薬効分類名抗悪性腫瘍剤
(mTOR阻害剤)
一般的名称エベロリムス
アフィニトール錠2.5mg、アフィニトール錠5mg
あふぃにとーるじょう2.5mg、あふぃにとーるじょう5mg
AFINITOR tablets, AFINITOR tablets
製造販売/ノバルティスファーマ株式会社
重大な副作用
その他の副作用
併用注意
リファンピシン
リファブチン
本剤の血中濃度が低下することがあるので、併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用すること。やむを得ず併用する場合には、本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること。
これらの薬剤の代謝酵素(CYP3A4等)誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる。
抗てんかん剤
- フェノバルビタール
フェニトイン
カルバマゼピン等
抗HIV剤
- エファビレンツ
ネビラピン等
副腎皮質ホルモン剤
- デキサメタゾン
プレドニゾロン等
本剤の血中濃度が低下するおそれがある。併用する場合には、本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること。
これらの薬剤の代謝酵素(CYP3A4等)誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる。
アゾール系抗真菌剤
- イトラコナゾール
ボリコナゾール
フルコナゾール等
本剤の血中濃度が上昇することがあるので、併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用すること。やむを得ず併用する場合には、本剤を減量することを考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること。
代謝酵素(CYP3A4等)の抑制又は競合により、本剤の代謝が阻害されると考えられる。
マクロライド系抗生物質
- エリスロマイシン
クラリスロマイシン等
カルシウム拮抗剤
- ベラパミル
ニカルジピン
ジルチアゼム等
HIVプロテアーゼ阻害剤
- ネルフィナビル
インジナビル
ホスアンプレナビル
リトナビル等
本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。併用する場合には、本剤を減量することを考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること。
代謝酵素(CYP3A4等)の抑制又は競合により、本剤の代謝が阻害されると考えられる。
オムビタスビル・パリタプレビル・リトナビル
本剤のAUCが27倍、Cmaxが4.7倍に上昇したとの報告がある。やむを得ない場合を除き併用は避けること。やむを得ず併用する場合には、本剤を減量することを考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること。
リトナビルのCYP3A4阻害作用により、本剤の代謝が阻害される。
不活化ワクチン
- 不活化インフルエンザワクチン等
ワクチンの効果が得られないおそれがある。
免疫抑制作用によってワクチンに対する免疫が得られないおそれがある。
セイヨウオトギリソウ(St.John’s Wort,セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
本剤の血中濃度が低下するおそれがあるので、本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること。
セイヨウオトギリソウの代謝酵素誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる。
グレープフルーツジュース
本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので、本剤服用時は飲食を避けること。
グレープフルーツジュースが腸管の代謝酵素を阻害することによると考えられる。
シクロスポリン
本剤のバイオアベイラビリティが有意に増加したとの報告がある。併用する場合には、本剤を減量することを考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること。
代謝酵素(CYP3A4等)の競合により、本剤の代謝が阻害されると考えられる。
ミダゾラム(経口剤:国内未販売)等
ミダゾラム(経口剤:国内未販売)との併用により、ミダゾラムのCmax が25%、AUCが30%上昇したとの報告がある。
本剤がCYP3A4の基質となる薬剤の代謝を阻害し、血中濃度を上昇させる可能性がある。
1. 警告
- 1.1 本剤の投与は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法又は結節性硬化症治療に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本療法が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性(特に、間質性肺疾患の初期症状、服用中の注意事項、死亡に至った例があること等に関する情報)を十分に説明し、同意を得てから投与を開始すること。
- 1.2 本剤の投与により、間質性肺疾患が認められており、死亡に至った例が報告されている。投与に際しては咳嗽、呼吸困難、発熱等の臨床症状に注意するとともに、投与前及び投与中は定期的に胸部CT検査を実施すること。また、異常が認められた場合には適切な処置を行うとともに、投与継続の可否について慎重に検討すること。[7.2 参照],[8.1 参照],[9.1.1 参照],[11.1.1 参照]
- 1.3 肝炎ウイルスキャリアの患者で、本剤の治療期間中に肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り、死亡した例が報告されている。本剤投与期間中又は治療終了後は、劇症肝炎又は肝炎の増悪、肝不全が発現するおそれがあるので、定期的に肝機能検査を行うなど、肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること。[8.2 参照],[9.1.3 参照],[11.1.2 参照]
