薬効分類名抗うつ剤

一般的名称トリミプラミンマレイン酸塩

スルモンチール錠10mg、スルモンチール錠25mg、スルモンチール散10%

Surmontil Tablets, Surmontil Tablets, Surmontil Powder

製造販売元/共和薬品工業株式会社

第2版
禁忌相互作用合併症・既往歴等のある患者妊婦小児等高齢者

重大な副作用

頻度
副作用
頻度不明
Syndrome malin(悪性症候群
頻度不明
頻度不明
頻度不明
0.5%
頻度不明

その他の副作用

部位
頻度
副作用
免疫系
0.1~5%未満
免疫系
頻度不明
肝臓まわり
頻度不明
脳・神経
5%以上
眠気(20.0%)
脳・神経
0.1~5%未満
脳・神経
頻度不明
脳・神経
5%以上
口渇(20.2%)
脳・神経
0.1~5%未満
脳・神経
頻度不明
血液系
頻度不明
心臓・血管
0.1~5%未満
心臓・血管
頻度不明
胃腸・消化器系
0.1~5%未満
胃腸・消化器系
頻度不明
薬の使用・運用
頻度不明
その他
5%以上
その他
0.1~5%未満
その他
頻度不明
ふらつき

併用注意

薬剤名等

抗コリン作用を有する薬剤

臨床症状・措置方法

本剤の作用が増強されることがある。

機序・危険因子

共に抗コリン作用を有する。

薬剤名等

アドレナリン作用を有する薬剤

臨床症状・措置方法

本剤の作用が増強されることがある。

機序・危険因子

共に交感神経終末の受容体でのアドレナリン作用を有する。

薬剤名等

中枢神経抑制剤

  • バルビツール酸誘導体等

アルコール

臨床症状・措置方法

本剤の作用が増強されることがある。

機序・危険因子

共に中枢神経抑制作用を有する。

薬剤名等

降圧剤

  • グアネチジン
臨床症状・措置方法

降圧剤の作用を減弱することがある。

機序・危険因子

本剤は降圧剤の交感神経終末への取り込みを阻害する。

薬剤名等

スルファメトキサゾール・トリメトプリム

臨床症状・措置方法

本剤の効果が減弱することがある。

機序・危険因子

本剤の代謝が促進される。

詳細情報

正確な情報は PMDA で必ず確認して下さい

注意以下の情報は参考資料としてご活用下さい

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 閉塞隅角緑内障の患者[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。]
  2. 2.2 三環系抗うつ剤に対し過敏症のある患者
  3. 2.3 心筋梗塞の回復初期の患者[心筋に対しキニジン様作用を有する。]
  4. 2.4 MAO阻害剤(セレギリン塩酸塩、ラサギリンメシル酸塩、サフィナミドメシル酸塩)を投与中又は投与2週間以内の患者[10.1 参照]

3. 組成・性状

3.1 組成

スルモンチール錠10mg

有効成分 1錠中、トリミプラミンマレイン酸塩13.9mg(トリミプラミンとして10mg)を含有する。  
添加剤 乳糖水和物、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、ステアリン酸マグネシウム、デンプングリコール酸ナトリウム、沈降炭酸カルシウム、白糖、ゼラチン、アラビアゴム末、タルク、安息香酸ナトリウム、カルナウバロウ、赤色3号、黄色5号、ポリオキシエチレン(105)ポリオキシプロピレン(5)グリコール
スルモンチール錠25mg

有効成分 1錠中、トリミプラミンマレイン酸塩34.9mg(トリミプラミンとして25mg)を含有する。  
添加剤 トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、ステアリン酸マグネシウム、デンプングリコール酸ナトリウム、沈降炭酸カルシウム、白糖、ゼラチン、アラビアゴム末、タルク、安息香酸ナトリウム、カルナウバロウ、赤色3号、黄色5号、ポリオキシエチレン(105)ポリオキシプロピレン(5)グリコール
スルモンチール散10%

