薬効分類名子宮内膜症に伴う疼痛改善剤・月経困難症治療剤
一般的名称ドロスピレノン・エチニルエストラジオール
ドロエチフレックス配合錠「バイエル」
どろえちふれっくすはいごうじょうばいえる
DroEthiFLEX Combination Tablets
製造販売元/バイエル ライフサイエンス株式会社、発売元/久光製薬株式会社
重大な副作用
その他の副作用
併用注意
副腎皮質ホルモン
- プレドニゾロン等
三環系抗うつ剤
- イミプラミン等
セレギリン塩酸塩
シクロスポリン
オメプラゾール
これらの薬剤の作用が増強するおそれがある。
本剤はこれらの薬剤の代謝を抑制すると考えられる。
テオフィリン
チザニジン塩酸塩
これらの薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある。
本剤がこれらの薬剤の代謝酵素(CYP1A2)を阻害すると考えられる。
リファンピシン
バルビツール酸系製剤
- フェノバルビタール等
ヒダントイン系製剤
- フェニトインナトリウム等
カルバマゼピン
ボセンタン
モダフィニル
トピラマート
本剤の効果の減弱化及び不正性器出血の発現率が増大するおそれがある。
これらの薬剤は薬物代謝酵素を誘導し、本剤の代謝を促進すると考えられる。
テトラサイクリン系抗生物質
- テトラサイクリン等
ペニシリン系抗生物質
- アンピシリン等
本剤の効果の減弱化及び不正性器出血の発現率が増大するおそれがある。
これらの薬剤は腸内細菌叢を変化させ、本剤の腸肝循環による再吸収を抑制すると考えられる。
テルビナフィン塩酸塩
黄体ホルモン・卵胞ホルモン配合剤との併用で、月経異常があらわれたとの報告がある。
機序不明
Gn-RH誘導体
- ブセレリン酢酸塩等
これらの薬剤の作用を減弱するおそれがある。
これらの薬剤は性ホルモンの分泌を低下することにより薬効を示すため、性ホルモンである本剤の投与によってこれらの薬剤の効果を減弱する可能性が考えられる。
血糖降下剤
- インスリン製剤、スルフォニル尿素系製剤、スルフォンアミド系製剤、ビグアナイド系製剤等
血糖降下剤の作用が減弱するおそれがある。血糖値その他患者の状態を十分観察し、血糖降下剤の用量を調節するなど注意する。
本剤は耐糖能を低下させ、血糖降下剤の作用を減弱させると考えられる。
HIVプロテアーゼ阻害剤
- ネルフィナビルメシル酸塩、リトナビル、ダルナビル、ホスアンプレナビル(リトナビル併用時)、ロピナビル・リトナビル配合剤等
非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤
- ネビラピン
本剤の作用が減弱するおそれがある。
エチニルエストラジオールのAUCが減少する。
HIVプロテアーゼ阻害剤
- アタザナビル
本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。
本剤の代謝酵素(CYP3A4)を阻害すると考えられる。
非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤
- エトラビリン
本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。
エトラビリンは本剤の代謝酵素(CYP2C9)を阻害すると考えられる。
セイヨウオトギリソウ(St. John’s Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
本剤の効果の減弱化及び不正性器出血の発現率が増大するおそれがあるので、本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること。
この食品は薬物代謝酵素を誘導し、本剤の代謝を促進すると考えられる。
フルコナゾール
本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。
フルコナゾールは本剤の代謝酵素(CYP3A4)を阻害すると考えられる。
ボリコナゾール
本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。
ボリコナゾールの血中濃度が上昇するおそれがある。
ボリコナゾールは本剤の代謝酵素(CYP3A4)を阻害すると考えられる。
本剤がボリコナゾールの代謝酵素(CYP2C19)を阻害すると考えられる。
アセトアミノフェン
本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。
アセトアミノフェンの血中濃度が低下するおそれがある。
アセトアミノフェンはエチニルエストラジオールの硫酸抱合を阻害すると考えられる。
本剤が肝におけるアセトアミノフェンのグルクロン酸抱合を促進すると考えられる。
ラモトリギン
モルヒネ
サリチル酸
これらの薬剤の血中濃度が低下するおそれがある。
本剤はこれらの薬剤のグルクロン酸抱合を促進すると考えられる。
カリウム製剤
- 塩化カリウム、グルコン酸カリウム等
ACE阻害剤
- カプトプリル、エナラプリル等
アンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤
- ロサルタンカリウム、カンデサルタンシレキセチル等
カリウム保持性利尿薬
- スピロノラクトン、トリアムテレン、カンレノ酸カリウム等
非ステロイド性消炎鎮痛剤
- インドメタシン等
高カリウム血症を誘発することがあるので、血清カリウム値を観察するなど十分注意すること。
これらの薬剤による血清カリウム値の上昇とドロスピレノンの抗ミネラルコルチコイド作用によると考えられる。
危険因子:腎障害患者、血清カリウム値の高い患者
1. 警告
本剤の服用により、血栓症があらわれ、致死的な経過をたどることがあるので、次のような症状があらわれた場合は直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
患者に対しても、このような症状があらわれた場合は、直ちに服用を中止し、救急医療機関を受診するよう説明すること。
[2.4 参照],[2.5 参照],[2.6 参照],[2.7 参照],[2.8 参照],[2.9 参照],[2.10 参照],[2.11 参照],[2.14 参照],[2.15 参照],[8.2 参照],[8.3 参照],[8.4 参照],[8.5 参照],[8.6 参照],[9.1.2 参照],[9.1.5 参照],[9.1.6 参照],[9.1.7 参照],[9.1.8 参照],[9.1.9 参照],[9.1.10 参照],[11.1.1 参照]
2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)
- 2.1 本剤の成分に対し過敏性素因のある患者
