薬効分類名抗悪性腫瘍剤(AKT阻害剤)

一般的名称カピバセルチブ錠

トルカプ錠160mg、トルカプ錠200mg

とるかぷじょう、とるかぷじょう

Truqap, Truqap

製造販売元/アストラゼネカ株式会社

第3版
警告禁忌相互作用合併症・既往歴等のある患者腎機能障害患者肝機能障害患者生殖能を有する者妊婦授乳婦小児等

重大な副作用

頻度
副作用
9.3%
頻度不明
重度の下痢
頻度不明
重度の皮膚障害

その他の副作用

部位
頻度
副作用
感染症・発熱
1%~10%未満
血液系
1%~10%未満
免疫系
1%未満
内分泌・代謝系
10%以上
脳・神経
1%~10%未満
胃腸・消化器系
10%以上
下痢(67.3%)悪心(27.3%)嘔吐口内炎
胃腸・消化器系
1%~10%未満
皮膚
10%以上
発疹(34.1%)
皮膚
1%~10%未満
皮膚
1%未満
腎・尿路
1%~10%未満
腎・尿路
1%未満
全身・局所・適用部位
10%以上
全身・局所・適用部位
1%~10%未満
粘膜の炎症無力症発熱

併用注意

薬剤名等

強いCYP3A阻害剤

イトラコナゾール

クラリスロマイシン

ボリコナゾール 等

[7.3 参照],[16.6.1 参照]

臨床症状・措置方法

本剤の副作用が増強されるおそれがあるので、これらの薬剤との併用は可能な限り避け、CYP3A阻害作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること。やむを得ず併用する場合には、本剤を減量するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。

機序・危険因子

これらの薬剤等がCYP3Aの代謝活性を阻害するため、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。

薬剤名等

グレープフルーツ含有食品

[7.3 参照],[16.6.1 参照]

臨床症状・措置方法

本剤の副作用が増強されるおそれがあるので、摂取しないよう注意すること。

機序・危険因子

これらの薬剤等がCYP3Aの代謝活性を阻害するため、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。

薬剤名等

中程度のCYP3A阻害剤

ベラパミル

エリスロマイシン

フルコナゾール 等

[16.6.3 参照]

臨床症状・措置方法

本剤の副作用が増強されるおそれがあるので、CYP3A阻害作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること。やむを得ず併用する場合には、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。

機序・危険因子

これらの薬剤等がCYP3Aの代謝活性を阻害するため、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。

薬剤名等

強いCYP3A誘導剤

カルバマゼピン

フェニトイン

リファンピシン 等

[16.6.3 参照]

臨床症状・措置方法

本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、これらの薬剤との併用は可能な限り避け、CYP3A誘導作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること。

機序・危険因子

これらの薬剤等がCYP3Aの代謝酵素を誘導するため、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。

薬剤名等

セイヨウオトギリソウ(St. John's Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品

[16.6.3 参照]

臨床症状・措置方法

本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、摂取しないよう注意すること。

機序・危険因子

これらの薬剤等がCYP3Aの代謝酵素を誘導するため、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。

薬剤名等

中程度のCYP3A誘導剤

モダフィニル

フェノバルビタール

リファブチン 等

[16.6.3 参照]

臨床症状・措置方法

本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、CYP3A誘導作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること。

機序・危険因子

これらの薬剤等がCYP3Aの代謝酵素を誘導するため、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。

薬剤名等

CYP3Aの基質となる薬剤

ミダゾラム

カルバマゼピン

シクロスポリン 等

[16.6.2 参照]

臨床症状・措置方法

これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。

機序・危険因子

本剤がCYP3Aの代謝活性を阻害するため、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。

薬剤名等

MATE1、MATE2-K及びOCT2の基質となる薬剤

メトホルミン

プロカインアミド 等

[16.6.3 参照]

臨床症状・措置方法

これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。

機序・危険因子

本剤がMATE1、MATE2-K及びOCT2を阻害するため、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。

詳細情報

正確な情報は PMDA で必ず確認して下さい

注意以下の情報は参考資料としてご活用下さい

1. 警告

本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の使用が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

