薬効分類名抗ウイルス化学療法剤

一般的名称テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩錠

ビリアード錠300mg

Viread Tab.300mg

製造販売元/ギリアド・サイエンシズ株式会社

第3版
警告禁忌相互作用合併症・既往歴等のある患者腎機能障害患者妊婦授乳婦小児等高齢者

重大な副作用

頻度
副作用
1.2%
0.2%
頻度不明

その他の副作用

部位
頻度
副作用
内分泌・代謝系
2%以上
食欲減退(3.2%),体重減少(2.1%),体脂肪の再分布/蓄積(2.1%)
内分泌・代謝系
2%未満
内分泌・代謝系
頻度不明
脳・神経
2%以上
頭痛(5.6%),錯感覚(3.7%),浮動性めまい(3.4%)
脳・神経
頻度不明
肺・呼吸
2%未満
肺・呼吸
頻度不明
胃腸・消化器系
2%以上
悪心(10.5%),下痢(9.1%),腹痛(5.2%),嘔吐(4.4%),鼓腸(3.0%),消化不良(2.3%)
胃腸・消化器系
2%未満
肝臓まわり
2%未満
肝臓まわり
頻度不明
皮膚
2%以上
発疹(3.3%)
運動器
2%以上
骨障害(2.1%)
運動器
2%未満
運動器
頻度不明
全身・局所・適用部位
2%以上
無力症(6.3%),疼痛(2.4%)
全身・局所・適用部位
2%未満
その他
2%以上
CK増加(12.3%),血中トリグリセリド増加(7.8%),血中アミラーゼ増加(7.5%),AST増加(5.1%),ALT増加(4.3%),好中球数減少(2.4%),尿糖(2.1%),血中ブドウ糖増加(2.0%)
その他
2%未満
その他
頻度不明

併用注意

薬剤名等

逆転写酵素阻害剤

  • ジダノシン

[16.7 参照]

臨床症状・措置方法

ジダノシンによる有害事象を増強するおそれがあるので,ジダノシンの減量を考慮すること。

機序・危険因子

ジダノシンのAUC及びCmaxが上昇する。

薬剤名等

HIVプロテアーゼ阻害剤

  • アタザナビル硫酸塩

[16.7 参照]

臨床症状・措置方法

アタザナビルの治療効果が減弱するおそれがあるので,本剤とアタザナビル硫酸塩を併用する場合には,本剤とアタザナビル300mgをリトナビル100mgとともに投与することが望ましい。また,本剤による有害事象を増強するおそれがある。

機序・危険因子

アタザナビルのAUCが25%,Cmaxが21%,Cminが40%低下し,テノホビルのAUCが24%,Cmaxが14%,Cminが22%上昇する。

薬剤名等

HIVプロテアーゼ阻害剤

  • ロピナビル・リトナビル

[16.7 参照]

臨床症状・措置方法

本剤による有害事象を増強するおそれがある。

機序・危険因子

テノホビルのAUCが32%,Cminが51%上昇する。

薬剤名等

HIVプロテアーゼ阻害剤

  • ダルナビル+リトナビル

[16.7 参照]

臨床症状・措置方法

本剤による有害事象を増強するおそれがある。

機序・危険因子

テノホビルのAUC,Cmax及びCminが上昇する。

薬剤名等

抗HCV剤

  • レジパスビル・ソホスブビル

[16.7 参照]

臨床症状・措置方法

本剤による有害事象を増強するおそれがある。

機序・危険因子

テノホビルのAUC,Cmax及びCminが上昇する。

薬剤名等

抗ウイルス化学療法剤

  • アシクロビル,バラシクロビル塩酸塩

抗サイトメガロウイルス化学療法剤

  • ガンシクロビル,バルガンシクロビル塩酸塩等
臨床症状・措置方法

これらの薬剤又は本剤による有害事象を増強するおそれがある。

機序・危険因子

尿細管への能動輸送により排泄される薬剤と併用する場合,排泄経路の競合により,排泄が遅延し,これらの薬剤又は本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。

臨床症状・措置方法

併用は避けることが望ましい。

機序・危険因子

腎毒性を有する薬剤は腎機能障害の危険因子となる。

詳細情報

正確な情報は PMDA で必ず確認して下さい

注意以下の情報は参考資料としてご活用下さい

1. 警告

B型慢性肝炎を合併している患者では,本剤の投与中止により,B型慢性肝炎が再燃するおそれがあるので,本剤の投与を中断する場合には十分注意すること。特に非代償性の場合,重症化するおそれがあるので注意すること。[9.1.1 参照]

