薬効分類名エンドセリン受容体拮抗薬
一般的名称ボセンタン水和物
ボセンタン錠62.5mg「サワイ」
ぼせんたんじょう
BOSENTAN Tablets [SAWAI]
製造販売元/沢井製薬株式会社
重大な副作用
その他の副作用
併用注意
ワルファリン
[8.2 参照],[9.1.2 参照],[16.7.3 参照]
ワルファリンの血中濃度が低下することがある。そのため、ワルファリンを併用する際には、凝血能の変動に十分注意しながら、必要に応じ用量を調整すること。
本剤のCYP2C9及びCYP3A4誘導作用により、ワルファリンの血中濃度を低下させる。
ケトコナゾール注)、フルコナゾール
[16.7.4 参照]
本剤の血中濃度が上昇し、本剤の副作用が発現しやすくなるおそれがある。
ケトコナゾールのCYP3A4阻害作用により、本剤の血中濃度を上昇させる。
フルコナゾールのCYP2C9及びCYP3A4阻害作用により、本剤の血中濃度を上昇させる可能性がある。
HMG-CoA還元酵素阻害薬(シンバスタチン等)
[8.2 参照],[16.7.5 参照]
シンバスタチンの血中濃度が低下し、シンバスタチンの効果が減弱する。
また、CYP3A4又はCYP2C9により代謝されるスタチン製剤及びその活性水酸化物の血中濃度を低下させ、効果を減弱させる可能性がある。
そのため、これらの薬剤を併用する場合には、血清コレステロール濃度を測定し、必要に応じ用量を調整すること。
本剤のCYP3A4又はCYP2C9誘導作用により、シンバスタチン及びこれらの酵素により代謝されるスタチン製剤の血中濃度を低下させる。
リファンピシン
[16.7.6 参照]
本剤の血中濃度が低下し、本剤の効果が減弱するおそれがある。
リファンピシンのCYP2C9及びCYP3A4誘導作用により、本剤の血中濃度を低下させる。
Ca拮抗薬(アムロジピン、ニフェジピン、ジルチアゼム等)
(1)血圧低下を助長するおそれがある。
(2)Ca拮抗薬の血中濃度が低下する可能性がある。
(1)両剤の薬理学的な相加作用等が考えられる。
(2)本剤のCYP3A4誘導作用により、Ca拮抗薬の血中濃度を低下させる可能性がある。
経口避妊薬
[16.7.7 参照]
経口避妊薬の血中濃度が低下し、避妊効果が得られないおそれがある。
本剤のCYP3A4誘導作用により、経口避妊薬の血中濃度を低下させる。
グレープフルーツジュース
本剤の血中濃度が上昇し、本剤の副作用が発現しやすくなるおそれがあるので、本剤投与時はグレープフルーツジュースを摂取しないようにすること。
グレープフルーツジュースに含まれる成分のCYP3A4阻害作用により、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
セイヨウオトギリソウ(セントジョーンズワート)含有食品
本剤の血中濃度が低下するおそれがあるので、本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないようにすること。
セイヨウオトギリソウに含まれる成分のCYP3A4誘導作用により、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。
プロスタグランジン系薬物(ベラプロストナトリウム、エポプロステノールナトリウム)
血圧低下を助長するおそれがある。
両剤の薬理学的な相加作用等が考えられる。
PDE5阻害薬(シルデナフィルクエン酸塩、バルデナフィル塩酸塩水和物、タダラフィル)
[16.7.8 参照]
(1)血圧低下を助長するおそれがある。
(2)PDE5阻害薬の血中濃度が低下する可能性がある。
(3)シルデナフィルの血中濃度が低下し、本剤の血中濃度が上昇する。
(1)両剤の薬理学的な相加作用等が考えられる。
(2)本剤のCYP3A4誘導作用により、この酵素で代謝されるPDE5阻害薬の血中濃度を低下させる可能性がある。
(3)本剤のCYP3A4誘導作用により、シルデナフィルの血中濃度を低下させる。また、機序は不明であるが、シルデナフィルは本剤の血中濃度を上昇させる。
HIV感染症治療薬(リトナビル等)
本剤の血中濃度が上昇し、本剤の副作用が発現しやすくなるおそれがある。
これらの薬剤のCYP3A4阻害作用により、本剤の血中濃度を上昇させる可能性がある。
1. 警告
