薬効分類名抗悪性腫瘍剤/チロシンキナーゼ阻害剤
一般的名称オシメルチニブメシル酸塩錠
タグリッソ錠40mg、タグリッソ錠80mg
たぐりっそじょう40mg、たぐりっそじょう80mg
Tagrisso Tablets 40mg, Tagrisso Tablets 80mg
製造販売元/アストラゼネカ株式会社
重大な副作用
その他の副作用
併用注意
本剤の効果が減弱するおそれがあるので、CYP3A誘導作用のない薬剤への代替を考慮すること。
左記薬剤のCYP3A誘導作用により、本剤の代謝が亢進し、血中濃度が低下する可能性がある。
副作用の発現が増強されるおそれがあるので、患者の状態をよく観察して、副作用の発現に十分注意すること。
本剤のP-gp阻害作用により、左記薬剤の血中濃度が増加する可能性がある。
副作用の発現が増強されるおそれがあるので、患者の状態をよく観察して、副作用の発現に十分注意すること。
本剤のBCRP阻害作用により、左記薬剤の血中濃度が増加する可能性がある。
QT間隔延長を起こすことが知られている薬剤
- キニジン、プロカインアミド、オンダンセトロン、クラリスロマイシン等
QT間隔延長を増強するおそれがある。
本剤及びこれらの薬剤はいずれもQT間隔を延長させるおそれがあるため、併用により作用が増強するおそれがある。
1. 警告
- 1.1 本剤は、緊急時に十分に対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、電子添文を参照して、適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に本剤の有効性及び危険性(特に、間質性肺疾患の初期症状、服用中の注意事項、死亡に至った症例があること等に関する情報)、非小細胞肺癌の治療法等を十分説明し、同意を得てから投与すること。
- 1.2 本剤の投与により間質性肺疾患があらわれ、死亡に至った症例が報告されているので、投与期間中にわたり、初期症状(呼吸困難、咳嗽、発熱等)の確認及び定期的な胸部画像検査の実施等、観察を十分に行うこと。異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、特に治療初期は入院又はそれに準ずる管理の下で、間質性肺疾患等の重篤な副作用発現に関する観察を十分に行うこと。[8.1 参照],[9.1.1 参照],[11.1.1 参照]
- 1.3 本剤投与開始前に、胸部CT検査及び問診を実施し、間質性肺疾患の合併又は既往歴がないことを確認した上で、投与の可否を慎重に判断すること。[9.1.1 参照]
2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)
- 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 2.2 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5 参照]
5. 効能又は効果に関連する注意
-
5.1 EGFR遺伝子変異検査を実施すること。EGFR遺伝子変異検査の実施には、十分な経験を有する病理医又は検査施設において、承認された体外診断用医薬品又は医療機器を用い、EGFR遺伝子変異が確認された患者に投与すること。なお、承認された体外診断用医薬品又は医療機器に関する情報については、以下のウェブサイトから入手可能である:
https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/review-information/cd/0001.html - 5.2 「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。[17.1.1 参照],[17.1.2 参照],[17.1.3 参照],[17.1.4 参照],[17.1.5 参照]
- 5.3 *本剤の術前補助療法における有効性及び安全性は確立していない。
6. 用法及び用量
通常、成人にはオシメルチニブとして80mgを1日1回経口投与する。ただし、術後補助療法の場合は、投与期間は36カ月間までとする。なお、患者の状態により適宜減量する。
7. 用法及び用量に関連する注意
-
