薬効分類名抗悪性腫瘍剤/キナーゼ阻害剤
一般的名称アキシチニブ
インライタ錠1mg、インライタ錠5mg
いんらいたじょう1mg、いんらいたじょう5mg
Inlyta Tablets, Inlyta Tablets
製造販売元(輸入)/ファイザー株式会社
重大な副作用
その他の副作用
併用注意
CYP3A4/5阻害剤
- アゾール系抗真菌剤
〔ケトコナゾール(錠剤及び注射剤:国内未承認)、イトラコナゾール等〕
マクロライド系抗生物質(クラリスロマイシン等)
HIVプロテアーゼ阻害剤(リトナビル等)
グレープフルーツジュース
ケトコナゾールと併用投与したとき、単独投与時と比べ、本剤のCmax及びAUC0-∞がそれぞれ50%及び106%増加した。本剤の血中濃度が上昇し、副作用の発現頻度及び重症度が増加するおそれがあるので、CYP3A4/5阻害作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること。やむを得ず併用する際には本剤の減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること。
これらの薬剤等がCYP3A4/5の代謝活性を阻害するため、本剤の血漿中濃度が上昇する可能性がある。
CYP3A4/5誘導剤
- デキサメタゾン
フェニトイン
カルバマゼピン
リファンピシン
フェノバルビタール等
セイヨウオトギリソウ(St. John’s Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
リファンピシンと併用投与したとき、単独投与時と比べ、本剤のCmax及びAUC0-∞がそれぞれ71%及び79%低下した。本剤の血中濃度が低下し、本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、CYP3A4/5誘導作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること。
これらの薬剤等がCYP3A4/5の代謝活性を誘導するため、本剤の血漿中濃度が低下する可能性がある。
1. 警告
本剤の投与にあたっては、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本療法が適切と判断される症例についてのみ実施すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与を開始すること。
2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)
- 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 2.2 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5 参照]
4. 効能又は効果
根治切除不能又は転移性の腎細胞癌
6. 用法及び用量
通常、成人にはアキシチニブとして1回5mgを1日2回経口投与する。なお、患者の状態により適宜増減するが、1回10mg1日2回まで増量できる。
8. 重要な基本的注意
- 8.1 高血圧があらわれることがあるので、本剤投与期間中は定期的に血圧測定を行い、血圧を十分観察すること。また、高血圧クリーゼがあらわれることがあるので、血圧の推移等に十分注意して投与すること。[9.1.1 参照],[11.1.1 参照]
- 8.2 甲状腺機能障害(低下症又は亢進症)があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び投与期間中は定期的に甲状腺機能の検査を実施すること。[9.1.2 参照],[11.1.7 参照]
- 8.3 ヘモグロビン又はヘマトクリットが上昇することがあるので、本剤の投与開始前及び投与期間中は定期的にヘモグロビン又はヘマトクリットを観察し、異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと。
- 8.4 創傷治癒を遅らせる可能性があるので、外科的処置が予定されている場合には、外科的処置の前に本剤の投与を中断すること。外科的処置後の投与再開は、患者の状態に応じて判断すること。[9.1.5 参照],[11.1.8 参照]
- 8.5 蛋白尿があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び投与期間中は定期的に尿蛋白を観察すること。中等度から重度の蛋白尿が認められた場合は、減量又は休薬すること。