*本剤投与により肝機能障害又は自己免疫性肝炎が発現することがあるため、肝機能検査を必ず投与前に行い、投与中においても、少なくとも1ヵ月に1回実施すること。なお、投与開始3ヵ月間は2週に1回の検査が望ましい。肝機能検査値の異常が認められた場合はその程度及び臨床症状に応じて、減量及び投与中止など適切な処置をとること。
[7.1 参照],[7.2 参照],[8.1 参照],[9.3.1 参照],[9.3.2 参照],[11.1.1 参照],[11.1.2 参照]
2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)
- 2.1 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.4 参照],[9.5 参照]
- 2.2 中等度あるいは重度の肝障害のある患者[9.3.1 参照]
- 2.3 シクロスポリン又はタクロリムスを投与中の患者[10.1 参照],[16.7.1 参照]
- 2.4 グリベンクラミドを投与中の患者[10.1 参照],[16.7.2 参照]
- 2.5 本剤及び本剤の成分に過敏症の既往歴のある患者
6. 用法及び用量
通常、成人には、投与開始から4週間は、ボセンタンとして1回62.5mgを1日2回朝夕食後に経口投与する。投与5週目から、ボセンタンとして1回125mgを1日2回朝夕食後に経口投与する。
なお、用量は患者の症状、忍容性などに応じ適宜増減するが、最大1日250mgまでとする。
7. 用法及び用量に関連する注意
-
〈効能共通〉
-
7.1 本剤投与中に、AST又はALT値が基準値上限の3倍を超えた場合、用量調節と肝機能検査を以下の基準を参考に行うこと。[1 参照],[7.2 参照],[8.1 参照],[9.3.1 参照],[9.3.2 参照],[11.1.1 参照],[11.1.2 参照]
AST/ALT値
投与法と肝機能検査の実施時期
>3及び≦5×ULN
減量又は投与を中止する。その後少なくとも2週間毎にAST、ALT値を測定し、それらが治療前値に回復した場合は、適宜投与を継続又は再開注)する。
>5及び≦8×ULN
投与を中止する。その後少なくとも2週間毎にAST、ALT値を測定し、それらが治療前値に回復した場合は、投与の再開注)を考慮する。
>8×ULN
投与を中止し再投与してはならない。
ULN:基準値上限
注)再投与する場合は、開始用量から始めること。AST、ALT値は3日以内に確認し、2週間後に再度確認後、上記の投与法と肝機能検査の実施時期を参考にして投与する。 - 7.2 *AST、ALT値の上昇が肝障害又は自己免疫性肝炎の臨床症状、例えば、嘔気、嘔吐、発熱、腹痛、黄疸、嗜眠又は疲労、インフルエンザ様症状(関節痛、筋痛、発熱)などを伴う場合、又はビリルビン値が基準値上限の2倍以上の場合は投与を中止すること。[1 参照],[7.1 参照],[8.1 参照],[9.3.1 参照],[9.3.2 参照],[11.1.1 参照],[11.1.2 参照]
- 7.3 体重40kg未満の患者では忍容性を考慮し、投与5週目以降もボセンタンとして1回62.5mgを1日2回朝夕食後に経口投与することを考慮するなど、増量は慎重に検討すること。
-
7.1 本剤投与中に、AST又はALT値が基準値上限の3倍を超えた場合、用量調節と肝機能検査を以下の基準を参考に行うこと。[1 参照],[7.2 参照],[8.1 参照],[9.3.1 参照],[9.3.2 参照],[11.1.1 参照],[11.1.2 参照]
-
〈肺動脈性肺高血圧症〉
- 7.4 本剤とボセンタン水和物分散錠(小児用製剤)は生物学的に同等ではなく、ボセンタン水和物分散錠は本剤と比較してバイオアベイラビリティが低いため、互換使用を行わないこと(ボセンタン水和物分散錠64mgの本剤62.5mgに対するCmax比及びAUC比の平均値はそれぞれ0.82及び0.87)。[16.1.1 参照]
- 7.5 本剤からボセンタン水和物分散錠(小児用製剤)への切り替えやボセンタン水和物分散錠から本剤への切り替えを行う場合、曝露量が変動することがあるため、切り替え後は患者の状態に留意し、十分な観察を行うこと。
8. 重要な基本的注意
-
〈効能共通〉
