薬効分類名抗けいれん剤
一般的名称ホスフェニトインナトリウム水和物
ホストイン静注750mg
ほすといんじょうちゅう750mg
Fostoin 750mg for Injection
製造販売元/ノーベルファーマ株式会社
重大な副作用
その他の副作用
併用注意
- ゾニサミド
- トピラマート
- ボリコナゾール
- スチリペントール
(1)フェニトインの血中濃度が上昇することがある 。
(2)これらの薬剤の血中濃度が低下することがある 。
(1)これらの薬剤が肝代謝を抑制すると考えられている。
(2)フェニトインの肝薬物代謝酵素誘導によると考えられている。
- クロバザム
- タクロリムス
(1)フェニトインの血中濃度が上昇することがある 。
(2)これらの薬剤の血中濃度が低下することがある 。
(1)機序は不明である。
(2)フェニトインの肝薬物代謝酵素誘導による。
- ルフィナミド
(1)フェニトインの血中濃度が上昇することがある 。
(2)これらの薬剤の血中濃度が低下することがある 。
(1)、(2)機序は不明である。
- カルバマゼピン
(1)フェニトインの血中濃度が上昇することがある 。
(2)フェニトインの血中濃度が低下することがある 。
(3)カルバマゼピンの血中濃度が低下することがある 。
(1)カルバマゼピンが肝代謝を抑制する。
(2)カルバマゼピンの肝薬物代謝酵素誘導による。
(3)フェニトインの肝薬物代謝酵素誘導による。
- バルプロ酸
(1)フェニトインの血中濃度が上昇することがある 。
(2)フェニトインの血中濃度が低下することがある 。
(3)バルプロ酸の血中濃度が低下することがある 。
(1)バルプロ酸が肝代謝を抑制する。
(2)バルプロ酸による蛋白結合からの置換により、非結合型フェニトイン濃度が上昇し、肝代謝が促進すると考えられている。
(3)フェニトインの肝薬物代謝酵素誘導による。
- ラモトリギン
- デフェラシロクス
- カナグリフロジン
- ラルテグラビル
これらの薬剤の血中濃度が低下することがある 。
フェニトインがこれらの薬剤のグルクロン酸抱合を促進する。
- ポサコナゾール
これらの薬剤の血中濃度が低下することがある 。
フェニトインのUGT1A4及び/又はP糖蛋白誘導による。
- クマリン系抗凝血剤
(1)フェニトインの血中濃度が上昇することがある 。
(2)クマリン系抗凝血剤の作用が増強することがある。
(3)クマリン系抗凝血剤の作用が減弱することがある。
通常より頻回に血液凝固時間の測定を行い、クマリン系抗凝血剤の用量を調整すること。
(1)クマリン系抗凝血剤が肝代謝を抑制する。
(2)フェニトインによる蛋白結合からの置換により、クマリン系抗凝血剤の血中濃度が上昇する。
(3)フェニトインの肝薬物代謝酵素誘導による。
- アミオダロン
- アロプリノール
- イソニアジド
- エトスクシミド
- オメプラゾール
- クロラムフェニコール
- ジスルフィラム
- シメチジン
- ジルチアゼム
- スルチアム
- スルファメトキサゾール・トリメトプリム
- チクロピジン
- パラアミノサリチル酸
- フルコナゾール
- フルボキサミン
- ホスフルコナゾール
- ミコナゾール
- メチルフェニデート
- エソメプラゾール
- セリチニブ
フェニトインの血中濃度が上昇することがある 。
これらの薬剤又は代謝物が肝代謝を抑制すると考えられている。
- フルオロウラシル系薬剤
- 三環系抗うつ剤
- 四環系抗うつ剤
- トラゾドン
フェニトインの血中濃度が上昇することがある 。
機序は不明である。
- テオフィリン
- アミノフィリン
(1)フェニトインの血中濃度が低下することがある 。
(2)テオフィリンの血中濃度が低下することがある 。
(1)機序は不明である。
(2)フェニトインの肝薬物代謝酵素誘導による。
- リファンピシン
- アパルタミド
- レテルモビル
フェニトインの血中濃度が低下することがある 。
これらの薬剤の肝薬物代謝酵素誘導による。
- ジアゾキシド
- シスプラチン
- ビンカアルカロイド
- シプロフロキサシン
- ビガバトリン
フェニトインの血中濃度が低下することがある 。
機序は不明である。
- イリノテカン
イリノテカンの活性代謝物の血中濃度が低下し、作用が減弱することがあるので、併用を避けることが望ましい。
フェニトインの肝薬物代謝酵素誘導による。
- 主にCYP3A4の基質となる薬剤
これらの薬剤の血中濃度が低下することがある 。
フェニトインの肝薬物代謝酵素誘導による。
- パロキセチン
- フレカイニド
- メキシレチン
これらの薬剤の血中濃度が低下することがある 。
フェニトインの肝薬物代謝酵素誘導による。
- CYP3A及びP糖蛋白の基質となる薬剤
これらの薬剤の血中濃度が低下することがある 。
フェニトインの肝薬物代謝酵素及びP糖蛋白誘導による。
- P糖蛋白の基質となる薬剤
これらの薬剤の血中濃度が低下することがある 。
フェニトインのP糖蛋白誘導による。
- シクロスポリン
これらの薬剤の血中濃度が低下することがある 。
フェニトインの肝薬物代謝酵素誘導による。また、フェニトインが吸収を阻害する。
- 甲状腺ホルモン剤
これらの薬剤の血中濃度が低下することがある 。
機序は不明である。
- カスポファンギン
これらの薬剤の血中濃度が低下することがある 。
フェニトインがカスポファンギンの取り込み輸送過程に影響し、カスポファンギンのクリアランス誘導が起こると考えられている。
- ドルテグラビル
- ドルテグラビル・ラミブジン
- ドルテグラビル・アバカビル・ラミブジン
ドルテグラビルの血中濃度が低下することがある。
フェニトインの肝薬物代謝酵素(CYP3A)及びUGT1A1誘導作用による。
- ドキシサイクリン
ドキシサイクリンの血中濃度半減期が短縮することがある。
フェニトインの肝薬物代謝酵素誘導による。
- アルベンダゾール
アルベンダゾールの活性代謝物の血中濃度が低下し、効果が減弱することがある。
機序は不明である。
- 非脱分極性筋弛緩剤
フェニトインを長期前投与した場合、非脱分極性筋弛緩剤の作用が減弱することがある。
機序は不明である。
- 血糖降下剤
血糖降下剤の作用が減弱され、高血糖を起こすことがあるので、血糖の上昇に注意すること。
フェニトインのインスリン分泌抑制作用による。
- アセタゾラミド
クル病、骨軟化症があらわれやすい。
フェニトインによるビタミンD不活性化促進、アセタゾラミドによる代謝性アシドーシス、腎尿細管障害の影響が考えられている。
- アセトアミノフェン
フェニトインの長期連用者は、アセトアミノフェンの代謝物による肝障害を生じやすくなる。
フェニトインの肝薬物代謝酵素誘導により、アセトアミノフェンから肝毒性を持つN-アセチル-p-ベンゾキノンイミンへの代謝が促進されると考えられている。
- ロルラチニブ
(1)ALT及びASTが上昇するおそれがあるので、併用は可能な限り避けること。やむを得ず併用する場合には、肝機能検査を実施する等の十分な観察を行うこと。
