薬効分類名抗悪性腫瘍剤 ヒト型抗VEGFR-2注2)モノクローナル抗体
注2)VEGFR-2 : Vascular Endothelial Growth Factor Receptor-2(血管内皮増殖因子受容体2)
一般的名称ラムシルマブ(遺伝子組換え)注射液
サイラムザ点滴静注液100mg、サイラムザ点滴静注液500mg
Cyramza, Cyramza
製造販売元/日本イーライリリー株式会社
重大な副作用
その他の副作用
併用注意
1. 警告
- 1.1 本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
- 1.2 心筋梗塞、脳血管障害等の重篤な動脈血栓塞栓症があらわれ、死亡に至る例が報告されている。観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。重度の動脈血栓塞栓症があらわれた患者には、本剤を再投与しないこと。[9.1.1 参照],[11.1.1 参照]
- 1.3 重度の消化管出血があらわれ、死亡に至る例が報告されている。観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。重度の出血があらわれた患者には、本剤を再投与しないこと。[9.1.5 参照],[11.1.4 参照]
- 1.4 消化管穿孔があらわれ、死亡に至る例が報告されている。観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。消化管穿孔があらわれた患者には、本剤を再投与しないこと。[9.1.3 参照],[11.1.3 参照]
2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)
- 2.1 本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者
- 2.2 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5 参照]
5. 効能又は効果に関連する注意
- 5.1 本剤の術後補助療法における有効性及び安全性は確立していない。
- 5.2 本剤の一次化学療法における有効性及び安全性は確立していない。
- 5.3 原発部位等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。[17.1.1 参照]
- 5.4 本剤の術後補助療法における有効性及び安全性は確立していない。
- 5.5 本剤の一次化学療法における有効性及び安全性は確立していない。
- 5.6 「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。[17.1.3 参照]
- 5.7 本剤の術後補助療法における有効性及び安全性は確立していない。
- 5.8 EGFR遺伝子変異陰性の患者に対する本剤の一次化学療法における有効性及び安全性は確立していない。
- 5.9 「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。[17.1.4 参照],[17.1.5 参照],[17.1.6 参照]
- 5.10 本剤の一次化学療法における有効性及び安全性は確立していない。
- 5.11 局所療法(経皮的エタノール注入療法、ラジオ波焼灼療法、マイクロ波凝固療法、肝動脈塞栓療法/肝動脈化学塞栓療法、放射線療法等)の適応となる肝細胞癌患者に対する本剤の有効性及び安全性は確立していない。
- 5.12 本剤の使用にあたっては、初回投与時の血清AFP値に基づき、適応患者の選択を行うこと。
-
5.13 臨床試験に組み入れられた患者の前治療歴、肝機能障害の程度等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。[17.1.7 参照]
AFP:α-フェトプロテイン
6. 用法及び用量
-
〈治癒切除不能な進行・再発の胃癌、がん化学療法後に増悪した血清AFP値が400ng/mL以上の切除不能な肝細胞癌〉
通常、成人には2週間に1回、ラムシルマブ(遺伝子組換え)として1回8mg/kg(体重)をおよそ60分かけて点滴静注する。初回投与の忍容性が良好であれば、2回目以降の投与時間は30分間まで短縮できる。なお、患者の状態により適宜減量する。
-
〈治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌〉
