薬効分類名抗てんかん剤、躁病・躁状態治療剤、片頭痛治療剤

一般的名称バルプロ酸ナトリウム

バルプロ酸ナトリウム徐放錠A100mg「トーワ」、バルプロ酸ナトリウム徐放錠A200mg「トーワ」

SODIUM VALPROATE SR TABLETS 100mg “TOWA”, SODIUM VALPROATE SR TABLETS 200mg “TOWA”

製造販売元/東和薬品株式会社

第6版
禁忌相互作用合併症・既往歴等のある患者腎機能障害患者肝機能障害患者生殖能を有する者妊婦授乳婦小児等高齢者

重大な副作用

頻度
副作用
頻度不明
劇症肝炎等の重篤な肝障害
頻度不明
頻度不明
頻度不明
頻度不明
頻度不明
頻度不明
頻度不明
頻度不明
頻度不明
頻度不明
頻度不明
頻度不明
頻度不明
頻度不明
頻度不明
頻度不明

その他の副作用

部位
頻度
副作用
血液系
0.1~5%未満
血液系
0.1%未満
血液系
頻度不明
脳・神経
0.1~5%未満
脳・神経
0.1%未満
不眠不穏感覚変化振戦
脳・神経
頻度不明
胃腸・消化器系
0.1~5%未満
胃腸・消化器系
0.1%未満
胃腸・消化器系
頻度不明
肝臓まわり
0.1~5%未満
肺・呼吸
頻度不明
胸膜炎胸水好酸球性を含む)
皮膚
0.1%未満
免疫系
0.1~5%未満
腎・尿路
0.1%未満
腎・尿路
頻度不明
その他
0.1~5%未満
その他
0.1%未満
鼻血口渇浮腫
その他
頻度不明

詳細情報

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注意以下の情報は参考資料としてご活用下さい

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  • 〈効能共通〉
    1. 2.1 重篤な肝障害のある患者[9.3.1 参照]
    2. 2.2 カルバペネム系抗生物質を投与中の患者[10.1 参照]
    3. 2.3 尿素サイクル異常症の患者[重篤な高アンモニア血症があらわれることがある。]
  • 〈片頭痛発作の発症抑制〉
    1. 2.4 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5.1 参照]

3. 組成・性状

3.1 組成

バルプロ酸ナトリウム徐放錠A100mg「トーワ」

有効成分 1錠中  
日局 バルプロ酸ナトリウム   100mg
添加剤 **メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、エチルセルロース、ヒプロメロース、グリセリン脂肪酸エステル、タルク、白糖、沈降炭酸カルシウム、ポリオキシエチレン(105)ポリオキシプロピレン(5)グリコール、アラビアゴム末、酸化チタン、ステアリン酸
バルプロ酸ナトリウム徐放錠A200mg「トーワ」

有効成分 1錠中  
日局 バルプロ酸ナトリウム   200mg
添加剤 **メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、エチルセルロース、ヒプロメロース、グリセリン脂肪酸エステル、タルク、白糖、沈降炭酸カルシウム、ポリオキシエチレン(105)ポリオキシプロピレン(5)グリコール、アラビアゴム末、酸化チタン、ステアリン酸

3.2 製剤の性状

バルプロ酸ナトリウム徐放錠A100mg「トーワ」

剤形 糖衣錠
色調 白色
外形 表面
裏面
側面
大きさ 直径 8.4mm
厚さ 5.6mm
質量 289mg
本体表示 バルプロ A 100 トーワ
バルプロ酸ナトリウム徐放錠A200mg「トーワ」

剤形 糖衣錠
色調 白色
外形 表面
裏面
側面
大きさ 直径 10.5mm
厚さ 6.6mm
質量 520mg
本体表示 バルプロ A 200 トーワ

4. 効能又は効果

  • 各種てんかん(小発作・焦点発作・精神運動発作ならびに混合発作)およびてんかんに伴う性格行動障害(不機嫌・易怒性等)の治療
  • 躁病および躁うつ病の躁状態の治療
  • 片頭痛発作の発症抑制

5. 効能又は効果に関連する注意

  • 〈片頭痛発作の発症抑制〉
    1. 5.1 本剤は、片頭痛発作の急性期治療のみでは日常生活に支障をきたしている患者にのみ投与すること。
    2. 5.2 本剤は発現した頭痛発作を緩解する薬剤ではないので、本剤投与中に頭痛発作が発現した場合には必要に応じて頭痛発作治療薬を頓用させること。投与前にこのことを患者に十分に説明しておくこと。

6. 用法及び用量

  • 〈各種てんかんおよびてんかんに伴う性格行動障害の治療、躁病および躁うつ病の躁状態の治療〉

    通常1日量バルプロ酸ナトリウムとして400~1200mgを1日1~2回に分けて経口投与する。
    ただし、年齢・症状に応じ適宜増減する。

  • 〈片頭痛発作の発症抑制〉

    通常1日量バルプロ酸ナトリウムとして400~800mgを1日1~2回に分けて経口投与する。
    なお、年齢・症状に応じ適宜増減するが、1日量として1000mgを超えないこと。

7. 用法及び用量に関連する注意

  • 〈躁病および躁うつ病の躁状態の治療〉

    バルプロ酸の躁病および躁うつ病の躁状態に対する、3週間以上の長期使用については、国内外の臨床試験で明確なエビデンスは得られていない1) ,2)

