形 フィルムコーティング錠
色調 白色
外形
大きさ 長径 12.2mm
短径 6.1mm
厚さ 4.4mm
質量 310mg
本体表示/
識別コード
KRM214

4. 効能又は効果

  • うつ病・うつ状態
  • パニック障害
  • 外傷後ストレス障害

5. 効能又は効果に関連する注意

  • 〈効能共通〉
    1. 5.1 抗うつ剤の投与により、24歳以下の患者で、自殺念慮、自殺企図のリスクが増加するとの報告がある。本剤の投与にあたっては、リスクとベネフィットを考慮すること。[8.1 参照],[8.2 参照],[8.3 参照],[8.4 参照],[9.1.1 参照],[9.1.2 参照],[9.7.2 参照],[9.7.3 参照],[15.1.1 参照]
  • 〈うつ病・うつ状態〉
    1. 5.2 本剤を18歳未満の大うつ病性障害患者に投与する際には適応を慎重に検討すること。[9.7.2 参照]
  • 〈外傷後ストレス障害〉
    1. 5.3 本剤を18歳未満の外傷後ストレス障害患者に投与する際には適応を慎重に検討すること。[9.7.3 参照]
    2. 5.4 外傷後ストレス障害の診断は、DSM注)等の適切な診断基準に基づき慎重に実施し、基準を満たす場合にのみ投与すること。
      注)DSM:American Psychiatric Association(米国精神医学会)のDiagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders(精神疾患の診断・統計マニュアル)

6. 用法及び用量

通常、成人にはセルトラリンとして1日25mgを初期用量とし、1日100mgまで漸増し、1日1回経口投与する。なお、年齢、症状により1日100mgを超えない範囲で適宜増減する。

7. 用法及び用量に関連する注意

本剤の投与量は、予測される効果を十分に考慮し、必要最小限となるよう、患者ごとに慎重に観察しながら調節すること。[8.1 参照],[8.2 参照],[8.3 参照],[8.4 参照],[9.1.1 参照],[9.1.2 参照],[15.1.1 参照]

8. 重要な基本的注意

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 躁うつ病患者

    躁転、自殺企図があらわれることがある。[5.1 参照],[7 参照],[8.1 参照],[8.2 参照],[8.3 参照],[8.4 参照],[9.1.2 参照],[9.7.2 参照],[9.7.3 参照],[15.1.1 参照]

  2. 9.1.2 自殺念慮又は自殺企図の既往のある患者、自殺念慮のある患者

    自殺念慮、自殺企図があらわれることがある。[5.1 参照],[7 参照],[8.1 参照],[8.2 参照],[8.3 参照],[8.4 参照],[9.1.1 参照],[9.7.2 参照],[9.7.3 参照],[15.1.1 参照]

  3. 9.1.3 脳の器質的障害又は統合失調症の素因のある患者

    精神症状を増悪させることがある。[8.2 参照],[8.4 参照],[9.1.4 参照]

  4. 9.1.4 衝動性が高い併存障害を有する患者

    精神症状を増悪させることがある。[8.2 参照],[8.4 参照],[9.1.3 参照]

  5. 9.1.5 てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者

    痙攣発作を起こすことがある。[11.1.3 参照]

  6. 9.1.6 QT延長又はその既往歴のある患者、著明な徐脈や低カリウム血症等がある患者

    QT延長、心室頻拍(torsade de pointesを含む)を起こすおそれがある。[10.2 参照],[11.1.8 参照]

  7. 9.1.7 出血の危険性を高める薬剤を併用している患者、出血傾向又は出血性素因のある患者

    鼻出血、胃腸出血、血尿等が報告されている。[10.2 参照],[16.7.1 参照]

  8. 9.1.8 緑内障又はその既往歴のある患者

    眼圧上昇を起こし、症状が悪化するおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

血中濃度半減期が延長し、AUC及びCmaxが増大することがある。[16.6.2 参照]

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

  1. 9.5.1 妊娠末期に本剤あるいは他のSSRI、SNRIが投与された女性が出産した新生児において、入院期間の延長、呼吸補助、経管栄養を必要とする、離脱症状と同様の症状が出産直後にあらわれたとの報告がある。臨床所見としては、呼吸窮迫、チアノーゼ、無呼吸、発作、体温調節障害、哺乳障害、嘔吐、低血糖症、筋緊張低下、筋緊張亢進、反射亢進、振戦、ぴくつき、易刺激性、持続性の泣きが報告されている。
  2. 9.5.2 海外の疫学調査において、妊娠中に本剤を含むSSRIを投与された女性が出産した新生児において、新生児遷延性肺高血圧症のリスクが増加したとの報告がある1) ,2) 。このうち1つの調査では、妊娠34週以降に生まれた新生児における新生児遷延性肺高血圧症発生のリスク比は、妊娠早期の投与では2.4(95%信頼区間1.2-4.3)、妊娠早期及び後期の投与では3.6(95%信頼区間1.2-8.3)であった2)