有効成分 1g中、トリミプラミンマレイン酸塩139.4mg(トリミプラミンとして100mg)を含有する。  
添加剤 乳糖水和物、バレイショデンプン、コムギデンプン

3.2 製剤の性状

スルモンチール錠10mg

外形 表面                                    
裏面                                    
側面                                    
大きさ 直径 約6.2mm
厚さ 約3.7mm
質量 約0.12g
識別コード KW ST 10
性状・剤形 ごくうすい紅色の円形の糖衣錠である。
スルモンチール錠25mg

外形 表面                                    
裏面                                    
側面                                    
大きさ 直径 約6.2mm
厚さ 約3.7mm
質量 約0.11g
識別コード KW ST 25
性状・剤形 紅色の円形の糖衣錠である。
スルモンチール散10%

性状・剤形 白色の粉末である。(散剤)

4. 効能又は効果

精神科領域におけるうつ病・うつ状態

5. 効能又は効果に関連する注意

抗うつ剤の投与により、24歳以下の患者で、自殺念慮、自殺企図のリスクが増加するとの報告があるため、本剤の投与にあたっては、リスクとベネフィットを考慮すること。[8.1 参照],[8.2 参照],[8.3 参照],[8.4 参照],[9.1.5 参照],[9.1.6 参照],[15.1.1 参照]

6. 用法及び用量

通常、成人にはトリミプラミンとして1日50~100mgを初期用量とし、1日200mgまで漸増し、分割経口投与する。
まれに300mgまで増量することもある。
なお、年齢、症状により適宜減量する。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 うつ症状を呈する患者は希死念慮があり、自殺企図のおそれがあるので、このような患者は投与開始早期並びに投与量を変更する際には患者の状態及び病態の変化を注意深く観察すること。[5 参照],[8.2 参照],[8.3 参照],[8.4 参照],[9.1.5 参照],[9.1.6 参照],[15.1.1 参照]
  2. 8.2 不安、焦燥、興奮、パニック発作、不眠、易刺激性、敵意、攻撃性、衝動性、アカシジア/精神運動不穏、軽躁、躁病等があらわれることが報告されている。また、因果関係は明らかではないが、これらの症状・行動を来した症例において、基礎疾患の悪化又は自殺念慮、自殺企図、他害行為が報告されている。患者の状態及び病態の変化を注意深く観察するとともに、これらの症状の増悪が観察された場合には、服薬量を増量せず、徐々に減量し、中止するなど適切な処置を行うこと。[5 参照],[8.1 参照],[8.3 参照],[8.4 参照],[9.1.5 参照],[9.1.6 参照],[9.1.7 参照],[9.1.8 参照],[15.1.1 参照]
  3. 8.3 自殺目的での過量服用を防ぐため、自殺傾向が認められる患者に処方する場合には、1回分の処方日数を最小限にとどめること。[5 参照],[8.1 参照],[8.2 参照],[8.4 参照],[9.1.5 参照],[9.1.6 参照],[15.1.1 参照]
  4. 8.4 家族等に自殺念慮や自殺企図、興奮、攻撃性、易刺激性等の行動の変化及び基礎疾患悪化があらわれるリスク等について十分説明を行い、医師と緊密に連絡を取り合うよう指導すること。[5 参照],[8.1 参照],[8.2 参照],[8.3 参照],[9.1.5 参照],[9.1.6 参照],[9.1.7 参照],[9.1.8 参照],[15.1.1 参照]
  5. 8.5 無顆粒球症等の血液障害があらわれることがあるので、定期的に血液検査を行うことが望ましい。[11.1.2 参照]
  6. 8.6 眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。
  7. 8.7 投与量の急激な減少ないし投与の中止により、嘔気、頭痛、倦怠感、易刺激性、情動不安、睡眠障害等の離脱症状があらわれることがある。投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 開放隅角緑内障の患者

    抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。

  2. 9.1.2 排尿困難又は眼圧亢進等のある患者

    抗コリン作用を有するため、症状を悪化させることがある。

  3. 9.1.3 心不全・心筋梗塞・狭心症・不整脈(発作性頻拍・刺激伝導障害等)等の心疾患のある患者又は甲状腺機能亢進症の患者(ただし、心筋梗塞の回復初期の患者は除く)