8. 重要な基本的注意

  • 〈効能共通〉
    1. 8.1 重篤な肝障害(投与初期6ヵ月以内に多い)があらわれることがあるので、投与初期6ヵ月間は定期的に肝機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。その後も連用中は定期的に肝機能検査を行うことが望ましい。[11.1.1 参照]
    2. 8.2 高アンモニア血症を伴う意識障害があらわれることがあるので、定期的にアンモニア値を測定するなど観察を十分に行うこと。[10.2 参照],[11.1.2 参照]
    3. 8.3 連用中は定期的に腎機能検査、血液検査を行うことが望ましい。[11.1.3 参照],[11.1.5 参照]
    4. 8.4 他のバルプロ酸ナトリウム製剤を使用中の患者において使用薬剤を本剤に切り替える場合、血中濃度が変動することがあるので、血中濃度を測定することが望ましい。
  • 〈各種てんかんおよびてんかんに伴う性格行動障害の治療〉
    1. 8.5 *眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがある。自動車の運転等危険を伴う機械操作の適否は、関連学会の留意事項3) を十分理解の上、医師が慎重に判断し、危険を伴う機械操作を行う場合には十分な注意が必要であることを適切に患者に指導すること。また、眠気等があらわれた場合には、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事しないよう、患者に指導すること。
    2. 8.6 連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、てんかん重積状態があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。[9.1.6 参照],[9.8.2 参照]
  • 〈片頭痛発作の発症抑制〉
    1. 8.7 患者の日常生活への支障がなくなったら一旦本剤の投与を中止し、投与継続の必要性について検討すること。症状の改善が認められない場合には、漫然と投与を継続しないこと。
  • 〈躁病および躁うつ病の躁状態の治療、片頭痛発作の発症抑制〉
    1. 8.8 *眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  • 〈効能共通〉
  1. 9.1.1 薬物過敏症の既往歴のある患者
  2. 9.1.2 自殺企図の既往及び自殺念慮のある躁病及び躁うつ病の躁状態の患者

    自殺企図や自殺念慮が悪化するおそれがある。[15.1.1 参照]

  3. 9.1.3 尿素サイクル異常症が疑われる患者

    以下のような患者においては、本剤投与前にアミノ酸分析等の検査を考慮するとともに、本剤投与中は、アンモニア値の変動に注意し、十分な観察を行うこと。重篤な高アンモニア血症があらわれるおそれがある。[11.1.2 参照]

    • 原因不明の脳症若しくは原因不明の昏睡の既往のある患者
    • 尿素サイクル異常症又は原因不明の乳児死亡の家族歴のある患者
  4. 9.1.4 重篤な下痢のある患者

    本剤は製剤学的にバルプロ酸ナトリウムの溶出を制御して徐放化させたものであり、服用後一定時間消化管内に滞留する必要があるので、血中濃度が十分に上昇しない可能性がある。

  5. 9.1.5 腸管狭窄のある患者又は便秘のある患者

    錠剤の通過が妨げられ、腸閉塞や潰瘍形成をきたすことがある。

  • 〈各種てんかんおよびてんかんに伴う性格行動障害の治療〉
  1. 9.1.6 虚弱者
    • 投与を中止する場合には、徐々に減量するなど特に注意すること。[8.6 参照]

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1 腎機能障害患者

    蛋白結合率の低下等の要因により、遊離型薬物濃度が上昇するおそれがある。

  2. 9.2.2 血液透析患者

    血液透析による本剤の除去や蛋白結合能の変化により遊離型薬物濃度が低下するおそれがある。

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1 重篤な肝障害のある患者

    投与しないこと。肝障害が強くあらわれ致死的になるおそれがある。[2.1 参照]

  2. 9.3.2 肝機能障害又はその既往歴のある患者(重篤な肝障害のある患者を除く)

    肝機能障害が強くあらわれるおそれがある。[11.1.1 参照]

9.4 生殖能を有する者

妊娠する可能性のある女性に使用する場合には、本剤による催奇形性について十分に説明し、本剤の使用が適切であるか慎重に判断すること。本剤で催奇形性が認められている。[9.5.4 参照],[9.5.8 参照]