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト母乳中へ移行することが報告されている3) [16.3.2 参照]

9.7 小児等

  1. 9.7.1 小児等を対象とした国内臨床試験は実施していない。
  2. 9.7.2 海外で実施された6~17歳の大うつ病性障害(DSM-IV注)における分類)を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験において有効性が確認できなかったとの報告がある。また、本剤群でみられた自殺企図[1.1%(2/189例)]は、プラセボ群[1.1%(2/184例)]と同様であり、自殺念慮は本剤群で1.6%(3/189例)にみられた。これらの事象と本剤との関連性は明らかではない4) (海外において本剤は小児大うつ病性障害患者に対する適応を有していない)。[5.1 参照],[5.2 参照],[8.1 参照],[8.2 参照],[8.3 参照],[8.4 参照],[9.1.1 参照],[9.1.2 参照],[15.1.1 参照]
  3. 9.7.3 海外で実施された6~17歳の外傷後ストレス障害(DSM-IV注)における分類)を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験において有効性が確認できなかったとの報告がある。当該試験にて自殺企図はみられなかったが、自殺念慮は本剤群でのみ4.5%(3/67例)にみられた5) (海外において本剤は小児外傷後ストレス障害患者に対する適応を有していない)。[5.1 参照],[5.3 参照],[8.1 参照],[8.2 参照],[8.3 参照],[8.4 参照],[9.1.1 参照],[9.1.2 参照],[15.1.1 参照]
    注)DSM-IV:American Psychiatric Association(米国精神医学会)のDiagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders,4th edition(DSM-IV精神疾患の診断・統計マニュアル)

9.8 高齢者

高齢者においては、肝機能、腎機能の低下を考慮し、用量等に注意して慎重に投与すること。本剤は、主として肝臓で代謝されるが、高齢者では肝機能が低下していることが多いため、高い血中濃度が持続し、出血傾向の増強等がおこるおそれがある。[16.6.3 参照]

10. 相互作用

  • 本剤は肝代謝酵素CYP2C19、CYP2C9、CYP2B6及びCYP3A4等で代謝される6) [16.4 参照]

10.1 併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子

MAO阻害剤

  • セレギリン塩酸塩(エフピー)
    ラサギリンメシル酸塩(アジレクト)
  • サフィナミドメシル酸塩(エクフィナ)
    [2.2 参照],[11.1.1 参照]

発汗、不穏、全身痙攣、異常高熱、昏睡等の症状があらわれることがある。なお、MAO阻害剤の投与を受けた患者に本剤を投与する場合、また本剤投与後にMAO阻害剤を投与する場合には、14日間以上の間隔をおくこと。

セロトニンの分解が阻害され、脳内セロトニン濃度が高まると考えられる。

ピモジド(オーラップ)
[2.3 参照],[11.1.8 参照]

ピモジドとの併用により、ピモジドのAUC及びCmaxがそれぞれ1.4倍増加したとの報告がある7)
ピモジドはQT延長を引き起こすことがあるので本剤と併用しないこと。

機序不明

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子

メチルチオニニウム塩化物水和物(メチレンブルー)
[11.1.1 参照]

セロトニン症候群があらわれるおそれがある。

左記薬剤のMAO阻害作用によりセロトニン作用が増強されると考えられる。

リネゾリド
[11.1.1 参照]

セロトニン症候群の症状(錯乱、協調運動障害、血圧上昇等)があらわれることがある。このような症状があらわれた場合には、本剤と併用薬の両方あるいはいずれか一方の投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

リネゾリドは非選択的、可逆的MAO阻害作用を有する。

5-HT1B/1D受容体作動薬

  • スマトリプタンコハク酸塩
    ゾルミトリプタン
    エレトリプタン臭化水素酸塩

脱力、反射亢進、協調運動障害、錯乱、不安、焦燥、興奮があらわれることがある。

相互に作用を増強させるおそれがある。

トラマドール塩酸塩含有製剤
メサドン塩酸塩
ペンタゾシン含有製剤
ペチジン塩酸塩含有製剤
タペンタドール塩酸塩
デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物含有製剤
フェンタニル含有製剤

