薬効分類名抗ウイルス化学療法剤

一般的名称バラシクロビル塩酸塩錠

バラシクロビル錠500mg「JG」

ばらしくろびるじょう500mg「JG」

Valaciclovir Tablets

製造販売元/日本ジェネリック株式会社

第3版
禁忌相互作用合併症・既往歴等のある患者腎機能障害患者肝機能障害患者妊婦授乳婦小児等高齢者

重大な副作用

頻度
副作用
頻度不明
頻度不明
頻度不明
頻度不明
頻度不明
頻度不明
頻度不明
頻度不明

その他の副作用

部位
頻度
副作用
免疫系
頻度不明
肝臓まわり
0.5%以上
胃腸・消化器系
0.5%以上
胃腸・消化器系
0.5%未満
脳・神経
0.5%以上
脳・神経
0.5%未満
脳・神経
頻度不明
腎・尿路
0.5%以上
腎・尿路
0.5%未満
腎・尿路
頻度不明

併用注意

薬剤名等

プロベネシド

臨床症状・措置方法

本剤の活性代謝物のアシクロビルの排泄が抑制され、アシクロビルの平均血漿中濃度曲線下面積(AUC)が48%増加するとの報告がある 。特に腎機能低下の可能性がある患者(高齢者等)には慎重に投与すること。

機序・危険因子

プロベネシドは尿細管分泌に関わるOAT1及びMATE1を阻害するため、活性代謝物のアシクロビルの腎排泄が抑制されると考えられる。

薬剤名等

シメチジン

臨床症状・措置方法

本剤の活性代謝物のアシクロビルの排泄が抑制され、アシクロビルのAUCが27%増加するとの報告がある 。特に腎機能低下の可能性がある患者(高齢者等)には慎重に投与すること。

機序・危険因子

シメチジンは尿細管分泌に関わるOAT1、MATE1及びMATE2-Kを阻害するため、活性代謝物のアシクロビルの腎排泄が抑制されると考えられる。

薬剤名等

ミコフェノール酸 モフェチル

臨床症状・措置方法

本剤の活性代謝物のアシクロビルとの併用により、アシクロビル及びミコフェノール酸 モフェチル代謝物の排泄が抑制され、両方のAUCが増加するとの報告がある 。特に腎機能低下の可能性がある患者(高齢者等)には慎重に投与すること。

機序・危険因子

活性代謝物のアシクロビルとミコフェノール酸 モフェチル代謝物が尿細管分泌で競合すると考えられる。

薬剤名等

テオフィリン

臨床症状・措置方法

本剤の活性代謝物のアシクロビルとの併用により、テオフィリンの中毒症状があらわれることがある 。

機序・危険因子

機序は不明であるが、本剤の活性代謝物のアシクロビルがテオフィリンの代謝を阻害するためテオフィリンの血中濃度が上昇することが考えられる。

詳細情報

正確な情報は PMDA で必ず確認して下さい

注意以下の情報は参考資料としてご活用下さい

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分あるいはアシクロビルに対し過敏症の既往歴のある患者

3. 組成・性状

3.1 組成

バラシクロビル錠500mg「JG」

有効成分
(1錠中)
  日局 バラシクロビル塩酸塩 556mg
(バラシクロビルとして500mg)
添加剤   結晶セルロース、クロスポビドン、ポビドン、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、マクロゴール400、ポリソルベート80、酸化チタン、カルナウバロウ

3.2 製剤の性状

バラシクロビル錠500mg「JG」

色・剤形 白色~微黄白色のフィルムコーティング錠
外形・大きさ・重量 表面                                        
裏面                                        
側面                                        
長径 18.5mm
短径 7.4mm
厚さ 6.2mm
重量 700mg
識別コード JG J07

4. 効能又は効果

  • 単純疱疹
  • 造血幹細胞移植における単純ヘルペスウイルス感染症(単純疱疹)の発症抑制
  • 帯状疱疹
  • 水痘
  • 性器ヘルペスの再発抑制

5. 効能・効果に関連する注意

  • 〈性器ヘルペスの再発抑制〉
    1. 5.1 本剤の投与により、セックスパートナーへの感染を抑制することが認められている。ただし、本剤投与中もセックスパートナーへの感染リスクがあるため、コンドームの使用等が推奨される。[17.3 参照]
    2. 5.2 性器ヘルペスの発症を繰り返す患者(免疫正常患者においては、おおむね年6回以上の頻度で再発する者)に対して投与すること。[17.1.8 参照],[17.1.9 参照]