(2)ロルラチニブの血中濃度が低下することがある 。
(1)機序は不明である。
(2)フェニトインの肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導による。
- セイヨウオトギリソウ(St. John's Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
フェニトインの代謝が促進され、血中濃度が低下するおそれがあるので、本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること。
セイヨウオトギリソウの肝薬物代謝酵素誘導によると考えられている。
2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)
- 2.1 本剤の成分又はヒダントイン系化合物に対し過敏症の患者
- 2.2 洞性徐脈、高度の刺激伝導障害のある患者[11.1.7 参照]
- 2.3 **,*タダラフィル(肺高血圧症を適応とする場合)、マシテンタン、チカグレロル、アルテメテル・ルメファントリン、ダルナビル・コビシスタット、ドラビリン、ルラシドン、リルピビリン、イサブコナゾニウム硫酸塩、エンシトレルビル フマル酸、ミフェプリストン・ミソプロストール、ニルマトレルビル・リトナビル、リルピビリン・テノホビル アラフェナミド・エムトリシタビン、ビクテグラビル・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド、エルビテグラビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド、ダルナビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド、ソホスブビル・ベルパタスビル、ソホスブビル、レジパスビル・ソホスブビル、ドルテグラビル・リルピビリン、カボテグラビル、レナカパビルナトリウムを投与中の患者[10.1 参照]
5. 効能又は効果に関連する注意
フェニトインを経口投与しているてんかん患者における一時的な代替療法に用いる場合には、フェニトインの経口投与により発作がコントロールされているてんかん患者で、一時的にフェニトインの経口投与が不可能となった場合にのみ投与すること。
6. 用法及び用量
通常、成人又は2歳以上の小児には、以下の用法及び用量にて投与すること。
-
〈てんかん重積状態〉
初回投与:ホスフェニトインナトリウムとして22.5mg/kgを静脈内投与する。投与速度は3mg/kg/分又は150mg/分のいずれか低い方を超えないこと。
維持投与:ホスフェニトインナトリウムとして5〜7.5mg/kg/日を1回又は分割にて静脈内投与する。投与速度は1mg/kg/分又は75mg/分のいずれか低い方を超えないこと。 -
〈脳外科手術又は意識障害(頭部外傷等)時のてんかん発作の発現抑制〉
初回投与:ホスフェニトインナトリウムとして15〜18mg/kgを静脈内投与する。投与速度は1mg/kg/分又は75mg/分のいずれか低い方を超えないこと。
維持投与:ホスフェニトインナトリウムとして5〜7.5mg/kg/日を1回又は分割にて静脈内投与する。投与速度は1mg/kg/分又は75mg/分のいずれか低い方を超えないこと。 -
〈フェニトインを経口投与しているてんかん患者における一時的な代替療法〉
ホスフェニトインナトリウムとして経口フェニトインの1日投与量の1.5倍量を、1日1回又は分割にて静脈内投与する。投与速度は1mg/kg/分又は75mg/分のいずれか低い方を超えないこと。
7. 用法及び用量に関連する注意
- 7.1 急速に静脈内投与した場合、心停止、一過性の血圧低下、呼吸抑制等の循環・呼吸障害を起こすことがあるので、用法・用量を遵守すること。また、衰弱の著しい患者、高齢者、心疾患、肝障害又は腎障害のある患者等では、通常の投与速度よりも、より緩徐に投与するなど注意すること。[9.1.1 参照],[9.1.2 参照],[9.1.3 参照],[9.1.4 参照],[9.2 参照],[9.3 参照],[9.8.1 参照],[11.1.7 参照]
- 7.2 維持投与は、初回投与から12〜24時間あけて行うこと。また、本剤を投与しても発作が止まらない場合、他の抗てんかん薬の投与を考慮し、本剤の追加投与はしないこと。血漿蛋白との結合部位においてホスフェニトインとフェニトインの置換が生じることにより、血中非結合型フェニトイン濃度が上昇するおそれがある。
- 7.3 初回投与、維持投与前には、可能な限り血中フェニトイン濃度を測定し、過量投与とならないよう注意すること。なお、初回投与時に神経症状等が発現した患者では、血中フェニトイン濃度の測定を行うとともに、維持投与速度の減速を考慮すること。[12 参照]
- 7.4 経口投与が可能になった場合は速やかに経口フェニトイン製剤に切り替えること。国内では、3日間を超えて連用した経験がない。
- 7.5 本薬(ホスフェニトインナトリウムとして)の分子量はフェニトインナトリウムの約1.5倍である。
- 7.6 フェニトインを経口投与しているてんかん患者における一時的な代替療法における用法は、フェニトイン経口投与時と同じ用法とすること。
8. 重要な基本的注意
- 8.1 投与に際しては、心電図、血圧、呼吸機能等のバイタルサインのモニタリングを実施するなど、慎重に患者の状態を観察すること。また、意識障害、血圧低下、心抑制、呼吸障害があらわれた場合には、直ちに適切な処置を行うこと。[11.1.7 参照]
- 8.2 連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、てんかん重積状態があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。[9.1.1 参照],[9.8.2 参照]
- 8.3 連用する場合には、定期的に肝・腎機能、血液検査を行うことが望ましい。[9.1.4 参照],[9.1.5 参照],[9.2 参照],[9.3 参照],[11.1.4 参照],[11.1.5 参照],[11.1.12 参照]
- 8.4 本剤投与中の患者には自動車の運転など危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがある。
- 8.5 長期投与例で、小脳萎縮があらわれることがあり、持続したフェニトインの血中濃度上昇との関連が示唆されているので、小脳症状(眼振、構音障害、運動失調等)に注意し、定期的に検査を行うこと。[11.1.10 参照]
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
-
9.1.1 虚弱者