7.1 副作用がみられた場合は、症状、重症度等に応じて、以下の基準を考慮して、本剤を休薬、減量又は中止すること。本剤を減量する場合には、40mgを1日1回投与すること。
本剤の休薬、減量及び中止基準の目安 副作用
程度
処置
間質性肺疾患/肺臓炎
-
本剤の投与を中止する。
*放射線肺臓炎
*Grade1
*患者の状態に応じて、本剤の投与を継続又は休薬する。
*Grade2
*Grade1以下に回復するまで本剤を休薬する。4週間以内にGrade1以下に回復した場合、必要に応じて本剤の減量を考慮し、投与を再開する。4週間以内にGrade1以下に回復しない場合及び再開後に再発した場合は、本剤の投与を中止する。
*Grade3以上
*本剤の投与を中止する。
QT間隔延長
500msecを超えるQTc値が認められる
481msec未満又はベースラインに回復するまで本剤を休薬する。481msec未満又はベースラインに回復した後、本剤を減量し、投与を再開する。3週間以内に回復しない場合は本剤の投与を中止すること。
重篤な不整脈の症状/兆候を伴うQT間隔延長
本剤の投与を中止する。
その他の副作用
Grade3以上
Grade2以下に改善するまで本剤を休薬する。Grade2以下に回復した後、必要に応じて本剤の減量を考慮し、投与を再開する。3週間以内にGrade2以下に回復しない場合は本剤の投与を中止すること。
GradeはCTCAE(Common Terminology Criteria for Adverse Events)ver.4.0に基づく。
- 7.2 本剤を他の抗悪性腫瘍剤と併用する場合、併用する他の抗悪性腫瘍剤は「17.臨床成績」の項の内容を熟知し選択すること。[17.1.4 参照]
8. 重要な基本的注意
- 8.1 *間質性肺疾患、放射線肺臓炎があらわれることがあるので、初期症状(呼吸困難、咳嗽、発熱等)の確認及び定期的な胸部画像検査の実施等、観察を十分に行うこと。必要に応じて、動脈血酸素分圧(PaO2)、動脈血酸素飽和度(SpO2)、肺胞気動脈血酸素分圧較差(A-aDO2)、肺拡散能力(DLco)等の検査を行うこと。また、患者に対して、初期症状があらわれた場合には、速やかに医療機関を受診するよう指導すること。[1.2 参照],[9.1.1 参照],[9.1.2 参照],[11.1.1 参照]
- 8.2 QT間隔延長があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は定期的に心電図検査及び電解質検査(カリウム、マグネシウム、カルシウム等)を行い、患者の状態を十分に観察すること。また、必要に応じて電解質補正を行うこと。[9.1.3 参照],[11.1.2 参照]
- 8.3 血小板減少、好中球減少、白血球減少、貧血があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は定期的に血液検査(血球数算定、白血球分画等)を行い、患者の状態を十分に観察すること。[11.1.3 参照]
- 8.4 肝機能障害があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は定期的に肝機能検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。[11.1.4 参照]
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
-
9.1.1 間質性肺疾患のある患者又はその既往歴のある患者
間質性肺疾患が増悪し、死亡に至る可能性がある。[1.2 参照],[1.3 参照],[8.1 参照],[11.1.1 参照]
-
9.1.2 *放射線肺臓炎のある患者
*臨床試験では、化学放射線療法後の症候性放射線肺臓炎は除外されていた。[8.1 参照],[11.1.1 参照],[17.1.5 参照]
-
9.1.3 QT間隔延長のおそれ又はその既往歴のある患者
QT間隔延長が起こるおそれがある。[8.2 参照],[11.1.2 参照]
9.3 肝機能障害患者
-
9.3.1 重度の肝機能障害(Child-Pugh分類C)のある患者
血漿中濃度が上昇するおそれがある。[16.6.1 参照]
9.4 生殖能を有する者
