薬効分類名深在性真菌症治療剤

一般的名称フルコナゾール

ジフルカンドライシロップ350mg、ジフルカンドライシロップ1400mg

じふるかんどらいしろっぷ350mg、じふるかんどらいしろっぷ1400mg

Diflucan Dry Syrup, Diflucan Dry Syrup

製造販売元/ファイザー株式会社

第4版
禁忌相互作用合併症・既往歴等のある患者腎機能障害患者肝機能障害患者妊婦授乳婦小児等高齢者

重大な副作用

頻度
副作用
頻度不明
頻度不明
中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)
頻度不明
頻度不明
頻度不明
頻度不明
頻度不明
頻度不明
頻度不明
頻度不明
頻度不明
頻度不明
頻度不明

その他の副作用

部位
頻度
副作用
肝臓まわり
1%以上
肝臓まわり
0.1~1%未満
肝臓まわり
頻度不明
皮膚
0.1~1%未満
皮膚
頻度不明
胃腸・消化器系
0.1~1%未満
胃腸・消化器系
頻度不明
脳・神経
0.1~1%未満
脳・神経
頻度不明
腎・尿路
0.1~1%未満
内分泌・代謝系
0.1~1%未満
血液系
0.1~1%未満
その他
0.1~1%未満
その他
頻度不明

併用注意

薬剤名等

ワルファリン
[8.1 参照]

臨床症状・措置方法

プロトロンビン時間の延長、著しいINR上昇及び出血傾向(挫傷、鼻出血、消化管出血、血尿、下血等)の報告がある。

機序・危険因子

本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP2C9を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

薬剤名等

フェニトイン
イブプロフェン
フルルビプロフェン

臨床症状・措置方法

これらの薬剤の血中濃度上昇の報告がある,,,

機序・危険因子

本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP2C9を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

薬剤名等

セレコキシブ

臨床症状・措置方法

セレコキシブの血中濃度が上昇することがある。本剤を使用中の患者にはセレコキシブの投与を低用量から開始すること。

機序・危険因子

本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP2C9を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

薬剤名等

ロサルタン

臨床症状・措置方法

ロサルタンの血中濃度上昇、及び活性代謝物であるカルボン酸体の血中濃度減少の報告がある。

機序・危険因子

本剤はロサルタンの肝臓における主たる代謝酵素であるCYP2C9を阻害するので、併用により活性代謝物であるカルボン酸体の血中濃度が減少することがある。

薬剤名等

HMG-CoA還元酵素阻害薬

  • フルバスタチン
臨床症状・措置方法

これらの薬剤の血中濃度が上昇することがある,,

機序・危険因子

本剤はフルバスタチンの肝臓における主たる代謝酵素であるCYP2C9を阻害するので、併用によりフルバスタチンの血中濃度が上昇することがある。

薬剤名等
  • アトルバスタチン
    シンバスタチン等
臨床症状・措置方法

これらの薬剤の血中濃度が上昇することがある,,

機序・危険因子

本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

薬剤名等

カルバマゼピン

臨床症状・措置方法

カルバマゼピンの血中濃度が上昇し、悪心・嘔吐、めまい、複視等が発現したとの報告がある,

機序・危険因子

本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

薬剤名等

ミダゾラム
エプレレノン
メサドン

臨床症状・措置方法

これらの薬剤の血中濃度上昇の報告がある,

機序・危険因子

本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

薬剤名等

カルシウム拮抗薬

  • ニフェジピン等

ビンカアルカロイド系抗悪性腫瘍薬

  • ビンクリスチン
    ビンブラスチン

エリスロマイシン

臨床症状・措置方法

これらの薬剤の血中濃度上昇のおそれがある。

機序・危険因子

本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

薬剤名等

タクロリムス、シクロスポリン

臨床症状・措置方法

これらの薬剤の血中濃度上昇の報告がある。
また、併用により腎障害の報告がある。

機序・危険因子

本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

薬剤名等

リファブチン

臨床症状・措置方法

リファブチンのAUC上昇の報告があり、リファブチンの作用が増強するおそれがある。

機序・危険因子

本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

薬剤名等

リトナビル

ニルマトレルビル・リトナビル

臨床症状・措置方法

リトナビルのAUC上昇の報告がある。

機序・危険因子

本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

薬剤名等

オキシコドン

臨床症状・措置方法

オキシコドンのAUC上昇の報告がある。

機序・危険因子

本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

薬剤名等

トルバプタン

臨床症状・措置方法

トルバプタンの血中濃度上昇の報告があり、トルバプタンの作用が増強するおそれがある。やむを得ず併用する際は、トルバプタンを減量あるいは低用量から開始すること。

機序・危険因子

本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

薬剤名等

イブルチニブ

臨床症状・措置方法

これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがある。やむを得ず併用する際は、これらの薬剤の減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察すること。

機序・危険因子

本剤はこれらの薬剤の主たる代謝酵素であるCYP3Aを阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

薬剤名等

ラロトレクチニブ

臨床症状・措置方法

これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがある。やむを得ず併用する際は、これらの薬剤の減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察すること。

機序・危険因子

本剤はこれらの薬剤の主たる代謝酵素であるCYP3Aを阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

薬剤名等

レンボレキサント

臨床症状・措置方法

レンボレキサントの血中濃度上昇の報告があり、傾眠等の副作用が増強されるおそれがある。本剤とレンボレキサントの併用にあたっては、患者の状態を慎重に観察した上で、レンボレキサント投与の可否を判断すること。なお、併用する際はレンボレキサントを1日1回2.5㎎とすること。

機序・危険因子

本剤はこれらの薬剤の主たる代謝酵素であるCYP3Aを阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

薬剤名等

バレメトスタット

臨床症状・措置方法

バレメトスタットの副作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察すること。

機序・危険因子

本剤はこれらの薬剤の主たる代謝酵素であるCYP3Aを阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

薬剤名等

フェンタニル

臨床症状・措置方法

フェンタニルの血中濃度上昇のおそれがある。

機序・危険因子

本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の代謝が遅れることがある。

薬剤名等

リバーロキサバン

臨床症状・措置方法

リバーロキサバンの血中濃度が上昇したとの報告がある。

機序・危険因子

本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の代謝が遅れることがある。

薬剤名等

テオフィリン

臨床症状・措置方法

テオフィリンの血中濃度上昇の報告がある。

機序・危険因子

本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるチトクロームP450を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