- 2.2 エストロゲン依存性悪性腫瘍(例えば、乳癌、子宮内膜癌)、子宮頸癌及びその疑いのある患者[腫瘍の悪化あるいは顕性化を促すことがある。][8.8 参照],[8.9 参照],[8.10 参照],[8.12 参照]
- 2.3 診断の確定していない異常性器出血のある患者[性器癌の疑いがある。出血が性器癌による場合は、癌の悪化あるいは顕性化を促すことがある。][8.8 参照],[8.10 参照],[8.12 参照]
- 2.4 血栓性静脈炎、肺塞栓症、脳血管障害、冠動脈疾患又はその既往歴のある患者[血液凝固能が亢進され、これらの症状が増悪することがある。][1 参照],[11.1.1 参照]
- 2.5 35歳以上で1日15本以上の喫煙者[心筋梗塞等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告がある。][1 参照],[8.6 参照],[9.1.2 参照],[9.1.5 参照],[11.1.1 参照]
- 2.6 前兆(閃輝暗点、星型閃光等)を伴う片頭痛の患者[前兆を伴う片頭痛の患者は前兆を伴わない患者に比べ脳血管障害(脳卒中等)が発生しやすくなるとの報告がある。][1 参照],[11.1.1 参照]
- 2.7 肺高血圧症又は心房細動を合併する心臓弁膜症の患者、亜急性細菌性心内膜炎の既往歴のある心臓弁膜症の患者[血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告がある。][1 参照],[9.1.9 参照],[11.1.1 参照]
- 2.8 血管病変を伴う糖尿病患者(糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症等)[血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告がある。][1 参照],[11.1.1 参照]
- 2.9 血栓性素因のある患者[血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告がある。][1 参照],[11.1.1 参照]
- 2.10 抗リン脂質抗体症候群の患者[血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告がある。][1 参照],[11.1.1 参照]
- 2.11 手術前4週以内、術後2週以内、産後4週以内及び長期間安静状態の患者[血液凝固能が亢進され、心血管系の副作用の危険性が高くなることがある。][1 参照],[8.5 参照],[11.1.1 参照]
- 2.12 重篤な肝障害のある患者[9.3.1 参照]
- 2.13 肝腫瘍のある患者[症状が増悪することがある。]
- 2.14 脂質代謝異常のある患者[血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告がある。また、脂質代謝に影響を及ぼす可能性があるため、症状が増悪することがある。][1 参照],[11.1.1 参照]
- 2.15 高血圧のある患者(軽度の高血圧の患者を除く)[血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告がある。また、症状が増悪することがある。][1 参照],[9.1.10 参照],[11.1.1 参照]
- 2.16 耳硬化症の患者[症状が増悪することがある。]
- 2.17 妊娠中に黄疸、持続性そう痒症又は妊娠ヘルペスの既往歴のある患者[症状が再発するおそれがある。]
- 2.18 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.4.1 参照],[9.4.2 参照],[9.5.1 参照]
- 2.19 授乳婦[9.6 参照]
- 2.20 骨成長が終了していない可能性がある患者[骨端の早期閉鎖を来すおそれがある。]
- 2.21 重篤な腎障害又は急性腎障害のある患者[9.2.1 参照]
5. 効能又は効果に関連する注意
-
〈生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整〉
妊娠率や生産率の報告を踏まえると、本剤を含む低用量黄体ホルモン・卵胞ホルモン配合剤で調節卵巣刺激の開始時期の調整を行った場合は、開始時期の調整を行わない場合と比べて、妊娠率や生産率が低下する可能性があるので、このことを患者に説明した上で、本剤の投与の要否は、患者ごとに治療上の必要性及び危険性を考慮して慎重に判断すること。[15.1.6 参照]
8. 重要な基本的注意
-
〈効能共通〉
- 8.1 本剤を避妊目的で使用しないこと。日本人における避妊目的での有効性及び安全性は確認されていない。
- 8.2 本剤の服用により、年齢、喫煙、肥満、家族歴等のリスク因子の有無にかかわらず血栓症があらわれることがあるので、血栓症が疑われる症状があらわれた場合は、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。[1 参照],[11.1.1 参照]
- 8.3 血栓症のリスクが高まる状態(体を動かせない状態、顕著な血圧上昇、脱水等)が認められる場合は、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。[1 参照],[11.1.1 参照]
- 8.4 本剤服用患者には、投与開始時及び継続時に以下について説明すること。[1 参照],[11.1.1 参照]
- 8.5 本剤服用中にやむを得ず手術が必要と判断される場合には、血栓症の予防に十分配慮すること。[1 参照],[2.11 参照],[11.1.1 参照]
- 8.6 年齢及び喫煙量により心血管系の重篤な副作用の危険性が増大するとの報告がある。従って、本剤服用患者には禁煙するよう指導すること。[1 参照],[2.5 参照],[9.1.2 参照],[9.1.5 参照],[11.1.1 参照]
- 8.7 本剤は黄体ホルモンと卵胞ホルモンの配合剤であることから、黄体ホルモンまたは卵胞ホルモンを含有する薬剤(経口避妊剤等)を使用している場合は、本剤の投与開始前に中止させること。また、本剤投与中にこれらの薬剤を使用しないよう患者に指導すること。
-
〈子宮内膜症に伴う疼痛の改善、月経困難症〉
- 8.8 本剤の投与にあたっては患者の病歴調査及び検診が必要である。この検診には、血圧測定、乳房・腹部の検査及び臨床検査が含まれる。本剤投与中は6ヵ月ごとの検診を行い、1年に1回以上、子宮・卵巣を中心とした骨盤内臓器の検査を行うこと。また、1年に1回、子宮頸部の細胞診の実施を考慮すること。[2.2 参照],[2.3 参照],[9.1.1 参照]
- 8.9 乳癌の検査は、患者に自己検診を行うよう指導すること。[2.2 参照],[9.1.3 参照],[9.1.4 参照]
