薬効分類名グリコペプチド系抗生物質製剤

一般的名称バンコマイシン塩酸塩

バンコマイシン塩酸塩点滴静注用0.5g「サワイ」

ばんこまいしんえんさんえんてんてきじょうちゅうよう

VANCOMYCIN HYDROCHLORIDE for Intravenous Infusion [SAWAI]

製造販売元/沢井製薬株式会社

第2版
警告禁忌相互作用合併症・既往歴等のある患者腎機能障害患者肝機能障害患者妊婦授乳婦小児等高齢者

重大な副作用

頻度
副作用
頻度不明
頻度不明
頻度不明
頻度不明
頻度不明
頻度不明
頻度不明
頻度不明
頻度不明
頻度不明
頻度不明

その他の副作用

部位
頻度
副作用
免疫系
2%以上
免疫系
2%未満
免疫系
頻度不明
肝臓まわり
2%以上
肝臓まわり
2%未満
肝臓まわり
頻度不明
腎・尿路
2%以上
腎・尿路
2%未満
血液系
頻度不明
胃腸・消化器系
2%未満
胃腸・消化器系
頻度不明
その他
2%未満
その他
頻度不明

併用注意

薬剤名等
  • 全身麻酔薬
臨床症状・措置方法

同時に投与すると、紅斑、ヒスタミン様潮紅、アナフィラキシー反応等の副作用が発現することがある。
全身麻酔の開始1時間前には本剤の点滴静注を終了すること。

機序・危険因子

全身麻酔薬には、アナフィラキシー作用、ヒスタミン遊離作用を有するものがあり、本剤にもヒスタミン遊離作用がある。しかし、相互作用の機序は不明である。

薬剤名等
臨床症状・措置方法

腎障害、聴覚障害が発現、悪化するおそれがあるので、併用は避けること。やむを得ず併用する場合は、慎重に投与すること。

機序・危険因子

機序:両剤共に腎毒性、聴器毒性を有するが、相互作用の機序は不明である。
危険因子:腎障害のある患者、高齢者、長期投与の患者等

薬剤名等
臨床症状・措置方法

腎障害が発現、悪化するおそれがあるので、併用は避けること。やむを得ず併用する場合は、慎重に投与すること。

機序・危険因子

機序:両剤共に腎毒性を有するが、相互作用の機序は不明である。
危険因子:腎障害のある患者、高齢者、長期投与の患者等

詳細情報

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1. 警告

本剤の耐性菌の発現を防ぐため、「5. 効能・効果に関連する注意」、「8. 重要な基本的注意」の項を熟読の上、適正使用に努めること。

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

3. 組成・性状

3.1 組成

バンコマイシン塩酸塩点滴静注用0.5g「サワイ」

1バイアル中
有効成分 日局バンコマイシン塩酸塩   0.5g(力価)

3.2 製剤の性状

バンコマイシン塩酸塩点滴静注用0.5g「サワイ」

pH 2.5~4.5(1バイアル/10mL水溶液)
浸透圧比 約1(1バイアル/100mL生理食塩液)(生理食塩液に対する比)
剤形・性状 白色の塊又は粉末、凍結乾燥品
用時溶解して用いる注射剤

4. 効能又は効果

  • 〈適応菌種〉
    • バンコマイシンに感性のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)
    • 〈適応症〉

      敗血症、感染性心内膜炎、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、骨髄炎、関節炎、肺炎、肺膿瘍、膿胸、腹膜炎、化膿性髄膜炎

  • 〈適応菌種〉
    • バンコマイシンに感性のメチシリン耐性コアグラーゼ陰性ブドウ球菌(MRCNS)
    • 〈適応症〉

      敗血症、感染性心内膜炎、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、骨髄炎、関節炎、腹膜炎、化膿性髄膜炎

  • 〈適応菌種〉
    • バンコマイシンに感性のペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP)
    • 〈適応症〉

