薬効分類名経口FXa阻害剤
一般的名称アピキサバン
エリキュース錠2.5mg、エリキュース錠5mg
えりきゅーすじょう2.5mg、えりきゅーすじょう5mg
Eliquis tablets, Eliquis tablets
製造販売元/ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社、販売元/ファイザー株式会社
重大な副作用
その他の副作用
併用注意
本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるため、本剤の減量(1回10mgの場合は5mg、1回5mgの場合は2.5mg)を考慮すること、あるいは、治療上の有益性と危険性を十分に考慮し、本剤との併用が適切と考えられない患者には併用しないこと。
これらの薬剤がCYP3A4及びP-糖蛋白を同時に強力に阻害するため、本剤の代謝及び排出が阻害されると考えられる。
本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。
これらの薬剤のCYP3A4及び/又はP-糖蛋白の阻害作用により、本剤の代謝及び排出が阻害されると考えられる。
本剤の血中濃度が減少するおそれがある。
静脈血栓塞栓症患者に対して併用した場合、本剤の効果が減弱するおそれがあるため、併用を避けることが望ましい。
これらの薬剤又はセイヨウオトギリソウがCYP3A4及びP-糖蛋白を同時に強力に誘導するため、本剤の代謝及び排出が促進されると考えられる。
抗血小板薬との併用は、出血リスクが増大することに注意すること。特に抗血小板薬2剤との併用は、治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合のみ、併用すること。
本剤は抗凝固作用を有するため、これら薬剤と併用すると出血を助長するおそれがある。
抗凝固剤
- ワルファリンカリウム
- 未分画ヘパリン
- へパリン誘導体
- 低分子ヘパリン
- エノキサパリンナトリウム
- フォンダパリヌクスナトリウム
- ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩
- アルガトロバン水和物等
血栓溶解剤
- ウロキナーゼ
- t-PA等
非ステロイド性消炎鎮痛剤
- ジクロフェナクナトリウム
- ナプロキセン等
デフィブロチドナトリウム
[16.7.3 参照][16.7.5 参照]
これらの薬剤との併用により、出血の危険性が増大する可能性がある。出血の徴候を十分に観察すること。
本剤は抗凝固作用を有するため、これら薬剤と併用すると出血を助長するおそれがある。
レカネマブ(遺伝子組換え)
ドナネマブ(遺伝子組換え)
相手薬投与中にアミロイド関連画像異常-脳微小出血・脳表ヘモジデリン沈着症(ARIA-H)又は脳出血を発現した場合、本剤が出血を助長するおそれがある。併用時にはARIA-H又は脳出血の副作用に注意すること。
相手薬の副作用としてARIA-H又は脳出血の報告がある。併用により血液凝固阻止剤である本剤が出血を助長する可能性がある。
1. 警告
-
<効能共通>
- 1.1 本剤の投与により出血が発現し、重篤な出血の場合には、死亡に至るおそれがある。本剤の使用にあたっては、出血の危険性を考慮し、本剤投与の適否を慎重に判断すること。本剤による出血リスクを正確に評価できる指標は確立されていないため、本剤投与中は、血液凝固に関する検査値のみならず、出血や貧血等の徴候を十分に観察すること。これらの徴候が認められた場合には、直ちに適切な処置を行うこと。[2.2 参照][2.3 参照][7.1 参照][7.2 参照][8.1 参照][8.2 参照][8.11 参照][9.1.1 参照][9.1.2 参照][9.2.2 参照][9.2.4 参照][13.1 参照][13.2 参照]
- <静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症)の治療及び再発抑制>
2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)
- <効能共通>
-
<非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制、アミバンタマブ(遺伝子組換え)とラゼルチニブとの併用投与による静脈血栓塞栓症の発症抑制>
- 2.4 **腎不全(クレアチニンクリアランス(CLcr)15mL/min未満)の患者[9.2.1 参照]
-
<静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症)の治療及び再発抑制>
- 2.5 重度の腎障害(CLcr30mL/min未満)の患者[9.2.3 参照]
5. 効能又は効果に関連する注意
-