- 8.10 本剤の投与にあたっては、器質的疾患の増悪の有無を確認するため、不正性器出血の発現に注意し、定期的に内診及び超音波検査等による診察を行うこと。本剤投与中に腫瘤が増大するなど器質的疾患の増悪が認められる場合や、臨床症状の改善がみられない場合は、他の治療法も勘案したうえで投与継続の判断を行うこと。特に、子宮内膜症性卵巣のう胞(卵巣チョコレートのう胞)は、頻度は低いものの自然経過において悪性化を示唆する報告があるので、画像診断や腫瘍マーカー等の検査も行うこと。[2.2 参照],[2.3 参照]
- 8.11 本剤投与中は経過を十分に観察し、期待する効果が得られない場合には漫然と投与を継続せず、他の適切な治療を考慮すること。
- 8.12 用法・用量に従って服用しても、性器出血が長期間持続する場合は、腟細胞診等の検査で悪性疾患によるものではないことを確認の上、投与すること。[2.2 参照],[2.3 参照]
- 8.13 服用中に激しい下痢、嘔吐が続いた場合には本剤の吸収不良を来すことがあり、不正性器出血の発現の可能性及び妊娠のリスクが高くなるので注意すること。
- 8.14 本剤投与により希発月経等の月経異常や不正性器出血がみられる。患者にはあらかじめ十分に説明し、通常の月経に比べて出血量が多く持続日数が長い場合あるいは月経の発来がない場合には、医師へ相談するよう指導すること。出血が続く患者には必要に応じて血液検査等を実施し、異常が認められた場合には鉄剤の投与又は本剤の投与中止など適切な処置を行うこと。
- 〈生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整〉
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
-
9.1.1 子宮筋腫のある患者
定期的に内診や画像診断等の検査を行うなど慎重に投与すること。筋腫の腫大を促すことがある。[8.8 参照]
-
9.1.2 40歳以上の患者(ただし、1日15本以上の喫煙者には投与しないこと)
一般に心筋梗塞等の心血管系の障害が発生しやすくなる年代であるため、これを助長するおそれがある。[1 参照],[2.5 参照],[8.6 参照],[11.1.1 参照]
-
9.1.3 乳癌の既往歴のある患者
乳癌が再発するおそれがある。[8.9 参照]
-
9.1.4 乳癌の家族歴又は乳房に結節のある患者
定期的に乳房検診を行うなど慎重に投与すること。エストロゲン投与と乳癌発生との因果関係についてその関連性を示唆する報告もある。[8.9 参照]
-
9.1.5 喫煙者(ただし、35歳以上で1日15本以上の喫煙者には投与しないこと)
心筋梗塞等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告がある。[1 参照],[2.5 参照],[8.6 参照],[11.1.1 参照]
-
9.1.6 肥満の患者
血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告がある。[1 参照],[11.1.1 参照]
-
9.1.7 血栓症の家族歴を持つ患者
血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告がある。[1 参照],[11.1.1 参照]
-
9.1.8 前兆を伴わない片頭痛の患者
脳血管障害(脳卒中等)が発生しやすくなるとの報告がある。[1 参照],[11.1.1 参照]
-
9.1.9 心臓弁膜症の患者(ただし、肺高血圧症又は心房細動を合併する心臓弁膜症の患者、亜急性細菌性心内膜炎の既往歴のある心臓弁膜症の患者には投与しないこと)
血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告がある。[1 参照],[2.7 参照],[11.1.1 参照]
-
9.1.10 軽度の高血圧(妊娠中の高血圧の既往も含む)のある患者
血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告がある。また、症状が増悪することがある。[1 参照],[2.15 参照],[11.1.1 参照]
-
9.1.11 耐糖能の低下している患者(糖尿病患者及び耐糖能異常の患者)
十分コントロールを行いながら投与すること。耐糖能が低下することがある。
-
9.1.12 ポルフィリン症の患者
症状が増悪することがある。
-
9.1.13 心疾患又はその既往歴のある患者
ナトリウム又は体液の貯留により症状が増悪することがある。
-
9.1.14 てんかん患者
症状が増悪することがある。
-
9.1.15 テタニーのある患者
症状が増悪することがある。
9.2 腎機能障害患者
-
9.2.1 重篤な腎障害又は急性腎障害のある患者
投与しないこと。ドロスピレノンの弱い抗ミネラルコルチコイド作用により、血漿中レニン及びアルドステロン活性が上昇することがある。[2.21 参照]
-
9.2.2 腎障害のある患者(重篤な腎障害又は急性腎障害のある患者を除く)
ドロスピレノンの弱い抗ミネラルコルチコイド作用により、血漿中レニン及びアルドステロン活性が上昇することがある。
9.3 肝機能障害患者
-
9.3.1 重篤な肝障害のある患者
投与しないこと。代謝能が低下しており肝臓への負担が増加するため、症状が増悪することがある。[2.12 参照]
-
9.3.2 肝障害のある患者(重篤な肝障害のある患者を除く)
代謝能が低下しており肝臓への負担が増加するため、症状が増悪することがある。
9.4 生殖能を有する者
-
〈子宮内膜症に伴う疼痛の改善、月経困難症〉
- 9.4.1 本剤投与に際しては、問診、内診、基礎体温の測定、免疫学的妊娠診断等により、妊娠していないことを十分に確認すること。[2.18 参照],[9.5.1 参照]
- 9.4.2 服用方法を遵守していない場合等何らかの理由により妊娠の可能性が疑われる場合は、医師へ相談するよう指導し、妊娠の有無について確認すること。なお、月経困難症に対し28日周期で正しく服用しているにもかかわらず、服用中に消退出血が2周期連続して発来しなかった場合、投与継続に先だって妊娠していないことを確認すること。[2.18 参照],[9.5.1 参照]
- 9.4.3 妊娠を希望する場合には、本剤の服用を中止後、月経周期が回復するまで避妊させることが望ましい。
9.5 妊婦
- 9.5.1 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。妊娠が確認された場合には投与を中止すること。[2.18 参照],[9.4.1 参照],[9.4.2 参照]
-
9.5.2 卵胞ホルモン剤を妊娠動物(マウス)に投与した場合、児の成長後腟上皮及び子宮内膜の悪性変性を示唆する結果が報告されている。
また、新生児(マウス)に投与した場合、児の成長後腟上皮の悪性変性を認めたとの報告がある。
9.6 授乳婦