セロトニン作用が増強されるおそれがある。

これらの薬剤はセロトニン作用を有する。

L-トリプトファンを含有する製剤

  • アミノ酸製剤
    経腸成分栄養剤

セロトニン作用が増強されるおそれがある。

L-トリプトファンはセロトニンの前駆物質であるため、脳内セロトニン濃度が高まるおそれがある。

セイヨウオトギリソウ(St.John’s Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品

セロトニン作用が増強されるおそれがある。

セイヨウオトギリソウ(St.John’s Wort、セント・ジョーンズ・ワート)はセロトニン作用を有する。

炭酸リチウム

セロトニンに関連した副作用(振戦等)が増大するおそれがある。

相互に作用を増強させるおそれがある。

三環系抗うつ剤

  • クロミプラミン塩酸塩
    イミプラミン塩酸塩
    アミトリプチリン塩酸塩

薬剤の血中濃度が上昇し、作用が増強されるおそれがある。

本剤がこれらの薬剤の代謝を阻害することがある。

ワルファリンのプロトロンビン反応時間曲線下面積が軽度増加(8%)したとの報告がある8)
本剤の投与を開始もしくは中止する場合は、プロトロンビン時間を慎重にモニターすること。

機序不明

出血傾向が増強する薬剤

  • 非定型抗精神病剤
    フェノチアジン系薬剤
    三環系抗うつ剤
    アスピリン等の非ステロイド系抗炎症剤
    ワルファリン等
    [9.1.7 参照],[16.7.1 参照]

異常出血(鼻出血、胃腸出血、血尿等)が報告されているので、注意して投与すること。

SSRIの投与により血小板凝集能が阻害され、これらの薬剤との併用により出血傾向が増大することがある。

血糖降下薬

トルブタミドのクリアランスが減少(16%)したとの報告がある9)

本剤がこの薬剤の代謝を阻害するためと考えられる。

シメチジン
[16.7.3 参照]

本剤のAUC及びCmaxの増大(50%、24%)及びt1/2の延長(26%)がみられたとの報告がある10)

本剤の代謝が阻害されたためと考えられる。

アルコール
(飲酒)

本剤投与中は、飲酒を避けることが望ましい。

本剤との相互作用は認められていないが、他の抗うつ剤で作用の増強が報告されている。

QT延長を起こすことが知られている薬剤
[9.1.6 参照],[11.1.8 参照]

QT延長を起こすおそれがある。

併用によりQT延長作用が相加的に増加するおそれがある。

スルピリン水和物

本剤の血漿中濃度が低下し、有効性が減弱するおそれがある。

併用によりCYP2B6及びCYP3A4が誘導され、本剤の代謝が促進されるためと考えられる。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 セロトニン症候群(頻度不明)

    不安、焦燥、興奮、錯乱、発汗、下痢、発熱、高血圧、固縮、頻脈、ミオクロヌス、自律神経不安定等があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。[2.2 参照],[10.1 参照],[10.2 参照]

  2. 11.1.2 悪性症候群(頻度不明)

    無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗等が発現し、それに引き続き発熱がみられる場合がある。抗精神病剤との併用時にあらわれることが多いため、特に注意すること。異常が認められた場合には、抗精神病剤及び本剤の投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。本症発現時には、白血球の増加や血清CKの上昇がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられることがある。

  3. 11.1.3 痙攣(頻度不明)、昏睡(頻度不明)

    [9.1.5 参照]

  4. 11.1.4 肝機能障害(頻度不明)

    肝不全、肝炎、黄疸があらわれることがあるので、必要に応じて肝機能検査を行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

  5. 11.1.5 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)(頻度不明)

    低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム排泄量の増加、 高張尿、痙攣、意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、水分摂取の制限等適切な処置を行うこと。

  6. 11.1.6 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)

    異常が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。

  7. 11.1.7 アナフィラキシー(頻度不明)

    アナフィラキシー(呼吸困難、喘鳴、血管浮腫等)があらわれることがある。

  8. 11.1.8 QT延長(頻度不明)、心室頻拍(torsade de pointesを含む)(頻度不明)

    [2.3 参照],[9.1.6 参照],[10.1 参照],[10.2 参照]

  9. 11.1.9 血小板減少(頻度不明)

    11) [8.7 参照]

11.2 その他の副作用

1%以上

1%未満

頻度不明

精神系

睡眠障害(不眠等)、錯乱状態

悪夢、易刺激性、易興奮性、うつ病、躁病、精神症、多幸症、リビドー減退、記憶障害、注意力障害

攻撃的反応、不安、焦燥、興奮、幻覚

神経系

傾眠(15.2%)、頭痛、浮動性めまい、振戦、感覚減退

起立性めまい、味覚異常、頭部不快感、運動障害(アカシジア、錐体外路症状、運動過多、歯ぎしり、歩行異常等)、錯感覚

不随意性筋収縮、ジスキネジー、ジストニー、片頭痛、失神

感覚器

調節障害、視覚異常(霧視、羞明、視力低下等)、耳鳴、耳閉感、回転性眩暈

散瞳

循環器

動悸

起立性低血圧、血圧低下、血圧上昇、頻脈

肝臓

ALT増加、AST増加、γ-GTP増加

LDH増加、Al-P増加、総ビリルビン増加、直接ビリルビン増加

血液

白血球数増加又は減少、単球増加、出血傾向(鼻出血、胃腸出血、血尿等)