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

3. 組成・性状

3.1 組成

ビリアード錠300mg

有効成分 1錠中
テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩   300mg
(テノホビル ジソプロキシルとして   245mg )
添加剤 クロスカルメロースNa,乳糖,ステアリン酸Mg,セルロース,部分アルファー化デンプン,青色2号,ヒプロメロース,酸化チタン,トリアセチン

3.2 製剤の性状

ビリアード錠300mg

剤形 フィルムコーティング錠
色調 うすい青色
外形 表面                                    
裏面                                    
側面                                    
大きさ 長径 約17.0mm
短径 約10.5mm
厚さ 約5.0mm
識別コード GILEAD4331-300

4. 効能又は効果

HIV-1感染症

6. 用法及び用量

通常,成人にはテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩として1回300mg(テノホビル ジソプロキシルとして245mg)を1日1回経口投与する。なお,投与に際しては必ず他の抗HIV薬と併用すること。

7. 用法及び用量に関連する注意

  1. 7.1 腎機能障害のある患者では本剤の血中濃度が上昇するので,腎機能の低下に応じて,次の投与方法を目安とする。[8.3 参照],[9.2.1 参照],[10.2 参照],[11.1.1 参照],[16.6.1 参照]

    クレアチニンクリアランス(CLcr

    投与方法

    50mL/min以上

    本剤1錠を1日1回投与

    30~49mL/min

    本剤1錠を2日間に1回投与

    10~29mL/min

    本剤1錠を1週間に2回投与

    血液透析患者

    本剤1錠を1週間に1回投与1) 又は累積約12時間の透析終了後に本剤1錠を投与

                    

    1) 血液透析実施後
                  

  2. 7.2 本剤の有効成分であるテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩を含む製剤と併用しないこと。また,テノホビル アラフェナミドフマル酸塩を含む製剤についても併用しないこと。
  3. 7.3 核酸系逆転写酵素阻害薬(NRTI)3成分のみを用いる一部の治療は,NRTI2成分に非核酸系逆転写酵素阻害薬又はHIV-1プロテアーゼ阻害薬を併用する3成分併用療法と比べて,概して効果が低いことが報告されている。また,抗ウイルス薬の使用経験がない患者に対し,本剤とジダノシン,ラミブジン又は本剤とラミブジン,アバカビルの3剤併用1日1回投与により,初期のウイルス学的応答の欠如が高頻度に認められたとの報告があるので,抗ウイルス薬の使用経験がない患者及び既治療患者に対して本剤を使用する場合には,これらの組み合わせのみによる治療は避けること。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 **,*本剤の使用に際しては,国内外のガイドライン等の最新の情報を参考に,患者又はそれに代わる適切な者に次の事項についてよく説明し同意を得た後,使用すること。
    1. 8.1.1 本剤はHIV感染症の根治療法薬ではないことから,日和見感染症を含むHIV感染症の進展に伴う疾病を発症し続ける可能性があるので,本剤投与開始後の身体状況の変化についてはすべて担当医に報告すること。
    2. 8.1.2 本剤の長期投与による影響については現在のところ不明であること。
  2. 8.2 本剤を含む抗HIV薬の多剤併用療法を行った患者で,免疫再構築炎症反応症候群が報告されている。投与開始後,免疫機能が回復し,症候性のみならず無症候性日和見感染(マイコバクテリウムアビウムコンプレックス,サイトメガロウイルス,ニューモシスチス等によるもの)等に対する炎症反応が発現することがある。また,免疫機能の回復に伴い自己免疫疾患(甲状腺機能亢進症,多発性筋炎,ギラン・バレー症候群,ブドウ膜炎等)が発現するとの報告があるので,これらの症状を評価し,必要時には適切な治療を考慮すること。
  3. 8.3 本剤投与前にクレアチニンクリアランス,尿糖及び尿蛋白の検査を実施すること。また,本剤投与後も定期的な検査等により患者の状態を注意深く観察すること。[7.1 参照],[9.2.1 参照],[10.2 参照],[11.1.1 参照],[16.6.1 参照]
  4. 8.4 テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩を含む多剤併用療法を長期間行った患者において,骨粗鬆症が現れ,大腿骨頚部等の骨折を起こした症例が報告されている。長期投与時には定期的に骨密度検査を行う等骨密度減少に注意し,異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。なお,本剤の試験において,144週間の投与により腰椎と大腿骨頚部の骨密度の減少が見られている。骨密度の減少した患者の大部分は,投与開始後24~48週目にかけて発現し,以降は144週目まで持続していた。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 B型肝炎ウイルス感染を合併している患者