連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、てんかん重積状態があらわれることがある。また、心停止、呼吸停止が起こりやすい。[7.1 参照],[8.2 参照],[11.1.7 参照]
-
9.1.2 低血圧のある患者
心停止、呼吸停止が起こりやすい。[7.1 参照],[11.1.7 参照]
-
9.1.3 心疾患のある患者
心停止、呼吸停止が起こりやすい。[7.1 参照],[11.1.7 参照]
-
9.1.4 低アルブミン血症の患者
血中非結合型フェニトイン濃度が上昇するおそれがある。[7.1 参照],[8.3 参照],[11.1.7 参照]
-
9.1.5 血液障害のある患者
血液障害が悪化するおそれがある。[8.3 参照],[11.1.4 参照]
-
9.1.6 甲状腺機能低下症の患者
甲状腺機能の異常をきたすおそれがある。
-
9.1.7 糖尿病の患者
2型糖尿病の患者で、高血糖を起こしたとの報告がある。
9.2 腎機能障害患者
腎機能障害のある患者を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。血中非結合型フェニトイン濃度が上昇するおそれがある。[7.1 参照],[8.3 参照],[11.1.7 参照],[11.1.12 参照],[16.6.1 参照]
9.3 肝機能障害患者
肝機能障害のある患者を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。肝障害の悪化、また、血中非結合型フェニトイン濃度が上昇するおそれがある。[7.1 参照],[8.3 参照],[11.1.5 参照],[11.1.7 参照],[16.6.1 参照]
9.5 妊婦
-
9.5.1 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性(母体のてんかん発作頻発を防ぎ、胎児を低酸素状態から守る)が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
- (1) 妊娠中にフェニトインを投与された患者の中に、口唇裂、口蓋裂、心奇形等を有する児を出産した例が多いとの疫学的調査報告がある。
- (2) 妊娠中のフェニトイン投与により、児に腫瘍(神経芽細胞腫等)がみられたとの報告がある。
- (3) 妊娠中のフェニトイン投与により、新生児に出血傾向があらわれることがある。
- (4) 本薬をラットの交配前から妊娠期間中に投与した場合、胎児の脳及び心血管系等に奇形がみられた。また、周産期の投与では、母動物に分娩の遅延、致死量の低下がみられ、新生児に回避行動の増加傾向がみられた。
- (5) 妊娠期間中にフェニトインを投与されたラットの新生児においては、行動発達の抑制、自発運動の増加あるいは減少、異常回転運動、迷路学習の抑制等の報告がある。
- 9.5.2 妊娠中にやむを得ず本剤を投与する場合には、可能な限り単独投与することが望ましい。
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。ヒト1) 、ラット及びウサギにおいて、乳汁中へ移行することが報告されている。
9.7 小児等
2歳未満の幼児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
- 9.8.1 本剤の初回投与量の減量又は投与速度の減速を考慮し、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。心抑制、呼吸抑制が起こりやすい。[7.1 参照],[11.1.7 参照]
- 9.8.2 投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、てんかん重積状態があらわれることがある。[8.2 参照]
10. 相互作用
- 本剤は、フェニトインのプロドラッグである。フェニトインは、主として薬物代謝酵素CYP2C92) 及び一部CYP2C193) で代謝される。また、CYP3A4、CYP2B6及びP糖蛋白の誘導作用を有する4) 。[16.4 参照]
10.1 併用禁忌(併用しないこと)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
|
これらの薬剤の代謝が促進され、血中濃度が低下することがある。 |
フェニトインの肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導による。 |
|
ミフェプリストンの代謝が促進され、血中濃度が低下し効果が減弱するおそれがあるので、本剤の影響がなくなるまで投与しないこと。 |
フェニトインの肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導による。 |
|
ニルマトレルビル及びリトナビルの血中濃度が低下するため、効果が減弱し、耐性が発現する可能性がある。 |
フェニトインの肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用による。 |
|
リルピビリン及びテノホビル アラフェナミドの血中濃度が低下することがある。 |
フェニトインの肝薬物代謝酵素(CYP3A)及びP糖蛋白誘導による。 |
|
ビクテグラビル及びテノホビル アラフェナミドの血漿中濃度が低下するため、効果が減弱し、耐性が発現する可能性がある。 |
フェニトインの肝薬物代謝酵素(CYP3A)及びP糖蛋白誘導による。 |
|
ダルナビル、コビシスタット及びテノホビル アラフェナミドの血中濃度が低下することがある。 |
フェニトインの肝薬物代謝酵素(CYP3A)及びP糖蛋白誘導による。 |
|
エルビテグラビル、コビシスタット及びテノホビル アラフェナミドの血中濃度が低下することがある。 |
フェニトインの肝薬物代謝酵素(CYP3A)及びP糖蛋白誘導による。 |
|
ソホスブビル及びベルパタスビルの血漿中濃度が低下することがある。 |
フェニトインの肝薬物代謝酵素(CYP3A)及びP糖蛋白誘導による。 |
|
これらの薬剤の血漿中濃度が低下することがある。 |
フェニトインのP糖蛋白誘導による。 |
|
ドルテグラビル及びリルピビリンの血中濃度が低下することがある。 |
フェニトインの肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用及びUGT1A1誘導作用による。 |
|
カボテグラビルの血漿中濃度が低下し、効果が減弱するおそれがある。 |
フェニトインのUGT1A1誘導作用による。 |
|
レナカパビルの血漿中濃度が低下するため、レナカパビルの効果が減弱し、レナカパビルに対する耐性が発現する可能性がある。 |
フェニトインの強いCYP3A、P-gp及びUGT1A1誘導作用による。 |
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
(1)これらの薬剤が肝代謝を抑制すると考えられている。 |