<静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症)の治療及び再発抑制>
- 5.1 ショックや低血圧が遷延するような血行動態が不安定な肺血栓塞栓症患者又は血栓溶解剤の使用や肺塞栓摘出術が必要な肺血栓塞栓症患者における有効性及び安全性は確立していないため、これらの患者に対してヘパリンの代替療法として本剤を投与しないこと。
- 5.2 下大静脈フィルターが留置された患者における本剤の使用経験が少ないため、これらの患者に投与する場合には、リスクとベネフィットを十分考慮すること。[17.1.3 参照]
- <アミバンタマブ(遺伝子組換え)とラゼルチニブとの併用投与による静脈血栓塞栓症の発症抑制>
7. 用法及び用量に関連する注意
-
<非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制>
-
7.1 次の基準の2つ以上に該当する患者は、出血のリスクが高く、本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるため、1回2.5mg 1日2回経口投与する。[1.1 参照][17.1.1 参照]
- 80歳以上[9.8 参照]
- 体重60kg以下
- 血清クレアチニン1.5mg/dL以上
-
7.1 次の基準の2つ以上に該当する患者は、出血のリスクが高く、本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるため、1回2.5mg 1日2回経口投与する。[1.1 参照][17.1.1 参照]
-
<静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症)の治療及び再発抑制>
- 7.2 特に静脈血栓塞栓症発症後の初期7日間の1回10mg 1日2回投与中は、出血のリスクに十分注意すること。[1.1 参照]
8. 重要な基本的注意
-
<効能共通>
- 8.1 凝固能検査(プロトロンビン時間(PT)、国際標準比(INR)、活性化部分トロンボプラスチン時間(aPTT)等)は、本剤の抗凝固能をモニタリングする指標とはならないため、本剤投与中は出血や貧血等の徴候を十分に観察すること。また、必要に応じて、血算値(ヘモグロビン値)、便潜血等の検査を実施し、急激なヘモグロビン値や血圧の低下等の出血徴候を確認すること。臨床的に問題となる出血や貧血の徴候が認められた場合には、本剤の投与を中止し、出血の原因を確認すること。また、症状に応じて、適切な処置を行うこと。[1.1 参照][2.2 参照][11.1.1 参照]
- 8.2 患者には、鼻出血、皮下出血、歯肉出血、血尿、喀血、吐血及び血便等、異常な出血の徴候が認められた場合、医師に連絡するよう指導すること。[1.1 参照][2.2 参照]
- 8.3 抗血小板薬2剤との併用時には、出血リスクが特に増大するおそれがあるため、本剤との併用についてはさらに慎重に検討し、治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合のみ、これらの薬剤と併用すること。[10.2 参照][15.1.1 参照]
- 8.4 ビタミンK拮抗剤(ワルファリン)から本剤へ切り替える際には、ビタミンK拮抗剤の投与を中止し、PT-INRが非弁膜症性心房細動患者では2.0未満、静脈血栓塞栓症患者では治療域の下限未満となってから本剤の投与を開始すること。
- 8.5 本剤からビタミンK拮抗剤(ワルファリン)に切り替える際には、PT-INRが治療域の下限を超えるまでは、本剤とワルファリンを併用すること。
- 8.6 他の抗凝固剤(注射剤)から本剤に切り替える場合、次回に投与を予定していた時間まで間隔をあけて、本剤の投与を開始すること。ただし、抗凝固剤(ヘパリン等)の持続静注から切り替える場合は、持続静注中止と同時に本剤の投与を開始すること。
- 8.7 本剤から他の抗凝固剤(注射剤)へ切り替える場合は、次回に投与を予定していた時間まで間隔をあけて、切り替える薬剤の投与を開始すること。
- 8.8 待機的手術又は侵襲的手技を実施する患者では、患者の出血リスクと血栓リスクに応じて、本剤の投与を一時中止すること。出血に関して低リスク又は出血が限定的でコントロールが可能な手術・侵襲的手技を実施する場合は、前回投与から少なくとも24時間以上の間隔をあけることが望ましい。また、出血に関して中~高リスク又は臨床的に重要な出血を起こすおそれのある手術・侵襲的手技を実施する場合は、前回投与から少なくとも48時間以上の間隔をあけること。なお、必要に応じて代替療法(ヘパリン等)の使用を考慮すること。緊急を要する手術又は侵襲的手技を実施する患者では、緊急性と出血リスクが増大していることを十分に比較考慮すること。