- 8.1 肝機能検査を必ず投与前に行い、投与中においても、少なくとも1ヵ月に1回実施すること。なお投与開始3ヵ月間は2週に1回の検査が望ましい。[1 参照],[7.1 参照],[7.2 参照],[9.3.1 参照],[9.3.2 参照],[11.1.1 参照],[11.1.2 参照]
- 8.2 本剤投与を中止する場合には、併用薬(ワルファリンなど)の使用状況などにより、必要に応じ漸減を考慮すること。[9.1.2 参照],[10.2 参照],[16.7.3 参照],[16.7.5 参照]
- 8.3 ヘモグロビン減少、血小板減少等が起こる可能性があるので、投与開始時及び投与開始後4ヵ月間は毎月、その後は3ヵ月に1回の頻度で血液検査を行うこと。[11.1.3 参照]
- 8.4 本剤の投与により肺水腫の徴候が見られた時は、肺静脈閉塞性疾患の可能性を考慮すること。
- 〈肺動脈性肺高血圧症〉
- 〈全身性強皮症における手指潰瘍の発症抑制〉
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
-
9.1.1 低血圧の患者
血圧を一層低下させるおそれがある。
-
9.1.2 ワルファリンを投与中の患者
本剤投与開始時、増量・減量時及び中止時には必ずINR値の確認を行い、ワルファリン投与量の調節を行うこと。適切なINR値になるまでは2週に1回の検査が望ましい。本剤との併用によりワルファリンの効果が減弱することがある。[8.2 参照],[10.2 参照],[16.7.3 参照]
-
9.1.3 重度の左心室機能不全を合併症にもつ患者
体液貯留の徴候(例えば体重の増加)に対して経過観察を行うこと。徴候が認められた場合には、利尿剤の投与開始、又は投与中の利尿剤の増量などを考慮すること。本剤投与開始前に体液貯留が認められた患者には利尿剤の投与を検討すること。
9.3 肝機能障害患者
9.6 授乳婦
本剤投与中は授乳しないことが望ましい。ヒトにおいて本剤が乳汁中に移行するとの報告がある。
9.7 小児等
9.8 高齢者
一般に生理機能が低下していることが多い。
10. 相互作用
- 本剤は、主に薬物代謝酵素チトクロームP450(CYP2C9、CYP3A4)で代謝される。一方で本剤はCYP2C9、CYP3A4の誘導物質である。また、in vitro試験において本剤はCYP2C19に誘導作用を示した。[16.4 参照]
10.1 併用禁忌(併用しないこと)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
シクロスポリン(サンディミュン、ネオーラル)、タクロリムス(プログラフ) |
(1)本剤の血中濃度が急激に上昇し、本剤の副作用が発現するおそれがある。 |
(1)シクロスポリンのCYP3A4活性阻害作用及び輸送タンパク質阻害による肝細胞への取込み阻害により、本剤の血中濃度を上昇させる。 |
グリベンクラミド(オイグルコン、ダオニール) |
肝酵素値上昇の発現率が2倍に増加した。 |
胆汁酸塩の排泄を競合的に阻害し、肝細胞内に胆汁酸塩の蓄積をもたらす。 |
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
ワルファリン |
ワルファリンの血中濃度が低下することがある。そのため、ワルファリンを併用する際には、凝血能の変動に十分注意しながら、必要に応じ用量を調整すること。 |
本剤のCYP2C9及びCYP3A4誘導作用により、ワルファリンの血中濃度を低下させる。 |
ケトコナゾール注)、フルコナゾール |
本剤の血中濃度が上昇し、本剤の副作用が発現しやすくなるおそれがある。 |
ケトコナゾールのCYP3A4阻害作用により、本剤の血中濃度を上昇させる。 |
HMG-CoA還元酵素阻害薬(シンバスタチン等) |
シンバスタチンの血中濃度が低下し、シンバスタチンの効果が減弱する。 |
本剤のCYP3A4又はCYP2C9誘導作用により、シンバスタチン及びこれらの酵素により代謝されるスタチン製剤の血中濃度を低下させる。 |
リファンピシン |
本剤の血中濃度が低下し、本剤の効果が減弱するおそれがある。 |
リファンピシンのCYP2C9及びCYP3A4誘導作用により、本剤の血中濃度を低下させる。 |
Ca拮抗薬(アムロジピン、ニフェジピン、ジルチアゼム等) |
(1)血圧低下を助長するおそれがある。 |
(1)両剤の薬理学的な相加作用等が考えられる。 |
経口避妊薬 |
経口避妊薬の血中濃度が低下し、避妊効果が得られないおそれがある。 |