      敗血症、肺炎、化膿性髄膜炎

  • MRSA又はMRCNS感染が疑われる発熱性好中球減少症

5. 効能又は効果に関連する注意

  • 〈効能共通〉
    1. 5.1 本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現を防ぐため、原則として他の抗菌薬及び本剤に対する感受性を確認すること。
    1. 5.2 本剤はメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)感染症、メチシリン耐性コアグラーゼ陰性ブドウ球菌(MRCNS)感染症、ペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP)感染症に対してのみ有用性が認められている。ただし、ブドウ球菌性腸炎に対しては非経口的に投与しても有用性は認められない。
  • 〈化膿性髄膜炎〉
    1. 5.3 後遺症として聴覚障害が発現するおそれがあるので、特に小児等、適応患者の選択に十分注意し、慎重に投与すること。[11.1.6 参照]
  • 〈PRSP肺炎〉
    1. 5.4 アレルギー、薬剤感受性など他剤による効果が期待できない場合にのみ使用すること。
  • 〈MRSA又はMRCNS感染が疑われる発熱性好中球減少症〉
    1. 5.5 本剤は、以下の2条件を満たし、かつMRSA又はMRCNSが原因菌であると疑われる症例に投与すること。
      1. 5.5.1 1回の検温で38℃以上の発熱、又は1時間以上持続する37.5℃以上の発熱
      2. 5.5.2 好中球数が500/mm3未満の場合、又は1000/mm3未満で500/mm3未満に減少することが予測される場合
    1. 5.6 国内外のガイドラインを参照し、本疾患の治療に十分な経験を持つ医師のもとで、本剤の使用が適切と判断される症例についてのみ実施すること。
    1. 5.7 本剤投与前に血液培養を実施すること。MRSA又はMRCNS感染の可能性が否定された場合には本剤の投与中止や他剤への変更を考慮すること。腫瘍熱・薬剤熱等の非感染性の発熱であることが確認された場合には、速やかに本剤の投与を中止すること。
    1. 5.8 本剤投与の開始時期の指標である好中球数が緊急時等で確認できない場合には、白血球数の半数を好中球数として推定すること。

6. 用法及び用量

通常、成人にはバンコマイシン塩酸塩として1日2g(力価)を1回0.5g(力価)6時間ごと又は1回1g(力価)12時間ごとに分割して、それぞれ60分以上かけて点滴静注する。
なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。
高齢者には、1回0.5g(力価)12時間ごと又は1回1g(力価)24時間ごとに、それぞれ60分以上かけて点滴静注する。
なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。
小児、乳児には、1日40mg(力価)/kgを2~4回に分割して、それぞれ60分以上かけて点滴静注する。
新生児には、1回投与量を10~15mg(力価)/kgとし、生後1週までの新生児に対しては12時間ごと、生後1ヵ月までの新生児に対しては8時間ごとに、それぞれ60分以上かけて点滴静注する。

7. 用法及び用量に関連する注意

  • 〈効能共通〉
    1. 7.1 急速なワンショット静注又は短時間での点滴静注を行うとヒスタミンが遊離されてred neck(red man)症候群(顔、頸、躯幹の紅斑性充血、そう痒等)、血圧低下等の副作用が発現することがあるので、60分以上かけて点滴静注すること。
    1. 7.2 腎機能障害患者では健康者より血中濃度の半減期が延長するので、投与量を修正して使用する必要がある。クレアチニンクリアランスから投与量を修正する目安は下図により算出できる1) (外国人データ)。[9.2 参照],[16.6.1 参照]
  • 〈MRSA又はMRCNS感染が疑われる発熱性好中球減少症〉
    1. 7.3 好中球数、発熱の回復が認められた場合には、本剤の投与中止を考慮すること。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現を防ぐため、次のことに注意すること。
    1. 8.1.1 感染症の治療に十分な知識と経験を持つ医師又はその指導の下で行うこと。
    2. 8.1.2 投与期間は、感染部位、重症度、患者の症状等を考慮し、適切な時期に、本剤の継続投与が必要か否か判定し、疾病の治療上必要な最低限の期間の投与にとどめること。
  2. 8.2 本剤によるショック、アナフィラキシーの発生を確実に予知できる方法がないので、次の措置をとること。[11.1.1 参照]
    1. 8.2.1 事前に既往歴等について十分な問診を行うこと。なお、抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認すること。
    2. 8.2.2 投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。
    3. 8.2.3 投与開始から投与終了後まで、患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行うこと。特に、投与開始直後は注意深く観察すること。
  3. 8.3 投与期間中は血中濃度をモニタリングすることが望ましい。[9.1.2 参照],[9.2 参照],[9.7 参照],[9.8 参照],[10.2 参照],[16.8.1 参照]
  4. 8.4 重篤な腎障害があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと。[11.1.2 参照]
  5. 8.5 第8脳神経障害があらわれることがあるので、聴力検査等観察を十分に行うこと。[11.1.6 参照]
  6. 8.6 肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと。[11.1.8 参照]

