薬効分類名がん疼痛・慢性疼痛治療剤
一般的名称トラマドール塩酸塩口腔内崩壊錠
トラマールOD錠25mg、トラマールOD錠50mg
Tramal OD Tablets, Tramal OD Tablets
製造販売元/日本新薬株式会社、提携/Grünenthal GmbH
重大な副作用
その他の副作用
併用注意
オピオイド鎮痛剤
中枢神経抑制剤
- フェノチアジン系薬剤、催眠鎮静剤 等
痙攣閾値の低下や呼吸抑制の増強を来すおそれがある。
本剤と相加的に作用が増強されると考えられる。
三環系抗うつ剤
セロトニン作用薬
- 選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)等
セロトニン症候群(錯乱、激越、発熱、発汗、運動失調、反射異常亢進、ミオクローヌス、下痢等)があらわれるおそれがある。
また、痙攣発作の危険性を増大させるおそれがある。
相加的に作用が増強され、また、中枢神経のセロトニンが蓄積すると考えられる。
リネゾリド
セロトニン症候群(錯乱、激越、発熱、発汗、運動失調、反射異常亢進、ミオクローヌス、下痢等)があらわれるおそれがある。
また、痙攣発作の危険性を増大させるおそれがある。
リネゾリドの非選択的、可逆的モノアミン酸化酵素阻害作用により、相加的に作用が増強され、また、中枢神経のセロトニンが蓄積すると考えられる。
メチルチオニニウム塩化物水和物(メチレンブルー)
セロトニン症候群(錯乱、激越、発熱、発汗、運動失調、反射異常亢進、ミオクローヌス、下痢等)があらわれるおそれがある。
メチルチオニニウム塩化物水和物のモノアミン酸化酵素阻害作用によりセロトニン作用が増強される。
アルコール
呼吸抑制が生じるおそれがある。
本剤と相加的に作用が増強されると考えられる。
カルバマゼピン
同時あるいは前投与で本剤の鎮痛効果を下げ作用時間を短縮させる可能性がある。
本剤の代謝酵素が誘導されるため。
キニジン
相互に作用が増強するおそれがある。
機序不明
ジゴキシン
外国において、ジゴキシン中毒が発現したとの報告がある。
機序不明
クマリン系抗凝血剤
- ワルファリン
出血を伴うプロトロンビン時間の延長、斑状出血等の抗凝血作用への影響がみられたとの報告がある。
機序不明
オンダンセトロン塩酸塩水和物
本剤の鎮痛作用を減弱させるおそれがある。
本剤の中枢におけるセロトニン作用が抑制されると考えられる。
ブプレノルフィン、ペンタゾシン等
本剤の鎮痛作用を減弱させるおそれがある。また、退薬症候を起こすおそれがある。
本剤が作用するμオピオイド受容体の部分アゴニストであるため。
2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)
- 2.1 12歳未満の小児[9.7.1 参照]
- 2.2 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者[9.1.6 参照]
- 2.3 アルコール、睡眠剤、鎮痛剤、オピオイド鎮痛剤又は向精神薬による急性中毒患者[中枢神経抑制及び呼吸抑制を悪化させるおそれがある。]
- 2.4 モノアミン酸化酵素阻害剤(セレギリン塩酸塩、ラサギリンメシル酸塩、サフィナミドメシル酸塩)を投与中の患者又は投与中止後14日以内の患者[10.1 参照]
- 2.5 ナルメフェン塩酸塩水和物を投与中の患者又は投与中止後1週間以内の患者[10.1 参照]
- 2.6 治療により十分な管理がされていないてんかん患者[症状が悪化するおそれがある。][9.1.2 参照]
5. 効能又は効果に関連する注意
慢性疼痛患者においては、その原因となる器質的病変、心理的・社会的要因、依存リスクを含めた包括的な診断を行い、本剤の投与の適否を慎重に判断すること。
6. 用法及び用量
通常、成人にはトラマドール塩酸塩として1日100~300mgを4回に分割経口投与する。なお、症状に応じて適宜増減する。ただし1回100mg、1日400mgを超えないこととする。
7. 用法及び用量に関連する注意
-
7.1 初回投与量
本剤を初回投与する場合は、1回25mgから開始することが望ましい。 -
7.2 投与間隔