- 9.4.1 妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後6週間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。[9.5 参照]
- 9.4.2 男性には、本剤投与中及び最終投与後4カ月間においてバリア法(コンドーム)を用いて避妊する必要性について説明すること。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。ラットにおいてAUC比較で臨床曝露量に相当する用量から胚死亡、胎児重量の減少、胎児及び出生児の生存率低下、並びに成長抑制が認められている。また、ラットにおいてAUC比較で臨床曝露量未満に相当する用量から卵巣の黄体変性、子宮及び腟の上皮菲薄化、炎症又は変性、並びに雌受胎能への影響が認められている。[2.2 参照],[9.4.1 参照]
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。本剤又は本剤の代謝物がヒトの母乳中に移行するかどうかは不明であるが、動物実験(ラット)で授乳中の母動物へ本剤を投与した際、本剤及び本剤の代謝物が授乳された児に検出され、成長及び生存への悪影響が認められている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
副作用があらわれやすいので、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に高齢者では生理機能が低下していることが多い。
10. 相互作用
- 本剤は主にCYP3Aにより代謝される。また、本剤はBreast Cancer Resistance Protein(BCRP)及びP糖蛋白質(P-gp)を阻害することが示されている。[16.4 参照],[16.7.2 参照],[16.7.3 参照]
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
本剤の効果が減弱するおそれがあるので、CYP3A誘導作用のない薬剤への代替を考慮すること。 |
左記薬剤のCYP3A誘導作用により、本剤の代謝が亢進し、血中濃度が低下する可能性がある。 |
|
副作用の発現が増強されるおそれがあるので、患者の状態をよく観察して、副作用の発現に十分注意すること。 |
本剤のP-gp阻害作用により、左記薬剤の血中濃度が増加する可能性がある。 |
|
副作用の発現が増強されるおそれがあるので、患者の状態をよく観察して、副作用の発現に十分注意すること。 |
本剤のBCRP阻害作用により、左記薬剤の血中濃度が増加する可能性がある。 |
|
QT間隔延長を増強するおそれがある。 |
本剤及びこれらの薬剤はいずれもQT間隔を延長させるおそれがあるため、併用により作用が増強するおそれがある。 |
11. 副作用
11.1 重大な副作用
-
11.1.1 *間質性肺疾患(3.3%、6.3%)
注1)
、放射線肺臓炎(頻度不明、3.5%)
注1)
*異常が認められた場合には投与中止、ステロイド治療等の適切な処置を行うこと。[1.2 参照],[8.1 参照],[9.1.1 参照],[9.1.2 参照]
- 11.1.2 QT間隔延長(7.4%)[8.2 参照],[9.1.3 参照]
- 11.1.3 血小板減少(9.2%)、好中球減少(8.1%)、白血球減少(10.0%)、貧血(4.6%)[8.3 参照]
-
11.1.4 肝機能障害(8.5%)
ALT、AST、ビリルビン等の上昇を伴う肝機能障害があらわれることがある。[8.4 参照]
- 11.1.5 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)、多形紅斑(0.3%)
-
11.1.6 うっ血性心不全(頻度不明)、左室駆出率低下(頻度不明)注1) 発現頻度は、以下の順に記載した。
‐臨床試験(AURA3試験、FLAURA試験、ADAURA試験、
FLAURA2試験)における本剤単独投与時の併合解析
‐根治的化学放射線療法後に本剤を投与した臨床試験
(LAURA試験)
11.2 その他の副作用
10%以上 |
10%未満 |
1%未満 |
頻度不明 |
|
|---|---|---|---|---|
皮膚 |
発疹・ざ瘡等(40.8%)、 |