本剤のCYP3A4誘導作用により、経口避妊薬の血中濃度を低下させる。 |
グレープフルーツジュース |
本剤の血中濃度が上昇し、本剤の副作用が発現しやすくなるおそれがあるので、本剤投与時はグレープフルーツジュースを摂取しないようにすること。 |
グレープフルーツジュースに含まれる成分のCYP3A4阻害作用により、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。 |
セイヨウオトギリソウ(セントジョーンズワート)含有食品 |
本剤の血中濃度が低下するおそれがあるので、本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないようにすること。 |
セイヨウオトギリソウに含まれる成分のCYP3A4誘導作用により、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。 |
プロスタグランジン系薬物(ベラプロストナトリウム、エポプロステノールナトリウム) |
血圧低下を助長するおそれがある。 |
両剤の薬理学的な相加作用等が考えられる。 |
PDE5阻害薬(シルデナフィルクエン酸塩、バルデナフィル塩酸塩水和物、タダラフィル) |
(1)血圧低下を助長するおそれがある。 |
(1)両剤の薬理学的な相加作用等が考えられる。 |
HIV感染症治療薬(リトナビル等) |
本剤の血中濃度が上昇し、本剤の副作用が発現しやすくなるおそれがある。 |
これらの薬剤のCYP3A4阻害作用により、本剤の血中濃度を上昇させる可能性がある。 |
11. 副作用
11.1 重大な副作用
-
11.1.1 重篤な肝機能障害(1.3%)
AST、ALT等の上昇を伴う重篤な肝機能障害があらわれることがある。[1 参照],[7.1 参照],[7.2 参照],[8.1 参照],[9.3.2 参照]
-
11.1.2 *自己免疫性肝炎(頻度不明)
本剤の投与開始数ヵ月から数年後にあらわれることがある。[1 参照],[7.1 参照],[7.2 参照],[8.1 参照]
-
11.1.3 汎血球減少、白血球減少、好中球減少、血小板減少、貧血(頻度不明)
汎血球減少、白血球減少、好中球減少、血小板減少、貧血(ヘモグロビン減少)があらわれることがある。[8.3 参照]
-
11.1.4 心不全、うっ血性心不全(頻度不明)
心不全が増悪することがあるので、投与中は観察を十分に行い、体液貯留、急激な体重増加、心不全症状・徴候(息切れ、動悸、心胸比増大、胸水等)が増悪あるいは発現した場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.2 その他の副作用
10%以上 |
10%未満 |
頻度不明 |
|
|---|---|---|---|
神経系障害 |
頭痛 |
体位性めまい |
浮動性めまい |
心臓障害 |
動悸 |
||
血管障害 |
ほてり、潮紅、血圧低下 |
||
呼吸器、胸郭及び縦隔障害 |
呼吸困難 |
||
胃腸障害 |
悪心、嘔吐、下痢 |
||
肝胆道系障害 |
肝機能異常 |
||
皮膚及び皮下組織障害 |
皮膚炎、そう痒症、発疹 |
||
筋骨格系及び結合組織障害 |
筋痛 |
背部痛 |
|
全身障害及び投与局所様態 |
倦怠感 |
下肢浮腫、疲労 |
発熱、浮腫 |
臨床検査 |
AST上昇、ALT上昇、γ-GT(GTP)上昇、白血球数減少、ヘモグロビン減少 |
ALP上昇、赤血球数減少、好酸球数増加、ヘマトクリット減少 |
血小板数減少、ビリルビン上昇 |
代謝及び栄養障害 |
体液貯留 |
1. 警告
*本剤投与により肝機能障害又は自己免疫性肝炎が発現することがあるため、肝機能検査を必ず投与前に行い、投与中においても、少なくとも1ヵ月に1回実施すること。なお、投与開始3ヵ月間は2週に1回の検査が望ましい。肝機能検査値の異常が認められた場合はその程度及び臨床症状に応じて、減量及び投与中止など適切な処置をとること。
[7.1 参照],[7.2 参照],[8.1 参照],[9.3.1 参照],[9.3.2 参照],[11.1.1 参照],[11.1.2 参照]
2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)