||
(1)機序は不明である。 |
||
(1)、(2)機序は不明である。 |
||
(1)カルバマゼピンが肝代謝を抑制する。 |
||
(1)バルプロ酸が肝代謝を抑制する。 (4)機序は不明である。 |
||
これらの薬剤の血中濃度が低下することがある 注2) 。 |
フェニトインがこれらの薬剤のグルクロン酸抱合を促進する。 |
|
これらの薬剤の血中濃度が低下することがある 注2) 。 |
フェニトインのUGT1A4及び/又はP糖蛋白誘導による。 |
|
(1)フェニトインの血中濃度が上昇することがある
注1)
。 |
(1)クマリン系抗凝血剤が肝代謝を抑制する。 |
|
フェニトインの血中濃度が上昇することがある 注1) 。 |
これらの薬剤又は代謝物が肝代謝を抑制すると考えられている。 |
|
フェニトインの血中濃度が上昇することがある 注1) 。 |
機序は不明である。 |
|
(1)機序は不明である。 |
||
フェニトインの血中濃度が低下することがある 注3) 。 |
これらの薬剤の肝薬物代謝酵素誘導による。 |
|
フェニトインの血中濃度が低下することがある 注3) 。 |
機序は不明である。 |
|
イリノテカンの活性代謝物の血中濃度が低下し、作用が減弱することがあるので、併用を避けることが望ましい。 |
フェニトインの肝薬物代謝酵素誘導による。 |
|
これらの薬剤の血中濃度が低下することがある 注2) 。 |
フェニトインの肝薬物代謝酵素誘導による。 |
|
これらの薬剤の血中濃度が低下することがある 注2) 。 |
フェニトインの肝薬物代謝酵素誘導による。 |
|
これらの薬剤の血中濃度が低下することがある 注2) 。 |
フェニトインの肝薬物代謝酵素及びP糖蛋白誘導による。 |
|
これらの薬剤の血中濃度が低下することがある 注2) 。 |
フェニトインのP糖蛋白誘導による。 |
|
これらの薬剤の血中濃度が低下することがある 注2) 。 |
フェニトインの肝薬物代謝酵素誘導による。また、フェニトインが吸収を阻害する。 |
|
これらの薬剤の血中濃度が低下することがある 注2) 。 |
機序は不明である。 |
|
これらの薬剤の血中濃度が低下することがある 注2) 。 |
フェニトインがカスポファンギンの取り込み輸送過程に影響し、カスポファンギンのクリアランス誘導が起こると考えられている。 |
|
ドルテグラビルの血中濃度が低下することがある。 |
フェニトインの肝薬物代謝酵素(CYP3A)及びUGT1A1誘導作用による。 |
|
ドキシサイクリンの血中濃度半減期が短縮することがある。 |
フェニトインの肝薬物代謝酵素誘導による。 |
|
アルベンダゾールの活性代謝物の血中濃度が低下し、効果が減弱することがある。 |
機序は不明である。 |
|
フェニトインを長期前投与した場合、非脱分極性筋弛緩剤の作用が減弱することがある。 |
機序は不明である。 |
|
血糖降下剤の作用が減弱され、高血糖を起こすことがあるので、血糖の上昇に注意すること。 |
フェニトインのインスリン分泌抑制作用による。 |
|
クル病、骨軟化症があらわれやすい。 |
フェニトインによるビタミンD不活性化促進、アセタゾラミドによる代謝性アシドーシス、腎尿細管障害の影響が考えられている。 |
|
フェニトインの長期連用者は、アセトアミノフェンの代謝物による肝障害を生じやすくなる。 |
フェニトインの肝薬物代謝酵素誘導により、アセトアミノフェンから肝毒性を持つN-アセチル-p-ベンゾキノンイミンへの代謝が促進されると考えられている。 |
|
(1)ALT及びASTが上昇するおそれがあるので、併用は可能な限り避けること。やむを得ず併用する場合には、肝機能検査を実施する等の十分な観察を行うこと。 |
(1)機序は不明である。 |
|
フェニトインの代謝が促進され、血中濃度が低下するおそれがあるので、本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること。 |
セイヨウオトギリソウの肝薬物代謝酵素誘導によると考えられている。 |
11. 副作用
11.1 重大な副作用
-
11.1.1 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(いずれも頻度不明)
発熱、紅斑、水疱・びらん、そう痒感、咽頭痛、眼充血、口内炎等の異常が認められた場合には、投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
-
11.1.2 過敏症症候群(頻度不明)
初期症状として発疹、発熱がみられ、さらにリンパ節腫脹、肝機能障害等の臓器障害、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)等のウイルスの再活性化を伴うことが多く、発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。
-
11.1.3 SLE様症状(頻度不明)
発熱、紅斑、関節痛、肺炎、白血球減少、血小板減少、抗核抗体陽性等が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 11.1.4 再生不良性貧血、汎血球減少、無顆粒球症、単球性白血病、血小板減少、溶血性貧血、赤芽球癆(いずれも頻度不明)
-
11.1.5 劇症肝炎、肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)
著しいAST、ALT、γ-GTPの上昇や黄疸が認められた場合には、投与を中止すること。[8.3 参照],[9.3 参照]
-
11.1.6 間質性肺炎(頻度不明)
発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎(肺臓炎)があらわれた場合には、投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
-
11.1.7 心停止、心室細動、呼吸停止(いずれも頻度不明)
投与速度や患者の状態により、これらの症状があらわれることがある。[2.2 参照],[7.1 参照],[8.1 参照],[9.1.1 参照],[9.1.2 参照],[9.1.3 参照],[9.1.4 参照],[9.2 参照],[9.3 参照],[9.8.1 参照]
- 11.1.8 強直発作(頻度不明)
- 11.1.9 悪性リンパ腫、リンパ節腫脹(いずれも頻度不明)
-
11.1.10 小脳萎縮(頻度不明)
長期投与例であらわれることがある。[8.5 参照]
-
11.1.11 横紋筋融解症(頻度不明)
筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意すること。
- 11.1.12 急性腎障害、間質性腎炎(いずれも頻度不明)
-
11.1.13 悪性症候群(頻度不明)