投与しないこと。授乳中の患者には他の治療法をすすめるなど適切な指導をすること。母乳の量的質的低下が起こることがある。また、母乳中への移行、児において黄疸、乳房腫大が報告されている。[2.19 参照]
9.7 小児等
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
10. 相互作用
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
これらの薬剤の作用が増強するおそれがある。 |
本剤はこれらの薬剤の代謝を抑制すると考えられる。 |
|
テオフィリン |
これらの薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある。 |
本剤がこれらの薬剤の代謝酵素(CYP1A2)を阻害すると考えられる。 |
本剤の効果の減弱化及び不正性器出血の発現率が増大するおそれがある。 |
これらの薬剤は薬物代謝酵素を誘導し、本剤の代謝を促進すると考えられる。 |
|
本剤の効果の減弱化及び不正性器出血の発現率が増大するおそれがある。 |
これらの薬剤は腸内細菌叢を変化させ、本剤の腸肝循環による再吸収を抑制すると考えられる。 |
|
テルビナフィン塩酸塩 |
黄体ホルモン・卵胞ホルモン配合剤との併用で、月経異常があらわれたとの報告がある。 |
機序不明 |
これらの薬剤の作用を減弱するおそれがある。 |
これらの薬剤は性ホルモンの分泌を低下することにより薬効を示すため、性ホルモンである本剤の投与によってこれらの薬剤の効果を減弱する可能性が考えられる。 |
|
血糖降下剤の作用が減弱するおそれがある。血糖値その他患者の状態を十分観察し、血糖降下剤の用量を調節するなど注意する。 |
本剤は耐糖能を低下させ、血糖降下剤の作用を減弱させると考えられる。 |
|
本剤の作用が減弱するおそれがある。 |
エチニルエストラジオールのAUCが減少する。 |
|
本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。 |
本剤の代謝酵素(CYP3A4)を阻害すると考えられる。 |
|
本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。 |
エトラビリンは本剤の代謝酵素(CYP2C9)を阻害すると考えられる。 |
|
セイヨウオトギリソウ(St. John’s Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品 |
本剤の効果の減弱化及び不正性器出血の発現率が増大するおそれがあるので、本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること。 |
この食品は薬物代謝酵素を誘導し、本剤の代謝を促進すると考えられる。 |
フルコナゾール |
本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。 |
フルコナゾールは本剤の代謝酵素(CYP3A4)を阻害すると考えられる。 |
ボリコナゾール |
本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。 |
ボリコナゾールは本剤の代謝酵素(CYP3A4)を阻害すると考えられる。 |
アセトアミノフェン |
本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。 |
アセトアミノフェンはエチニルエストラジオールの硫酸抱合を阻害すると考えられる。 |
ラモトリギン |
これらの薬剤の血中濃度が低下するおそれがある。 |
本剤はこれらの薬剤のグルクロン酸抱合を促進すると考えられる。 |
高カリウム血症を誘発することがあるので、血清カリウム値を観察するなど十分注意すること。 |
これらの薬剤による血清カリウム値の上昇とドロスピレノンの抗ミネラルコルチコイド作用によると考えられる。 |
11. 副作用
11.1 重大な副作用
-
11.1.1 血栓症(四肢、肺、心、脳、網膜等)(0.3%)
下肢の急激な疼痛・腫脹、突然の息切れ、胸痛、激しい頭痛、四肢の脱力・麻痺、構語障害、急性視力障害等の症状があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。[1 参照],[2.4 参照],[2.5 参照],[2.6 参照],[2.7 参照],[2.8 参照],[2.9 参照],[2.10 参照],[2.11 参照],[2.14 参照],[2.15 参照],[8.2 参照],[8.3 参照],[8.4 参照],[8.5 参照],[8.6 参照],[9.1.2 参照],[9.1.5 参照],[9.1.6 参照],[9.1.7 参照],[9.1.8 参照],[9.1.9 参照],[9.1.10 参照]
11.2 その他の副作用
5%以上 |
1~5%未満 |
1%未満 |
頻度不明 |
|
|---|---|---|---|---|
生殖器 |
性器出血(23.7%)、不規則な子宮出血、月経痛、下腹部痛 |
月経過多、機能性子宮出血 |
外陰部腟カンジダ症、無月経、消退出血、子宮平滑筋腫、骨盤痛、月経前症候群、CA125上昇、細胞診異常、子宮頸部上皮異形成、出血性卵巣のう胞、子宮頸管ポリープ、卵巣のう腫、腟感染、外陰腟そう痒症、性器分泌物 |
過少月経、腟炎、腟乾燥 |
乳房 |
乳房不快感、乳房痛、乳腺線維腺腫 |
乳腺症、線維のう胞性乳腺疾患、乳房腫瘤、乳汁分泌 |
乳房腫大 |
|
消化器 |
悪心(20.8%) |
嘔吐、腹部不快感、便秘、下痢、上腹部痛、胃炎、口内炎 |
腹痛、胃腸炎、腹部膨満、口渇、細菌性胃腸炎、齲歯、消化不良 |
鼓腸 |
精神 |
頭痛(25.5%) |
傾眠、浮動性めまい、不眠症、回転性めまい |
感覚鈍麻、片頭痛、耳鳴、うつ病、抑うつ気分、気力低下、情動不安定、リビドー減退 |
錯感覚、神経過敏 |
循環器 |
動悸、高血圧 |
静脈瘤 |
||
呼吸器 |
鼻咽頭炎、アレルギー性鼻炎、気管支炎、喘息、口腔咽頭痛 |
|||
肝臓 |
肝機能検査異常、Al-P低下、γ-GTP上昇 |
|||
腎臓 |
尿中タンパク陽性 |
血漿中レニン活性上昇、血漿中アルドステロン活性上昇 |
||
血液 |
凝固検査異常、プラスミノーゲン上昇、トロンビン・アンチトロンビンⅢ複合体上昇 |
フィブリンDダイマー上昇、プロテインS低下、フィブリノゲン上昇、血清鉄低下 |
プロトロンビン時間短縮、鉄欠乏性貧血、白血球増加、血小板減少、貧血、白血球減少、プロテインC上昇、血清鉄上昇 |
|
内分泌・代謝系 |
トリグリセリド上昇、コレステロール上昇 |
脂質異常 |
||
筋・骨格系 |
背部痛 |
四肢痛、筋骨格硬直、筋痙縮 |
||
皮膚 |
ざ瘡 |
湿疹、発疹、じん麻疹、色素沈着 注1) |
多形紅斑、そう痒症 |