イリノテカン塩酸塩水和物、レボホリナート及びフルオロウラシルとの併用において、通常、成人には2週間に1回、ラムシルマブ(遺伝子組換え)として1回8mg/kg(体重)をおよそ60分かけて点滴静注する。初回投与の忍容性が良好であれば、2回目以降の投与時間は30分間まで短縮できる。なお、患者の状態により適宜減量する。
-
〈切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌〉
化学療法既治療の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌患者の場合、ドセタキセルとの併用において、通常、成人には3週間に1回、ラムシルマブ(遺伝子組換え)として1回10mg/kg(体重)をおよそ60分かけて点滴静注する。初回投与の忍容性が良好であれば、2回目以降の投与時間は30分間まで短縮できる。なお、患者の状態により適宜減量する。
EGFR遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌患者の場合、エルロチニブ塩酸塩又はゲフィチニブとの併用において、通常、成人には2週間に1回、ラムシルマブ(遺伝子組換え)として1回10mg/kg(体重)をおよそ60分かけて点滴静注する。初回投与の忍容性が良好であれば、2回目以降の投与時間は30分間まで短縮できる。なお、患者の状態により適宜減量する。
7. 用法及び用量に関連する注意
- 7.1 本剤投与時にあらわれるinfusion reactionを軽減させるため、本剤の投与前に抗ヒスタミン剤(ジフェンヒドラミン等)の前投与を考慮すること。グレード 注1) 1又は2のinfusion reactionがあらわれた場合には、次回投与から必ず抗ヒスタミン剤を前投与し、その後もグレード 注1) 1又は2のinfusion reactionがあらわれる場合には、抗ヒスタミン剤に加え、解熱鎮痛剤(アセトアミノフェン等)及び副腎皮質ホルモン剤(デキサメタゾン等)を前投与すること。[8.1 参照],[11.1.2 参照]
- 7.2 グレード 注1) 3又は4のinfusion reactionがあらわれた場合には、本剤の投与を直ちに中止し、再投与しないこと。グレード 注1) 1又は2のinfusion reactionがあらわれた場合には、投与速度を50%減速し、その後の全ての投与においても減速した投与速度で投与すること。[8.1 参照],[11.1.2 参照]
-
7.3 高血圧又は蛋白尿があらわれた場合には、以下の基準を参考に本剤を休薬、減量又は投与を中止すること。[8.2 参照],[8.3 参照],[9.1.2 参照],[11.1.10 参照]
副作用
処置
高血圧
降圧剤による治療を行い、血圧がコントロールできるようになるまで休薬する。
降圧剤による治療を行ってもコントロールできない場合には、投与を中止する。
蛋白尿
1日尿蛋白量2g以上 注2)
初回発現時:1日尿蛋白量2g未満 注2) に低下するまで休薬し、再開する場合には以下のように減量する。
・本剤初回投与量が8mg/kgの場合は、6mg/kgに減量する。
・本剤初回投与量が10mg/kgの場合は、8mg/kgに減量する。
蛋白尿
1日尿蛋白量2g以上 注2)
2回目以降の発現時:1日尿蛋白量2g未満 注2) に低下するまで休薬し、再開する場合には以下のように減量する。
・本剤初回投与量が8mg/kgの場合は、5mg/kgに減量する。
・本剤初回投与量が10mg/kgの場合は、6mg/kgに減量する。
1日尿蛋白量3g以上 注2) 、又はネフローゼ症候群を発現
投与を中止する。
- 7.5 本剤と併用する抗悪性腫瘍剤は、「17.臨床成績」の項の内容を熟知した上で、選択すること。[17.1.3 参照]
- 7.6 本剤と併用する抗悪性腫瘍剤は、「17.臨床成績」の項の内容を熟知した上で、選択すること。なお、ゲフィチニブと併用する場合は、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、併用の必要性について慎重に判断すること。[17.1.4 参照],[17.1.5 参照],[17.1.6 参照]
8. 重要な基本的注意
- 8.1 本剤の投与は、重度のinfusion reactionに備えて緊急時に十分な対応のできる準備を行った上で開始すること。[7.1 参照],[7.2 参照],[11.1.2 参照]
