薬効分類名抗悪性腫瘍剤
一般的名称フルダラビンリン酸エステル点滴静注用
フルダラ静注用50mg
ふるだらじょうちゅうよう50mg
Fludara I.V.Infusion
製造販売元/サノフィ株式会社
重大な副作用
その他の副作用
併用注意
シタラビン
骨髄抑制等の副作用が増強するおそれがある。
in vivo試験及びin vitro試験において、シタラビンの活性代謝物であるara-CTPの細胞内濃度の上昇が認められている。
他の抗悪性腫瘍剤
骨髄抑制等の副作用が増強するおそれがある。
ともに骨髄抑制作用を有する。
1. 警告
-
1.1 本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍の治療に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に本剤の有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
同種造血幹細胞移植の前治療として本剤を使用する場合には、同種造血幹細胞移植に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、適切と判断される症例についてのみ投与すること。 - 1.2 骨髄抑制により感染症又は出血傾向等の重篤な副作用が増悪又は発現することがあるので、頻回に臨床検査(血液検査、肝機能・腎機能検査等)を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。[8.1 参照],[9.1.1 参照],[11.1.1 参照],[11.1.5 参照]
- 1.3 遷延性のリンパ球減少により、重症の免疫不全が増悪又は発現する可能性があるので、頻回に臨床検査(血液検査等)を行うなど、免疫不全の徴候について綿密な検査を行うこと。[8.2 参照]
- 1.4 致命的な自己免疫性溶血性貧血が報告されているので、自己免疫性溶血性貧血の既往歴の有無、クームス試験の結果に拘わらず、溶血性貧血の徴候について綿密な検査を行うこと。[11.1.6 参照]
- 1.5 放射線非照射血の輸血により移植片対宿主病(GVHD:graft versus host disease)があらわれることがあるので、本剤による治療中又は治療後の患者で輸血を必要とする場合は、照射処理された血液を輸血すること。[11.1.6 参照]
- 1.6 ペントスタチンとの併用により致命的な肺毒性が報告されているので併用しないこと。[2.3 参照],[10.1 参照]
2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)
- 2.1 重篤な腎障害のある患者(クレアチニンクリアランス〈24時間蓄尿により測定〉が30mL/分未満の患者)[9.2.1 参照]
- 2.2 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5 参照]
- 2.3 ペントスタチンを投与中の患者[1.6 参照],[10.1 参照]
- 2.4 フルダラビンリン酸エステルにより溶血性貧血を起こしたことのある患者[重篤な溶血性貧血を起こすおそれがある。][11.1.6 参照]
- 2.5 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 2.6 重症感染症を合併している患者[特に同種造血幹細胞移植の前治療に本剤を投与する場合は、感染症が増悪し致命的となることがある。][9.1.1 参照]
6. 用法及び用量
-
〈貧血又は血小板減少症を伴う慢性リンパ性白血病、再発又は難治性の低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫及びマントル細胞リンパ腫〉
通常、成人にはフルダラビンリン酸エステルとして、1日量20mg/m2(体表面積)を5日間連日点滴静注(約30分)し、23日間休薬する。これを1クールとし、投薬を繰り返す。
なお、患者の状態により適宜増減する。 -
〈同種造血幹細胞移植の前治療〉
フルダラビンリン酸エステルとして、1日量30mg/m2(体表面積)を6日間連日点滴静注(約30分)する。なお、患者の状態により、投与量及び投与日数は適宜減ずる。
-
〈腫瘍特異的T細胞輸注療法の前処置〉
再生医療等製品の用法及び用量又は使用方法に基づき使用する。
-
〈再発又は難治性の急性骨髄性白血病〉