    循環器系に影響を及ぼすことがある。

  4. 9.1.4 てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者

    痙攣を起こすことがある。

  5. 9.1.5 躁うつ病患者

    躁転、自殺企図があらわれることがある。[5 参照],[8.1 参照],[8.2 参照],[8.3 参照],[8.4 参照],[9.1.6 参照],[15.1.1 参照]

  6. 9.1.6 自殺念慮又は自殺企図の既往のある患者、自殺念慮のある患者

    自殺念慮、自殺企図があらわれることがある。[5 参照],[8.1 参照],[8.2 参照],[8.3 参照],[8.4 参照],[9.1.5 参照],[15.1.1 参照]

  7. 9.1.7 脳の器質障害又は統合失調症の素因のある患者

    精神症状を増悪させることがある。[8.2 参照],[8.4 参照],[9.1.8 参照]

  8. 9.1.8 衝動性が高い併存障害を有する患者

    精神症状を増悪させることがある。[8.2 参照],[8.4 参照],[9.1.7 参照]

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。三環系抗うつ剤には動物試験(ラット)で催奇形作用が報告されているものがある。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。血圧降下、ふらつき、抗コリン作用による口渇、排尿困難、便秘、眼圧亢進等があらわれやすい。

10. 相互作用

    10.1 併用禁忌(併用しないこと)

    薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子

    MAO阻害剤

    • セレギリン塩酸塩
      (エフピー)
      ラサギリンメシル酸塩
      (アジレクト)
      サフィナミドメシル酸塩
      (エクフィナ)

                      [2.4 参照]                 

    臨床症状:発汗、不穏、全身痙攣、異常高熱、昏睡等の症状があらわれることがある。
    なお、MAO阻害剤の投与を受けた患者に本剤を投与する場合には、少なくとも2週間の間隔をおき、また本剤からMAO阻害剤に切り替えるときには、2~3日間の間隔をおくことが望ましい。

    詳細は不明であるが、相加・相乗作用によると考えられる。

    10.2 併用注意(併用に注意すること)

    薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子

    抗コリン作用を有する薬剤

    本剤の作用が増強されることがある。

    共に抗コリン作用を有する。

    アドレナリン作用を有する薬剤

    本剤の作用が増強されることがある。

    共に交感神経終末の受容体でのアドレナリン作用を有する。

    中枢神経抑制剤

    • バルビツール酸誘導体等

    アルコール

    本剤の作用が増強されることがある。

    共に中枢神経抑制作用を有する。

    降圧剤

    • グアネチジン

    降圧剤の作用を減弱することがある。

    本剤は降圧剤の交感神経終末への取り込みを阻害する。

    スルファメトキサゾール・トリメトプリム

    本剤の効果が減弱することがある。

    本剤の代謝が促進される。

    11. 副作用

    次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、必要に応じて、減量、休薬又は中止するなどの適切な処置を行うこと。

    11.1 重大な副作用

    1. 11.1.1 Syndrome malin(悪性症候群)(頻度不明)

      無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗等が発現し、それに引き続き発熱がみられる場合は、投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理と共に適切な処置を行うこと。本症発症時には、白血球の増加や血清CKの上昇がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられることがある。

    2. 11.1.2 無顆粒球症(頻度不明)

      前駆症状として発熱、咽頭痛、インフルエンザ様症状等があらわれる場合もある。[8.5 参照]

    3. 11.1.3 麻痺性イレウス(頻度不明)

      腸管麻痺(食欲不振、悪心・嘔吐、著しい便秘、腹部の膨満あるいは弛緩及び腸内容物のうっ滞等の症状)を来し、麻痺性イレウスに移行することがあるので、腸管麻痺があらわれた場合には投与を中止すること。なお、この悪心・嘔吐は、本剤の制吐作用により不顕性化することもあるので注意すること。

