薬効分類名持続性 AT₁レセプターブロッカー / 持続性Ca拮抗剤配合剤
一般的名称アジルサルタン/アムロジピンベシル酸塩配合錠
ジルムロ配合錠LD「ツルハラ」、ジルムロ配合錠HD「ツルハラ」
じるむろはいごうじょうLDつるはら、じるむろはいごうじょうHDつるはら
ZilMlo Combination TabletsLD「TSURUHARA」, ZilMlo Combination TabletsHD「TSURUHARA」
製造販売元/鶴原製薬株式会社
重大な副作用
その他の副作用
併用注意
降圧作用を有する薬剤
降圧作用が増強されるおそれがある。
相互に作用を増強するおそれがある。
カリウム保持性利尿剤
- スピロノラクトン、
トリアムテレン、
エプレレノン等
カリウム補給剤
- 塩化カリウム等
血清カリウム値が上昇することがある。
アジルサルタンのアルドステロン分泌抑制作用によりカリウム貯留作用が増強することによる。
危険因子:特に腎機能障害のある患者
アジルサルタンを初めて投与する場合、降圧作用が増強するおそれがある。
利尿降圧剤で治療を受けている患者にはレニン活性が亢進している患者が多く、アジルサルタンが奏効しやすい。
アリスキレンフマル酸塩
腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがある。eGFRが60mL/min/1.73m2未満の腎機能障害のある患者へのアリスキレンフマル酸塩との併用については、治療上やむを得ないと判断される場合を除き避けること。
レニン-アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。
アンジオテンシン変換酵素阻害剤
腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがある。
レニン-アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。
リチウム
アジルサルタンとの併用において、リチウム中毒が起こるおそれがある。
アジルサルタンにより腎尿細管におけるリチウムの再吸収が促進される。
非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)
- インドメタシン等
降圧作用が減弱することがある。
非ステロイド性消炎鎮痛剤は血管拡張作用を有するプロスタグランジンの合成を阻害することから、降圧作用を減弱させる可能性がある。
非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)
- インドメタシン等
腎機能障害のある患者では、さらに腎機能が悪化するおそれがある。
非ステロイド性消炎鎮痛剤のプロスタグランジン合成阻害作用により、腎血流量が低下するためと考えられている。
CYP3A4阻害剤
- エリスロマイシン、
ジルチアゼム、
リトナビル、
イトラコナゾール等
エリスロマイシン及びジルチアゼムとの併用により、アムロジピンベシル酸塩の血中濃度が上昇したとの報告がある。
アムロジピンベシル酸塩の代謝が競合的に阻害される可能性が考えられる。
CYP3A4誘導剤
- リファンピシン等
アムロジピンベシル酸塩の血中濃度が低下するおそれがある。
アムロジピンベシル酸塩の代謝が促進される可能性が考えられる。
グレープフルーツジュース
アムロジピンベシル酸塩の降圧作用が増強されるおそれがある。
グレープフルーツに含まれる成分がアムロジピンベシル酸塩の代謝を阻害し、アムロジピンベシル酸塩の血中濃度が上昇する可能性が考えられる。
シンバスタチン
アムロジピンベシル酸塩とシンバスタチン80mg(国内未承認の高用量)との併用により、シンバスタチンのAUCが77%上昇したとの報告がある。
機序は不明である。
タクロリムス
アムロジピンベシル酸塩との併用によりタクロリムスの血中濃度が上昇し、腎障害等のタクロリムスの副作用が発現するおそれがある。併用時にはタクロリムスの血中濃度をモニターし、必要に応じてタクロリムスの用量を調整すること。
アムロジピンベシル酸塩とタクロリムスは、主としてCYP3A4により代謝されるため、併用によりタクロリムスの代謝が阻害される可能性が考えられる。
4. 効能又は効果
高血圧症
6. 用法及び用量
成人には1日1回1錠(アジルサルタン/アムロジピンとして20mg/2.5mg又は20mg/5mg)を経口投与する。本剤は高血圧治療の第一選択薬として用いない。
7. 用法及び用量に関連する注意
- 以下のアジルサルタンとアムロジピンベシル酸塩の用法及び用量並びに用法及び用量に関連する注意等を踏まえ、患者毎に本剤の適応を考慮すること。
-
〈アジルサルタン〉
用法及び用量
通常、成人にはアジルサルタンとして20mgを1日1回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日最大投与量は40mgとする。
用法及び用量に関連する注意
