薬効分類名アミノグリコシド系抗生物質製剤

一般的名称アルベカシン硫酸塩

ハベカシン注射液25mg、ハベカシン注射液75mg、ハベカシン注射液100mg、ハベカシン注射液200mg

はべかしんちゅうしゃえき25mg、はべかしんちゅうしゃえき75mg、はべかしんちゅうしゃえき100mg、はべかしんちゅうしゃえき200mg

HABEKACIN INJECTION, HABEKACIN INJECTION, HABEKACIN INJECTION, HABEKACIN INJECTION

製造販売元/Meiji Seika ファルマ株式会社

第2版
禁忌相互作用合併症・既往歴等のある患者腎機能障害患者肝機能障害患者妊婦授乳婦小児等高齢者

重大な副作用

頻度
副作用
0.1%未満
0.1%未満
0.1%未満
0.1%未満
0.1%未満
0.1~5%未満
難聴(0.1~5%未満)等の第8脳神経障害
0.1%未満
頻度不明

その他の副作用

部位
頻度
副作用
肝臓まわり
0.1~5%未満
肝臓まわり
0.1%未満
腎・尿路
0.1%未満
免疫系
0.1~5%未満
免疫系
0.1%未満
胃腸・消化器系
0.1~5%未満
胃腸・消化器系
0.1~5%未満
全身・局所・適用部位
0.1%未満
内分泌・代謝系
0.1%未満
注射局所の疼痛又は硬結(筋肉内注射時)
その他
0.1%未満
頭痛手指しびれ感全身倦怠

併用注意

薬剤名等
  • 腎障害を起こすおそれのある血液代用剤
臨床症状・措置方法

腎障害が発現、悪化することがあるので、併用は避けることが望ましい。

機序・危険因子

機序は明確ではないが、併用によりアミノグリコシド系抗生物質の血中への蓄積、近位尿細管上皮の空胞変性が生じるという報告がある。

薬剤名等
  • ループ利尿剤
臨床症状・措置方法

腎障害及び聴器障害が発現、悪化するおそれがあるので、併用は避けることが望ましい。

機序・危険因子

機序は明確ではないが、併用によりアミノグリコシド系抗生物質の血中濃度の上昇、腎への蓄積が起こるという報告がある。

薬剤名等
  • 腎毒性及び聴器毒性を有する薬剤
臨床症状・措置方法

腎障害及び聴器障害が発現、悪化するおそれがあるので、併用は避けること。やむを得ず併用する場合は、減量するなど慎重に投与すること。

機序・危険因子

両薬剤ともに腎毒性、聴器毒性を有するが相互作用の機序は不明。

薬剤名等
  • (小児に投与する場合)
臨床症状・措置方法

腎障害及び聴器障害が発現、悪化するおそれがある。

機序・危険因子

小児(特に低出生体重児・新生児)では腎機能が未発達であるため。

薬剤名等
  • 麻酔剤
    筋弛緩剤
臨床症状・措置方法

呼吸抑制があらわれるおそれがある。

機序・危険因子

両薬剤ともに神経筋遮断作用を有しており、併用によりその作用が増強される。

薬剤名等
  • 腎毒性を有する薬剤
臨床症状・措置方法

腎障害が発現、悪化するおそれがある。

機序・危険因子

両薬剤ともに腎毒性を有するが、相互作用の機序は不明。

詳細情報

正確な情報は PMDA で必ず確認して下さい

注意以下の情報は参考資料としてご活用下さい

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分並びにアミノグリコシド系抗生物質又はバシトラシンに対し過敏症の既往歴のある患者

3. 組成・性状

3.1 組成

ハベカシン注射液25mg

有効成分   1アンプル(0.5mL)中
日局アルベカシン硫酸塩25mg(力価)
添加剤   1アンプル(0.5mL)中
亜硫酸水素ナトリウム0.25mg
pH調整剤、等張化剤
ハベカシン注射液75mg

有効成分   1アンプル(1.5mL)中
日局アルベカシン硫酸塩75mg(力価)
添加剤   1アンプル(1.5mL)中
亜硫酸水素ナトリウム0.75mg
pH調整剤、等張化剤
ハベカシン注射液100mg

有効成分   1アンプル(2mL)中
日局アルベカシン硫酸塩100mg(力価)
添加剤   1アンプル(2mL)中
亜硫酸水素ナトリウム1.0mg
pH調整剤、等張化剤
ハベカシン注射液200mg