発熱、意識障害、筋強剛、不随意運動、発汗、頻脈等があらわれた場合には、本剤の投与中止、体冷却、水分補給、呼吸管理等の適切な処置を行うこと。本症発症時には、白血球の増加や血清CKの上昇がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられることがある。
11.2 その他の副作用
5%以上 |
1~5%未満 |
頻度不明 |
|
|---|---|---|---|
過敏症 |
アレルギー反応 |
蕁麻疹、中毒性皮疹 |
|
感染症 |
敗血症 |
||
血液及びリンパ系 |
白血球増加症 |
貧血、白血球減少症 |
|
内分泌系 |
尿崩症 |
||
代謝及び栄養 |
血糖値上昇 |
低カルシウム血症、アシドーシス |
|
精神神経系 |
眼振、めまい、ふらつき、傾眠、失調性歩行 |
頭痛、片頭痛、昏睡、落ち着きのなさ、気分不良、浮遊感、倦怠感、睡眠障害、意識レベル低下、振戦、錯乱状態、失神、協調運動異常、反射亢進、頭蓋内圧上昇、動作緩慢、歩行障害、構語障害、反射減弱、多幸感、感覚鈍麻、神経過敏、うつ病、感情不安定、人格障害、運動過多、ニューロパシー、ミオクローヌス、錯感覚、不安、嗅覚錯誤、錐体外路障害、伸展性足底反応 |
脳症、せん妄 |
眼 |
複視、弱視 |
||
耳 |
耳鳴、難聴 |
聴覚過敏 |
|
心及び血管系 |
血圧低下 |
心拍数増加、血圧上昇、頻脈、動悸、徐脈、チアノーゼ、不整脈、血管炎 |
心不全、ショック、心房細動、房室ブロック、播種性血管内凝固、心筋梗塞、血栓症 |
呼吸器 |
呼吸数増加、呼吸数減少、過換気、咳嗽、しゃっくり |
呼吸不全、無呼吸、肺炎、慢性閉塞性肺疾患 |
|
胃腸 |
悪心、嘔吐、下痢、腹痛、便秘、味覚異常 |
嚥下障害 |
|
肝胆道系 |
肝機能異常 |
ALT上昇 |
AST上昇、γ-GTP上昇、胆汁うっ滞 |
皮膚及び皮下組織 |
そう痒症 |
水疱、発疹、斑状丘疹状皮疹、皮膚変色、斑状出血、多汗症、口唇炎 |
紅斑性皮疹、紅斑、血管浮腫 |
筋骨格系 |
筋痛、関節痛、背部痛、筋力低下、筋痙攣 |
CK上昇 |
|
腎及び尿路 |
尿蛋白陽性 |
乏尿、血尿 |
|
全身及び投与局所 |
発熱 |
疼痛、浮腫、無力症、胸痛、口渇、注射部位腫脹、注射部位紅斑、注射部位疼痛、注射部位硬結、注射部位内出血、擦過部位腫脹 |
多臓器不全、溢血 |
12. 臨床検査結果に及ぼす影響
本剤投与後2時間は免疫分析法による血中フェニトイン濃度測定を行わないこと。ホスフェニトインとフェニトインの交叉反応性のため、血中フェニトイン濃度を過大評価する可能性がある。[7.3 参照]
15. その他の注意
15.1 臨床使用に基づく情報
- 15.1.1 フェニトイン製剤では、血清免疫グロブリン(IgA、IgG等)の異常があらわれることがある。
- 15.1.2 フェニトイン製剤では、経腸栄養剤を投与中の患者で、血中フェニトイン濃度が低下したとの報告がある。
- 15.1.3 5日間を超える投与期間においては、安全性及び有効性の体系的な評価は行われていない。
- 15.1.4 フェニトインと他の抗てんかん薬(フェノバルビタール、カルバマゼピン)との間に交差過敏症(過敏症症候群を含む皮膚過敏症)を起こしたとの報告がある。
- 15.1.5 海外で実施された複数の抗てんかん薬における、てんかん、精神疾患等を対象とした199のプラセボ対照臨床試験の検討結果において、自殺念慮及び自殺企図の発現のリスクが、抗てんかん薬の服用群でプラセボ群と比較して約2倍高く(抗てんかん薬服用群:0.43%、プラセボ群:0.24%)、抗てんかん薬の服用群では、プラセボ群と比べ1,000人あたり1.9人多いと計算された(95%信頼区間:0.6〜3.9)。また、てんかん患者のサブグループでは、プラセボ群と比べ1,000人あたり2.4人多いと計算されている。
2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)
- 2.1 本剤の成分又はヒダントイン系化合物に対し過敏症の患者
- 2.2 洞性徐脈、高度の刺激伝導障害のある患者[11.1.7 参照]
- 2.3 **,*タダラフィル(肺高血圧症を適応とする場合)、マシテンタン、チカグレロル、アルテメテル・ルメファントリン、ダルナビル・コビシスタット、ドラビリン、ルラシドン、リルピビリン、イサブコナゾニウム硫酸塩、エンシトレルビル フマル酸、ミフェプリストン・ミソプロストール、ニルマトレルビル・リトナビル、リルピビリン・テノホビル アラフェナミド・エムトリシタビン、ビクテグラビル・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド、エルビテグラビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド、ダルナビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド、ソホスブビル・ベルパタスビル、ソホスブビル、レジパスビル・ソホスブビル、ドルテグラビル・リルピビリン、カボテグラビル、レナカパビルナトリウムを投与中の患者[10.1 参照]
5. 効能又は効果に関連する注意
フェニトインを経口投与しているてんかん患者における一時的な代替療法に用いる場合には、フェニトインの経口投与により発作がコントロールされているてんかん患者で、一時的にフェニトインの経口投与が不可能となった場合にのみ投与すること。
6. 用法及び用量
通常、成人又は2歳以上の小児には、以下の用法及び用量にて投与すること。
-
〈てんかん重積状態〉
初回投与:ホスフェニトインナトリウムとして22.5mg/kgを静脈内投与する。投与速度は3mg/kg/分又は150mg/分のいずれか低い方を超えないこと。
維持投与:ホスフェニトインナトリウムとして5〜7.5mg/kg/日を1回又は分割にて静脈内投与する。投与速度は1mg/kg/分又は75mg/分のいずれか低い方を超えないこと。 -
〈脳外科手術又は意識障害(頭部外傷等)時のてんかん発作の発現抑制〉
初回投与:ホスフェニトインナトリウムとして15〜18mg/kgを静脈内投与する。投与速度は1mg/kg/分又は75mg/分のいずれか低い方を超えないこと。
維持投与:ホスフェニトインナトリウムとして5〜7.5mg/kg/日を1回又は分割にて静脈内投与する。投与速度は1mg/kg/分又は75mg/分のいずれか低い方を超えないこと。 -
〈フェニトインを経口投与しているてんかん患者における一時的な代替療法〉
ホスフェニトインナトリウムとして経口フェニトインの1日投与量の1.5倍量を、1日1回又は分割にて静脈内投与する。投与速度は1mg/kg/分又は75mg/分のいずれか低い方を超えないこと。
7. 用法及び用量に関連する注意
