薬効分類名解熱鎮痛剤
一般的名称アセトアミノフェン
アセリオ静注液1000mgバッグ
acelio Bag Intravenous Injection 1000mg
製造販売元/テルモ株式会社
重大な副作用
その他の副作用
併用注意
- アルコール
- (飲酒)
- [9.1.1 参照]
アルコール多量常飲者がアセトアミノフェンを服用したところ肝不全を起こしたとの報告がある。
アルコール常飲によるCYP2E1の誘導により、アセトアミノフェンから肝毒性を持つN-アセチル-p-ベンゾキノンイミンへの代謝が促進される。
- クマリン系抗凝固剤
- ワルファリン
クマリン系抗凝固剤の作用を増強することがあるので、減量するなど慎重に投与すること。
作用機序については、ワルファリンの酸化経路又はビタミンK依存性凝固因子合成関連酵素への作用が考えられている。
- イソニアジド
イソニアジドの長期連用者において、肝薬物代謝酵素が誘導され、肝障害を生じやすくなるとの報告がある。
イソニアジドはCYP2E1を誘導する。そのためアセトアミノフェンから肝毒性を持つN-アセチル-p-ベンゾキノンイミンへの代謝が促進される。
- カルバマゼピン
- フェノバルビタール
- フェニトイン
- プリミドン
- リファンピシン
これらの薬剤の長期連用者において、アセトアミノフェンの血中濃度が低下するとの報告がある。
これらの薬剤の肝薬物代謝酵素誘導作用により、アセトアミノフェンの代謝が促進され血中濃度が低下する。
1. 警告
- 1.1 本剤により重篤な肝障害が発現するおそれがあることに注意し、1日総量1500mgを超す高用量で長期投与する場合には、定期的に肝機能等を確認するなど慎重に投与すること。[8.7 参照],[11.1.4 参照]
- 1.2 本剤とアセトアミノフェンを含む他の薬剤(一般用医薬品を含む)との併用により、アセトアミノフェンの過量投与による重篤な肝障害が発現するおそれがあることから、これらの薬剤との併用を避けること。[7.5 参照],[8.5 参照],[13.2 参照]
2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)
- 2.1 **重篤な肝障害のある患者[9.3.1 参照],[11.1.4 参照]
- 2.2 **本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者[11.1.1 参照]
4. 効能又は効果
経口製剤及び坐剤の投与が困難な場合における疼痛及び発熱
5. 効能又は効果に関連する注意
経口製剤及び坐剤の投与が困難で、静注剤による緊急の治療が必要である場合等、静注剤の投与が臨床的に妥当である場合に本剤の使用を考慮すること。経口製剤又は坐剤の投与が可能になれば速やかに投与を中止し、経口製剤又は坐剤の投与に切り替えること。
6. 用法及び用量
下記のとおり本剤を15分かけて静脈内投与すること。
-
〈成人における疼痛〉
通常、成人にはアセトアミノフェンとして、1回300~1000mgを15分かけて静脈内投与し、投与間隔は4~6時間以上とする。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日総量として4000mgを限度とする。
ただし、体重50kg未満の成人にはアセトアミノフェンとして、体重1kgあたり1回15mgを上限として静脈内投与し、投与間隔は4~6時間以上とする。1日総量として60mg/kgを限度とする。
-
〈成人における発熱〉
通常、成人にはアセトアミノフェンとして、1回300~500mgを15分かけて静脈内投与し、投与間隔は4~6時間以上とする。なお、年齢、症状により適宜増減するが、原則として1日2回までとし、1日最大1500mgを限度とする。
-
〈2歳以上の幼児及び小児における疼痛及び発熱〉
通常、2歳以上の幼児及び小児にはアセトアミノフェンとして、体重1kgあたり1回10~15mgを15分かけて静脈内投与し、投与間隔は4~6時間以上とする。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日総量として60mg/kgを限度とする。ただし、成人の用量を超えない。
-
〈乳児及び2歳未満の幼児における疼痛及び発熱〉
通常、乳児及び2歳未満の幼児にはアセトアミノフェンとして、体重1kgあたり1回7.5mgを15分かけて静脈内投与し、投与間隔は4~6時間以上とする。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日総量として30mg/kgを限度とする。
7. 用法及び用量に関連する注意
- 7.1 本剤の投与に際しては、投与速度を厳守すること(本剤の有効性及び安全性は本剤を15分かけて静脈内投与した臨床試験において確認されている)。
-
7.2 乳児、幼児及び小児の1回投与量の目安は下記のとおりである。[9.7.1 参照]
体重
1回投与量の目安
5kg
3.75mL
10kg
7.5~15mL
20kg
20~30mL
30kg
30~45mL
- 7.3 乳児、幼児及び小児に対する1回あたりの最大用量はアセトアミノフェンとして500mg、1日あたりの最大用量はアセトアミノフェンとして1500mgである。[9.7.1 参照]