脱毛、手掌・足底発赤知覚不全症候群、皮膚剥脱、じん麻疹 |
皮膚潰瘍、多毛症、爪痛、皮膚疼痛、皮膚変色、皮膚感染、皮脂欠乏性湿疹、過角化、光線過敏性反応、毛細血管拡張症、蜂巣炎、皮膚反応、黄色板腫 |
毛髪障害、毛質異常、皮膚嚢腫、斑、裂傷、皮膚擦過傷、メラノサイト性母斑、皮膚血管炎 |
消化器 |
下痢 |
嘔吐、食欲減退、便秘、口内乾燥、腹痛、消化不良 |
口唇炎、舌痛、腹部膨満、腹部不快感、胃食道逆流性疾患、嚥下障害、口腔咽頭痛、鼓腸、心窩部不快感、胃腸炎 |
口唇びらん、口腔知覚不全、食道痛、呼気臭、便意切迫、肛門周囲痛、痔出血 |
血液 |
リンパ球減少症 |
活性化部分トロンボプラスチン時間延長、内出血発生の増加傾向、播種性血管内凝固、血球減少症、脾臓梗塞 |
||
神経 |
味覚異常、頭痛 |
末梢性ニューロパチー、末梢性感覚ニューロパチー、脳梗塞、めまい、回転性めまい、異常感覚、感覚鈍麻 |
振戦、体位性めまい、記憶障害、構語障害、知覚過敏 |
|
眼 |
眼乾燥、結膜炎、霧視 |
眼瞼炎、角膜炎、白内障、流涙増加、眼刺激、羞明、視力低下、視力障害、眼そう痒症、眼精疲労、眼感染 |
黄斑浮腫、網膜出血、夜盲、眼の異物感 |
|
呼吸器 |
鼻乾燥、鼻出血、咳嗽 |
呼吸困難、気管支炎、肺感染、ウイルス性上気道感染、肺塞栓症、インフルエンザ、鼻漏、鼻の炎症、咽頭炎、気胸、湿性咳嗽、発声障害、鼻炎、咽喉乾燥、喉頭痛、しゃっくり、労作性呼吸困難 |
細菌性肺炎、鼻粘膜障害、咽頭出血、咽頭潰瘍、気縦隔症、胸膜炎 |
|
循環器 |
駆出率減少 |
非心臓性胸痛、動悸 |
房室ブロック |
|
腎臓 |
クレアチニン増加 |
頻尿、尿路感染、腎機能障害、血尿、排尿困難、膀胱炎 |
腎結石症 |
|
全身 |
疲労、無力症、末梢性浮腫 |
発熱、四肢膿瘍、顔面浮腫、倦怠感 |
悪寒、ほてり |
|
筋骨格系 |
筋痙縮、筋肉痛、四肢痛、関節痛 |
背部痛、筋骨格硬直、頚部痛 |
筋骨格痛、足変形、骨盤痛 |
|
感染症 |
耳感染 |
外耳炎、乳頭炎 |
||
代謝及び栄養障害 |
低カリウム血症 |
高カリウム血症、脱水、高血糖、低リン酸血症、高コレステロール血症 |
||
精神障害 |
うつ病、錯乱状態、幻覚、易刺激性 |
|||
血管障害 |
深部静脈血栓症、高血圧 |
静脈炎 |
||
泌尿器・生殖器 |
外陰腟痛 |
|||
その他 |
体重減少、ALP増加、血中クレアチンホスホキナーゼ増加 |
低アルブミン血症、低カルシウム血症、低ナトリウム血症、アミラーゼ増加 |
高リパーゼ血症、血中コレステロール増加 |
15. その他の注意
15.1 臨床使用に基づく情報
国内で実施したEGFRチロシンキナーゼ阻害剤に抵抗性のEGFR T790M変異陽性の手術不能又は再発非小細胞肺癌患者を対象とした使用成績調査(全例調査)における多変量解析(主要解析)の結果、間質性肺疾患の病歴、ニボルマブ前治療歴は間質性肺疾患の発現因子となることが示唆されている。
15.2 非臨床試験に基づく情報
- 15.2.1 ラット及びイヌを用いた反復投与毒性試験において、AUC比較で臨床曝露量未満に相当する用量から消化管(舌を含む)及び皮膚の上皮の萎縮、炎症又は変性、並びに角膜の上皮萎縮、半透明化及び白濁が認められ、角膜の白濁については回復性が確認されていない。
- 15.2.2 ラット及びイヌを用いた長期の反復投与毒性試験において、AUC比較で臨床曝露量に相当する又は未満に相当する用量から瞼板腺の潰瘍形成、リンパ球浸潤及び導管拡張が認められた。
- 15.2.3 ラットを用いた104週間がん原性試験において、AUC比較で臨床曝露量の0.2倍に相当する用量で水晶体線維の変性が認められた。また、AUC比較で臨床曝露量に相当する用量で腸間膜リンパ節の血管腫が認められ、雌では血管腫様過形成の発生頻度の上昇が認められた。
- 15.2.4 ラット及びイヌにおいてAUC比較で臨床曝露量未満に相当する用量で雄性生殖器の変化(精巣の精細管変性、精巣上体の精子減少等)が認められている。また、ラットにおいてAUC比較で臨床曝露量未満に相当する用量で雄受胎能への影響が認められている。
1. 警告
