薬効分類名生合成ヒト中性インスリン注射液

一般的名称インスリン ヒト(遺伝子組換え)

ノボリンR注 100単位/mL

のぼりんあーるちゅうひゃくたんい/みりりっとる

Novolin R Injection 100 IU/mL

製造販売元/ノボ ノルディスク ファーマ株式会社

第2版
禁忌相互作用合併症・既往歴等のある患者腎機能障害患者肝機能障害患者妊婦授乳婦小児等高齢者

重大な副作用

頻度
副作用

その他の副作用

部位
頻度
副作用
免疫系
0.1%未満
アレルギーじん麻疹発疹そう痒
免疫系
頻度不明
肝臓まわり
0.1%未満
胃腸・消化器系
0.1%未満
胃腸・消化器系
頻度不明
脳・神経
頻度不明
治療後神経障害(主に有痛性)
頻度不明
全身・局所・適用部位
0.1~5%未満
疼痛発赤腫脹硬結リポジストロフィー(皮下脂肪の萎縮・肥厚等)
全身・局所・適用部位
0.1%未満
全身・局所・適用部位
頻度不明
その他
頻度不明
浮腫発熱抗インスリン抗体産生に伴う血糖コントロール不良

併用注意

薬剤名等

糖尿病用薬
ビグアナイド薬
スルホニルウレア薬
速効型インスリン分泌促進薬
α-グルコシダーゼ阻害薬
チアゾリジン薬
DPP-4阻害薬
GLP-1受容体作動薬
SGLT2阻害薬

臨床症状・措置方法

血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。[11.1.1 参照]

機序・危険因子

血糖降下作用が増強される。

薬剤名等

モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤

臨床症状・措置方法

血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。[11.1.1 参照]

機序・危険因子

インスリン分泌促進、糖新生抑制作用による血糖降下作用を有する。

薬剤名等

三環系抗うつ剤
ノルトリプチリン塩酸塩

臨床症状・措置方法

血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。[11.1.1 参照]

機序・危険因子

機序は不明であるが、インスリン感受性を増強するなどの報告がある。

薬剤名等

サリチル酸誘導体
アスピリン
エテンザミド

臨床症状・措置方法

血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。[11.1.1 参照]

機序・危険因子

糖に対するβ細胞の感受性の亢進やインスリン利用率の増加等による血糖降下作用を有する。また、末梢で弱いインスリン様作用を有する。

薬剤名等

抗腫瘍剤
シクロホスファミド水和物

臨床症状・措置方法

血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。[11.1.1 参照]

機序・危険因子

インスリンが結合する抗体の生成を抑制し、その結合部位からインスリンを遊離させる可能性がある。

薬剤名等

β-遮断剤
プロプラノロール塩酸塩
アテノロール
ピンドロール

臨床症状・措置方法

血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。[11.1.1 参照]

機序・危険因子

アドレナリンによる低血糖からの回復反応を抑制する。また、低血糖に対する交感神経系の症状(振戦、動悸等)をマスクし、低血糖を遷延させる可能性がある。

薬剤名等

クマリン系薬剤
ワルファリンカリウム

臨床症状・措置方法

血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。[11.1.1 参照]

機序・危険因子

機序不明

薬剤名等

クロラムフェニコール

臨床症状・措置方法

血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。[11.1.1 参照]

機序・危険因子

機序不明

薬剤名等

ベザフィブラート

臨床症状・措置方法

血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。[11.1.1 参照]

機序・危険因子

インスリン感受性増強等の作用により、本剤の作用を増強する。

薬剤名等

サルファ剤

臨床症状・措置方法

血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。[11.1.1 参照]

機序・危険因子

膵臓でのインスリン分泌を増加させることにより、低血糖を起こすと考えられている。腎機能低下、空腹状態の遷延、栄養不良、過量投与が危険因子となる。

薬剤名等

シベンゾリンコハク酸塩
ジソピラミド
ピルメノール塩酸塩水和物

臨床症状・措置方法

血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。[11.1.1 参照]

機序・危険因子

インスリン分泌作用を認めたとの報告がある。

薬剤名等

チアジド系利尿剤
トリクロルメチアジド

臨床症状・措置方法

血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。

機序・危険因子

カリウム喪失が関与すると考えられている。カリウム欠乏時には、血糖上昇反応に対するβ細胞のインスリン分泌能が低下する可能性がある。

薬剤名等

副腎皮質ステロイド
プレドニゾロン
トリアムシノロン

臨床症状・措置方法

血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。

機序・危険因子

糖新生亢進、筋肉組織・脂肪組織からのアミノ酸や脂肪酸の遊離促進、末梢組織でのインスリン感受性低下等による血糖上昇作用を有する。

薬剤名等

ACTH
テトラコサクチド酢酸塩

臨床症状・措置方法

血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。

機序・危険因子

副腎皮質刺激作用により糖質コルチコイドの分泌が増加する。糖質コルチコイドは、糖新生亢進、筋肉組織・脂肪組織からのアミノ酸や脂肪酸の遊離促進、末梢組織でのインスリン感受性低下等による血糖上昇作用を有する。