9.5 妊婦

  • 〈片頭痛発作の発症抑制〉
    1. 9.5.1 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないこと。[2.4 参照]
  • 〈各種てんかんおよびてんかんに伴う性格行動障害の治療、躁病および躁うつ病の躁状態の治療〉
    1. 9.5.2 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。
    2. 9.5.3 妊娠中にやむを得ず本剤を投与する場合、可能な限り単独投与することが望ましい。他の抗てんかん剤(特にカルバマゼピン)と併用時に、奇形を有する児を出産した例が本剤単独投与時と比較して多いとの疫学的調査報告がある。
  • 〈効能共通〉
    1. 9.5.4 二分脊椎児を出産した母親の中に、本剤の成分を妊娠初期に投与された例が対照群より多いとの疫学的調査報告があり、また、本剤の成分を投与された母親に、心室中隔欠損等の心奇形や多指症、口蓋裂、尿道下裂等の外表奇形、その他の奇形を有する児を出産したとの報告がある。また、特有の顔貌(前頭部突出、両眼離開、鼻根偏平、浅く長い人中溝、薄い口唇等)を有する児を出産したとの報告がある。[9.4 参照]
    2. 9.5.5 妊娠中の投与により、新生児に呼吸障害、肝障害、低フィブリノーゲン血症、低血糖、退薬症候(神経過敏、過緊張、痙攣、嘔吐)等があらわれるとの報告がある。
    3. 9.5.6 海外で実施された観察研究において、妊娠中に抗てんかん薬を投与されたてんかん患者からの出生児224例を対象に6歳時の知能指数(IQ)[平均値(95%信頼区間)]を比較した結果、本剤を投与されたてんかん患者からの出生児のIQ[98(95-102)]は、ラモトリギン[108(105-111)]、フェニトイン[109(105-113)]、カルバマゼピン[106(103-109)]を投与されたてんかん患者からの出生児のIQと比較して低かったとの報告がある。なお、本剤の投与量が1,000mg/日(本研究における中央値)未満の場合は[104(99-109)]、1,000mg/日を超える場合は[94(90-99)]であった4)
    4. 9.5.7 海外で実施された観察研究において、妊娠中に本剤を投与された母親からの出生児508例は、本剤を投与されていない母親からの出生児655,107例と比較して、自閉症発症リスクが高かったとの報告がある[調整ハザード比:2.9(95%信頼区間:1.7-4.9)]5)
    5. 9.5.8 動物実験(マウス)で、本剤が葉酸代謝を阻害し、新生児の先天性奇形に関与する可能性があるとの報告がある6) [9.4 参照]

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト母乳中へ移行することがある。

9.7 小児等

  • 〈効能共通〉
    1. 9.7.1 低出生体重児又は新生児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
  • 〈片頭痛発作の発症抑制〉
    1. 9.7.2 小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

  • 〈効能共通〉
    1. 9.8.1 用量に留意して慎重に投与すること。本剤は、血漿アルブミンとの結合性が強いが、高齢者では血漿アルブミンが減少していることが多いため、遊離の薬物の血中濃度が高くなるおそれがある。
  • 〈各種てんかんおよびてんかんに伴う性格行動障害の治療〉
    1. 9.8.2 投与を中止する場合には、徐々に減量するなど特に注意すること。[8.6 参照]
  • 〈片頭痛発作の発症抑制〉
    1. 9.8.3 高齢者を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

10. 相互作用

    10.1 併用禁忌(併用しないこと)

    薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子

    カルバペネム系抗生物質

    • パニペネム・ベタミプロン
      (カルベニン)
      メロペネム水和物
      (メロペン)
      イミペネム水和物・シラスタチン
      (チエナム)
    • レレバクタム水和物・イミペネム水和物・シラスタチン
      (レカルブリオ)
      ビアペネム
      (オメガシン)
      ドリペネム水和物
      (フィニバックス)
      テビペネム ピボキシル
      (オラペネム)

    [2.2 参照]

    てんかんの発作が再発することがある。

    バルプロ酸の血中濃度が低下する。

    10.2 併用注意(併用に注意すること)

    薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子

    バルビツール酸剤

    • フェノバルビタール等

    バルプロ酸の作用が減弱、左記薬剤の作用が増強することがある。

    左記薬剤がバルプロ酸の代謝を誘導し、バルプロ酸の血中濃度が低下する。また、左記薬剤の血中濃度を上昇させる7)

    フェニトイン
    カルバマゼピン

    バルプロ酸の作用が減弱、左記薬剤の作用が増強又は減弱することがある。

    左記薬剤がバルプロ酸の代謝を誘導し、バルプロ酸の血中濃度が低下する。また、左記薬剤の血中濃度を上昇又は低下させる7)

    フェニトイン

    ホスフェニトイン

    フェノバルビタール

    [8.2 参照],[11.1.2 参照]

    バルプロ酸による高アンモニア血症の発現リスクが高まるおそれがある。

    機序は不明である。

    エトスクシミド
    アミトリプチリン
    ノルトリプチリン

    左記薬剤の作用が増強することがある。

    左記薬剤の血中濃度を上昇させる。

    クロバザム

    バルプロ酸の作用が増強されることがある。

    機序は不明であるが、バルプロ酸の血中濃度が上昇する。

    ラモトリギン

    左記薬剤の消失半減期が約2倍延長するとの報告がある。

    肝におけるグルクロン酸抱合が競合する。

    ロラゼパム

    左記薬剤の消失半減期が延長することがある。

    肝におけるグルクロン酸抱合が競合する。

    グルクロン酸抱合を誘導する薬剤

    • リトナビル
    • ニルマトレルビル・リトナビル
    • ロピナビル・リトナビル配合剤等

    バルプロ酸の作用が減弱することがある。

    肝における本剤のグルクロン酸抱合が促進される。

    ベンゾジアゼピン系薬剤
      ジアゼパム等
    ワルファリン

    左記薬剤の作用が増強することがある。

    遊離型の左記薬剤の血中濃度を上昇させる。

    クロザピン

    左記薬剤の副作用(心筋炎および好中球減少症)が増強する可能性がある。

    機序は不明である。

    サリチル酸系薬剤

     アスピリン等

    バルプロ酸の作用が増強されることがある。

    遊離型バルプロ酸濃度が上昇する。また、バルプロ酸の代謝が阻害される。

    エリスロマイシン
    シメチジン

    バルプロ酸の作用が増強されることがある。

    左記薬剤が肝チトクロームP-450による薬物代謝を抑制し、バルプロ酸の血中濃度が上昇する。

    クロナゼパム

    アブサンス重積(欠神発作重積)があらわれたとの報告がある。

    機序は不明である。

    11. 副作用

    次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    11.1 重大な副作用

    1. 11.1.1 劇症肝炎等の重篤な肝障害、黄疸、脂肪肝等(いずれも頻度不明)