有効成分   1アンプル(4mL)中
日局アルベカシン硫酸塩200mg(力価)
添加剤   1アンプル(4mL)中
亜硫酸水素ナトリウム2.0mg
pH調整剤、等張化剤

3.2 製剤の性状

ハベカシン注射液25mg

形状 注射液
無色澄明
pH 6.0~8.0
浸透圧比
(日局生理食塩液対比)
約1
ハベカシン注射液75mg

形状 注射液
無色澄明
pH 6.0~8.0
浸透圧比
(日局生理食塩液対比)
約1
ハベカシン注射液100mg

形状 注射液
無色澄明
pH 6.0~8.0
浸透圧比
(日局生理食塩液対比)
約1
ハベカシン注射液200mg

形状 注射液
無色澄明
pH 6.0~8.0
浸透圧比
(日局生理食塩液対比)
約1

4. 効能・効果

  • 〈適応菌種〉

    アルベカシンに感性のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)

  • 〈適応症〉

    敗血症、肺炎

5. 効能・効果に関連する注意

本剤はメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)感染症に対してのみ有用性が認められている。なお、MRSAが検出されただけではMRSA感染症とは限らないので、本剤投与にあたっては、次の点に留意すること。

  • MRSA感染症の診断が確定した場合にのみ投与することを原則とする。
  • 臨床症状及び菌の検出状況からMRSA感染症であることが推定された場合には、個々の患者背景や臨床症状の推移などを考慮のうえ、本剤の投与の可否を判断する。

6. 用法・用量

  • 成人への投与

    通常、成人にはアルベカシン硫酸塩として、1日1回150~200mg(力価)を30分~2時間かけて点滴静注する。必要に応じ、1日150~200mg(力価)を2回に分けて点滴静注することもできる。また、静脈内投与が困難な場合、アルベカシン硫酸塩として、1日150~200mg(力価)を1回又は2回に分けて筋肉内注射することもできる。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。

  • 小児への投与

    通常、小児にはアルベカシン硫酸塩として、1日1回4~6mg(力価)/kgを30分かけて点滴静注する。必要に応じ、1日4~6mg(力価)/kgを2回に分けて点滴静注することもできる。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。

7. 用法・用量に関連する注意

  1. 7.1 本剤の薬効は最高血中濃度と最も相関するとされていることから、1日1回静脈内投与が望ましい。
  2. 7.2 本剤の使用にあたっては、腎機能異常及び聴力障害等の副作用に留意し、本剤の投与期間は、原則として14日以内とすること。患者の状態などから判断して、14日以上にわたって本剤を投与する場合には、その理由を常時明確にし、漫然とした継続投与は行わないこと。[11.1.3 参照],[11.1.4 参照]
  3. 7.3 体の大きい小児に投与するときには、成人の1日最高量200mg(力価)を超えないよう注意すること。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
  2. 8.2 本剤によるショック、アナフィラキシーの発生を確実に予知できる方法がないので、次の措置をとること。[11.1.1 参照]
    • 事前に既往歴等について十分な問診を行うこと。なお、抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認すること。
    • 投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。
    • 投与開始から投与終了後まで、患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行うこと。特に、投与開始直後は注意深く観察すること。
  3. 8.3 投与期間中は血中濃度をモニタリングすることが望ましい。[9.7.2 参照],[9.7.3 参照],[9.8 参照],[16.6.1 参照],[16.8.1 参照]
  4. 8.4 眩暈、耳鳴、難聴等の第8脳神経障害があらわれることがあるので慎重に投与すること。特に腎機能障害患者、小児、高齢者、長期間投与患者及び大量投与患者等では血中濃度が高くなり易く、聴力障害の危険性がより大きくなるので、可能な限り聴力検査を実施することが望ましい。
    アミノグリコシド系抗生物質の聴力障害は、高周波音に始まり低周波音へと波及するので、障害の早期発見のために、聴力検査の最高周波数である8kHzでの検査が有用である。[9.1.1 参照],[9.2 参照],[9.7.4 参照],[9.8 参照],[11.1.3 参照]
  5. 8.5 急性腎障害等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、投与中は定期的に腎機能検査を行うこと。[9.1.3 参照],[9.7.5 参照],[9.8 参照],[11.1.4 参照]
  6. 8.6 肝機能障害があらわれることがあるので、投与中は肝機能検査を行うこと。
  7. 8.7 汎血球減少、貧血、白血球減少、血小板減少、好酸球増多があらわれることがあるので、定期的に検査を行うこと。[11.1.5 参照],[11.2 参照]