薬剤名等

アドレナリン

臨床症状・措置方法

血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。

機序・危険因子

糖新生亢進、末梢での糖利用抑制、インスリン分泌抑制による血糖上昇作用を有する。

薬剤名等

グルカゴン

臨床症状・措置方法

血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。

機序・危険因子

糖新生亢進、肝グリコーゲン分解促進による血糖上昇作用を有する。

薬剤名等

甲状腺ホルモン
レボチロキシンナトリウム水和物

臨床症状・措置方法

血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。

機序・危険因子

糖新生亢進、肝グリコーゲン分解促進による血糖上昇作用を有する。

薬剤名等

成長ホルモン
ソマトロピン

臨床症状・措置方法

血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。

機序・危険因子

抗インスリン様作用による血糖上昇作用を有する。

薬剤名等

卵胞ホルモン
エチニルエストラジオール
結合型エストロゲン

臨床症状・措置方法

血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。

機序・危険因子

末梢組織でインスリンの作用に拮抗する。

薬剤名等

経口避妊薬

臨床症状・措置方法

血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。

機序・危険因子

末梢組織でインスリンの作用に拮抗する。

薬剤名等

ニコチン酸

臨床症状・措置方法

血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。

機序・危険因子

末梢組織でのインスリン感受性を低下させるため耐糖能障害を起こす。

薬剤名等

濃グリセリン

臨床症状・措置方法

血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。

機序・危険因子

代謝されて糖になるため、血糖値が上昇する。

薬剤名等

イソニアジド

臨床症状・措置方法

血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。

機序・危険因子

炭水化物代謝を阻害することによる血糖上昇作用を有する。

薬剤名等

ダナゾール

臨床症状・措置方法

血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。

機序・危険因子

インスリン抵抗性を増強するおそれがある。

薬剤名等

フェニトイン

臨床症状・措置方法

血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。

機序・危険因子

インスリン分泌抑制作用を有する。

薬剤名等

蛋白同化ステロイド
メテノロン

臨床症状・措置方法

血糖降下作用の増強による低血糖症状[11.1.1 参照] 、又は減弱による高血糖症状があらわれることがある。
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。

機序・危険因子

機序不明

薬剤名等

ソマトスタチンアナログ製剤
オクトレオチド酢酸塩
ランレオチド酢酸塩

臨床症状・措置方法

血糖降下作用の増強による低血糖症状[11.1.1 参照] 、又は減弱による高血糖症状があらわれることがある。
併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。

機序・危険因子

インスリン、グルカゴン及び成長ホルモン等互いに拮抗的に調節作用をもつホルモン間のバランスが変化することがある。

詳細情報

正確な情報は PMDA で必ず確認して下さい

注意以下の情報は参考資料としてご活用下さい

2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 2.1 低血糖症状を呈している患者[11.1.1 参照]
  2. 2.2 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

3. 組成・性状

3.1 組成

ノボリンR注 100単位/mL

1バイアル(10mL)中
有効成分 日局 インスリン ヒト(遺伝子組換え)   1000単位
添加剤 酸化亜鉛1)    70μg
m-クレゾール   30mg
濃グリセリン   160mg
塩酸   適量
水酸化ナトリウム   適量
                
1) 亜鉛含量として
原薬由来の亜鉛量と合わせた一製剤当たりの総亜鉛含量は、210μgである。
              
本剤は出芽酵母を用いて製造される。

3.2 製剤の性状

ノボリンR注 100単位/mL

剤形 注射剤
pH 7.0~7.8
浸透圧比 0.6~0.8(生理食塩液に対する比)
性状 本剤は無色澄明の液であり、保存中に微細な沈殿物を僅かに認めることがある。

4. 効能又は効果

インスリン療法が適応となる糖尿病

5. 効能又は効果に関連する注意

2型糖尿病患者においては、急を要する場合以外は、あらかじめ糖尿病治療の基本である食事療法、運動療法を十分行ったうえで適用を考慮すること。

6. 用法及び用量

通常、成人では、初期は1回4~20単位を一般に毎食前に皮下注射するが、ときに回数をふやしたり、他のインスリン製剤を併用する。以後症状及び検査所見に応じて投与量を増減するが、維持量は通常1日4~100単位である。
但し、必要により上記用量を超えて使用することがある。
糖尿病昏睡には、必要に応じ皮下、筋肉内、静脈内注射又は持続静脈内注入を行う。