      肝障害とともに急激な意識障害があらわれることがある。[8.1 参照],[9.3.2 参照]

    2. 11.1.2 高アンモニア血症を伴う意識障害(頻度不明)

      [8.2 参照],[9.1.3 参照],[10.2 参照]

    3. 11.1.3 溶血性貧血、赤芽球癆、汎血球減少、重篤な血小板減少、顆粒球減少(いずれも頻度不明)

      [8.3 参照]

    4. 11.1.4 急性膵炎(頻度不明)

      激しい腹痛、発熱、嘔気、嘔吐等の症状があらわれたり、膵酵素値の上昇が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。

    5. 11.1.5 間質性腎炎、ファンコニー症候群(いずれも頻度不明)

      [8.3 参照]

    6. 11.1.6 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(いずれも頻度不明)
    7. 11.1.7 過敏症症候群(頻度不明)

      初期症状として発疹、発熱がみられ、さらにリンパ節腫脹、肝機能障害、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。

    8. 11.1.8 脳の萎縮、認知症様症状、パーキンソン様症状(いずれも頻度不明)

      認知症様症状として健忘、見当識障害、言語障害、寡動、知能低下、感情鈍麻等があらわれることがある。パーキンソン様症状として静止時振戦、硬直、姿勢・歩行異常等があらわれることがある。なお、これらの症状が発現した例では中止により、ほとんどが1~2ヵ月で回復している 。

    9. 11.1.9 横紋筋融解症(頻度不明)

      筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビンの上昇等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

    10. 11.1.10 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)(頻度不明)

      低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム量の増加、高張尿等があらわれた場合には、水分摂取の制限等の適切な処置を行うこと。

    11. 11.1.11 間質性肺炎、好酸球性肺炎(いずれも頻度不明)

      咳嗽、呼吸困難、発熱等が認められた場合には、速やかに胸部X線、胸部CT等の検査を実施すること。間質性肺炎、好酸球性肺炎が疑われた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。

    11.2 その他の副作用

    0.1~5%未満1)

    0.1%未満1)

    頻度不明

    血液

    貧血、白血球減少、好酸球増多

    低フィブリノーゲン血症

    血小板凝集能低下

    精神神経系

    傾眠、失調、めまい、頭痛

    不眠、不穏、感覚変化、振戦

    視覚異常、抑うつ

    消化器

    悪心・嘔吐、食欲不振

    胃部不快感、腹痛、下痢、食欲亢進

    口内炎、便秘

    肝臓

    AST上昇、ALT上昇、Al-P上昇

    呼吸器

    胸膜炎、胸水(好酸球性を含む)

    皮膚

    脱毛

    過敏症

    発疹

    泌尿器

    血尿、夜尿・頻尿

    尿失禁

    生殖器

    月経異常(月経不順、無月経)、多嚢胞性卵巣、精子数減少2)  、精子運動性低下2)

    その他

    倦怠感、高アンモニア血症、体重増加

    鼻血、口渇、浮腫

    歯肉肥厚、発熱、カルニチン減少

    1) 発現頻度は使用成績調査を含む。
    2) 本剤の投与中止後に、改善されたとの報告がある。

    13. 過量投与

    1. 13.1 症状

      誤飲や自殺企図による過量服用により意識障害(傾眠、昏睡)、痙攣、呼吸抑制、高アンモニア血症、脳水腫を起こした例が報告されている。外国では死亡例が報告されている。本剤は徐放性製剤であるため、症状が遅れてあらわれることがある。

    2. 13.2 処置

      下剤、活性炭投与を行い、尿排泄を促進させる。また、必要に応じて直接血液灌流、血液透析を行う。ナロキソンの投与が有効であったとする報告がある。

    14. 適用上の注意

    14.1 薬剤交付時の注意

    1. 14.1.1 本剤は嚙み砕かずに、水とともに服薬させること。
    2. 14.1.2 本剤の白色の残渣が糞便中に排泄される。
    3. 14.1.3 PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

    15. その他の注意

    15.1 臨床使用に基づく情報

    1. 15.1.1 海外で実施された本剤を含む複数の抗てんかん薬における、てんかん、精神疾患等を対象とした199のプラセボ対照臨床試験の検討結果において、自殺念慮及び自殺企図の発現のリスクが、抗てんかん薬の服用群でプラセボ群と比較して約2倍高く(抗てんかん薬服用群:0.43%、プラセボ群:0.24%)、抗てんかん薬の服用群では、プラセボ群と比べ1,000人あたり1.9人多いと計算された(95%信頼区間:0.6-3.9)。また、てんかん患者のサブグループでは、プラセボ群と比べ1,000人あたり2.4人多いと計算されている。[9.1.2 参照]
    2. 15.1.2 本剤との因果関係は明らかではないが、北欧で実施された観察研究において、受胎前の3ヵ月間に本剤に曝露した父親の児は、ラモトリギン又はレベチラセタムに曝露した父親の児と比較して、神経発達症リスクの増加を示唆する報告がある(調整ハザード比1.50 [95%信頼区間:1.09-2.07])8) 。一方で、てんかんを有する父親を対象とした海外で実施された観察研究において、受胎前の120日間に本剤に曝露した父親の児は、本剤に曝露していない父親の児と比較して、統計学的に有意な神経発達症リスクの増加は認められないとする報告もある9)