- 1.1 本剤は、緊急時に十分に対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、電子添文を参照して、適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に本剤の有効性及び危険性(特に、間質性肺疾患の初期症状、服用中の注意事項、死亡に至った症例があること等に関する情報)、非小細胞肺癌の治療法等を十分説明し、同意を得てから投与すること。
- 1.2 本剤の投与により間質性肺疾患があらわれ、死亡に至った症例が報告されているので、投与期間中にわたり、初期症状(呼吸困難、咳嗽、発熱等)の確認及び定期的な胸部画像検査の実施等、観察を十分に行うこと。異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、特に治療初期は入院又はそれに準ずる管理の下で、間質性肺疾患等の重篤な副作用発現に関する観察を十分に行うこと。[8.1 参照],[9.1.1 参照],[11.1.1 参照]
- 1.3 本剤投与開始前に、胸部CT検査及び問診を実施し、間質性肺疾患の合併又は既往歴がないことを確認した上で、投与の可否を慎重に判断すること。[9.1.1 参照]
2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)
- 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 2.2 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5 参照]
5. 効能又は効果に関連する注意
-
5.1 EGFR遺伝子変異検査を実施すること。EGFR遺伝子変異検査の実施には、十分な経験を有する病理医又は検査施設において、承認された体外診断用医薬品又は医療機器を用い、EGFR遺伝子変異が確認された患者に投与すること。なお、承認された体外診断用医薬品又は医療機器に関する情報については、以下のウェブサイトから入手可能である:
https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/review-information/cd/0001.html - 5.2 「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。[17.1.1 参照],[17.1.2 参照],[17.1.3 参照],[17.1.4 参照],[17.1.5 参照]
- 5.3 *本剤の術前補助療法における有効性及び安全性は確立していない。
6. 用法及び用量
通常、成人にはオシメルチニブとして80mgを1日1回経口投与する。ただし、術後補助療法の場合は、投与期間は36カ月間までとする。なお、患者の状態により適宜減量する。
7. 用法及び用量に関連する注意
-
7.1 副作用がみられた場合は、症状、重症度等に応じて、以下の基準を考慮して、本剤を休薬、減量又は中止すること。本剤を減量する場合には、40mgを1日1回投与すること。
本剤の休薬、減量及び中止基準の目安 副作用
程度
処置
間質性肺疾患/肺臓炎
-
本剤の投与を中止する。
*放射線肺臓炎
*Grade1
*患者の状態に応じて、本剤の投与を継続又は休薬する。
*Grade2
*Grade1以下に回復するまで本剤を休薬する。4週間以内にGrade1以下に回復した場合、必要に応じて本剤の減量を考慮し、投与を再開する。4週間以内にGrade1以下に回復しない場合及び再開後に再発した場合は、本剤の投与を中止する。
*Grade3以上
*本剤の投与を中止する。
QT間隔延長
500msecを超えるQTc値が認められる
481msec未満又はベースラインに回復するまで本剤を休薬する。481msec未満又はベースラインに回復した後、本剤を減量し、投与を再開する。3週間以内に回復しない場合は本剤の投与を中止すること。
重篤な不整脈の症状/兆候を伴うQT間隔延長
本剤の投与を中止する。
その他の副作用
Grade3以上
Grade2以下に改善するまで本剤を休薬する。Grade2以下に回復した後、必要に応じて本剤の減量を考慮し、投与を再開する。3週間以内にGrade2以下に回復しない場合は本剤の投与を中止すること。
GradeはCTCAE(Common Terminology Criteria for Adverse Events)ver.4.0に基づく。