- 8.9 待機的手術、侵襲的手技等による抗凝固療法(本剤を含む)の一時的な中止は、塞栓症のリスクを増大させる。手術後は、患者の臨床状態に問題がなく出血がないことを確認してから、可及的速やかに再開すること。
- 8.10 患者の判断で本剤の服用を中止することのないよう十分な服薬指導をすること。本剤を服用し忘れた場合には、気づいたときにすぐに1回量を服用し、その後通常どおり1日2回服用するよう指導すること。服用し忘れた場合でも一度に2回量を服用しないよう指導すること。
- 8.11 本剤投与中の患者で生命を脅かす出血又は止血困難な出血の発現時に本剤の抗凝固作用の中和を必要とする場合には、中和剤であるアンデキサネット アルファ(遺伝子組換え)の電子添文を必ず参照し、禁忌、用法及び用量に関連する注意、重要な基本的注意、特定の背景を有する患者に関する注意、副作用等の使用上の注意の記載を確認すること 。[1.1 参照]
- <静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症)の治療及び再発抑制>
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.2 腎機能障害患者
9.5 妊婦
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が認められている5) 。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
一般に腎機能が低下し本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。非弁膜症性心房細動患者に対して本剤を投与する場合、特に80歳以上の患者に対しては、腎機能低下(血清クレアチニン1.5mg/dL以上)及び体重(60kg以下)に応じて本剤を減量すること。[7.1 参照][16.6.3 参照]
10. 相互作用
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるため、本剤の減量(1回10mgの場合は5mg、1回5mgの場合は2.5mg)を考慮すること、あるいは、治療上の有益性と危険性を十分に考慮し、本剤との併用が適切と考えられない患者には併用しないこと。 |
これらの薬剤がCYP3A4及びP-糖蛋白を同時に強力に阻害するため、本剤の代謝及び排出が阻害されると考えられる。 |
|
本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。 |
これらの薬剤のCYP3A4及び/又はP-糖蛋白の阻害作用により、本剤の代謝及び排出が阻害されると考えられる。 |
|
本剤の血中濃度が減少するおそれがある。 |
これらの薬剤又はセイヨウオトギリソウがCYP3A4及びP-糖蛋白を同時に強力に誘導するため、本剤の代謝及び排出が促進されると考えられる。 |
|
抗血小板薬との併用は、出血リスクが増大することに注意すること。特に抗血小板薬2剤との併用は、治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合のみ、併用すること。 |
本剤は抗凝固作用を有するため、これら薬剤と併用すると出血を助長するおそれがある。 |
|
これらの薬剤との併用により、出血の危険性が増大する可能性がある。出血の徴候を十分に観察すること。 |
本剤は抗凝固作用を有するため、これら薬剤と併用すると出血を助長するおそれがある。 |
|
レカネマブ(遺伝子組換え) ドナネマブ(遺伝子組換え) |
相手薬投与中にアミロイド関連画像異常-脳微小出血・脳表ヘモジデリン沈着症(ARIA-H)又は脳出血を発現した場合、本剤が出血を助長するおそれがある。併用時にはARIA-H又は脳出血の副作用に注意すること。 |
相手薬の副作用としてARIA-H又は脳出血の報告がある。併用により血液凝固阻止剤である本剤が出血を助長する可能性がある。 |
11. 副作用
11.1 重大な副作用
-
11.1.1 *出血
頭蓋内出血(頻度不明)、消化管出血(0.6%)、眼内出血(0.3%)、脾破裂に至る脾臓出血(頻度不明)等の出血があらわれることがある。[8.1 参照]
-
11.1.2 間質性肺疾患(頻度不明)
咳嗽、血痰、息切れ、呼吸困難、発熱、肺音の異常等が認められた場合には、速やかに胸部X線、胸部CT、血清マーカー等の検査を実施すること。間質性肺疾患が疑われた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
-
11.1.3 肝機能障害(頻度不明)
AST、ALTの上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがある。
-
11.1.4 急性腎障害(頻度不明)
経口抗凝固薬の投与後に急性腎障害があらわれることがある。経口抗凝固薬投与後の急性腎障害の中には、血尿を認めるもの、腎生検により尿細管内に赤血球円柱を多数認めるものが報告されている6) ,7) 。