血小板機能異常、紫斑、斑状出血、皮下出血

消化器系

悪心・嘔吐(20.3%)、口内乾燥、下痢・軟便、便秘、腹部不快感、腹痛、腹部膨満、消化不良、食欲不振

胃腸障害、食欲亢進

膵炎

過敏症

発疹

蕁麻疹、そう痒症、顔面浮腫、眼窩周囲浮腫

光線過敏性反応

泌尿器・生殖器

排尿困難、尿閉、頻尿、性機能障害(射精遅延、持続勃起症等)、月経障害

尿失禁・夜尿、乳汁漏出症、女性化乳房

筋・骨格系

背部痛、関節痛、筋緊張異常(筋硬直、筋緊張亢進、筋痙攣等)

開口障害

代謝・内分泌

総蛋白減少、総コレステロール増加、尿糖、尿蛋白

甲状腺機能低下症、低ナトリウム血症、高プロラクチン血症、血糖異常

その他

倦怠感、多汗(発汗、寝汗等)

無力症、熱感、異常感、胸痛、胸部圧迫感、疲労、発熱、ほてり、悪寒、体重減少、体重増加、末梢性浮腫、あくび、脱毛症

気管支痙攣、好酸球性肺炎

13. 過量投与

本剤の過量投与、又は本剤の過量投与と他剤やアルコールとの併用による死亡例が海外で報告されている。

  1. 13.1 症状

    傾眠、胃腸障害(悪心・嘔吐等)、頻脈、振戦、不安、焦燥、興奮、浮動性めまいのようなセロトニン性の副作用であり、まれに昏睡が認められた。

  2. 13.2 処置

    特異的な解毒剤は知られていない。活性炭投与等の適切な処置を行うこと。催吐は薦められない。本剤は分布容積が大きいので、強制利尿、透析、血液灌流及び交換輸血はあまり効果的でない。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報

  1. 15.1.1 海外で実施された大うつ病性障害等の精神疾患を有する患者を対象とした、本剤を含む複数の抗うつ剤の短期プラセボ対照臨床試験の検討結果において、24歳以下の患者では、自殺念慮や自殺企図の発現のリスクが抗うつ剤投与群でプラセボ群と比較して高かった。
    なお、25歳以上の患者における自殺念慮や自殺企図の発現のリスクの上昇は認められず、65歳以上においてはそのリスクが減少した。[5.1 参照],[7 参照],[8.1 参照],[8.2 参照],[8.3 参照],[8.4 参照],[9.1.1 参照],[9.1.2 参照],[9.7.2 参照],[9.7.3 参照]
  2. 15.1.2 主に50歳以上を対象に実施された海外の疫学調査において、選択的セロトニン再取り込み阻害剤及び三環系抗うつ剤を含む抗うつ剤を投与された患者で、骨折のリスクが上昇したとの報告がある。
  3. 15.1.3 海外で実施された臨床試験において、本剤を含む選択的セロトニン再取り込み阻害剤が精子特性を変化させ、受精率に影響を与える可能性が報告されている12) ,13)
  4. 15.1.4 電気けいれん療法との併用については、その有効性及び安全性が確立されていない。

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  2. 2.2 MAO阻害剤を投与中あるいは投与中止後14日間以内の患者[10.1 参照],[11.1.1 参照]
  3. 2.3 ピモジドを投与中の患者[10.1 参照],[11.1.8 参照]

3. 組成・性状

3.1 組成

セルトラリン錠25mg「杏林」

1錠中
有効成分 セルトラリンとして   25mg
(セルトラリン塩酸塩   28mg )
添加剤 結晶セルロース、リン酸水素カルシウム水和物、デンプングリコール酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、マクロゴール、酸化チタン、ポリソルベート80、カルナウバロウ
セルトラリン錠50mg「杏林」

1錠中
有効成分 セルトラリンとして   50mg
(セルトラリン塩酸塩   56mg )
添加剤 結晶セルロース、リン酸水素カルシウム水和物、デンプングリコール酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、マクロゴール、酸化チタン、ポリソルベート80、カルナウバロウ
セルトラリン錠100mg「杏林」

1錠中
有効成分 セルトラリンとして   100mg
(セルトラリン塩酸塩   112mg )
添加剤 結晶セルロース、リン酸水素カルシウム水和物、デンプングリコール酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、マクロゴール、酸化チタン、ポリソルベート80、カルナウバロウ