7. 用法及び用量に関連する注意

  1. 7.1 適用にあたっては本剤の作用時間、1mLあたりのインスリン含有単位と患者の病状に留意し、その製剤的特徴に適する場合に投与すること。
  2. 7.2 他のインスリン製剤から本剤への変更により、インスリン用量の変更が必要になる可能性がある。用量の調整には、初回の投与から数週間あるいは数ヵ月間必要になることがある。

8. 重要な基本的注意

  1. 8.1 低血糖に関する注意について、その対処法も含め患者及びその家族に十分徹底させること。[9.1.2 参照],[11.1.1 参照]
  2. 8.2 低血糖症状を起こすことがあるので、高所作業、自動車の運転等に従事している患者に投与するときには注意すること。[11.1.1 参照]
  3. 8.3 肝機能障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合はインスリン製剤を変更するなど適切な処置を行うこと。
  4. 8.4 急激な血糖コントロールに伴い、糖尿病網膜症の顕在化又は増悪、眼の屈折異常、治療後神経障害(主として有痛性)があらわれることがあるので注意すること。
  5. 8.5 本剤の自己注射にあたっては、以下の点に留意すること。
    ・投与法について十分な教育訓練を実施したのち、患者自ら確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導の下で実施すること。
    ・全ての器具の安全な廃棄方法について指導を徹底すること。
  6. 8.6 本剤と他のインスリン製剤を取り違えないよう、毎回注射する前に本剤のラベル等を確認するよう患者に十分指導すること。
  7. 8.7 同一箇所への繰り返し投与により、注射箇所に皮膚アミロイドーシス又はリポジストロフィーがあらわれることがあるので、定期的に注射箇所を観察するとともに、以下の点を患者に指導すること。
    ・本剤の注射箇所は、少なくとも前回の注射箇所から2~3cm離すこと。[14.1.2 参照]
    ・注射箇所の腫瘤や硬結が認められた場合には、当該箇所への投与を避けること。
  8. 8.8 皮膚アミロイドーシス又はリポジストロフィーがあらわれた箇所に本剤を投与した場合、本剤の吸収が妨げられ十分な血糖コントロールが得られなくなることがある。血糖コントロールの不良が認められた場合には、注射箇所の腫瘤や硬結の有無を確認し、注射箇所の変更とともに投与量の調整を行うなどの適切な処置を行うこと。血糖コントロールの不良に伴い、過度に増量されたインスリン製剤が正常な箇所に投与されたことにより、低血糖に至った例が報告されている。
  9. 8.9 インスリン含有単位(UNITS)と液量の単位(mL)を混同することにより、誤ったインスリン量を投与する可能性がある。本剤を調製又は投与する場合は、「単位」もしくは「UNITS」の目盛が表示されているインスリンバイアル専用の注射器を用いること。

9. 特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者

  1. 9.1.1 手術、外傷、感染症等の患者

    インスリン需要の変動が激しい。

  2. 9.1.2 低血糖を起こすおそれがある以下の患者又は状態

    ・脳下垂体機能不全又は副腎機能不全
    ・下痢、嘔吐等の胃腸障害
    ・飢餓状態、不規則な食事摂取
    ・激しい筋肉運動
    ・過度のアルコール摂取者
    [8.1 参照],[11.1.1 参照]

9.2 腎機能障害患者

  1. 9.2.1 重度の腎機能障害患者

    低血糖を起こすおそれがある。[11.1.1 参照]

9.3 肝機能障害患者

  1. 9.3.1 重度の肝機能障害患者

    低血糖を起こすおそれがある。[11.1.1 参照]

9.5 妊婦

妊娠した場合、あるいは妊娠が予測される場合には医師に知らせるよう指導すること。妊娠中、周産期等にはインスリンの需要量が変化しやすいため、用量に留意し、定期的に検査を行い投与量を調整すること。通常インスリン需要量は、妊娠初期は減少し、中期及び後期は増加する。

9.6 授乳婦

用量に留意し、定期的に検査を行い投与量を調整すること。インスリンの需要量が変化しやすい。

9.7 小児等

定期的に検査を行い投与量を調整すること。成長、思春期及び活動性によりインスリンの需要量が変化する。

9.8 高齢者

患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。生理機能が低下していることが多く、低血糖が発現しやすい。[11.1.1 参照]

10. 相互作用

    10.2 併用注意(併用に注意すること)

    薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子

    糖尿病用薬
       ビグアナイド薬
       スルホニルウレア薬
       速効型インスリン分泌促進薬
       α-グルコシダーゼ阻害薬
       チアゾリジン薬
       DPP-4阻害薬
       GLP-1受容体作動薬
       SGLT2阻害薬
                                         等

    血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。[11.1.1 参照]

    血糖降下作用が増強される。

    モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤

    血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。[11.1.1 参照]

    インスリン分泌促進、糖新生抑制作用による血糖降下作用を有する。

    三環系抗うつ剤
       ノルトリプチリン塩酸塩
                                          等

    血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。[11.1.1 参照]