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 本人又はその血族がアミノグリコシド系抗生物質による難聴又はその他の難聴のある患者

    難聴が発現又は増悪するおそれがある。[8.4 参照],[11.1.3 参照]

  2. 9.1.2 経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者

    観察を十分に行うこと。ビタミンK欠乏症状があらわれることがある。

  3. 9.1.3 重篤な基礎疾患・合併症を有する患者

    投与量の設定等にも十分留意し、観察を十分に行うこと。急性腎障害等の重篤な腎障害があらわれることがある。[8.5 参照],[11.1.4 参照]

  4. 9.1.4 重症筋無力症の患者

    神経筋遮断作用による呼吸抑制があらわれるおそれがある。

9.2 腎機能障害患者

高い血中濃度が持続し、腎障害が悪化するおそれがあり、また、第8脳神経障害等の副作用が強くあらわれるおそれがある。[8.4 参照],[11.1.3 参照],[16.6.1 参照]

9.3 肝機能障害患者

肝障害を悪化させるおそれがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。新生児に第8脳神経障害があらわれるおそれがある。また、ラットの筋注による器官形成期投与試験で出生児の発育遅滞が認められている。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

9.7 小児等

  • 〈投与経路共通〉
    1. 9.7.1 本剤により症状が改善されない場合は、速やかに他剤に切り替えること。小児(特に低出生体重児・新生児)では防御機構が未熟であるため、容易に症状が増悪するおそれがある。
    1. 9.7.2 原則として本剤の投与終了直後と次回投与直前に血中濃度を測定し、適切な投与計画をたてること。[8.3 参照],[16.8.1 参照]
    1. 9.7.3 投与量を減ずるか、投与間隔をあけるなど慎重に投与すること。腎の発達段階にあるため、特に低出生体重児、新生児においては血中濃度の半減期が延長し、高い血中濃度が長時間持続することにより、最低血中濃度2μg/mLを超えるおそれがある。
      少なくとも次回投与直前に血中濃度を測定し、投与間隔を調整すること。特に低出生体重児においては、正常な新生児と比較しても著しく半減期が延長し、かつ、個体差が大きいことが知られている。[8.3 参照],[16.1.2 参照],[16.8.1 参照]
    1. 9.7.4 特に低出生体重児及び新生児には聴力検査を実施し慎重に投与すること。第8脳神経障害があらわれることがある。また、3歳未満の患者においては、ABR(聴性脳幹反応)を用いた聴力検査が有用である。[8.4 参照],[11.1.3 参照]
    1. 9.7.5 腎毒性の発現を防ぐため、腎機能検査を行い、慎重に投与すること。[8.5 参照],[11.1.4 参照]
  • 〈点滴静注〉
    1. 9.7.6 低出生体重児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
  • 〈筋肉内注射〉
    1. 9.7.7 小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。[14.2.2 参照]

9.8 高齢者

次の点に注意し、用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。

10. 相互作用

    10.2 併用注意(併用に注意すること)

    薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
    • 腎障害を起こすおそれのある血液代用剤
      • デキストラン
        ヒドロキシエチルデンプン等

    腎障害が発現、悪化することがあるので、併用は避けることが望ましい。

    腎障害が発生した場合には、投与を中止し、透析療法等適切な処置を行うこと。

    機序は明確ではないが、併用によりアミノグリコシド系抗生物質の血中への蓄積、近位尿細管上皮の空胞変性が生じるという報告がある。

    • ループ利尿剤
      • フロセミド
        アゾセミド等

    腎障害及び聴器障害が発現、悪化するおそれがあるので、併用は避けることが望ましい。

    機序は明確ではないが、併用によりアミノグリコシド系抗生物質の血中濃度の上昇、腎への蓄積が起こるという報告がある。

    • 腎毒性及び聴器毒性を有する薬剤
      • バンコマイシン塩酸塩
        エンビオマイシン硫酸塩
        白金含有抗悪性腫瘍剤(シスプラチン、カルボプラチン、ネダプラチン)等