4~6時間ごとの定時に経口投与すること。ただし、生活時間帯に合わせて投与間隔を調整することも可能とする。 -
7.3 増量及び減量
本剤投与開始後は患者の状態を観察し、適切な鎮痛効果が得られ副作用が最小となるよう用量調整を行うこと。増量・減量の目安は、1回25 mg(1日100 mg)ずつ行うことが望ましい。 -
7.4 がん疼痛患者における疼痛増強時の臨時追加投与(レスキュー・ドーズ)
本剤服用中に疼痛が増強した場合や鎮痛効果が得られている患者で突出痛が発現した場合は、直ちに本剤の臨時追加投与を行って鎮痛を図ること。本剤の臨時追加投与の1回投与量は、定時投与中の本剤の1日量の1/8~1/4を経口投与すること。 -
7.5 投与の継続
慢性疼痛患者において、本剤投与開始後4週間を経過してもなお期待する効果が得られない場合は、他の適切な治療への変更を検討すること。また、定期的に症状及び効果を確認し、投与の継続の必要性について検討すること。 - 7.6 投与の中止
-
7.7 高齢者への投与
75歳以上の高齢者では、本剤の血中濃度が高い状態で持続し、作用及び副作用が増強するおそれがあるので、1日300mgを超えないことが望ましい。[16.6.3 参照] -
7.8 服用時の注意
本剤は口腔内で崩壊するが、口腔粘膜からの吸収により効果発現を期待する製剤ではないため、唾液又は水で飲み込むこと。[14.2.1 参照]
8. 重要な基本的注意
- 8.1 連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、慎重に投与すること。[11.1.4 参照]
- 8.2 本剤を投与した際に、悪心、嘔吐、便秘等の症状があらわれることがある。悪心・嘔吐に対する対策として制吐剤の併用を、便秘に対する対策として下剤の併用を考慮し、本剤投与時の副作用の発現に十分注意すること。
- 8.3 眠気、めまい、意識消失が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。なお、意識消失により自動車事故に至った例も報告されている。
- 8.4 鎮痛剤による治療は原因療法ではなく、対症療法であることに留意すること。
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
-
9.1.1 18歳未満の肥満、閉塞性睡眠時無呼吸症候群又は重篤な肺疾患を有する患者
投与しないこと。重篤な呼吸抑制のリスクが増加するおそれがある。
-
9.1.2 てんかんのある患者、痙攣発作を起こしやすい患者又は痙攣発作の既往歴のある患者(治療により十分な管理がされていないてんかん患者を除く)
本剤投与中は観察を十分に行うこと。痙攣発作を誘発することがある。[2.6 参照]
-
9.1.3 薬物乱用又は薬物依存傾向のある患者
厳重な医師の管理下に、短期間に限って投与すること。依存性を生じやすい。
-
9.1.4 呼吸抑制状態にある患者
呼吸抑制を増強するおそれがある。
-
9.1.5 脳に器質的障害のある患者
呼吸抑制や頭蓋内圧の上昇を来すおそれがある。
- 9.1.6 オピオイド鎮痛剤に対し過敏症の既往歴のある患者(本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者を除く)
-
9.1.7 ショック状態にある患者
循環不全や呼吸抑制を増強するおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
患者の状態を考慮し、投与間隔を延長するなど慎重に投与すること。高い血中濃度が持続し、作用及び副作用が増強するおそれがある。[16.6.1 参照]
9.3 肝機能障害患者
患者の状態を考慮し、投与間隔を延長するなど慎重に投与すること。高い血中濃度が持続し、作用及び副作用が増強するおそれがある。[16.6.2 参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。胎盤関門を通過し、退薬症候が新生児に起こる可能性がある。なお、動物実験で、器官形成、骨化及び出生児の生存に影響を及ぼすことが報告されている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。静脈内投与(国内未承認)の場合、0.1%が乳汁中に移行することが知られている。