- 8.2 高血圧があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与期間中は定期的に血圧を測定すること。[7.3 参照],[9.1.2 参照]
- 8.3 ネフローゼ症候群、蛋白尿があらわれることがあるので、本剤投与期間中は尿蛋白を定期的に検査すること。[7.3 参照],[11.1.10 参照]
- 8.4 好中球減少症、白血球減少症、発熱性好中球減少症があらわれることがあるので、定期的に血液検査を行うなど観察を十分に行うこと。[8.6 参照],[11.1.5 参照]
- 8.5 本剤は、創傷治癒に影響を及ぼす可能性がある。[9.1.7 参照],[11.1.7 参照]
- 8.6 本剤とドセタキセルを併用投与した非小細胞肺癌患者において、発熱性好中球減少症の発現頻度が高かった。非小細胞肺癌患者に本剤を投与する際には、予防投与(一次予防)を含めたG-CSF製剤の適切な使用を、最新のガイドライン等を参考に考慮すること。[8.4 参照],[11.1.5 参照]
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
-
9.1.1 血栓塞栓症又はその既往歴のある患者
心筋梗塞、脳血管障害、肺塞栓症等があらわれるおそれがある。[1.2 参照],[11.1.1 参照]
- 9.1.2 高血圧症の患者
-
9.1.3 消化管等の腹腔内の炎症を合併している患者
消化管穿孔があらわれるおそれがある。[1.4 参照],[11.1.3 参照]
-
9.1.4 出血素因や凝固系異常のある患者
出血があらわれるおそれがある。[10.2 参照],[11.1.4 参照]
-
9.1.5 消化管出血等の出血が認められている患者
出血が増強されるおそれがある。[1.3 参照],[11.1.4 参照]
-
9.1.6 胸部における腫瘍の主要血管への浸潤や腫瘍内空洞化を認める患者、喀血の既往歴のある患者
肺出血があらわれるおそれがある。[11.1.4 参照]
-
9.1.7 大きな手術の術創が治癒していない患者
創傷治癒障害による合併症があらわれるおそれがある。[8.5 参照],[11.1.7 参照]
9.3 肝機能障害患者
9.4 生殖能を有する者
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒトIgGはヒト乳汁中に移行する。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。一般に高齢者では生理機能が低下していることが多い。
10. 相互作用
11. 副作用
11.1 重大な副作用
-
11.1.1 動脈血栓塞栓症(1.4%
注3)
、0.8%
注4)
)、静脈血栓塞栓症(0.9%
注3)
、3.0%
注4)
)
心筋梗塞(0.2% 注3) 、0.1% 注4) )、脳血管障害(0.7% 注3) 、0.3% 注4) )等の動脈血栓塞栓症、肺塞栓症(0.2% 注3) 、1.2% 注4) )等の静脈血栓塞栓症があらわれることがあり、死亡に至る例が報告されている。重度の動脈血栓塞栓症があらわれた患者には、本剤を再投与しないこと。[1.2 参照],[9.1.1 参照]
-
11.1.2 Infusion reaction(3.0%
注3)
、3.5%
注4)
)
アナフィラキシー、悪寒、潮紅、低血圧、呼吸困難、気管支痙攣等のinfusion reactionがあらわれることがあり、2回目以降の本剤投与時にもあらわれることがある。[7.1 参照],[7.2 参照],[8.1 参照]
-
11.1.3 消化管穿孔(0.7%
注3)
、0.7%
注4)
)
死亡に至る例が報告されている。消化管穿孔があらわれた患者には、本剤を再投与しないこと。[1.4 参照],[9.1.3 参照]
-
11.1.4 出血(9.5%
注3)
、31.1%
注4)
)
消化管出血(1.8% 注3) 、4.8% 注4) )、肺出血(0.5% 注3) 、2.1% 注4) )等の出血があらわれることがあり、死亡に至る例が報告されている。重度の出血が認められた場合には、本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、本剤を再投与しないこと。[1.3 参照],[9.1.4 参照],[9.1.5 参照],[9.1.6 参照]
- 11.1.5 好中球減少症(3.9% 注3) 、49.7% 注4) )、白血球減少症(1.4% 注3) 、21.6% 注4) )、発熱性好中球減少症(0.2% 注3) 、8.4% 注4) )
- 11.1.6 うっ血性心不全(0.2% 注3) 、1.0% 注4) )