    2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

    • 〈効能共通〉
      1. 2.1 重篤な肝障害のある患者[9.3.1 参照]
      2. 2.2 カルバペネム系抗生物質を投与中の患者[10.1 参照]
      3. 2.3 尿素サイクル異常症の患者[重篤な高アンモニア血症があらわれることがある。]
    • 〈片頭痛発作の発症抑制〉
      1. 2.4 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5.1 参照]

    3. 組成・性状

    3.1 組成

    バルプロ酸ナトリウム徐放錠A100mg「トーワ」

    有効成分 1錠中  
    日局 バルプロ酸ナトリウム   100mg
    添加剤 **メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、エチルセルロース、ヒプロメロース、グリセリン脂肪酸エステル、タルク、白糖、沈降炭酸カルシウム、ポリオキシエチレン(105)ポリオキシプロピレン(5)グリコール、アラビアゴム末、酸化チタン、ステアリン酸
    バルプロ酸ナトリウム徐放錠A200mg「トーワ」

    有効成分 1錠中  
    日局 バルプロ酸ナトリウム   200mg
    添加剤 **メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、エチルセルロース、ヒプロメロース、グリセリン脂肪酸エステル、タルク、白糖、沈降炭酸カルシウム、ポリオキシエチレン(105)ポリオキシプロピレン(5)グリコール、アラビアゴム末、酸化チタン、ステアリン酸

    3.2 製剤の性状

    バルプロ酸ナトリウム徐放錠A100mg「トーワ」

    剤形 糖衣錠
    色調 白色
    外形 表面
    裏面
    側面
    大きさ 直径 8.4mm
    厚さ 5.6mm
    質量 289mg
    本体表示 バルプロ A 100 トーワ
    バルプロ酸ナトリウム徐放錠A200mg「トーワ」

    剤形 糖衣錠
    色調 白色
    外形 表面
    裏面
    側面
    大きさ 直径 10.5mm
    厚さ 6.6mm
    質量 520mg
    本体表示 バルプロ A 200 トーワ

    4. 効能又は効果

    • 各種てんかん(小発作・焦点発作・精神運動発作ならびに混合発作)およびてんかんに伴う性格行動障害(不機嫌・易怒性等)の治療
    • 躁病および躁うつ病の躁状態の治療
    • 片頭痛発作の発症抑制

    5. 効能又は効果に関連する注意

    • 〈片頭痛発作の発症抑制〉
      1. 5.1 本剤は、片頭痛発作の急性期治療のみでは日常生活に支障をきたしている患者にのみ投与すること。
      2. 5.2 本剤は発現した頭痛発作を緩解する薬剤ではないので、本剤投与中に頭痛発作が発現した場合には必要に応じて頭痛発作治療薬を頓用させること。投与前にこのことを患者に十分に説明しておくこと。

    6. 用法及び用量

    • 〈各種てんかんおよびてんかんに伴う性格行動障害の治療、躁病および躁うつ病の躁状態の治療〉

      通常1日量バルプロ酸ナトリウムとして400~1200mgを1日1~2回に分けて経口投与する。
      ただし、年齢・症状に応じ適宜増減する。

    • 〈片頭痛発作の発症抑制〉

      通常1日量バルプロ酸ナトリウムとして400~800mgを1日1~2回に分けて経口投与する。
      なお、年齢・症状に応じ適宜増減するが、1日量として1000mgを超えないこと。

    7. 用法及び用量に関連する注意

    • 〈躁病および躁うつ病の躁状態の治療〉

      バルプロ酸の躁病および躁うつ病の躁状態に対する、3週間以上の長期使用については、国内外の臨床試験で明確なエビデンスは得られていない1) ,2)

    8. 重要な基本的注意

    • 〈効能共通〉
      1. 8.1 重篤な肝障害(投与初期6ヵ月以内に多い)があらわれることがあるので、投与初期6ヵ月間は定期的に肝機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。その後も連用中は定期的に肝機能検査を行うことが望ましい。[11.1.1 参照]
      2. 8.2 高アンモニア血症を伴う意識障害があらわれることがあるので、定期的にアンモニア値を測定するなど観察を十分に行うこと。[10.2 参照],[11.1.2 参照]
      3. 8.3 連用中は定期的に腎機能検査、血液検査を行うことが望ましい。[11.1.3 参照],[11.1.5 参照]
      4. 8.4 他のバルプロ酸ナトリウム製剤を使用中の患者において使用薬剤を本剤に切り替える場合、血中濃度が変動することがあるので、血中濃度を測定することが望ましい。
    • 〈各種てんかんおよびてんかんに伴う性格行動障害の治療〉
      1. 8.5 *眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがある。自動車の運転等危険を伴う機械操作の適否は、関連学会の留意事項3) を十分理解の上、医師が慎重に判断し、危険を伴う機械操作を行う場合には十分な注意が必要であることを適切に患者に指導すること。また、眠気等があらわれた場合には、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事しないよう、患者に指導すること。
      2. 8.6 連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、てんかん重積状態があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。[9.1.6 参照],[9.8.2 参照]
    • 〈片頭痛発作の発症抑制〉
      1. 8.7 患者の日常生活への支障がなくなったら一旦本剤の投与を中止し、投与継続の必要性について検討すること。症状の改善が認められない場合には、漫然と投与を継続しないこと。
    • 〈躁病および躁うつ病の躁状態の治療、片頭痛発作の発症抑制〉
      1. 8.8 *眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。