    機序は不明であるが、インスリン感受性を増強するなどの報告がある。

    サリチル酸誘導体
       アスピリン
       エテンザミド

    血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。[11.1.1 参照]

    糖に対するβ細胞の感受性の亢進やインスリン利用率の増加等による血糖降下作用を有する。また、末梢で弱いインスリン様作用を有する。

    抗腫瘍剤
       シクロホスファミド水和物

    血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。[11.1.1 参照]

    インスリンが結合する抗体の生成を抑制し、その結合部位からインスリンを遊離させる可能性がある。

    β-遮断剤
       プロプラノロール塩酸塩
       アテノロール
       ピンドロール

    血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。[11.1.1 参照]

    アドレナリンによる低血糖からの回復反応を抑制する。また、低血糖に対する交感神経系の症状(振戦、動悸等)をマスクし、低血糖を遷延させる可能性がある。

    クマリン系薬剤
       ワルファリンカリウム

    血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。[11.1.1 参照]

    機序不明

    クロラムフェニコール

    血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。[11.1.1 参照]

    機序不明

    ベザフィブラート

    血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。[11.1.1 参照]

    インスリン感受性増強等の作用により、本剤の作用を増強する。

    サルファ剤

    血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。[11.1.1 参照]

    膵臓でのインスリン分泌を増加させることにより、低血糖を起こすと考えられている。腎機能低下、空腹状態の遷延、栄養不良、過量投与が危険因子となる。

    シベンゾリンコハク酸塩
    ジソピラミド
    ピルメノール塩酸塩水和物

    血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。[11.1.1 参照]

    インスリン分泌作用を認めたとの報告がある。

    チアジド系利尿剤
       トリクロルメチアジド

    血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。

    カリウム喪失が関与すると考えられている。カリウム欠乏時には、血糖上昇反応に対するβ細胞のインスリン分泌能が低下する可能性がある。

    副腎皮質ステロイド
       プレドニゾロン
       トリアムシノロン

    血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。

    糖新生亢進、筋肉組織・脂肪組織からのアミノ酸や脂肪酸の遊離促進、末梢組織でのインスリン感受性低下等による血糖上昇作用を有する。

    ACTH
       テトラコサクチド酢酸塩

    血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。

    副腎皮質刺激作用により糖質コルチコイドの分泌が増加する。糖質コルチコイドは、糖新生亢進、筋肉組織・脂肪組織からのアミノ酸や脂肪酸の遊離促進、末梢組織でのインスリン感受性低下等による血糖上昇作用を有する。

    アドレナリン

    血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。

    糖新生亢進、末梢での糖利用抑制、インスリン分泌抑制による血糖上昇作用を有する。

    グルカゴン

    血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。

    糖新生亢進、肝グリコーゲン分解促進による血糖上昇作用を有する。

    甲状腺ホルモン
       レボチロキシンナトリウム水和物

    血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。

    糖新生亢進、肝グリコーゲン分解促進による血糖上昇作用を有する。

    成長ホルモン
       ソマトロピン

    血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。

    抗インスリン様作用による血糖上昇作用を有する。

    卵胞ホルモン
       エチニルエストラジオール
       結合型エストロゲン

    血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。

    末梢組織でインスリンの作用に拮抗する。

    経口避妊薬

    血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。

    末梢組織でインスリンの作用に拮抗する。

    ニコチン酸

    血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。

    末梢組織でのインスリン感受性を低下させるため耐糖能障害を起こす。

    濃グリセリン

    血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。

    代謝されて糖になるため、血糖値が上昇する。

    イソニアジド

    血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。

    炭水化物代謝を阻害することによる血糖上昇作用を有する。

    ダナゾール

    血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。

    インスリン抵抗性を増強するおそれがある。

    フェニトイン

    血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。

    インスリン分泌抑制作用を有する。

    蛋白同化ステロイド
       メテノロン

    血糖降下作用の増強による低血糖症状[11.1.1 参照] 、又は減弱による高血糖症状があらわれることがある。
    併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。

    機序不明

    ソマトスタチンアナログ製剤
       オクトレオチド酢酸塩
       ランレオチド酢酸塩

    血糖降下作用の増強による低血糖症状[11.1.1 参照] 、又は減弱による高血糖症状があらわれることがある。
    併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。

    インスリン、グルカゴン及び成長ホルモン等互いに拮抗的に調節作用をもつホルモン間のバランスが変化することがある。

    11. 副作用

    次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    11.1 重大な副作用

    1. 11.1.1 低血糖(頻度不明)