|
眼 |
アレルギー性結膜炎 |
|||
その他 |
浮腫、倦怠感 |
発熱、CRP上昇、体重増加、膀胱炎、顔面浮腫、ほてり |
急性胆のう炎、無力症、多汗、体重減少 |
12. 臨床検査結果に及ぼす影響
含有するエチニルエストラジオールの作用による血清タンパク(コルチコイド結合性グロブリン、サイロキシン結合性グロブリン等)の増加により、総コルチゾール、総T3、総T4の上昇がみられることがある。また、これらの遊離型は変化しないとされている。これら検査値の判定に際しては注意すること。
15. その他の注意
15.1 臨床使用に基づく情報
-
15.1.1 外国の疫学調査の結果、静脈血栓症のリスクは、類薬(経口避妊剤)を服用している女性は服用していない女性に比し、3.25~4.0倍高くなるとの報告がある。また、静脈血栓症のリスクは経口避妊剤服用開始の最初の1年間において最も高くなるとの報告がある。さらに、外国での大規模市販後調査の結果、初めて経口避妊剤の服用を開始した時だけでなく、4週間以上の中断後に服用を再開した時又は4週間以上の中断後に別の経口避妊剤へ切り替えた時にも静脈血栓症のリスクが上昇し、そのリスクは服用開始後3ヵ月間が特に高いとの報告がある。
外国での大規模市販後調査における2年以上の追跡調査の結果、本剤と同一成分・含量の製剤の静脈血栓症の発現率は10000婦人年当たり7.2件であり、静脈血栓症のリスクは類薬(レボノルゲストレル等を含有する経口避妊剤)と同等であることが報告されている。なお、外国での少数例又は後ろ向きの疫学調査において、結果の評価は確立していないが、本剤と同一成分でエチニルエストラジオール含量0.030mg製剤の服用者での静脈血栓症のリスクは、類薬(レボノルゲストレルを含有する経口避妊剤)の服用者より高かったとの報告もある。 - 15.1.2 外国での疫学調査の結果、類薬(経口避妊剤)の服用により乳癌及び子宮頸癌になる可能性が高くなるとの報告がある。
- 15.1.3 外国で、類薬(経口避妊剤)を2年以上服用した場合、良性肝腫瘍が10万人当たり3.4人発生するとの報告がある。また、腫瘍の破裂により腹腔内出血を起こす可能性がある。一方、悪性肝腫瘍(肝癌)の発生率は極めて低く、100万人当たり1人に満たない。
- 15.1.4 外国で、類薬(経口避妊剤)の服用により全身性エリテマトーデス(SLE)の悪化、アナフィラキシー、溶血性尿毒症症候群(HUS)があらわれたとの報告がある。
- 15.1.5 外国で、類薬(経口避妊剤)の服用による角膜厚の変化等によりコンタクトレンズがうまく調整されないため、視力・視野の変化、装用時の不快感等がみられたとの報告がある。
- 15.1.6 調節卵巣刺激の前周期に低用量黄体ホルモン・卵胞ホルモン配合剤を投与した場合の生産率や継続妊娠率は、投与しなかった場合と比較して低かったとの報告がある1) 。[5 参照]
1. 警告
本剤の服用により、血栓症があらわれ、致死的な経過をたどることがあるので、次のような症状があらわれた場合は直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
患者に対しても、このような症状があらわれた場合は、直ちに服用を中止し、救急医療機関を受診するよう説明すること。
[2.4 参照],[2.5 参照],[2.6 参照],[2.7 参照],[2.8 参照],[2.9 参照],[2.10 参照],[2.11 参照],[2.14 参照],[2.15 参照],[8.2 参照],[8.3 参照],[8.4 参照],[8.5 参照],[8.6 参照],[9.1.2 参照],[9.1.5 参照],[9.1.6 参照],[9.1.7 参照],[9.1.8 参照],[9.1.9 参照],[9.1.10 参照],[11.1.1 参照]
2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)
- 2.1 本剤の成分に対し過敏性素因のある患者
- 2.2 エストロゲン依存性悪性腫瘍(例えば、乳癌、子宮内膜癌)、子宮頸癌及びその疑いのある患者[腫瘍の悪化あるいは顕性化を促すことがある。][8.8 参照],[8.9 参照],[8.10 参照],[8.12 参照]
- 2.3 診断の確定していない異常性器出血のある患者[性器癌の疑いがある。出血が性器癌による場合は、癌の悪化あるいは顕性化を促すことがある。][8.8 参照],[8.10 参照],[8.12 参照]
- 2.4 血栓性静脈炎、肺塞栓症、脳血管障害、冠動脈疾患又はその既往歴のある患者[血液凝固能が亢進され、これらの症状が増悪することがある。][1 参照],[11.1.1 参照]
- 2.5 35歳以上で1日15本以上の喫煙者[心筋梗塞等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告がある。][1 参照],[8.6 参照],[9.1.2 参照],[9.1.5 参照],[11.1.1 参照]
- 2.6 前兆(閃輝暗点、星型閃光等)を伴う片頭痛の患者[前兆を伴う片頭痛の患者は前兆を伴わない患者に比べ脳血管障害(脳卒中等)が発生しやすくなるとの報告がある。][1 参照],[11.1.1 参照]
- 2.7 肺高血圧症又は心房細動を合併する心臓弁膜症の患者、亜急性細菌性心内膜炎の既往歴のある心臓弁膜症の患者[血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告がある。][1 参照],[9.1.9 参照],[11.1.1 参照]
- 2.8 血管病変を伴う糖尿病患者(糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症等)[血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告がある。][1 参照],[11.1.1 参照]
- 2.9 血栓性素因のある患者[血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告がある。][1 参照],[11.1.1 参照]
- 2.10 抗リン脂質抗体症候群の患者[血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告がある。][1 参照],[11.1.1 参照]
- 2.11 手術前4週以内、術後2週以内、産後4週以内及び長期間安静状態の患者[血液凝固能が亢進され、心血管系の副作用の危険性が高くなることがある。][1 参照],[8.5 参照],[11.1.1 参照]
- 2.12 重篤な肝障害のある患者[9.3.1 参照]
- 2.13 肝腫瘍のある患者[症状が増悪することがある。]