3.2 製剤の性状

セルトラリン錠25mg「杏林」

剤形 楕円形 フィルムコーティング錠
色調 白色
外形
大きさ 長径 8.5mm
短径 4.5mm
厚さ 2.7mm
質量 93mg
本体表示/
識別コード
セルトラリン
25 杏林
セルトラリン錠50mg「杏林」

剤形 フィルムコーティング錠
色調 白色
外形
大きさ 直径 7.1mm
厚さ 3.6mm
質量 155mg
本体表示/
識別コード
セルトラリン
50 杏林
セルトラリン錠100mg「杏林」

剤形 楕円形 フィルムコーティング錠
色調 白色
外形
大きさ 長径 12.2mm
短径 6.1mm
厚さ 4.4mm
質量 310mg
本体表示/
識別コード
KRM214

4. 効能又は効果

  • うつ病・うつ状態
  • パニック障害
  • 外傷後ストレス障害

5. 効能又は効果に関連する注意

  • 〈効能共通〉
    1. 5.1 抗うつ剤の投与により、24歳以下の患者で、自殺念慮、自殺企図のリスクが増加するとの報告がある。本剤の投与にあたっては、リスクとベネフィットを考慮すること。[8.1 参照],[8.2 参照],[8.3 参照],[8.4 参照],[9.1.1 参照],[9.1.2 参照],[9.7.2 参照],[9.7.3 参照],[15.1.1 参照]
  • 〈うつ病・うつ状態〉
    1. 5.2 本剤を18歳未満の大うつ病性障害患者に投与する際には適応を慎重に検討すること。[9.7.2 参照]
  • 〈外傷後ストレス障害〉
    1. 5.3 本剤を18歳未満の外傷後ストレス障害患者に投与する際には適応を慎重に検討すること。[9.7.3 参照]
    2. 5.4 外傷後ストレス障害の診断は、DSM注)等の適切な診断基準に基づき慎重に実施し、基準を満たす場合にのみ投与すること。
      注)DSM:American Psychiatric Association(米国精神医学会)のDiagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders(精神疾患の診断・統計マニュアル)

6. 用法及び用量

通常、成人にはセルトラリンとして1日25mgを初期用量とし、1日100mgまで漸増し、1日1回経口投与する。なお、年齢、症状により1日100mgを超えない範囲で適宜増減する。

7. 用法及び用量に関連する注意

本剤の投与量は、予測される効果を十分に考慮し、必要最小限となるよう、患者ごとに慎重に観察しながら調節すること。[8.1 参照],[8.2 参照],[8.3 参照],[8.4 参照],[9.1.1 参照],[9.1.2 参照],[15.1.1 参照]

8. 重要な基本的注意

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 躁うつ病患者

    躁転、自殺企図があらわれることがある。[5.1 参照],[7 参照],[8.1 参照],[8.2 参照],[8.3 参照],[8.4 参照],[9.1.2 参照],[9.7.2 参照],[9.7.3 参照],[15.1.1 参照]

  2. 9.1.2 自殺念慮又は自殺企図の既往のある患者、自殺念慮のある患者

    自殺念慮、自殺企図があらわれることがある。[5.1 参照],[7 参照],[8.1 参照],[8.2 参照],[8.3 参照],[8.4 参照],[9.1.1 参照],[9.7.2 参照],[9.7.3 参照],[15.1.1 参照]

  3. 9.1.3 脳の器質的障害又は統合失調症の素因のある患者

    精神症状を増悪させることがある。[8.2 参照],[8.4 参照],[9.1.4 参照]

  4. 9.1.4 衝動性が高い併存障害を有する患者

    精神症状を増悪させることがある。[8.2 参照],[8.4 参照],[9.1.3 参照]

  5. 9.1.5 てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者

    痙攣発作を起こすことがある。[11.1.3 参照]

  6. 9.1.6 QT延長又はその既往歴のある患者、著明な徐脈や低カリウム血症等がある患者

    QT延長、心室頻拍(torsade de pointesを含む)を起こすおそれがある。[10.2 参照],[11.1.8 参照]

  7. 9.1.7 出血の危険性を高める薬剤を併用している患者、出血傾向又は出血性素因のある患者

    鼻出血、胃腸出血、血尿等が報告されている。[10.2 参照],[16.7.1 参照]

  8. 9.1.8 緑内障又はその既往歴のある患者

    眼圧上昇を起こし、症状が悪化するおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

血中濃度半減期が延長し、AUC及びCmaxが増大することがある。[16.6.2 参照]