- 1.4 本剤とアフィニトール分散錠の生物学的同等性は示されていないので、切り換えに際しては、血中濃度を測定すること。[7.5 参照],[7.8 参照],[16.1.2 参照]
5. 効能又は効果に関連する注意
- 〈根治切除不能又は転移性の腎細胞癌〉
- 〈神経内分泌腫瘍〉
- 〈手術不能又は再発乳癌〉
-
〈結節性硬化症〉
- 5.7 成人腎血管筋脂肪腫、上衣下巨細胞性星細胞腫及びてんかん部分発作の場合、臨床試験に組み入れられた患者の腫瘍径やてんかん発作型等について、「17. 臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、本剤以外の治療の実施についても慎重に検討し、適応患者の選択を行うこと。
- 5.8 成人腎血管筋脂肪腫、上衣下巨細胞性星細胞腫及びてんかん部分発作以外の症状に対する本剤の有効性及び安全性は確立していないため、これらの患者に投与する場合には、リスクとベネフィットを十分考慮すること。
- 5.9 てんかん部分発作の場合、本剤単剤での投与及び抗てんかん薬で十分な効果が認められる患者に対する本剤の併用投与における有効性及び安全性は確立していない。
6. 用法及び用量
-
〈根治切除不能又は転移性の腎細胞癌、神経内分泌腫瘍〉
通常、成人にはエベロリムスとして1日1回10mgを経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
-
〈手術不能又は再発乳癌〉
内分泌療法剤との併用において、通常、成人にはエベロリムスとして1日1回10mgを経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
-
〈結節性硬化症〉
成人の結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫の場合
通常、エベロリムスとして1日1回10mgを経口投与する。なお、患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する。
上記以外の場合
通常、エベロリムスとして3.0mg/m2を1日1回経口投与する。なお、患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する。
7. 用法及び用量に関連する注意
-
〈効能共通〉
- 7.1 食後に本剤を投与した場合、Cmax及びAUCが低下するとの報告がある。本剤の投与時期は、臨床試験における設定内容に準じて選択し、食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること。[16.2.1 参照],[17.1.1 参照],[17.1.2 参照],[17.1.3 参照],[17.1.4 参照],[17.1.5 参照],[17.1.6 参照],[17.1.7 参照],[17.1.8 参照]
-
7.2 間質性肺疾患が発現した場合は、症状、重症度等に応じて、以下の基準を考慮して、減量、休薬又は中止すること。[1.2 参照],[8.1 参照],[9.1.1 参照],[11.1.1 参照]
間質性肺疾患に対する減量、休薬及び中止基準 グレード注)(症状)
投与の可否等
グレード1(無症候性の画像所見)
投与継続
グレード2(症候性:日常生活に支障なし)
症状が改善するまで休薬すること。投与を再開する場合は、半量の投与とする。
グレード3(症候性:日常生活に支障あり、酸素療法を要する)
本剤の投与を中止し、原則として再開しないこと。ただし、症状が改善し、かつ治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合のみ、半量の投与で再開可能とする。
グレード4(生命を脅かす:人工呼吸を要する)
投与中止
注)NCI-CTCAE v.3.0
- 〈根治切除不能又は転移性の腎細胞癌及び神経内分泌腫瘍〉
-
〈手術不能又は再発乳癌〉
- 7.4 エキセメスタン以外の内分泌療法剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。[17.1.4 参照]
-
〈結節性硬化症〉
- 7.5 本剤とアフィニトール分散錠の生物学的同等性は示されていない。本剤とアフィニトール分散錠の切り換えに際しては、切り換えから 2週間後を目安に血中トラフ濃度を測定すること。[1.4 参照],[16.1.2 参照]
- 7.6 成人腎血管筋脂肪腫以外の場合は本剤の全血中濃度を測定し、血中トラフ濃度が5~15ng/mLとなるように投与量を調節すること。
- 7.7 成人腎血管筋脂肪腫の場合は必要に応じて本剤の全血中濃度を測定し、血中トラフ濃度が5~15ng/mLとなるように投与量を調節すること。
- 7.8 血中トラフ濃度は、本剤の投与開始又は用量変更から 2週間後を目安に測定するとともに、本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと。[1.4 参照],[9.3 参照],[10 参照],[16.6.3 参照]
8. 重要な基本的注意
-
8.1 間質性肺疾患があらわれることがあるので、投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意すること。また、患者に対し、咳嗽、呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には、直ちに連絡するよう指導すること。
- 投与開始前
胸部CT検査を実施し、咳嗽、呼吸困難、発熱等の臨床症状の有無と併せて、投与開始の可否を慎重に判断すること。 - 投与開始後
定期的に胸部CT検査を実施し、肺の異常所見の有無を慎重に観察すること。