薬剤名等

経口避妊薬

  • エチニルエストラジオール
    レボノルゲストレル等
臨床症状・措置方法

エチニルエストラジオール、レボノルゲストレルの血中濃度上昇の報告がある。

機序・危険因子

本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるチトクロームP450を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

薬剤名等

スルホニル尿素系血糖降下薬

  • クロルプロパミド
    グリベンクラミド等
臨床症状・措置方法

スルホニル尿素系血糖降下薬の血中濃度上昇の報告がある。
また、併用により低血糖の報告がある。

機序・危険因子

本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるチトクロームP450を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

薬剤名等

ナテグリニド

臨床症状・措置方法

ナテグリニドのAUC上昇及び血中濃度半減期の延長の報告がある。

機序・危険因子

本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるチトクロームP450を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

薬剤名等

トレチノイン

臨床症状・措置方法

中枢神経系の副作用が発現するおそれがある。

機序・危険因子

本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるチトクロームP450を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

薬剤名等

ジアゼパム

臨床症状・措置方法

ジアゼパムのAUC上昇及び血中濃度半減期の延長の報告がある。

機序・危険因子

本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4及び2C19を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

薬剤名等

トファシチニブ

臨床症状・措置方法

トファシチニブのAUCが79%、Cmaxが27%増加したとの報告がある。

機序・危険因子

本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4及び2C19を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

薬剤名等

シクロホスファミド

臨床症状・措置方法

ビリルビンの上昇、クレアチニンの上昇の報告がある。

機序・危険因子

本剤はシクロホスファミドの肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4及び2C9を阻害するので、併用によりシクロホスファミドの血中濃度が上昇することがある。

薬剤名等

アブロシチニブ

臨床症状・措置方法

アブロシチニブの作用が増強するおそれがある。可能な限り本剤を他の類薬に変更する、又は本剤を休薬する等を考慮すること。

機序・危険因子

本剤はアブロシチニブの代謝酵素であるCYP2C19を阻害するので、併用によりアブロシチニブの血中濃度が上昇することがある。

薬剤名等

アミトリプチリン
ノルトリプチリン

臨床症状・措置方法

これらの薬剤の作用が増強するおそれがある,,,

機序・危険因子

本剤はこれらの薬剤の代謝を阻害するので、これらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

薬剤名等

ジドブジン

臨床症状・措置方法

ジドブジンの血中濃度上昇の報告がある。

機序・危険因子

本剤はこれらの薬剤の代謝を阻害するので、これらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

薬剤名等

リファンピシン

臨床症状・措置方法

本剤の血中濃度の低下及び血中濃度半減期の減少の報告がある。

機序・危険因子

リファンピシンは代謝酵素であるチトクロームP450を誘導する。その結果、本剤の肝代謝が増加すると考えられる。

薬剤名等

三酸化二ヒ素

臨床症状・措置方法

QT延長、心室頻拍(torsade de pointesを含む)を起こすおそれがある。

機序・危険因子

本剤及び三酸化二ヒ素は、いずれもQT延長、心室頻拍(torsade de pointesを含む)を起こすことがある。

詳細情報

正確な情報は PMDA で必ず確認して下さい

注意以下の情報は参考資料としてご活用下さい

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 次の薬剤を投与中の患者:トリアゾラム、エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン、ジヒドロエルゴタミン、キニジン、ピモジド、アスナプレビル、ダクラタスビル・アスナプレビル・ベクラブビル、アゼルニジピン、オルメサルタン メドキソミル・アゼルニジピン、ロミタピド、ブロナンセリン、ルラシドン[10.1 参照]
  2. 2.2 本剤に対して過敏症の既往歴のある患者
  3. 2.3 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5 参照]

3. 組成・性状

3.1 組成

ジフルカンドライシロップ350mg

有効成分 1瓶中
日局 フルコナゾール   0.350g
添加剤 精製白糖、軽質無水ケイ酸、酸化チタン、キサンタンガム、クエン酸ナトリウム水和物、無水クエン酸、安息香酸ナトリウム、香料
ジフルカンドライシロップ1400mg

有効成分 1瓶中
日局 フルコナゾール   1.400g
添加剤 精製白糖、軽質無水ケイ酸、酸化チタン、キサンタンガム、クエン酸ナトリウム水和物、無水クエン酸、安息香酸ナトリウム、香料

3.2 製剤の性状

ジフルカンドライシロップ350mg

性状 白色~黄色の粉末で、オレンジの芳香を有する(懸濁して用いるシロップ剤)
ジフルカンドライシロップ1400mg

性状 白色~黄色の粉末で、オレンジの芳香を有する(懸濁して用いるシロップ剤)

4. 効能又は効果

  • カンジダ属及びクリプトコッカス属による下記感染症

    真菌血症、呼吸器真菌症、消化管真菌症、尿路真菌症、真菌髄膜炎

  • 造血幹細胞移植患者における深在性真菌症の予防

6. 用法及び用量

成人

  • 〈カンジダ症〉

    通常、成人にはフルコナゾールとして50~100mgを1日1回経口投与する。

  • 〈クリプトコッカス症〉

    通常、成人にはフルコナゾールとして50~200mgを1日1回経口投与する。

    なお、重症又は難治性真菌感染症の場合には、1日量として400mgまで増量できる。

  • 〈造血幹細胞移植患者における深在性真菌症の予防〉

    成人には、フルコナゾールとして400mgを1日1回経口投与する。

小児

  • 〈カンジダ症〉

    通常、小児にはフルコナゾールとして3mg/kgを1日1回経口投与する。

  • 〈クリプトコッカス症〉

    通常、小児にはフルコナゾールとして3~6mg/kgを1日1回経口投与する。

    なお、重症又は難治性真菌感染症の場合には、1日量として12mg/kgまで増量できる。

  • 〈造血幹細胞移植患者における深在性真菌症の予防〉

    小児には、フルコナゾールとして12mg/kgを1日1回経口投与する。
    なお、患者の状態に応じて適宜減量する。

    ただし、1日量として400mgを超えないこと。

新生児

生後14日までの新生児には、フルコナゾールとして小児と同じ用量を72時間毎に投与する。
生後15日以降の新生児には、フルコナゾールとして小児と同じ用量を48時間毎に投与する。