6. 用法及び用量

  • [成人]
    • 〈単純疱疹〉

      通常、成人にはバラシクロビルとして1回500mgを1日2回経口投与する。

    • 〈造血幹細胞移植における単純ヘルペスウイルス感染症(単純疱疹)の発症抑制〉

      通常、成人にはバラシクロビルとして1回500mgを1日2回造血幹細胞移植施行7日前より施行後35日まで経口投与する。

    • 〈帯状疱疹〉

      通常、成人にはバラシクロビルとして1回1000mgを1日3回経口投与する。

    • 〈水痘〉

      通常、成人にはバラシクロビルとして1回1000mgを1日3回経口投与する。

    • 〈性器ヘルペスの再発抑制〉

      通常、成人にはバラシクロビルとして1回500mgを1日1回経口投与する。なお、HIV感染症の患者(CD4リンパ球数100/mm3以上)にはバラシクロビルとして1回500mgを1日2回経口投与する。

  • [小児]
    • 〈単純疱疹〉

      通常、体重40kg以上の小児にはバラシクロビルとして1回500mgを1日2回経口投与する。

    • 〈造血幹細胞移植における単純ヘルペスウイルス感染症(単純疱疹)の発症抑制〉

      通常、体重40kg以上の小児にはバラシクロビルとして1回500mgを1日2回造血幹細胞移植施行7日前より施行後35日まで経口投与する。

    • 〈帯状疱疹〉

      通常、体重40kg以上の小児にはバラシクロビルとして1回1000mgを1日3回経口投与する。

    • 〈水痘〉

      通常、体重40kg以上の小児にはバラシクロビルとして1回1000mgを1日3回経口投与する。

    • 〈性器ヘルペスの再発抑制〉

      通常、体重40kg以上の小児にはバラシクロビルとして1回500mgを1日1回経口投与する。なお、HIV感染症の患者(CD4リンパ球数100/mm3以上)にはバラシクロビルとして1回500mgを1日2回経口投与する。

7. 用法・用量に関連する注意

  • 〈効能共通〉
    1. 7.1 本剤の投与は、発病初期に近いほど効果が期待できるので、早期に投与を開始することが望ましい。
    2. 7.2 腎障害を有する成人患者におけるクレアチニンクリアランスに応じた本剤の投与間隔及び投与量の目安は下表のとおりである。また、血液透析を受けている患者に対しては、患者の腎機能、体重又は臨床症状に応じ、クレアチニンクリアランス10mL/min未満の目安よりさらに減量(250mgを24時間毎 等)することを考慮すること。また、血液透析日には透析後に投与すること。なお、腎障害を有する小児患者における本剤の投与間隔及び投与量調節の目安は確立していない。[8.2 参照],[9.2.1 参照],[9.8 参照],[13.1 参照],[16.6.1 参照],[16.6.2 参照]

      クレアチニンクリアランス(mL/min)