9.7 小児等
-
9.7.1 12歳未満の小児
投与しないこと。海外において、12歳未満の小児で死亡を含む重篤な呼吸抑制のリスクが高いとの報告がある。[2.1 参照]
-
9.7.2 12歳以上の小児
12歳以上の小児に対する有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
-
9.7.3 肥満、閉塞性睡眠時無呼吸症候群又は重篤な肺疾患を有する小児
投与しないこと。重篤な呼吸抑制のリスクが増加するおそれがある。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。生理機能が低下していることが多く、代謝・排泄が遅延し副作用があらわれやすい。
10. 相互作用
10.1 併用禁忌(併用しないこと)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
外国において、セロトニン症候群(錯乱、激越、発熱、発汗、運動失調、反射異常亢進、ミオクローヌス、下痢等)を含む中枢神経系(攻撃的行動、固縮、痙攣、昏睡、頭痛)、呼吸器系(呼吸抑制)及び心血管系(低血圧、高血圧)の重篤な副作用が報告されている。モノアミン酸化酵素阻害剤を投与中の患者又は投与中止後14日以内の患者には投与しないこと。また、本剤投与中止後にモノアミン酸化酵素阻害剤の投与を開始する場合には、2~3日間の間隔をあけることが望ましい。 |
相加的に作用が増強され、また、中枢神経のセロトニンが蓄積すると考えられる。 |
|
離脱症状を起こすおそれがある。本剤の鎮痛作用を減弱させるため、効果を得るために必要な用量が通常用量より多くなり、呼吸抑制等の中枢神経抑制症状が発現するおそれがある。ナルメフェンを投与中の患者又は投与中止後1週間以内の患者には投与しないこと。 |
ナルメフェンのμオピオイド受容体拮抗作用により、本剤に対して競合的に阻害する。 |
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
痙攣閾値の低下や呼吸抑制の増強を来すおそれがある。 |
本剤と相加的に作用が増強されると考えられる。 |
|
セロトニン症候群(錯乱、激越、発熱、発汗、運動失調、反射異常亢進、ミオクローヌス、下痢等)があらわれるおそれがある。 |
相加的に作用が増強され、また、中枢神経のセロトニンが蓄積すると考えられる。 |
|
リネゾリド |
セロトニン症候群(錯乱、激越、発熱、発汗、運動失調、反射異常亢進、ミオクローヌス、下痢等)があらわれるおそれがある。 |
リネゾリドの非選択的、可逆的モノアミン酸化酵素阻害作用により、相加的に作用が増強され、また、中枢神経のセロトニンが蓄積すると考えられる。 |
**メチルチオニニウム塩化物水和物(メチレンブルー) |
**セロトニン症候群(錯乱、激越、発熱、発汗、運動失調、反射異常亢進、ミオクローヌス、下痢等)があらわれるおそれがある。 |
**メチルチオニニウム塩化物水和物のモノアミン酸化酵素阻害作用によりセロトニン作用が増強される。 |
アルコール |
呼吸抑制が生じるおそれがある。 |
本剤と相加的に作用が増強されると考えられる。 |
カルバマゼピン |
同時あるいは前投与で本剤の鎮痛効果を下げ作用時間を短縮させる可能性がある。 |
本剤の代謝酵素が誘導されるため。 |
キニジン |
相互に作用が増強するおそれがある。 |
機序不明 |
ジゴキシン |
外国において、ジゴキシン中毒が発現したとの報告がある。 |
機序不明 |
出血を伴うプロトロンビン時間の延長、斑状出血等の抗凝血作用への影響がみられたとの報告がある。 |
機序不明 |
|
オンダンセトロン塩酸塩水和物 |
本剤の鎮痛作用を減弱させるおそれがある。 |
本剤の中枢におけるセロトニン作用が抑制されると考えられる。 |
ブプレノルフィン、ペンタゾシン等 |
本剤の鎮痛作用を減弱させるおそれがある。また、退薬症候を起こすおそれがある。 |
本剤が作用するμオピオイド受容体の部分アゴニストであるため。 |
11. 副作用