- 7.2 本剤を他の抗悪性腫瘍剤と併用する場合、併用する他の抗悪性腫瘍剤は「17.臨床成績」の項の内容を熟知し選択すること。[17.1.4 参照]
8. 重要な基本的注意
- 8.1 *間質性肺疾患、放射線肺臓炎があらわれることがあるので、初期症状(呼吸困難、咳嗽、発熱等)の確認及び定期的な胸部画像検査の実施等、観察を十分に行うこと。必要に応じて、動脈血酸素分圧(PaO2)、動脈血酸素飽和度(SpO2)、肺胞気動脈血酸素分圧較差(A-aDO2)、肺拡散能力(DLco)等の検査を行うこと。また、患者に対して、初期症状があらわれた場合には、速やかに医療機関を受診するよう指導すること。[1.2 参照],[9.1.1 参照],[9.1.2 参照],[11.1.1 参照]
- 8.2 QT間隔延長があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は定期的に心電図検査及び電解質検査(カリウム、マグネシウム、カルシウム等)を行い、患者の状態を十分に観察すること。また、必要に応じて電解質補正を行うこと。[9.1.3 参照],[11.1.2 参照]
- 8.3 血小板減少、好中球減少、白血球減少、貧血があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は定期的に血液検査(血球数算定、白血球分画等)を行い、患者の状態を十分に観察すること。[11.1.3 参照]
- 8.4 肝機能障害があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は定期的に肝機能検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。[11.1.4 参照]
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
-
9.1.1 間質性肺疾患のある患者又はその既往歴のある患者
間質性肺疾患が増悪し、死亡に至る可能性がある。[1.2 参照],[1.3 参照],[8.1 参照],[11.1.1 参照]
-
9.1.2 *放射線肺臓炎のある患者
*臨床試験では、化学放射線療法後の症候性放射線肺臓炎は除外されていた。[8.1 参照],[11.1.1 参照],[17.1.5 参照]
-
9.1.3 QT間隔延長のおそれ又はその既往歴のある患者
QT間隔延長が起こるおそれがある。[8.2 参照],[11.1.2 参照]
9.3 肝機能障害患者
-
9.3.1 重度の肝機能障害(Child-Pugh分類C)のある患者
血漿中濃度が上昇するおそれがある。[16.6.1 参照]
9.4 生殖能を有する者
- 9.4.1 妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後6週間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。[9.5 参照]
- 9.4.2 男性には、本剤投与中及び最終投与後4カ月間においてバリア法(コンドーム)を用いて避妊する必要性について説明すること。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。ラットにおいてAUC比較で臨床曝露量に相当する用量から胚死亡、胎児重量の減少、胎児及び出生児の生存率低下、並びに成長抑制が認められている。また、ラットにおいてAUC比較で臨床曝露量未満に相当する用量から卵巣の黄体変性、子宮及び腟の上皮菲薄化、炎症又は変性、並びに雌受胎能への影響が認められている。[2.2 参照],[9.4.1 参照]
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。本剤又は本剤の代謝物がヒトの母乳中に移行するかどうかは不明であるが、動物実験(ラット)で授乳中の母動物へ本剤を投与した際、本剤及び本剤の代謝物が授乳された児に検出され、成長及び生存への悪影響が認められている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