      脱力感、倦怠感、高度の空腹感、冷汗、顔面蒼白、動悸、振戦、頭痛、めまい、嘔気、視覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、痙攣、意識障害(意識混濁、昏睡)等があらわれることがある。無処置の状態が続くと低血糖昏睡等を起こし、重篤な転帰(中枢神経系の不可逆的障害、死亡等)をとるおそれがある。
      長期にわたる糖尿病、糖尿病性神経障害、β-遮断剤投与あるいは強化インスリン療法が行われている場合では、低血糖の初期の自覚症状(冷汗、振戦等)が通常と異なる場合や、自覚症状があらわれないまま、低血糖あるいは低血糖性昏睡に陥ることがある。
      症状が認められた場合には糖質を含む食品を摂取する等、適切な処置を行うこと。α-グルコシダーゼ阻害薬との併用時にはブドウ糖を投与すること。経口摂取が不可能な場合は、ブドウ糖の静脈内投与やグルカゴンの筋肉内投与等、適切な処置を行うこと。
      低血糖は臨床的に回復した場合にも再発することがあるので継続的に観察すること。[2.1 参照],[8.1 参照],[8.2 参照],[9.1.2 参照],[9.2.1 参照],[9.3.1 参照],[9.8 参照],[10.2 参照]

    2. 11.1.2 アナフィラキシーショック(0.1%未満)

      呼吸困難、血圧低下、頻脈、発汗、全身の発疹、血管神経性浮腫等の症状が認められた場合は投与を中止すること。

    11.2 その他の副作用

    0.1~5%未満

    0.1%未満

    頻度不明

    過敏症

    アレルギー、じん麻疹、発疹、そう痒感

    血圧降下

    肝臓

    肝機能障害

    消化器

    食欲不振

    嘔気

    神経系

    治療後神経障害(主に有痛性)

    糖尿病網膜症の顕在化又は増悪、屈折異常

    注射部位

    疼痛、発赤、腫脹、硬結、リポジストロフィー(皮下脂肪の萎縮・肥厚等)

    発疹

    皮膚アミロイドーシス

    その他

    *浮腫、発熱、抗インスリン抗体産生に伴う血糖コントロール不良

    14. 適用上の注意

    14.1 薬剤投与時の注意

    1. 14.1.1 調製時・調製方法

      (1)本剤は中間型ヒトインスリン製剤と混注できる。また、混合に際しては各製剤の1mLあたりのインスリン含有単位に注意し、混合後直ちに皮下注射すること。
      (2)本剤は緩衝液を含まない製剤である。なお、異なるインスリン製剤の混和に際しては、各製剤ごとに付された注意を守ること。

    2. 14.1.2 投与部位

      皮下注射は、上腕、大腿、腹部、臀部等に行う。投与部位により吸収速度が異なるので部位を決め、その中で注射箇所を毎回変えること。前回の注射箇所より2~3cm離して注射すること。[8.7 参照]

    3. 14.1.3 投与経路

      本剤の投与を皮下注射にて行う場合、まれに注射針が血管内に入り、注射後直ちに低血糖があらわれることがあるので注意すること。

    4. 14.1.4 その他

      バイアルの底や壁に付着物がみられたり、液中に塊や薄片がみられることがある。また、使用中に液が変色することがある。これらのような場合は使用しないこと。

    15. その他の注意

    15.1 臨床使用に基づく情報

    1. 15.1.1 インスリン又は経口糖尿病薬の投与中にアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与することにより、低血糖が起こりやすいとの報告がある1)  。
    2. 15.1.2 本剤を持続皮下インスリン注入療法(CSII)に使用した場合、シリンジ内の沈殿物の発生や注入ルートの閉塞等の理由により血糖コントロールへの影響がみられたとの報告がある。
    3. 15.1.3 ピオグリタゾンと併用した場合、浮腫が多く報告されている。併用する場合には、浮腫及び心不全の徴候を十分観察しながら投与すること。

    2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)

    1. 2.1 低血糖症状を呈している患者[11.1.1 参照]
    2. 2.2 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

    3. 組成・性状

    3.1 組成

    ノボリンR注 100単位/mL

    1バイアル(10mL)中
    有効成分 日局 インスリン ヒト(遺伝子組換え)   1000単位
    添加剤 酸化亜鉛1)    70μg
    m-クレゾール   30mg
    濃グリセリン   160mg
    塩酸   適量
    水酸化ナトリウム   適量
                    
    1) 亜鉛含量として
    原薬由来の亜鉛量と合わせた一製剤当たりの総亜鉛含量は、210μgである。
                  
    本剤は出芽酵母を用いて製造される。

    3.2 製剤の性状

    ノボリンR注 100単位/mL

    剤形 注射剤
    pH 7.0~7.8
    浸透圧比 0.6~0.8(生理食塩液に対する比)
    性状 本剤は無色澄明の液であり、保存中に微細な沈殿物を僅かに認めることがある。