    腎障害及び聴器障害が発現、悪化するおそれがあるので、併用は避けること。やむを得ず併用する場合は、減量するなど慎重に投与すること。

    ただし、小児(特に低出生体重児・新生児)では、バンコマイシンは原則併用しないこと。

    両薬剤ともに腎毒性、聴器毒性を有するが相互作用の機序は不明。

    • (小児に投与する場合)
      • 他のアミノグリコシド系抗生物質(注射剤)

    腎障害及び聴器障害が発現、悪化するおそれがある。

    小児(特に低出生体重児・新生児)では腎機能が未発達であるため。

    • 麻酔剤
      筋弛緩剤
      • ベクロニウム臭化物
        A型ボツリヌス毒素等

    呼吸抑制があらわれるおそれがある。

    呼吸抑制があらわれた場合には、必要に応じ、コリンエステラーゼ阻害剤、カルシウム製剤の投与等の適切な処置を行うこと。

    両薬剤ともに神経筋遮断作用を有しており、併用によりその作用が増強される。

    • 腎毒性を有する薬剤
      • シクロスポリン
        アムホテリシンB等

    腎障害が発現、悪化するおそれがある。

    両薬剤ともに腎毒性を有するが、相互作用の機序は不明。

    11. 副作用

    次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    11.1 重大な副作用

    1. 11.1.1 ショック(0.1%未満)

      [8.2 参照]

    2. 11.1.2 痙攣(0.1%未満)
    3. 11.1.3 眩暈、耳鳴、耳閉感(いずれも0.1%未満)、難聴(0.1~5%未満)等の第8脳神経障害

      [7.2 参照],[8.4 参照],[9.1.1 参照],[9.2 参照],[9.7.4 参照],[9.8 参照]

    4. 11.1.4 急性腎障害等の重篤な腎障害(0.1~5%未満)

      [7.2 参照],[8.5 参照],[9.1.3 参照],[9.7.5 参照],[9.8 参照]

    5. 11.1.5 汎血球減少(0.1%未満)

      [8.7 参照]

    11.2 その他の副作用

    0.1~5%未満

    0.1%未満

    肝臓

    AST、ALT、Al-P、LDH、γ-GTPの上昇

    黄疸

    腎臓

    BUN、クレアチニンの上昇、蛋白尿、カリウム等電解質の異常

    浮腫、血尿

    過敏症

    発疹

    そう痒、発赤、発熱、蕁麻疹

    血液注)

    貧血、白血球減少、血小板減少、好酸球増多

    消化器

    下痢

    下血、軟便、腹痛、悪心・嘔吐、食欲不振

    注射部位

    注射局所の疼痛又は硬結(筋肉内注射時)

    ビタミン欠乏症

    ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症、出血傾向等)、ビタミンB群欠乏症状(舌炎、口内炎、食欲不振、神経炎等)

    その他

    頭痛、手指しびれ感、全身倦怠感

    注)[8.7 参照]

    13. 過量投与

    1. 13.1 症状

      腎障害、聴覚障害、前庭障害、神経筋遮断症状、呼吸麻痺があらわれることがある。

    2. 13.2 処置

      血液透析、腹膜透析による薬剤の除去を行う。神経筋遮断症状、呼吸麻痺に対してはコリンエステラーゼ阻害剤、カルシウム製剤の投与又は機械的呼吸補助を行う。

    14. 適用上の注意

    14.1 薬剤調製時の注意

    • 〈投与経路共通〉
      1. 14.1.1 現在までに、次の注射剤と混合後、配合変化をおこすことが確認されているので、混注しないこと。
        • セフォペラゾンナトリウム・スルバクタムナトリウム、セファゾリンナトリウム、フェノバルビタール、D-マンニトール、ブロムヘキシン塩酸塩、ヒドロコルチゾンコハク酸エステル、塩化カルシウム水和物、ドキソルビシン塩酸塩と混注すると、白濁・沈殿を生じることがある。
        • アンピシリンナトリウム、アンピシリンナトリウム・クロキサシリンナトリウム、イミペネム・シラスタチンナトリウム、セフメタゾールナトリウム、ピペラシリンナトリウム、フロモキセフナトリウム、ラタモキセフナトリウムと混注すると、両剤の反応によりアミドを形成し、本剤の活性低下を来すので、それぞれ別経路で投与すること。
    • 〈点滴静注〉
      1. 14.1.2 希釈後は速やかに使用すること。