    本剤の投与を中断する場合には十分注意すること。B型慢性肝炎を合併している患者では,本剤の投与中止により,B型慢性肝炎が再燃するおそれがある。特に非代償性の場合,重症化するおそれがある。[1 参照]

  2. 9.1.2 腎機能障害のリスクを有する患者

    血清リンの検査を実施すること。

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1 中等度及び重度の腎機能障害のある患者

    本剤の血中濃度が上昇する。[7.1 参照],[8.3 参照],[10.2 参照],[11.1.1 参照],[16.6.1 参照]

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には,治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物試験(サル)においてテノホビルの胎児への移行が報告されている1)

9.6 授乳婦

授乳を避けさせること。テノホビルのヒト乳汁への移行が報告されており2) ,動物実験(ラット)において,乳汁中への移行が報告されている。また,女性のHIV感染症患者は,乳児のHIV感染を避けるため,乳児に母乳を与えないことが望ましい。

9.7 小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

患者の肝,腎及び心機能の低下,合併症,併用薬等を十分に考慮すること。

10. 相互作用

    10.2 併用注意(併用に注意すること)

    薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子

    逆転写酵素阻害剤

    • ジダノシン

                      [16.7 参照]                 

    ジダノシンによる有害事象を増強するおそれがあるので,ジダノシンの減量を考慮すること。

    ジダノシンのAUC及びCmaxが上昇する。

    HIVプロテアーゼ阻害剤

    • アタザナビル硫酸塩

                      [16.7 参照]                 

    アタザナビルの治療効果が減弱するおそれがあるので,本剤とアタザナビル硫酸塩を併用する場合には,本剤とアタザナビル300mgをリトナビル100mgとともに投与することが望ましい。また,本剤による有害事象を増強するおそれがある。

    アタザナビルのAUCが25%,Cmaxが21%,Cminが40%低下し,テノホビルのAUCが24%,Cmaxが14%,Cminが22%上昇する。

    HIVプロテアーゼ阻害剤

    • ロピナビル・リトナビル

                      [16.7 参照]                 

    本剤による有害事象を増強するおそれがある。

    テノホビルのAUCが32%,Cminが51%上昇する。

    HIVプロテアーゼ阻害剤

    • ダルナビル+リトナビル

                      [16.7 参照]                 

    本剤による有害事象を増強するおそれがある。

    テノホビルのAUC,Cmax及びCminが上昇する。

    抗HCV剤

    • レジパスビル・ソホスブビル

                      [16.7 参照]                 

    本剤による有害事象を増強するおそれがある。

    テノホビルのAUC,Cmax及びCminが上昇する。

    抗ウイルス化学療法剤

    • アシクロビル,バラシクロビル塩酸塩

    抗サイトメガロウイルス化学療法剤

    • ガンシクロビル,バルガンシクロビル塩酸塩等

    これらの薬剤又は本剤による有害事象を増強するおそれがある。

    尿細管への能動輸送により排泄される薬剤と併用する場合,排泄経路の競合により,排泄が遅延し,これらの薬剤又は本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。

    併用は避けることが望ましい。

    腎毒性を有する薬剤は腎機能障害の危険因子となる。

    11. 副作用

    次の副作用が現れることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    11.1 重大な副作用

    1. 11.1.1 腎不全又は重度の腎機能障害(1.2%)

      腎機能不全,腎不全,急性腎障害,近位腎尿細管機能障害,ファンコニー症候群,急性腎尿細管壊死,腎性尿崩症又は腎炎等の重度の腎機能障害が現れることがあるので,臨床検査値に異常が認められた場合には,投与を中止する等,適切な処置を行うこと。特に腎機能障害の既往がある患者や腎毒性のある薬剤が投与されている患者では注意すること。[7.1 参照],[8.3 参照],[9.2.1 参照],[10.2 参照],[16.6.1 参照]

    2. 11.1.2 膵炎(0.2%)