11.1 重大な副作用
-
11.1.1 ショック、アナフィラキシー(頻度不明)
呼吸困難、気管支痙攣、喘鳴、血管神経性浮腫等があらわれることがある。
- 11.1.2 呼吸抑制(頻度不明)
- 11.1.3 痙攣(頻度不明)
-
11.1.4 依存性(頻度不明)
長期使用時に、耐性、精神的依存及び身体的依存が生じることがある。本剤の中止又は減量時において、激越、不安、神経過敏、不眠症、運動過多、振戦、胃腸症状、パニック発作、幻覚、錯感覚、耳鳴等の退薬症候が生じることがある。[8.1 参照]
- 11.1.5 意識消失(頻度不明)
11.2 その他の副作用
5%以上 |
1~5%未満 |
1%未満 |
頻度不明 |
|
|---|---|---|---|---|
呼吸器 |
呼吸困難、口腔咽頭痛、咽喉乾燥 |
口腔咽頭不快感、発声障害 |
||
循環器 |
血圧上昇、ほてり、血圧低下、動悸 |
起立性低血圧、不整脈、顔面蒼白、胸内苦悶、頻脈、徐脈、高血圧 |
||
血液凝固系 |
好中球増加、好酸球増加・減少、リンパ球減少、ヘマトクリット減少、ヘモグロビン減少、赤血球減少、白血球増加、血小板減少 |
|||
精神神経系 |
傾眠、浮動性めまい、頭痛 |
振戦、不眠症 |
譫妄、幻覚、鎮静、体位性めまい、睡眠障害、不随意性筋収縮、感覚鈍麻、味覚異常、記憶障害、健忘、ジスキネジー、眼振、回転性めまい、疲労、耳鳴、悪夢、気分変動、うつ病、落ち着きのなさ、不安 |
頭重感、興奮、虚脱感、両手のしびれ感、ふらつき感、不快感、錯感覚、協調運動異常、失神、錯乱、活動低下・亢進、行動障害、知覚障害、言語障害、無感情、不快気分 |
消化器 |
悪心、嘔吐、便秘、食欲減退 |
下痢、腹部不快感、上腹部痛 |
口内乾燥、口内炎、消化不良、腹痛、胃炎、口唇炎、胃食道逆流性疾患、口の錯感覚、腹部膨満感 |
腹鳴、おくび、イレウス |
肝臓 |
AST増加、ALT増加 |
Al-P増加、LDH増加 |
肝機能異常、ビリルビン増加 |
|
皮膚 |
多汗症、そう痒症、湿疹 |
発疹、全身性そう痒症、蕁麻疹、薬疹、冷汗 |
寝汗 |
|
腎臓及び尿路系 |
排尿困難 |
尿糖陽性、尿蛋白陽性、尿潜血陽性、クレアチニン増加、BUN増加、頻尿、尿量減少、尿閉 |
夜間頻尿、膀胱炎 |
|
代謝異常 |
尿酸増加、トリグリセリド増加 |
|||
その他 |
口渇、倦怠感 |
無力症、異常感 |
CK増加、熱感、脱水、視力障害、背部痛、関節痛、四肢痛、筋骨格硬直、浮腫、末梢性浮腫、疼痛、胸部不快感、転倒、易刺激性、悪寒、発熱、霧視 |
冷感、散瞳、視調節障害、心電図QT延長、体重減少 |
13. 過量投与
14. 適用上の注意
14.1 薬剤交付時の注意
14.2 服用時の注意
- 14.2.1 本剤は舌の上にのせて唾液を浸潤させると崩壊するため、水なしで服用可能である。また、水で服用することもできる。[7.8 参照]
- 14.2.2 本剤は寝たままの状態では、水なしで服用させないこと。
2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)
- 2.1 12歳未満の小児[9.7.1 参照]
- 2.2 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者[9.1.6 参照]
- 2.3 アルコール、睡眠剤、鎮痛剤、オピオイド鎮痛剤又は向精神薬による急性中毒患者[中枢神経抑制及び呼吸抑制を悪化させるおそれがある。]
- 2.4 モノアミン酸化酵素阻害剤(セレギリン塩酸塩、ラサギリンメシル酸塩、サフィナミドメシル酸塩)を投与中の患者又は投与中止後14日以内の患者[10.1 参照]
- 2.5 ナルメフェン塩酸塩水和物を投与中の患者又は投与中止後1週間以内の患者[10.1 参照]
- 2.6 治療により十分な管理がされていないてんかん患者[症状が悪化するおそれがある。][9.1.2 参照]
5. 効能又は効果に関連する注意
慢性疼痛患者においては、その原因となる器質的病変、心理的・社会的要因、依存リスクを含めた包括的な診断を行い、本剤の投与の適否を慎重に判断すること。
6. 用法及び用量