副作用があらわれやすいので、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に高齢者では生理機能が低下していることが多い。
10. 相互作用
- 本剤は主にCYP3Aにより代謝される。また、本剤はBreast Cancer Resistance Protein(BCRP)及びP糖蛋白質(P-gp)を阻害することが示されている。[16.4 参照],[16.7.2 参照],[16.7.3 参照]
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
本剤の効果が減弱するおそれがあるので、CYP3A誘導作用のない薬剤への代替を考慮すること。 |
左記薬剤のCYP3A誘導作用により、本剤の代謝が亢進し、血中濃度が低下する可能性がある。 |
|
副作用の発現が増強されるおそれがあるので、患者の状態をよく観察して、副作用の発現に十分注意すること。 |
本剤のP-gp阻害作用により、左記薬剤の血中濃度が増加する可能性がある。 |
|
副作用の発現が増強されるおそれがあるので、患者の状態をよく観察して、副作用の発現に十分注意すること。 |
本剤のBCRP阻害作用により、左記薬剤の血中濃度が増加する可能性がある。 |
|
QT間隔延長を増強するおそれがある。 |
本剤及びこれらの薬剤はいずれもQT間隔を延長させるおそれがあるため、併用により作用が増強するおそれがある。 |
11. 副作用
11.1 重大な副作用
-
11.1.1 *間質性肺疾患(3.3%、6.3%)
注1)
、放射線肺臓炎(頻度不明、3.5%)
注1)
*異常が認められた場合には投与中止、ステロイド治療等の適切な処置を行うこと。[1.2 参照],[8.1 参照],[9.1.1 参照],[9.1.2 参照]
- 11.1.2 QT間隔延長(7.4%)[8.2 参照],[9.1.3 参照]
- 11.1.3 血小板減少(9.2%)、好中球減少(8.1%)、白血球減少(10.0%)、貧血(4.6%)[8.3 参照]
-
11.1.4 肝機能障害(8.5%)
ALT、AST、ビリルビン等の上昇を伴う肝機能障害があらわれることがある。[8.4 参照]
- 11.1.5 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)、多形紅斑(0.3%)
-
11.1.6 うっ血性心不全(頻度不明)、左室駆出率低下(頻度不明)注1) 発現頻度は、以下の順に記載した。
‐臨床試験(AURA3試験、FLAURA試験、ADAURA試験、
FLAURA2試験)における本剤単独投与時の併合解析
‐根治的化学放射線療法後に本剤を投与した臨床試験
(LAURA試験)
11.2 その他の副作用
10%以上 |
10%未満 |
1%未満 |
頻度不明 |
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皮膚 |
発疹・ざ瘡等(40.8%)、 |
脱毛、手掌・足底発赤知覚不全症候群、皮膚剥脱、じん麻疹 |
皮膚潰瘍、多毛症、爪痛、皮膚疼痛、皮膚変色、皮膚感染、皮脂欠乏性湿疹、過角化、光線過敏性反応、毛細血管拡張症、蜂巣炎、皮膚反応、黄色板腫 |
毛髪障害、毛質異常、皮膚嚢腫、斑、裂傷、皮膚擦過傷、メラノサイト性母斑、皮膚血管炎 |
消化器 |
下痢 |
嘔吐、食欲減退、便秘、口内乾燥、腹痛、消化不良 |
口唇炎、舌痛、腹部膨満、腹部不快感、胃食道逆流性疾患、嚥下障害、口腔咽頭痛、鼓腸、心窩部不快感、胃腸炎 |
口唇びらん、口腔知覚不全、食道痛、呼気臭、便意切迫、肛門周囲痛、痔出血 |
血液 |
リンパ球減少症 |
活性化部分トロンボプラスチン時間延長、内出血発生の増加傾向、播種性血管内凝固、血球減少症、脾臓梗塞 |
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神経 |
味覚異常、頭痛 |
末梢性ニューロパチー、末梢性感覚ニューロパチー、脳梗塞、めまい、回転性めまい、異常感覚、感覚鈍麻 |
振戦、体位性めまい、記憶障害、構語障害、知覚過敏 |
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眼 |
眼乾燥、結膜炎、霧視 |
眼瞼炎、角膜炎、白内障、流涙増加、眼刺激、羞明、視力低下、視力障害、眼そう痒症、眼精疲労、眼感染 |