      ≧50

      30~49

      10~29

      <10

      単純疱疹
      造血幹細胞移植における単純ヘルペスウイルス感染症(単純疱疹)の発症抑制

      500mgを12時間毎

      500mgを12時間毎

      500mgを24時間毎

      500mgを24時間毎

      帯状疱疹
      水痘

      1000mgを8時間毎

      1000mgを12時間毎

      1000mgを24時間毎

      500mgを24時間毎

      性器ヘルペスの再発抑制

      500mgを24時間毎
      なお、HIV感染症の患者(CD4リンパ球数100/mm3以上)には、500mgを12時間毎

      500mgを24時間毎
      なお、HIV感染症の患者(CD4リンパ球数100/mm3以上)には、500mgを12時間毎

      250mgを24時間毎
      なお、HIV感染症の患者(CD4リンパ球数100/mm3以上)には、500mgを24時間毎

      250mgを24時間毎
      なお、HIV感染症の患者(CD4リンパ球数100/mm3以上)には、500mgを24時間毎

  • 〈単純疱疹〉
    1. 7.3 本剤を5日間使用し、改善の兆しが見られないか、あるいは悪化する場合には、他の治療に切り替えること。ただし、初発型性器ヘルペスは重症化する場合があるため、本剤を10日間まで使用可能とする。
  • 〈帯状疱疹〉
    1. 7.4 目安として、皮疹出現後5日以内に投与を開始することが望ましい。
    2. 7.5 本剤を7日間使用し、改善の兆しが見られないか、あるいは悪化する場合には、他の治療に切り替えること。
  • 〈水痘〉
    1. 7.6 目安として、皮疹出現後2日以内に投与を開始することが望ましい。
    2. 7.7 成人においては本剤を5~7日間、小児においては本剤を5日間使用し、改善の兆しが見られないか、あるいは悪化する場合には、他の治療に切り替えること。
  • 〈性器ヘルペスの再発抑制〉
    1. 7.8 免疫正常患者において、性器ヘルペスの再発抑制に本剤を使用している際に再発が認められた場合には、1回500mg1日1回投与(性器ヘルペスの再発抑制に対する用法及び用量)から1回500mg1日2回投与(単純疱疹の治療に対する用法及び用量)に変更すること。治癒後は必要に応じ1回500mg1日1回投与(性器ヘルペスの再発抑制に対する用法及び用量)の再開を考慮すること。また、再発抑制に対して本剤を投与しているにもかかわらず頻回に再発を繰り返すような患者に対しては、症状に応じて1回250mg1日2回又は1回1000mg1日1回投与に変更することを考慮すること。[17.1.8 参照],[17.1.9 参照]
    2. 7.9 本剤を1年間投与後、投与継続の必要性について検討することが推奨される。[17.1.8 参照],[17.1.9 参照]

8. 重要な基本的注意

  • 〈効能共通〉
    1. 8.1 各効能又は効果に対し設定された用法及び用量で投与した場合、本剤投与時のアシクロビル曝露は、アシクロビル経口製剤投与時よりも高いことから、副作用の発現に留意すること。
    2. 8.2 意識障害等があらわれることがあるので、自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事する際には注意するよう患者に十分に説明すること。なお、腎機能障害患者では、特に意識障害等があらわれやすいので、患者の状態によっては従事させないよう注意すること。[7.2 参照],[9.2.1 参照]
  • 〈水痘〉
    1. 8.3 治療上の有益性と危険性を勘案して投与すること。本剤の使用経験は少ない。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 免疫機能の低下した患者

    水痘の治療において、悪性腫瘍、自己免疫性疾患などの免疫機能の低下した患者に対する有効性及び安全性は確立していない。本剤の使用経験がない。

  2. 9.1.2 脱水症状をおこしやすいと考えられる患者(腎障害のある患者又は腎機能が低下している患者、高齢者、水痘患者等)

    適切な水分補給を行うこと。[9.2.1 参照],[9.8 参照]

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1 腎障害のある患者、腎機能が低下している患者

    投与間隔及び投与量を調節し、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。本剤の活性代謝物であるアシクロビルの曝露量が増加した場合には、精神神経症状や腎機能障害が発現する危険性が高い。適切な減量投与が行われなかったために過量投与の状態となった腎障害患者において、精神神経症状や腎機能障害が発現した症例が報告されている。[7.2 参照],[8.2 参照],[9.1.2 参照],[11.1.3 参照],[11.1.4 参照],[13.1 参照],[16.6.1 参照]

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1 肝障害のある患者

    肝障害のある患者を対象とした臨床試験は実施していない。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
活性代謝物のアシクロビルにおいて、動物実験(ラット)の妊娠10日目に、母動物に腎障害のあらわれる大量(200mg/kg/day以上)を皮下投与した実験では、胎児に頭部及び尾の異常が認められたと報告されている1)  。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤投与後、活性代謝物のアシクロビルがヒト乳汁中へ移行することが報告されている。[16.3.2 参照]

9.7 小児等

  1. 9.7.1 動物実験(ラット)でバラシクロビルを経口投与したときの活性代謝物であるアシクロビルの曝露量は、成熟動物に比べて幼若動物で大きいことが報告されている。
  2. 9.7.2 低出生体重児、新生児又は乳児を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

投与間隔及び投与量を調節し、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。本剤は、活性代謝物のアシクロビルに変換された後、主として腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多いため血中アシクロビル濃度が高濃度で持続し、精神神経症状や腎機能障害が発現する危険性が高い。適切な減量投与が行われなかったために過量投与の状態となった高齢者において、精神神経症状や腎機能障害が発現した症例が報告されている。[7.2 参照],[9.1.2 参照],[11.1.3 参照],[11.1.4 参照],[13.1 参照],[16.6.2 参照]