-
11.1.7 創傷治癒障害(頻度不明
注3)
、0.3%
注4)
)
創傷治癒に影響を及ぼす可能性があり、創傷治癒障害による合併症があらわれることがある。創傷治癒障害による合併症があらわれた場合には、創傷が治癒するまで本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。[8.5 参照],[9.1.7 参照]
- 11.1.8 瘻孔(0.2% 注3) 、0.3% 注4) )
-
11.1.9 可逆性後白質脳症症候群(頻度不明
注3)
、0.1%
注4)
)
痙攣、頭痛、錯乱、視覚障害等が認められた場合には、本剤の投与を中止し、血圧のコントロール、抗痙攣薬の投与等の適切な処置を行うこと。
- 11.1.10 ネフローゼ症候群(0.2% 注3) 、0.2% 注4) )、蛋白尿(6.9% 注3) 、14.8% 注4) )
- 11.1.11 間質性肺疾患(頻度不明 注3) 、1.2% 注4) )
- 11.1.12 肝不全(0.2% 注3) 、0.1% 注4) )、肝障害(4.4% 注3) 、15.1% 注4) )
-
11.1.13 感染症(2.5%
注3)
、24.1%
注4)
)
肺炎(0.5% 注3) 、1.4% 注4) )、尿路感染(0.2% 注3) 、1.2% 注4) )、敗血症(頻度不明 注3) 、0.3% 注4) )等の感染症があらわれることがある。
-
11.1.14 血栓性微小血管症(頻度不明
注3)
、0.1%
注4)
)
破砕赤血球を伴う貧血、血小板減少、腎機能障害等が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
-
11.1.15 動脈解離(頻度不明
注3)
、頻度不明
注4)
)
大動脈解離を含む動脈解離があらわれることがある2) 。
11.2 その他の副作用
- 11.2.1 単独投与時 注3)
5~15%未満 |
5%未満 |
頻度不明 |
|
|---|---|---|---|
血液 |
血小板減少症 |
||
消化器 |
下痢 |
腹痛 |
腸閉塞 |
循環器 |
高血圧 |
||
呼吸器 |
発声障害 |
||
内分泌 |
甲状腺機能低下症 |
||
代謝 |
低ナトリウム血症、低アルブミン血症、低カリウム血症 |
||
皮膚 |
発疹、皮膚乾燥 |
||
その他 |
頭痛 |
末梢性浮腫、粘膜の炎症、血管腫 |
- 11.2.2 併用投与時 注4)
20%以上 |
5~20%未満 |
5%未満 |
|
|---|---|---|---|
血液 |
貧血、血小板減少症 |
||
消化器 |
下痢、口内炎、食欲減退 |
腹痛 |
|
循環器 |
高血圧 |
心電図QT延長 |
|
呼吸器 |
呼吸困難、咳嗽、上気道感染、咽頭炎、発声障害 |
||
内分泌 |
甲状腺機能低下症 |
||
代謝 |
低アルブミン血症、低ナトリウム血症、低リン酸血症 |
||
腎臓 |
血中クレアチニン増加 |
||
皮膚 |
脱毛症 |
発疹、皮膚乾燥、手掌・足底発赤知覚不全症候群、ざ瘡様皮膚炎 |
潮紅 |
その他 |
疲労/無力症 |
末梢性浮腫、頭痛、発熱、体重減少、粘膜の炎症、流涙増加 |
関節痛、眼瞼浮腫、顔面浮腫、血管腫 |
14. 適用上の注意
14.1 薬剤調製時の注意
- 14.1.1 本剤は、無菌的に希釈調製を行うこと。
- 14.1.2 本剤のバイアルは1回使い切りである。バイアル中の未使用残液は適切に廃棄すること。
- 14.1.3 調製前に不溶性異物や変色がないことを目視により確認すること。不溶性異物又は変色が認められる場合は使用しないこと。
- 14.1.4 本剤の調製には日局生理食塩液のみを使用すること。ブドウ糖溶液との配合を避けること。
- 14.1.5 本剤の必要量を計算し、必要量を注射筒で抜き取り、点滴静注用容器にて日局生理食塩液と混和して全量250mLとして用いる。輸液は十分に混和すること。
- 14.1.6 本剤及び調製した注射液を凍結又は振とうさせないこと。
- 14.1.7 調製後は、速やかに使用すること。なお、やむを得ず保存を必要とする場合、冷蔵保存(2~8℃)では24時間以内、室温保存(30℃以下)では12時間以内に投与を開始すること。
15. その他の注意
15.1 臨床使用に基づく情報
国内外の臨床試験において、本剤投与による中和抗体の発現頻度は0.5%(14/2890例)であった。有害事象発現との関係は不明である。
15.2 非臨床試験に基づく情報