3. 組成・性状

3.1 組成

トルカプ錠160mg

有効成分 1錠中
カピバセルチブ   160mg
添加剤 結晶セルロース、無水リン酸水素カルシウム、クロスカルメロースナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、コポビドン、マクロゴール4000、ポリデキストロース、中鎖脂肪酸トリグリセリド、酸化チタン、黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄、黒酸化鉄
トルカプ錠200mg

有効成分 1錠中
カピバセルチブ200mg   200mg
添加剤 結晶セルロース、無水リン酸水素カルシウム、クロスカルメロースナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、コポビドン、マクロゴール4000、ポリデキストロース、中鎖脂肪酸トリグリセリド、酸化チタン、黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄、黒酸化鉄

3.2 製剤の性状

トルカプ錠160mg

剤形 明るい灰みの黄赤色の円形のフィルムコーティング錠
外形 表面
裏面
側面
大きさ 直径 約10mm
厚さ 約4.5mm
質量 約0.42g
識別コード CAV160
トルカプ錠200mg

剤形 明るい灰みの黄赤色の楕円形のフィルムコーティング錠
外形 表面
裏面
側面  
大きさ 直径 約14.5mm×約7.3mm
厚さ 約5.0mm
質量 約0.52g
識別コード CAV200

4. 効能又は効果

内分泌療法後に増悪したPIK3CAAKT1又はPTEN遺伝子変異を有するホルモン受容体陽性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌

5. 効能又は効果に関連する注意

  1. 5.1 本剤の術前・術後薬物療法としての有効性及び安全性は確立していない。
  2. 5.2 臨床試験に組み入れられた患者の内分泌療法歴等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。[17.1.1 参照]
  3. 5.3 十分な経験を有する病理医又は検査施設における検査により、PIK3CAAKT1又はPTEN遺伝子変異が確認された患者に投与すること。検査にあたっては、承認された体外診断用医薬品又は医療機器を用いること。なお、承認された体外診断用医薬品又は医療機器に関する情報については、以下のウェブサイトから入手可能である:
    https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/review-information/cd/0001.html

6. 用法及び用量

フルベストラントとの併用において、通常、成人にはカピバセルチブとして1回400mgを1日2回、4日間連続して経口投与し、その後3日間休薬する。これを1サイクルとして投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。

7. 用法及び用量に関連する注意

  1. 7.1 他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。
  2. 7.2 本剤投与により副作用が発現した場合には、以下の目安を考慮して、休薬・減量・中止すること。
    減量の目安

    減量レベル

    1回用量

    通常投与量

    400mg

    1段階減量

    320mg

    2段階減量

    200mg

    3段階減量

    投与中止

    副作用発現時の用量調節基準

    副作用

    程度注)