11.2 その他の副作用
1%以上 |
1%未満 |
頻度不明 |
|
|---|---|---|---|
免疫系障害 |
過敏症(皮疹等の薬物過敏症、アレルギー性浮腫等のアナフィラキシー反応等) |
||
神経系障害 |
味覚異常、くも膜下出血、三叉神経痛 |
脳出血、頭蓋内又は脊髄内出血(硬膜下血腫及び脊髄血腫等) |
|
眼障害 |
眼出血 |
眼充血 |
|
血管障害 |
血腫 |
腹腔内出血 |
|
呼吸器、胸郭及び縦隔障害 |
鼻出血 |
喀血、咳嗽 |
気道出血(肺胞出血、喉頭出血、及び咽頭出血等) |
胃腸障害 |
歯肉出血、胃腸出血、消化不良、便潜血陽性 |
口腔内出血、便秘、腹部不快感、上腹部痛、血便排泄、下痢、逆流性食道炎、悪心 |
直腸出血、痔出血、後腹膜出血、吐血、マロリー・ワイス症候群、出血性消化性潰瘍 |
肝胆道系障害 |
血中ビリルビン増加、γ−GTP増加、肝機能異常 |
||
腎及び尿路障害 |
血尿、尿中血陽性 |
尿中蛋白陽性 |
|
生殖系及び乳房障害 |
前立腺炎、膣出血、不規則月経 |
不正出血、尿生殖器出血、月経過多 |
|
傷害、中毒及び処置合併症 |
挫傷 |
処置後出血 |
外傷性出血、切開部位出血、血管偽動脈瘤 |
皮膚及び皮下組織障害 |
円形脱毛症、そう痒症、紫斑、膿疱性乾癬、顔面腫脹、水疱、点状出血、皮膚びらん |
斑状出血、出血性皮膚潰瘍 |
|
その他 |
初期不眠症、疲労、血小板減少症、血中ブドウ糖変動、高尿酸血症、血中ブドウ糖増加、血中CK増加、末梢性浮腫、動悸 |
適用部位出血、注射部位血腫、血管穿刺部位血腫 |
13. 過量投与
-
13.1 症状
本剤の過量投与により、出血リスクが増大する。[1.1 参照]
-
13.2 処置
出血の徴候が認められた場合には、適切な処置を行うこと。また、活性炭による処置を考慮すること。
外国人健康成人において、本剤20mgを経口投与後2及び6時間に活性炭を経口投与したとき、アピキサバンのCmaxは変化しなかったが、AUCは約50%及び27%低下し、消失半減期は活性炭非投与時の13.4時間から5.3及び4.9時間に短縮した8) 。
血液透析による除去は有効ではない。
出血した場合には、症状に応じて外科的止血や新鮮凍結血漿の輸注等も考慮すること。[1.1 参照][16.6.1 参照]
15. その他の注意
15.1 臨床使用に基づく情報
- 15.1.1 日本人を含む急性冠症候群の患者(承認外効能・効果)を対象とした国際共同臨床試験において、本剤5mg 1日2回群とプラセボ群の比較が行われたが、本剤群で臨床的に重要な出血の増加が認められたこと等から、試験は早期に中止となった。この試験ではほとんどの患者でアスピリン及びチエノピリジン系抗血小板薬の2剤との併用が行われていた9) 。[8.3 参照][10.2 参照]
- 15.1.2 海外において実施された3抗体(ループスアンチコアグラント、抗カルジオリピン抗体、抗β2グリコプロテインI抗体)のいずれもが陽性で、血栓症の既往がある抗リン脂質抗体症候群患者を対象とした直接作用型経口抗凝固薬(リバーロキサバン)とワルファリンの非盲検無作為化試験において、血栓塞栓性イベントの再発が、ワルファリン群61例では認められなかったのに対し、リバーロキサバン群では59例中7例に認められたとの報告がある10) 。
1. 警告
-
<効能共通>
- 1.1 本剤の投与により出血が発現し、重篤な出血の場合には、死亡に至るおそれがある。本剤の使用にあたっては、出血の危険性を考慮し、本剤投与の適否を慎重に判断すること。本剤による出血リスクを正確に評価できる指標は確立されていないため、本剤投与中は、血液凝固に関する検査値のみならず、出血や貧血等の徴候を十分に観察すること。これらの徴候が認められた場合には、直ちに適切な処置を行うこと。[2.2 参照][2.3 参照][7.1 参照][7.2 参照][8.1 参照][8.2 参照][8.11 参照][9.1.1 参照][9.1.2 参照][9.2.2 参照][9.2.4 参照][13.1 参照][13.2 参照]
- <静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症)の治療及び再発抑制>
2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)
- <効能共通>
-
<非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制、アミバンタマブ(遺伝子組換え)とラゼルチニブとの併用投与による静脈血栓塞栓症の発症抑制>
- 2.4 **腎不全(クレアチニンクリアランス(CLcr)15mL/min未満)の患者[9.2.1 参照]
-