若齢カニクイザルでは、本剤の反復投与(5~50mg/kg、週1回投与)により、骨端成長板において肥厚及び骨端軟骨異形成、並びに糸球体腎炎が認められた。当該試験において、骨及び腎毒性所見の回復性は検討されておらず、当該所見の回復性は不明である3) 。
1. 警告
- 1.1 本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
- 1.2 心筋梗塞、脳血管障害等の重篤な動脈血栓塞栓症があらわれ、死亡に至る例が報告されている。観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。重度の動脈血栓塞栓症があらわれた患者には、本剤を再投与しないこと。[9.1.1 参照],[11.1.1 参照]
- 1.3 重度の消化管出血があらわれ、死亡に至る例が報告されている。観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。重度の出血があらわれた患者には、本剤を再投与しないこと。[9.1.5 参照],[11.1.4 参照]
- 1.4 消化管穿孔があらわれ、死亡に至る例が報告されている。観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。消化管穿孔があらわれた患者には、本剤を再投与しないこと。[9.1.3 参照],[11.1.3 参照]
2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)
- 2.1 本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者
- 2.2 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5 参照]
5. 効能又は効果に関連する注意
- 5.1 本剤の術後補助療法における有効性及び安全性は確立していない。
- 5.2 本剤の一次化学療法における有効性及び安全性は確立していない。
- 5.3 原発部位等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。[17.1.1 参照]
- 5.4 本剤の術後補助療法における有効性及び安全性は確立していない。
- 5.5 本剤の一次化学療法における有効性及び安全性は確立していない。
- 5.6 「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。[17.1.3 参照]
- 5.7 本剤の術後補助療法における有効性及び安全性は確立していない。
- 5.8 EGFR遺伝子変異陰性の患者に対する本剤の一次化学療法における有効性及び安全性は確立していない。
- 5.9 「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。[17.1.4 参照],[17.1.5 参照],[17.1.6 参照]
- 5.10 本剤の一次化学療法における有効性及び安全性は確立していない。
- 5.11 局所療法(経皮的エタノール注入療法、ラジオ波焼灼療法、マイクロ波凝固療法、肝動脈塞栓療法/肝動脈化学塞栓療法、放射線療法等)の適応となる肝細胞癌患者に対する本剤の有効性及び安全性は確立していない。
- 5.12 本剤の使用にあたっては、初回投与時の血清AFP値に基づき、適応患者の選択を行うこと。
-
5.13 臨床試験に組み入れられた患者の前治療歴、肝機能障害の程度等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。[17.1.7 参照]
AFP:α-フェトプロテイン
6. 用法及び用量
-
〈治癒切除不能な進行・再発の胃癌、がん化学療法後に増悪した血清AFP値が400ng/mL以上の切除不能な肝細胞癌〉
通常、成人には2週間に1回、ラムシルマブ(遺伝子組換え)として1回8mg/kg(体重)をおよそ60分かけて点滴静注する。初回投与の忍容性が良好であれば、2回目以降の投与時間は30分間まで短縮できる。なお、患者の状態により適宜減量する。
-
〈治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌〉
イリノテカン塩酸塩水和物、レボホリナート及びフルオロウラシルとの併用において、通常、成人には2週間に1回、ラムシルマブ(遺伝子組換え)として1回8mg/kg(体重)をおよそ60分かけて点滴静注する。初回投与の忍容性が良好であれば、2回目以降の投与時間は30分間まで短縮できる。なお、患者の状態により適宜減量する。