- 8.6 手足症候群があらわれることがあるので、必要に応じて皮膚科を受診するよう、患者に指導すること。
- 8.7 肝機能障害があらわれることがあるので、本剤投与中は定期的に肝機能検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。[11.1.10 参照]
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
-
9.1.1 高血圧症の患者
高血圧が悪化するおそれがある。[8.1 参照],[11.1.1 参照]
-
9.1.2 甲状腺機能障害のある患者
甲状腺機能障害が悪化するおそれがある。[8.2 参照],[11.1.7 参照]
-
9.1.3 血栓塞栓症又はその既往歴のある患者
血栓塞栓症が悪化もしくは再発するおそれがある。[11.1.3 参照],[11.1.4 参照]
-
9.1.4 脳転移を有する患者
脳出血があらわれるおそれがある。
-
9.1.5 外科的処置後、創傷が治癒していない患者
創傷治癒遅延があらわれることがある。[8.4 参照],[11.1.8 参照]
9.3 肝機能障害患者
-
9.3.1 中等度以上の肝機能障害のある患者
減量を考慮するとともに、患者の状態をより慎重に観察し、有害事象の発現に十分注意すること。本剤の血中濃度が上昇する。また、重度の肝機能障害を有する患者を対象とした臨床試験は実施していない。[16.6.2 参照]
9.4 生殖能を有する者
妊娠可能な女性に対しては、本剤投与中及び投与終了後一定期間は適切な避妊を行うよう指導すること。[9.5 参照],[15.2.2 参照],[15.2.3 参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験(マウス3mg/kg/日)において胚・胎児死亡及び奇形の発生が報告されている1) 。[2.2 参照],[9.4 参照],[15.2.2 参照],[15.2.3 参照]
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤の母乳中への移行は不明である。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
注意して投与すること。一般に高齢者では、生理機能が低下している。
10. 相互作用
- 本剤は主にCYP3A4/5で代謝される。[16.4 参照]
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
ケトコナゾールと併用投与したとき、単独投与時と比べ、本剤のCmax及びAUC0-∞がそれぞれ50%及び106%増加した2) 。本剤の血中濃度が上昇し、副作用の発現頻度及び重症度が増加するおそれがあるので、CYP3A4/5阻害作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること。やむを得ず併用する際には本剤の減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること。 |
これらの薬剤等がCYP3A4/5の代謝活性を阻害するため、本剤の血漿中濃度が上昇する可能性がある。 |
|
リファンピシンと併用投与したとき、単独投与時と比べ、本剤のCmax及びAUC0-∞がそれぞれ71%及び79%低下した3) 。本剤の血中濃度が低下し、本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、CYP3A4/5誘導作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること。 |
これらの薬剤等がCYP3A4/5の代謝活性を誘導するため、本剤の血漿中濃度が低下する可能性がある。 |
11. 副作用
11.1 重大な副作用
-
11.1.1 高血圧(45.3%)、高血圧クリーゼ(0.3%)
必要に応じて降圧剤の投与を行うなど、適切な処置を行うこと。管理できない重症の高血圧が認められた場合は休薬すること。[8.1 参照],[9.1.1 参照]
-
11.1.2 動脈解離(頻度不明)
大動脈解離を含む動脈解離があらわれることがある4) 。
-
11.1.3 動脈血栓塞栓症
*一過性脳虚血発作(0.4%)、網膜動脈閉塞(0.1%)、脳卒中(頻度不明)、心筋梗塞(頻度不明)等の動脈血栓塞栓症があらわれることがある。[9.1.3 参照]
-
11.1.4 静脈血栓塞栓症