    処置

    高血糖

    症候性のGrade 2

    Grade 1以下に回復するまで休薬する。

    21日以内に回復した場合、同一用量で投与を再開する。

    21日を過ぎてから回復した場合、1段階減量した用量で投与を再開する。

    Grade 3

    Grade 1以下に回復するまで休薬する。

    21日以内に回復した場合、1段階減量した用量で投与を再開する。

    21日以内に回復しなかった場合、投与を中止する。

    Grade 4

    投与を中止する。

    下痢

    Grade 2

    Grade 1以下に回復するまで休薬する。

    21日以内に回復した場合、同一用量又は1段階減量した用量で投与を再開する。

    21日以内に回復しなかった場合、又は再発した場合、1段階減量した用量で投与を再開する。

    Grade 3

    Grade 1以下に回復するまで休薬する。

    21日以内に回復した場合、1段階減量した用量で投与を再開する。

    21日以内に回復しなかった場合、投与を中止する。

    Grade 4

    投与を中止する。

    発疹及びその他の皮膚障害

    Grade 2

    持続する場合、休薬する。

    再開する場合、同一用量で投与する。

    Grade 3

    Grade 1以下に回復するまで休薬する。

    28日以内に回復した場合、1段階減量した用量で投与を再開する。

    28日以内に回復しなかった場合、投与を中止する。

    Grade 3以上の忍容不能な発疹又はその他の皮膚障害が再発した場合、投与の中止を検討する。

    Grade 4

    投与を中止する。

    上記以外の副作用

    Grade 2(忍容不能な場合)
    及び
    Grade 3

    Grade 1以下又は忍容可能なGrade 2に回復するまで休薬する。

    21日以内に回復した場合、同一用量又は1段階減量した用量で投与を再開する。

    21日以内に回復しなかった場合、投与を中止する。

    Grade 4

    投与を中止する。

    注)高血糖のGradeはNCI-CTCAE ver4.03に、その他の副作用のGradeはNCI-CTCAE ver5.0に準じる。

  3. 7.3 強いCYP3A阻害剤と併用する場合には、本剤の1回用量を320mgに減量すること。[10.2 参照],[16.7.1 参照]

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 **,*高血糖、糖尿病があらわれ、糖尿病性ケトアシドーシスに至ることがあるので、投与開始前及び投与中は定期的に空腹時血糖値及びHbA1cの測定を行うこと。本剤投与中は血糖値、HbA1cの測定に加えて、ケトン体の測定を実施することが望ましい。
    本剤の使用にあたっては、患者に対し高血糖について十分に説明するとともに、高血糖の症状(口渇、頻尿、多尿、体重減少等)があらわれた場合には、速やかに医療機関を受診するよう指導すること。[9.1.1 参照],[11.1.1 参照]

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 糖尿病若しくはその既往を有する患者又は血糖コントロールが不良な患者

    **,*高血糖又は糖尿病が発現又は悪化し、糖尿病性ケトアシドーシスを発現するリスクが高くなるおそれがある。臨床試験においては、1型糖尿病又はインスリンの投与を必要とする2型糖尿病患者及びHbA1c≧8.0%の患者は除外された。[8.1 参照],[11.1.1 参照]

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1 重度の腎機能障害のある患者

    重度の腎機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。

9.3 肝機能障害患者

本剤は主に肝臓で代謝されるため、血中濃度が上昇する可能性がある。なお、肝機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。

9.4 生殖能を有する者

  1. 9.4.1 妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後1カ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。[9.5 参照]
  2. 9.4.2 生殖可能な男性に投与する場合には、造精機能の低下があらわれる可能性があることを考慮すること。ラット及びイヌを用いた反復投与毒性試験において、AUC比較で臨床曝露量の1.3倍(ラット)又は0.9倍(イヌ)の曝露量で雄生殖器への影響(精巣精細管変性/萎縮性変化、精巣上体精子数減少、細胞残渣等)が認められ、4週間の休薬後においても回復性は認められなかった。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。ラットにおける胚・胎児発生試験において、AUC比較で臨床曝露量の約0.7倍に相当する用量で胚致死作用及び胎児発育抑制が認められた。[9.4.1 参照]

9.6 授乳婦

授乳しないことが望ましい。授乳中のラット新生児において本剤の曝露が確認されており、成長への悪影響が認められている。ヒト乳汁中への移行に関するデータはないが、本剤が乳汁に移行する可能性があり、乳児が乳汁を介して本剤を摂取した場合、乳児に重篤な副作用が発現するおそれがある。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

10. 相互作用

  • 本剤は、主にCYP3Aにより代謝され、CYP3Aに弱い阻害作用を示す。また、本剤はMATE1、MATE2-K及びOCT2に阻害作用を示す。[16.4 参照]

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子

強いCYP3A阻害剤

イトラコナゾール

クラリスロマイシン

ボリコナゾール 等

[7.3 参照],[16.7.1 参照]

本剤の副作用が増強されるおそれがあるので、これらの薬剤との併用は可能な限り避け、CYP3A阻害作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること。やむを得ず併用する場合には、本剤を減量するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。

これらの薬剤等がCYP3Aの代謝活性を阻害するため、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。

グレープフルーツ含有食品

[7.3 参照],[16.7.1 参照]

本剤の副作用が増強されるおそれがあるので、摂取しないよう注意すること。

これらの薬剤等がCYP3Aの代謝活性を阻害するため、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。

中程度のCYP3A阻害剤

ベラパミル

エリスロマイシン

フルコナゾール 等

[16.7.3 参照]