なお、小児に対する胸部CT検査の実施に際しては、診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること。[1.2 参照],[7.2 参照],[9.1.1 参照],[11.1.1 参照]
- 投与開始前
- 8.2 本剤投与により、肝炎ウイルス、結核等が再活性化することがあるので、本剤投与に先立って肝炎ウイルス、結核等の感染の有無を確認し、本剤投与前に適切な処置をしておくこと。本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること。[1.3 参照],[9.1.2 参照],[9.1.3 参照],[11.1.2 参照]
- 8.3 重篤な腎障害があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン、BUN等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと。[11.1.3 参照]
- 8.4 高血糖があらわれることがあるので、投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うこと。また、本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと。[11.1.4 参照]
- 8.5 ヘモグロビン減少、リンパ球減少、好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと。[11.1.5 参照]
- 8.6 心嚢液貯留があらわれることがあるので、使用に際しては心電図、心エコー、胸部X線検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。[11.1.16 参照]
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
-
9.1.1 肺に間質性陰影を認める患者
間質性肺疾患が発症、重症化するおそれがある。[1.2 参照],[7.2 参照],[8.1 参照],[11.1.1 参照]
-
9.1.2 感染症を合併している患者
免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある。[8.2 参照],[11.1.2 参照]
-
9.1.3 肝炎ウイルス、結核等の感染又は既往を有する患者
免疫抑制により肝炎ウイルス、結核等が再活性化することがある。また、B型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある。[1.3 参照],[8.2 参照],[11.1.2 参照]
9.3 肝機能障害患者
減量を考慮するとともに、患者の状態をより慎重に観察し、有害事象の発現に十分注意すること。また、結節性硬化症患者では、本剤の血中トラフ濃度に基づいて投与量を調節すること。本剤の血中濃度が上昇するとの報告がある。[7.8 参照],[16.6.2 参照]
9.4 生殖能を有する者
妊娠可能な女性には、本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること。[9.5 参照]
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている。
9.7 小児等
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。
10. 相互作用
- 本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され、腸管に存在するCYP3A4によっても代謝される。また、本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため、本剤経口投与後の吸収と消失は、CYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられる。
CYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については、他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮し、CYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けること。また、結節性硬化症患者では、当該薬剤を併用したり中止する場合は、必ず本剤の血中トラフ濃度を測定し、投与量を調節すること。[7.8 参照],[16.4 参照]
10.1 併用禁忌(併用しないこと)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
生ワクチン(乾燥弱毒生麻しんワクチン、乾燥弱毒生風しんワクチン、経口生ポリオワクチン、乾燥BCG等) |
免疫抑制下で生ワクチンを接種すると発症するおそれがあるので併用しないこと。 |
免疫抑制下で生ワクチンを接種すると増殖し、病原性をあらわす可能性がある。 |
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
リファンピシン |
本剤の血中濃度が低下することがあるので、併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用すること。やむを得ず併用する場合には、本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること。 |
これらの薬剤の代謝酵素(CYP3A4等)誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる。 |
本剤の血中濃度が低下するおそれがある。併用する場合には、本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること。 |
これらの薬剤の代謝酵素(CYP3A4等)誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる。 |
|