肺塞栓症(0.8%)、深部静脈血栓症(0.3%)、網膜静脈閉塞(0.1%)、網膜静脈血栓症(0.1%)等の静脈血栓塞栓症があらわれることがある。[9.1.3 参照]
-
11.1.5 出血
鼻出血(5.9%)、血尿(0.8%)、直腸出血(0.9%)、喀血(0.6%)、脳出血(0.1%)、下部消化管出血(0.3%)、胃出血(0.4%)等の出血があらわれることがあり、死亡に至った例も報告されている。
-
11.1.6 消化管穿孔、瘻孔形成
消化管穿孔(頻度不明)、瘻孔(0.1%)があらわれることがあり、消化管穿孔により死亡に至った例も報告されている。
-
11.1.7 甲状腺機能障害
甲状腺機能低下症(21.6%)、甲状腺機能亢進症(3.2%)があらわれることがある。[8.2 参照],[9.1.2 参照]
-
11.1.8 創傷治癒遅延(1.0%)
創傷治癒遅延があらわれた場合には、創傷が治癒するまで本剤の投与を中止すること。[8.4 参照],[9.1.5 参照]
-
11.1.9 可逆性後白質脳症症候群(0.3%)
可逆性後白質脳症症候群の症候又は症状(頭痛、痙攣発作、嗜眠、錯乱、盲目、視覚障害、神経障害)があらわれた場合は、休薬又は投与を中止し、適切な処置を行うこと。
-
11.1.10 肝機能障害
AST(6.7%)、ALT(8.1%)の上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがある。[8.7 参照]
- 11.1.11 心不全(頻度不明)
- 11.1.12 間質性肺疾患(頻度不明)
-
11.1.13 **急性膵炎(頻度不明)
**腹痛等の症状、膵酵素上昇が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.2 その他の副作用
10%以上 |
1%以上 |
1%未満 |
頻度不明 |
|
|---|---|---|---|---|
内分泌 |
TSH増加、甲状腺炎、副腎機能不全 |
コルチコトロピン増加、T4増加、T3減少、TSH減少、T3増加 |
||
精神神経系 |
味覚異常(11.6%)、頭痛(10.1%) |
浮動性めまい、末梢性ニューロパチー、不眠症、錯感覚、傾眠、知覚過敏、振戦、記憶障害 |
不安、感覚鈍麻、うつ病、失神、味覚消失、失語症、睡眠障害、注意力障害、失神寸前の状態、片頭痛、落ち着きのなさ |
|
眼 |
視力低下、霧視、流涙増加、羞明、眼瞼浮腫 |
|||
耳 |
耳鳴 |
回転性めまい、難聴、耳の障害、耳不快感 |
||
循環器 |
浮腫、低血圧、徐脈、動悸 |
潮紅、頻脈、トロポニン増加、不整脈、ほてり、QT延長、顔面浮腫 |
||
呼吸器 |
発声障害(27.1%) |
呼吸困難、咳嗽、口腔咽頭痛、鼻炎、労作性呼吸困難、鼻漏、上気道感染、肺炎 |
鼻閉、しゃっくり、鼻部障害 |
|
消化器 |
下痢(52.7%)、悪心(26.2%)、口内炎(18.6%)、嘔吐(12.8%) |
便秘、腹痛、消化不良、口内乾燥、口腔内痛、上腹部痛、鼓腸、舌痛、胃食道逆流性疾患、歯肉痛、腹部不快感、痔核、腹部膨満、嚥下障害、肛門の炎症、腸炎 |
肛門周囲痛、口腔知覚不全、口腔内潰瘍形成、舌炎、アフタ性口内炎、胃炎、歯肉炎、変色便、下腹部痛、歯痛、裂肛、嚥下痛、歯の障害、舌障害 |
|
膵臓 |
リパーゼ増加、アミラーゼ増加 |
|||
腎臓 |
蛋白尿、クレアチニン増加、尿酸増加、腎不全 |
頻尿、クレアチニンクリアランス減少、尿意切迫、尿路感染、排尿困難 |
||
血液 |
血小板減少、貧血、好中球減少 |
白血球減少、リンパ球減少、ヘモグロビン減少 |
ヘモグロビン増加、赤血球増加 |
|
代謝 |
食欲減退(23.7%) |
脱水、高脂血症、低リン酸血症、低マグネシウム血症、カリウム減少、高コレステロール血症、高血糖、低ナトリウム血症、カリウム増加 |
カルシウム増加、アルブミン減少、カルシウム減少 |
|
皮膚 |
手足症候群(30.4%)、発疹(18.6%)、そう痒症(10.8%) |
皮膚乾燥、皮膚障害、脱毛症、紅斑、過角化、ざ瘡、皮膚炎、皮膚剥脱、水疱、湿疹、寝汗、爪の障害 |
擦過傷、皮膚感染、爪破損、皮膚刺激、毛髪変色、多汗症、爪囲炎、爪色素沈着 |
|
筋骨格系 |
関節痛(10.3%) |
四肢痛、筋肉痛、背部痛、CPK増加、筋力低下、筋痙縮、筋骨格痛 |
筋骨格系胸痛、関節炎、頚部痛、側腹部痛、骨痛、筋固縮 |
|
その他 |
疲労(35.4%)、粘膜の炎症(13.9%)、体重減少(13.5%)、無力症(12.8%) |