      血中アミラーゼ,リパーゼ,血中トリグリセリド等の検査値の上昇がみられた場合には,投与を中止する等,適切な処置を行うこと。

    3. 11.1.3 乳酸アシドーシス及び脂肪沈着による重度の肝腫大(脂肪肝)(頻度不明)

      乳酸アシドーシス又は肝細胞毒性が疑われる臨床症状又は検査値異常(アミノトランスフェラーゼの急激な上昇等)が認められた場合には,本剤の投与を一時中止すること。特に肝疾患の危険因子を有する患者においては注意すること。類薬(ヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬)の単独投与又はこれらの併用療法により,重篤な乳酸アシドーシス及び脂肪沈着による重度の肝腫大(脂肪肝)が,女性に多く報告されている。

    11.2 その他の副作用

    2%以上

    2%未満

    頻度不明2)

    代謝及び栄養障害

    食欲減退(3.2%),体重減少(2.1%),体脂肪の再分布/蓄積(2.1%)

    高コレステロール血症,高脂血症

    低リン酸血症,低カリウム血症,糖尿病,高尿酸血症

    精神障害

    うつ病,睡眠障害,リビドー減退,神経過敏,不安

    神経系障害

    頭痛(5.6%),錯感覚(3.7%),浮動性めまい(3.4%)

    不眠症,末梢性ニューロパチー,味覚異常,異常な夢,傾眠,ニューロパチー,思考異常,振戦

    感覚鈍麻

    呼吸器,胸郭及び縦隔障害

    気管支炎,鼻炎,咽頭炎

    呼吸困難

    胃腸障害

    悪心(10.5%),下痢(9.1%),腹痛(5.2%),嘔吐(4.4%),鼓腸(3.0%),消化不良(2.3%)

    口内乾燥,胃腸障害,便秘,アフタ性潰瘍,胃炎,おくび,腹部膨満

    肝胆道系障害

    肝炎

    脂肪肝,肝機能異常

    皮膚及び皮下組織障害

    発疹(3.3%)

    そう痒症,多汗症,脱毛症,湿疹,ざ瘡,皮膚乾燥,単純ヘルペス,皮膚良性新生物

    筋骨格系及び結合組織障害

    骨障害(2.1%)

    筋肉痛,関節痛,背部痛,側腹部痛,筋痙攣

    骨軟化症,ミオパチー

    一般・全身障害及び投与部位の状態

    無力症(6.3%),疼痛(2.4%)

    倦怠感,胸痛,発熱,悪寒,末梢性浮腫

    臨床検査3)

    CK増加(12.3%),血中トリグリセリド増加(7.8%),血中アミラーゼ増加(7.5%),AST増加(5.1%),ALT増加(4.3%),好中球数減少(2.4%),尿糖(2.1%),血中ブドウ糖増加(2.0%)

    血中ビリルビン増加,血中リン減少,Al-P増加,血小板数減少

    リパーゼ増加,血尿,蛋白尿,血中クレアチニン増加,γ-GTP増加

    その他

    頻尿,視覚異常,多尿

    アレルギー反応,高血圧

                
    2) 市販後の調査,自発報告等にて報告された副作用
                
    3) 臨床検査についてはグレード3及び4(NIAID分類)の臨床検査値異常
              

    13. 過量投与

    1. 13.1 処置

      本剤は血液透析により一部除去される。[16.6.1 参照]

    15. その他の注意

    15.2 非臨床試験に基づく情報

    マウスを用いたがん原性試験(2年間)において,臨床用量におけるヒトの全身曝露量の16倍で雌に肝細胞腺腫が高頻度に発現したとの報告がある。

    1. 警告

    B型慢性肝炎を合併している患者では,本剤の投与中止により,B型慢性肝炎が再燃するおそれがあるので,本剤の投与を中断する場合には十分注意すること。特に非代償性の場合,重症化するおそれがあるので注意すること。[9.1.1 参照]

    2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

    本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

    3. 組成・性状

    3.1 組成

    ビリアード錠300mg

    有効成分 1錠中
    テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩   300mg
    (テノホビル ジソプロキシルとして   245mg )
    添加剤 クロスカルメロースNa,乳糖,ステアリン酸Mg,セルロース,部分アルファー化デンプン,青色2号,ヒプロメロース,酸化チタン,トリアセチン