本剤の血中濃度が上昇することがあるので、併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用すること。やむを得ず併用する場合には、本剤を減量することを考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること。 |
代謝酵素(CYP3A4等)の抑制又は競合により、本剤の代謝が阻害されると考えられる。 |
|
本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。併用する場合には、本剤を減量することを考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること。 |
代謝酵素(CYP3A4等)の抑制又は競合により、本剤の代謝が阻害されると考えられる。 |
|
オムビタスビル・パリタプレビル・リトナビル |
本剤のAUCが27倍、Cmaxが4.7倍に上昇したとの報告がある。やむを得ない場合を除き併用は避けること。やむを得ず併用する場合には、本剤を減量することを考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること。 |
リトナビルのCYP3A4阻害作用により、本剤の代謝が阻害される。 |
ワクチンの効果が得られないおそれがある。 |
免疫抑制作用によってワクチンに対する免疫が得られないおそれがある。 |
|
セイヨウオトギリソウ(St.John’s Wort,セント・ジョーンズ・ワート)含有食品 |
本剤の血中濃度が低下するおそれがあるので、本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること。 |
セイヨウオトギリソウの代謝酵素誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる。 |
グレープフルーツジュース |
本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので、本剤服用時は飲食を避けること。 |
グレープフルーツジュースが腸管の代謝酵素を阻害することによると考えられる。 |
シクロスポリン |
本剤のバイオアベイラビリティが有意に増加したとの報告がある。併用する場合には、本剤を減量することを考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること。 |
代謝酵素(CYP3A4等)の競合により、本剤の代謝が阻害されると考えられる。 |
ミダゾラム(経口剤:国内未販売)等 |
ミダゾラム(経口剤:国内未販売)との併用により、ミダゾラムのCmax が25%、AUCが30%上昇したとの報告がある。 |
本剤がCYP3A4の基質となる薬剤の代謝を阻害し、血中濃度を上昇させる可能性がある。 |
11. 副作用
11.1 重大な副作用
-
11.1.1 間質性肺疾患(11.6%)
間質性肺疾患(肺臓炎、間質性肺炎、肺浸潤、胞隔炎、肺胞出血、肺毒性等を含む)があらわれることがあり、未回復のまま死亡に至った例が報告されている。咳嗽、呼吸困難、発熱等の臨床症状がみられた患者で、感染、腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には、間質性肺疾患の診断を考慮し、必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]、酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること。[1.2 参照],[7.2 参照],[8.1 参照],[9.1.1 参照]
-
11.1.2 感染症(28.9%)
細菌、真菌、ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎、アスペルギルス症、カンジダ症、敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することがあり、死亡に至った症例が報告されている。また、B型肝炎ウイルスの再活性化により、肝不全に至り、死亡した症例が報告されている。さらに、結節性硬化症患者を対象とした臨床試験において、6 歳未満の患者で感染症の頻度及び重篤度が高くなったとの報告がある。これらの感染症の診断がされた場合、直ちに本剤を休薬又は中止し、適切な処置を行うこと。侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合、直ちに本剤の投与を中止し、適切な抗真菌剤を投与すること。この場合は、本剤の投与は再開しないこと。[1.3 参照],[8.2 参照],[9.1.2 参照],[9.1.3 参照]
-
11.1.3 腎不全(0.9%)
重篤な腎障害があらわれることがあり、腎不全が急速に悪化した例も報告されている。[8.3 参照]
- 11.1.4 高血糖(8.6%)、糖尿病の発症又は増悪(2.7%)
-
11.1.5 貧血(14.1%)、ヘモグロビン減少(2.1%)、白血球減少(4.9%)、リンパ球減少(3.8%)、好中球減少(6.7%)、血小板減少(8.6%)
血小板減少が生じた結果、消化管出血等の出血に至った症例も報告されている。[8.5 参照]
-
11.1.6 口内炎(62.1%)
口内炎、口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがある。
-
11.1.7 アナフィラキシー(頻度不明)
アナフィラキシー(呼吸困難、顔面紅潮、胸痛、血管浮腫等)があらわれることがある。
-
11.1.8 急性呼吸窮迫症候群(0.1%)
急速に進行する呼吸困難、低酸素症、両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 11.1.9 肺塞栓症(0.3%)、深部静脈血栓症(0.2%)
-
11.1.10 悪性腫瘍(二次発癌)(0.1%未満)
悪性リンパ腫、リンパ増殖性疾患、悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがある。
-