- 7.1 急速に静脈内投与した場合、心停止、一過性の血圧低下、呼吸抑制等の循環・呼吸障害を起こすことがあるので、用法・用量を遵守すること。また、衰弱の著しい患者、高齢者、心疾患、肝障害又は腎障害のある患者等では、通常の投与速度よりも、より緩徐に投与するなど注意すること。[9.1.1 参照],[9.1.2 参照],[9.1.3 参照],[9.1.4 参照],[9.2 参照],[9.3 参照],[9.8.1 参照],[11.1.7 参照]
- 7.2 維持投与は、初回投与から12〜24時間あけて行うこと。また、本剤を投与しても発作が止まらない場合、他の抗てんかん薬の投与を考慮し、本剤の追加投与はしないこと。血漿蛋白との結合部位においてホスフェニトインとフェニトインの置換が生じることにより、血中非結合型フェニトイン濃度が上昇するおそれがある。
- 7.3 初回投与、維持投与前には、可能な限り血中フェニトイン濃度を測定し、過量投与とならないよう注意すること。なお、初回投与時に神経症状等が発現した患者では、血中フェニトイン濃度の測定を行うとともに、維持投与速度の減速を考慮すること。[12 参照]
- 7.4 経口投与が可能になった場合は速やかに経口フェニトイン製剤に切り替えること。国内では、3日間を超えて連用した経験がない。
- 7.5 本薬(ホスフェニトインナトリウムとして)の分子量はフェニトインナトリウムの約1.5倍である。
- 7.6 フェニトインを経口投与しているてんかん患者における一時的な代替療法における用法は、フェニトイン経口投与時と同じ用法とすること。
8. 重要な基本的注意
- 8.1 投与に際しては、心電図、血圧、呼吸機能等のバイタルサインのモニタリングを実施するなど、慎重に患者の状態を観察すること。また、意識障害、血圧低下、心抑制、呼吸障害があらわれた場合には、直ちに適切な処置を行うこと。[11.1.7 参照]
- 8.2 連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、てんかん重積状態があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。[9.1.1 参照],[9.8.2 参照]
- 8.3 連用する場合には、定期的に肝・腎機能、血液検査を行うことが望ましい。[9.1.4 参照],[9.1.5 参照],[9.2 参照],[9.3 参照],[11.1.4 参照],[11.1.5 参照],[11.1.12 参照]
- 8.4 本剤投与中の患者には自動車の運転など危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがある。
- 8.5 長期投与例で、小脳萎縮があらわれることがあり、持続したフェニトインの血中濃度上昇との関連が示唆されているので、小脳症状(眼振、構音障害、運動失調等)に注意し、定期的に検査を行うこと。[11.1.10 参照]
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
-
9.1.1 虚弱者
連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、てんかん重積状態があらわれることがある。また、心停止、呼吸停止が起こりやすい。[7.1 参照],[8.2 参照],[11.1.7 参照]
-
9.1.2 低血圧のある患者
心停止、呼吸停止が起こりやすい。[7.1 参照],[11.1.7 参照]
-
9.1.3 心疾患のある患者
心停止、呼吸停止が起こりやすい。[7.1 参照],[11.1.7 参照]
-
9.1.4 低アルブミン血症の患者
血中非結合型フェニトイン濃度が上昇するおそれがある。[7.1 参照],[8.3 参照],[11.1.7 参照]
-
9.1.5 血液障害のある患者
血液障害が悪化するおそれがある。[8.3 参照],[11.1.4 参照]
-
9.1.6 甲状腺機能低下症の患者
甲状腺機能の異常をきたすおそれがある。
-
9.1.7 糖尿病の患者
2型糖尿病の患者で、高血糖を起こしたとの報告がある。
9.2 腎機能障害患者
腎機能障害のある患者を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。血中非結合型フェニトイン濃度が上昇するおそれがある。[7.1 参照],[8.3 参照],[11.1.7 参照],[11.1.12 参照],[16.6.1 参照]
9.3 肝機能障害患者
肝機能障害のある患者を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。肝障害の悪化、また、血中非結合型フェニトイン濃度が上昇するおそれがある。[7.1 参照],[8.3 参照],[11.1.5 参照],[11.1.7 参照],[16.6.1 参照]
9.5 妊婦
-
9.5.1 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性(母体のてんかん発作頻発を防ぎ、胎児を低酸素状態から守る)が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
- (1) 妊娠中にフェニトインを投与された患者の中に、口唇裂、口蓋裂、心奇形等を有する児を出産した例が多いとの疫学的調査報告がある。
- (2) 妊娠中のフェニトイン投与により、児に腫瘍(神経芽細胞腫等)がみられたとの報告がある。
- (3) 妊娠中のフェニトイン投与により、新生児に出血傾向があらわれることがある。
- (4) 本薬をラットの交配前から妊娠期間中に投与した場合、胎児の脳及び心血管系等に奇形がみられた。また、周産期の投与では、母動物に分娩の遅延、致死量の低下がみられ、新生児に回避行動の増加傾向がみられた。
- (5) 妊娠期間中にフェニトインを投与されたラットの新生児においては、行動発達の抑制、自発運動の増加あるいは減少、異常回転運動、迷路学習の抑制等の報告がある。
- 9.5.2 妊娠中にやむを得ず本剤を投与する場合には、可能な限り単独投与することが望ましい。
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。ヒト1) 、ラット及びウサギにおいて、乳汁中へ移行することが報告されている。
9.7 小児等
2歳未満の幼児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
- 9.8.1 本剤の初回投与量の減量又は投与速度の減速を考慮し、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。心抑制、呼吸抑制が起こりやすい。[7.1 参照],[11.1.7 参照]
- 9.8.2 投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、てんかん重積状態があらわれることがある。[8.2 参照]
10. 相互作用