悪寒、発熱、γ-GTP増加、疼痛、胸痛、ALP増加、インフルエンザ様疾患、倦怠感 |
体重増加、全身健康状態低下、カンジダ感染、粘膜乾燥、温度変化不耐症、乳頭痛、転倒、免疫応答低下、冷感、敗血症 |
15. その他の注意
15.2 非臨床試験に基づく情報
- 15.2.1 マウス及び成長板が閉鎖していないイヌを用いた反復投与毒性試験において、骨端軟骨の異形成が認められた。本所見の頻度及び程度は用量依存的であった。マウスでは歯科病変も認められた5) 。
- 15.2.2 反復投与毒性試験において、雄マウス及びイヌで精巣及び精巣上体の重量減少、萎縮又は変性、精子減少、異型精子等が、雌では性成熟遅延、黄体数の減少又は消失、子宮の重量減少及び萎縮等が認められた。これらの試験結果から生殖機能に障害を及ぼす可能性が示唆された5) 。[9.4 参照],[9.5 参照]
- 15.2.3 受胎能試験において、雌マウスで受胎率及び胚生存率の低下が認められており、本試験結果から妊孕性低下の可能性が示唆された5) 。[9.4 参照],[9.5 参照]
1. 警告
本剤の投与にあたっては、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本療法が適切と判断される症例についてのみ実施すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与を開始すること。
2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)
- 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 2.2 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5 参照]
4. 効能又は効果
根治切除不能又は転移性の腎細胞癌
6. 用法及び用量
通常、成人にはアキシチニブとして1回5mgを1日2回経口投与する。なお、患者の状態により適宜増減するが、1回10mg1日2回まで増量できる。
8. 重要な基本的注意
- 8.1 高血圧があらわれることがあるので、本剤投与期間中は定期的に血圧測定を行い、血圧を十分観察すること。また、高血圧クリーゼがあらわれることがあるので、血圧の推移等に十分注意して投与すること。[9.1.1 参照],[11.1.1 参照]
- 8.2 甲状腺機能障害(低下症又は亢進症)があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び投与期間中は定期的に甲状腺機能の検査を実施すること。[9.1.2 参照],[11.1.7 参照]
- 8.3 ヘモグロビン又はヘマトクリットが上昇することがあるので、本剤の投与開始前及び投与期間中は定期的にヘモグロビン又はヘマトクリットを観察し、異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと。
- 8.4 創傷治癒を遅らせる可能性があるので、外科的処置が予定されている場合には、外科的処置の前に本剤の投与を中断すること。外科的処置後の投与再開は、患者の状態に応じて判断すること。[9.1.5 参照],[11.1.8 参照]
- 8.5 蛋白尿があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び投与期間中は定期的に尿蛋白を観察すること。中等度から重度の蛋白尿が認められた場合は、減量又は休薬すること。
- 8.6 手足症候群があらわれることがあるので、必要に応じて皮膚科を受診するよう、患者に指導すること。
- 8.7 肝機能障害があらわれることがあるので、本剤投与中は定期的に肝機能検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。[11.1.10 参照]
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
-
9.1.1 高血圧症の患者
高血圧が悪化するおそれがある。[8.1 参照],[11.1.1 参照]
-
9.1.2 甲状腺機能障害のある患者
甲状腺機能障害が悪化するおそれがある。[8.2 参照],[11.1.7 参照]
-
9.1.3 血栓塞栓症又はその既往歴のある患者
血栓塞栓症が悪化もしくは再発するおそれがある。[11.1.3 参照],[11.1.4 参照]
-
9.1.4 脳転移を有する患者
脳出血があらわれるおそれがある。
-
9.1.5 外科的処置後、創傷が治癒していない患者