    9. 特定の背景を有する患者に関する注意

    9.1 合併症・既往歴等のある患者

    • 〈効能共通〉
    1. 9.1.1 薬物過敏症の既往歴のある患者
    2. 9.1.2 自殺企図の既往及び自殺念慮のある躁病及び躁うつ病の躁状態の患者

      自殺企図や自殺念慮が悪化するおそれがある。[15.1.1 参照]

    3. 9.1.3 尿素サイクル異常症が疑われる患者

      以下のような患者においては、本剤投与前にアミノ酸分析等の検査を考慮するとともに、本剤投与中は、アンモニア値の変動に注意し、十分な観察を行うこと。重篤な高アンモニア血症があらわれるおそれがある。[11.1.2 参照]

      • 原因不明の脳症若しくは原因不明の昏睡の既往のある患者
      • 尿素サイクル異常症又は原因不明の乳児死亡の家族歴のある患者
    4. 9.1.4 重篤な下痢のある患者

      本剤は製剤学的にバルプロ酸ナトリウムの溶出を制御して徐放化させたものであり、服用後一定時間消化管内に滞留する必要があるので、血中濃度が十分に上昇しない可能性がある。

    5. 9.1.5 腸管狭窄のある患者又は便秘のある患者

      錠剤の通過が妨げられ、腸閉塞や潰瘍形成をきたすことがある。

    • 〈各種てんかんおよびてんかんに伴う性格行動障害の治療〉
    1. 9.1.6 虚弱者
      • 投与を中止する場合には、徐々に減量するなど特に注意すること。[8.6 参照]

    9.2 腎機能障害患者

    1. 9.2.1 腎機能障害患者

      蛋白結合率の低下等の要因により、遊離型薬物濃度が上昇するおそれがある。

    2. 9.2.2 血液透析患者

      血液透析による本剤の除去や蛋白結合能の変化により遊離型薬物濃度が低下するおそれがある。

    9.3 肝機能障害患者

    1. 9.3.1 重篤な肝障害のある患者

      投与しないこと。肝障害が強くあらわれ致死的になるおそれがある。[2.1 参照]

    2. 9.3.2 肝機能障害又はその既往歴のある患者(重篤な肝障害のある患者を除く)

      肝機能障害が強くあらわれるおそれがある。[11.1.1 参照]

    9.4 生殖能を有する者

    妊娠する可能性のある女性に使用する場合には、本剤による催奇形性について十分に説明し、本剤の使用が適切であるか慎重に判断すること。本剤で催奇形性が認められている。[9.5.4 参照],[9.5.8 参照]

    9.5 妊婦

    • 〈片頭痛発作の発症抑制〉
      1. 9.5.1 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないこと。[2.4 参照]
    • 〈各種てんかんおよびてんかんに伴う性格行動障害の治療、躁病および躁うつ病の躁状態の治療〉
      1. 9.5.2 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。
      2. 9.5.3 妊娠中にやむを得ず本剤を投与する場合、可能な限り単独投与することが望ましい。他の抗てんかん剤(特にカルバマゼピン)と併用時に、奇形を有する児を出産した例が本剤単独投与時と比較して多いとの疫学的調査報告がある。
    • 〈効能共通〉
      1. 9.5.4 二分脊椎児を出産した母親の中に、本剤の成分を妊娠初期に投与された例が対照群より多いとの疫学的調査報告があり、また、本剤の成分を投与された母親に、心室中隔欠損等の心奇形や多指症、口蓋裂、尿道下裂等の外表奇形、その他の奇形を有する児を出産したとの報告がある。また、特有の顔貌(前頭部突出、両眼離開、鼻根偏平、浅く長い人中溝、薄い口唇等)を有する児を出産したとの報告がある。[9.4 参照]
      2. 9.5.5 妊娠中の投与により、新生児に呼吸障害、肝障害、低フィブリノーゲン血症、低血糖、退薬症候(神経過敏、過緊張、痙攣、嘔吐)等があらわれるとの報告がある。
      3. 9.5.6 海外で実施された観察研究において、妊娠中に抗てんかん薬を投与されたてんかん患者からの出生児224例を対象に6歳時の知能指数(IQ)[平均値(95%信頼区間)]を比較した結果、本剤を投与されたてんかん患者からの出生児のIQ[98(95-102)]は、ラモトリギン[108(105-111)]、フェニトイン[109(105-113)]、カルバマゼピン[106(103-109)]を投与されたてんかん患者からの出生児のIQと比較して低かったとの報告がある。なお、本剤の投与量が1,000mg/日(本研究における中央値)未満の場合は[104(99-109)]、1,000mg/日を超える場合は[94(90-99)]であった4)
      4. 9.5.7 海外で実施された観察研究において、妊娠中に本剤を投与された母親からの出生児508例は、本剤を投与されていない母親からの出生児655,107例と比較して、自閉症発症リスクが高かったとの報告がある[調整ハザード比:2.9(95%信頼区間:1.7-4.9)]5)
      5. 9.5.8 動物実験(マウス)で、本剤が葉酸代謝を阻害し、新生児の先天性奇形に関与する可能性があるとの報告がある6) [9.4 参照]