7. 用法及び用量に関連する注意

  • 〈効能共通〉
    1. 7.1 腎機能障害患者に対する用量調節の目安

      腎機能障害患者に投与する場合は、下表に示すクレアチニン・クリアランス値を参考に用量を調節する1) [9.2 参照],[9.8 参照]

      クレアチニン・クリアランス
      (mL/min)

      用量の目安

      >50
      ≦50(透析患者を除く)
      透析患者

      通常用量
      半量
      透析終了後に通常用量

  • 〈造血幹細胞移植患者における深在性真菌症の予防〉
    1. 7.2 好中球減少症が予想される数日前から投与を開始することが望ましい。
    2. 7.3 好中球数が1000/mm3を超えてから7日間投与することが望ましい。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 本剤投与開始にあたっては、あらかじめワルファリン服用の有無を確認し、ワルファリンと併用する場合は、プロトロンビン時間測定及びトロンボテストの回数を増やすなど慎重に投与すること。[10.2 参照]
  2. 8.2 血液障害、急性腎障害、肝障害、高カリウム血症、心室頻拍、QT延長、不整脈があらわれるおそれがあるので、本剤の投与に際しては、定期的に血液検査、腎機能・肝機能検査、血中電解質検査、心電図検査等を行うこと。[9.1.2 参照],[9.3 参照],[11.1.4 参照],[11.1.5 参照],[11.1.6 参照],[11.1.9 参照],[11.1.10 参照]
  3. 8.3 本剤の投与に際しては、アレルギー既往歴、薬物過敏症等について十分な問診を行うこと。[9.1.1 参照],[11.1.1 参照]

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 薬物過敏症の既往歴のある患者(本剤に対して過敏症の既往歴のある患者には投与しないこと)

                  [8.3 参照],[11.1.1 参照]

  2. 9.1.2 心疾患又は電解質異常のある患者

    心室頻拍(torsade de pointesを含む)、QT延長、心室細動、房室ブロック、徐脈等があらわれることがある。[8.2 参照],[11.1.10 参照]

  3. 9.1.3 遺伝性フルクトース不耐症、グルコース・ガラクトース吸収不全症又はスクラーゼ・イソマルターゼ欠損症の患者

9.2 腎機能障害患者

投与前にクレアチニン・クリアランス試験を行い、投与量を減ずるか、投与間隔をあけて使用すること。血中フルコナゾール濃度が持続する。[7.1 参照]

9.3 肝機能障害患者

肝機能障害を悪化させることがある。[8.2 参照],[11.1.6 参照]

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。催奇形性を疑う症例報告がある2) ,3) ,4) [2.3 参照]

9.6 授乳婦

授乳しないことが望ましい。母乳中への移行が認められている5)

9.7 小児等

新生児においては、投与間隔に留意すること。腎機能が未熟なため血中濃度半減期が延長する。[16.1.2 参照]

9.8 高齢者

用量ならびに投与間隔に留意するなど慎重に投与すること。本剤は主として腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多いため高い血中フルコナゾール濃度が持続するおそれがある。[7.1 参照],[16.4 参照],[16.5 参照]

10. 相互作用

  • 本剤は、CYP2C9、2C19及び3A4を阻害する6)

10.1 併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子

トリアゾラム(ハルシオン等)
[2.1 参照]

トリアゾラムの代謝遅滞による血中濃度の上昇、作用の増強及び作用時間延長の報告がある7)

本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン(クリアミン配合錠)
ジヒドロエルゴタミン
[2.1 参照]

アゾール系抗真菌剤等のCYP3A4を阻害する薬剤とエルゴタミンとの併用により、エルゴタミンの血中濃度が上昇し、血管攣縮等の副作用を起こすおそれがある。

本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

キニジン(キニジン硫酸塩)

**ピモジド
[2.1 参照]

これらの薬剤の血中濃度が上昇することにより、QT延長、torsade de pointesを発現するおそれがある。

本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

アスナプレビル(スンベプラ)
ダクラタスビル・アスナプレビル・ベクラブビル(ジメンシー配合錠)
[2.1 参照]

これらの薬剤の血中濃度が上昇することにより、肝胆道系の副作用が発現し、また重症化するおそれがある。

本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3Aを阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

アゼルニジピン(カルブロック)
オルメサルタン メドキソミル・アゼルニジピン(レザルタス配合錠)
[2.1 参照]

イトラコナゾールとの併用によりアゼルニジピンのAUCが上昇することが報告されている。

本剤はこれらの薬剤の主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

ロミタピド(ジャクスタピッド)
[2.1 参照]

ロミタピドの血中濃度が著しく上昇するおそれがある。

本剤はこれらの薬剤の主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

ブロナンセリン(ロナセン)
ルラシドン(ラツーダ)
[2.1 参照]

これらの薬剤の血中濃度が上昇し、作用が増強するおそれがある。

本剤はこれらの薬剤の主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子

ワルファリン
[8.1 参照]

プロトロンビン時間の延長8) 、著しいINR上昇及び出血傾向(挫傷、鼻出血、消化管出血、血尿、下血等)の報告がある。

本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP2C9を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

フェニトイン
イブプロフェン
フルルビプロフェン

これらの薬剤の血中濃度上昇の報告がある9) ,10) ,11) ,12)

本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP2C9を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

セレコキシブ

セレコキシブの血中濃度が上昇することがある。本剤を使用中の患者にはセレコキシブの投与を低用量から開始すること。

本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP2C9を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

ロサルタン

ロサルタンの血中濃度上昇、及び活性代謝物であるカルボン酸体の血中濃度減少の報告がある13)