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 テイコプラニン、ペプチド系抗生物質又はアミノグリコシド系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者(ただし、バンコマイシンに対し過敏症のある患者には投与しないこと)

    治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。

  2. 9.1.2 ペプチド系抗生物質、アミノグリコシド系抗生物質、テイコプラニンによる難聴又はその他の難聴のある患者

    治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。難聴が発現又は増悪するおそれがある。[8.3 参照],[16.8.1 参照]

9.2 腎機能障害患者

腎機能障害の程度に応じた投与量・投与間隔の調節が必要となる。血中濃度をモニタリングするなど慎重に投与すること。排泄が遅延し、蓄積する。[7.2 参照],[8.3 参照],[16.6.1 参照],[16.8.1 参照]

9.3 肝機能障害患者

肝障害が悪化することがある。

9.5 妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

9.6 授乳婦

授乳しないことが望ましい。ヒト母乳中に移行する。

9.7 小児等

血中濃度をモニタリングするなど慎重に投与すること。腎の発達段階にあるため、特に低出生体重児、新生児においては血中濃度の半減期が延長し高い血中濃度が長時間持続するおそれがある。[8.3 参照],[16.6.2 参照],[16.6.3 参照],[16.8.1 参照]

9.8 高齢者

投与前及び投与中に腎機能検査を行い、腎機能低下の程度により投与量・投与間隔を調節し、血中濃度をモニタリングするなど慎重に投与すること。高齢者では腎機能が低下している場合が多い。[8.3 参照],[16.6.4 参照],[16.8.1 参照]

10. 相互作用

    10.2 併用注意(併用に注意すること)

    薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
    • 全身麻酔薬
      • チオペンタール等

    同時に投与すると、紅斑、ヒスタミン様潮紅、アナフィラキシー反応等の副作用が発現することがある。
    全身麻酔の開始1時間前には本剤の点滴静注を終了すること。

    全身麻酔薬には、アナフィラキシー作用、ヒスタミン遊離作用を有するものがあり、本剤にもヒスタミン遊離作用がある。しかし、相互作用の機序は不明である。

    • 腎毒性及び聴器毒性を有する薬剤
      • アミノグリコシド系抗生物質
        • アルベカシン硫酸塩
        • トブラマイシン等
      • 白金含有抗悪性腫瘍剤
        • シスプラチン
        • ネダプラチン等
    •                       [8.3 参照],[16.8.1 参照]

    腎障害、聴覚障害が発現、悪化するおそれがあるので、併用は避けること。やむを得ず併用する場合は、慎重に投与すること。

    機序:両剤共に腎毒性、聴器毒性を有するが、相互作用の機序は不明である。
    危険因子:腎障害のある患者、高齢者、長期投与の患者等

    腎障害が発現、悪化するおそれがあるので、併用は避けること。やむを得ず併用する場合は、慎重に投与すること。

    機序:両剤共に腎毒性を有するが、相互作用の機序は不明である。
    危険因子:腎障害のある患者、高齢者、長期投与の患者等

    11. 副作用

    次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    11.1 重大な副作用

    1. 11.1.1 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)

      ショック、アナフィラキシー(呼吸困難、全身潮紅、浮腫等)を起こすことがある。[8.2 参照]

    2. 11.1.2 急性腎障害、間質性腎炎(いずれも頻度不明)

      急性腎障害、間質性腎炎等の重篤な腎障害があらわれることがある。[8.4 参照]