10. 相互作用

  • 活性代謝物のアシクロビルは、OAT1、MATE1及びMATE2-Kの基質である。[16.7.1 参照]

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子

プロベネシド

本剤の活性代謝物のアシクロビルの排泄が抑制され、アシクロビルの平均血漿中濃度曲線下面積(AUC)が48%増加するとの報告がある2)  。特に腎機能低下の可能性がある患者(高齢者等)には慎重に投与すること。

プロベネシドは尿細管分泌に関わるOAT1及びMATE1を阻害するため、活性代謝物のアシクロビルの腎排泄が抑制されると考えられる。

シメチジン

本剤の活性代謝物のアシクロビルの排泄が抑制され、アシクロビルのAUCが27%増加するとの報告がある2)  。特に腎機能低下の可能性がある患者(高齢者等)には慎重に投与すること。

シメチジンは尿細管分泌に関わるOAT1、MATE1及びMATE2-Kを阻害するため、活性代謝物のアシクロビルの腎排泄が抑制されると考えられる。

ミコフェノール酸 モフェチル

本剤の活性代謝物のアシクロビルとの併用により、アシクロビル及びミコフェノール酸 モフェチル代謝物の排泄が抑制され、両方のAUCが増加するとの報告がある3)  。特に腎機能低下の可能性がある患者(高齢者等)には慎重に投与すること。

活性代謝物のアシクロビルとミコフェノール酸 モフェチル代謝物が尿細管分泌で競合すると考えられる。

テオフィリン

本剤の活性代謝物のアシクロビルとの併用により、テオフィリンの中毒症状があらわれることがある4)  。

機序は不明であるが、本剤の活性代謝物のアシクロビルがテオフィリンの代謝を阻害するためテオフィリンの血中濃度が上昇することが考えられる。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 アナフィラキシーショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)

    アナフィラキシーショック、アナフィラキシー(呼吸困難、血管性浮腫等)があらわれることがある。

  2. 11.1.2 汎血球減少(0.73%)、無顆粒球症(0.24%)、血小板減少(0.36%)、播種性血管内凝固症候群(DIC)(頻度不明)、血小板減少性紫斑病(頻度不明)
  3. 11.1.3 急性腎障害(0.12%)、尿細管間質性腎炎(頻度不明)

                    [9.2.1 参照],[9.8 参照],[13.1 参照]

  4. 11.1.4 精神神経症状(1.09%)

    意識障害(昏睡)、せん妄、妄想、幻覚、錯乱、痙攣、てんかん発作、麻痺、脳症等があらわれることがある。一般に精神神経症状は本剤の投与中止により回復する。[9.2.1 参照],[9.8 参照],[13.1 参照]

  5. 11.1.5 **中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、急性汎発性発疹性膿疱症、多形紅斑(いずれも頻度不明)
  6. 11.1.6 呼吸抑制、無呼吸(いずれも頻度不明)
  7. 11.1.7 間質性肺炎(頻度不明)
  8. 11.1.8 肝炎、肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)
  9. 11.1.9 急性膵炎(頻度不明)

11.2 その他の副作用

0.5%以上

0.5%未満

頻度不明

過敏症

発疹、蕁麻疹、瘙痒、光線過敏症

肝臓

肝機能検査値の上昇

消化器

腹痛、下痢、腹部不快感、嘔気

嘔吐

精神神経系

頭痛

めまい

意識低下

腎臓・泌尿器

腎障害

排尿困難

尿閉

13. 過量投与

  1. 13.1 症状

    急性腎障害、精神神経症状(錯乱、幻覚、激越、意識低下、昏睡等)が報告されている。[7.2 参照],[9.2.1 参照],[9.8 参照],[11.1.3 参照],[11.1.4 参照]

  2. 13.2 処置

    血液透析により、アシクロビルを血中より除去することができる。[16.6.1 参照]

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するように指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

14.2 薬剤投与時の注意

  1. 14.2.1 本剤は主薬の苦みを防ぐため、コーティングを施しているので、錠剤をつぶすことなく服用させること。
  2. 14.2.2 本剤を飲みにくい場合には多めの水で1錠ずつ、服用させること。