11.1.11 創傷治癒不良
創傷治癒不良(0.2%)や創傷治癒不良による創傷感染(0.1%)、瘢痕ヘルニア(頻度不明)、創離開(0.1%未満)等の合併症があらわれることがある。
-
11.1.12 進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)
本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し、意識障害、認知障害、麻痺症状(片麻痺、四肢麻痺)、言語障害等の症状があらわれた場合は、MRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 11.1.13 BKウイルス腎症(頻度不明)
-
11.1.14 血栓性微小血管障害(頻度不明)
溶血性尿毒症症候群(HUS:血小板減少、溶血性貧血、腎不全を主徴とする)、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少、微小血管性溶血性貧血、腎機能障害、精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがある。
- 11.1.15 肺胞蛋白症(頻度不明)
- 11.1.16 心嚢液貯留(0.3%)
11.2 その他の副作用
10%以上 |
1%~10%未満 |
1%未満 |
頻度不明 |
|
|---|---|---|---|---|
代謝・栄養 |
食欲減退、高コレステロール血症 |
低リン酸血症、脱水、低カリウム血症、高トリグリセリド血症、高脂血症、低比重リポ蛋白(LDL)増加 |
鉄欠乏、低血糖症 |
血中カリウム増加 |
精神・神経系 |
味覚異常 |
頭痛、不眠症 |
激越、味覚消失、攻撃性、痙攣 |
― |
眼 |
― |
結膜炎 |
― |
― |
心血管系 |
― |
高血圧 |
うっ血性心不全 |
― |
呼吸器 |
咳嗽 |
鼻出血、呼吸困難 |
喀血、咽頭の炎症 |
― |
消化器 |
下痢、悪心 |
嘔吐、口内乾燥、腹痛、消化不良、鼓腸、便秘、歯肉炎 |
胃腸潰瘍、嚥下障害、胃炎 |
― |
肝臓 |
― |
AST、ALT、γ-GTP、ALPの増加 |
血中ビリルビン増加 |
― |
皮膚 |
発疹(紅斑、丘疹、斑状丘疹状皮疹、全身性皮疹、斑状皮疹) |
そう痒症、皮膚乾燥、手足症候群、ざ瘡、爪の障害、ざ瘡様皮膚炎 |
血管浮腫 |
白血球破砕性血管炎 |
筋骨格系 |
― |
関節痛 |
― |
― |
腎臓・泌尿器 |
― |
血中クレアチニン増加、蛋白尿 |
昼間頻尿 |
― |
生殖器 |
― |
不規則月経、無月経 |
月経過多、月経遅延、男性性腺機能低下(テストステロン減少、黄体形成ホルモン増加、卵胞刺激ホルモン増加)、卵巣嚢胞、無精子症 |
― |
全身症状 |
疲労、無力症、浮腫 |
体重減少、発熱、粘膜の炎症 |
胸痛、易刺激性、歩行障害 |
― |
その他 |
― |
LDH増加、出血(膣出血、網膜出血、メレナ、血尿等)注) |
血中フィブリノーゲン減少、高クレアチン血症、APTT延長、血中アルブミン減少 |
血中IgG減少 |
1. 警告
- 1.1 本剤の投与は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法又は結節性硬化症治療に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本療法が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性(特に、間質性肺疾患の初期症状、服用中の注意事項、死亡に至った例があること等に関する情報)を十分に説明し、同意を得てから投与を開始すること。
- 1.2 本剤の投与により、間質性肺疾患が認められており、死亡に至った例が報告されている。投与に際しては咳嗽、呼吸困難、発熱等の臨床症状に注意するとともに、投与前及び投与中は定期的に胸部CT検査を実施すること。また、異常が認められた場合には適切な処置を行うとともに、投与継続の可否について慎重に検討すること。[7.2 参照],[8.1 参照],[9.1.1 参照],[11.1.1 参照]
- 1.3 肝炎ウイルスキャリアの患者で、本剤の治療期間中に肝炎ウイルスの再活性化により肝不全に至り、死亡した例が報告されている。本剤投与期間中又は治療終了後は、劇症肝炎又は肝炎の増悪、肝不全が発現するおそれがあるので、定期的に肝機能検査を行うなど、肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること。[8.2 参照],[9.1.3 参照],[11.1.2 参照]
- 1.4 本剤とアフィニトール分散錠の生物学的同等性は示されていないので、切り換えに際しては、血中濃度を測定すること。[7.5 参照],[7.8 参照],[16.1.2 参照]
5. 効能又は効果に関連する注意
- 〈根治切除不能又は転移性の腎細胞癌〉
- 〈神経内分泌腫瘍〉
- 〈手術不能又は再発乳癌〉
-
〈結節性硬化症〉
- 5.7 成人腎血管筋脂肪腫、上衣下巨細胞性星細胞腫及びてんかん部分発作の場合、臨床試験に組み入れられた患者の腫瘍径やてんかん発作型等について、「17. 臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、本剤以外の治療の実施についても慎重に検討し、適応患者の選択を行うこと。
- 5.8 成人腎血管筋脂肪腫、上衣下巨細胞性星細胞腫及びてんかん部分発作以外の症状に対する本剤の有効性及び安全性は確立していないため、これらの患者に投与する場合には、リスクとベネフィットを十分考慮すること。
- 5.9 てんかん部分発作の場合、本剤単剤での投与及び抗てんかん薬で十分な効果が認められる患者に対する本剤の併用投与における有効性及び安全性は確立していない。
6. 用法及び用量
-
〈根治切除不能又は転移性の腎細胞癌、神経内分泌腫瘍〉
通常、成人にはエベロリムスとして1日1回10mgを経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