*他の抗悪性腫瘍剤等との併用において、通常、フルダラビンリン酸エステルとして、1日量30mg/m2(体表面積)を5日間連日点滴静注(約30分)する。なお、患者の状態により、投与量及び投与日数は適宜減ずる。
7. 用法及び用量に関連する注意
-
〈慢性リンパ性白血病、低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫及びマントル細胞リンパ腫〉
- 7.1 腎機能が低下している患者(クレアチニンクリアランスが30~70mL/分)では、腎機能の低下に応じて次のような目安により投与量を減量し、安全性を確認しながら慎重に投与すること。[9.2.2 参照],[16.6.1 参照]
- 7.2 本剤投与にあたっては、好中球、血小板等の変動に十分留意し、前クールにおいて、高度の骨髄抑制が認められなかった場合に限り増量(最大25mg/m2/日)を考慮する。
- 〈同種造血幹細胞移植の前治療〉
8. 重要な基本的注意
-
〈効能共通〉
- 8.1 骨髄抑制により感染症又は出血傾向等の重篤な副作用が増悪又は発現することがあるので、頻回に臨床検査(血液検査、肝機能・腎機能検査等)を行うこと。また、使用が長期間にわたると副作用が強くあらわれ、遷延性に推移することがあるので、投与は慎重に行うこと。[1.2 参照],[9.1.1 参照],[11.1.1 参照],[11.1.5 参照],[11.1.9 参照],[11.1.10 参照],[15.1.3 参照]
- 8.2 遷延性のリンパ球減少(特にCD4陽性リンパ球の減少)により、重症の免疫不全が増悪又は発現する可能性があるので、頻回に臨床検査(血液検査等)を行うなど、免疫不全の徴候について綿密な検査を行うこと。カンジダ等の真菌、サイトメガロウイルス等のウイルス、ニューモシスチス・カリニ等による重症日和見感染に注意すること。また、日和見感染の発現を抑制するため、あらかじめ適切な措置を講ずること。[1.3 参照],[11.1.5 参照]
- 8.3 本剤の投与により、B型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎又は劇症肝炎があらわれることがあるので、本剤投与に先立って肝炎ウイルス感染の有無を確認し、本剤投与前に適切な処置を行うこと。[9.1.2 参照],[11.1.5 参照]
- 〈同種造血幹細胞移植の前治療〉
-
〈再発又は難治性の急性骨髄性白血病〉
- 8.5 *本剤を使用する際には、関連文献(「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議 公知申請への該当性に係る報告書:フルダラビンリン酸エステル(再発又は難治性の急性骨髄性白血病)」等)を熟読すること1) 。
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
-
9.1.1 感染症を合併している患者
骨髄抑制により感染症が増悪するおそれがある。[1.2 参照],[2.6 参照],[8.1 参照],[11.1.1 参照]
-
9.1.2 B型肝炎ウイルスキャリアの患者又は既往感染者(HBs抗原陰性、かつHBc抗体又はHBs抗体陽性)
B型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎又は劇症肝炎があらわれることがある。B型肝炎ウイルス増殖の徴候や症状の発現に注意すること。本剤の治療期間中及び治療終了後は継続して肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うこと。[8.3 参照],[11.1.5 参照]
9.2 腎機能障害患者
-
9.2.1 重篤な腎障害のある患者(クレアチニンクリアランス〈24時間蓄尿により測定〉が30mL/分未満の患者)
投与しないこと。本剤は腎から排泄されるので、排泄遅延により副作用が強くあらわれるおそれがある。[2.1 参照]
-
9.2.2 腎機能が低下している患者(クレアチニンクリアランスが30~70mL/分の患者)
副作用が強くあらわれるおそれがある。[7.1 参照],[16.6.1 参照]
9.3 肝機能障害患者
症状を悪化させるおそれがある。
9.4 生殖能を有する者
- 9.4.1 生殖可能な年齢の患者に投与する場合には、性腺に対する影響を考慮すること。[15.1.4 参照],[15.2.1 参照]
- 9.4.2 **妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後6カ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。[9.5 参照],[15.2.2 参照]