創傷治癒遅延があらわれることがある。[8.4 参照],[11.1.8 参照]
9.3 肝機能障害患者
-
9.3.1 中等度以上の肝機能障害のある患者
減量を考慮するとともに、患者の状態をより慎重に観察し、有害事象の発現に十分注意すること。本剤の血中濃度が上昇する。また、重度の肝機能障害を有する患者を対象とした臨床試験は実施していない。[16.6.2 参照]
9.4 生殖能を有する者
妊娠可能な女性に対しては、本剤投与中及び投与終了後一定期間は適切な避妊を行うよう指導すること。[9.5 参照],[15.2.2 参照],[15.2.3 参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験(マウス3mg/kg/日)において胚・胎児死亡及び奇形の発生が報告されている1) 。[2.2 参照],[9.4 参照],[15.2.2 参照],[15.2.3 参照]
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤の母乳中への移行は不明である。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
注意して投与すること。一般に高齢者では、生理機能が低下している。
10. 相互作用
- 本剤は主にCYP3A4/5で代謝される。[16.4 参照]
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
ケトコナゾールと併用投与したとき、単独投与時と比べ、本剤のCmax及びAUC0-∞がそれぞれ50%及び106%増加した2) 。本剤の血中濃度が上昇し、副作用の発現頻度及び重症度が増加するおそれがあるので、CYP3A4/5阻害作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること。やむを得ず併用する際には本剤の減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること。 |
これらの薬剤等がCYP3A4/5の代謝活性を阻害するため、本剤の血漿中濃度が上昇する可能性がある。 |
|
リファンピシンと併用投与したとき、単独投与時と比べ、本剤のCmax及びAUC0-∞がそれぞれ71%及び79%低下した3) 。本剤の血中濃度が低下し、本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、CYP3A4/5誘導作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること。 |
これらの薬剤等がCYP3A4/5の代謝活性を誘導するため、本剤の血漿中濃度が低下する可能性がある。 |
11. 副作用
11.1 重大な副作用
-
11.1.1 高血圧(45.3%)、高血圧クリーゼ(0.3%)
必要に応じて降圧剤の投与を行うなど、適切な処置を行うこと。管理できない重症の高血圧が認められた場合は休薬すること。[8.1 参照],[9.1.1 参照]
-
11.1.2 動脈解離(頻度不明)
大動脈解離を含む動脈解離があらわれることがある4) 。
-
11.1.3 動脈血栓塞栓症
*一過性脳虚血発作(0.4%)、網膜動脈閉塞(0.1%)、脳卒中(頻度不明)、心筋梗塞(頻度不明)等の動脈血栓塞栓症があらわれることがある。[9.1.3 参照]
-
11.1.4 静脈血栓塞栓症
肺塞栓症(0.8%)、深部静脈血栓症(0.3%)、網膜静脈閉塞(0.1%)、網膜静脈血栓症(0.1%)等の静脈血栓塞栓症があらわれることがある。[9.1.3 参照]
-
11.1.5 出血
鼻出血(5.9%)、血尿(0.8%)、直腸出血(0.9%)、喀血(0.6%)、脳出血(0.1%)、下部消化管出血(0.3%)、胃出血(0.4%)等の出血があらわれることがあり、死亡に至った例も報告されている。
-
11.1.6 消化管穿孔、瘻孔形成
消化管穿孔(頻度不明)、瘻孔(0.1%)があらわれることがあり、消化管穿孔により死亡に至った例も報告されている。
-
11.1.7 甲状腺機能障害
甲状腺機能低下症(21.6%)、甲状腺機能亢進症(3.2%)があらわれることがある。[8.2 参照],[9.1.2 参照]
-
11.1.8 創傷治癒遅延(1.0%)
創傷治癒遅延があらわれた場合には、創傷が治癒するまで本剤の投与を中止すること。[8.4 参照],[9.1.5 参照]
-
11.1.9 可逆性後白質脳症症候群(0.3%)