- 2.14 脂質代謝異常のある患者[血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告がある。また、脂質代謝に影響を及ぼす可能性があるため、症状が増悪することがある。][1 参照],[11.1.1 参照]
- 2.15 高血圧のある患者(軽度の高血圧の患者を除く)[血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告がある。また、症状が増悪することがある。][1 参照],[9.1.10 参照],[11.1.1 参照]
- 2.16 耳硬化症の患者[症状が増悪することがある。]
- 2.17 妊娠中に黄疸、持続性そう痒症又は妊娠ヘルペスの既往歴のある患者[症状が再発するおそれがある。]
- 2.18 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.4.1 参照],[9.4.2 参照],[9.5.1 参照]
- 2.19 授乳婦[9.6 参照]
- 2.20 骨成長が終了していない可能性がある患者[骨端の早期閉鎖を来すおそれがある。]
- 2.21 重篤な腎障害又は急性腎障害のある患者[9.2.1 参照]
5. 効能又は効果に関連する注意
-
〈生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整〉
妊娠率や生産率の報告を踏まえると、本剤を含む低用量黄体ホルモン・卵胞ホルモン配合剤で調節卵巣刺激の開始時期の調整を行った場合は、開始時期の調整を行わない場合と比べて、妊娠率や生産率が低下する可能性があるので、このことを患者に説明した上で、本剤の投与の要否は、患者ごとに治療上の必要性及び危険性を考慮して慎重に判断すること。[15.1.6 参照]
8. 重要な基本的注意
-
〈効能共通〉
- 8.1 本剤を避妊目的で使用しないこと。日本人における避妊目的での有効性及び安全性は確認されていない。
- 8.2 本剤の服用により、年齢、喫煙、肥満、家族歴等のリスク因子の有無にかかわらず血栓症があらわれることがあるので、血栓症が疑われる症状があらわれた場合は、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。[1 参照],[11.1.1 参照]
- 8.3 血栓症のリスクが高まる状態(体を動かせない状態、顕著な血圧上昇、脱水等)が認められる場合は、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。[1 参照],[11.1.1 参照]
- 8.4 本剤服用患者には、投与開始時及び継続時に以下について説明すること。[1 参照],[11.1.1 参照]
- 8.5 本剤服用中にやむを得ず手術が必要と判断される場合には、血栓症の予防に十分配慮すること。[1 参照],[2.11 参照],[11.1.1 参照]
- 8.6 年齢及び喫煙量により心血管系の重篤な副作用の危険性が増大するとの報告がある。従って、本剤服用患者には禁煙するよう指導すること。[1 参照],[2.5 参照],[9.1.2 参照],[9.1.5 参照],[11.1.1 参照]
- 8.7 本剤は黄体ホルモンと卵胞ホルモンの配合剤であることから、黄体ホルモンまたは卵胞ホルモンを含有する薬剤(経口避妊剤等)を使用している場合は、本剤の投与開始前に中止させること。また、本剤投与中にこれらの薬剤を使用しないよう患者に指導すること。
-
〈子宮内膜症に伴う疼痛の改善、月経困難症〉
- 8.8 本剤の投与にあたっては患者の病歴調査及び検診が必要である。この検診には、血圧測定、乳房・腹部の検査及び臨床検査が含まれる。本剤投与中は6ヵ月ごとの検診を行い、1年に1回以上、子宮・卵巣を中心とした骨盤内臓器の検査を行うこと。また、1年に1回、子宮頸部の細胞診の実施を考慮すること。[2.2 参照],[2.3 参照],[9.1.1 参照]
- 8.9 乳癌の検査は、患者に自己検診を行うよう指導すること。[2.2 参照],[9.1.3 参照],[9.1.4 参照]
- 8.10 本剤の投与にあたっては、器質的疾患の増悪の有無を確認するため、不正性器出血の発現に注意し、定期的に内診及び超音波検査等による診察を行うこと。本剤投与中に腫瘤が増大するなど器質的疾患の増悪が認められる場合や、臨床症状の改善がみられない場合は、他の治療法も勘案したうえで投与継続の判断を行うこと。特に、子宮内膜症性卵巣のう胞(卵巣チョコレートのう胞)は、頻度は低いものの自然経過において悪性化を示唆する報告があるので、画像診断や腫瘍マーカー等の検査も行うこと。[2.2 参照],[2.3 参照]
- 8.11 本剤投与中は経過を十分に観察し、期待する効果が得られない場合には漫然と投与を継続せず、他の適切な治療を考慮すること。
- 8.12 用法・用量に従って服用しても、性器出血が長期間持続する場合は、腟細胞診等の検査で悪性疾患によるものではないことを確認の上、投与すること。[2.2 参照],[2.3 参照]
- 8.13 服用中に激しい下痢、嘔吐が続いた場合には本剤の吸収不良を来すことがあり、不正性器出血の発現の可能性及び妊娠のリスクが高くなるので注意すること。
- 8.14 本剤投与により希発月経等の月経異常や不正性器出血がみられる。患者にはあらかじめ十分に説明し、通常の月経に比べて出血量が多く持続日数が長い場合あるいは月経の発来がない場合には、医師へ相談するよう指導すること。出血が続く患者には必要に応じて血液検査等を実施し、異常が認められた場合には鉄剤の投与又は本剤の投与中止など適切な処置を行うこと。
- 〈生殖補助医療における調節卵巣刺激の開始時期の調整〉
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
-
9.1.1 子宮筋腫のある患者
定期的に内診や画像診断等の検査を行うなど慎重に投与すること。筋腫の腫大を促すことがある。[8.8 参照]
-
9.1.2 40歳以上の患者(ただし、1日15本以上の喫煙者には投与しないこと)
一般に心筋梗塞等の心血管系の障害が発生しやすくなる年代であるため、これを助長するおそれがある。[1 参照],[2.5 参照],[8.6 参照],[11.1.1 参照]
-
9.1.3 乳癌の既往歴のある患者
乳癌が再発するおそれがある。[8.9 参照]
-
9.1.4 乳癌の家族歴又は乳房に結節のある患者
定期的に乳房検診を行うなど慎重に投与すること。エストロゲン投与と乳癌発生との因果関係についてその関連性を示唆する報告もある。[8.9 参照]
-
9.1.5 喫煙者(ただし、35歳以上で1日15本以上の喫煙者には投与しないこと)
心筋梗塞等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告がある。[1 参照],[2.5 参照],[8.6 参照],[11.1.1 参照]
-
9.1.6 肥満の患者