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報

海外において、本剤の高用量(8g/日)を用い、重度の免疫不全患者(特に進行性HIV感染症患者)におけるCMV感染症予防に対する臨床試験が実施されている。この試験において、本剤が長期間にわたり投与された患者で、腎不全、微小血管溶血性貧血及び血小板減少(ときに併発)の発現が認められている。また、これらの症状は本剤の投与を受けていない同じ基礎疾患、合併症等を有する患者においても発現が認められている。

15.2 非臨床試験に基づく情報

  1. 15.2.1 Ames試験及びラット骨髄細胞染色体異常試験では陰性であったが、マウス骨髄小核試験では、高用量(経口投与、500mg/kg、アシクロビルのヒト血漿中濃度の26~51倍相当)において小核出現頻度の軽度増加を認めた。
  2. 15.2.2 マウスリンフォーマ細胞を用いた遺伝子突然変異試験では、代謝活性化系の存在下で1000μg/mL以上の濃度において弱い遺伝毒性(変異コロニー頻度の増加)を示した。

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分あるいはアシクロビルに対し過敏症の既往歴のある患者

3. 組成・性状

3.1 組成

バラシクロビル錠500mg「JG」

有効成分
(1錠中)
  日局 バラシクロビル塩酸塩 556mg
(バラシクロビルとして500mg)
添加剤   結晶セルロース、クロスポビドン、ポビドン、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、マクロゴール400、ポリソルベート80、酸化チタン、カルナウバロウ

3.2 製剤の性状

バラシクロビル錠500mg「JG」

色・剤形 白色~微黄白色のフィルムコーティング錠
外形・大きさ・重量 表面                                        
裏面                                        
側面                                        
長径 18.5mm
短径 7.4mm
厚さ 6.2mm
重量 700mg
識別コード JG J07

4. 効能又は効果

  • 単純疱疹
  • 造血幹細胞移植における単純ヘルペスウイルス感染症(単純疱疹)の発症抑制
  • 帯状疱疹
  • 水痘
  • 性器ヘルペスの再発抑制

5. 効能・効果に関連する注意

  • 〈性器ヘルペスの再発抑制〉
    1. 5.1 本剤の投与により、セックスパートナーへの感染を抑制することが認められている。ただし、本剤投与中もセックスパートナーへの感染リスクがあるため、コンドームの使用等が推奨される。[17.3 参照]
    2. 5.2 性器ヘルペスの発症を繰り返す患者(免疫正常患者においては、おおむね年6回以上の頻度で再発する者)に対して投与すること。[17.1.8 参照],[17.1.9 参照]

6. 用法及び用量

  • [成人]
    • 〈単純疱疹〉

      通常、成人にはバラシクロビルとして1回500mgを1日2回経口投与する。

    • 〈造血幹細胞移植における単純ヘルペスウイルス感染症(単純疱疹)の発症抑制〉

      通常、成人にはバラシクロビルとして1回500mgを1日2回造血幹細胞移植施行7日前より施行後35日まで経口投与する。

    • 〈帯状疱疹〉

      通常、成人にはバラシクロビルとして1回1000mgを1日3回経口投与する。

    • 〈水痘〉

      通常、成人にはバラシクロビルとして1回1000mgを1日3回経口投与する。

    • 〈性器ヘルペスの再発抑制〉

      通常、成人にはバラシクロビルとして1回500mgを1日1回経口投与する。なお、HIV感染症の患者(CD4リンパ球数100/mm3以上)にはバラシクロビルとして1回500mgを1日2回経口投与する。

  • [小児]
    • 〈単純疱疹〉

      通常、体重40kg以上の小児にはバラシクロビルとして1回500mgを1日2回経口投与する。

    • 〈造血幹細胞移植における単純ヘルペスウイルス感染症(単純疱疹)の発症抑制〉

      通常、体重40kg以上の小児にはバラシクロビルとして1回500mgを1日2回造血幹細胞移植施行7日前より施行後35日まで経口投与する。

    • 〈帯状疱疹〉

      通常、体重40kg以上の小児にはバラシクロビルとして1回1000mgを1日3回経口投与する。

    • 〈水痘〉

      通常、体重40kg以上の小児にはバラシクロビルとして1回1000mgを1日3回経口投与する。

    • 〈性器ヘルペスの再発抑制〉

      通常、体重40kg以上の小児にはバラシクロビルとして1回500mgを1日1回経口投与する。なお、HIV感染症の患者(CD4リンパ球数100/mm3以上)にはバラシクロビルとして1回500mgを1日2回経口投与する。