-
〈手術不能又は再発乳癌〉
内分泌療法剤との併用において、通常、成人にはエベロリムスとして1日1回10mgを経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
-
〈結節性硬化症〉
成人の結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫の場合
通常、エベロリムスとして1日1回10mgを経口投与する。なお、患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する。
上記以外の場合
通常、エベロリムスとして3.0mg/m2を1日1回経口投与する。なお、患者の状態やトラフ濃度により適宜増減する。
7. 用法及び用量に関連する注意
-
〈効能共通〉
- 7.1 食後に本剤を投与した場合、Cmax及びAUCが低下するとの報告がある。本剤の投与時期は、臨床試験における設定内容に準じて選択し、食後又は空腹時のいずれか一定の条件で投与すること。[16.2.1 参照],[17.1.1 参照],[17.1.2 参照],[17.1.3 参照],[17.1.4 参照],[17.1.5 参照],[17.1.6 参照],[17.1.7 参照],[17.1.8 参照]
-
7.2 間質性肺疾患が発現した場合は、症状、重症度等に応じて、以下の基準を考慮して、減量、休薬又は中止すること。[1.2 参照],[8.1 参照],[9.1.1 参照],[11.1.1 参照]
間質性肺疾患に対する減量、休薬及び中止基準 グレード注)(症状)
投与の可否等
グレード1(無症候性の画像所見)
投与継続
グレード2(症候性:日常生活に支障なし)
症状が改善するまで休薬すること。投与を再開する場合は、半量の投与とする。
グレード3(症候性:日常生活に支障あり、酸素療法を要する)
本剤の投与を中止し、原則として再開しないこと。ただし、症状が改善し、かつ治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合のみ、半量の投与で再開可能とする。
グレード4(生命を脅かす:人工呼吸を要する)
投与中止
注)NCI-CTCAE v.3.0
- 〈根治切除不能又は転移性の腎細胞癌及び神経内分泌腫瘍〉
-
〈手術不能又は再発乳癌〉
- 7.4 エキセメスタン以外の内分泌療法剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。[17.1.4 参照]
-
〈結節性硬化症〉
- 7.5 本剤とアフィニトール分散錠の生物学的同等性は示されていない。本剤とアフィニトール分散錠の切り換えに際しては、切り換えから 2週間後を目安に血中トラフ濃度を測定すること。[1.4 参照],[16.1.2 参照]
- 7.6 成人腎血管筋脂肪腫以外の場合は本剤の全血中濃度を測定し、血中トラフ濃度が5~15ng/mLとなるように投与量を調節すること。
- 7.7 成人腎血管筋脂肪腫の場合は必要に応じて本剤の全血中濃度を測定し、血中トラフ濃度が5~15ng/mLとなるように投与量を調節すること。
- 7.8 血中トラフ濃度は、本剤の投与開始又は用量変更から 2週間後を目安に測定するとともに、本剤の血中濃度に影響を及ぼす患者の状態に応じて適宜測定を行うこと。[1.4 参照],[9.3 参照],[10 参照],[16.6.3 参照]
8. 重要な基本的注意
-
8.1 間質性肺疾患があらわれることがあるので、投与開始前及び投与開始後は以下の点に注意すること。また、患者に対し、咳嗽、呼吸困難等の呼吸器症状があらわれた場合には、直ちに連絡するよう指導すること。
- 投与開始前
胸部CT検査を実施し、咳嗽、呼吸困難、発熱等の臨床症状の有無と併せて、投与開始の可否を慎重に判断すること。 - 投与開始後
定期的に胸部CT検査を実施し、肺の異常所見の有無を慎重に観察すること。
なお、小児に対する胸部CT検査の実施に際しては、診断上の有益性と被曝による不利益を考慮すること。[1.2 参照],[7.2 参照],[9.1.1 参照],[11.1.1 参照]
- 投与開始前
- 8.2 本剤投与により、肝炎ウイルス、結核等が再活性化することがあるので、本剤投与に先立って肝炎ウイルス、結核等の感染の有無を確認し、本剤投与前に適切な処置をしておくこと。本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること。[1.3 参照],[9.1.2 参照],[9.1.3 参照],[11.1.2 参照]
- 8.3 重篤な腎障害があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血清クレアチニン、BUN等の腎機能検査及び尿蛋白等の尿検査を行うこと。[11.1.3 参照]
- 8.4 高血糖があらわれることがあるので、投与開始前及び投与開始後は定期的に空腹時血糖値の測定を行うこと。また、本剤の投与を開始する前に血糖値を適切にコントロールしておくこと。[11.1.4 参照]
- 8.5 ヘモグロビン減少、リンパ球減少、好中球減少及び血小板減少があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び投与開始後は定期的に血液検査(血球数算定等)を行うこと。[11.1.5 参照]
- 8.6 心嚢液貯留があらわれることがあるので、使用に際しては心電図、心エコー、胸部X線検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。[11.1.16 参照]
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
-
9.1.1 肺に間質性陰影を認める患者
間質性肺疾患が発症、重症化するおそれがある。[1.2 参照],[7.2 参照],[8.1 参照],[11.1.1 参照]
-
9.1.2 感染症を合併している患者
免疫抑制により感染症が悪化するおそれがある。[8.2 参照],[11.1.2 参照]
-
9.1.3 肝炎ウイルス、結核等の感染又は既往を有する患者