- 本剤は、フェニトインのプロドラッグである。フェニトインは、主として薬物代謝酵素CYP2C92) 及び一部CYP2C193) で代謝される。また、CYP3A4、CYP2B6及びP糖蛋白の誘導作用を有する4) 。[16.4 参照]
10.1 併用禁忌(併用しないこと)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
|
これらの薬剤の代謝が促進され、血中濃度が低下することがある。 |
フェニトインの肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導による。 |
|
ミフェプリストンの代謝が促進され、血中濃度が低下し効果が減弱するおそれがあるので、本剤の影響がなくなるまで投与しないこと。 |
フェニトインの肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導による。 |
|
ニルマトレルビル及びリトナビルの血中濃度が低下するため、効果が減弱し、耐性が発現する可能性がある。 |
フェニトインの肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用による。 |
|
リルピビリン及びテノホビル アラフェナミドの血中濃度が低下することがある。 |
フェニトインの肝薬物代謝酵素(CYP3A)及びP糖蛋白誘導による。 |
|
ビクテグラビル及びテノホビル アラフェナミドの血漿中濃度が低下するため、効果が減弱し、耐性が発現する可能性がある。 |
フェニトインの肝薬物代謝酵素(CYP3A)及びP糖蛋白誘導による。 |
|
ダルナビル、コビシスタット及びテノホビル アラフェナミドの血中濃度が低下することがある。 |
フェニトインの肝薬物代謝酵素(CYP3A)及びP糖蛋白誘導による。 |
|
エルビテグラビル、コビシスタット及びテノホビル アラフェナミドの血中濃度が低下することがある。 |
フェニトインの肝薬物代謝酵素(CYP3A)及びP糖蛋白誘導による。 |
|
ソホスブビル及びベルパタスビルの血漿中濃度が低下することがある。 |
フェニトインの肝薬物代謝酵素(CYP3A)及びP糖蛋白誘導による。 |
|
これらの薬剤の血漿中濃度が低下することがある。 |
フェニトインのP糖蛋白誘導による。 |
|
ドルテグラビル及びリルピビリンの血中濃度が低下することがある。 |
フェニトインの肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用及びUGT1A1誘導作用による。 |
|
カボテグラビルの血漿中濃度が低下し、効果が減弱するおそれがある。 |
フェニトインのUGT1A1誘導作用による。 |
|
レナカパビルの血漿中濃度が低下するため、レナカパビルの効果が減弱し、レナカパビルに対する耐性が発現する可能性がある。 |
フェニトインの強いCYP3A、P-gp及びUGT1A1誘導作用による。 |
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
(1)これらの薬剤が肝代謝を抑制すると考えられている。 |
||
(1)機序は不明である。 |
||
(1)、(2)機序は不明である。 |
||
(1)カルバマゼピンが肝代謝を抑制する。 |
||
(1)バルプロ酸が肝代謝を抑制する。 (4)機序は不明である。 |
||
これらの薬剤の血中濃度が低下することがある 注2) 。 |
フェニトインがこれらの薬剤のグルクロン酸抱合を促進する。 |
|
これらの薬剤の血中濃度が低下することがある 注2) 。 |
フェニトインのUGT1A4及び/又はP糖蛋白誘導による。 |
|
(1)フェニトインの血中濃度が上昇することがある
注1)
。 |
(1)クマリン系抗凝血剤が肝代謝を抑制する。 |
|
フェニトインの血中濃度が上昇することがある 注1) 。 |
これらの薬剤又は代謝物が肝代謝を抑制すると考えられている。 |
|
フェニトインの血中濃度が上昇することがある 注1) 。 |
機序は不明である。 |
|
(1)機序は不明である。 |
||
フェニトインの血中濃度が低下することがある 注3) 。 |
これらの薬剤の肝薬物代謝酵素誘導による。 |
|
フェニトインの血中濃度が低下することがある 注3) 。 |
機序は不明である。 |
|
イリノテカンの活性代謝物の血中濃度が低下し、作用が減弱することがあるので、併用を避けることが望ましい。 |
フェニトインの肝薬物代謝酵素誘導による。 |
|
これらの薬剤の血中濃度が低下することがある 注2) 。 |
フェニトインの肝薬物代謝酵素誘導による。 |
|
これらの薬剤の血中濃度が低下することがある 注2) 。 |
フェニトインの肝薬物代謝酵素誘導による。 |
|
これらの薬剤の血中濃度が低下することがある 注2) 。 |
フェニトインの肝薬物代謝酵素及びP糖蛋白誘導による。 |
|
これらの薬剤の血中濃度が低下することがある 注2) 。 |
フェニトインのP糖蛋白誘導による。 |
|
これらの薬剤の血中濃度が低下することがある 注2) 。 |
フェニトインの肝薬物代謝酵素誘導による。また、フェニトインが吸収を阻害する。 |
|
これらの薬剤の血中濃度が低下することがある 注2) 。 |
機序は不明である。 |
|
これらの薬剤の血中濃度が低下することがある 注2) 。 |
フェニトインがカスポファンギンの取り込み輸送過程に影響し、カスポファンギンのクリアランス誘導が起こると考えられている。 |
|
ドルテグラビルの血中濃度が低下することがある。 |
フェニトインの肝薬物代謝酵素(CYP3A)及びUGT1A1誘導作用による。 |
|
ドキシサイクリンの血中濃度半減期が短縮することがある。 |
フェニトインの肝薬物代謝酵素誘導による。 |
|
アルベンダゾールの活性代謝物の血中濃度が低下し、効果が減弱することがある。 |
機序は不明である。 |
|
フェニトインを長期前投与した場合、非脱分極性筋弛緩剤の作用が減弱することがある。 |
機序は不明である。 |
|
血糖降下剤の作用が減弱され、高血糖を起こすことがあるので、血糖の上昇に注意すること。 |
フェニトインのインスリン分泌抑制作用による。 |
|
クル病、骨軟化症があらわれやすい。 |
フェニトインによるビタミンD不活性化促進、アセタゾラミドによる代謝性アシドーシス、腎尿細管障害の影響が考えられている。 |
|
フェニトインの長期連用者は、アセトアミノフェンの代謝物による肝障害を生じやすくなる。 |
フェニトインの肝薬物代謝酵素誘導により、アセトアミノフェンから肝毒性を持つN-アセチル-p-ベンゾキノンイミンへの代謝が促進されると考えられている。 |
|
(1)ALT及びASTが上昇するおそれがあるので、併用は可能な限り避けること。やむを得ず併用する場合には、肝機能検査を実施する等の十分な観察を行うこと。 |
(1)機序は不明である。 |
|