    3. 11.1.3 汎血球減少、無顆粒球症、血小板減少(いずれも頻度不明)
    4. 11.1.4 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、剥脱性皮膚炎(いずれも頻度不明)
    5. 11.1.5 薬剤性過敏症症候群(頻度不明)

      初期症状として発疹、発熱がみられ、更に肝機能障害、リンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがある。なお、ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)等のウイルスの再活性化を伴うことが多く、投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること2)

    6. 11.1.6 第8脳神経障害(頻度不明)

      眩暈、耳鳴、聴力低下、難聴等の第8脳神経障害があらわれることがある。[5.3 参照],[8.5 参照]

    7. 11.1.7 偽膜性大腸炎(頻度不明)

      偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎があらわれることがあるので、腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には、直ちに投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    8. 11.1.8 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)

      AST、ALT、Al-P等の上昇、黄疸があらわれることがある。[8.6 参照]

    11.2 その他の副作用

    2%以上

    2%未満

    頻度不明

    過敏症

    発疹

    発赤、顔面潮紅

    そう痒、蕁麻疹、線状IgA水疱症

    肝臓

    AST上昇、ALT上昇、ビリルビン上昇

    Al-P上昇、LDH上昇

    γ-GTP上昇、LAP上昇

    腎臓

    BUN上昇

    クレアチニン上昇

    血液

    白血球減少、血小板減少、好酸球増多

    貧血

    消化器

    下痢

    嘔気、嘔吐、腹痛

    その他

    発熱、静脈炎、血管痛

    皮膚血管炎、悪寒、注射部疼痛

    13. 過量投与

    1. 13.1 処置

      HPM(high performance membrane)を用いた血液透析により血中濃度を下げることが有効であるとの報告がある3) ,4)

    14. 適用上の注意

    14.1 薬剤調製時の注意

    1. 14.1.1 本剤0.5g(力価)バイアルに注射用水10mLを加えて溶解し、更に0.5g(力価)に対し100mL以上の割合で日局生理食塩液又は日局5%ブドウ糖注射液等の輸液に加えて希釈すること。
    2. 14.1.2 調製後は速やかに使用すること。なお、やむを得ず保存を必要とする場合でも、室温、冷蔵庫保存共に24時間以内に使用すること。

    14.2 薬剤投与時の注意

    1. 14.2.1 血栓性静脈炎が起こることがあるので、薬液の濃度及び点滴速度に十分注意し、繰り返し投与する場合は、点滴部位を変更すること。
    2. 14.2.2 薬液が血管外に漏れると壊死が起こるおそれがあるので、薬液が血管外に漏れないように慎重に投与すること。
    3. 14.2.3 筋肉内注射は痛みを伴うので行わないこと。

    15. その他の注意

    15.1 臨床使用に基づく情報

    外国で急速静注により心停止を起こしたとの報告がある。

    1. 警告

    本剤の耐性菌の発現を防ぐため、「5. 効能・効果に関連する注意」、「8. 重要な基本的注意」の項を熟読の上、適正使用に努めること。

    2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

    本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

    3. 組成・性状

    3.1 組成

    バンコマイシン塩酸塩点滴静注用0.5g「サワイ」

    1バイアル中
    有効成分 日局バンコマイシン塩酸塩   0.5g(力価)

    3.2 製剤の性状

    バンコマイシン塩酸塩点滴静注用0.5g「サワイ」

    pH 2.5~4.5(1バイアル/10mL水溶液)
    浸透圧比 約1(1バイアル/100mL生理食塩液)(生理食塩液に対する比)
    剤形・性状 白色の塊又は粉末、凍結乾燥品
    用時溶解して用いる注射剤

    4. 効能又は効果

    • 〈適応菌種〉
      • バンコマイシンに感性のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)
      • 〈適応症〉

        敗血症、感染性心内膜炎、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、骨髄炎、関節炎、肺炎、肺膿瘍、膿胸、腹膜炎、化膿性髄膜炎

    • 〈適応菌種〉
      • バンコマイシンに感性のメチシリン耐性コアグラーゼ陰性ブドウ球菌(MRCNS)
      • 〈適応症〉

        敗血症、感染性心内膜炎、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、骨髄炎、関節炎、腹膜炎、化膿性髄膜炎