免疫抑制により肝炎ウイルス、結核等が再活性化することがある。また、B型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者においてB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがある。[1.3 参照],[8.2 参照],[11.1.2 参照]
9.3 肝機能障害患者
減量を考慮するとともに、患者の状態をより慎重に観察し、有害事象の発現に十分注意すること。また、結節性硬化症患者では、本剤の血中トラフ濃度に基づいて投与量を調節すること。本剤の血中濃度が上昇するとの報告がある。[7.8 参照],[16.6.2 参照]
9.4 生殖能を有する者
妊娠可能な女性には、本剤投与期間中及び治療終了から最低8週間は適切な避妊法を用いるよう指導すること。[9.5 参照]
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)において乳汁中に移行することが報告されている。
9.7 小児等
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。
10. 相互作用
- 本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4によって代謝され、腸管に存在するCYP3A4によっても代謝される。また、本剤はP糖蛋白(Pgp)の基質でもあるため、本剤経口投与後の吸収と消失は、CYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤により影響を受けると考えられる。
CYP3A4又はPgp阻害あるいは誘導作用を有する薬剤については、他の類薬に変更する又は当該薬剤を休薬する等を考慮し、CYP3A4又はPgpに影響を及ぼす薬剤との併用は可能な限り避けること。また、結節性硬化症患者では、当該薬剤を併用したり中止する場合は、必ず本剤の血中トラフ濃度を測定し、投与量を調節すること。[7.8 参照],[16.4 参照]
10.1 併用禁忌(併用しないこと)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
生ワクチン(乾燥弱毒生麻しんワクチン、乾燥弱毒生風しんワクチン、経口生ポリオワクチン、乾燥BCG等) |
免疫抑制下で生ワクチンを接種すると発症するおそれがあるので併用しないこと。 |
免疫抑制下で生ワクチンを接種すると増殖し、病原性をあらわす可能性がある。 |
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
リファンピシン |
本剤の血中濃度が低下することがあるので、併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用すること。やむを得ず併用する場合には、本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること。 |
これらの薬剤の代謝酵素(CYP3A4等)誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる。 |
本剤の血中濃度が低下するおそれがある。併用する場合には、本剤の有効性が減弱する可能性があることを考慮すること。 |
これらの薬剤の代謝酵素(CYP3A4等)誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる。 |
|
本剤の血中濃度が上昇することがあるので、併用する場合には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ使用すること。やむを得ず併用する場合には、本剤を減量することを考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること。 |
代謝酵素(CYP3A4等)の抑制又は競合により、本剤の代謝が阻害されると考えられる。 |
|
本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。併用する場合には、本剤を減量することを考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること。 |
代謝酵素(CYP3A4等)の抑制又は競合により、本剤の代謝が阻害されると考えられる。 |
|
オムビタスビル・パリタプレビル・リトナビル |
本剤のAUCが27倍、Cmaxが4.7倍に上昇したとの報告がある。やむを得ない場合を除き併用は避けること。やむを得ず併用する場合には、本剤を減量することを考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること。 |
リトナビルのCYP3A4阻害作用により、本剤の代謝が阻害される。 |
ワクチンの効果が得られないおそれがある。 |
免疫抑制作用によってワクチンに対する免疫が得られないおそれがある。 |
|
セイヨウオトギリソウ(St.John’s Wort,セント・ジョーンズ・ワート)含有食品 |
本剤の血中濃度が低下するおそれがあるので、本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること。 |
セイヨウオトギリソウの代謝酵素誘導作用により本剤の代謝が促進されると考えられる。 |
グレープフルーツジュース |
本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので、本剤服用時は飲食を避けること。 |
グレープフルーツジュースが腸管の代謝酵素を阻害することによると考えられる。 |
シクロスポリン |
本剤のバイオアベイラビリティが有意に増加したとの報告がある。併用する場合には、本剤を減量することを考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること。 |
代謝酵素(CYP3A4等)の競合により、本剤の代謝が阻害されると考えられる。 |