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

  1. 9.5.1 妊娠末期に本剤あるいは他のSSRI、SNRIが投与された女性が出産した新生児において、入院期間の延長、呼吸補助、経管栄養を必要とする、離脱症状と同様の症状が出産直後にあらわれたとの報告がある。臨床所見としては、呼吸窮迫、チアノーゼ、無呼吸、発作、体温調節障害、哺乳障害、嘔吐、低血糖症、筋緊張低下、筋緊張亢進、反射亢進、振戦、ぴくつき、易刺激性、持続性の泣きが報告されている。
  2. 9.5.2 海外の疫学調査において、妊娠中に本剤を含むSSRIを投与された女性が出産した新生児において、新生児遷延性肺高血圧症のリスクが増加したとの報告がある1) ,2) 。このうち1つの調査では、妊娠34週以降に生まれた新生児における新生児遷延性肺高血圧症発生のリスク比は、妊娠早期の投与では2.4(95%信頼区間1.2-4.3)、妊娠早期及び後期の投与では3.6(95%信頼区間1.2-8.3)であった2)

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト母乳中へ移行することが報告されている3) [16.3.2 参照]

9.7 小児等

  1. 9.7.1 小児等を対象とした国内臨床試験は実施していない。
  2. 9.7.2 海外で実施された6~17歳の大うつ病性障害(DSM-IV注)における分類)を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験において有効性が確認できなかったとの報告がある。また、本剤群でみられた自殺企図[1.1%(2/189例)]は、プラセボ群[1.1%(2/184例)]と同様であり、自殺念慮は本剤群で1.6%(3/189例)にみられた。これらの事象と本剤との関連性は明らかではない4) (海外において本剤は小児大うつ病性障害患者に対する適応を有していない)。[5.1 参照],[5.2 参照],[8.1 参照],[8.2 参照],[8.3 参照],[8.4 参照],[9.1.1 参照],[9.1.2 参照],[15.1.1 参照]
  3. 9.7.3 海外で実施された6~17歳の外傷後ストレス障害(DSM-IV注)における分類)を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験において有効性が確認できなかったとの報告がある。当該試験にて自殺企図はみられなかったが、自殺念慮は本剤群でのみ4.5%(3/67例)にみられた5) (海外において本剤は小児外傷後ストレス障害患者に対する適応を有していない)。[5.1 参照],[5.3 参照],[8.1 参照],[8.2 参照],[8.3 参照],[8.4 参照],[9.1.1 参照],[9.1.2 参照],[15.1.1 参照]
    注)DSM-IV:American Psychiatric Association(米国精神医学会)のDiagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders,4th edition(DSM-IV精神疾患の診断・統計マニュアル)

9.8 高齢者

高齢者においては、肝機能、腎機能の低下を考慮し、用量等に注意して慎重に投与すること。本剤は、主として肝臓で代謝されるが、高齢者では肝機能が低下していることが多いため、高い血中濃度が持続し、出血傾向の増強等がおこるおそれがある。[16.6.3 参照]

10. 相互作用

  • 本剤は肝代謝酵素CYP2C19、CYP2C9、CYP2B6及びCYP3A4等で代謝される6) [16.4 参照]

10.1 併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子

MAO阻害剤

  • セレギリン塩酸塩(エフピー)
    ラサギリンメシル酸塩(アジレクト)
  • サフィナミドメシル酸塩(エクフィナ)
    [2.2 参照],[11.1.1 参照]

発汗、不穏、全身痙攣、異常高熱、昏睡等の症状があらわれることがある。なお、MAO阻害剤の投与を受けた患者に本剤を投与する場合、また本剤投与後にMAO阻害剤を投与する場合には、14日間以上の間隔をおくこと。

セロトニンの分解が阻害され、脳内セロトニン濃度が高まると考えられる。

ピモジド(オーラップ)
[2.3 参照],[11.1.8 参照]

ピモジドとの併用により、ピモジドのAUC及びCmaxがそれぞれ1.4倍増加したとの報告がある7)
ピモジドはQT延長を引き起こすことがあるので本剤と併用しないこと。

機序不明

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子

メチルチオニニウム塩化物水和物(メチレンブルー)
[11.1.1 参照]

セロトニン症候群があらわれるおそれがある。

左記薬剤のMAO阻害作用によりセロトニン作用が増強されると考えられる。

リネゾリド
[11.1.1 参照]

セロトニン症候群の症状(錯乱、協調運動障害、血圧上昇等)があらわれることがある。このような症状があらわれた場合には、本剤と併用薬の両方あるいはいずれか一方の投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

リネゾリドは非選択的、可逆的MAO阻害作用を有する。

5-HT1B/1D受容体作動薬

  • スマトリプタンコハク酸塩
    ゾルミトリプタン
    エレトリプタン臭化水素酸塩

脱力、反射亢進、協調運動障害、錯乱、不安、焦燥、興奮があらわれることがある。

相互に作用を増強させるおそれがある。

トラマドール塩酸塩含有製剤
メサドン塩酸塩
ペンタゾシン含有製剤
ペチジン塩酸塩含有製剤
タペンタドール塩酸塩
デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物含有製剤
フェンタニル含有製剤