本剤はロサルタンの肝臓における主たる代謝酵素であるCYP2C9を阻害するので、併用により活性代謝物であるカルボン酸体の血中濃度が減少することがある。

HMG-CoA還元酵素阻害薬

  • フルバスタチン

これらの薬剤の血中濃度が上昇することがある14) ,15) ,16)

本剤はフルバスタチンの肝臓における主たる代謝酵素であるCYP2C9を阻害するので、併用によりフルバスタチンの血中濃度が上昇することがある。

  • アトルバスタチン
    シンバスタチン等

これらの薬剤の血中濃度が上昇することがある14) ,15) ,16)

本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

カルバマゼピン

カルバマゼピンの血中濃度が上昇し、悪心・嘔吐、めまい、複視等が発現したとの報告がある17) ,18)

本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

ミダゾラム
エプレレノン
メサドン

これらの薬剤の血中濃度上昇の報告がある19) ,20)

本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

カルシウム拮抗薬

  • ニフェジピン等

ビンカアルカロイド系抗悪性腫瘍薬

  • ビンクリスチン
    ビンブラスチン

エリスロマイシン

これらの薬剤の血中濃度上昇のおそれがある21)

本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

タクロリムス22) 、シクロスポリン23)

これらの薬剤の血中濃度上昇の報告がある。
また、併用により腎障害の報告がある。

本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

リファブチン

リファブチンのAUC上昇の報告があり、リファブチンの作用が増強するおそれがある24)

本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

リトナビル

*ニルマトレルビル・リトナビル

リトナビルのAUC上昇の報告がある。

ニルマトレルビル・リトナビルの血中濃度上昇のおそれがある。

本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

*オキシコドン

オキシコドンのAUC上昇の報告がある。

本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

トルバプタン

トルバプタンの血中濃度上昇の報告があり、トルバプタンの作用が増強するおそれがある。やむを得ず併用する際は、トルバプタンを減量あるいは低用量から開始すること。

本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

イブルチニブ

これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがある。やむを得ず併用する際は、これらの薬剤の減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察すること。

本剤はこれらの薬剤の主たる代謝酵素であるCYP3Aを阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

ラロトレクチニブ

これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがある。やむを得ず併用する際は、これらの薬剤の減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察すること。

本剤はこれらの薬剤の主たる代謝酵素であるCYP3Aを阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

レンボレキサント

レンボレキサントの血中濃度上昇の報告があり、傾眠等の副作用が増強されるおそれがある。本剤とレンボレキサントの併用にあたっては、患者の状態を慎重に観察した上で、レンボレキサント投与の可否を判断すること。なお、併用する際はレンボレキサントを1日1回2.5㎎とすること。

本剤はこれらの薬剤の主たる代謝酵素であるCYP3Aを阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

**バレメトスタット

バレメトスタットの副作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察すること。

本剤はこれらの薬剤の主たる代謝酵素であるCYP3Aを阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

フェンタニル

フェンタニルの血中濃度上昇のおそれがある25)

本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の代謝が遅れることがある。

リバーロキサバン

リバーロキサバンの血中濃度が上昇したとの報告がある。

本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の代謝が遅れることがある。

テオフィリン

テオフィリンの血中濃度上昇の報告がある。

本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるチトクロームP450を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

経口避妊薬

  • エチニルエストラジオール
    レボノルゲストレル等

エチニルエストラジオール26) 、レボノルゲストレルの血中濃度上昇の報告がある。

本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるチトクロームP450を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

スルホニル尿素系血糖降下薬

  • クロルプロパミド
    グリベンクラミド等

スルホニル尿素系血糖降下薬の血中濃度上昇の報告がある27)
また、併用により低血糖の報告がある。

本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるチトクロームP450を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

ナテグリニド

ナテグリニドのAUC上昇及び血中濃度半減期の延長の報告がある28)

本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるチトクロームP450を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

トレチノイン

中枢神経系の副作用が発現するおそれがある29)

本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるチトクロームP450を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

ジアゼパム

ジアゼパムのAUC上昇及び血中濃度半減期の延長の報告がある30)

本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4及び2C19を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

トファシチニブ

トファシチニブのAUCが79%、Cmaxが27%増加したとの報告がある。

本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4及び2C19を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

シクロホスファミド

ビリルビンの上昇、クレアチニンの上昇の報告がある31)

本剤はシクロホスファミドの肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4及び2C9を阻害するので、併用によりシクロホスファミドの血中濃度が上昇することがある。

アブロシチニブ

アブロシチニブの作用が増強するおそれがある。可能な限り本剤を他の類薬に変更する、又は本剤を休薬する等を考慮すること。

本剤はアブロシチニブの代謝酵素であるCYP2C19を阻害するので、併用によりアブロシチニブの血中濃度が上昇することがある。

アミトリプチリン
ノルトリプチリン

これらの薬剤の作用が増強するおそれがある32) ,33) ,34) ,35)

本剤はこれらの薬剤の代謝を阻害するので、これらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

ジドブジン

ジドブジンの血中濃度上昇の報告がある36)

本剤はこれらの薬剤の代謝を阻害するので、これらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

リファンピシン

本剤の血中濃度の低下及び血中濃度半減期の減少の報告がある37)

リファンピシンは代謝酵素であるチトクロームP450を誘導する。その結果、本剤の肝代謝が増加すると考えられる。

三酸化二ヒ素

QT延長、心室頻拍(torsade de pointesを含む)を起こすおそれがある。

本剤及び三酸化二ヒ素は、いずれもQT延長、心室頻拍(torsade de pointesを含む)を起こすことがある。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 ショック(頻度不明)、アナフィラキシー(頻度不明)

    ショック、アナフィラキシー(血管浮腫、顔面浮腫、そう痒等)を起こすことがある。[8.3 参照],[9.1.1 参照]

  2. 11.1.2 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)
  3. 11.1.3 薬剤性過敏症症候群(頻度不明)

    初期症状として発疹、発熱がみられ、更に肝機能障害、リンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)等のウイルスの再活性化を伴うことが多く、投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること38)

  4. 11.1.4 血液障害(頻度不明)