- 9.4.3 **男性には、本剤投与中及び最終投与後95日間においてバリア法(コンドーム)を用いて避妊する必要性について説明すること。[15.1.4 参照],[15.2.2 参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。胎児毒性及び催奇形性が報告されている。また、妊娠中に本剤の投与を受けた患者で奇形を有する児を出産したとの報告がある。[2.2 参照],[9.4.2 参照]
9.6 授乳婦
授乳を避けさせること。動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが認められている。
9.8 高齢者
本剤投与前に患者の状態及び臓器機能を十分検討し確認すること。投与開始後は、患者の状態を慎重に観察すること。一般に生理機能が低下している。
11. 副作用
11.1 重大な副作用
-
11.1.1 骨髄抑制(頻度不明)
汎血球減少、好中球減少、血小板減少、ヘモグロビン減少、赤血球減少等があらわれる又は増悪することがある。[1.2 参照],[8.1 参照],[9.1.1 参照]
-
11.1.2 間質性肺炎(頻度不明)
呼吸困難、咳、発熱等の症状が認められた場合には速やかにX線検査を行い、本剤の投与を中止するとともに、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
-
11.1.3 精神神経障害(頻度不明)
錯乱、昏睡、興奮、けいれん発作、失明、末梢神経障害等の精神神経障害があらわれることがある。
-
11.1.4 腫瘍崩壊症候群(頻度不明)
初期症状として、側腹部痛、血尿があらわれることがある。この合併症は高尿酸血症、高リン酸血症、低カルシウム血症、代謝性アシドーシス、高カリウム血症、血尿及び腎不全を伴うことがある。本剤の治療効果が投与開始後1週間であらわれることがあるので、この合併症の危険性のある患者では予防措置を講じること。
-
11.1.5 重症日和見感染(頻度不明)
敗血症、肺炎等の重症日和見感染があらわれることがある。また、B型肝炎ウイルスによる肝炎の増悪又は劇症肝炎を認めることがある。観察を十分に行い、異常が認められた場合には、抗生剤、抗真菌剤、抗ウイルス剤の投与等適切な処置を行うこと。[1.2 参照],[8.1 参照],[8.2 参照],[8.3 参照],[9.1.2 参照]
-
11.1.6 自己免疫性溶血性貧血(頻度不明)
致命的な自己免疫性溶血性貧血があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、輸血(放射線照射血)、副腎皮質ホルモン剤の投与など適切な処置を行うこと。[1.4 参照],[1.5 参照],[2.4 参照]
- 11.1.7 自己免疫性血小板減少症(頻度不明)
- 11.1.8 赤芽球癆(頻度不明)
- 11.1.9 脳出血、肺出血、消化管出血(いずれも頻度不明)
-
11.1.10 出血性膀胱炎(頻度不明)
血尿が認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を行うこと。[8.1 参照]
-
11.1.11 重篤な皮膚障害(頻度不明)
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、発熱、口腔粘膜の発疹、口内炎等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 11.1.12 心不全(頻度不明)
-
11.1.13 進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)
本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し、意識障害、認知障害、麻痺症状(片麻痺、四肢麻痺)、言語障害等の症状があらわれた場合には、MRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.2 その他の副作用
5%以上 注2) |
0.1~5%未満 注2) |
頻度不明 |
|
|---|---|---|---|
呼吸器 |
咳、喘鳴、呼吸障害、呼吸困難、低酸素(症) |
上気道炎、鼻咽頭炎、咽頭炎、アレルギー性鼻炎 |
|
消化器 |
悪心、嘔吐 |
便秘、口唇疱疹 |