セロトニン作用が増強されるおそれがある。

これらの薬剤はセロトニン作用を有する。

L-トリプトファンを含有する製剤

  • アミノ酸製剤
    経腸成分栄養剤

セロトニン作用が増強されるおそれがある。

L-トリプトファンはセロトニンの前駆物質であるため、脳内セロトニン濃度が高まるおそれがある。

セイヨウオトギリソウ(St.John’s Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品

セロトニン作用が増強されるおそれがある。

セイヨウオトギリソウ(St.John’s Wort、セント・ジョーンズ・ワート)はセロトニン作用を有する。

炭酸リチウム

セロトニンに関連した副作用(振戦等)が増大するおそれがある。

相互に作用を増強させるおそれがある。

三環系抗うつ剤

  • クロミプラミン塩酸塩
    イミプラミン塩酸塩
    アミトリプチリン塩酸塩

薬剤の血中濃度が上昇し、作用が増強されるおそれがある。

本剤がこれらの薬剤の代謝を阻害することがある。

ワルファリンのプロトロンビン反応時間曲線下面積が軽度増加(8%)したとの報告がある8)
本剤の投与を開始もしくは中止する場合は、プロトロンビン時間を慎重にモニターすること。

機序不明

出血傾向が増強する薬剤

  • 非定型抗精神病剤
    フェノチアジン系薬剤
    三環系抗うつ剤
    アスピリン等の非ステロイド系抗炎症剤
    ワルファリン等
    [9.1.7 参照],[16.7.1 参照]

異常出血(鼻出血、胃腸出血、血尿等)が報告されているので、注意して投与すること。

SSRIの投与により血小板凝集能が阻害され、これらの薬剤との併用により出血傾向が増大することがある。

血糖降下薬

トルブタミドのクリアランスが減少(16%)したとの報告がある9)

本剤がこの薬剤の代謝を阻害するためと考えられる。

シメチジン
[16.7.3 参照]

本剤のAUC及びCmaxの増大(50%、24%)及びt1/2の延長(26%)がみられたとの報告がある10)

本剤の代謝が阻害されたためと考えられる。

アルコール
(飲酒)

本剤投与中は、飲酒を避けることが望ましい。

本剤との相互作用は認められていないが、他の抗うつ剤で作用の増強が報告されている。

QT延長を起こすことが知られている薬剤
[9.1.6 参照],[11.1.8 参照]

QT延長を起こすおそれがある。

併用によりQT延長作用が相加的に増加するおそれがある。

スルピリン水和物

本剤の血漿中濃度が低下し、有効性が減弱するおそれがある。

併用によりCYP2B6及びCYP3A4が誘導され、本剤の代謝が促進されるためと考えられる。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 セロトニン症候群(頻度不明)

    不安、焦燥、興奮、錯乱、発汗、下痢、発熱、高血圧、固縮、頻脈、ミオクロヌス、自律神経不安定等があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。[2.2 参照],[10.1 参照],[10.2 参照]

  2. 11.1.2 悪性症候群(頻度不明)

    無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗等が発現し、それに引き続き発熱がみられる場合がある。抗精神病剤との併用時にあらわれることが多いため、特に注意すること。異常が認められた場合には、抗精神病剤及び本剤の投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと。本症発現時には、白血球の増加や血清CKの上昇がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられることがある。

  3. 11.1.3 痙攣(頻度不明)、昏睡(頻度不明)

    [9.1.5 参照]

  4. 11.1.4 肝機能障害(頻度不明)

    肝不全、肝炎、黄疸があらわれることがあるので、必要に応じて肝機能検査を行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

  5. 11.1.5 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)(頻度不明)

    低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム排泄量の増加、 高張尿、痙攣、意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、水分摂取の制限等適切な処置を行うこと。

  6. 11.1.6 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)

    異常が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。

  7. 11.1.7 アナフィラキシー(頻度不明)

    アナフィラキシー(呼吸困難、喘鳴、血管浮腫等)があらわれることがある。

  8. 11.1.8 QT延長(頻度不明)、心室頻拍(torsade de pointesを含む)(頻度不明)

    [2.3 参照],[9.1.6 参照],[10.1 参照],[10.2 参照]

  9. 11.1.9 血小板減少(頻度不明)

    11) [8.7 参照]