    無顆粒球症、汎血球減少症、血小板減少、白血球減少、貧血等の重篤な血液障害があらわれることがある。[8.2 参照]

  5. 11.1.5 急性腎障害(頻度不明)

    急性腎障害等の重篤な腎障害が報告されている。[8.2 参照]

  6. 11.1.6 肝障害(頻度不明)

    黄疸、肝炎、胆汁うっ滞性肝炎、肝壊死、肝不全等の肝障害が報告されており、これらの症例のうち死亡に至った例も報告されている。これらの発症と1日投与量、治療期間、患者の性別・年齢との関連性は明らかではない。本剤による肝障害は通常、投与中止により回復している。[8.2 参照],[9.3 参照]

  7. 11.1.7 意識障害(頻度不明)

    錯乱、見当識障害等の意識障害があらわれることがある。

  8. 11.1.8 痙攣(頻度不明)

    痙攣等の神経障害があらわれることがある。

  9. 11.1.9 高カリウム血症(頻度不明)

    異常が認められた場合には投与を中止し、電解質補正等の適切な処置を行うこと。[8.2 参照]

  10. 11.1.10 心室頻拍(頻度不明)、QT延長(頻度不明)、不整脈(頻度不明)

    心室頻拍(torsade de pointesを含む)、QT延長、心室細動、房室ブロック、徐脈等があらわれることがある。[8.2 参照],[9.1.2 参照]

  11. 11.1.11 間質性肺炎(頻度不明)

    発熱、咳嗽、呼吸困難、肺音の異常(捻髪音)等が認められた場合には、速やかに胸部X線等の検査を実施し、本剤の投与を中止するとともに、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。

  12. 11.1.12 偽膜性大腸炎(頻度不明)

    偽膜性大腸炎等の重篤な大腸炎(初期症状:発熱、腹痛、頻回の下痢)があらわれることがある。

11.2 その他の副作用

1%以上

0.1~1%未満

頻度不明

肝臓

AST、ALT、Al-Pの上昇

LDH、ビリルビンの上昇

黄疸

皮膚

発疹

剥脱性皮膚炎

消化器

悪心、しゃっくり、食欲不振、下痢、腹部不快感、腹痛

口渇、嘔吐、消化不良、鼓腸放屁

精神・神経系

頭痛、手指のこわばり

めまい、傾眠、振戦

腎臓

BUN、クレアチニンの上昇、乏尿

代謝異常

低カリウム血症

高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、高血糖

血液

好酸球増多、好中球減少

その他

浮腫、発熱、倦怠感

熱感、脱毛、味覚倒錯、副腎機能不全

注)使用成績調査を含む39)

13. 過量投与

  1. 13.1 症状
    1. 13.1.1 外国の癌患者での過量投与(フルコナゾール1200~2000mg/日、経口投与)の症例報告では、フルコナゾール1600mg/日投与例において、肝機能検査値上昇がみられた。
      また、2000mg/日投与例において、中枢神経系障害(錯乱、嗜眠、見当識障害、不眠、悪夢、幻覚)、多形性紅斑、悪心・嘔吐、肝機能検査値上昇等がみられたとの報告がある40)
    2. 13.1.2 フルコナゾール8200mg経口摂取後、幻覚、妄想行動の症状があらわれ、48時間の経過観察が行われた結果、症状は回復したとの報告がある。(自殺企図例)
  2. 13.2 処置

    3時間の血液透析により、約50%が血清より除去される。フルコナゾールは、大部分が腎から排泄される。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意

懸濁液調製法:粉末の固まりがないように、粒子がばらばらになるまで瓶を軽くたたき、24mLの水を瓶に加えよく振り混ぜること。本剤は1瓶について24mLの水を加えて懸濁すると、それぞれの濃度は以下の通りとなる。

フルコナゾール/瓶

懸濁液の濃度

350mg

10mg/mL

1400mg

40mg/mL

14.2 薬剤交付時の注意

本剤を懸濁液に調製後、瓶ごと患者に交付し、患者に対し服用方法、保管方法、残液の廃棄など以下の点に注意するよう指導すること。

  • 服用時は十分に振り混ぜてから、正確に1回量を測り取ること。
  • 懸濁液に調製後の保存は、凍結を避け、5℃~30℃で保存し、2週間以内に使用すること。処方された服用期間後の残液は、廃棄すること。

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 次の薬剤を投与中の患者:トリアゾラム、エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン、ジヒドロエルゴタミン、キニジン、ピモジド、アスナプレビル、ダクラタスビル・アスナプレビル・ベクラブビル、アゼルニジピン、オルメサルタン メドキソミル・アゼルニジピン、ロミタピド、ブロナンセリン、ルラシドン[10.1 参照]
  2. 2.2 本剤に対して過敏症の既往歴のある患者
  3. 2.3 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5 参照]

3. 組成・性状

3.1 組成

ジフルカンドライシロップ350mg

有効成分 1瓶中
日局 フルコナゾール   0.350g
添加剤 精製白糖、軽質無水ケイ酸、酸化チタン、キサンタンガム、クエン酸ナトリウム水和物、無水クエン酸、安息香酸ナトリウム、香料
ジフルカンドライシロップ1400mg

有効成分 1瓶中
日局 フルコナゾール   1.400g
添加剤 精製白糖、軽質無水ケイ酸、酸化チタン、キサンタンガム、クエン酸ナトリウム水和物、無水クエン酸、安息香酸ナトリウム、香料

3.2 製剤の性状

ジフルカンドライシロップ350mg

性状 白色~黄色の粉末で、オレンジの芳香を有する(懸濁して用いるシロップ剤)
ジフルカンドライシロップ1400mg

性状 白色~黄色の粉末で、オレンジの芳香を有する(懸濁して用いるシロップ剤)