フェニトインの代謝が促進され、血中濃度が低下するおそれがあるので、本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること。 |
セイヨウオトギリソウの肝薬物代謝酵素誘導によると考えられている。 |
11. 副作用
11.1 重大な副作用
-
11.1.1 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(いずれも頻度不明)
発熱、紅斑、水疱・びらん、そう痒感、咽頭痛、眼充血、口内炎等の異常が認められた場合には、投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
-
11.1.2 過敏症症候群(頻度不明)
初期症状として発疹、発熱がみられ、さらにリンパ節腫脹、肝機能障害等の臓器障害、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)等のウイルスの再活性化を伴うことが多く、発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。
-
11.1.3 SLE様症状(頻度不明)
発熱、紅斑、関節痛、肺炎、白血球減少、血小板減少、抗核抗体陽性等が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 11.1.4 再生不良性貧血、汎血球減少、無顆粒球症、単球性白血病、血小板減少、溶血性貧血、赤芽球癆(いずれも頻度不明)
-
11.1.5 劇症肝炎、肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)
著しいAST、ALT、γ-GTPの上昇や黄疸が認められた場合には、投与を中止すること。[8.3 参照],[9.3 参照]
-
11.1.6 間質性肺炎(頻度不明)
発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎(肺臓炎)があらわれた場合には、投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
-
11.1.7 心停止、心室細動、呼吸停止(いずれも頻度不明)
投与速度や患者の状態により、これらの症状があらわれることがある。[2.2 参照],[7.1 参照],[8.1 参照],[9.1.1 参照],[9.1.2 参照],[9.1.3 参照],[9.1.4 参照],[9.2 参照],[9.3 参照],[9.8.1 参照]
- 11.1.8 強直発作(頻度不明)
- 11.1.9 悪性リンパ腫、リンパ節腫脹(いずれも頻度不明)
-
11.1.10 小脳萎縮(頻度不明)
長期投与例であらわれることがある。[8.5 参照]
-
11.1.11 横紋筋融解症(頻度不明)
筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意すること。
- 11.1.12 急性腎障害、間質性腎炎(いずれも頻度不明)
-
11.1.13 悪性症候群(頻度不明)
発熱、意識障害、筋強剛、不随意運動、発汗、頻脈等があらわれた場合には、本剤の投与中止、体冷却、水分補給、呼吸管理等の適切な処置を行うこと。本症発症時には、白血球の増加や血清CKの上昇がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられることがある。
11.2 その他の副作用
5%以上 |
1~5%未満 |
頻度不明 |
|
|---|---|---|---|
過敏症 |
アレルギー反応 |
蕁麻疹、中毒性皮疹 |
|
感染症 |
敗血症 |
||
血液及びリンパ系 |
白血球増加症 |
貧血、白血球減少症 |
|
内分泌系 |
尿崩症 |
||
代謝及び栄養 |
血糖値上昇 |
低カルシウム血症、アシドーシス |
|
精神神経系 |
眼振、めまい、ふらつき、傾眠、失調性歩行 |
頭痛、片頭痛、昏睡、落ち着きのなさ、気分不良、浮遊感、倦怠感、睡眠障害、意識レベル低下、振戦、錯乱状態、失神、協調運動異常、反射亢進、頭蓋内圧上昇、動作緩慢、歩行障害、構語障害、反射減弱、多幸感、感覚鈍麻、神経過敏、うつ病、感情不安定、人格障害、運動過多、ニューロパシー、ミオクローヌス、錯感覚、不安、嗅覚錯誤、錐体外路障害、伸展性足底反応 |
脳症、せん妄 |
眼 |
複視、弱視 |
||
耳 |
耳鳴、難聴 |
聴覚過敏 |
|
心及び血管系 |
血圧低下 |
心拍数増加、血圧上昇、頻脈、動悸、徐脈、チアノーゼ、不整脈、血管炎 |
心不全、ショック、心房細動、房室ブロック、播種性血管内凝固、心筋梗塞、血栓症 |
呼吸器 |
呼吸数増加、呼吸数減少、過換気、咳嗽、しゃっくり |
呼吸不全、無呼吸、肺炎、慢性閉塞性肺疾患 |
|
胃腸 |
悪心、嘔吐、下痢、腹痛、便秘、味覚異常 |
嚥下障害 |
|
肝胆道系 |
肝機能異常 |
ALT上昇 |
AST上昇、γ-GTP上昇、胆汁うっ滞 |
皮膚及び皮下組織 |
そう痒症 |
水疱、発疹、斑状丘疹状皮疹、皮膚変色、斑状出血、多汗症、口唇炎 |
紅斑性皮疹、紅斑、血管浮腫 |
筋骨格系 |
筋痛、関節痛、背部痛、筋力低下、筋痙攣 |
CK上昇 |
|
腎及び尿路 |
尿蛋白陽性 |
乏尿、血尿 |
|
全身及び投与局所 |
発熱 |
疼痛、浮腫、無力症、胸痛、口渇、注射部位腫脹、注射部位紅斑、注射部位疼痛、注射部位硬結、注射部位内出血、擦過部位腫脹 |
多臓器不全、溢血 |
12. 臨床検査結果に及ぼす影響
本剤投与後2時間は免疫分析法による血中フェニトイン濃度測定を行わないこと。ホスフェニトインとフェニトインの交叉反応性のため、血中フェニトイン濃度を過大評価する可能性がある。[7.3 参照]
15. その他の注意
15.1 臨床使用に基づく情報
- 15.1.1 フェニトイン製剤では、血清免疫グロブリン(IgA、IgG等)の異常があらわれることがある。
- 15.1.2 フェニトイン製剤では、経腸栄養剤を投与中の患者で、血中フェニトイン濃度が低下したとの報告がある。
- 15.1.3 5日間を超える投与期間においては、安全性及び有効性の体系的な評価は行われていない。
- 15.1.4 フェニトインと他の抗てんかん薬(フェノバルビタール、カルバマゼピン)との間に交差過敏症(過敏症症候群を含む皮膚過敏症)を起こしたとの報告がある。
- 15.1.5 海外で実施された複数の抗てんかん薬における、てんかん、精神疾患等を対象とした199のプラセボ対照臨床試験の検討結果において、自殺念慮及び自殺企図の発現のリスクが、抗てんかん薬の服用群でプラセボ群と比較して約2倍高く(抗てんかん薬服用群:0.43%、プラセボ群:0.24%)、抗てんかん薬の服用群では、プラセボ群と比べ1,000人あたり1.9人多いと計算された(95%信頼区間:0.6〜3.9)。また、てんかん患者のサブグループでは、プラセボ群と比べ1,000人あたり2.4人多いと計算されている。