11.2 その他の副作用

1%以上

1%未満

頻度不明

精神系

睡眠障害(不眠等)、錯乱状態

悪夢、易刺激性、易興奮性、うつ病、躁病、精神症、多幸症、リビドー減退、記憶障害、注意力障害

攻撃的反応、不安、焦燥、興奮、幻覚

神経系

傾眠(15.2%)、頭痛、浮動性めまい、振戦、感覚減退

起立性めまい、味覚異常、頭部不快感、運動障害(アカシジア、錐体外路症状、運動過多、歯ぎしり、歩行異常等)、錯感覚

不随意性筋収縮、ジスキネジー、ジストニー、片頭痛、失神

感覚器

調節障害、視覚異常(霧視、羞明、視力低下等)、耳鳴、耳閉感、回転性眩暈

散瞳

循環器

動悸

起立性低血圧、血圧低下、血圧上昇、頻脈

肝臓

ALT増加、AST増加、γ-GTP増加

LDH増加、Al-P増加、総ビリルビン増加、直接ビリルビン増加

血液

白血球数増加又は減少、単球増加、出血傾向(鼻出血、胃腸出血、血尿等)

血小板機能異常、紫斑、斑状出血、皮下出血

消化器系

悪心・嘔吐(20.3%)、口内乾燥、下痢・軟便、便秘、腹部不快感、腹痛、腹部膨満、消化不良、食欲不振

胃腸障害、食欲亢進

膵炎

過敏症

発疹

蕁麻疹、そう痒症、顔面浮腫、眼窩周囲浮腫

光線過敏性反応

泌尿器・生殖器

排尿困難、尿閉、頻尿、性機能障害(射精遅延、持続勃起症等)、月経障害

尿失禁・夜尿、乳汁漏出症、女性化乳房

筋・骨格系

背部痛、関節痛、筋緊張異常(筋硬直、筋緊張亢進、筋痙攣等)

開口障害

代謝・内分泌

総蛋白減少、総コレステロール増加、尿糖、尿蛋白

甲状腺機能低下症、低ナトリウム血症、高プロラクチン血症、血糖異常

その他

倦怠感、多汗(発汗、寝汗等)

無力症、熱感、異常感、胸痛、胸部圧迫感、疲労、発熱、ほてり、悪寒、体重減少、体重増加、末梢性浮腫、あくび、脱毛症

気管支痙攣、好酸球性肺炎

13. 過量投与

本剤の過量投与、又は本剤の過量投与と他剤やアルコールとの併用による死亡例が海外で報告されている。

  1. 13.1 症状

    傾眠、胃腸障害(悪心・嘔吐等)、頻脈、振戦、不安、焦燥、興奮、浮動性めまいのようなセロトニン性の副作用であり、まれに昏睡が認められた。

  2. 13.2 処置

    特異的な解毒剤は知られていない。活性炭投与等の適切な処置を行うこと。催吐は薦められない。本剤は分布容積が大きいので、強制利尿、透析、血液灌流及び交換輸血はあまり効果的でない。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報

  1. 15.1.1 海外で実施された大うつ病性障害等の精神疾患を有する患者を対象とした、本剤を含む複数の抗うつ剤の短期プラセボ対照臨床試験の検討結果において、24歳以下の患者では、自殺念慮や自殺企図の発現のリスクが抗うつ剤投与群でプラセボ群と比較して高かった。
    なお、25歳以上の患者における自殺念慮や自殺企図の発現のリスクの上昇は認められず、65歳以上においてはそのリスクが減少した。[5.1 参照],[7 参照],[8.1 参照],[8.2 参照],[8.3 参照],[8.4 参照],[9.1.1 参照],[9.1.2 参照],[9.7.2 参照],[9.7.3 参照]
  2. 15.1.2 主に50歳以上を対象に実施された海外の疫学調査において、選択的セロトニン再取り込み阻害剤及び三環系抗うつ剤を含む抗うつ剤を投与された患者で、骨折のリスクが上昇したとの報告がある。
  3. 15.1.3 海外で実施された臨床試験において、本剤を含む選択的セロトニン再取り込み阻害剤が精子特性を変化させ、受精率に影響を与える可能性が報告されている12) ,13)
  4. 15.1.4 電気けいれん療法との併用については、その有効性及び安全性が確立されていない。

その他詳細情報

日本標準商品分類番号
871179
ブランドコード
1179046F1095, 1179046F2091, 1179046F3128
承認番号
22700AMX00944000, 22700AMX00945000, 22800AMX00300000
販売開始年月
2015-12, 2015-12, 2016-06
貯法
室温保存、室温保存、室温保存
有効期間
3年、3年、3年
規制区分
2, 12, 2, 12, 2, 12

重要な注意事項

  • この情報は医療専門家による診断や治療の代替にはなりません。副作用に関する懸念がある場合は、必ず医師または薬剤師に相談してください。
  • 副作用の発生頻度や重篤度は個人差があります。ここで提供される情報は一般的なものであり、すべての患者さんに当てはまるわけではありません。
  • 薬剤の使用に関しては、必ず医療専門家の指示に従い、自己判断での変更や中止を避けてください。
  • この情報は最新のものであるよう努めていますが、最新とは限りません。常に医療専門家に確認してください。
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