血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告がある。[1 参照],[11.1.1 参照]
-
9.1.7 血栓症の家族歴を持つ患者
血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告がある。[1 参照],[11.1.1 参照]
-
9.1.8 前兆を伴わない片頭痛の患者
脳血管障害(脳卒中等)が発生しやすくなるとの報告がある。[1 参照],[11.1.1 参照]
-
9.1.9 心臓弁膜症の患者(ただし、肺高血圧症又は心房細動を合併する心臓弁膜症の患者、亜急性細菌性心内膜炎の既往歴のある心臓弁膜症の患者には投与しないこと)
血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告がある。[1 参照],[2.7 参照],[11.1.1 参照]
-
9.1.10 軽度の高血圧(妊娠中の高血圧の既往も含む)のある患者
血栓症等の心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告がある。また、症状が増悪することがある。[1 参照],[2.15 参照],[11.1.1 参照]
-
9.1.11 耐糖能の低下している患者(糖尿病患者及び耐糖能異常の患者)
十分コントロールを行いながら投与すること。耐糖能が低下することがある。
-
9.1.12 ポルフィリン症の患者
症状が増悪することがある。
-
9.1.13 心疾患又はその既往歴のある患者
ナトリウム又は体液の貯留により症状が増悪することがある。
-
9.1.14 てんかん患者
症状が増悪することがある。
-
9.1.15 テタニーのある患者
症状が増悪することがある。
9.2 腎機能障害患者
-
9.2.1 重篤な腎障害又は急性腎障害のある患者
投与しないこと。ドロスピレノンの弱い抗ミネラルコルチコイド作用により、血漿中レニン及びアルドステロン活性が上昇することがある。[2.21 参照]
-
9.2.2 腎障害のある患者(重篤な腎障害又は急性腎障害のある患者を除く)
ドロスピレノンの弱い抗ミネラルコルチコイド作用により、血漿中レニン及びアルドステロン活性が上昇することがある。
9.3 肝機能障害患者
-
9.3.1 重篤な肝障害のある患者
投与しないこと。代謝能が低下しており肝臓への負担が増加するため、症状が増悪することがある。[2.12 参照]
-
9.3.2 肝障害のある患者(重篤な肝障害のある患者を除く)
代謝能が低下しており肝臓への負担が増加するため、症状が増悪することがある。
9.4 生殖能を有する者
-
〈子宮内膜症に伴う疼痛の改善、月経困難症〉
- 9.4.1 本剤投与に際しては、問診、内診、基礎体温の測定、免疫学的妊娠診断等により、妊娠していないことを十分に確認すること。[2.18 参照],[9.5.1 参照]
- 9.4.2 服用方法を遵守していない場合等何らかの理由により妊娠の可能性が疑われる場合は、医師へ相談するよう指導し、妊娠の有無について確認すること。なお、月経困難症に対し28日周期で正しく服用しているにもかかわらず、服用中に消退出血が2周期連続して発来しなかった場合、投与継続に先だって妊娠していないことを確認すること。[2.18 参照],[9.5.1 参照]
- 9.4.3 妊娠を希望する場合には、本剤の服用を中止後、月経周期が回復するまで避妊させることが望ましい。
9.5 妊婦
- 9.5.1 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。妊娠が確認された場合には投与を中止すること。[2.18 参照],[9.4.1 参照],[9.4.2 参照]
-
9.5.2 卵胞ホルモン剤を妊娠動物(マウス)に投与した場合、児の成長後腟上皮及び子宮内膜の悪性変性を示唆する結果が報告されている。
また、新生児(マウス)に投与した場合、児の成長後腟上皮の悪性変性を認めたとの報告がある。
9.6 授乳婦
投与しないこと。授乳中の患者には他の治療法をすすめるなど適切な指導をすること。母乳の量的質的低下が起こることがある。また、母乳中への移行、児において黄疸、乳房腫大が報告されている。[2.19 参照]
9.7 小児等
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
10. 相互作用
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
これらの薬剤の作用が増強するおそれがある。 |
本剤はこれらの薬剤の代謝を抑制すると考えられる。 |
|
テオフィリン |
これらの薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある。 |
本剤がこれらの薬剤の代謝酵素(CYP1A2)を阻害すると考えられる。 |
本剤の効果の減弱化及び不正性器出血の発現率が増大するおそれがある。 |
これらの薬剤は薬物代謝酵素を誘導し、本剤の代謝を促進すると考えられる。 |
|
本剤の効果の減弱化及び不正性器出血の発現率が増大するおそれがある。 |
これらの薬剤は腸内細菌叢を変化させ、本剤の腸肝循環による再吸収を抑制すると考えられる。 |
|
テルビナフィン塩酸塩 |
黄体ホルモン・卵胞ホルモン配合剤との併用で、月経異常があらわれたとの報告がある。 |
機序不明 |
これらの薬剤の作用を減弱するおそれがある。 |
これらの薬剤は性ホルモンの分泌を低下することにより薬効を示すため、性ホルモンである本剤の投与によってこれらの薬剤の効果を減弱する可能性が考えられる。 |
|
血糖降下剤の作用が減弱するおそれがある。血糖値その他患者の状態を十分観察し、血糖降下剤の用量を調節するなど注意する。 |
本剤は耐糖能を低下させ、血糖降下剤の作用を減弱させると考えられる。 |
|
本剤の作用が減弱するおそれがある。 |
エチニルエストラジオールのAUCが減少する。 |
|
本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。 |
本剤の代謝酵素(CYP3A4)を阻害すると考えられる。 |
|
本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。 |
エトラビリンは本剤の代謝酵素(CYP2C9)を阻害すると考えられる。 |
|
セイヨウオトギリソウ(St. John’s Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品 |
本剤の効果の減弱化及び不正性器出血の発現率が増大するおそれがあるので、本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること。 |
この食品は薬物代謝酵素を誘導し、本剤の代謝を促進すると考えられる。 |
フルコナゾール |