    3.2 製剤の性状

    ビリアード錠300mg

    剤形 フィルムコーティング錠
    色調 うすい青色
    外形 表面                                    
    裏面                                    
    側面                                    
    大きさ 長径 約17.0mm
    短径 約10.5mm
    厚さ 約5.0mm
    識別コード GILEAD4331-300

    4. 効能又は効果

    HIV-1感染症

    6. 用法及び用量

    通常,成人にはテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩として1回300mg(テノホビル ジソプロキシルとして245mg)を1日1回経口投与する。なお,投与に際しては必ず他の抗HIV薬と併用すること。

    7. 用法及び用量に関連する注意

    1. 7.1 腎機能障害のある患者では本剤の血中濃度が上昇するので,腎機能の低下に応じて,次の投与方法を目安とする。[8.3 参照],[9.2.1 参照],[10.2 参照],[11.1.1 参照],[16.6.1 参照]

      クレアチニンクリアランス(CLcr

      投与方法

      50mL/min以上

      本剤1錠を1日1回投与

      30~49mL/min

      本剤1錠を2日間に1回投与

      10~29mL/min

      本剤1錠を1週間に2回投与

      血液透析患者

      本剤1錠を1週間に1回投与1) 又は累積約12時間の透析終了後に本剤1錠を投与

                      

      1) 血液透析実施後
                    

    2. 7.2 本剤の有効成分であるテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩を含む製剤と併用しないこと。また,テノホビル アラフェナミドフマル酸塩を含む製剤についても併用しないこと。
    3. 7.3 核酸系逆転写酵素阻害薬(NRTI)3成分のみを用いる一部の治療は,NRTI2成分に非核酸系逆転写酵素阻害薬又はHIV-1プロテアーゼ阻害薬を併用する3成分併用療法と比べて,概して効果が低いことが報告されている。また,抗ウイルス薬の使用経験がない患者に対し,本剤とジダノシン,ラミブジン又は本剤とラミブジン,アバカビルの3剤併用1日1回投与により,初期のウイルス学的応答の欠如が高頻度に認められたとの報告があるので,抗ウイルス薬の使用経験がない患者及び既治療患者に対して本剤を使用する場合には,これらの組み合わせのみによる治療は避けること。

    8. 重要な基本的注意

    1. 8.1 **,*本剤の使用に際しては,国内外のガイドライン等の最新の情報を参考に,患者又はそれに代わる適切な者に次の事項についてよく説明し同意を得た後,使用すること。
      1. 8.1.1 本剤はHIV感染症の根治療法薬ではないことから,日和見感染症を含むHIV感染症の進展に伴う疾病を発症し続ける可能性があるので,本剤投与開始後の身体状況の変化についてはすべて担当医に報告すること。
      2. 8.1.2 本剤の長期投与による影響については現在のところ不明であること。
    2. 8.2 本剤を含む抗HIV薬の多剤併用療法を行った患者で,免疫再構築炎症反応症候群が報告されている。投与開始後,免疫機能が回復し,症候性のみならず無症候性日和見感染(マイコバクテリウムアビウムコンプレックス,サイトメガロウイルス,ニューモシスチス等によるもの)等に対する炎症反応が発現することがある。また,免疫機能の回復に伴い自己免疫疾患(甲状腺機能亢進症,多発性筋炎,ギラン・バレー症候群,ブドウ膜炎等)が発現するとの報告があるので,これらの症状を評価し,必要時には適切な治療を考慮すること。
    3. 8.3 本剤投与前にクレアチニンクリアランス,尿糖及び尿蛋白の検査を実施すること。また,本剤投与後も定期的な検査等により患者の状態を注意深く観察すること。[7.1 参照],[9.2.1 参照],[10.2 参照],[11.1.1 参照],[16.6.1 参照]
    4. 8.4 テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩を含む多剤併用療法を長期間行った患者において,骨粗鬆症が現れ,大腿骨頚部等の骨折を起こした症例が報告されている。長期投与時には定期的に骨密度検査を行う等骨密度減少に注意し,異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。なお,本剤の試験において,144週間の投与により腰椎と大腿骨頚部の骨密度の減少が見られている。骨密度の減少した患者の大部分は,投与開始後24~48週目にかけて発現し,以降は144週目まで持続していた。