<静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症)の治療及び再発抑制>
- 2.5 重度の腎障害(CLcr30mL/min未満)の患者[9.2.3 参照]
5. 効能又は効果に関連する注意
-
<静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症)の治療及び再発抑制>
- 5.1 ショックや低血圧が遷延するような血行動態が不安定な肺血栓塞栓症患者又は血栓溶解剤の使用や肺塞栓摘出術が必要な肺血栓塞栓症患者における有効性及び安全性は確立していないため、これらの患者に対してヘパリンの代替療法として本剤を投与しないこと。
- 5.2 下大静脈フィルターが留置された患者における本剤の使用経験が少ないため、これらの患者に投与する場合には、リスクとベネフィットを十分考慮すること。[17.1.3 参照]
- <アミバンタマブ(遺伝子組換え)とラゼルチニブとの併用投与による静脈血栓塞栓症の発症抑制>
7. 用法及び用量に関連する注意
-
<非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制>
-
7.1 次の基準の2つ以上に該当する患者は、出血のリスクが高く、本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるため、1回2.5mg 1日2回経口投与する。[1.1 参照][17.1.1 参照]
- 80歳以上[9.8 参照]
- 体重60kg以下
- 血清クレアチニン1.5mg/dL以上
-
7.1 次の基準の2つ以上に該当する患者は、出血のリスクが高く、本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるため、1回2.5mg 1日2回経口投与する。[1.1 参照][17.1.1 参照]
-
<静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症)の治療及び再発抑制>
- 7.2 特に静脈血栓塞栓症発症後の初期7日間の1回10mg 1日2回投与中は、出血のリスクに十分注意すること。[1.1 参照]
8. 重要な基本的注意
-
<効能共通>
- 8.1 凝固能検査(プロトロンビン時間(PT)、国際標準比(INR)、活性化部分トロンボプラスチン時間(aPTT)等)は、本剤の抗凝固能をモニタリングする指標とはならないため、本剤投与中は出血や貧血等の徴候を十分に観察すること。また、必要に応じて、血算値(ヘモグロビン値)、便潜血等の検査を実施し、急激なヘモグロビン値や血圧の低下等の出血徴候を確認すること。臨床的に問題となる出血や貧血の徴候が認められた場合には、本剤の投与を中止し、出血の原因を確認すること。また、症状に応じて、適切な処置を行うこと。[1.1 参照][2.2 参照][11.1.1 参照]
- 8.2 患者には、鼻出血、皮下出血、歯肉出血、血尿、喀血、吐血及び血便等、異常な出血の徴候が認められた場合、医師に連絡するよう指導すること。[1.1 参照][2.2 参照]
- 8.3 抗血小板薬2剤との併用時には、出血リスクが特に増大するおそれがあるため、本剤との併用についてはさらに慎重に検討し、治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合のみ、これらの薬剤と併用すること。[10.2 参照][15.1.1 参照]
- 8.4 ビタミンK拮抗剤(ワルファリン)から本剤へ切り替える際には、ビタミンK拮抗剤の投与を中止し、PT-INRが非弁膜症性心房細動患者では2.0未満、静脈血栓塞栓症患者では治療域の下限未満となってから本剤の投与を開始すること。
- 8.5 本剤からビタミンK拮抗剤(ワルファリン)に切り替える際には、PT-INRが治療域の下限を超えるまでは、本剤とワルファリンを併用すること。
- 8.6 他の抗凝固剤(注射剤)から本剤に切り替える場合、次回に投与を予定していた時間まで間隔をあけて、本剤の投与を開始すること。ただし、抗凝固剤(ヘパリン等)の持続静注から切り替える場合は、持続静注中止と同時に本剤の投与を開始すること。
- 8.7 本剤から他の抗凝固剤(注射剤)へ切り替える場合は、次回に投与を予定していた時間まで間隔をあけて、切り替える薬剤の投与を開始すること。
- 8.8 待機的手術又は侵襲的手技を実施する患者では、患者の出血リスクと血栓リスクに応じて、本剤の投与を一時中止すること。出血に関して低リスク又は出血が限定的でコントロールが可能な手術・侵襲的手技を実施する場合は、前回投与から少なくとも24時間以上の間隔をあけることが望ましい。また、出血に関して中~高リスク又は臨床的に重要な出血を起こすおそれのある手術・侵襲的手技を実施する場合は、前回投与から少なくとも48時間以上の間隔をあけること。なお、必要に応じて代替療法(ヘパリン等)の使用を考慮すること。緊急を要する手術又は侵襲的手技を実施する患者では、緊急性と出血リスクが増大していることを十分に比較考慮すること。