- 7.4 他の消炎鎮痛剤との併用は避けることが望ましい。
- 7.5 本剤とアセトアミノフェンを含む他の薬剤(一般用医薬品を含む)との併用により、アセトアミノフェンの過量投与による重篤な肝障害が発現するおそれがあることから、特に総合感冒剤や解熱鎮痛剤等の配合剤を併用する場合は、アセトアミノフェンが含まれていないか確認し、含まれている場合は併用を避けること。[1.2 参照],[8.5 参照]
- 7.6 **アスピリン喘息又はその既往歴のある患者に対する1回あたりの最大用量はアセトアミノフェンとして300 mg以下とすること。[9.1.8 参照]
8. 重要な基本的注意
- 8.1 本剤の投与速度及び投与量により、循環動態に影響を及ぼすことが明らかに予想される患者には投与しないこと。
- 8.2 本剤の使用は、発熱、痛みの程度を考慮し、最小限の投与量及び期間にとどめること。
- 8.3 解熱鎮痛剤による治療は原因療法ではなく、対症療法であることに留意すること。原因療法があればこれを行うこと。
- 8.4 本剤の投与直後には経口製剤及び坐剤に比べて血中濃度が高くなることから、過度の体温下降、虚脱、四肢冷却等の発現に特に留意すること。特に高熱を伴う高齢者及び小児等又は消耗性疾患の患者においては、投与後の患者の状態に十分注意すること。
- 8.5 アセトアミノフェンを含む他の薬剤と併用しないよう患者に指導すること。[1.2 参照],[7.5 参照]
- 8.6 アセトアミノフェンの高用量投与により副作用として腹痛・下痢がみられることがある。本剤においても同様の副作用があらわれるおそれがあり、疼痛又は発熱の原疾患に伴う消化器症状と区別できないおそれがあるので、観察を十分行い慎重に投与すること。
- 8.7 重篤な肝障害が発現するおそれがあるので、1日総量1500mgを超す高用量で長期投与する場合には定期的に肝機能検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。高用量でなくとも長期投与する場合にあっては定期的に肝機能検査を行うことが望ましい。[1.1 参照],[11.1.4 参照]
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
-
9.1.1 **アルコール多量常飲者
肝障害があらわれやすくなる。[10.2 参照],[11.1.4 参照]
-
9.1.2 **絶食・低栄養状態・摂食障害等によるグルタチオン欠乏、脱水症状のある患者
肝障害があらわれやすくなる。[11.1.4 参照]
-
9.1.3 **消化性潰瘍又はその既往歴のある患者
症状が悪化又は再発を促すおそれがある。
-
9.1.4 **血液の異常又はその既往歴のある患者
症状が悪化又は再発を促すおそれがある。[11.1.5 参照]
-
9.1.5 出血傾向のある患者
血小板機能異常が起こることがある。
-
9.1.6 **心機能異常のある患者
症状が悪化又は心不全が増悪するおそれがある。
-
9.1.7 **気管支喘息のある患者
症状が悪化するおそれがある。[11.1.3 参照]
-
9.1.8 **アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤による喘息発作の誘発)又はその既往歴のある患者
アスピリン喘息の発症にプロスタグランジン合成阻害作用が関与していると考えられ、症状が悪化又は再発を促すおそれがある。[7.6 参照],[11.1.3 参照]
-
9.1.9 感染症を合併している患者
必要に応じて適切な抗菌剤を併用し、観察を十分に行い慎重に投与すること。感染症を不顕性化するおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
-
9.2.1 **腎障害又はその既往歴のある患者
投与量の減量、投与間隔の延長を考慮すること。症状が悪化又は再発を促すおそれがある。[11.1.7 参照]
9.3 肝機能障害患者
-
9.3.1 重篤な肝障害のある患者
投与しないこと。重篤な転帰をとるおそれがある。[2.1 参照]
-
9.3.2 **肝障害又はその既往歴のある患者(重篤な肝障害のある患者を除く)
肝機能が悪化するおそれがある。[11.1.4 参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、次のリスクを考慮し、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
- 妊娠後期の女性への投与により、胎児に動脈管収縮を起こすことがある。
- 妊娠後期のラットに投与した実験で、弱い胎仔の動脈管収縮が報告されている1) 。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
9.8 高齢者
副作用の発現に特に注意し、少量から投与を開始し、必要最小限の使用にとどめるなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
10. 相互作用