本剤の副作用が増強されるおそれがあるので、CYP3A阻害作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること。やむを得ず併用する場合には、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。

これらの薬剤等がCYP3Aの代謝活性を阻害するため、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。

強いCYP3A誘導剤

カルバマゼピン

フェニトイン

リファンピシン 等

[16.7.3 参照]

本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、これらの薬剤との併用は可能な限り避け、CYP3A誘導作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること。

これらの薬剤等がCYP3Aの代謝酵素を誘導するため、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。

セイヨウオトギリソウ(St. John's Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品

[16.7.3 参照]

本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、摂取しないよう注意すること。

これらの薬剤等がCYP3Aの代謝酵素を誘導するため、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。

中程度のCYP3A誘導剤

モダフィニル

フェノバルビタール

リファブチン 等

[16.7.3 参照]

本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、CYP3A誘導作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること。

これらの薬剤等がCYP3Aの代謝酵素を誘導するため、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。

CYP3Aの基質となる薬剤

ミダゾラム

カルバマゼピン

シクロスポリン 等

[16.7.2 参照]

これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。

本剤がCYP3Aの代謝活性を阻害するため、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。

MATE1、MATE2-K及びOCT2の基質となる薬剤

メトホルミン

プロカインアミド 等

[16.7.3 参照]

これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。

本剤がMATE1、MATE2-K及びOCT2を阻害するため、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 高血糖

    **,*高血糖(14.1%)、糖尿病(0.3%)があらわれ、糖尿病性ケトアシドーシス(0.3%)に至るおそれがある。糖尿病性ケトアシドーシスが疑われる場合は、直ちに休薬、糖尿病性ケトアシドーシスと診断された場合は、投与を中止すること。[8.1 参照],[9.1.1 参照]

  2. 11.1.2 重度の下痢(9.3%)
  3. 11.1.3 重度の皮膚障害

    多形紅斑(1.7%)、全身性剥脱性皮膚炎(0.6%)等の重度の皮膚障害があらわれることがある。

11.2 その他の副作用

10%以上

1%~10%未満

1%未満

感染症および寄生虫症

尿路感染

血液および

リンパ系障害

貧血

好中球減少症、血小板減少症、白血球減少症、リンパ球減少症

免疫系障害

過敏症

代謝および栄養障害

食欲減退

神経系障害

味覚不全、頭痛

胃腸障害

下痢(67.3%)、悪心(27.3%)、嘔吐、口内炎

消化不良

皮膚および

皮下組織障害

発疹(34.1%)

そう痒症、皮膚乾燥、薬疹

皮膚炎

腎および
尿路障害

急性腎障害

腎不全、腎機能障害

一般・全身障害および
投与部位の状態

疲労

粘膜の炎症、無力症、発熱

臨床検査

血中クレアチニン増加、グリコヘモグロビン増加、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加、白血球数減少

心電図QT延長、糸球体濾過率減少

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。

15. その他の注意

15.2 非臨床試験に基づく情報

  1. 15.2.1 ラットの骨髄小核試験において、総AUC比較で臨床曝露量の約1.3倍に相当する用量で遺伝毒性(異数性誘発作用)が認められたものの、in vitro試験においては変異原性又は染色体構造異常誘発性は認められなかった。
  2. 15.2.2 **ラットを用いた2年間がん原性試験において、総AUC比較で臨床曝露量未満に相当する用量で雄の水晶体の変性が認められた。
  3. 15.2.3 **ラットを用いた2年間がん原性試験において、総AUC比較で臨床曝露量未満に相当する用量で雌雄にランゲルハンス島肥大・過形成の発生率増加や重症化、雄に膵島細胞腫瘍、精巣の腫瘍(精巣鞘膜の中皮腫)、包皮腺腫瘍(包皮腺はヒトにおいて該当する器官は存在しない)の発生が認められた。

1. 警告

本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の使用が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