    4. 11.1.4 幻覚(頻度不明)、譫妄(0.5%)1) 、精神錯乱(頻度不明)

    11.2 その他の副作用

    5%以上1)

    0.1~5%未満1)

    頻度不明

    過敏症

    発疹

    そう痒感

    肝臓

    黄疸、AST上昇、ALT上昇

    精神神経系

    眠気(20.0%)

    振戦等のパーキンソン症状、運動失調、不眠、不安、焦躁感

    構音障害、四肢の知覚異常

    血液

    白血球減少

    循環器

    血圧降下、頻脈

    動悸

    抗コリン作用

    口渇(20.2%)

    排尿困難、視調節障害、便秘、鼻閉

    眼圧亢進

    消化器

    悪心・嘔吐、食欲不振

    下痢、味覚異常

    長期投与

    口周部等の不随意運動2)

    その他

    眩暈、倦怠感

    頭痛、発汗

    ふらつき

                
    1) 発現頻度は再評価結果に基づく。
                
    2) 投与中止後も持続することがある。
              

    13. 過量投与

    1. 13.1 症状

      服用1~12時間後に眠気等の中枢神経症状、頻脈及び呼吸抑制等がみられる。中毒症状では、意識障害、痙攣、低血圧及び重篤な不整脈があらわれるおそれがある1) ,2)

    2. 13.2 処置

      特異的な解毒剤はない。

    14. 適用上の注意

    14.1 薬剤交付時の注意

    PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

    15. その他の注意

    15.1 臨床使用に基づく情報

    1. 15.1.1 海外で実施された大うつ病性障害等の精神疾患を有する患者を対象とした、複数の抗うつ剤の短期プラセボ対照臨床試験の検討結果において、24歳以下の患者では、自殺念慮や自殺企図の発現のリスクが抗うつ剤投与群でプラセボ群と比較して高かった。なお、25歳以上の患者における自殺念慮や自殺企図の発現のリスクの上昇は認められず、65歳以上においてはそのリスクが減少した。[5 参照],[8.1 参照],[8.2 参照],[8.3 参照],[8.4 参照],[9.1.5 参照],[9.1.6 参照]
    2. 15.1.2 主に50歳以上を対象に実施された海外の疫学調査において、選択的セロトニン再取り込み阻害剤及び三環系抗うつ剤を含む抗うつ剤を投与された患者で、骨折のリスクが上昇したとの報告がある。

    2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

    1. 2.1 閉塞隅角緑内障の患者[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。]
    2. 2.2 三環系抗うつ剤に対し過敏症のある患者
    3. 2.3 心筋梗塞の回復初期の患者[心筋に対しキニジン様作用を有する。]
    4. 2.4 MAO阻害剤(セレギリン塩酸塩、ラサギリンメシル酸塩、サフィナミドメシル酸塩)を投与中又は投与2週間以内の患者[10.1 参照]

    3. 組成・性状

    3.1 組成

    スルモンチール錠10mg

    有効成分 1錠中、トリミプラミンマレイン酸塩13.9mg(トリミプラミンとして10mg)を含有する。  
    添加剤 乳糖水和物、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、ステアリン酸マグネシウム、デンプングリコール酸ナトリウム、沈降炭酸カルシウム、白糖、ゼラチン、アラビアゴム末、タルク、安息香酸ナトリウム、カルナウバロウ、赤色3号、黄色5号、ポリオキシエチレン(105)ポリオキシプロピレン(5)グリコール
    スルモンチール錠25mg

    有効成分 1錠中、トリミプラミンマレイン酸塩34.9mg(トリミプラミンとして25mg)を含有する。  
    添加剤 トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、ステアリン酸マグネシウム、デンプングリコール酸ナトリウム、沈降炭酸カルシウム、白糖、ゼラチン、アラビアゴム末、タルク、安息香酸ナトリウム、カルナウバロウ、赤色3号、黄色5号、ポリオキシエチレン(105)ポリオキシプロピレン(5)グリコール
    スルモンチール散10%