4. 効能又は効果

  • カンジダ属及びクリプトコッカス属による下記感染症

    真菌血症、呼吸器真菌症、消化管真菌症、尿路真菌症、真菌髄膜炎

  • 造血幹細胞移植患者における深在性真菌症の予防

6. 用法及び用量

成人

  • 〈カンジダ症〉

    通常、成人にはフルコナゾールとして50~100mgを1日1回経口投与する。

  • 〈クリプトコッカス症〉

    通常、成人にはフルコナゾールとして50~200mgを1日1回経口投与する。

    なお、重症又は難治性真菌感染症の場合には、1日量として400mgまで増量できる。

  • 〈造血幹細胞移植患者における深在性真菌症の予防〉

    成人には、フルコナゾールとして400mgを1日1回経口投与する。

小児

  • 〈カンジダ症〉

    通常、小児にはフルコナゾールとして3mg/kgを1日1回経口投与する。

  • 〈クリプトコッカス症〉

    通常、小児にはフルコナゾールとして3~6mg/kgを1日1回経口投与する。

    なお、重症又は難治性真菌感染症の場合には、1日量として12mg/kgまで増量できる。

  • 〈造血幹細胞移植患者における深在性真菌症の予防〉

    小児には、フルコナゾールとして12mg/kgを1日1回経口投与する。
    なお、患者の状態に応じて適宜減量する。

    ただし、1日量として400mgを超えないこと。

新生児

生後14日までの新生児には、フルコナゾールとして小児と同じ用量を72時間毎に投与する。
生後15日以降の新生児には、フルコナゾールとして小児と同じ用量を48時間毎に投与する。

7. 用法及び用量に関連する注意

  • 〈効能共通〉
    1. 7.1 腎機能障害患者に対する用量調節の目安

      腎機能障害患者に投与する場合は、下表に示すクレアチニン・クリアランス値を参考に用量を調節する1) [9.2 参照],[9.8 参照]

      クレアチニン・クリアランス
      (mL/min)

      用量の目安

      >50
      ≦50(透析患者を除く)
      透析患者

      通常用量
      半量
      透析終了後に通常用量

  • 〈造血幹細胞移植患者における深在性真菌症の予防〉
    1. 7.2 好中球減少症が予想される数日前から投与を開始することが望ましい。
    2. 7.3 好中球数が1000/mm3を超えてから7日間投与することが望ましい。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 本剤投与開始にあたっては、あらかじめワルファリン服用の有無を確認し、ワルファリンと併用する場合は、プロトロンビン時間測定及びトロンボテストの回数を増やすなど慎重に投与すること。[10.2 参照]
  2. 8.2 血液障害、急性腎障害、肝障害、高カリウム血症、心室頻拍、QT延長、不整脈があらわれるおそれがあるので、本剤の投与に際しては、定期的に血液検査、腎機能・肝機能検査、血中電解質検査、心電図検査等を行うこと。[9.1.2 参照],[9.3 参照],[11.1.4 参照],[11.1.5 参照],[11.1.6 参照],[11.1.9 参照],[11.1.10 参照]
  3. 8.3 本剤の投与に際しては、アレルギー既往歴、薬物過敏症等について十分な問診を行うこと。[9.1.1 参照],[11.1.1 参照]

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 薬物過敏症の既往歴のある患者(本剤に対して過敏症の既往歴のある患者には投与しないこと)

                  [8.3 参照],[11.1.1 参照]

  2. 9.1.2 心疾患又は電解質異常のある患者

    心室頻拍(torsade de pointesを含む)、QT延長、心室細動、房室ブロック、徐脈等があらわれることがある。[8.2 参照],[11.1.10 参照]

  3. 9.1.3 遺伝性フルクトース不耐症、グルコース・ガラクトース吸収不全症又はスクラーゼ・イソマルターゼ欠損症の患者

9.2 腎機能障害患者

投与前にクレアチニン・クリアランス試験を行い、投与量を減ずるか、投与間隔をあけて使用すること。血中フルコナゾール濃度が持続する。[7.1 参照]

9.3 肝機能障害患者

肝機能障害を悪化させることがある。[8.2 参照],[11.1.6 参照]

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。催奇形性を疑う症例報告がある2) ,3) ,4) [2.3 参照]

9.6 授乳婦

授乳しないことが望ましい。母乳中への移行が認められている5)

9.7 小児等

新生児においては、投与間隔に留意すること。腎機能が未熟なため血中濃度半減期が延長する。[16.1.2 参照]

9.8 高齢者

用量ならびに投与間隔に留意するなど慎重に投与すること。本剤は主として腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多いため高い血中フルコナゾール濃度が持続するおそれがある。[7.1 参照],[16.4 参照],[16.5 参照]

10. 相互作用

  • 本剤は、CYP2C9、2C19及び3A4を阻害する6)

10.1 併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子

トリアゾラム(ハルシオン等)
[2.1 参照]

トリアゾラムの代謝遅滞による血中濃度の上昇、作用の増強及び作用時間延長の報告がある7)

本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン(クリアミン配合錠)
ジヒドロエルゴタミン
[2.1 参照]

アゾール系抗真菌剤等のCYP3A4を阻害する薬剤とエルゴタミンとの併用により、エルゴタミンの血中濃度が上昇し、血管攣縮等の副作用を起こすおそれがある。

本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

キニジン(キニジン硫酸塩)

**ピモジド
[2.1 参照]

これらの薬剤の血中濃度が上昇することにより、QT延長、torsade de pointesを発現するおそれがある。

本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

アスナプレビル(スンベプラ)
ダクラタスビル・アスナプレビル・ベクラブビル(ジメンシー配合錠)
[2.1 参照]

これらの薬剤の血中濃度が上昇することにより、肝胆道系の副作用が発現し、また重症化するおそれがある。

本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3Aを阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

アゼルニジピン(カルブロック)
オルメサルタン メドキソミル・アゼルニジピン(レザルタス配合錠)
[2.1 参照]

イトラコナゾールとの併用によりアゼルニジピンのAUCが上昇することが報告されている。

本剤はこれらの薬剤の主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

ロミタピド(ジャクスタピッド)
[2.1 参照]

ロミタピドの血中濃度が著しく上昇するおそれがある。

本剤はこれらの薬剤の主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

ブロナンセリン(ロナセン)
ルラシドン(ラツーダ)
[2.1 参照]

これらの薬剤の血中濃度が上昇し、作用が増強するおそれがある。

本剤はこれらの薬剤の主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子

ワルファリン
[8.1 参照]