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
|
アルコール多量常飲者がアセトアミノフェンを服用したところ肝不全を起こしたとの報告がある。 |
アルコール常飲によるCYP2E1の誘導により、アセトアミノフェンから肝毒性を持つN-アセチル-p-ベンゾキノンイミンへの代謝が促進される。 |
クマリン系抗凝固剤の作用を増強することがあるので、減量するなど慎重に投与すること。 |
作用機序については、ワルファリンの酸化経路又はビタミンK依存性凝固因子合成関連酵素への作用が考えられている。 |
|
イソニアジドの長期連用者において、肝薬物代謝酵素が誘導され、肝障害を生じやすくなるとの報告がある。 |
イソニアジドはCYP2E1を誘導する。そのためアセトアミノフェンから肝毒性を持つN-アセチル-p-ベンゾキノンイミンへの代謝が促進される。 |
|
これらの薬剤の長期連用者において、アセトアミノフェンの血中濃度が低下するとの報告がある。 |
これらの薬剤の肝薬物代謝酵素誘導作用により、アセトアミノフェンの代謝が促進され血中濃度が低下する。 |
11. 副作用
11.1 重大な副作用
-
11.1.1 **ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
ショック、アナフィラキシー(呼吸困難、全身紅潮、血管浮腫、蕁麻疹等)があらわれることがある。[2.2 参照]
- 11.1.2 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、急性汎発性発疹性膿疱症(いずれも頻度不明)
- 11.1.3 **喘息発作の誘発(頻度不明)
-
11.1.4 **劇症肝炎、肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)
劇症肝炎、AST、ALT、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。[1.1 参照],[2.1 参照],[8.7 参照],[9.1.1 参照],[9.1.2 参照],[9.3.2 参照]
- 11.1.5 **顆粒球減少症(頻度不明)
-
11.1.6 間質性肺炎(頻度不明)
咳嗽、呼吸困難、発熱、肺音の異常等が認められた場合には、速やかに胸部X線、胸部CT、血清マーカー等の検査を実施すること。異常が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
- 11.1.7 **間質性腎炎、急性腎障害(いずれも頻度不明)
-
11.1.8 *薬剤性過敏症症候群(頻度不明)
初期症状として発疹、発熱がみられ、更に肝機能障害、リンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがある。なお、ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)等のウイルスの再活性化を伴うことが多く、投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。
13. 過量投与
-
13.1 症状
肝臓・腎臓・心筋の壊死が起こったとの報告がある。
-
13.2 処置
解毒(肝障害の軽減等)には、アセチルシステインの投与を考慮すること。[1.2 参照]
1. 警告
- 1.1 本剤により重篤な肝障害が発現するおそれがあることに注意し、1日総量1500mgを超す高用量で長期投与する場合には、定期的に肝機能等を確認するなど慎重に投与すること。[8.7 参照],[11.1.4 参照]
- 1.2 本剤とアセトアミノフェンを含む他の薬剤(一般用医薬品を含む)との併用により、アセトアミノフェンの過量投与による重篤な肝障害が発現するおそれがあることから、これらの薬剤との併用を避けること。[7.5 参照],[8.5 参照],[13.2 参照]
2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)
- 2.1 **重篤な肝障害のある患者[9.3.1 参照],[11.1.4 参照]
- 2.2 **本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者[11.1.1 参照]
4. 効能又は効果
経口製剤及び坐剤の投与が困難な場合における疼痛及び発熱
5. 効能又は効果に関連する注意
経口製剤及び坐剤の投与が困難で、静注剤による緊急の治療が必要である場合等、静注剤の投与が臨床的に妥当である場合に本剤の使用を考慮すること。経口製剤又は坐剤の投与が可能になれば速やかに投与を中止し、経口製剤又は坐剤の投与に切り替えること。
6. 用法及び用量
下記のとおり本剤を15分かけて静脈内投与すること。
-
〈成人における疼痛〉
通常、成人にはアセトアミノフェンとして、1回300~1000mgを15分かけて静脈内投与し、投与間隔は4~6時間以上とする。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日総量として4000mgを限度とする。