    14.2 薬剤投与時の注意

    • 〈点滴静注〉
      1. 14.2.1 副作用の発生を防ぐため、必ず30分以上かけて投与すること。
    • 〈筋肉内注射〉
      1. 14.2.2 組織・神経などへの影響を避けるため、下記の点に注意すること。
        • 同一部位への反復注射はなるべく行わないこと。
          また、小児には特に注意すること。[9.7.7 参照]
        • 神経走行部位を避けるよう注意すること。
          なお、注射針を刺入したとき、神経に当たったと思われるような激痛を訴えた場合は、直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。
        • 注射器の内筒を軽くひき、血液の逆流がないことを確かめて注射すること。
        • 硬結をきたすことがあるので、注射直後は局所を十分にもむこと。

    15. その他の注意

    15.1 臨床使用に基づく情報

    1. 15.1.1 クエン酸水和物で抗凝固処理した血液を大量輸血された患者にアミノグリコシド系抗生物質を投与すると、投与経路にかかわらず、神経筋遮断症状、呼吸麻痺があらわれることがある。
    2. 15.1.2 *本剤は添加剤として亜硫酸塩を含有している。喘息患者では非喘息患者よりも亜硫酸塩に対する過敏症が多く認められるとの報告がある。

    2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

    本剤の成分並びにアミノグリコシド系抗生物質又はバシトラシンに対し過敏症の既往歴のある患者

    3. 組成・性状

    3.1 組成

    ハベカシン注射液25mg

    有効成分   1アンプル(0.5mL)中
    日局アルベカシン硫酸塩25mg(力価)
    添加剤   1アンプル(0.5mL)中
    亜硫酸水素ナトリウム0.25mg
    pH調整剤、等張化剤
    ハベカシン注射液75mg

    有効成分   1アンプル(1.5mL)中
    日局アルベカシン硫酸塩75mg(力価)
    添加剤   1アンプル(1.5mL)中
    亜硫酸水素ナトリウム0.75mg
    pH調整剤、等張化剤
    ハベカシン注射液100mg

    有効成分   1アンプル(2mL)中
    日局アルベカシン硫酸塩100mg(力価)
    添加剤   1アンプル(2mL)中
    亜硫酸水素ナトリウム1.0mg
    pH調整剤、等張化剤
    ハベカシン注射液200mg

    有効成分   1アンプル(4mL)中
    日局アルベカシン硫酸塩200mg(力価)
    添加剤   1アンプル(4mL)中
    亜硫酸水素ナトリウム2.0mg
    pH調整剤、等張化剤

    3.2 製剤の性状

    ハベカシン注射液25mg

    形状 注射液
    無色澄明
    pH 6.0~8.0
    浸透圧比
    (日局生理食塩液対比)
    約1
    ハベカシン注射液75mg

    形状 注射液
    無色澄明
    pH 6.0~8.0
    浸透圧比
    (日局生理食塩液対比)
    約1
    ハベカシン注射液100mg

    形状 注射液
    無色澄明
    pH 6.0~8.0
    浸透圧比
    (日局生理食塩液対比)
    約1
    ハベカシン注射液200mg

    形状 注射液
    無色澄明
    pH 6.0~8.0
    浸透圧比
    (日局生理食塩液対比)
    約1

    4. 効能・効果

    • 〈適応菌種〉

      アルベカシンに感性のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)

    • 〈適応症〉

      敗血症、肺炎

    5. 効能・効果に関連する注意

    本剤はメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)感染症に対してのみ有用性が認められている。なお、MRSAが検出されただけではMRSA感染症とは限らないので、本剤投与にあたっては、次の点に留意すること。

    • MRSA感染症の診断が確定した場合にのみ投与することを原則とする。
    • 臨床症状及び菌の検出状況からMRSA感染症であることが推定された場合には、個々の患者背景や臨床症状の推移などを考慮のうえ、本剤の投与の可否を判断する。

    6. 用法・用量

    • 成人への投与

      通常、成人にはアルベカシン硫酸塩として、1日1回150~200mg(力価)を30分~2時間かけて点滴静注する。必要に応じ、1日150~200mg(力価)を2回に分けて点滴静注することもできる。また、静脈内投与が困難な場合、アルベカシン硫酸塩として、1日150~200mg(力価)を1回又は2回に分けて筋肉内注射することもできる。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。