    • 〈適応菌種〉
      • バンコマイシンに感性のペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP)
      • 〈適応症〉

        敗血症、肺炎、化膿性髄膜炎

    • MRSA又はMRCNS感染が疑われる発熱性好中球減少症

    5. 効能又は効果に関連する注意

    • 〈効能共通〉
      1. 5.1 本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現を防ぐため、原則として他の抗菌薬及び本剤に対する感受性を確認すること。
      1. 5.2 本剤はメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)感染症、メチシリン耐性コアグラーゼ陰性ブドウ球菌(MRCNS)感染症、ペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP)感染症に対してのみ有用性が認められている。ただし、ブドウ球菌性腸炎に対しては非経口的に投与しても有用性は認められない。
    • 〈化膿性髄膜炎〉
      1. 5.3 後遺症として聴覚障害が発現するおそれがあるので、特に小児等、適応患者の選択に十分注意し、慎重に投与すること。[11.1.6 参照]
    • 〈PRSP肺炎〉
      1. 5.4 アレルギー、薬剤感受性など他剤による効果が期待できない場合にのみ使用すること。
    • 〈MRSA又はMRCNS感染が疑われる発熱性好中球減少症〉
      1. 5.5 本剤は、以下の2条件を満たし、かつMRSA又はMRCNSが原因菌であると疑われる症例に投与すること。
        1. 5.5.1 1回の検温で38℃以上の発熱、又は1時間以上持続する37.5℃以上の発熱
        2. 5.5.2 好中球数が500/mm3未満の場合、又は1000/mm3未満で500/mm3未満に減少することが予測される場合
      1. 5.6 国内外のガイドラインを参照し、本疾患の治療に十分な経験を持つ医師のもとで、本剤の使用が適切と判断される症例についてのみ実施すること。
      1. 5.7 本剤投与前に血液培養を実施すること。MRSA又はMRCNS感染の可能性が否定された場合には本剤の投与中止や他剤への変更を考慮すること。腫瘍熱・薬剤熱等の非感染性の発熱であることが確認された場合には、速やかに本剤の投与を中止すること。
      1. 5.8 本剤投与の開始時期の指標である好中球数が緊急時等で確認できない場合には、白血球数の半数を好中球数として推定すること。

    6. 用法及び用量

    通常、成人にはバンコマイシン塩酸塩として1日2g(力価)を1回0.5g(力価)6時間ごと又は1回1g(力価)12時間ごとに分割して、それぞれ60分以上かけて点滴静注する。
    なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。
    高齢者には、1回0.5g(力価)12時間ごと又は1回1g(力価)24時間ごとに、それぞれ60分以上かけて点滴静注する。
    なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。
    小児、乳児には、1日40mg(力価)/kgを2~4回に分割して、それぞれ60分以上かけて点滴静注する。
    新生児には、1回投与量を10~15mg(力価)/kgとし、生後1週までの新生児に対しては12時間ごと、生後1ヵ月までの新生児に対しては8時間ごとに、それぞれ60分以上かけて点滴静注する。

    7. 用法及び用量に関連する注意

    • 〈効能共通〉
      1. 7.1 急速なワンショット静注又は短時間での点滴静注を行うとヒスタミンが遊離されてred neck(red man)症候群(顔、頸、躯幹の紅斑性充血、そう痒等)、血圧低下等の副作用が発現することがあるので、60分以上かけて点滴静注すること。
      1. 7.2 腎機能障害患者では健康者より血中濃度の半減期が延長するので、投与量を修正して使用する必要がある。クレアチニンクリアランスから投与量を修正する目安は下図により算出できる1) (外国人データ)。[9.2 参照],[16.6.1 参照]
    • 〈MRSA又はMRCNS感染が疑われる発熱性好中球減少症〉
      1. 7.3 好中球数、発熱の回復が認められた場合には、本剤の投与中止を考慮すること。