- 2.1 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.4 参照],[9.5 参照]
- 2.2 中等度あるいは重度の肝障害のある患者[9.3.1 参照]
- 2.3 シクロスポリン又はタクロリムスを投与中の患者[10.1 参照],[16.7.1 参照]
- 2.4 グリベンクラミドを投与中の患者[10.1 参照],[16.7.2 参照]
- 2.5 本剤及び本剤の成分に過敏症の既往歴のある患者
6. 用法及び用量
通常、成人には、投与開始から4週間は、ボセンタンとして1回62.5mgを1日2回朝夕食後に経口投与する。投与5週目から、ボセンタンとして1回125mgを1日2回朝夕食後に経口投与する。
なお、用量は患者の症状、忍容性などに応じ適宜増減するが、最大1日250mgまでとする。
7. 用法及び用量に関連する注意
-
〈効能共通〉
-
7.1 本剤投与中に、AST又はALT値が基準値上限の3倍を超えた場合、用量調節と肝機能検査を以下の基準を参考に行うこと。[1 参照],[7.2 参照],[8.1 参照],[9.3.1 参照],[9.3.2 参照],[11.1.1 参照],[11.1.2 参照]
AST/ALT値
投与法と肝機能検査の実施時期
>3及び≦5×ULN
減量又は投与を中止する。その後少なくとも2週間毎にAST、ALT値を測定し、それらが治療前値に回復した場合は、適宜投与を継続又は再開注)する。
>5及び≦8×ULN
投与を中止する。その後少なくとも2週間毎にAST、ALT値を測定し、それらが治療前値に回復した場合は、投与の再開注)を考慮する。
>8×ULN
投与を中止し再投与してはならない。
ULN:基準値上限
注)再投与する場合は、開始用量から始めること。AST、ALT値は3日以内に確認し、2週間後に再度確認後、上記の投与法と肝機能検査の実施時期を参考にして投与する。 - 7.2 *AST、ALT値の上昇が肝障害又は自己免疫性肝炎の臨床症状、例えば、嘔気、嘔吐、発熱、腹痛、黄疸、嗜眠又は疲労、インフルエンザ様症状(関節痛、筋痛、発熱)などを伴う場合、又はビリルビン値が基準値上限の2倍以上の場合は投与を中止すること。[1 参照],[7.1 参照],[8.1 参照],[9.3.1 参照],[9.3.2 参照],[11.1.1 参照],[11.1.2 参照]
- 7.3 体重40kg未満の患者では忍容性を考慮し、投与5週目以降もボセンタンとして1回62.5mgを1日2回朝夕食後に経口投与することを考慮するなど、増量は慎重に検討すること。
-
7.1 本剤投与中に、AST又はALT値が基準値上限の3倍を超えた場合、用量調節と肝機能検査を以下の基準を参考に行うこと。[1 参照],[7.2 参照],[8.1 参照],[9.3.1 参照],[9.3.2 参照],[11.1.1 参照],[11.1.2 参照]
-
〈肺動脈性肺高血圧症〉
- 7.4 本剤とボセンタン水和物分散錠(小児用製剤)は生物学的に同等ではなく、ボセンタン水和物分散錠は本剤と比較してバイオアベイラビリティが低いため、互換使用を行わないこと(ボセンタン水和物分散錠64mgの本剤62.5mgに対するCmax比及びAUC比の平均値はそれぞれ0.82及び0.87)。[16.1.1 参照]
- 7.5 本剤からボセンタン水和物分散錠(小児用製剤)への切り替えやボセンタン水和物分散錠から本剤への切り替えを行う場合、曝露量が変動することがあるため、切り替え後は患者の状態に留意し、十分な観察を行うこと。
8. 重要な基本的注意
-
〈効能共通〉
- 8.1 肝機能検査を必ず投与前に行い、投与中においても、少なくとも1ヵ月に1回実施すること。なお投与開始3ヵ月間は2週に1回の検査が望ましい。[1 参照],[7.1 参照],[7.2 参照],[9.3.1 参照],[9.3.2 参照],[11.1.1 参照],[11.1.2 参照]
- 8.2 本剤投与を中止する場合には、併用薬(ワルファリンなど)の使用状況などにより、必要に応じ漸減を考慮すること。[9.1.2 参照],[10.2 参照],[16.7.3 参照],[16.7.5 参照]
- 8.3 ヘモグロビン減少、血小板減少等が起こる可能性があるので、投与開始時及び投与開始後4ヵ月間は毎月、その後は3ヵ月に1回の頻度で血液検査を行うこと。[11.1.3 参照]