    • 小児への投与

      通常、小児にはアルベカシン硫酸塩として、1日1回4~6mg(力価)/kgを30分かけて点滴静注する。必要に応じ、1日4~6mg(力価)/kgを2回に分けて点滴静注することもできる。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。

    7. 用法・用量に関連する注意

    1. 7.1 本剤の薬効は最高血中濃度と最も相関するとされていることから、1日1回静脈内投与が望ましい。
    2. 7.2 本剤の使用にあたっては、腎機能異常及び聴力障害等の副作用に留意し、本剤の投与期間は、原則として14日以内とすること。患者の状態などから判断して、14日以上にわたって本剤を投与する場合には、その理由を常時明確にし、漫然とした継続投与は行わないこと。[11.1.3 参照],[11.1.4 参照]
    3. 7.3 体の大きい小児に投与するときには、成人の1日最高量200mg(力価)を超えないよう注意すること。

    8. 重要な基本的注意

    1. 8.1 本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
    2. 8.2 本剤によるショック、アナフィラキシーの発生を確実に予知できる方法がないので、次の措置をとること。[11.1.1 参照]
      • 事前に既往歴等について十分な問診を行うこと。なお、抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認すること。
      • 投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。
      • 投与開始から投与終了後まで、患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行うこと。特に、投与開始直後は注意深く観察すること。
    3. 8.3 投与期間中は血中濃度をモニタリングすることが望ましい。[9.7.2 参照],[9.7.3 参照],[9.8 参照],[16.6.1 参照],[16.8.1 参照]
    4. 8.4 眩暈、耳鳴、難聴等の第8脳神経障害があらわれることがあるので慎重に投与すること。特に腎機能障害患者、小児、高齢者、長期間投与患者及び大量投与患者等では血中濃度が高くなり易く、聴力障害の危険性がより大きくなるので、可能な限り聴力検査を実施することが望ましい。
      アミノグリコシド系抗生物質の聴力障害は、高周波音に始まり低周波音へと波及するので、障害の早期発見のために、聴力検査の最高周波数である8kHzでの検査が有用である。[9.1.1 参照],[9.2 参照],[9.7.4 参照],[9.8 参照],[11.1.3 参照]
    5. 8.5 急性腎障害等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、投与中は定期的に腎機能検査を行うこと。[9.1.3 参照],[9.7.5 参照],[9.8 参照],[11.1.4 参照]
    6. 8.6 肝機能障害があらわれることがあるので、投与中は肝機能検査を行うこと。
    7. 8.7 汎血球減少、貧血、白血球減少、血小板減少、好酸球増多があらわれることがあるので、定期的に検査を行うこと。[11.1.5 参照],[11.2 参照]

    9. 特定の背景を有する患者に関する注意

    9.1 合併症・既往歴等のある患者

    1. 9.1.1 本人又はその血族がアミノグリコシド系抗生物質による難聴又はその他の難聴のある患者

      難聴が発現又は増悪するおそれがある。[8.4 参照],[11.1.3 参照]

    2. 9.1.2 経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者

      観察を十分に行うこと。ビタミンK欠乏症状があらわれることがある。

    3. 9.1.3 重篤な基礎疾患・合併症を有する患者

      投与量の設定等にも十分留意し、観察を十分に行うこと。急性腎障害等の重篤な腎障害があらわれることがある。[8.5 参照],[11.1.4 参照]

    4. 9.1.4 重症筋無力症の患者

      神経筋遮断作用による呼吸抑制があらわれるおそれがある。

    9.2 腎機能障害患者

    高い血中濃度が持続し、腎障害が悪化するおそれがあり、また、第8脳神経障害等の副作用が強くあらわれるおそれがある。[8.4 参照],[11.1.3 参照],[16.6.1 参照]

    9.3 肝機能障害患者

    肝障害を悪化させるおそれがある。

    9.5 妊婦

    妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。新生児に第8脳神経障害があらわれるおそれがある。また、ラットの筋注による器官形成期投与試験で出生児の発育遅滞が認められている。