7. 用法・用量に関連する注意

  • 〈効能共通〉
    1. 7.1 本剤の投与は、発病初期に近いほど効果が期待できるので、早期に投与を開始することが望ましい。
    2. 7.2 腎障害を有する成人患者におけるクレアチニンクリアランスに応じた本剤の投与間隔及び投与量の目安は下表のとおりである。また、血液透析を受けている患者に対しては、患者の腎機能、体重又は臨床症状に応じ、クレアチニンクリアランス10mL/min未満の目安よりさらに減量(250mgを24時間毎 等)することを考慮すること。また、血液透析日には透析後に投与すること。なお、腎障害を有する小児患者における本剤の投与間隔及び投与量調節の目安は確立していない。[8.2 参照],[9.2.1 参照],[9.8 参照],[13.1 参照],[16.6.1 参照],[16.6.2 参照]

      クレアチニンクリアランス(mL/min)

      ≧50

      30~49

      10~29

      <10

      単純疱疹
      造血幹細胞移植における単純ヘルペスウイルス感染症(単純疱疹)の発症抑制

      500mgを12時間毎

      500mgを12時間毎

      500mgを24時間毎

      500mgを24時間毎

      帯状疱疹
      水痘

      1000mgを8時間毎

      1000mgを12時間毎

      1000mgを24時間毎

      500mgを24時間毎

      性器ヘルペスの再発抑制

      500mgを24時間毎
      なお、HIV感染症の患者(CD4リンパ球数100/mm3以上)には、500mgを12時間毎

      500mgを24時間毎
      なお、HIV感染症の患者(CD4リンパ球数100/mm3以上)には、500mgを12時間毎

      250mgを24時間毎
      なお、HIV感染症の患者(CD4リンパ球数100/mm3以上)には、500mgを24時間毎

      250mgを24時間毎
      なお、HIV感染症の患者(CD4リンパ球数100/mm3以上)には、500mgを24時間毎

  • 〈単純疱疹〉
    1. 7.3 本剤を5日間使用し、改善の兆しが見られないか、あるいは悪化する場合には、他の治療に切り替えること。ただし、初発型性器ヘルペスは重症化する場合があるため、本剤を10日間まで使用可能とする。
  • 〈帯状疱疹〉
    1. 7.4 目安として、皮疹出現後5日以内に投与を開始することが望ましい。
    2. 7.5 本剤を7日間使用し、改善の兆しが見られないか、あるいは悪化する場合には、他の治療に切り替えること。
  • 〈水痘〉
    1. 7.6 目安として、皮疹出現後2日以内に投与を開始することが望ましい。
    2. 7.7 成人においては本剤を5~7日間、小児においては本剤を5日間使用し、改善の兆しが見られないか、あるいは悪化する場合には、他の治療に切り替えること。
  • 〈性器ヘルペスの再発抑制〉
    1. 7.8 免疫正常患者において、性器ヘルペスの再発抑制に本剤を使用している際に再発が認められた場合には、1回500mg1日1回投与(性器ヘルペスの再発抑制に対する用法及び用量)から1回500mg1日2回投与(単純疱疹の治療に対する用法及び用量)に変更すること。治癒後は必要に応じ1回500mg1日1回投与(性器ヘルペスの再発抑制に対する用法及び用量)の再開を考慮すること。また、再発抑制に対して本剤を投与しているにもかかわらず頻回に再発を繰り返すような患者に対しては、症状に応じて1回250mg1日2回又は1回1000mg1日1回投与に変更することを考慮すること。[17.1.8 参照],[17.1.9 参照]
    2. 7.9 本剤を1年間投与後、投与継続の必要性について検討することが推奨される。[17.1.8 参照],[17.1.9 参照]

8. 重要な基本的注意

  • 〈効能共通〉
    1. 8.1 各効能又は効果に対し設定された用法及び用量で投与した場合、本剤投与時のアシクロビル曝露は、アシクロビル経口製剤投与時よりも高いことから、副作用の発現に留意すること。
    2. 8.2 意識障害等があらわれることがあるので、自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事する際には注意するよう患者に十分に説明すること。なお、腎機能障害患者では、特に意識障害等があらわれやすいので、患者の状態によっては従事させないよう注意すること。[7.2 参照],[9.2.1 参照]
  • 〈水痘〉
    1. 8.3 治療上の有益性と危険性を勘案して投与すること。本剤の使用経験は少ない。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 免疫機能の低下した患者