3. 組成・性状

3.1 組成

トルカプ錠160mg

有効成分 1錠中
カピバセルチブ   160mg
添加剤 結晶セルロース、無水リン酸水素カルシウム、クロスカルメロースナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、コポビドン、マクロゴール4000、ポリデキストロース、中鎖脂肪酸トリグリセリド、酸化チタン、黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄、黒酸化鉄
トルカプ錠200mg

有効成分 1錠中
カピバセルチブ200mg   200mg
添加剤 結晶セルロース、無水リン酸水素カルシウム、クロスカルメロースナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、コポビドン、マクロゴール4000、ポリデキストロース、中鎖脂肪酸トリグリセリド、酸化チタン、黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄、黒酸化鉄

3.2 製剤の性状

トルカプ錠160mg

剤形 明るい灰みの黄赤色の円形のフィルムコーティング錠
外形 表面
裏面
側面
大きさ 直径 約10mm
厚さ 約4.5mm
質量 約0.42g
識別コード CAV160
トルカプ錠200mg

剤形 明るい灰みの黄赤色の楕円形のフィルムコーティング錠
外形 表面
裏面
側面  
大きさ 直径 約14.5mm×約7.3mm
厚さ 約5.0mm
質量 約0.52g
識別コード CAV200

4. 効能又は効果

内分泌療法後に増悪したPIK3CAAKT1又はPTEN遺伝子変異を有するホルモン受容体陽性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌

5. 効能又は効果に関連する注意

  1. 5.1 本剤の術前・術後薬物療法としての有効性及び安全性は確立していない。
  2. 5.2 臨床試験に組み入れられた患者の内分泌療法歴等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。[17.1.1 参照]
  3. 5.3 十分な経験を有する病理医又は検査施設における検査により、PIK3CAAKT1又はPTEN遺伝子変異が確認された患者に投与すること。検査にあたっては、承認された体外診断用医薬品又は医療機器を用いること。なお、承認された体外診断用医薬品又は医療機器に関する情報については、以下のウェブサイトから入手可能である:
    https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/review-information/cd/0001.html

6. 用法及び用量

フルベストラントとの併用において、通常、成人にはカピバセルチブとして1回400mgを1日2回、4日間連続して経口投与し、その後3日間休薬する。これを1サイクルとして投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。

7. 用法及び用量に関連する注意

  1. 7.1 他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。
  2. 7.2 本剤投与により副作用が発現した場合には、以下の目安を考慮して、休薬・減量・中止すること。
    減量の目安

    減量レベル

    1回用量

    通常投与量

    400mg

    1段階減量

    320mg

    2段階減量

    200mg

    3段階減量

    投与中止

    副作用発現時の用量調節基準

    副作用

    程度注)