アジルサルタンの降圧効果を考慮し、アジルサルタン適用の可否を慎重に判断するとともに、20mgより低用量からの開始も考慮すること。 - 〈アムロジピンベシル酸塩〉
- 用法及び用量
- 通常、成人にはアムロジピンとして2.5〜5mgを1日1回経口投与する。なお、症状に応じ適宜増減するが、効果不十分な場合には1日1回10mgまで増量することができる。
8. 重要な基本的注意
- 8.1 本剤は、アジルサルタン20mgとアムロジピンとして2.5mgあるいは5mgとの配合剤であり、アジルサルタンとアムロジピンベシル酸塩双方の副作用が発現するおそれがあるため、適切に本剤の使用を検討すること。
- 8.2 降圧作用に基づくめまい、ふらつきがあらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。
- 8.3 手術前24時間は投与しないことが望ましい。アンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤投与中の患者は、麻酔及び手術中にレニン-アンジオテンシン系の抑制作用による高度な血圧低下を起こす可能性がある。
- 8.4 アムロジピンベシル酸塩は血中濃度半減期が長く投与中止後も緩徐な降圧効果が認められるので、本剤投与中止後に他の降圧剤を使用するときは、用量並びに投与間隔に留意するなど慎重に投与すること。
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
-
9.1.1 両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること。アジルサルタンは、腎血流量の減少や糸球体ろ過圧の低下により急速に腎機能を悪化させるおそれがある。
-
9.1.2 高カリウム血症の患者
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること。アジルサルタンは、高カリウム血症を増悪させるおそれがある。また、腎機能障害、コントロール不良の糖尿病等により血清カリウム値が高くなりやすい患者では、血清カリウム値に注意すること。
-
9.1.3 脳血管障害のある患者
過度の降圧が脳血流不全を引き起こし、病態を悪化させるおそれがある。
-
9.1.4 厳重な減塩療法中の患者
アジルサルタンの投与により、急激な血圧の低下を起こすおそれがある。[11.1.2 参照]
- 9.1.5 薬剤過敏症の既往歴のある患者
9.2 腎機能障害患者
-
9.2.1 重篤な腎機能障害(eGFR 15mL/min/1.73m2未満)のある患者
腎機能を悪化させるおそれがある。アジルサルタンの血中濃度の上昇が認められた。[16.6.1 参照]
-
9.2.2 血液透析中の患者
アジルサルタンの投与により、急激な血圧の低下を起こすおそれがある。[11.1.2 参照]
9.3 肝機能障害患者
中等度の肝機能障害患者(Child-Pugh分類スコア:7~9)でアジルサルタンの血中濃度の上昇が報告されている。臨床試験では、高度な肝機能障害患者(Child-Pugh分類スコア:10以上)は除外されていた。また、アムロジピンベシル酸塩は主として肝臓で代謝されるため、血中濃度半減期の延長及び血中濃度-時間曲線下面積(AUC)が増大することがある。[16.6.2 参照]
9.4 生殖能を有する者
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。投与中に妊娠が判明した場合には、直ちに投与を中止すること。
妊娠中期及び末期にアンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤又はアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与された患者で羊水過少症、胎児・新生児の死亡、新生児の低血圧、腎不全、高カリウム血症、頭蓋の形成不全及び羊水過少症によると推測される四肢の拘縮、頭蓋顔面の変形、肺の低形成等があらわれたとの報告がある。また、アムロジピンベシル酸塩は動物試験で妊娠末期に投与すると妊娠期間及び分娩時間が延長することが認められている3)
。[2.2 参照],[9.4.1 参照]
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。ラットの周産期及び授乳期にアジルサルタンを強制経口投与すると、0.3mg/kg/日以上の群で出生児に腎盂拡張が認められ、10mg/kg/日以上で体重増加の抑制が認められている。また、アムロジピンベシル酸塩はヒト母乳中へ移行することが報告されている4) 。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
次の点に注意し、低用量から投与を開始するなど慎重に投与すること。
- 一般に過度の降圧は好ましくないとされている。脳梗塞等が起こるおそれがある。