    4. 効能又は効果

    インスリン療法が適応となる糖尿病

    5. 効能又は効果に関連する注意

    2型糖尿病患者においては、急を要する場合以外は、あらかじめ糖尿病治療の基本である食事療法、運動療法を十分行ったうえで適用を考慮すること。

    6. 用法及び用量

    通常、成人では、初期は1回4~20単位を一般に毎食前に皮下注射するが、ときに回数をふやしたり、他のインスリン製剤を併用する。以後症状及び検査所見に応じて投与量を増減するが、維持量は通常1日4~100単位である。
    但し、必要により上記用量を超えて使用することがある。
    糖尿病昏睡には、必要に応じ皮下、筋肉内、静脈内注射又は持続静脈内注入を行う。

    7. 用法及び用量に関連する注意

    1. 7.1 適用にあたっては本剤の作用時間、1mLあたりのインスリン含有単位と患者の病状に留意し、その製剤的特徴に適する場合に投与すること。
    2. 7.2 他のインスリン製剤から本剤への変更により、インスリン用量の変更が必要になる可能性がある。用量の調整には、初回の投与から数週間あるいは数ヵ月間必要になることがある。

    8. 重要な基本的注意

    1. 8.1 低血糖に関する注意について、その対処法も含め患者及びその家族に十分徹底させること。[9.1.2 参照],[11.1.1 参照]
    2. 8.2 低血糖症状を起こすことがあるので、高所作業、自動車の運転等に従事している患者に投与するときには注意すること。[11.1.1 参照]
    3. 8.3 肝機能障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合はインスリン製剤を変更するなど適切な処置を行うこと。
    4. 8.4 急激な血糖コントロールに伴い、糖尿病網膜症の顕在化又は増悪、眼の屈折異常、治療後神経障害(主として有痛性)があらわれることがあるので注意すること。
    5. 8.5 本剤の自己注射にあたっては、以下の点に留意すること。
      ・投与法について十分な教育訓練を実施したのち、患者自ら確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導の下で実施すること。
      ・全ての器具の安全な廃棄方法について指導を徹底すること。
    6. 8.6 本剤と他のインスリン製剤を取り違えないよう、毎回注射する前に本剤のラベル等を確認するよう患者に十分指導すること。
    7. 8.7 同一箇所への繰り返し投与により、注射箇所に皮膚アミロイドーシス又はリポジストロフィーがあらわれることがあるので、定期的に注射箇所を観察するとともに、以下の点を患者に指導すること。
      ・本剤の注射箇所は、少なくとも前回の注射箇所から2~3cm離すこと。[14.1.2 参照]
      ・注射箇所の腫瘤や硬結が認められた場合には、当該箇所への投与を避けること。
    8. 8.8 皮膚アミロイドーシス又はリポジストロフィーがあらわれた箇所に本剤を投与した場合、本剤の吸収が妨げられ十分な血糖コントロールが得られなくなることがある。血糖コントロールの不良が認められた場合には、注射箇所の腫瘤や硬結の有無を確認し、注射箇所の変更とともに投与量の調整を行うなどの適切な処置を行うこと。血糖コントロールの不良に伴い、過度に増量されたインスリン製剤が正常な箇所に投与されたことにより、低血糖に至った例が報告されている。
    9. 8.9 インスリン含有単位(UNITS)と液量の単位(mL)を混同することにより、誤ったインスリン量を投与する可能性がある。本剤を調製又は投与する場合は、「単位」もしくは「UNITS」の目盛が表示されているインスリンバイアル専用の注射器を用いること。

    9. 特定の背景を有する患者に関する注意

    9.1 合併症・既往歴等のある患者

    1. 9.1.1 手術、外傷、感染症等の患者

      インスリン需要の変動が激しい。

    2. 9.1.2 低血糖を起こすおそれがある以下の患者又は状態

      ・脳下垂体機能不全又は副腎機能不全
      ・下痢、嘔吐等の胃腸障害
      ・飢餓状態、不規則な食事摂取
      ・激しい筋肉運動
      ・過度のアルコール摂取者
      [8.1 参照],[11.1.1 参照]

    9.2 腎機能障害患者

    1. 9.2.1 重度の腎機能障害患者

      低血糖を起こすおそれがある。[11.1.1 参照]

    9.3 肝機能障害患者

    1. 9.3.1 重度の肝機能障害患者

      低血糖を起こすおそれがある。[11.1.1 参照]

    9.5 妊婦

    妊娠した場合、あるいは妊娠が予測される場合には医師に知らせるよう指導すること。妊娠中、周産期等にはインスリンの需要量が変化しやすいため、用量に留意し、定期的に検査を行い投与量を調整すること。通常インスリン需要量は、妊娠初期は減少し、中期及び後期は増加する。

    9.6 授乳婦

    用量に留意し、定期的に検査を行い投与量を調整すること。インスリンの需要量が変化しやすい。

    9.7 小児等

    定期的に検査を行い投与量を調整すること。成長、思春期及び活動性によりインスリンの需要量が変化する。

    9.8 高齢者

    患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。生理機能が低下していることが多く、低血糖が発現しやすい。[11.1.1 参照]