    有効成分 1g中、トリミプラミンマレイン酸塩139.4mg(トリミプラミンとして100mg)を含有する。  
    添加剤 乳糖水和物、バレイショデンプン、コムギデンプン

    3.2 製剤の性状

    スルモンチール錠10mg

    外形 表面                                    
    裏面                                    
    側面                                    
    大きさ 直径 約6.2mm
    厚さ 約3.7mm
    質量 約0.12g
    識別コード KW ST 10
    性状・剤形 ごくうすい紅色の円形の糖衣錠である。
    スルモンチール錠25mg

    外形 表面                                    
    裏面                                    
    側面                                    
    大きさ 直径 約6.2mm
    厚さ 約3.7mm
    質量 約0.11g
    識別コード KW ST 25
    性状・剤形 紅色の円形の糖衣錠である。
    スルモンチール散10%

    性状・剤形 白色の粉末である。(散剤)

    4. 効能又は効果

    精神科領域におけるうつ病・うつ状態

    5. 効能又は効果に関連する注意

    抗うつ剤の投与により、24歳以下の患者で、自殺念慮、自殺企図のリスクが増加するとの報告があるため、本剤の投与にあたっては、リスクとベネフィットを考慮すること。[8.1 参照],[8.2 参照],[8.3 参照],[8.4 参照],[9.1.5 参照],[9.1.6 参照],[15.1.1 参照]

    6. 用法及び用量

    通常、成人にはトリミプラミンとして1日50~100mgを初期用量とし、1日200mgまで漸増し、分割経口投与する。
    まれに300mgまで増量することもある。
    なお、年齢、症状により適宜減量する。

    8. 重要な基本的注意

    1. 8.1 うつ症状を呈する患者は希死念慮があり、自殺企図のおそれがあるので、このような患者は投与開始早期並びに投与量を変更する際には患者の状態及び病態の変化を注意深く観察すること。[5 参照],[8.2 参照],[8.3 参照],[8.4 参照],[9.1.5 参照],[9.1.6 参照],[15.1.1 参照]
    2. 8.2 不安、焦燥、興奮、パニック発作、不眠、易刺激性、敵意、攻撃性、衝動性、アカシジア/精神運動不穏、軽躁、躁病等があらわれることが報告されている。また、因果関係は明らかではないが、これらの症状・行動を来した症例において、基礎疾患の悪化又は自殺念慮、自殺企図、他害行為が報告されている。患者の状態及び病態の変化を注意深く観察するとともに、これらの症状の増悪が観察された場合には、服薬量を増量せず、徐々に減量し、中止するなど適切な処置を行うこと。[5 参照],[8.1 参照],[8.3 参照],[8.4 参照],[9.1.5 参照],[9.1.6 参照],[9.1.7 参照],[9.1.8 参照],[15.1.1 参照]
    3. 8.3 自殺目的での過量服用を防ぐため、自殺傾向が認められる患者に処方する場合には、1回分の処方日数を最小限にとどめること。[5 参照],[8.1 参照],[8.2 参照],[8.4 参照],[9.1.5 参照],[9.1.6 参照],[15.1.1 参照]
    4. 8.4 家族等に自殺念慮や自殺企図、興奮、攻撃性、易刺激性等の行動の変化及び基礎疾患悪化があらわれるリスク等について十分説明を行い、医師と緊密に連絡を取り合うよう指導すること。[5 参照],[8.1 参照],[8.2 参照],[8.3 参照],[9.1.5 参照],[9.1.6 参照],[9.1.7 参照],[9.1.8 参照],[15.1.1 参照]
    5. 8.5 無顆粒球症等の血液障害があらわれることがあるので、定期的に血液検査を行うことが望ましい。[11.1.2 参照]
    6. 8.6 眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。
    7. 8.7 投与量の急激な減少ないし投与の中止により、嘔気、頭痛、倦怠感、易刺激性、情動不安、睡眠障害等の離脱症状があらわれることがある。投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。