- アムロジピンベシル酸塩は体内動態試験で血中濃度が高く、血中濃度半減期が長くなる傾向が認められている5) 。[16.6.3 参照]
10. 相互作用
10.1 併用禁忌(併用しないこと)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
非致死性脳卒中、腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧のリスク増加が報告されている。 |
レニン-アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。 |
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
降圧作用を有する薬剤 |
降圧作用が増強されるおそれがある。 |
相互に作用を増強するおそれがある。 |
血清カリウム値が上昇することがある。 |
アジルサルタンのアルドステロン分泌抑制作用によりカリウム貯留作用が増強することによる。 |
|
アジルサルタンを初めて投与する場合、降圧作用が増強するおそれがある。 |
利尿降圧剤で治療を受けている患者にはレニン活性が亢進している患者が多く、アジルサルタンが奏効しやすい。 |
|
アリスキレンフマル酸塩 |
腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがある。eGFRが60mL/min/1.73m2未満の腎機能障害のある患者へのアリスキレンフマル酸塩との併用については、治療上やむを得ないと判断される場合を除き避けること。 |
レニン-アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。 |
アンジオテンシン変換酵素阻害剤 |
腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがある。 |
レニン-アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。 |
リチウム |
アジルサルタンとの併用において、リチウム中毒が起こるおそれがある。 |
アジルサルタンにより腎尿細管におけるリチウムの再吸収が促進される。 |
降圧作用が減弱することがある。 |
非ステロイド性消炎鎮痛剤は血管拡張作用を有するプロスタグランジンの合成を阻害することから、降圧作用を減弱させる可能性がある。 |
|
腎機能障害のある患者では、さらに腎機能が悪化するおそれがある。 |
非ステロイド性消炎鎮痛剤のプロスタグランジン合成阻害作用により、腎血流量が低下するためと考えられている。 |
|
エリスロマイシン及びジルチアゼムとの併用により、アムロジピンベシル酸塩の血中濃度が上昇したとの報告がある。 |
アムロジピンベシル酸塩の代謝が競合的に阻害される可能性が考えられる。 |
|
アムロジピンベシル酸塩の血中濃度が低下するおそれがある。 |
アムロジピンベシル酸塩の代謝が促進される可能性が考えられる。 |
|
グレープフルーツジュース |
アムロジピンベシル酸塩の降圧作用が増強されるおそれがある。 |
グレープフルーツに含まれる成分がアムロジピンベシル酸塩の代謝を阻害し、アムロジピンベシル酸塩の血中濃度が上昇する可能性が考えられる。 |
シンバスタチン |
アムロジピンベシル酸塩とシンバスタチン80mg(国内未承認の高用量)との併用により、シンバスタチンのAUCが77%上昇したとの報告がある。 |
機序は不明である。 |
タクロリムス |
アムロジピンベシル酸塩との併用によりタクロリムスの血中濃度が上昇し、腎障害等のタクロリムスの副作用が発現するおそれがある。併用時にはタクロリムスの血中濃度をモニターし、必要に応じてタクロリムスの用量を調整すること。 |
アムロジピンベシル酸塩とタクロリムスは、主としてCYP3A4により代謝されるため、併用によりタクロリムスの代謝が阻害される可能性が考えられる。 |
11. 副作用
11.1 重大な副作用
-
11.1.1 **血管性浮腫(頻度不明)
顔面、口唇、舌、咽・喉頭等の腫脹を症状とする血管性浮腫があらわれることがある。また、腹痛、嘔気、嘔吐、下痢等を伴う腸管血管性浮腫があらわれることがある。
-
11.1.2 ショック、失神、意識消失(頻度不明)
冷感、嘔吐、意識消失等があらわれた場合には、直ちに適切な処置を行うこと。[9.1.4 参照],[9.2.2 参照],[10.2 参照]
- 11.1.3 急性腎障害(頻度不明)
- 11.1.4 高カリウム血症(頻度不明)
-
11.1.5 劇症肝炎、肝機能障害、黄疸(頻度不明)
AST、ALT、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがある。
-
11.1.6 横紋筋融解症(頻度不明)
筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意すること。