プロトロンビン時間の延長8) 、著しいINR上昇及び出血傾向(挫傷、鼻出血、消化管出血、血尿、下血等)の報告がある。

本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP2C9を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

フェニトイン
イブプロフェン
フルルビプロフェン

これらの薬剤の血中濃度上昇の報告がある9) ,10) ,11) ,12)

本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP2C9を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

セレコキシブ

セレコキシブの血中濃度が上昇することがある。本剤を使用中の患者にはセレコキシブの投与を低用量から開始すること。

本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP2C9を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

ロサルタン

ロサルタンの血中濃度上昇、及び活性代謝物であるカルボン酸体の血中濃度減少の報告がある13)

本剤はロサルタンの肝臓における主たる代謝酵素であるCYP2C9を阻害するので、併用により活性代謝物であるカルボン酸体の血中濃度が減少することがある。

HMG-CoA還元酵素阻害薬

  • フルバスタチン

これらの薬剤の血中濃度が上昇することがある14) ,15) ,16)

本剤はフルバスタチンの肝臓における主たる代謝酵素であるCYP2C9を阻害するので、併用によりフルバスタチンの血中濃度が上昇することがある。

  • アトルバスタチン
    シンバスタチン等

これらの薬剤の血中濃度が上昇することがある14) ,15) ,16)

本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

カルバマゼピン

カルバマゼピンの血中濃度が上昇し、悪心・嘔吐、めまい、複視等が発現したとの報告がある17) ,18)

本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

ミダゾラム
エプレレノン
メサドン

これらの薬剤の血中濃度上昇の報告がある19) ,20)

本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

カルシウム拮抗薬

  • ニフェジピン等

ビンカアルカロイド系抗悪性腫瘍薬

  • ビンクリスチン
    ビンブラスチン

エリスロマイシン

これらの薬剤の血中濃度上昇のおそれがある21)

本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

タクロリムス22) 、シクロスポリン23)

これらの薬剤の血中濃度上昇の報告がある。
また、併用により腎障害の報告がある。

本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

リファブチン

リファブチンのAUC上昇の報告があり、リファブチンの作用が増強するおそれがある24)

本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

リトナビル

*ニルマトレルビル・リトナビル

リトナビルのAUC上昇の報告がある。

ニルマトレルビル・リトナビルの血中濃度上昇のおそれがある。

本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

*オキシコドン

オキシコドンのAUC上昇の報告がある。

本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

トルバプタン

トルバプタンの血中濃度上昇の報告があり、トルバプタンの作用が増強するおそれがある。やむを得ず併用する際は、トルバプタンを減量あるいは低用量から開始すること。

本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

イブルチニブ

これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがある。やむを得ず併用する際は、これらの薬剤の減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察すること。

本剤はこれらの薬剤の主たる代謝酵素であるCYP3Aを阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

ラロトレクチニブ

これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがある。やむを得ず併用する際は、これらの薬剤の減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察すること。

本剤はこれらの薬剤の主たる代謝酵素であるCYP3Aを阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

レンボレキサント

レンボレキサントの血中濃度上昇の報告があり、傾眠等の副作用が増強されるおそれがある。本剤とレンボレキサントの併用にあたっては、患者の状態を慎重に観察した上で、レンボレキサント投与の可否を判断すること。なお、併用する際はレンボレキサントを1日1回2.5㎎とすること。

本剤はこれらの薬剤の主たる代謝酵素であるCYP3Aを阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

**バレメトスタット

バレメトスタットの副作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察すること。

本剤はこれらの薬剤の主たる代謝酵素であるCYP3Aを阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

フェンタニル

フェンタニルの血中濃度上昇のおそれがある25)

本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の代謝が遅れることがある。

リバーロキサバン

リバーロキサバンの血中濃度が上昇したとの報告がある。

本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の代謝が遅れることがある。

テオフィリン

テオフィリンの血中濃度上昇の報告がある。

本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるチトクロームP450を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

経口避妊薬

  • エチニルエストラジオール
    レボノルゲストレル等

エチニルエストラジオール26) 、レボノルゲストレルの血中濃度上昇の報告がある。

本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるチトクロームP450を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

スルホニル尿素系血糖降下薬

  • クロルプロパミド
    グリベンクラミド等

スルホニル尿素系血糖降下薬の血中濃度上昇の報告がある27)
また、併用により低血糖の報告がある。

本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるチトクロームP450を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

ナテグリニド

ナテグリニドのAUC上昇及び血中濃度半減期の延長の報告がある28)

本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるチトクロームP450を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

トレチノイン

中枢神経系の副作用が発現するおそれがある29)

本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるチトクロームP450を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

ジアゼパム

ジアゼパムのAUC上昇及び血中濃度半減期の延長の報告がある30)

本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4及び2C19を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

トファシチニブ

トファシチニブのAUCが79%、Cmaxが27%増加したとの報告がある。

本剤はこれらの薬剤の肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4及び2C19を阻害するので、併用によりこれらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

シクロホスファミド

ビリルビンの上昇、クレアチニンの上昇の報告がある31)

本剤はシクロホスファミドの肝臓における主たる代謝酵素であるCYP3A4及び2C9を阻害するので、併用によりシクロホスファミドの血中濃度が上昇することがある。

アブロシチニブ

アブロシチニブの作用が増強するおそれがある。可能な限り本剤を他の類薬に変更する、又は本剤を休薬する等を考慮すること。

本剤はアブロシチニブの代謝酵素であるCYP2C19を阻害するので、併用によりアブロシチニブの血中濃度が上昇することがある。

アミトリプチリン
ノルトリプチリン

これらの薬剤の作用が増強するおそれがある32) ,33) ,34) ,35)

本剤はこれらの薬剤の代謝を阻害するので、これらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

ジドブジン

ジドブジンの血中濃度上昇の報告がある36)

本剤はこれらの薬剤の代謝を阻害するので、これらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。

リファンピシン

本剤の血中濃度の低下及び血中濃度半減期の減少の報告がある37)