食欲不振、下痢、口内炎、胃部不快感、腹痛、消化不良 |
精神神経系 |
脱力感 |
下肢知覚異常、手指感覚異常 |
視力障害、視神経炎、視神経障害、下垂手、頭痛、不眠、めまい、感覚減退(しびれ)、錯感覚 |
循環器 |
不整脈、脈拍数増加 |
浮腫、動悸 |
|
代謝異常 |
代謝性アシドーシス、膵酵素変化 |
||
肝臓 |
LDH上昇、AST上昇、ALT上昇、総ビリルビン上昇 |
黄疸、ALP上昇、γ-GTP上昇、血清総蛋白減少、血清アルブミン低下 |
ウロビリン尿 |
皮膚 |
皮膚そう痒症 |
発疹、表皮剥離 |
|
腎臓 |
BUN上昇、蛋白尿 |
クレアチニン上昇 |
高尿酸血症、高リン酸血症、低カルシウム血症、高カリウム血症、低ナトリウム血症 |
泌尿器 |
尿中結晶 |
||
その他 |
発熱、疲労 |
疼痛、水痘、体重減少 |
悪寒、倦怠感、腰痛、CRP上昇、筋肉痛、神経痛、味覚異常、多汗、潮紅、無力症、インフルエンザ様症状、末梢性浮腫、四肢痛、粘膜障害 |
15. その他の注意
15.1 臨床使用に基づく情報
- 15.1.1 フルダラビンリン酸エステルと他の抗悪性腫瘍剤で治療された患者に、骨髄異形成症候群、急性白血病、エプスタイン・バーウイルス関連リンパ増殖性疾患が発生したとの報告がある。
- 15.1.2 本剤の治療中又は治療後に、皮膚癌の発生、悪化又は再燃が報告されている。
- 15.1.3 固形腫瘍患者を対象とした外国の第I相臨床試験で、顆粒球数が最低値を示すまでの平均期間(中央値)は、13日(範囲:3〜25日)であり、血小板については16日(範囲:2〜32日)であった。[8.1 参照]
- 15.1.4 男性において、本剤による治療中、精子のDNA損傷が認められたという報告がある。[9.4.1 参照],[9.4.3 参照]
15.2 非臨床試験に基づく情報
- 15.2.1 動物実験(ラット、イヌ)において精巣毒性が認められ、4週間の休薬期間では回復性が確認されていない。[9.4.1 参照]
- 15.2.2 **チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞を用いた染色体異常試験及び姉妹染色分体交換試験、マウスを用いた小核試験において、陽性の結果が報告されている。[9.4.2 参照],[9.4.3 参照]
1. 警告
-
1.1 本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍の治療に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に本剤の有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
同種造血幹細胞移植の前治療として本剤を使用する場合には、同種造血幹細胞移植に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、適切と判断される症例についてのみ投与すること。 - 1.2 骨髄抑制により感染症又は出血傾向等の重篤な副作用が増悪又は発現することがあるので、頻回に臨床検査(血液検査、肝機能・腎機能検査等)を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。[8.1 参照],[9.1.1 参照],[11.1.1 参照],[11.1.5 参照]
- 1.3 遷延性のリンパ球減少により、重症の免疫不全が増悪又は発現する可能性があるので、頻回に臨床検査(血液検査等)を行うなど、免疫不全の徴候について綿密な検査を行うこと。[8.2 参照]
- 1.4 致命的な自己免疫性溶血性貧血が報告されているので、自己免疫性溶血性貧血の既往歴の有無、クームス試験の結果に拘わらず、溶血性貧血の徴候について綿密な検査を行うこと。[11.1.6 参照]
- 1.5 放射線非照射血の輸血により移植片対宿主病(GVHD:graft versus host disease)があらわれることがあるので、本剤による治療中又は治療後の患者で輸血を必要とする場合は、照射処理された血液を輸血すること。[11.1.6 参照]
- 1.6 ペントスタチンとの併用により致命的な肺毒性が報告されているので併用しないこと。[2.3 参照],[10.1 参照]
2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)
- 2.1 重篤な腎障害のある患者(クレアチニンクリアランス〈24時間蓄尿により測定〉が30mL/分未満の患者)[9.2.1 参照]