    水痘の治療において、悪性腫瘍、自己免疫性疾患などの免疫機能の低下した患者に対する有効性及び安全性は確立していない。本剤の使用経験がない。

  2. 9.1.2 脱水症状をおこしやすいと考えられる患者(腎障害のある患者又は腎機能が低下している患者、高齢者、水痘患者等)

    適切な水分補給を行うこと。[9.2.1 参照],[9.8 参照]

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1 腎障害のある患者、腎機能が低下している患者

    投与間隔及び投与量を調節し、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。本剤の活性代謝物であるアシクロビルの曝露量が増加した場合には、精神神経症状や腎機能障害が発現する危険性が高い。適切な減量投与が行われなかったために過量投与の状態となった腎障害患者において、精神神経症状や腎機能障害が発現した症例が報告されている。[7.2 参照],[8.2 参照],[9.1.2 参照],[11.1.3 参照],[11.1.4 参照],[13.1 参照],[16.6.1 参照]

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1 肝障害のある患者

    肝障害のある患者を対象とした臨床試験は実施していない。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
活性代謝物のアシクロビルにおいて、動物実験(ラット)の妊娠10日目に、母動物に腎障害のあらわれる大量(200mg/kg/day以上)を皮下投与した実験では、胎児に頭部及び尾の異常が認められたと報告されている1)  。

9.6 授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤投与後、活性代謝物のアシクロビルがヒト乳汁中へ移行することが報告されている。[16.3.2 参照]

9.7 小児等

  1. 9.7.1 動物実験(ラット)でバラシクロビルを経口投与したときの活性代謝物であるアシクロビルの曝露量は、成熟動物に比べて幼若動物で大きいことが報告されている。
  2. 9.7.2 低出生体重児、新生児又は乳児を対象とした臨床試験は実施していない。

9.8 高齢者

投与間隔及び投与量を調節し、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。本剤は、活性代謝物のアシクロビルに変換された後、主として腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多いため血中アシクロビル濃度が高濃度で持続し、精神神経症状や腎機能障害が発現する危険性が高い。適切な減量投与が行われなかったために過量投与の状態となった高齢者において、精神神経症状や腎機能障害が発現した症例が報告されている。[7.2 参照],[9.1.2 参照],[11.1.3 参照],[11.1.4 参照],[13.1 参照],[16.6.2 参照]

10. 相互作用

  • 活性代謝物のアシクロビルは、OAT1、MATE1及びMATE2-Kの基質である。[16.7.1 参照]

10.2 併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子

プロベネシド

本剤の活性代謝物のアシクロビルの排泄が抑制され、アシクロビルの平均血漿中濃度曲線下面積(AUC)が48%増加するとの報告がある2)  。特に腎機能低下の可能性がある患者(高齢者等)には慎重に投与すること。

プロベネシドは尿細管分泌に関わるOAT1及びMATE1を阻害するため、活性代謝物のアシクロビルの腎排泄が抑制されると考えられる。

シメチジン

本剤の活性代謝物のアシクロビルの排泄が抑制され、アシクロビルのAUCが27%増加するとの報告がある2)  。特に腎機能低下の可能性がある患者(高齢者等)には慎重に投与すること。

シメチジンは尿細管分泌に関わるOAT1、MATE1及びMATE2-Kを阻害するため、活性代謝物のアシクロビルの腎排泄が抑制されると考えられる。

ミコフェノール酸 モフェチル

本剤の活性代謝物のアシクロビルとの併用により、アシクロビル及びミコフェノール酸 モフェチル代謝物の排泄が抑制され、両方のAUCが増加するとの報告がある3)  。特に腎機能低下の可能性がある患者(高齢者等)には慎重に投与すること。

活性代謝物のアシクロビルとミコフェノール酸 モフェチル代謝物が尿細管分泌で競合すると考えられる。

テオフィリン

本剤の活性代謝物のアシクロビルとの併用により、テオフィリンの中毒症状があらわれることがある4)  。

機序は不明であるが、本剤の活性代謝物のアシクロビルがテオフィリンの代謝を阻害するためテオフィリンの血中濃度が上昇することが考えられる。

11. 副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

11.1 重大な副作用

  1. 11.1.1 アナフィラキシーショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)