通常、成人にはトラマドール塩酸塩として1日100~300mgを4回に分割経口投与する。なお、症状に応じて適宜増減する。ただし1回100mg、1日400mgを超えないこととする。
7. 用法及び用量に関連する注意
-
7.1 初回投与量
本剤を初回投与する場合は、1回25mgから開始することが望ましい。 -
7.2 投与間隔
4~6時間ごとの定時に経口投与すること。ただし、生活時間帯に合わせて投与間隔を調整することも可能とする。 -
7.3 増量及び減量
本剤投与開始後は患者の状態を観察し、適切な鎮痛効果が得られ副作用が最小となるよう用量調整を行うこと。増量・減量の目安は、1回25 mg(1日100 mg)ずつ行うことが望ましい。 -
7.4 がん疼痛患者における疼痛増強時の臨時追加投与(レスキュー・ドーズ)
本剤服用中に疼痛が増強した場合や鎮痛効果が得られている患者で突出痛が発現した場合は、直ちに本剤の臨時追加投与を行って鎮痛を図ること。本剤の臨時追加投与の1回投与量は、定時投与中の本剤の1日量の1/8~1/4を経口投与すること。 -
7.5 投与の継続
慢性疼痛患者において、本剤投与開始後4週間を経過してもなお期待する効果が得られない場合は、他の適切な治療への変更を検討すること。また、定期的に症状及び効果を確認し、投与の継続の必要性について検討すること。 - 7.6 投与の中止
-
7.7 高齢者への投与
75歳以上の高齢者では、本剤の血中濃度が高い状態で持続し、作用及び副作用が増強するおそれがあるので、1日300mgを超えないことが望ましい。[16.6.3 参照] -
7.8 服用時の注意
本剤は口腔内で崩壊するが、口腔粘膜からの吸収により効果発現を期待する製剤ではないため、唾液又は水で飲み込むこと。[14.2.1 参照]
8. 重要な基本的注意
- 8.1 連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、慎重に投与すること。[11.1.4 参照]
- 8.2 本剤を投与した際に、悪心、嘔吐、便秘等の症状があらわれることがある。悪心・嘔吐に対する対策として制吐剤の併用を、便秘に対する対策として下剤の併用を考慮し、本剤投与時の副作用の発現に十分注意すること。
- 8.3 眠気、めまい、意識消失が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。なお、意識消失により自動車事故に至った例も報告されている。
- 8.4 鎮痛剤による治療は原因療法ではなく、対症療法であることに留意すること。
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
-
9.1.1 18歳未満の肥満、閉塞性睡眠時無呼吸症候群又は重篤な肺疾患を有する患者
投与しないこと。重篤な呼吸抑制のリスクが増加するおそれがある。
-
9.1.2 てんかんのある患者、痙攣発作を起こしやすい患者又は痙攣発作の既往歴のある患者(治療により十分な管理がされていないてんかん患者を除く)
本剤投与中は観察を十分に行うこと。痙攣発作を誘発することがある。[2.6 参照]
-
9.1.3 薬物乱用又は薬物依存傾向のある患者
厳重な医師の管理下に、短期間に限って投与すること。依存性を生じやすい。
-
9.1.4 呼吸抑制状態にある患者
呼吸抑制を増強するおそれがある。
-
9.1.5 脳に器質的障害のある患者
呼吸抑制や頭蓋内圧の上昇を来すおそれがある。
- 9.1.6 オピオイド鎮痛剤に対し過敏症の既往歴のある患者(本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者を除く)
-
9.1.7 ショック状態にある患者
循環不全や呼吸抑制を増強するおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
患者の状態を考慮し、投与間隔を延長するなど慎重に投与すること。高い血中濃度が持続し、作用及び副作用が増強するおそれがある。[16.6.1 参照]
9.3 肝機能障害患者