- 2.2 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5 参照]
- 2.3 ペントスタチンを投与中の患者[1.6 参照],[10.1 参照]
- 2.4 フルダラビンリン酸エステルにより溶血性貧血を起こしたことのある患者[重篤な溶血性貧血を起こすおそれがある。][11.1.6 参照]
- 2.5 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 2.6 重症感染症を合併している患者[特に同種造血幹細胞移植の前治療に本剤を投与する場合は、感染症が増悪し致命的となることがある。][9.1.1 参照]
6. 用法及び用量
-
〈貧血又は血小板減少症を伴う慢性リンパ性白血病、再発又は難治性の低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫及びマントル細胞リンパ腫〉
通常、成人にはフルダラビンリン酸エステルとして、1日量20mg/m2(体表面積)を5日間連日点滴静注(約30分)し、23日間休薬する。これを1クールとし、投薬を繰り返す。
なお、患者の状態により適宜増減する。 -
〈同種造血幹細胞移植の前治療〉
フルダラビンリン酸エステルとして、1日量30mg/m2(体表面積)を6日間連日点滴静注(約30分)する。なお、患者の状態により、投与量及び投与日数は適宜減ずる。
-
〈腫瘍特異的T細胞輸注療法の前処置〉
再生医療等製品の用法及び用量又は使用方法に基づき使用する。
-
〈再発又は難治性の急性骨髄性白血病〉
*他の抗悪性腫瘍剤等との併用において、通常、フルダラビンリン酸エステルとして、1日量30mg/m2(体表面積)を5日間連日点滴静注(約30分)する。なお、患者の状態により、投与量及び投与日数は適宜減ずる。
7. 用法及び用量に関連する注意
-
〈慢性リンパ性白血病、低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫及びマントル細胞リンパ腫〉
- 7.1 腎機能が低下している患者(クレアチニンクリアランスが30~70mL/分)では、腎機能の低下に応じて次のような目安により投与量を減量し、安全性を確認しながら慎重に投与すること。[9.2.2 参照],[16.6.1 参照]
- 7.2 本剤投与にあたっては、好中球、血小板等の変動に十分留意し、前クールにおいて、高度の骨髄抑制が認められなかった場合に限り増量(最大25mg/m2/日)を考慮する。
- 〈同種造血幹細胞移植の前治療〉
8. 重要な基本的注意
-
〈効能共通〉
- 8.1 骨髄抑制により感染症又は出血傾向等の重篤な副作用が増悪又は発現することがあるので、頻回に臨床検査(血液検査、肝機能・腎機能検査等)を行うこと。また、使用が長期間にわたると副作用が強くあらわれ、遷延性に推移することがあるので、投与は慎重に行うこと。[1.2 参照],[9.1.1 参照],[11.1.1 参照],[11.1.5 参照],[11.1.9 参照],[11.1.10 参照],[15.1.3 参照]
- 8.2 遷延性のリンパ球減少(特にCD4陽性リンパ球の減少)により、重症の免疫不全が増悪又は発現する可能性があるので、頻回に臨床検査(血液検査等)を行うなど、免疫不全の徴候について綿密な検査を行うこと。カンジダ等の真菌、サイトメガロウイルス等のウイルス、ニューモシスチス・カリニ等による重症日和見感染に注意すること。また、日和見感染の発現を抑制するため、あらかじめ適切な措置を講ずること。[1.3 参照],[11.1.5 参照]
- 8.3 本剤の投与により、B型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎又は劇症肝炎があらわれることがあるので、本剤投与に先立って肝炎ウイルス感染の有無を確認し、本剤投与前に適切な処置を行うこと。[9.1.2 参照],[11.1.5 参照]
- 〈同種造血幹細胞移植の前治療〉
-
〈再発又は難治性の急性骨髄性白血病〉
- 8.5 *本剤を使用する際には、関連文献(「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議 公知申請への該当性に係る報告書:フルダラビンリン酸エステル(再発又は難治性の急性骨髄性白血病)」等)を熟読すること1) 。
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