ただし、体重50kg未満の成人にはアセトアミノフェンとして、体重1kgあたり1回15mgを上限として静脈内投与し、投与間隔は4~6時間以上とする。1日総量として60mg/kgを限度とする。
-
〈成人における発熱〉
通常、成人にはアセトアミノフェンとして、1回300~500mgを15分かけて静脈内投与し、投与間隔は4~6時間以上とする。なお、年齢、症状により適宜増減するが、原則として1日2回までとし、1日最大1500mgを限度とする。
-
〈2歳以上の幼児及び小児における疼痛及び発熱〉
通常、2歳以上の幼児及び小児にはアセトアミノフェンとして、体重1kgあたり1回10~15mgを15分かけて静脈内投与し、投与間隔は4~6時間以上とする。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日総量として60mg/kgを限度とする。ただし、成人の用量を超えない。
-
〈乳児及び2歳未満の幼児における疼痛及び発熱〉
通常、乳児及び2歳未満の幼児にはアセトアミノフェンとして、体重1kgあたり1回7.5mgを15分かけて静脈内投与し、投与間隔は4~6時間以上とする。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日総量として30mg/kgを限度とする。
7. 用法及び用量に関連する注意
- 7.1 本剤の投与に際しては、投与速度を厳守すること(本剤の有効性及び安全性は本剤を15分かけて静脈内投与した臨床試験において確認されている)。
-
7.2 乳児、幼児及び小児の1回投与量の目安は下記のとおりである。[9.7.1 参照]
体重
1回投与量の目安
5kg
3.75mL
10kg
7.5~15mL
20kg
20~30mL
30kg
30~45mL
- 7.3 乳児、幼児及び小児に対する1回あたりの最大用量はアセトアミノフェンとして500mg、1日あたりの最大用量はアセトアミノフェンとして1500mgである。[9.7.1 参照]
- 7.4 他の消炎鎮痛剤との併用は避けることが望ましい。
- 7.5 本剤とアセトアミノフェンを含む他の薬剤(一般用医薬品を含む)との併用により、アセトアミノフェンの過量投与による重篤な肝障害が発現するおそれがあることから、特に総合感冒剤や解熱鎮痛剤等の配合剤を併用する場合は、アセトアミノフェンが含まれていないか確認し、含まれている場合は併用を避けること。[1.2 参照],[8.5 参照]
- 7.6 **アスピリン喘息又はその既往歴のある患者に対する1回あたりの最大用量はアセトアミノフェンとして300 mg以下とすること。[9.1.8 参照]
8. 重要な基本的注意
- 8.1 本剤の投与速度及び投与量により、循環動態に影響を及ぼすことが明らかに予想される患者には投与しないこと。
- 8.2 本剤の使用は、発熱、痛みの程度を考慮し、最小限の投与量及び期間にとどめること。
- 8.3 解熱鎮痛剤による治療は原因療法ではなく、対症療法であることに留意すること。原因療法があればこれを行うこと。
- 8.4 本剤の投与直後には経口製剤及び坐剤に比べて血中濃度が高くなることから、過度の体温下降、虚脱、四肢冷却等の発現に特に留意すること。特に高熱を伴う高齢者及び小児等又は消耗性疾患の患者においては、投与後の患者の状態に十分注意すること。
- 8.5 アセトアミノフェンを含む他の薬剤と併用しないよう患者に指導すること。[1.2 参照],[7.5 参照]
- 8.6 アセトアミノフェンの高用量投与により副作用として腹痛・下痢がみられることがある。本剤においても同様の副作用があらわれるおそれがあり、疼痛又は発熱の原疾患に伴う消化器症状と区別できないおそれがあるので、観察を十分行い慎重に投与すること。
- 8.7 重篤な肝障害が発現するおそれがあるので、1日総量1500mgを超す高用量で長期投与する場合には定期的に肝機能検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。高用量でなくとも長期投与する場合にあっては定期的に肝機能検査を行うことが望ましい。[1.1 参照],[11.1.4 参照]
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
-
9.1.1 **アルコール多量常飲者
肝障害があらわれやすくなる。[10.2 参照],[11.1.4 参照]
-
9.1.2 **絶食・低栄養状態・摂食障害等によるグルタチオン欠乏、脱水症状のある患者
肝障害があらわれやすくなる。[11.1.4 参照]
-
9.1.3 **消化性潰瘍又はその既往歴のある患者
症状が悪化又は再発を促すおそれがある。
-
9.1.4 **血液の異常又はその既往歴のある患者
症状が悪化又は再発を促すおそれがある。[11.1.5 参照]
-
9.1.5 出血傾向のある患者
血小板機能異常が起こることがある。
-
9.1.6 **心機能異常のある患者
症状が悪化又は心不全が増悪するおそれがある。
-
9.1.7 **気管支喘息のある患者
症状が悪化するおそれがある。[11.1.3 参照]
-
9.1.8 **アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤による喘息発作の誘発)又はその既往歴のある患者