黄斑浮腫、網膜出血、夜盲、眼の異物感 |
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呼吸器 |
鼻乾燥、鼻出血、咳嗽 |
呼吸困難、気管支炎、肺感染、ウイルス性上気道感染、肺塞栓症、インフルエンザ、鼻漏、鼻の炎症、咽頭炎、気胸、湿性咳嗽、発声障害、鼻炎、咽喉乾燥、喉頭痛、しゃっくり、労作性呼吸困難 |
細菌性肺炎、鼻粘膜障害、咽頭出血、咽頭潰瘍、気縦隔症、胸膜炎 |
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循環器 |
駆出率減少 |
非心臓性胸痛、動悸 |
房室ブロック |
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腎臓 |
クレアチニン増加 |
頻尿、尿路感染、腎機能障害、血尿、排尿困難、膀胱炎 |
腎結石症 |
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全身 |
疲労、無力症、末梢性浮腫 |
発熱、四肢膿瘍、顔面浮腫、倦怠感 |
悪寒、ほてり |
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筋骨格系 |
筋痙縮、筋肉痛、四肢痛、関節痛 |
背部痛、筋骨格硬直、頚部痛 |
筋骨格痛、足変形、骨盤痛 |
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感染症 |
耳感染 |
外耳炎、乳頭炎 |
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代謝及び栄養障害 |
低カリウム血症 |
高カリウム血症、脱水、高血糖、低リン酸血症、高コレステロール血症 |
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精神障害 |
うつ病、錯乱状態、幻覚、易刺激性 |
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血管障害 |
深部静脈血栓症、高血圧 |
静脈炎 |
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泌尿器・生殖器 |
外陰腟痛 |
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その他 |
体重減少、ALP増加、血中クレアチンホスホキナーゼ増加 |
低アルブミン血症、低カルシウム血症、低ナトリウム血症、アミラーゼ増加 |
高リパーゼ血症、血中コレステロール増加 |
15. その他の注意
15.1 臨床使用に基づく情報
国内で実施したEGFRチロシンキナーゼ阻害剤に抵抗性のEGFR T790M変異陽性の手術不能又は再発非小細胞肺癌患者を対象とした使用成績調査(全例調査)における多変量解析(主要解析)の結果、間質性肺疾患の病歴、ニボルマブ前治療歴は間質性肺疾患の発現因子となることが示唆されている。
15.2 非臨床試験に基づく情報
- 15.2.1 ラット及びイヌを用いた反復投与毒性試験において、AUC比較で臨床曝露量未満に相当する用量から消化管(舌を含む)及び皮膚の上皮の萎縮、炎症又は変性、並びに角膜の上皮萎縮、半透明化及び白濁が認められ、角膜の白濁については回復性が確認されていない。
- 15.2.2 ラット及びイヌを用いた長期の反復投与毒性試験において、AUC比較で臨床曝露量に相当する又は未満に相当する用量から瞼板腺の潰瘍形成、リンパ球浸潤及び導管拡張が認められた。
- 15.2.3 ラットを用いた104週間がん原性試験において、AUC比較で臨床曝露量の0.2倍に相当する用量で水晶体線維の変性が認められた。また、AUC比較で臨床曝露量に相当する用量で腸間膜リンパ節の血管腫が認められ、雌では血管腫様過形成の発生頻度の上昇が認められた。
- 15.2.4 ラット及びイヌにおいてAUC比較で臨床曝露量未満に相当する用量で雄性生殖器の変化(精巣の精細管変性、精巣上体の精子減少等)が認められている。また、ラットにおいてAUC比較で臨床曝露量未満に相当する用量で雄受胎能への影響が認められている。