-
9.1.1 感染症を合併している患者
骨髄抑制により感染症が増悪するおそれがある。[1.2 参照],[2.6 参照],[8.1 参照],[11.1.1 参照]
-
9.1.2 B型肝炎ウイルスキャリアの患者又は既往感染者(HBs抗原陰性、かつHBc抗体又はHBs抗体陽性)
B型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎又は劇症肝炎があらわれることがある。B型肝炎ウイルス増殖の徴候や症状の発現に注意すること。本剤の治療期間中及び治療終了後は継続して肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うこと。[8.3 参照],[11.1.5 参照]
9.2 腎機能障害患者
-
9.2.1 重篤な腎障害のある患者(クレアチニンクリアランス〈24時間蓄尿により測定〉が30mL/分未満の患者)
投与しないこと。本剤は腎から排泄されるので、排泄遅延により副作用が強くあらわれるおそれがある。[2.1 参照]
-
9.2.2 腎機能が低下している患者(クレアチニンクリアランスが30~70mL/分の患者)
副作用が強くあらわれるおそれがある。[7.1 参照],[16.6.1 参照]
9.3 肝機能障害患者
症状を悪化させるおそれがある。
9.4 生殖能を有する者
- 9.4.1 生殖可能な年齢の患者に投与する場合には、性腺に対する影響を考慮すること。[15.1.4 参照],[15.2.1 参照]
- 9.4.2 **妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後6カ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。[9.5 参照],[15.2.2 参照]
- 9.4.3 **男性には、本剤投与中及び最終投与後95日間においてバリア法(コンドーム)を用いて避妊する必要性について説明すること。[15.1.4 参照],[15.2.2 参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。胎児毒性及び催奇形性が報告されている。また、妊娠中に本剤の投与を受けた患者で奇形を有する児を出産したとの報告がある。[2.2 参照],[9.4.2 参照]
9.6 授乳婦
授乳を避けさせること。動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが認められている。
9.8 高齢者
本剤投与前に患者の状態及び臓器機能を十分検討し確認すること。投与開始後は、患者の状態を慎重に観察すること。一般に生理機能が低下している。
11. 副作用
11.1 重大な副作用
-
11.1.1 骨髄抑制(頻度不明)
汎血球減少、好中球減少、血小板減少、ヘモグロビン減少、赤血球減少等があらわれる又は増悪することがある。[1.2 参照],[8.1 参照],[9.1.1 参照]
-
11.1.2 間質性肺炎(頻度不明)
呼吸困難、咳、発熱等の症状が認められた場合には速やかにX線検査を行い、本剤の投与を中止するとともに、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
-
11.1.3 精神神経障害(頻度不明)
錯乱、昏睡、興奮、けいれん発作、失明、末梢神経障害等の精神神経障害があらわれることがある。
-
11.1.4 腫瘍崩壊症候群(頻度不明)
初期症状として、側腹部痛、血尿があらわれることがある。この合併症は高尿酸血症、高リン酸血症、低カルシウム血症、代謝性アシドーシス、高カリウム血症、血尿及び腎不全を伴うことがある。本剤の治療効果が投与開始後1週間であらわれることがあるので、この合併症の危険性のある患者では予防措置を講じること。
-
11.1.5 重症日和見感染(頻度不明)
敗血症、肺炎等の重症日和見感染があらわれることがある。また、B型肝炎ウイルスによる肝炎の増悪又は劇症肝炎を認めることがある。観察を十分に行い、異常が認められた場合には、抗生剤、抗真菌剤、抗ウイルス剤の投与等適切な処置を行うこと。[1.2 参照],[8.1 参照],[8.2 参照],[8.3 参照],[9.1.2 参照]
-
11.1.6 自己免疫性溶血性貧血(頻度不明)
致命的な自己免疫性溶血性貧血があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、輸血(放射線照射血)、副腎皮質ホルモン剤の投与など適切な処置を行うこと。[1.4 参照],[1.5 参照],[2.4 参照]