-
〈切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌〉
化学療法既治療の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌患者の場合、ドセタキセルとの併用において、通常、成人には3週間に1回、ラムシルマブ(遺伝子組換え)として1回10mg/kg(体重)をおよそ60分かけて点滴静注する。初回投与の忍容性が良好であれば、2回目以降の投与時間は30分間まで短縮できる。なお、患者の状態により適宜減量する。
EGFR遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌患者の場合、エルロチニブ塩酸塩又はゲフィチニブとの併用において、通常、成人には2週間に1回、ラムシルマブ(遺伝子組換え)として1回10mg/kg(体重)をおよそ60分かけて点滴静注する。初回投与の忍容性が良好であれば、2回目以降の投与時間は30分間まで短縮できる。なお、患者の状態により適宜減量する。
7. 用法及び用量に関連する注意
- 7.1 本剤投与時にあらわれるinfusion reactionを軽減させるため、本剤の投与前に抗ヒスタミン剤(ジフェンヒドラミン等)の前投与を考慮すること。グレード 注1) 1又は2のinfusion reactionがあらわれた場合には、次回投与から必ず抗ヒスタミン剤を前投与し、その後もグレード 注1) 1又は2のinfusion reactionがあらわれる場合には、抗ヒスタミン剤に加え、解熱鎮痛剤(アセトアミノフェン等)及び副腎皮質ホルモン剤(デキサメタゾン等)を前投与すること。[8.1 参照],[11.1.2 参照]
- 7.2 グレード 注1) 3又は4のinfusion reactionがあらわれた場合には、本剤の投与を直ちに中止し、再投与しないこと。グレード 注1) 1又は2のinfusion reactionがあらわれた場合には、投与速度を50%減速し、その後の全ての投与においても減速した投与速度で投与すること。[8.1 参照],[11.1.2 参照]
-
7.3 高血圧又は蛋白尿があらわれた場合には、以下の基準を参考に本剤を休薬、減量又は投与を中止すること。[8.2 参照],[8.3 参照],[9.1.2 参照],[11.1.10 参照]
副作用
処置
高血圧
降圧剤による治療を行い、血圧がコントロールできるようになるまで休薬する。
降圧剤による治療を行ってもコントロールできない場合には、投与を中止する。
蛋白尿
1日尿蛋白量2g以上 注2)
初回発現時:1日尿蛋白量2g未満 注2) に低下するまで休薬し、再開する場合には以下のように減量する。
・本剤初回投与量が8mg/kgの場合は、6mg/kgに減量する。
・本剤初回投与量が10mg/kgの場合は、8mg/kgに減量する。
蛋白尿
1日尿蛋白量2g以上 注2)
2回目以降の発現時:1日尿蛋白量2g未満 注2) に低下するまで休薬し、再開する場合には以下のように減量する。
・本剤初回投与量が8mg/kgの場合は、5mg/kgに減量する。
・本剤初回投与量が10mg/kgの場合は、6mg/kgに減量する。
1日尿蛋白量3g以上 注2) 、又はネフローゼ症候群を発現
投与を中止する。
- 7.5 本剤と併用する抗悪性腫瘍剤は、「17.臨床成績」の項の内容を熟知した上で、選択すること。[17.1.3 参照]
- 7.6 本剤と併用する抗悪性腫瘍剤は、「17.臨床成績」の項の内容を熟知した上で、選択すること。なお、ゲフィチニブと併用する場合は、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、併用の必要性について慎重に判断すること。[17.1.4 参照],[17.1.5 参照],[17.1.6 参照]
8. 重要な基本的注意
- 8.1 本剤の投与は、重度のinfusion reactionに備えて緊急時に十分な対応のできる準備を行った上で開始すること。[7.1 参照],[7.2 参照],[11.1.2 参照]
- 8.2 高血圧があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与期間中は定期的に血圧を測定すること。[7.3 参照],[9.1.2 参照]
- 8.3 ネフローゼ症候群、蛋白尿があらわれることがあるので、本剤投与期間中は尿蛋白を定期的に検査すること。[7.3 参照],[11.1.10 参照]