    8. 重要な基本的注意

    1. 8.1 本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現を防ぐため、次のことに注意すること。
      1. 8.1.1 感染症の治療に十分な知識と経験を持つ医師又はその指導の下で行うこと。
      2. 8.1.2 投与期間は、感染部位、重症度、患者の症状等を考慮し、適切な時期に、本剤の継続投与が必要か否か判定し、疾病の治療上必要な最低限の期間の投与にとどめること。
    2. 8.2 本剤によるショック、アナフィラキシーの発生を確実に予知できる方法がないので、次の措置をとること。[11.1.1 参照]
      1. 8.2.1 事前に既往歴等について十分な問診を行うこと。なお、抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認すること。
      2. 8.2.2 投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。
      3. 8.2.3 投与開始から投与終了後まで、患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行うこと。特に、投与開始直後は注意深く観察すること。
    3. 8.3 投与期間中は血中濃度をモニタリングすることが望ましい。[9.1.2 参照],[9.2 参照],[9.7 参照],[9.8 参照],[10.2 参照],[16.8.1 参照]
    4. 8.4 重篤な腎障害があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと。[11.1.2 参照]
    5. 8.5 第8脳神経障害があらわれることがあるので、聴力検査等観察を十分に行うこと。[11.1.6 参照]
    6. 8.6 肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと。[11.1.8 参照]

    9. 特定の背景を有する患者に関する注意

    9.1 合併症・既往歴等のある患者

    1. 9.1.1 テイコプラニン、ペプチド系抗生物質又はアミノグリコシド系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者(ただし、バンコマイシンに対し過敏症のある患者には投与しないこと)

      治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。

    2. 9.1.2 ペプチド系抗生物質、アミノグリコシド系抗生物質、テイコプラニンによる難聴又はその他の難聴のある患者

      治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。難聴が発現又は増悪するおそれがある。[8.3 参照],[16.8.1 参照]

    9.2 腎機能障害患者

    腎機能障害の程度に応じた投与量・投与間隔の調節が必要となる。血中濃度をモニタリングするなど慎重に投与すること。排泄が遅延し、蓄積する。[7.2 参照],[8.3 参照],[16.6.1 参照],[16.8.1 参照]

    9.3 肝機能障害患者

    肝障害が悪化することがある。

    9.5 妊婦

    妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

    9.6 授乳婦

    授乳しないことが望ましい。ヒト母乳中に移行する。

    9.7 小児等

    血中濃度をモニタリングするなど慎重に投与すること。腎の発達段階にあるため、特に低出生体重児、新生児においては血中濃度の半減期が延長し高い血中濃度が長時間持続するおそれがある。[8.3 参照],[16.6.2 参照],[16.6.3 参照],[16.8.1 参照]

    9.8 高齢者

    投与前及び投与中に腎機能検査を行い、腎機能低下の程度により投与量・投与間隔を調節し、血中濃度をモニタリングするなど慎重に投与すること。高齢者では腎機能が低下している場合が多い。[8.3 参照],[16.6.4 参照],[16.8.1 参照]

    10. 相互作用

      10.2 併用注意(併用に注意すること)

      薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
      • 全身麻酔薬
        • チオペンタール等

      同時に投与すると、紅斑、ヒスタミン様潮紅、アナフィラキシー反応等の副作用が発現することがある。
      全身麻酔の開始1時間前には本剤の点滴静注を終了すること。

      全身麻酔薬には、アナフィラキシー作用、ヒスタミン遊離作用を有するものがあり、本剤にもヒスタミン遊離作用がある。しかし、相互作用の機序は不明である。

      • 腎毒性及び聴器毒性を有する薬剤
        • アミノグリコシド系抗生物質
          • アルベカシン硫酸塩
          • トブラマイシン等
        • 白金含有抗悪性腫瘍剤
          • シスプラチン
          • ネダプラチン等
      •                       [8.3 参照],[16.8.1 参照]

      腎障害、聴覚障害が発現、悪化するおそれがあるので、併用は避けること。やむを得ず併用する場合は、慎重に投与すること。

      機序:両剤共に腎毒性、聴器毒性を有するが、相互作用の機序は不明である。
      危険因子:腎障害のある患者、高齢者、長期投与の患者等

      腎障害が発現、悪化するおそれがあるので、併用は避けること。やむを得ず併用する場合は、慎重に投与すること。

      機序:両剤共に腎毒性を有するが、相互作用の機序は不明である。
      危険因子:腎障害のある患者、高齢者、長期投与の患者等

      11. 副作用

      次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

      11.1 重大な副作用

      1. 11.1.1 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)