    9. 特定の背景を有する患者に関する注意

    9.1 合併症・既往歴等のある患者

    1. 9.1.1 開放隅角緑内障の患者

      抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。

    2. 9.1.2 排尿困難又は眼圧亢進等のある患者

      抗コリン作用を有するため、症状を悪化させることがある。

    3. 9.1.3 心不全・心筋梗塞・狭心症・不整脈(発作性頻拍・刺激伝導障害等)等の心疾患のある患者又は甲状腺機能亢進症の患者(ただし、心筋梗塞の回復初期の患者は除く)

      循環器系に影響を及ぼすことがある。

    4. 9.1.4 てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者

      痙攣を起こすことがある。

    5. 9.1.5 躁うつ病患者

      躁転、自殺企図があらわれることがある。[5 参照],[8.1 参照],[8.2 参照],[8.3 参照],[8.4 参照],[9.1.6 参照],[15.1.1 参照]

    6. 9.1.6 自殺念慮又は自殺企図の既往のある患者、自殺念慮のある患者

      自殺念慮、自殺企図があらわれることがある。[5 参照],[8.1 参照],[8.2 参照],[8.3 参照],[8.4 参照],[9.1.5 参照],[15.1.1 参照]

    7. 9.1.7 脳の器質障害又は統合失調症の素因のある患者

      精神症状を増悪させることがある。[8.2 参照],[8.4 参照],[9.1.8 参照]

    8. 9.1.8 衝動性が高い併存障害を有する患者

      精神症状を増悪させることがある。[8.2 参照],[8.4 参照],[9.1.7 参照]

    9.5 妊婦

    妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。三環系抗うつ剤には動物試験(ラット)で催奇形作用が報告されているものがある。

    9.7 小児等

    小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

    9.8 高齢者

    少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。血圧降下、ふらつき、抗コリン作用による口渇、排尿困難、便秘、眼圧亢進等があらわれやすい。

    10. 相互作用

      10.1 併用禁忌(併用しないこと)

      薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子

      MAO阻害剤

      • セレギリン塩酸塩
        (エフピー)
        ラサギリンメシル酸塩
        (アジレクト)
        サフィナミドメシル酸塩
        (エクフィナ)

                        [2.4 参照]                 

      臨床症状:発汗、不穏、全身痙攣、異常高熱、昏睡等の症状があらわれることがある。
      なお、MAO阻害剤の投与を受けた患者に本剤を投与する場合には、少なくとも2週間の間隔をおき、また本剤からMAO阻害剤に切り替えるときには、2~3日間の間隔をおくことが望ましい。

      詳細は不明であるが、相加・相乗作用によると考えられる。

      10.2 併用注意(併用に注意すること)

      薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子

      抗コリン作用を有する薬剤

      本剤の作用が増強されることがある。

      共に抗コリン作用を有する。

      アドレナリン作用を有する薬剤

      本剤の作用が増強されることがある。

      共に交感神経終末の受容体でのアドレナリン作用を有する。

      中枢神経抑制剤

      • バルビツール酸誘導体等

      アルコール

      本剤の作用が増強されることがある。

      共に中枢神経抑制作用を有する。

      降圧剤

      • グアネチジン

      降圧剤の作用を減弱することがある。

      本剤は降圧剤の交感神経終末への取り込みを阻害する。

      スルファメトキサゾール・トリメトプリム

      本剤の効果が減弱することがある。

      本剤の代謝が促進される。

      11. 副作用

      次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、必要に応じて、減量、休薬又は中止するなどの適切な処置を行うこと。

      11.1 重大な副作用

      1. 11.1.1 Syndrome malin(悪性症候群)(頻度不明)

        無動緘黙、強度の筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧の変動、発汗等が発現し、それに引き続き発熱がみられる場合は、投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理と共に適切な処置を行うこと。本症発症時には、白血球の増加や血清CKの上昇がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられることがある。

      2. 11.1.2 無顆粒球症(頻度不明)

        前駆症状として発熱、咽頭痛、インフルエンザ様症状等があらわれる場合もある。[8.5 参照]

      3. 11.1.3 麻痺性イレウス(頻度不明)