- 8.4 本剤の投与により肺水腫の徴候が見られた時は、肺静脈閉塞性疾患の可能性を考慮すること。
- 〈肺動脈性肺高血圧症〉
- 〈全身性強皮症における手指潰瘍の発症抑制〉
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
-
9.1.1 低血圧の患者
血圧を一層低下させるおそれがある。
-
9.1.2 ワルファリンを投与中の患者
本剤投与開始時、増量・減量時及び中止時には必ずINR値の確認を行い、ワルファリン投与量の調節を行うこと。適切なINR値になるまでは2週に1回の検査が望ましい。本剤との併用によりワルファリンの効果が減弱することがある。[8.2 参照],[10.2 参照],[16.7.3 参照]
-
9.1.3 重度の左心室機能不全を合併症にもつ患者
体液貯留の徴候(例えば体重の増加)に対して経過観察を行うこと。徴候が認められた場合には、利尿剤の投与開始、又は投与中の利尿剤の増量などを考慮すること。本剤投与開始前に体液貯留が認められた患者には利尿剤の投与を検討すること。
9.3 肝機能障害患者
9.6 授乳婦
本剤投与中は授乳しないことが望ましい。ヒトにおいて本剤が乳汁中に移行するとの報告がある。
9.7 小児等
9.8 高齢者
一般に生理機能が低下していることが多い。
10. 相互作用
- 本剤は、主に薬物代謝酵素チトクロームP450(CYP2C9、CYP3A4)で代謝される。一方で本剤はCYP2C9、CYP3A4の誘導物質である。また、in vitro試験において本剤はCYP2C19に誘導作用を示した。[16.4 参照]
10.1 併用禁忌(併用しないこと)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
シクロスポリン(サンディミュン、ネオーラル)、タクロリムス(プログラフ) |
(1)本剤の血中濃度が急激に上昇し、本剤の副作用が発現するおそれがある。 |
(1)シクロスポリンのCYP3A4活性阻害作用及び輸送タンパク質阻害による肝細胞への取込み阻害により、本剤の血中濃度を上昇させる。 |
グリベンクラミド(オイグルコン、ダオニール) |
肝酵素値上昇の発現率が2倍に増加した。 |
胆汁酸塩の排泄を競合的に阻害し、肝細胞内に胆汁酸塩の蓄積をもたらす。 |
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
ワルファリン |
ワルファリンの血中濃度が低下することがある。そのため、ワルファリンを併用する際には、凝血能の変動に十分注意しながら、必要に応じ用量を調整すること。 |
本剤のCYP2C9及びCYP3A4誘導作用により、ワルファリンの血中濃度を低下させる。 |
ケトコナゾール注)、フルコナゾール |
本剤の血中濃度が上昇し、本剤の副作用が発現しやすくなるおそれがある。 |
ケトコナゾールのCYP3A4阻害作用により、本剤の血中濃度を上昇させる。 |
HMG-CoA還元酵素阻害薬(シンバスタチン等) |
シンバスタチンの血中濃度が低下し、シンバスタチンの効果が減弱する。 |
本剤のCYP3A4又はCYP2C9誘導作用により、シンバスタチン及びこれらの酵素により代謝されるスタチン製剤の血中濃度を低下させる。 |
リファンピシン |
本剤の血中濃度が低下し、本剤の効果が減弱するおそれがある。 |
リファンピシンのCYP2C9及びCYP3A4誘導作用により、本剤の血中濃度を低下させる。 |
Ca拮抗薬(アムロジピン、ニフェジピン、ジルチアゼム等) |
(1)血圧低下を助長するおそれがある。 |
(1)両剤の薬理学的な相加作用等が考えられる。 |
経口避妊薬 |
経口避妊薬の血中濃度が低下し、避妊効果が得られないおそれがある。 |
本剤のCYP3A4誘導作用により、経口避妊薬の血中濃度を低下させる。 |
グレープフルーツジュース |
本剤の血中濃度が上昇し、本剤の副作用が発現しやすくなるおそれがあるので、本剤投与時はグレープフルーツジュースを摂取しないようにすること。 |
グレープフルーツジュースに含まれる成分のCYP3A4阻害作用により、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。 |
セイヨウオトギリソウ(セントジョーンズワート)含有食品 |