可逆性後白質脳症症候群の症候又は症状(頭痛、痙攣発作、嗜眠、錯乱、盲目、視覚障害、神経障害)があらわれた場合は、休薬又は投与を中止し、適切な処置を行うこと。
-
11.1.10 肝機能障害
AST(6.7%)、ALT(8.1%)の上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがある。[8.7 参照]
- 11.1.11 心不全(頻度不明)
- 11.1.12 間質性肺疾患(頻度不明)
-
11.1.13 **急性膵炎(頻度不明)
**腹痛等の症状、膵酵素上昇が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.2 その他の副作用
10%以上 |
1%以上 |
1%未満 |
頻度不明 |
|
|---|---|---|---|---|
内分泌 |
TSH増加、甲状腺炎、副腎機能不全 |
コルチコトロピン増加、T4増加、T3減少、TSH減少、T3増加 |
||
精神神経系 |
味覚異常(11.6%)、頭痛(10.1%) |
浮動性めまい、末梢性ニューロパチー、不眠症、錯感覚、傾眠、知覚過敏、振戦、記憶障害 |
不安、感覚鈍麻、うつ病、失神、味覚消失、失語症、睡眠障害、注意力障害、失神寸前の状態、片頭痛、落ち着きのなさ |
|
眼 |
視力低下、霧視、流涙増加、羞明、眼瞼浮腫 |
|||
耳 |
耳鳴 |
回転性めまい、難聴、耳の障害、耳不快感 |
||
循環器 |
浮腫、低血圧、徐脈、動悸 |
潮紅、頻脈、トロポニン増加、不整脈、ほてり、QT延長、顔面浮腫 |
||
呼吸器 |
発声障害(27.1%) |
呼吸困難、咳嗽、口腔咽頭痛、鼻炎、労作性呼吸困難、鼻漏、上気道感染、肺炎 |
鼻閉、しゃっくり、鼻部障害 |
|
消化器 |
下痢(52.7%)、悪心(26.2%)、口内炎(18.6%)、嘔吐(12.8%) |
便秘、腹痛、消化不良、口内乾燥、口腔内痛、上腹部痛、鼓腸、舌痛、胃食道逆流性疾患、歯肉痛、腹部不快感、痔核、腹部膨満、嚥下障害、肛門の炎症、腸炎 |
肛門周囲痛、口腔知覚不全、口腔内潰瘍形成、舌炎、アフタ性口内炎、胃炎、歯肉炎、変色便、下腹部痛、歯痛、裂肛、嚥下痛、歯の障害、舌障害 |
|
膵臓 |
リパーゼ増加、アミラーゼ増加 |
|||
腎臓 |
蛋白尿、クレアチニン増加、尿酸増加、腎不全 |
頻尿、クレアチニンクリアランス減少、尿意切迫、尿路感染、排尿困難 |
||
血液 |
血小板減少、貧血、好中球減少 |
白血球減少、リンパ球減少、ヘモグロビン減少 |
ヘモグロビン増加、赤血球増加 |
|
代謝 |
食欲減退(23.7%) |
脱水、高脂血症、低リン酸血症、低マグネシウム血症、カリウム減少、高コレステロール血症、高血糖、低ナトリウム血症、カリウム増加 |
カルシウム増加、アルブミン減少、カルシウム減少 |
|
皮膚 |
手足症候群(30.4%)、発疹(18.6%)、そう痒症(10.8%) |
皮膚乾燥、皮膚障害、脱毛症、紅斑、過角化、ざ瘡、皮膚炎、皮膚剥脱、水疱、湿疹、寝汗、爪の障害 |
擦過傷、皮膚感染、爪破損、皮膚刺激、毛髪変色、多汗症、爪囲炎、爪色素沈着 |
|
筋骨格系 |
関節痛(10.3%) |
四肢痛、筋肉痛、背部痛、CPK増加、筋力低下、筋痙縮、筋骨格痛 |
筋骨格系胸痛、関節炎、頚部痛、側腹部痛、骨痛、筋固縮 |
|
その他 |
疲労(35.4%)、粘膜の炎症(13.9%)、体重減少(13.5%)、無力症(12.8%) |
悪寒、発熱、γ-GTP増加、疼痛、胸痛、ALP増加、インフルエンザ様疾患、倦怠感 |
体重増加、全身健康状態低下、カンジダ感染、粘膜乾燥、温度変化不耐症、乳頭痛、転倒、免疫応答低下、冷感、敗血症 |
15. その他の注意
15.2 非臨床試験に基づく情報
- 15.2.1 マウス及び成長板が閉鎖していないイヌを用いた反復投与毒性試験において、骨端軟骨の異形成が認められた。本所見の頻度及び程度は用量依存的であった。マウスでは歯科病変も認められた5) 。
- 15.2.2 反復投与毒性試験において、雄マウス及びイヌで精巣及び精巣上体の重量減少、萎縮又は変性、精子減少、異型精子等が、雌では性成熟遅延、黄体数の減少又は消失、子宮の重量減少及び萎縮等が認められた。これらの試験結果から生殖機能に障害を及ぼす可能性が示唆された5) 。[9.4 参照],[9.5 参照]
- 15.2.3 受胎能試験において、雌マウスで受胎率及び胚生存率の低下が認められており、本試験結果から妊孕性低下の可能性が示唆された5) 。[9.4 参照],[9.5 参照]