    10. 相互作用

      10.2 併用注意(併用に注意すること)

      薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子

      糖尿病用薬
         ビグアナイド薬
         スルホニルウレア薬
         速効型インスリン分泌促進薬
         α-グルコシダーゼ阻害薬
         チアゾリジン薬
         DPP-4阻害薬
         GLP-1受容体作動薬
         SGLT2阻害薬
                                           等

      血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。[11.1.1 参照]

      血糖降下作用が増強される。

      モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤

      血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。[11.1.1 参照]

      インスリン分泌促進、糖新生抑制作用による血糖降下作用を有する。

      三環系抗うつ剤
         ノルトリプチリン塩酸塩
                                            等

      血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。[11.1.1 参照]

      機序は不明であるが、インスリン感受性を増強するなどの報告がある。

      サリチル酸誘導体
         アスピリン
         エテンザミド

      血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。[11.1.1 参照]

      糖に対するβ細胞の感受性の亢進やインスリン利用率の増加等による血糖降下作用を有する。また、末梢で弱いインスリン様作用を有する。

      抗腫瘍剤
         シクロホスファミド水和物

      血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。[11.1.1 参照]

      インスリンが結合する抗体の生成を抑制し、その結合部位からインスリンを遊離させる可能性がある。

      β-遮断剤
         プロプラノロール塩酸塩
         アテノロール
         ピンドロール

      血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。[11.1.1 参照]

      アドレナリンによる低血糖からの回復反応を抑制する。また、低血糖に対する交感神経系の症状(振戦、動悸等)をマスクし、低血糖を遷延させる可能性がある。

      クマリン系薬剤
         ワルファリンカリウム

      血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。[11.1.1 参照]

      機序不明

      クロラムフェニコール

      血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。[11.1.1 参照]

      機序不明

      ベザフィブラート

      血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。[11.1.1 参照]

      インスリン感受性増強等の作用により、本剤の作用を増強する。

      サルファ剤

      血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。[11.1.1 参照]

      膵臓でのインスリン分泌を増加させることにより、低血糖を起こすと考えられている。腎機能低下、空腹状態の遷延、栄養不良、過量投与が危険因子となる。

      シベンゾリンコハク酸塩
      ジソピラミド
      ピルメノール塩酸塩水和物

      血糖降下作用の増強による低血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。[11.1.1 参照]

      インスリン分泌作用を認めたとの報告がある。

      チアジド系利尿剤
         トリクロルメチアジド

      血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。

      カリウム喪失が関与すると考えられている。カリウム欠乏時には、血糖上昇反応に対するβ細胞のインスリン分泌能が低下する可能性がある。

      副腎皮質ステロイド
         プレドニゾロン
         トリアムシノロン

      血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。

      糖新生亢進、筋肉組織・脂肪組織からのアミノ酸や脂肪酸の遊離促進、末梢組織でのインスリン感受性低下等による血糖上昇作用を有する。

      ACTH
         テトラコサクチド酢酸塩

      血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。

      副腎皮質刺激作用により糖質コルチコイドの分泌が増加する。糖質コルチコイドは、糖新生亢進、筋肉組織・脂肪組織からのアミノ酸や脂肪酸の遊離促進、末梢組織でのインスリン感受性低下等による血糖上昇作用を有する。

      アドレナリン

      血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。

      糖新生亢進、末梢での糖利用抑制、インスリン分泌抑制による血糖上昇作用を有する。

      グルカゴン

      血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。

      糖新生亢進、肝グリコーゲン分解促進による血糖上昇作用を有する。

      甲状腺ホルモン
         レボチロキシンナトリウム水和物

      血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。

      糖新生亢進、肝グリコーゲン分解促進による血糖上昇作用を有する。

      成長ホルモン
         ソマトロピン

      血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。

      抗インスリン様作用による血糖上昇作用を有する。

      卵胞ホルモン
         エチニルエストラジオール
         結合型エストロゲン

      血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。

      末梢組織でインスリンの作用に拮抗する。

      経口避妊薬

      血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。

      末梢組織でインスリンの作用に拮抗する。

      ニコチン酸

      血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。

      末梢組織でのインスリン感受性を低下させるため耐糖能障害を起こす。

      濃グリセリン

      血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。

      代謝されて糖になるため、血糖値が上昇する。

      イソニアジド

      血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。

      炭水化物代謝を阻害することによる血糖上昇作用を有する。

      ダナゾール

      血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。

      インスリン抵抗性を増強するおそれがある。

      フェニトイン

      血糖降下作用の減弱による高血糖症状があらわれることがある。併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。

      インスリン分泌抑制作用を有する。

      蛋白同化ステロイド
         メテノロン

      血糖降下作用の増強による低血糖症状[11.1.1 参照] 、又は減弱による高血糖症状があらわれることがある。
      併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。