    9.6 授乳婦

    治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒト母乳中へ移行することがある。

    9.7 小児等

    • 〈効能共通〉
      1. 9.7.1 低出生体重児又は新生児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
    • 〈片頭痛発作の発症抑制〉
      1. 9.7.2 小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

    9.8 高齢者

    • 〈効能共通〉
      1. 9.8.1 用量に留意して慎重に投与すること。本剤は、血漿アルブミンとの結合性が強いが、高齢者では血漿アルブミンが減少していることが多いため、遊離の薬物の血中濃度が高くなるおそれがある。
    • 〈各種てんかんおよびてんかんに伴う性格行動障害の治療〉
      1. 9.8.2 投与を中止する場合には、徐々に減量するなど特に注意すること。[8.6 参照]
    • 〈片頭痛発作の発症抑制〉
      1. 9.8.3 高齢者を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

    10. 相互作用

      10.1 併用禁忌(併用しないこと)

      薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子

      カルバペネム系抗生物質

      • パニペネム・ベタミプロン
        (カルベニン)
        メロペネム水和物
        (メロペン)
        イミペネム水和物・シラスタチン
        (チエナム)
      • レレバクタム水和物・イミペネム水和物・シラスタチン
        (レカルブリオ)
        ビアペネム
        (オメガシン)
        ドリペネム水和物
        (フィニバックス)
        テビペネム ピボキシル
        (オラペネム)

      [2.2 参照]

      てんかんの発作が再発することがある。

      バルプロ酸の血中濃度が低下する。

      10.2 併用注意(併用に注意すること)

      薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子

      バルビツール酸剤

      • フェノバルビタール等

      バルプロ酸の作用が減弱、左記薬剤の作用が増強することがある。

      左記薬剤がバルプロ酸の代謝を誘導し、バルプロ酸の血中濃度が低下する。また、左記薬剤の血中濃度を上昇させる7)

      フェニトイン
      カルバマゼピン

      バルプロ酸の作用が減弱、左記薬剤の作用が増強又は減弱することがある。

      左記薬剤がバルプロ酸の代謝を誘導し、バルプロ酸の血中濃度が低下する。また、左記薬剤の血中濃度を上昇又は低下させる7)

      フェニトイン

      ホスフェニトイン

      フェノバルビタール

      [8.2 参照],[11.1.2 参照]

      バルプロ酸による高アンモニア血症の発現リスクが高まるおそれがある。

      機序は不明である。

      エトスクシミド
      アミトリプチリン
      ノルトリプチリン

      左記薬剤の作用が増強することがある。

      左記薬剤の血中濃度を上昇させる。

      クロバザム

      バルプロ酸の作用が増強されることがある。

      機序は不明であるが、バルプロ酸の血中濃度が上昇する。

      ラモトリギン

      左記薬剤の消失半減期が約2倍延長するとの報告がある。

      肝におけるグルクロン酸抱合が競合する。

      ロラゼパム

      左記薬剤の消失半減期が延長することがある。

      肝におけるグルクロン酸抱合が競合する。

      グルクロン酸抱合を誘導する薬剤

      • リトナビル
      • ニルマトレルビル・リトナビル
      • ロピナビル・リトナビル配合剤等

      バルプロ酸の作用が減弱することがある。

      肝における本剤のグルクロン酸抱合が促進される。

      ベンゾジアゼピン系薬剤
        ジアゼパム等
      ワルファリン

      左記薬剤の作用が増強することがある。

      遊離型の左記薬剤の血中濃度を上昇させる。

      クロザピン

      左記薬剤の副作用(心筋炎および好中球減少症)が増強する可能性がある。

      機序は不明である。

      サリチル酸系薬剤

       アスピリン等

      バルプロ酸の作用が増強されることがある。

      遊離型バルプロ酸濃度が上昇する。また、バルプロ酸の代謝が阻害される。

      エリスロマイシン
      シメチジン

      バルプロ酸の作用が増強されることがある。

      左記薬剤が肝チトクロームP-450による薬物代謝を抑制し、バルプロ酸の血中濃度が上昇する。

      クロナゼパム

      アブサンス重積(欠神発作重積)があらわれたとの報告がある。

      機序は不明である。

      11. 副作用

      次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

      11.1 重大な副作用

      1. 11.1.1 劇症肝炎等の重篤な肝障害、黄疸、脂肪肝等(いずれも頻度不明)

        肝障害とともに急激な意識障害があらわれることがある。[8.1 参照],[9.3.2 参照]

      2. 11.1.2 高アンモニア血症を伴う意識障害(頻度不明)

        [8.2 参照],[9.1.3 参照],[10.2 参照]

      3. 11.1.3 溶血性貧血、赤芽球癆、汎血球減少、重篤な血小板減少、顆粒球減少(いずれも頻度不明)

        [8.3 参照]

      4. 11.1.4 急性膵炎(頻度不明)

        激しい腹痛、発熱、嘔気、嘔吐等の症状があらわれたり、膵酵素値の上昇が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。

      5. 11.1.5 間質性腎炎、ファンコニー症候群(いずれも頻度不明)

        [8.3 参照]