- 8.4 好中球減少症、白血球減少症、発熱性好中球減少症があらわれることがあるので、定期的に血液検査を行うなど観察を十分に行うこと。[8.6 参照],[11.1.5 参照]
- 8.5 本剤は、創傷治癒に影響を及ぼす可能性がある。[9.1.7 参照],[11.1.7 参照]
- 8.6 本剤とドセタキセルを併用投与した非小細胞肺癌患者において、発熱性好中球減少症の発現頻度が高かった。非小細胞肺癌患者に本剤を投与する際には、予防投与(一次予防)を含めたG-CSF製剤の適切な使用を、最新のガイドライン等を参考に考慮すること。[8.4 参照],[11.1.5 参照]
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
-
9.1.1 血栓塞栓症又はその既往歴のある患者
心筋梗塞、脳血管障害、肺塞栓症等があらわれるおそれがある。[1.2 参照],[11.1.1 参照]
- 9.1.2 高血圧症の患者
-
9.1.3 消化管等の腹腔内の炎症を合併している患者
消化管穿孔があらわれるおそれがある。[1.4 参照],[11.1.3 参照]
-
9.1.4 出血素因や凝固系異常のある患者
出血があらわれるおそれがある。[10.2 参照],[11.1.4 参照]
-
9.1.5 消化管出血等の出血が認められている患者
出血が増強されるおそれがある。[1.3 参照],[11.1.4 参照]
-
9.1.6 胸部における腫瘍の主要血管への浸潤や腫瘍内空洞化を認める患者、喀血の既往歴のある患者
肺出血があらわれるおそれがある。[11.1.4 参照]
-
9.1.7 大きな手術の術創が治癒していない患者
創傷治癒障害による合併症があらわれるおそれがある。[8.5 参照],[11.1.7 参照]
9.3 肝機能障害患者
9.4 生殖能を有する者
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒトIgGはヒト乳汁中に移行する。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。一般に高齢者では生理機能が低下していることが多い。
10. 相互作用
11. 副作用
11.1 重大な副作用
-
11.1.1 動脈血栓塞栓症(1.4%
注3)
、0.8%
注4)
)、静脈血栓塞栓症(0.9%
注3)
、3.0%
注4)
)
心筋梗塞(0.2% 注3) 、0.1% 注4) )、脳血管障害(0.7% 注3) 、0.3% 注4) )等の動脈血栓塞栓症、肺塞栓症(0.2% 注3) 、1.2% 注4) )等の静脈血栓塞栓症があらわれることがあり、死亡に至る例が報告されている。重度の動脈血栓塞栓症があらわれた患者には、本剤を再投与しないこと。[1.2 参照],[9.1.1 参照]
-
11.1.2 Infusion reaction(3.0%
注3)
、3.5%
注4)
)
アナフィラキシー、悪寒、潮紅、低血圧、呼吸困難、気管支痙攣等のinfusion reactionがあらわれることがあり、2回目以降の本剤投与時にもあらわれることがある。[7.1 参照],[7.2 参照],[8.1 参照]
-
11.1.3 消化管穿孔(0.7%
注3)
、0.7%
注4)
)
死亡に至る例が報告されている。消化管穿孔があらわれた患者には、本剤を再投与しないこと。[1.4 参照],[9.1.3 参照]
-
11.1.4 出血(9.5%
注3)
、31.1%
注4)
)
消化管出血(1.8% 注3) 、4.8% 注4) )、肺出血(0.5% 注3) 、2.1% 注4) )等の出血があらわれることがあり、死亡に至る例が報告されている。重度の出血が認められた場合には、本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、本剤を再投与しないこと。[1.3 参照],[9.1.4 参照],[9.1.5 参照],[9.1.6 参照]
- 11.1.5 好中球減少症(3.9% 注3) 、49.7% 注4) )、白血球減少症(1.4% 注3) 、21.6% 注4) )、発熱性好中球減少症(0.2% 注3) 、8.4% 注4) )
- 11.1.6 うっ血性心不全(0.2% 注3) 、1.0% 注4) )
-
11.1.7 創傷治癒障害(頻度不明
注3)
、0.3%
注4)
)