本剤の血中濃度が低下するおそれがあるので、本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないようにすること。 |
セイヨウオトギリソウに含まれる成分のCYP3A4誘導作用により、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。 |
プロスタグランジン系薬物(ベラプロストナトリウム、エポプロステノールナトリウム) |
血圧低下を助長するおそれがある。 |
両剤の薬理学的な相加作用等が考えられる。 |
PDE5阻害薬(シルデナフィルクエン酸塩、バルデナフィル塩酸塩水和物、タダラフィル) |
(1)血圧低下を助長するおそれがある。 |
(1)両剤の薬理学的な相加作用等が考えられる。 |
HIV感染症治療薬(リトナビル等) |
本剤の血中濃度が上昇し、本剤の副作用が発現しやすくなるおそれがある。 |
これらの薬剤のCYP3A4阻害作用により、本剤の血中濃度を上昇させる可能性がある。 |
11. 副作用
11.1 重大な副作用
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11.1.1 重篤な肝機能障害(1.3%)
AST、ALT等の上昇を伴う重篤な肝機能障害があらわれることがある。[1 参照],[7.1 参照],[7.2 参照],[8.1 参照],[9.3.2 参照]
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11.1.2 *自己免疫性肝炎(頻度不明)
本剤の投与開始数ヵ月から数年後にあらわれることがある。[1 参照],[7.1 参照],[7.2 参照],[8.1 参照]
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11.1.3 汎血球減少、白血球減少、好中球減少、血小板減少、貧血(頻度不明)
汎血球減少、白血球減少、好中球減少、血小板減少、貧血(ヘモグロビン減少)があらわれることがある。[8.3 参照]
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11.1.4 心不全、うっ血性心不全(頻度不明)
心不全が増悪することがあるので、投与中は観察を十分に行い、体液貯留、急激な体重増加、心不全症状・徴候(息切れ、動悸、心胸比増大、胸水等)が増悪あるいは発現した場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.2 その他の副作用
10%以上 |
10%未満 |
頻度不明 |
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神経系障害 |
頭痛 |
体位性めまい |
浮動性めまい |
心臓障害 |
動悸 |
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血管障害 |
ほてり、潮紅、血圧低下 |
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呼吸器、胸郭及び縦隔障害 |
呼吸困難 |
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胃腸障害 |
悪心、嘔吐、下痢 |
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肝胆道系障害 |
肝機能異常 |
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皮膚及び皮下組織障害 |
皮膚炎、そう痒症、発疹 |
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筋骨格系及び結合組織障害 |
筋痛 |
背部痛 |
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全身障害及び投与局所様態 |
倦怠感 |
下肢浮腫、疲労 |
発熱、浮腫 |
臨床検査 |
AST上昇、ALT上昇、γ-GT(GTP)上昇、白血球数減少、ヘモグロビン減少 |
ALP上昇、赤血球数減少、好酸球数増加、ヘマトクリット減少 |
血小板数減少、ビリルビン上昇 |
代謝及び栄養障害 |
体液貯留 |