        腸管麻痺(食欲不振、悪心・嘔吐、著しい便秘、腹部の膨満あるいは弛緩及び腸内容物のうっ滞等の症状)を来し、麻痺性イレウスに移行することがあるので、腸管麻痺があらわれた場合には投与を中止すること。なお、この悪心・嘔吐は、本剤の制吐作用により不顕性化することもあるので注意すること。

      4. 11.1.4 幻覚(頻度不明)、譫妄(0.5%)1) 、精神錯乱(頻度不明)

      11.2 その他の副作用

      5%以上1)

      0.1~5%未満1)

      頻度不明

      過敏症

      発疹

      そう痒感

      肝臓

      黄疸、AST上昇、ALT上昇

      精神神経系

      眠気(20.0%)

      振戦等のパーキンソン症状、運動失調、不眠、不安、焦躁感

      構音障害、四肢の知覚異常

      血液

      白血球減少

      循環器

      血圧降下、頻脈

      動悸

      抗コリン作用

      口渇(20.2%)

      排尿困難、視調節障害、便秘、鼻閉

      眼圧亢進

      消化器

      悪心・嘔吐、食欲不振

      下痢、味覚異常

      長期投与

      口周部等の不随意運動2)

      その他

      眩暈、倦怠感

      頭痛、発汗

      ふらつき

                  
      1) 発現頻度は再評価結果に基づく。
                  
      2) 投与中止後も持続することがある。
                

      13. 過量投与

      1. 13.1 症状

        服用1~12時間後に眠気等の中枢神経症状、頻脈及び呼吸抑制等がみられる。中毒症状では、意識障害、痙攣、低血圧及び重篤な不整脈があらわれるおそれがある1) ,2)

      2. 13.2 処置

        特異的な解毒剤はない。

      14. 適用上の注意

      14.1 薬剤交付時の注意

      PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

      15. その他の注意

      15.1 臨床使用に基づく情報

      1. 15.1.1 海外で実施された大うつ病性障害等の精神疾患を有する患者を対象とした、複数の抗うつ剤の短期プラセボ対照臨床試験の検討結果において、24歳以下の患者では、自殺念慮や自殺企図の発現のリスクが抗うつ剤投与群でプラセボ群と比較して高かった。なお、25歳以上の患者における自殺念慮や自殺企図の発現のリスクの上昇は認められず、65歳以上においてはそのリスクが減少した。[5 参照],[8.1 参照],[8.2 参照],[8.3 参照],[8.4 参照],[9.1.5 参照],[9.1.6 参照]
      2. 15.1.2 主に50歳以上を対象に実施された海外の疫学調査において、選択的セロトニン再取り込み阻害剤及び三環系抗うつ剤を含む抗うつ剤を投与された患者で、骨折のリスクが上昇したとの報告がある。

      その他詳細情報

      日本標準商品分類番号
      871174
      ブランドコード
      1174005F1022, 1174005F2029, 1174005B1020
      承認番号
      14000AZY00047, 14000AZY00046, 14000AZY00048
      販売開始年月
      1967-01, 1965-06, 1965-06
      貯法
      室温保存、室温保存、室温保存
      有効期間
      3年、3年、5年
      規制区分
      12, 12, 2, 12

      重要な注意事項

      • この情報は医療専門家による診断や治療の代替にはなりません。副作用に関する懸念がある場合は、必ず医師または薬剤師に相談してください。
      • 副作用の発生頻度や重篤度は個人差があります。ここで提供される情報は一般的なものであり、すべての患者さんに当てはまるわけではありません。
      • 薬剤の使用に関しては、必ず医療専門家の指示に従い、自己判断での変更や中止を避けてください。
      • この情報は最新のものであるよう努めていますが、最新とは限りません。常に医療専門家に確認してください。
      • 副作用に関する情報は、信頼できる医療情報源に基づいて提供されていますが、完全性や正確性を保証するものではありません。
      • この情報を使用することにより生じたいかなる損害についても、当サイトは一切の責任を負いません。