本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。 |
フルコナゾールは本剤の代謝酵素(CYP3A4)を阻害すると考えられる。 |
ボリコナゾール |
本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。 |
ボリコナゾールは本剤の代謝酵素(CYP3A4)を阻害すると考えられる。 |
アセトアミノフェン |
本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。 |
アセトアミノフェンはエチニルエストラジオールの硫酸抱合を阻害すると考えられる。 |
ラモトリギン |
これらの薬剤の血中濃度が低下するおそれがある。 |
本剤はこれらの薬剤のグルクロン酸抱合を促進すると考えられる。 |
高カリウム血症を誘発することがあるので、血清カリウム値を観察するなど十分注意すること。 |
これらの薬剤による血清カリウム値の上昇とドロスピレノンの抗ミネラルコルチコイド作用によると考えられる。 |
11. 副作用
11.1 重大な副作用
-
11.1.1 血栓症(四肢、肺、心、脳、網膜等)(0.3%)
下肢の急激な疼痛・腫脹、突然の息切れ、胸痛、激しい頭痛、四肢の脱力・麻痺、構語障害、急性視力障害等の症状があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。[1 参照],[2.4 参照],[2.5 参照],[2.6 参照],[2.7 参照],[2.8 参照],[2.9 参照],[2.10 参照],[2.11 参照],[2.14 参照],[2.15 参照],[8.2 参照],[8.3 参照],[8.4 参照],[8.5 参照],[8.6 参照],[9.1.2 参照],[9.1.5 参照],[9.1.6 参照],[9.1.7 参照],[9.1.8 参照],[9.1.9 参照],[9.1.10 参照]
11.2 その他の副作用
5%以上 |
1~5%未満 |
1%未満 |
頻度不明 |
|
|---|---|---|---|---|
生殖器 |
性器出血(23.7%)、不規則な子宮出血、月経痛、下腹部痛 |
月経過多、機能性子宮出血 |
外陰部腟カンジダ症、無月経、消退出血、子宮平滑筋腫、骨盤痛、月経前症候群、CA125上昇、細胞診異常、子宮頸部上皮異形成、出血性卵巣のう胞、子宮頸管ポリープ、卵巣のう腫、腟感染、外陰腟そう痒症、性器分泌物 |
過少月経、腟炎、腟乾燥 |
乳房 |
乳房不快感、乳房痛、乳腺線維腺腫 |
乳腺症、線維のう胞性乳腺疾患、乳房腫瘤、乳汁分泌 |
乳房腫大 |
|
消化器 |
悪心(20.8%) |
嘔吐、腹部不快感、便秘、下痢、上腹部痛、胃炎、口内炎 |
腹痛、胃腸炎、腹部膨満、口渇、細菌性胃腸炎、齲歯、消化不良 |
鼓腸 |
精神 |
頭痛(25.5%) |
傾眠、浮動性めまい、不眠症、回転性めまい |
感覚鈍麻、片頭痛、耳鳴、うつ病、抑うつ気分、気力低下、情動不安定、リビドー減退 |
錯感覚、神経過敏 |
循環器 |
動悸、高血圧 |
静脈瘤 |
||
呼吸器 |
鼻咽頭炎、アレルギー性鼻炎、気管支炎、喘息、口腔咽頭痛 |
|||
肝臓 |
肝機能検査異常、Al-P低下、γ-GTP上昇 |
|||
腎臓 |
尿中タンパク陽性 |
血漿中レニン活性上昇、血漿中アルドステロン活性上昇 |
||
血液 |
凝固検査異常、プラスミノーゲン上昇、トロンビン・アンチトロンビンⅢ複合体上昇 |
フィブリンDダイマー上昇、プロテインS低下、フィブリノゲン上昇、血清鉄低下 |
プロトロンビン時間短縮、鉄欠乏性貧血、白血球増加、血小板減少、貧血、白血球減少、プロテインC上昇、血清鉄上昇 |
|
内分泌・代謝系 |
トリグリセリド上昇、コレステロール上昇 |
脂質異常 |
||
筋・骨格系 |
背部痛 |
四肢痛、筋骨格硬直、筋痙縮 |
||
皮膚 |
ざ瘡 |
湿疹、発疹、じん麻疹、色素沈着 注1) |
多形紅斑、そう痒症 |
|
眼 |
アレルギー性結膜炎 |
|||
その他 |
浮腫、倦怠感 |
発熱、CRP上昇、体重増加、膀胱炎、顔面浮腫、ほてり |
急性胆のう炎、無力症、多汗、体重減少 |
12. 臨床検査結果に及ぼす影響
含有するエチニルエストラジオールの作用による血清タンパク(コルチコイド結合性グロブリン、サイロキシン結合性グロブリン等)の増加により、総コルチゾール、総T3、総T4の上昇がみられることがある。また、これらの遊離型は変化しないとされている。これら検査値の判定に際しては注意すること。
15. その他の注意
15.1 臨床使用に基づく情報
-
15.1.1 外国の疫学調査の結果、静脈血栓症のリスクは、類薬(経口避妊剤)を服用している女性は服用していない女性に比し、3.25~4.0倍高くなるとの報告がある。また、静脈血栓症のリスクは経口避妊剤服用開始の最初の1年間において最も高くなるとの報告がある。さらに、外国での大規模市販後調査の結果、初めて経口避妊剤の服用を開始した時だけでなく、4週間以上の中断後に服用を再開した時又は4週間以上の中断後に別の経口避妊剤へ切り替えた時にも静脈血栓症のリスクが上昇し、そのリスクは服用開始後3ヵ月間が特に高いとの報告がある。
外国での大規模市販後調査における2年以上の追跡調査の結果、本剤と同一成分・含量の製剤の静脈血栓症の発現率は10000婦人年当たり7.2件であり、静脈血栓症のリスクは類薬(レボノルゲストレル等を含有する経口避妊剤)と同等であることが報告されている。なお、外国での少数例又は後ろ向きの疫学調査において、結果の評価は確立していないが、本剤と同一成分でエチニルエストラジオール含量0.030mg製剤の服用者での静脈血栓症のリスクは、類薬(レボノルゲストレルを含有する経口避妊剤)の服用者より高かったとの報告もある。 - 15.1.2 外国での疫学調査の結果、類薬(経口避妊剤)の服用により乳癌及び子宮頸癌になる可能性が高くなるとの報告がある。
- 15.1.3 外国で、類薬(経口避妊剤)を2年以上服用した場合、良性肝腫瘍が10万人当たり3.4人発生するとの報告がある。また、腫瘍の破裂により腹腔内出血を起こす可能性がある。一方、悪性肝腫瘍(肝癌)の発生率は極めて低く、100万人当たり1人に満たない。
- 15.1.4 外国で、類薬(経口避妊剤)の服用により全身性エリテマトーデス(SLE)の悪化、アナフィラキシー、溶血性尿毒症症候群(HUS)があらわれたとの報告がある。
- 15.1.5 外国で、類薬(経口避妊剤)の服用による角膜厚の変化等によりコンタクトレンズがうまく調整されないため、視力・視野の変化、装用時の不快感等がみられたとの報告がある。
- 15.1.6 調節卵巣刺激の前周期に低用量黄体ホルモン・卵胞ホルモン配合剤を投与した場合の生産率や継続妊娠率は、投与しなかった場合と比較して低かったとの報告がある1) 。[5 参照]