患者の状態を考慮し、投与間隔を延長するなど慎重に投与すること。高い血中濃度が持続し、作用及び副作用が増強するおそれがある。[16.6.2 参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。胎盤関門を通過し、退薬症候が新生児に起こる可能性がある。なお、動物実験で、器官形成、骨化及び出生児の生存に影響を及ぼすことが報告されている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。静脈内投与(国内未承認)の場合、0.1%が乳汁中に移行することが知られている。
9.7 小児等
-
9.7.1 12歳未満の小児
投与しないこと。海外において、12歳未満の小児で死亡を含む重篤な呼吸抑制のリスクが高いとの報告がある。[2.1 参照]
-
9.7.2 12歳以上の小児
12歳以上の小児に対する有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
-
9.7.3 肥満、閉塞性睡眠時無呼吸症候群又は重篤な肺疾患を有する小児
投与しないこと。重篤な呼吸抑制のリスクが増加するおそれがある。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。生理機能が低下していることが多く、代謝・排泄が遅延し副作用があらわれやすい。
10. 相互作用
10.1 併用禁忌(併用しないこと)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
外国において、セロトニン症候群(錯乱、激越、発熱、発汗、運動失調、反射異常亢進、ミオクローヌス、下痢等)を含む中枢神経系(攻撃的行動、固縮、痙攣、昏睡、頭痛)、呼吸器系(呼吸抑制)及び心血管系(低血圧、高血圧)の重篤な副作用が報告されている。モノアミン酸化酵素阻害剤を投与中の患者又は投与中止後14日以内の患者には投与しないこと。また、本剤投与中止後にモノアミン酸化酵素阻害剤の投与を開始する場合には、2~3日間の間隔をあけることが望ましい。 |
相加的に作用が増強され、また、中枢神経のセロトニンが蓄積すると考えられる。 |
|
離脱症状を起こすおそれがある。本剤の鎮痛作用を減弱させるため、効果を得るために必要な用量が通常用量より多くなり、呼吸抑制等の中枢神経抑制症状が発現するおそれがある。ナルメフェンを投与中の患者又は投与中止後1週間以内の患者には投与しないこと。 |
ナルメフェンのμオピオイド受容体拮抗作用により、本剤に対して競合的に阻害する。 |
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
痙攣閾値の低下や呼吸抑制の増強を来すおそれがある。 |
本剤と相加的に作用が増強されると考えられる。 |
|
セロトニン症候群(錯乱、激越、発熱、発汗、運動失調、反射異常亢進、ミオクローヌス、下痢等)があらわれるおそれがある。 |
相加的に作用が増強され、また、中枢神経のセロトニンが蓄積すると考えられる。 |
|
リネゾリド |
セロトニン症候群(錯乱、激越、発熱、発汗、運動失調、反射異常亢進、ミオクローヌス、下痢等)があらわれるおそれがある。 |
リネゾリドの非選択的、可逆的モノアミン酸化酵素阻害作用により、相加的に作用が増強され、また、中枢神経のセロトニンが蓄積すると考えられる。 |
**メチルチオニニウム塩化物水和物(メチレンブルー) |
**セロトニン症候群(錯乱、激越、発熱、発汗、運動失調、反射異常亢進、ミオクローヌス、下痢等)があらわれるおそれがある。 |
**メチルチオニニウム塩化物水和物のモノアミン酸化酵素阻害作用によりセロトニン作用が増強される。 |
アルコール |
呼吸抑制が生じるおそれがある。 |
本剤と相加的に作用が増強されると考えられる。 |
カルバマゼピン |
同時あるいは前投与で本剤の鎮痛効果を下げ作用時間を短縮させる可能性がある。 |
本剤の代謝酵素が誘導されるため。 |
キニジン |
相互に作用が増強するおそれがある。 |
機序不明 |
ジゴキシン |
外国において、ジゴキシン中毒が発現したとの報告がある。 |
機序不明 |
出血を伴うプロトロンビン時間の延長、斑状出血等の抗凝血作用への影響がみられたとの報告がある。 |
機序不明 |
|