- 8.9 待機的手術、侵襲的手技等による抗凝固療法(本剤を含む)の一時的な中止は、塞栓症のリスクを増大させる。手術後は、患者の臨床状態に問題がなく出血がないことを確認してから、可及的速やかに再開すること。
- 8.10 患者の判断で本剤の服用を中止することのないよう十分な服薬指導をすること。本剤を服用し忘れた場合には、気づいたときにすぐに1回量を服用し、その後通常どおり1日2回服用するよう指導すること。服用し忘れた場合でも一度に2回量を服用しないよう指導すること。
- 8.11 本剤投与中の患者で生命を脅かす出血又は止血困難な出血の発現時に本剤の抗凝固作用の中和を必要とする場合には、中和剤であるアンデキサネット アルファ(遺伝子組換え)の電子添文を必ず参照し、禁忌、用法及び用量に関連する注意、重要な基本的注意、特定の背景を有する患者に関する注意、副作用等の使用上の注意の記載を確認すること 。[1.1 参照]
- <静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症及び肺血栓塞栓症)の治療及び再発抑制>
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.2 腎機能障害患者
9.5 妊婦
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が認められている5) 。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
一般に腎機能が低下し本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。非弁膜症性心房細動患者に対して本剤を投与する場合、特に80歳以上の患者に対しては、腎機能低下(血清クレアチニン1.5mg/dL以上)及び体重(60kg以下)に応じて本剤を減量すること。[7.1 参照][16.6.3 参照]
10. 相互作用
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるため、本剤の減量(1回10mgの場合は5mg、1回5mgの場合は2.5mg)を考慮すること、あるいは、治療上の有益性と危険性を十分に考慮し、本剤との併用が適切と考えられない患者には併用しないこと。 |
これらの薬剤がCYP3A4及びP-糖蛋白を同時に強力に阻害するため、本剤の代謝及び排出が阻害されると考えられる。 |
|
本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。 |
これらの薬剤のCYP3A4及び/又はP-糖蛋白の阻害作用により、本剤の代謝及び排出が阻害されると考えられる。 |
|
本剤の血中濃度が減少するおそれがある。 |
これらの薬剤又はセイヨウオトギリソウがCYP3A4及びP-糖蛋白を同時に強力に誘導するため、本剤の代謝及び排出が促進されると考えられる。 |
|
抗血小板薬との併用は、出血リスクが増大することに注意すること。特に抗血小板薬2剤との併用は、治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合のみ、併用すること。 |
本剤は抗凝固作用を有するため、これら薬剤と併用すると出血を助長するおそれがある。 |
|
これらの薬剤との併用により、出血の危険性が増大する可能性がある。出血の徴候を十分に観察すること。 |
本剤は抗凝固作用を有するため、これら薬剤と併用すると出血を助長するおそれがある。 |
|
レカネマブ(遺伝子組換え) ドナネマブ(遺伝子組換え) |
相手薬投与中にアミロイド関連画像異常-脳微小出血・脳表ヘモジデリン沈着症(ARIA-H)又は脳出血を発現した場合、本剤が出血を助長するおそれがある。併用時にはARIA-H又は脳出血の副作用に注意すること。 |
相手薬の副作用としてARIA-H又は脳出血の報告がある。併用により血液凝固阻止剤である本剤が出血を助長する可能性がある。 |
11. 副作用
11.1 重大な副作用
-
11.1.1 *出血
頭蓋内出血(頻度不明)、消化管出血(0.6%)、眼内出血(0.3%)、脾破裂に至る脾臓出血(頻度不明)等の出血があらわれることがある。[8.1 参照]
-
11.1.2 間質性肺疾患(頻度不明)
咳嗽、血痰、息切れ、呼吸困難、発熱、肺音の異常等が認められた場合には、速やかに胸部X線、胸部CT、血清マーカー等の検査を実施すること。間質性肺疾患が疑われた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
-
11.1.3 肝機能障害(頻度不明)