    9.6 授乳婦

    治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

    9.7 小児等

    • 〈投与経路共通〉
      1. 9.7.1 本剤により症状が改善されない場合は、速やかに他剤に切り替えること。小児(特に低出生体重児・新生児)では防御機構が未熟であるため、容易に症状が増悪するおそれがある。
      1. 9.7.2 原則として本剤の投与終了直後と次回投与直前に血中濃度を測定し、適切な投与計画をたてること。[8.3 参照],[16.8.1 参照]
      1. 9.7.3 投与量を減ずるか、投与間隔をあけるなど慎重に投与すること。腎の発達段階にあるため、特に低出生体重児、新生児においては血中濃度の半減期が延長し、高い血中濃度が長時間持続することにより、最低血中濃度2μg/mLを超えるおそれがある。
        少なくとも次回投与直前に血中濃度を測定し、投与間隔を調整すること。特に低出生体重児においては、正常な新生児と比較しても著しく半減期が延長し、かつ、個体差が大きいことが知られている。[8.3 参照],[16.1.2 参照],[16.8.1 参照]
      1. 9.7.4 特に低出生体重児及び新生児には聴力検査を実施し慎重に投与すること。第8脳神経障害があらわれることがある。また、3歳未満の患者においては、ABR(聴性脳幹反応)を用いた聴力検査が有用である。[8.4 参照],[11.1.3 参照]
      1. 9.7.5 腎毒性の発現を防ぐため、腎機能検査を行い、慎重に投与すること。[8.5 参照],[11.1.4 参照]
    • 〈点滴静注〉
      1. 9.7.6 低出生体重児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
    • 〈筋肉内注射〉
      1. 9.7.7 小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。[14.2.2 参照]

    9.8 高齢者

    次の点に注意し、用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。

    10. 相互作用

      10.2 併用注意(併用に注意すること)

      薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
      • 腎障害を起こすおそれのある血液代用剤
        • デキストラン
          ヒドロキシエチルデンプン等

      腎障害が発現、悪化することがあるので、併用は避けることが望ましい。

      腎障害が発生した場合には、投与を中止し、透析療法等適切な処置を行うこと。

      機序は明確ではないが、併用によりアミノグリコシド系抗生物質の血中への蓄積、近位尿細管上皮の空胞変性が生じるという報告がある。

      • ループ利尿剤
        • フロセミド
          アゾセミド等

      腎障害及び聴器障害が発現、悪化するおそれがあるので、併用は避けることが望ましい。

      機序は明確ではないが、併用によりアミノグリコシド系抗生物質の血中濃度の上昇、腎への蓄積が起こるという報告がある。

      • 腎毒性及び聴器毒性を有する薬剤
        • バンコマイシン塩酸塩
          エンビオマイシン硫酸塩
          白金含有抗悪性腫瘍剤(シスプラチン、カルボプラチン、ネダプラチン)等

      腎障害及び聴器障害が発現、悪化するおそれがあるので、併用は避けること。やむを得ず併用する場合は、減量するなど慎重に投与すること。

      ただし、小児(特に低出生体重児・新生児)では、バンコマイシンは原則併用しないこと。

      両薬剤ともに腎毒性、聴器毒性を有するが相互作用の機序は不明。

      • (小児に投与する場合)
        • 他のアミノグリコシド系抗生物質(注射剤)

      腎障害及び聴器障害が発現、悪化するおそれがある。

      小児(特に低出生体重児・新生児)では腎機能が未発達であるため。

      • 麻酔剤
        筋弛緩剤
        • ベクロニウム臭化物
          A型ボツリヌス毒素等

      呼吸抑制があらわれるおそれがある。

      呼吸抑制があらわれた場合には、必要に応じ、コリンエステラーゼ阻害剤、カルシウム製剤の投与等の適切な処置を行うこと。

      両薬剤ともに神経筋遮断作用を有しており、併用によりその作用が増強される。

      • 腎毒性を有する薬剤
        • シクロスポリン
          アムホテリシンB等

      腎障害が発現、悪化するおそれがある。

      両薬剤ともに腎毒性を有するが、相互作用の機序は不明。

      11. 副作用

      次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

      11.1 重大な副作用

      1. 11.1.1 ショック(0.1%未満)

        [8.2 参照]

      2. 11.1.2 痙攣(0.1%未満)
      3. 11.1.3 眩暈、耳鳴、耳閉感(いずれも0.1%未満)、難聴(0.1~5%未満)等の第8脳神経障害

        [7.2 参照],[8.4 参照],[9.1.1 参照],[9.2 参照],[9.7.4 参照],[9.8 参照]

      4. 11.1.4 急性腎障害等の重篤な腎障害(0.1~5%未満)