- 11.1.7 自己免疫性血小板減少症(頻度不明)
- 11.1.8 赤芽球癆(頻度不明)
- 11.1.9 脳出血、肺出血、消化管出血(いずれも頻度不明)
-
11.1.10 出血性膀胱炎(頻度不明)
血尿が認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を行うこと。[8.1 参照]
-
11.1.11 重篤な皮膚障害(頻度不明)
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、発熱、口腔粘膜の発疹、口内炎等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 11.1.12 心不全(頻度不明)
-
11.1.13 進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)
本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察し、意識障害、認知障害、麻痺症状(片麻痺、四肢麻痺)、言語障害等の症状があらわれた場合には、MRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.2 その他の副作用
5%以上 注2) |
0.1~5%未満 注2) |
頻度不明 |
|
|---|---|---|---|
呼吸器 |
咳、喘鳴、呼吸障害、呼吸困難、低酸素(症) |
上気道炎、鼻咽頭炎、咽頭炎、アレルギー性鼻炎 |
|
消化器 |
悪心、嘔吐 |
便秘、口唇疱疹 |
食欲不振、下痢、口内炎、胃部不快感、腹痛、消化不良 |
精神神経系 |
脱力感 |
下肢知覚異常、手指感覚異常 |
視力障害、視神経炎、視神経障害、下垂手、頭痛、不眠、めまい、感覚減退(しびれ)、錯感覚 |
循環器 |
不整脈、脈拍数増加 |
浮腫、動悸 |
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代謝異常 |
代謝性アシドーシス、膵酵素変化 |
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肝臓 |
LDH上昇、AST上昇、ALT上昇、総ビリルビン上昇 |
黄疸、ALP上昇、γ-GTP上昇、血清総蛋白減少、血清アルブミン低下 |
ウロビリン尿 |
皮膚 |
皮膚そう痒症 |
発疹、表皮剥離 |
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腎臓 |
BUN上昇、蛋白尿 |
クレアチニン上昇 |
高尿酸血症、高リン酸血症、低カルシウム血症、高カリウム血症、低ナトリウム血症 |
泌尿器 |
尿中結晶 |
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その他 |
発熱、疲労 |
疼痛、水痘、体重減少 |
悪寒、倦怠感、腰痛、CRP上昇、筋肉痛、神経痛、味覚異常、多汗、潮紅、無力症、インフルエンザ様症状、末梢性浮腫、四肢痛、粘膜障害 |
15. その他の注意
15.1 臨床使用に基づく情報
- 15.1.1 フルダラビンリン酸エステルと他の抗悪性腫瘍剤で治療された患者に、骨髄異形成症候群、急性白血病、エプスタイン・バーウイルス関連リンパ増殖性疾患が発生したとの報告がある。
- 15.1.2 本剤の治療中又は治療後に、皮膚癌の発生、悪化又は再燃が報告されている。
- 15.1.3 固形腫瘍患者を対象とした外国の第I相臨床試験で、顆粒球数が最低値を示すまでの平均期間(中央値)は、13日(範囲:3〜25日)であり、血小板については16日(範囲:2〜32日)であった。[8.1 参照]
- 15.1.4 男性において、本剤による治療中、精子のDNA損傷が認められたという報告がある。[9.4.1 参照],[9.4.3 参照]
15.2 非臨床試験に基づく情報
- 15.2.1 動物実験(ラット、イヌ)において精巣毒性が認められ、4週間の休薬期間では回復性が確認されていない。[9.4.1 参照]
- 15.2.2 **チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞を用いた染色体異常試験及び姉妹染色分体交換試験、マウスを用いた小核試験において、陽性の結果が報告されている。[9.4.2 参照],[9.4.3 参照]