        ショック、アナフィラキシー(呼吸困難、全身潮紅、浮腫等)を起こすことがある。[8.2 参照]

      2. 11.1.2 急性腎障害、間質性腎炎(いずれも頻度不明)

        急性腎障害、間質性腎炎等の重篤な腎障害があらわれることがある。[8.4 参照]

      3. 11.1.3 汎血球減少、無顆粒球症、血小板減少(いずれも頻度不明)
      4. 11.1.4 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、剥脱性皮膚炎(いずれも頻度不明)
      5. 11.1.5 薬剤性過敏症症候群(頻度不明)

        初期症状として発疹、発熱がみられ、更に肝機能障害、リンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがある。なお、ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)等のウイルスの再活性化を伴うことが多く、投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること2)

      6. 11.1.6 第8脳神経障害(頻度不明)

        眩暈、耳鳴、聴力低下、難聴等の第8脳神経障害があらわれることがある。[5.3 参照],[8.5 参照]

      7. 11.1.7 偽膜性大腸炎(頻度不明)

        偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎があらわれることがあるので、腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には、直ちに投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

      8. 11.1.8 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)

        AST、ALT、Al-P等の上昇、黄疸があらわれることがある。[8.6 参照]

      11.2 その他の副作用

      2%以上

      2%未満

      頻度不明

      過敏症

      発疹

      発赤、顔面潮紅

      そう痒、蕁麻疹、線状IgA水疱症

      肝臓

      AST上昇、ALT上昇、ビリルビン上昇

      Al-P上昇、LDH上昇

      γ-GTP上昇、LAP上昇

      腎臓

      BUN上昇

      クレアチニン上昇

      血液

      白血球減少、血小板減少、好酸球増多

      貧血

      消化器

      下痢

      嘔気、嘔吐、腹痛

      その他

      発熱、静脈炎、血管痛

      皮膚血管炎、悪寒、注射部疼痛

      13. 過量投与

      1. 13.1 処置

        HPM(high performance membrane)を用いた血液透析により血中濃度を下げることが有効であるとの報告がある3) ,4)

      14. 適用上の注意

      14.1 薬剤調製時の注意

      1. 14.1.1 本剤0.5g(力価)バイアルに注射用水10mLを加えて溶解し、更に0.5g(力価)に対し100mL以上の割合で日局生理食塩液又は日局5%ブドウ糖注射液等の輸液に加えて希釈すること。
      2. 14.1.2 調製後は速やかに使用すること。なお、やむを得ず保存を必要とする場合でも、室温、冷蔵庫保存共に24時間以内に使用すること。

      14.2 薬剤投与時の注意

      1. 14.2.1 血栓性静脈炎が起こることがあるので、薬液の濃度及び点滴速度に十分注意し、繰り返し投与する場合は、点滴部位を変更すること。
      2. 14.2.2 薬液が血管外に漏れると壊死が起こるおそれがあるので、薬液が血管外に漏れないように慎重に投与すること。
      3. 14.2.3 筋肉内注射は痛みを伴うので行わないこと。

      15. その他の注意

      15.1 臨床使用に基づく情報

      外国で急速静注により心停止を起こしたとの報告がある。

      その他詳細情報

      日本標準商品分類番号
      876113
      ブランドコード
      6113400A1090
      承認番号
      21900AMX00568000
      販売開始年月
      2007-07
      貯法
      室温保存
      有効期間
      2年
      規制区分
      12

      重要な注意事項

      • この情報は医療専門家による診断や治療の代替にはなりません。副作用に関する懸念がある場合は、必ず医師または薬剤師に相談してください。
      • 副作用の発生頻度や重篤度は個人差があります。ここで提供される情報は一般的なものであり、すべての患者さんに当てはまるわけではありません。
      • 薬剤の使用に関しては、必ず医療専門家の指示に従い、自己判断での変更や中止を避けてください。
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