    処置

    高血糖

    症候性のGrade 2

    Grade 1以下に回復するまで休薬する。

    21日以内に回復した場合、同一用量で投与を再開する。

    21日を過ぎてから回復した場合、1段階減量した用量で投与を再開する。

    Grade 3

    Grade 1以下に回復するまで休薬する。

    21日以内に回復した場合、1段階減量した用量で投与を再開する。

    21日以内に回復しなかった場合、投与を中止する。

    Grade 4

    投与を中止する。

    下痢

    Grade 2

    Grade 1以下に回復するまで休薬する。

    21日以内に回復した場合、同一用量又は1段階減量した用量で投与を再開する。

    21日以内に回復しなかった場合、又は再発した場合、1段階減量した用量で投与を再開する。

    Grade 3

    Grade 1以下に回復するまで休薬する。

    21日以内に回復した場合、1段階減量した用量で投与を再開する。

    21日以内に回復しなかった場合、投与を中止する。

    Grade 4

    投与を中止する。

    発疹及びその他の皮膚障害

    Grade 2

    持続する場合、休薬する。

    再開する場合、同一用量で投与する。

    Grade 3

    Grade 1以下に回復するまで休薬する。

    28日以内に回復した場合、1段階減量した用量で投与を再開する。

    28日以内に回復しなかった場合、投与を中止する。

    Grade 3以上の忍容不能な発疹又はその他の皮膚障害が再発した場合、投与の中止を検討する。

    Grade 4

    投与を中止する。

    上記以外の副作用

    Grade 2(忍容不能な場合)
    及び
    Grade 3

    Grade 1以下又は忍容可能なGrade 2に回復するまで休薬する。

    21日以内に回復した場合、同一用量又は1段階減量した用量で投与を再開する。

    21日以内に回復しなかった場合、投与を中止する。

    Grade 4

    投与を中止する。

    注)高血糖のGradeはNCI-CTCAE ver4.03に、その他の副作用のGradeはNCI-CTCAE ver5.0に準じる。

  3. 7.3 強いCYP3A阻害剤と併用する場合には、本剤の1回用量を320mgに減量すること。[10.2 参照],[16.7.1 参照]

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 **,*高血糖、糖尿病があらわれ、糖尿病性ケトアシドーシスに至ることがあるので、投与開始前及び投与中は定期的に空腹時血糖値及びHbA1cの測定を行うこと。本剤投与中は血糖値、HbA1cの測定に加えて、ケトン体の測定を実施することが望ましい。
    本剤の使用にあたっては、患者に対し高血糖について十分に説明するとともに、高血糖の症状(口渇、頻尿、多尿、体重減少等)があらわれた場合には、速やかに医療機関を受診するよう指導すること。[9.1.1 参照],[11.1.1 参照]

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 糖尿病若しくはその既往を有する患者又は血糖コントロールが不良な患者

    **,*高血糖又は糖尿病が発現又は悪化し、糖尿病性ケトアシドーシスを発現するリスクが高くなるおそれがある。臨床試験においては、1型糖尿病又はインスリンの投与を必要とする2型糖尿病患者及びHbA1c≧8.0%の患者は除外された。[8.1 参照],[11.1.1 参照]

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1 重度の腎機能障害のある患者

    重度の腎機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。

9.3 肝機能障害患者

本剤は主に肝臓で代謝されるため、血中濃度が上昇する可能性がある。なお、肝機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。

9.4 生殖能を有する者

  1. 9.4.1 妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後1カ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。[9.5 参照]
  2. 9.4.2 生殖可能な男性に投与する場合には、造精機能の低下があらわれる可能性があることを考慮すること。ラット及びイヌを用いた反復投与毒性試験において、AUC比較で臨床曝露量の1.3倍(ラット)又は0.9倍(イヌ)の曝露量で雄生殖器への影響(精巣精細管変性/萎縮性変化、精巣上体精子数減少、細胞残渣等)が認められ、4週間の休薬後においても回復性は認められなかった。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。ラットにおける胚・胎児発生試験において、AUC比較で臨床曝露量の約0.7倍に相当する用量で胚致死作用及び胎児発育抑制が認められた。[9.4.1 参照]

9.6 授乳婦

授乳しないことが望ましい。授乳中のラット新生児において本剤の曝露が確認されており、成長への悪影響が認められている。ヒト乳汁中への移行に関するデータはないが、本剤が乳汁に移行する可能性があり、乳児が乳汁を介して本剤を摂取した場合、乳児に重篤な副作用が発現するおそれがある。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

10. 相互作用

  • 本剤は、主にCYP3Aにより代謝され、CYP3Aに弱い阻害作用を示す。また、本剤はMATE1、MATE2-K及びOCT2に阻害作用を示す。[16.4 参照]

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子

強いCYP3A阻害剤

イトラコナゾール

クラリスロマイシン

ボリコナゾール 等

[7.3 参照],[16.7.1 参照]

本剤の副作用が増強されるおそれがあるので、これらの薬剤との併用は可能な限り避け、CYP3A阻害作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること。やむを得ず併用する場合には、本剤を減量するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。

これらの薬剤等がCYP3Aの代謝活性を阻害するため、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。

グレープフルーツ含有食品

[7.3 参照],[16.7.1 参照]

本剤の副作用が増強されるおそれがあるので、摂取しないよう注意すること。

これらの薬剤等がCYP3Aの代謝活性を阻害するため、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。

中程度のCYP3A阻害剤

ベラパミル

エリスロマイシン

フルコナゾール 等

[16.7.3 参照]