      6. 11.1.6 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(いずれも頻度不明)
      7. 11.1.7 過敏症症候群(頻度不明)

        初期症状として発疹、発熱がみられ、さらにリンパ節腫脹、肝機能障害、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。

      8. 11.1.8 脳の萎縮、認知症様症状、パーキンソン様症状(いずれも頻度不明)

        認知症様症状として健忘、見当識障害、言語障害、寡動、知能低下、感情鈍麻等があらわれることがある。パーキンソン様症状として静止時振戦、硬直、姿勢・歩行異常等があらわれることがある。なお、これらの症状が発現した例では中止により、ほとんどが1~2ヵ月で回復している 。

      9. 11.1.9 横紋筋融解症(頻度不明)

        筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビンの上昇等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

      10. 11.1.10 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)(頻度不明)

        低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム量の増加、高張尿等があらわれた場合には、水分摂取の制限等の適切な処置を行うこと。

      11. 11.1.11 間質性肺炎、好酸球性肺炎(いずれも頻度不明)

        咳嗽、呼吸困難、発熱等が認められた場合には、速やかに胸部X線、胸部CT等の検査を実施すること。間質性肺炎、好酸球性肺炎が疑われた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。

      11.2 その他の副作用

      0.1~5%未満1)

      0.1%未満1)

      頻度不明

      血液

      貧血、白血球減少、好酸球増多

      低フィブリノーゲン血症

      血小板凝集能低下

      精神神経系

      傾眠、失調、めまい、頭痛

      不眠、不穏、感覚変化、振戦

      視覚異常、抑うつ

      消化器

      悪心・嘔吐、食欲不振

      胃部不快感、腹痛、下痢、食欲亢進

      口内炎、便秘

      肝臓

      AST上昇、ALT上昇、Al-P上昇

      呼吸器

      胸膜炎、胸水(好酸球性を含む)

      皮膚

      脱毛

      過敏症

      発疹

      泌尿器

      血尿、夜尿・頻尿

      尿失禁

      生殖器

      月経異常(月経不順、無月経)、多嚢胞性卵巣、精子数減少2)  、精子運動性低下2)

      その他

      倦怠感、高アンモニア血症、体重増加

      鼻血、口渇、浮腫

      歯肉肥厚、発熱、カルニチン減少

      1) 発現頻度は使用成績調査を含む。
      2) 本剤の投与中止後に、改善されたとの報告がある。

      13. 過量投与

      1. 13.1 症状

        誤飲や自殺企図による過量服用により意識障害(傾眠、昏睡)、痙攣、呼吸抑制、高アンモニア血症、脳水腫を起こした例が報告されている。外国では死亡例が報告されている。本剤は徐放性製剤であるため、症状が遅れてあらわれることがある。

      2. 13.2 処置

        下剤、活性炭投与を行い、尿排泄を促進させる。また、必要に応じて直接血液灌流、血液透析を行う。ナロキソンの投与が有効であったとする報告がある。

      14. 適用上の注意

      14.1 薬剤交付時の注意

      1. 14.1.1 本剤は嚙み砕かずに、水とともに服薬させること。
      2. 14.1.2 本剤の白色の残渣が糞便中に排泄される。
      3. 14.1.3 PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

      15. その他の注意

      15.1 臨床使用に基づく情報

      1. 15.1.1 海外で実施された本剤を含む複数の抗てんかん薬における、てんかん、精神疾患等を対象とした199のプラセボ対照臨床試験の検討結果において、自殺念慮及び自殺企図の発現のリスクが、抗てんかん薬の服用群でプラセボ群と比較して約2倍高く(抗てんかん薬服用群:0.43%、プラセボ群:0.24%)、抗てんかん薬の服用群では、プラセボ群と比べ1,000人あたり1.9人多いと計算された(95%信頼区間:0.6-3.9)。また、てんかん患者のサブグループでは、プラセボ群と比べ1,000人あたり2.4人多いと計算されている。[9.1.2 参照]
      2. 15.1.2 本剤との因果関係は明らかではないが、北欧で実施された観察研究において、受胎前の3ヵ月間に本剤に曝露した父親の児は、ラモトリギン又はレベチラセタムに曝露した父親の児と比較して、神経発達症リスクの増加を示唆する報告がある(調整ハザード比1.50 [95%信頼区間:1.09-2.07])8) 。一方で、てんかんを有する父親を対象とした海外で実施された観察研究において、受胎前の120日間に本剤に曝露した父親の児は、本剤に曝露していない父親の児と比較して、統計学的に有意な神経発達症リスクの増加は認められないとする報告もある9)

      その他詳細情報

      日本標準商品分類番号
      871139
      ブランドコード
      1139004G1075, 1139004G2080
      承認番号
      30100AMX00215, 30100AMX00216
      販売開始年月
      2010-11, 2006-07
      貯法
      室温保存、室温保存
      有効期間
      4年、3年
      規制区分
      12, 12

      重要な注意事項

      • この情報は医療専門家による診断や治療の代替にはなりません。副作用に関する懸念がある場合は、必ず医師または薬剤師に相談してください。
      • 副作用の発生頻度や重篤度は個人差があります。ここで提供される情報は一般的なものであり、すべての患者さんに当てはまるわけではありません。
      • 薬剤の使用に関しては、必ず医療専門家の指示に従い、自己判断での変更や中止を避けてください。
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