アスピリン喘息の発症にプロスタグランジン合成阻害作用が関与していると考えられ、症状が悪化又は再発を促すおそれがある。[7.6 参照],[11.1.3 参照]
-
9.1.9 感染症を合併している患者
必要に応じて適切な抗菌剤を併用し、観察を十分に行い慎重に投与すること。感染症を不顕性化するおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
-
9.2.1 **腎障害又はその既往歴のある患者
投与量の減量、投与間隔の延長を考慮すること。症状が悪化又は再発を促すおそれがある。[11.1.7 参照]
9.3 肝機能障害患者
-
9.3.1 重篤な肝障害のある患者
投与しないこと。重篤な転帰をとるおそれがある。[2.1 参照]
-
9.3.2 **肝障害又はその既往歴のある患者(重篤な肝障害のある患者を除く)
肝機能が悪化するおそれがある。[11.1.4 参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、次のリスクを考慮し、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
- 妊娠後期の女性への投与により、胎児に動脈管収縮を起こすことがある。
- 妊娠後期のラットに投与した実験で、弱い胎仔の動脈管収縮が報告されている1) 。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
9.8 高齢者
副作用の発現に特に注意し、少量から投与を開始し、必要最小限の使用にとどめるなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
10. 相互作用
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
|
アルコール多量常飲者がアセトアミノフェンを服用したところ肝不全を起こしたとの報告がある。 |
アルコール常飲によるCYP2E1の誘導により、アセトアミノフェンから肝毒性を持つN-アセチル-p-ベンゾキノンイミンへの代謝が促進される。 |
クマリン系抗凝固剤の作用を増強することがあるので、減量するなど慎重に投与すること。 |
作用機序については、ワルファリンの酸化経路又はビタミンK依存性凝固因子合成関連酵素への作用が考えられている。 |
|
イソニアジドの長期連用者において、肝薬物代謝酵素が誘導され、肝障害を生じやすくなるとの報告がある。 |
イソニアジドはCYP2E1を誘導する。そのためアセトアミノフェンから肝毒性を持つN-アセチル-p-ベンゾキノンイミンへの代謝が促進される。 |
|
これらの薬剤の長期連用者において、アセトアミノフェンの血中濃度が低下するとの報告がある。 |
これらの薬剤の肝薬物代謝酵素誘導作用により、アセトアミノフェンの代謝が促進され血中濃度が低下する。 |
11. 副作用
11.1 重大な副作用
-
11.1.1 **ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
ショック、アナフィラキシー(呼吸困難、全身紅潮、血管浮腫、蕁麻疹等)があらわれることがある。[2.2 参照]
- 11.1.2 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、急性汎発性発疹性膿疱症(いずれも頻度不明)
- 11.1.3 **喘息発作の誘発(頻度不明)
-
11.1.4 **劇症肝炎、肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)
劇症肝炎、AST、ALT、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。[1.1 参照],[2.1 参照],[8.7 参照],[9.1.1 参照],[9.1.2 参照],[9.3.2 参照]
- 11.1.5 **顆粒球減少症(頻度不明)
-
11.1.6 間質性肺炎(頻度不明)
咳嗽、呼吸困難、発熱、肺音の異常等が認められた場合には、速やかに胸部X線、胸部CT、血清マーカー等の検査を実施すること。異常が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
- 11.1.7 **間質性腎炎、急性腎障害(いずれも頻度不明)
-
11.1.8 *薬剤性過敏症症候群(頻度不明)
初期症状として発疹、発熱がみられ、更に肝機能障害、リンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがある。なお、ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)等のウイルスの再活性化を伴うことが多く、投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。
13. 過量投与
-
13.1 症状
肝臓・腎臓・心筋の壊死が起こったとの報告がある。
-
13.2 処置
解毒(肝障害の軽減等)には、アセチルシステインの投与を考慮すること。[1.2 参照]