本剤の副作用が増強されるおそれがあるので、CYP3A阻害作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること。やむを得ず併用する場合には、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。

これらの薬剤等がCYP3Aの代謝活性を阻害するため、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。

強いCYP3A誘導剤

カルバマゼピン

フェニトイン

リファンピシン 等

[16.7.3 参照]

本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、これらの薬剤との併用は可能な限り避け、CYP3A誘導作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること。

これらの薬剤等がCYP3Aの代謝酵素を誘導するため、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。

セイヨウオトギリソウ(St. John's Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品

[16.7.3 参照]

本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、摂取しないよう注意すること。

これらの薬剤等がCYP3Aの代謝酵素を誘導するため、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。

中程度のCYP3A誘導剤

モダフィニル

フェノバルビタール

リファブチン 等

[16.7.3 参照]

本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、CYP3A誘導作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること。

これらの薬剤等がCYP3Aの代謝酵素を誘導するため、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。

CYP3Aの基質となる薬剤

ミダゾラム

カルバマゼピン

シクロスポリン 等

[16.7.2 参照]

これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。

本剤がCYP3Aの代謝活性を阻害するため、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。

MATE1、MATE2-K及びOCT2の基質となる薬剤

メトホルミン

プロカインアミド 等

[16.7.3 参照]

これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。

本剤がMATE1、MATE2-K及びOCT2を阻害するため、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 高血糖

    **,*高血糖(14.1%)、糖尿病(0.3%)があらわれ、糖尿病性ケトアシドーシス(0.3%)に至るおそれがある。糖尿病性ケトアシドーシスが疑われる場合は、直ちに休薬、糖尿病性ケトアシドーシスと診断された場合は、投与を中止すること。[8.1 参照],[9.1.1 参照]

  2. 11.1.2 重度の下痢(9.3%)
  3. 11.1.3 重度の皮膚障害

    多形紅斑(1.7%)、全身性剥脱性皮膚炎(0.6%)等の重度の皮膚障害があらわれることがある。

11.2 その他の副作用

10%以上

1%~10%未満

1%未満

感染症および寄生虫症

尿路感染

血液および

リンパ系障害

貧血

好中球減少症、血小板減少症、白血球減少症、リンパ球減少症

免疫系障害

過敏症

代謝および栄養障害

食欲減退

神経系障害

味覚不全、頭痛

胃腸障害

下痢(67.3%)、悪心(27.3%)、嘔吐、口内炎

消化不良

皮膚および

皮下組織障害

発疹(34.1%)

そう痒症、皮膚乾燥、薬疹

皮膚炎

腎および
尿路障害

急性腎障害

腎不全、腎機能障害

一般・全身障害および
投与部位の状態

疲労

粘膜の炎症、無力症、発熱

臨床検査

血中クレアチニン増加、グリコヘモグロビン増加、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加、白血球数減少

心電図QT延長、糸球体濾過率減少

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。

15. その他の注意

15.2 非臨床試験に基づく情報

  1. 15.2.1 ラットの骨髄小核試験において、総AUC比較で臨床曝露量の約1.3倍に相当する用量で遺伝毒性(異数性誘発作用)が認められたものの、in vitro試験においては変異原性又は染色体構造異常誘発性は認められなかった。
  2. 15.2.2 **ラットを用いた2年間がん原性試験において、総AUC比較で臨床曝露量未満に相当する用量で雄の水晶体の変性が認められた。
  3. 15.2.3 **ラットを用いた2年間がん原性試験において、総AUC比較で臨床曝露量未満に相当する用量で雌雄にランゲルハンス島肥大・過形成の発生率増加や重症化、雄に膵島細胞腫瘍、精巣の腫瘍(精巣鞘膜の中皮腫)、包皮腺腫瘍(包皮腺はヒトにおいて該当する器官は存在しない)の発生が認められた。

その他詳細情報

日本標準商品分類番号
874291
ブランドコード
4291082F1028, 4291082F2024
承認番号
30600AMX00119, 30600AMX00120
販売開始年月
2024-05, 2024-05
貯法
室温保存、室温保存
有効期間
48カ月、48カ月
規制区分

重要な注意事項

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