創傷治癒に影響を及ぼす可能性があり、創傷治癒障害による合併症があらわれることがある。創傷治癒障害による合併症があらわれた場合には、創傷が治癒するまで本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。[8.5 参照],[9.1.7 参照]
- 11.1.8 瘻孔(0.2% 注3) 、0.3% 注4) )
-
11.1.9 可逆性後白質脳症症候群(頻度不明
注3)
、0.1%
注4)
)
痙攣、頭痛、錯乱、視覚障害等が認められた場合には、本剤の投与を中止し、血圧のコントロール、抗痙攣薬の投与等の適切な処置を行うこと。
- 11.1.10 ネフローゼ症候群(0.2% 注3) 、0.2% 注4) )、蛋白尿(6.9% 注3) 、14.8% 注4) )
- 11.1.11 間質性肺疾患(頻度不明 注3) 、1.2% 注4) )
- 11.1.12 肝不全(0.2% 注3) 、0.1% 注4) )、肝障害(4.4% 注3) 、15.1% 注4) )
-
11.1.13 感染症(2.5%
注3)
、24.1%
注4)
)
肺炎(0.5% 注3) 、1.4% 注4) )、尿路感染(0.2% 注3) 、1.2% 注4) )、敗血症(頻度不明 注3) 、0.3% 注4) )等の感染症があらわれることがある。
-
11.1.14 血栓性微小血管症(頻度不明
注3)
、0.1%
注4)
)
破砕赤血球を伴う貧血、血小板減少、腎機能障害等が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
-
11.1.15 動脈解離(頻度不明
注3)
、頻度不明
注4)
)
大動脈解離を含む動脈解離があらわれることがある2) 。
11.2 その他の副作用
- 11.2.1 単独投与時 注3)
5~15%未満 |
5%未満 |
頻度不明 |
|
|---|---|---|---|
血液 |
血小板減少症 |
||
消化器 |
下痢 |
腹痛 |
腸閉塞 |
循環器 |
高血圧 |
||
呼吸器 |
発声障害 |
||
内分泌 |
甲状腺機能低下症 |
||
代謝 |
低ナトリウム血症、低アルブミン血症、低カリウム血症 |
||
皮膚 |
発疹、皮膚乾燥 |
||
その他 |
頭痛 |
末梢性浮腫、粘膜の炎症、血管腫 |
- 11.2.2 併用投与時 注4)
20%以上 |
5~20%未満 |
5%未満 |
|
|---|---|---|---|
血液 |
貧血、血小板減少症 |
||
消化器 |
下痢、口内炎、食欲減退 |
腹痛 |
|
循環器 |
高血圧 |
心電図QT延長 |
|
呼吸器 |
呼吸困難、咳嗽、上気道感染、咽頭炎、発声障害 |
||
内分泌 |
甲状腺機能低下症 |
||
代謝 |
低アルブミン血症、低ナトリウム血症、低リン酸血症 |
||
腎臓 |
血中クレアチニン増加 |
||
皮膚 |
脱毛症 |
発疹、皮膚乾燥、手掌・足底発赤知覚不全症候群、ざ瘡様皮膚炎 |
潮紅 |
その他 |
疲労/無力症 |
末梢性浮腫、頭痛、発熱、体重減少、粘膜の炎症、流涙増加 |
関節痛、眼瞼浮腫、顔面浮腫、血管腫 |
14. 適用上の注意
14.1 薬剤調製時の注意
- 14.1.1 本剤は、無菌的に希釈調製を行うこと。
- 14.1.2 本剤のバイアルは1回使い切りである。バイアル中の未使用残液は適切に廃棄すること。
- 14.1.3 調製前に不溶性異物や変色がないことを目視により確認すること。不溶性異物又は変色が認められる場合は使用しないこと。
- 14.1.4 本剤の調製には日局生理食塩液のみを使用すること。ブドウ糖溶液との配合を避けること。
- 14.1.5 本剤の必要量を計算し、必要量を注射筒で抜き取り、点滴静注用容器にて日局生理食塩液と混和して全量250mLとして用いる。輸液は十分に混和すること。
- 14.1.6 本剤及び調製した注射液を凍結又は振とうさせないこと。
- 14.1.7 調製後は、速やかに使用すること。なお、やむを得ず保存を必要とする場合、冷蔵保存(2~8℃)では24時間以内、室温保存(30℃以下)では12時間以内に投与を開始すること。
15. その他の注意
15.1 臨床使用に基づく情報
国内外の臨床試験において、本剤投与による中和抗体の発現頻度は0.5%(14/2890例)であった。有害事象発現との関係は不明である。
15.2 非臨床試験に基づく情報
若齢カニクイザルでは、本剤の反復投与(5~50mg/kg、週1回投与)により、骨端成長板において肥厚及び骨端軟骨異形成、並びに糸球体腎炎が認められた。当該試験において、骨及び腎毒性所見の回復性は検討されておらず、当該所見の回復性は不明である3) 。