      機序不明

      ソマトスタチンアナログ製剤
         オクトレオチド酢酸塩
         ランレオチド酢酸塩

      血糖降下作用の増強による低血糖症状[11.1.1 参照] 、又は減弱による高血糖症状があらわれることがある。
      併用する場合は血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。

      インスリン、グルカゴン及び成長ホルモン等互いに拮抗的に調節作用をもつホルモン間のバランスが変化することがある。

      11. 副作用

      次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

      11.1 重大な副作用

      1. 11.1.1 低血糖(頻度不明)

        脱力感、倦怠感、高度の空腹感、冷汗、顔面蒼白、動悸、振戦、頭痛、めまい、嘔気、視覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、痙攣、意識障害(意識混濁、昏睡)等があらわれることがある。無処置の状態が続くと低血糖昏睡等を起こし、重篤な転帰(中枢神経系の不可逆的障害、死亡等)をとるおそれがある。
        長期にわたる糖尿病、糖尿病性神経障害、β-遮断剤投与あるいは強化インスリン療法が行われている場合では、低血糖の初期の自覚症状(冷汗、振戦等)が通常と異なる場合や、自覚症状があらわれないまま、低血糖あるいは低血糖性昏睡に陥ることがある。
        症状が認められた場合には糖質を含む食品を摂取する等、適切な処置を行うこと。α-グルコシダーゼ阻害薬との併用時にはブドウ糖を投与すること。経口摂取が不可能な場合は、ブドウ糖の静脈内投与やグルカゴンの筋肉内投与等、適切な処置を行うこと。
        低血糖は臨床的に回復した場合にも再発することがあるので継続的に観察すること。[2.1 参照],[8.1 参照],[8.2 参照],[9.1.2 参照],[9.2.1 参照],[9.3.1 参照],[9.8 参照],[10.2 参照]

      2. 11.1.2 アナフィラキシーショック(0.1%未満)

        呼吸困難、血圧低下、頻脈、発汗、全身の発疹、血管神経性浮腫等の症状が認められた場合は投与を中止すること。

      11.2 その他の副作用

      0.1~5%未満

      0.1%未満

      頻度不明

      過敏症

      アレルギー、じん麻疹、発疹、そう痒感

      血圧降下

      肝臓

      肝機能障害

      消化器

      食欲不振

      嘔気

      神経系

      治療後神経障害(主に有痛性)

      糖尿病網膜症の顕在化又は増悪、屈折異常

      注射部位

      疼痛、発赤、腫脹、硬結、リポジストロフィー(皮下脂肪の萎縮・肥厚等)

      発疹

      皮膚アミロイドーシス

      その他

      *浮腫、発熱、抗インスリン抗体産生に伴う血糖コントロール不良

      14. 適用上の注意

      14.1 薬剤投与時の注意

      1. 14.1.1 調製時・調製方法

        (1)本剤は中間型ヒトインスリン製剤と混注できる。また、混合に際しては各製剤の1mLあたりのインスリン含有単位に注意し、混合後直ちに皮下注射すること。
        (2)本剤は緩衝液を含まない製剤である。なお、異なるインスリン製剤の混和に際しては、各製剤ごとに付された注意を守ること。

      2. 14.1.2 投与部位

        皮下注射は、上腕、大腿、腹部、臀部等に行う。投与部位により吸収速度が異なるので部位を決め、その中で注射箇所を毎回変えること。前回の注射箇所より2~3cm離して注射すること。[8.7 参照]

      3. 14.1.3 投与経路

        本剤の投与を皮下注射にて行う場合、まれに注射針が血管内に入り、注射後直ちに低血糖があらわれることがあるので注意すること。

      4. 14.1.4 その他

        バイアルの底や壁に付着物がみられたり、液中に塊や薄片がみられることがある。また、使用中に液が変色することがある。これらのような場合は使用しないこと。

      15. その他の注意

      15.1 臨床使用に基づく情報

      1. 15.1.1 インスリン又は経口糖尿病薬の投与中にアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与することにより、低血糖が起こりやすいとの報告がある1)  。
      2. 15.1.2 本剤を持続皮下インスリン注入療法(CSII)に使用した場合、シリンジ内の沈殿物の発生や注入ルートの閉塞等の理由により血糖コントロールへの影響がみられたとの報告がある。
      3. 15.1.3 ピオグリタゾンと併用した場合、浮腫が多く報告されている。併用する場合には、浮腫及び心不全の徴候を十分観察しながら投与すること。

      その他詳細情報

      日本標準商品分類番号
      872492
      ブランドコード
      2492403A4043
      承認番号
      22300AMX00492000
      販売開始年月
      1992-05
      貯法
      凍結を避け、2~8℃に保存
      有効期間
      30ヵ月
      規制区分
      2, 12

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      • 副作用の発生頻度や重篤度は個人差があります。ここで提供される情報は一般的なものであり、すべての患者さんに当てはまるわけではありません。
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