    9. 特定の背景を有する患者に関する注意

    9.1 合併症・既往歴等のある患者

    1. 9.1.1 B型肝炎ウイルス感染を合併している患者

      本剤の投与を中断する場合には十分注意すること。B型慢性肝炎を合併している患者では,本剤の投与中止により,B型慢性肝炎が再燃するおそれがある。特に非代償性の場合,重症化するおそれがある。[1 参照]

    2. 9.1.2 腎機能障害のリスクを有する患者

      血清リンの検査を実施すること。

    9.2 腎機能障害患者

    1. 9.2.1 中等度及び重度の腎機能障害のある患者

      本剤の血中濃度が上昇する。[7.1 参照],[8.3 参照],[10.2 参照],[11.1.1 参照],[16.6.1 参照]

    9.5 妊婦

    妊婦又は妊娠している可能性のある女性には,治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物試験(サル)においてテノホビルの胎児への移行が報告されている1)

    9.6 授乳婦

    授乳を避けさせること。テノホビルのヒト乳汁への移行が報告されており2) ,動物実験(ラット)において,乳汁中への移行が報告されている。また,女性のHIV感染症患者は,乳児のHIV感染を避けるため,乳児に母乳を与えないことが望ましい。

    9.7 小児等

    小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

    9.8 高齢者

    患者の肝,腎及び心機能の低下,合併症,併用薬等を十分に考慮すること。

    10. 相互作用

      10.2 併用注意(併用に注意すること)

      薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子

      逆転写酵素阻害剤

      • ジダノシン

                        [16.7 参照]                 

      ジダノシンによる有害事象を増強するおそれがあるので,ジダノシンの減量を考慮すること。

      ジダノシンのAUC及びCmaxが上昇する。

      HIVプロテアーゼ阻害剤

      • アタザナビル硫酸塩

                        [16.7 参照]                 

      アタザナビルの治療効果が減弱するおそれがあるので,本剤とアタザナビル硫酸塩を併用する場合には,本剤とアタザナビル300mgをリトナビル100mgとともに投与することが望ましい。また,本剤による有害事象を増強するおそれがある。

      アタザナビルのAUCが25%,Cmaxが21%,Cminが40%低下し,テノホビルのAUCが24%,Cmaxが14%,Cminが22%上昇する。

      HIVプロテアーゼ阻害剤

      • ロピナビル・リトナビル

                        [16.7 参照]                 

      本剤による有害事象を増強するおそれがある。

      テノホビルのAUCが32%,Cminが51%上昇する。

      HIVプロテアーゼ阻害剤

      • ダルナビル+リトナビル

                        [16.7 参照]                 

      本剤による有害事象を増強するおそれがある。

      テノホビルのAUC,Cmax及びCminが上昇する。

      抗HCV剤

      • レジパスビル・ソホスブビル

                        [16.7 参照]                 

      本剤による有害事象を増強するおそれがある。

      テノホビルのAUC,Cmax及びCminが上昇する。

      抗ウイルス化学療法剤

      • アシクロビル,バラシクロビル塩酸塩

      抗サイトメガロウイルス化学療法剤

      • ガンシクロビル,バルガンシクロビル塩酸塩等

      これらの薬剤又は本剤による有害事象を増強するおそれがある。

      尿細管への能動輸送により排泄される薬剤と併用する場合,排泄経路の競合により,排泄が遅延し,これらの薬剤又は本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。

      併用は避けることが望ましい。

      腎毒性を有する薬剤は腎機能障害の危険因子となる。

      11. 副作用

      次の副作用が現れることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

      11.1 重大な副作用

      1. 11.1.1 腎不全又は重度の腎機能障害(1.2%)

        腎機能不全,腎不全,急性腎障害,近位腎尿細管機能障害,ファンコニー症候群,急性腎尿細管壊死,腎性尿崩症又は腎炎等の重度の腎機能障害が現れることがあるので,臨床検査値に異常が認められた場合には,投与を中止する等,適切な処置を行うこと。特に腎機能障害の既往がある患者や腎毒性のある薬剤が投与されている患者では注意すること。[7.1 参照],[8.3 参照],[9.2.1 参照],[10.2 参照],[16.6.1 参照]

      2. 11.1.2 膵炎(0.2%)

        血中アミラーゼ,リパーゼ,血中トリグリセリド等の検査値の上昇がみられた場合には,投与を中止する等,適切な処置を行うこと。

      3. 11.1.3 乳酸アシドーシス及び脂肪沈着による重度の肝腫大(脂肪肝)(頻度不明)