オンダンセトロン塩酸塩水和物 |
本剤の鎮痛作用を減弱させるおそれがある。 |
本剤の中枢におけるセロトニン作用が抑制されると考えられる。 |
ブプレノルフィン、ペンタゾシン等 |
本剤の鎮痛作用を減弱させるおそれがある。また、退薬症候を起こすおそれがある。 |
本剤が作用するμオピオイド受容体の部分アゴニストであるため。 |
11. 副作用
11.1 重大な副作用
-
11.1.1 ショック、アナフィラキシー(頻度不明)
呼吸困難、気管支痙攣、喘鳴、血管神経性浮腫等があらわれることがある。
- 11.1.2 呼吸抑制(頻度不明)
- 11.1.3 痙攣(頻度不明)
-
11.1.4 依存性(頻度不明)
長期使用時に、耐性、精神的依存及び身体的依存が生じることがある。本剤の中止又は減量時において、激越、不安、神経過敏、不眠症、運動過多、振戦、胃腸症状、パニック発作、幻覚、錯感覚、耳鳴等の退薬症候が生じることがある。[8.1 参照]
- 11.1.5 意識消失(頻度不明)
11.2 その他の副作用
5%以上 |
1~5%未満 |
1%未満 |
頻度不明 |
|
|---|---|---|---|---|
呼吸器 |
呼吸困難、口腔咽頭痛、咽喉乾燥 |
口腔咽頭不快感、発声障害 |
||
循環器 |
血圧上昇、ほてり、血圧低下、動悸 |
起立性低血圧、不整脈、顔面蒼白、胸内苦悶、頻脈、徐脈、高血圧 |
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血液凝固系 |
好中球増加、好酸球増加・減少、リンパ球減少、ヘマトクリット減少、ヘモグロビン減少、赤血球減少、白血球増加、血小板減少 |
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精神神経系 |
傾眠、浮動性めまい、頭痛 |
振戦、不眠症 |
譫妄、幻覚、鎮静、体位性めまい、睡眠障害、不随意性筋収縮、感覚鈍麻、味覚異常、記憶障害、健忘、ジスキネジー、眼振、回転性めまい、疲労、耳鳴、悪夢、気分変動、うつ病、落ち着きのなさ、不安 |
頭重感、興奮、虚脱感、両手のしびれ感、ふらつき感、不快感、錯感覚、協調運動異常、失神、錯乱、活動低下・亢進、行動障害、知覚障害、言語障害、無感情、不快気分 |
消化器 |
悪心、嘔吐、便秘、食欲減退 |
下痢、腹部不快感、上腹部痛 |
口内乾燥、口内炎、消化不良、腹痛、胃炎、口唇炎、胃食道逆流性疾患、口の錯感覚、腹部膨満感 |
腹鳴、おくび、イレウス |
肝臓 |
AST増加、ALT増加 |
Al-P増加、LDH増加 |
肝機能異常、ビリルビン増加 |
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皮膚 |
多汗症、そう痒症、湿疹 |
発疹、全身性そう痒症、蕁麻疹、薬疹、冷汗 |
寝汗 |
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腎臓及び尿路系 |
排尿困難 |
尿糖陽性、尿蛋白陽性、尿潜血陽性、クレアチニン増加、BUN増加、頻尿、尿量減少、尿閉 |
夜間頻尿、膀胱炎 |
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代謝異常 |
尿酸増加、トリグリセリド増加 |
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その他 |
口渇、倦怠感 |
無力症、異常感 |
CK増加、熱感、脱水、視力障害、背部痛、関節痛、四肢痛、筋骨格硬直、浮腫、末梢性浮腫、疼痛、胸部不快感、転倒、易刺激性、悪寒、発熱、霧視 |
冷感、散瞳、視調節障害、心電図QT延長、体重減少 |
13. 過量投与
14. 適用上の注意
14.1 薬剤交付時の注意
14.2 服用時の注意
- 14.2.1 本剤は舌の上にのせて唾液を浸潤させると崩壊するため、水なしで服用可能である。また、水で服用することもできる。[7.8 参照]
- 14.2.2 本剤は寝たままの状態では、水なしで服用させないこと。
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