ミダゾラム(経口剤:国内未販売)等 |
ミダゾラム(経口剤:国内未販売)との併用により、ミダゾラムのCmax が25%、AUCが30%上昇したとの報告がある。 |
本剤がCYP3A4の基質となる薬剤の代謝を阻害し、血中濃度を上昇させる可能性がある。 |
11. 副作用
11.1 重大な副作用
-
11.1.1 間質性肺疾患(11.6%)
間質性肺疾患(肺臓炎、間質性肺炎、肺浸潤、胞隔炎、肺胞出血、肺毒性等を含む)があらわれることがあり、未回復のまま死亡に至った例が報告されている。咳嗽、呼吸困難、発熱等の臨床症状がみられた患者で、感染、腫瘍及びその他の医学的な原因が適切な検査で除外された場合には、間質性肺疾患の診断を考慮し、必要に応じて肺機能検査(肺拡散能力[DLCO]、酸素飽和度等)及び追加の画像検査を実施すること。[1.2 参照],[7.2 参照],[8.1 参照],[9.1.1 参照]
-
11.1.2 感染症(28.9%)
細菌、真菌、ウイルスあるいは原虫による重篤な感染症(ニューモシスチス肺炎を含む肺炎、アスペルギルス症、カンジダ症、敗血症等)や日和見感染が発現又は悪化することがあり、死亡に至った症例が報告されている。また、B型肝炎ウイルスの再活性化により、肝不全に至り、死亡した症例が報告されている。さらに、結節性硬化症患者を対象とした臨床試験において、6 歳未満の患者で感染症の頻度及び重篤度が高くなったとの報告がある。これらの感染症の診断がされた場合、直ちに本剤を休薬又は中止し、適切な処置を行うこと。侵襲性の全身性真菌感染の診断がされた場合、直ちに本剤の投与を中止し、適切な抗真菌剤を投与すること。この場合は、本剤の投与は再開しないこと。[1.3 参照],[8.2 参照],[9.1.2 参照],[9.1.3 参照]
-
11.1.3 腎不全(0.9%)
重篤な腎障害があらわれることがあり、腎不全が急速に悪化した例も報告されている。[8.3 参照]
- 11.1.4 高血糖(8.6%)、糖尿病の発症又は増悪(2.7%)
-
11.1.5 貧血(14.1%)、ヘモグロビン減少(2.1%)、白血球減少(4.9%)、リンパ球減少(3.8%)、好中球減少(6.7%)、血小板減少(8.6%)
血小板減少が生じた結果、消化管出血等の出血に至った症例も報告されている。[8.5 参照]
-
11.1.6 口内炎(62.1%)
口内炎、口腔粘膜炎及び口腔内潰瘍等があらわれることがある。
-
11.1.7 アナフィラキシー(頻度不明)
アナフィラキシー(呼吸困難、顔面紅潮、胸痛、血管浮腫等)があらわれることがある。
-
11.1.8 急性呼吸窮迫症候群(0.1%)
急速に進行する呼吸困難、低酸素症、両側性びまん性肺浸潤影等の胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 11.1.9 肺塞栓症(0.3%)、深部静脈血栓症(0.2%)
-
11.1.10 悪性腫瘍(二次発癌)(0.1%未満)
悪性リンパ腫、リンパ増殖性疾患、悪性腫瘍(特に皮膚)があらわれることがある。
-
11.1.11 創傷治癒不良
創傷治癒不良(0.2%)や創傷治癒不良による創傷感染(0.1%)、瘢痕ヘルニア(頻度不明)、創離開(0.1%未満)等の合併症があらわれることがある。
-
11.1.12 進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)
本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し、意識障害、認知障害、麻痺症状(片麻痺、四肢麻痺)、言語障害等の症状があらわれた場合は、MRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 11.1.13 BKウイルス腎症(頻度不明)
-
11.1.14 血栓性微小血管障害(頻度不明)
溶血性尿毒症症候群(HUS:血小板減少、溶血性貧血、腎不全を主徴とする)、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)様症状(血小板減少、微小血管性溶血性貧血、腎機能障害、精神症状を主徴とする)等の血栓性微小血管障害があらわれることがある。
- 11.1.15 肺胞蛋白症(頻度不明)
- 11.1.16 心嚢液貯留(0.3%)
11.2 その他の副作用
10%以上 |
1%~10%未満 |
1%未満 |
頻度不明 |
|
|---|---|---|---|---|
代謝・栄養 |
食欲減退、高コレステロール血症 |
低リン酸血症、脱水、低カリウム血症、高トリグリセリド血症、高脂血症、低比重リポ蛋白(LDL)増加 |
鉄欠乏、低血糖症 |
血中カリウム増加 |
精神・神経系 |
味覚異常 |
頭痛、不眠症 |
激越、味覚消失、攻撃性、痙攣 |
― |
眼 |
― |
結膜炎 |
― |
― |
心血管系 |
― |
高血圧 |
うっ血性心不全 |
― |
呼吸器 |
咳嗽 |
鼻出血、呼吸困難 |
喀血、咽頭の炎症 |
― |
消化器 |
下痢、悪心 |
嘔吐、口内乾燥、腹痛、消化不良、鼓腸、便秘、歯肉炎 |
胃腸潰瘍、嚥下障害、胃炎 |
― |
肝臓 |
― |
AST、ALT、γ-GTP、ALPの増加 |
血中ビリルビン増加 |
― |
皮膚 |
発疹(紅斑、丘疹、斑状丘疹状皮疹、全身性皮疹、斑状皮疹) |
そう痒症、皮膚乾燥、手足症候群、ざ瘡、爪の障害、ざ瘡様皮膚炎 |
血管浮腫 |
白血球破砕性血管炎 |
筋骨格系 |
― |
関節痛 |
― |
― |
腎臓・泌尿器 |
― |
血中クレアチニン増加、蛋白尿 |
昼間頻尿 |
― |
生殖器 |
― |
不規則月経、無月経 |
月経過多、月経遅延、男性性腺機能低下(テストステロン減少、黄体形成ホルモン増加、卵胞刺激ホルモン増加)、卵巣嚢胞、無精子症 |
― |
全身症状 |
疲労、無力症、浮腫 |
体重減少、発熱、粘膜の炎症 |
胸痛、易刺激性、歩行障害 |
― |
その他 |
― |
LDH増加、出血(膣出血、網膜出血、メレナ、血尿等)注) |
血中フィブリノーゲン減少、高クレアチン血症、APTT延長、血中アルブミン減少 |
血中IgG減少 |