        乳酸アシドーシス又は肝細胞毒性が疑われる臨床症状又は検査値異常(アミノトランスフェラーゼの急激な上昇等)が認められた場合には,本剤の投与を一時中止すること。特に肝疾患の危険因子を有する患者においては注意すること。類薬(ヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬)の単独投与又はこれらの併用療法により,重篤な乳酸アシドーシス及び脂肪沈着による重度の肝腫大(脂肪肝)が,女性に多く報告されている。

      11.2 その他の副作用

      2%以上

      2%未満

      頻度不明2)

      代謝及び栄養障害

      食欲減退(3.2%),体重減少(2.1%),体脂肪の再分布/蓄積(2.1%)

      高コレステロール血症,高脂血症

      低リン酸血症,低カリウム血症,糖尿病,高尿酸血症

      精神障害

      うつ病,睡眠障害,リビドー減退,神経過敏,不安

      神経系障害

      頭痛(5.6%),錯感覚(3.7%),浮動性めまい(3.4%)

      不眠症,末梢性ニューロパチー,味覚異常,異常な夢,傾眠,ニューロパチー,思考異常,振戦

      感覚鈍麻

      呼吸器,胸郭及び縦隔障害

      気管支炎,鼻炎,咽頭炎

      呼吸困難

      胃腸障害

      悪心(10.5%),下痢(9.1%),腹痛(5.2%),嘔吐(4.4%),鼓腸(3.0%),消化不良(2.3%)

      口内乾燥,胃腸障害,便秘,アフタ性潰瘍,胃炎,おくび,腹部膨満

      肝胆道系障害

      肝炎

      脂肪肝,肝機能異常

      皮膚及び皮下組織障害

      発疹(3.3%)

      そう痒症,多汗症,脱毛症,湿疹,ざ瘡,皮膚乾燥,単純ヘルペス,皮膚良性新生物

      筋骨格系及び結合組織障害

      骨障害(2.1%)

      筋肉痛,関節痛,背部痛,側腹部痛,筋痙攣

      骨軟化症,ミオパチー

      一般・全身障害及び投与部位の状態

      無力症(6.3%),疼痛(2.4%)

      倦怠感,胸痛,発熱,悪寒,末梢性浮腫

      臨床検査3)

      CK増加(12.3%),血中トリグリセリド増加(7.8%),血中アミラーゼ増加(7.5%),AST増加(5.1%),ALT増加(4.3%),好中球数減少(2.4%),尿糖(2.1%),血中ブドウ糖増加(2.0%)

      血中ビリルビン増加,血中リン減少,Al-P増加,血小板数減少

      リパーゼ増加,血尿,蛋白尿,血中クレアチニン増加,γ-GTP増加

      その他

      頻尿,視覚異常,多尿

      アレルギー反応,高血圧

                  
      2) 市販後の調査,自発報告等にて報告された副作用
                  
      3) 臨床検査についてはグレード3及び4(NIAID分類)の臨床検査値異常
                

      13. 過量投与

      1. 13.1 処置

        本剤は血液透析により一部除去される。[16.6.1 参照]

      15. その他の注意

      15.2 非臨床試験に基づく情報

      マウスを用いたがん原性試験(2年間)において,臨床用量におけるヒトの全身曝露量の16倍で雌に肝細胞腺腫が高頻度に発現したとの報告がある。

      その他詳細情報

      日本標準商品分類番号
      87625
      ブランドコード
      6250024F1021
      承認番号
      21600AMY00073000
      販売開始年月
      2004-04
      貯法
      室温保存
      有効期間
      48箇月
      規制区分
      2, 12

      重要な注意事項

      • この情報は医療専門家による診断や治療の代替にはなりません。副作用に関する懸念がある場合は、必ず医師または薬剤師に相談してください。
      • 副作用の発生頻度や重篤度は個人差があります。ここで提供される情報は一般的なものであり、すべての患者さんに当てはまるわけではありません。
      • 薬剤の使用に関しては、必ず医療専門家の指示に従い、自己判断での変更や中止を避けてください。
      • この情報は最新のものであるよう努めていますが、最新とは限りません。常に医療専門家に確認してください。
      • 副作用に関する情報は、信頼できる医療情報源に基づいて提供されていますが、完全性や正確性を保証するものではありません。
      • この情報を使用することにより生じたいかなる損害についても、当サイトは一切の責任を負いません。