    アナフィラキシーショック、アナフィラキシー(呼吸困難、血管性浮腫等)があらわれることがある。

  2. 11.1.2 汎血球減少(0.73%)、無顆粒球症(0.24%)、血小板減少(0.36%)、播種性血管内凝固症候群(DIC)(頻度不明)、血小板減少性紫斑病(頻度不明)
  3. 11.1.3 急性腎障害(0.12%)、尿細管間質性腎炎(頻度不明)

                    [9.2.1 参照],[9.8 参照],[13.1 参照]

  4. 11.1.4 精神神経症状(1.09%)

    意識障害(昏睡)、せん妄、妄想、幻覚、錯乱、痙攣、てんかん発作、麻痺、脳症等があらわれることがある。一般に精神神経症状は本剤の投与中止により回復する。[9.2.1 参照],[9.8 参照],[13.1 参照]

  5. 11.1.5 **中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、急性汎発性発疹性膿疱症、多形紅斑(いずれも頻度不明)
  6. 11.1.6 呼吸抑制、無呼吸(いずれも頻度不明)
  7. 11.1.7 間質性肺炎(頻度不明)
  8. 11.1.8 肝炎、肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)
  9. 11.1.9 急性膵炎(頻度不明)

11.2 その他の副作用

0.5%以上

0.5%未満

頻度不明

過敏症

発疹、蕁麻疹、瘙痒、光線過敏症

肝臓

肝機能検査値の上昇

消化器

腹痛、下痢、腹部不快感、嘔気

嘔吐

精神神経系

頭痛

めまい

意識低下

腎臓・泌尿器

腎障害

排尿困難

尿閉

13. 過量投与

  1. 13.1 症状

    急性腎障害、精神神経症状(錯乱、幻覚、激越、意識低下、昏睡等)が報告されている。[7.2 参照],[9.2.1 参照],[9.8 参照],[11.1.3 参照],[11.1.4 参照]

  2. 13.2 処置

    血液透析により、アシクロビルを血中より除去することができる。[16.6.1 参照]

14. 適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意

PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するように指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

14.2 薬剤投与時の注意

  1. 14.2.1 本剤は主薬の苦みを防ぐため、コーティングを施しているので、錠剤をつぶすことなく服用させること。
  2. 14.2.2 本剤を飲みにくい場合には多めの水で1錠ずつ、服用させること。

15. その他の注意

15.1 臨床使用に基づく情報

海外において、本剤の高用量(8g/日)を用い、重度の免疫不全患者(特に進行性HIV感染症患者)におけるCMV感染症予防に対する臨床試験が実施されている。この試験において、本剤が長期間にわたり投与された患者で、腎不全、微小血管溶血性貧血及び血小板減少(ときに併発)の発現が認められている。また、これらの症状は本剤の投与を受けていない同じ基礎疾患、合併症等を有する患者においても発現が認められている。

15.2 非臨床試験に基づく情報

  1. 15.2.1 Ames試験及びラット骨髄細胞染色体異常試験では陰性であったが、マウス骨髄小核試験では、高用量(経口投与、500mg/kg、アシクロビルのヒト血漿中濃度の26~51倍相当)において小核出現頻度の軽度増加を認めた。
  2. 15.2.2 マウスリンフォーマ細胞を用いた遺伝子突然変異試験では、代謝活性化系の存在下で1000μg/mL以上の濃度において弱い遺伝毒性(変異コロニー頻度の増加)を示した。

その他詳細情報

日本標準商品分類番号
87625
ブランドコード
6250019F1098
承認番号
22500AMX01635000
販売開始年月
2013-12
貯法
室温保存
有効期間
3年
規制区分
12

重要な注意事項

  • この情報は医療専門家による診断や治療の代替にはなりません。副作用に関する懸念がある場合は、必ず医師または薬剤師に相談してください。
  • 副作用の発生頻度や重篤度は個人差があります。ここで提供される情報は一般的なものであり、すべての患者さんに当てはまるわけではありません。
  • 薬剤の使用に関しては、必ず医療専門家の指示に従い、自己判断での変更や中止を避けてください。
  • この情報は最新のものであるよう努めていますが、最新とは限りません。常に医療専門家に確認してください。
  • 副作用に関する情報は、信頼できる医療情報源に基づいて提供されていますが、完全性や正確性を保証するものではありません。
  • この情報を使用することにより生じたいかなる損害についても、当サイトは一切の責任を負いません。