        [7.2 参照],[8.5 参照],[9.1.3 参照],[9.7.5 参照],[9.8 参照]

      5. 11.1.5 汎血球減少(0.1%未満)

        [8.7 参照]

      11.2 その他の副作用

      0.1~5%未満

      0.1%未満

      肝臓

      AST、ALT、Al-P、LDH、γ-GTPの上昇

      黄疸

      腎臓

      BUN、クレアチニンの上昇、蛋白尿、カリウム等電解質の異常

      浮腫、血尿

      過敏症

      発疹

      そう痒、発赤、発熱、蕁麻疹

      血液注)

      貧血、白血球減少、血小板減少、好酸球増多

      消化器

      下痢

      下血、軟便、腹痛、悪心・嘔吐、食欲不振

      注射部位

      注射局所の疼痛又は硬結(筋肉内注射時)

      ビタミン欠乏症

      ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症、出血傾向等)、ビタミンB群欠乏症状(舌炎、口内炎、食欲不振、神経炎等)

      その他

      頭痛、手指しびれ感、全身倦怠感

      注)[8.7 参照]

      13. 過量投与

      1. 13.1 症状

        腎障害、聴覚障害、前庭障害、神経筋遮断症状、呼吸麻痺があらわれることがある。

      2. 13.2 処置

        血液透析、腹膜透析による薬剤の除去を行う。神経筋遮断症状、呼吸麻痺に対してはコリンエステラーゼ阻害剤、カルシウム製剤の投与又は機械的呼吸補助を行う。

      14. 適用上の注意

      14.1 薬剤調製時の注意

      • 〈投与経路共通〉
        1. 14.1.1 現在までに、次の注射剤と混合後、配合変化をおこすことが確認されているので、混注しないこと。
          • セフォペラゾンナトリウム・スルバクタムナトリウム、セファゾリンナトリウム、フェノバルビタール、D-マンニトール、ブロムヘキシン塩酸塩、ヒドロコルチゾンコハク酸エステル、塩化カルシウム水和物、ドキソルビシン塩酸塩と混注すると、白濁・沈殿を生じることがある。
          • アンピシリンナトリウム、アンピシリンナトリウム・クロキサシリンナトリウム、イミペネム・シラスタチンナトリウム、セフメタゾールナトリウム、ピペラシリンナトリウム、フロモキセフナトリウム、ラタモキセフナトリウムと混注すると、両剤の反応によりアミドを形成し、本剤の活性低下を来すので、それぞれ別経路で投与すること。
      • 〈点滴静注〉
        1. 14.1.2 希釈後は速やかに使用すること。

      14.2 薬剤投与時の注意

      • 〈点滴静注〉
        1. 14.2.1 副作用の発生を防ぐため、必ず30分以上かけて投与すること。
      • 〈筋肉内注射〉
        1. 14.2.2 組織・神経などへの影響を避けるため、下記の点に注意すること。
          • 同一部位への反復注射はなるべく行わないこと。
            また、小児には特に注意すること。[9.7.7 参照]
          • 神経走行部位を避けるよう注意すること。
            なお、注射針を刺入したとき、神経に当たったと思われるような激痛を訴えた場合は、直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。
          • 注射器の内筒を軽くひき、血液の逆流がないことを確かめて注射すること。
          • 硬結をきたすことがあるので、注射直後は局所を十分にもむこと。

      15. その他の注意

      15.1 臨床使用に基づく情報

      1. 15.1.1 クエン酸水和物で抗凝固処理した血液を大量輸血された患者にアミノグリコシド系抗生物質を投与すると、投与経路にかかわらず、神経筋遮断症状、呼吸麻痺があらわれることがある。
      2. 15.1.2 *本剤は添加剤として亜硫酸塩を含有している。喘息患者では非喘息患者よりも亜硫酸塩に対する過敏症が多く認められるとの報告がある。

      その他詳細情報

      日本標準商品分類番号
      876119
      ブランドコード
      6119400A3037, 6119400A1069, 6119400A2073, 6119400A4025
      承認番号
      21800AMX10544000, 21800AMX10543000, 21800AMX10542000, 22000AMX00270000
      販売開始年月
      1999-03, 1990-12, 1990-12, 2008-06
      貯法
      室温保存、室温保存、室温保存、室温保存
      有効期間
      3年、3年、3年、3年
      規制区分
      2, 12, 2, 12, 2, 12, 2, 12

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