AST、ALTの上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがある。
-
11.1.4 急性腎障害(頻度不明)
経口抗凝固薬の投与後に急性腎障害があらわれることがある。経口抗凝固薬投与後の急性腎障害の中には、血尿を認めるもの、腎生検により尿細管内に赤血球円柱を多数認めるものが報告されている6) ,7) 。
11.2 その他の副作用
1%以上 |
1%未満 |
頻度不明 |
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|---|---|---|---|
免疫系障害 |
過敏症(皮疹等の薬物過敏症、アレルギー性浮腫等のアナフィラキシー反応等) |
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神経系障害 |
味覚異常、くも膜下出血、三叉神経痛 |
脳出血、頭蓋内又は脊髄内出血(硬膜下血腫及び脊髄血腫等) |
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眼障害 |
眼出血 |
眼充血 |
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血管障害 |
血腫 |
腹腔内出血 |
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呼吸器、胸郭及び縦隔障害 |
鼻出血 |
喀血、咳嗽 |
気道出血(肺胞出血、喉頭出血、及び咽頭出血等) |
胃腸障害 |
歯肉出血、胃腸出血、消化不良、便潜血陽性 |
口腔内出血、便秘、腹部不快感、上腹部痛、血便排泄、下痢、逆流性食道炎、悪心 |
直腸出血、痔出血、後腹膜出血、吐血、マロリー・ワイス症候群、出血性消化性潰瘍 |
肝胆道系障害 |
血中ビリルビン増加、γ−GTP増加、肝機能異常 |
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腎及び尿路障害 |
血尿、尿中血陽性 |
尿中蛋白陽性 |
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生殖系及び乳房障害 |
前立腺炎、膣出血、不規則月経 |
不正出血、尿生殖器出血、月経過多 |
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傷害、中毒及び処置合併症 |
挫傷 |
処置後出血 |
外傷性出血、切開部位出血、血管偽動脈瘤 |
皮膚及び皮下組織障害 |
円形脱毛症、そう痒症、紫斑、膿疱性乾癬、顔面腫脹、水疱、点状出血、皮膚びらん |
斑状出血、出血性皮膚潰瘍 |
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その他 |
初期不眠症、疲労、血小板減少症、血中ブドウ糖変動、高尿酸血症、血中ブドウ糖増加、血中CK増加、末梢性浮腫、動悸 |
適用部位出血、注射部位血腫、血管穿刺部位血腫 |
13. 過量投与
-
13.1 症状
本剤の過量投与により、出血リスクが増大する。[1.1 参照]
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13.2 処置
出血の徴候が認められた場合には、適切な処置を行うこと。また、活性炭による処置を考慮すること。
外国人健康成人において、本剤20mgを経口投与後2及び6時間に活性炭を経口投与したとき、アピキサバンのCmaxは変化しなかったが、AUCは約50%及び27%低下し、消失半減期は活性炭非投与時の13.4時間から5.3及び4.9時間に短縮した8) 。
血液透析による除去は有効ではない。
出血した場合には、症状に応じて外科的止血や新鮮凍結血漿の輸注等も考慮すること。[1.1 参照][16.6.1 参照]
15. その他の注意
15.1 臨床使用に基づく情報
- 15.1.1 日本人を含む急性冠症候群の患者(承認外効能・効果)を対象とした国際共同臨床試験において、本剤5mg 1日2回群とプラセボ群の比較が行われたが、本剤群で臨床的に重要な出血の増加が認められたこと等から、試験は早期に中止となった。この試験ではほとんどの患者でアスピリン及びチエノピリジン系抗血小板薬の2剤との併用が行われていた9) 。[8.3 参照][10.2 参照]
- 15.1.2 海外において実施された3抗体(ループスアンチコアグラント、抗カルジオリピン抗体、抗β2グリコプロテインI抗体)のいずれもが陽性で、血栓症の既往がある抗リン脂質抗体症候群患者を対象とした直接作用型経口抗凝固薬(リバーロキサバン)とワルファリンの非盲検無作為化試験において、血栓塞栓性イベントの再発が、ワルファリン群61例では認められなかったのに対し、リバーロキサバン群では59例中7例に認められたとの報告がある10) 。