リファンピシンは代謝酵素であるチトクロームP450を誘導する。その結果、本剤の肝代謝が増加すると考えられる。

三酸化二ヒ素

QT延長、心室頻拍(torsade de pointesを含む)を起こすおそれがある。

本剤及び三酸化二ヒ素は、いずれもQT延長、心室頻拍(torsade de pointesを含む)を起こすことがある。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 ショック(頻度不明)、アナフィラキシー(頻度不明)

    ショック、アナフィラキシー(血管浮腫、顔面浮腫、そう痒等)を起こすことがある。[8.3 参照],[9.1.1 参照]

  2. 11.1.2 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)
  3. 11.1.3 薬剤性過敏症症候群(頻度不明)

    初期症状として発疹、発熱がみられ、更に肝機能障害、リンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)等のウイルスの再活性化を伴うことが多く、投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること38)

  4. 11.1.4 血液障害(頻度不明)

    無顆粒球症、汎血球減少症、血小板減少、白血球減少、貧血等の重篤な血液障害があらわれることがある。[8.2 参照]

  5. 11.1.5 急性腎障害(頻度不明)

    急性腎障害等の重篤な腎障害が報告されている。[8.2 参照]

  6. 11.1.6 肝障害(頻度不明)

    黄疸、肝炎、胆汁うっ滞性肝炎、肝壊死、肝不全等の肝障害が報告されており、これらの症例のうち死亡に至った例も報告されている。これらの発症と1日投与量、治療期間、患者の性別・年齢との関連性は明らかではない。本剤による肝障害は通常、投与中止により回復している。[8.2 参照],[9.3 参照]

  7. 11.1.7 意識障害(頻度不明)

    錯乱、見当識障害等の意識障害があらわれることがある。

  8. 11.1.8 痙攣(頻度不明)

    痙攣等の神経障害があらわれることがある。

  9. 11.1.9 高カリウム血症(頻度不明)

    異常が認められた場合には投与を中止し、電解質補正等の適切な処置を行うこと。[8.2 参照]

  10. 11.1.10 心室頻拍(頻度不明)、QT延長(頻度不明)、不整脈(頻度不明)

    心室頻拍(torsade de pointesを含む)、QT延長、心室細動、房室ブロック、徐脈等があらわれることがある。[8.2 参照],[9.1.2 参照]

  11. 11.1.11 間質性肺炎(頻度不明)

    発熱、咳嗽、呼吸困難、肺音の異常(捻髪音)等が認められた場合には、速やかに胸部X線等の検査を実施し、本剤の投与を中止するとともに、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。

  12. 11.1.12 偽膜性大腸炎(頻度不明)

    偽膜性大腸炎等の重篤な大腸炎(初期症状:発熱、腹痛、頻回の下痢)があらわれることがある。

11.2 その他の副作用

1%以上

0.1~1%未満

頻度不明

肝臓

AST、ALT、Al-Pの上昇

LDH、ビリルビンの上昇

黄疸

皮膚

発疹

剥脱性皮膚炎

消化器

悪心、しゃっくり、食欲不振、下痢、腹部不快感、腹痛

口渇、嘔吐、消化不良、鼓腸放屁

精神・神経系

頭痛、手指のこわばり

めまい、傾眠、振戦

腎臓

BUN、クレアチニンの上昇、乏尿

代謝異常

低カリウム血症

高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、高血糖

血液

好酸球増多、好中球減少

その他

浮腫、発熱、倦怠感

熱感、脱毛、味覚倒錯、副腎機能不全

注)使用成績調査を含む39)

13. 過量投与

  1. 13.1 症状
    1. 13.1.1 外国の癌患者での過量投与(フルコナゾール1200~2000mg/日、経口投与)の症例報告では、フルコナゾール1600mg/日投与例において、肝機能検査値上昇がみられた。
      また、2000mg/日投与例において、中枢神経系障害(錯乱、嗜眠、見当識障害、不眠、悪夢、幻覚)、多形性紅斑、悪心・嘔吐、肝機能検査値上昇等がみられたとの報告がある40)
    2. 13.1.2 フルコナゾール8200mg経口摂取後、幻覚、妄想行動の症状があらわれ、48時間の経過観察が行われた結果、症状は回復したとの報告がある。(自殺企図例)
  2. 13.2 処置

    3時間の血液透析により、約50%が血清より除去される。フルコナゾールは、大部分が腎から排泄される。

14. 適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意

懸濁液調製法:粉末の固まりがないように、粒子がばらばらになるまで瓶を軽くたたき、24mLの水を瓶に加えよく振り混ぜること。本剤は1瓶について24mLの水を加えて懸濁すると、それぞれの濃度は以下の通りとなる。

フルコナゾール/瓶

懸濁液の濃度

350mg

10mg/mL

1400mg

40mg/mL

14.2 薬剤交付時の注意

本剤を懸濁液に調製後、瓶ごと患者に交付し、患者に対し服用方法、保管方法、残液の廃棄など以下の点に注意するよう指導すること。

  • 服用時は十分に振り混ぜてから、正確に1回量を測り取ること。
  • 懸濁液に調製後の保存は、凍結を避け、5℃~30℃で保存し、2週間以内に使用すること。処方された服用期間後の残液は、廃棄すること。

その他詳細情報

日本標準商品分類番号
87629
ブランドコード
6290002R1027, 6290002R2023
承認番号
22400AMX00173, 22400AMX00174
販売開始年月
2012-06, 2012-06
貯法
室温保存、室温保存
有効期間
3年、3年
規制区分
12, 12

重要な注意事項

  • この情報は医療専門家による診断や治療の代替にはなりません。副作用に関する懸念がある場合は、必ず医師または薬剤師に相談してください。
  • 副作用の発生頻度や重篤度は個人差があります。ここで提供される情報は一般的なものであり、すべての患者さんに当てはまるわけではありません。
  • 薬剤の使用に関しては、必ず医療専門家の指示に従い、自己判断での変更や中止を避けてください。
  • この情報は最新のものであるよう努めていますが、最新とは限りません。常に医療専門家に確認してください。
  • 副作用に関する情報は、信頼できる医療情報源に基づいて提供されていますが、完全性や正確性を保証するものではありません。
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