- 11.1.7 無顆粒球症、白血球減少、血小板減少(頻度不明)
-
11.1.8 房室ブロック(頻度不明)
徐脈、めまい等の初期症状があらわれることがある。
11.2 その他の副作用
0.1~5%未満 |
頻度不明 |
|
|---|---|---|
過敏症 |
湿疹 |
発疹、そう痒、じん麻疹、光線過敏症、多形紅斑、血管炎 |
循環器 |
めまい、ふらつき、浮腫、心房細動、徐脈、動悸、血圧低下、ほてり(熱感、顔面潮紅等)、期外収縮 |
胸痛、洞房又は房室ブロック、洞停止、頻脈 |
精神神経系 |
頭痛 |
頭重、眠気、振戦、末梢神経障害、気分動揺、不眠、錐体外路症状 |
代謝異常 |
血中尿酸上昇、糖尿病 |
血中カリウム上昇、血清コレステロール上昇、高血糖、尿中ブドウ糖陽性 |
消化器 |
下痢、心窩部痛、便秘、口内炎 |
軟便、嘔気、嘔吐、口渇、消化不良、排便回数増加、腹部膨満、胃腸炎、膵炎 |
肝臓 |
ALT、AST、AL-P、γ-GTPの上昇 |
LDH上昇、腹水 |
血液 |
ヘモグロビン減少 |
赤血球減少、白血球増加、紫斑 |
腎臓 |
クレアチニン上昇 |
BUN上昇、頻尿、夜間頻尿、尿管結石、尿潜血陽性、尿中蛋白陽性、勃起障害、排尿障害 |
その他 |
血中CK上昇、(連用により)歯肉肥厚 |
筋緊張亢進、筋痙攣、背痛、関節痛、筋肉痛、全身倦怠感、しびれ、脱力感、耳鳴、鼻出血、味覚異常、疲労、咳、発熱、視力異常、呼吸困難、異常感覚、多汗、血中カリウム減少、女性化乳房、脱毛、鼻炎、体重増加、体重減少、疼痛、皮膚変色 |
13. 過量投与
-
13.1 症状
過度の末梢血管拡張により、ショックを含む著しい血圧低下と反射性頻脈を起こすことがある。
-
13.2 処置
特異的な解毒薬はない。本剤の配合成分であるアジルサルタン及びアムロジピンベシル酸塩は蛋白結合率が高いため、透析による除去は有効ではない。また、アムロジピンベシル酸塩服用直後に活性炭を投与した場合、アムロジピンベシル酸塩のAUCは99%減少し、服用2時間後では49%減少したことから、アムロジピンベシル酸塩過量投与時の吸収抑制処置として活性炭投与が有効であると報告されている6) 。
4. 効能又は効果
高血圧症
6. 用法及び用量
成人には1日1回1錠(アジルサルタン/アムロジピンとして20mg/2.5mg又は20mg/5mg)を経口投与する。本剤は高血圧治療の第一選択薬として用いない。
7. 用法及び用量に関連する注意
- 以下のアジルサルタンとアムロジピンベシル酸塩の用法及び用量並びに用法及び用量に関連する注意等を踏まえ、患者毎に本剤の適応を考慮すること。
-
〈アジルサルタン〉
用法及び用量
通常、成人にはアジルサルタンとして20mgを1日1回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日最大投与量は40mgとする。
用法及び用量に関連する注意
アジルサルタンの降圧効果を考慮し、アジルサルタン適用の可否を慎重に判断するとともに、20mgより低用量からの開始も考慮すること。 - 〈アムロジピンベシル酸塩〉
- 用法及び用量
- 通常、成人にはアムロジピンとして2.5〜5mgを1日1回経口投与する。なお、症状に応じ適宜増減するが、効果不十分な場合には1日1回10mgまで増量することができる。
8. 重要な基本的注意
- 8.1 本剤は、アジルサルタン20mgとアムロジピンとして2.5mgあるいは5mgとの配合剤であり、アジルサルタンとアムロジピンベシル酸塩双方の副作用が発現するおそれがあるため、適切に本剤の使用を検討すること。
- 8.2 降圧作用に基づくめまい、ふらつきがあらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。
- 8.3 手術前24時間は投与しないことが望ましい。アンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤投与中の患者は、麻酔及び手術中にレニン-アンジオテンシン系の抑制作用による高度な血圧低下を起こす可能性がある。
- 8.4 アムロジピンベシル酸塩は血中濃度半減期が長く投与中止後も緩徐な降圧効果が認められるので、本剤投与中止後に他の降圧剤を使用するときは、用量並びに投与間隔に留意するなど慎重に投与すること。
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
-
9.1.1 両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること。アジルサルタンは、腎血流量の減少や糸球体ろ過圧の低下により急速に腎機能を悪化させるおそれがある。
-
9.1.2 高カリウム血症の患者
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けること。アジルサルタンは、高カリウム血症を増悪させるおそれがある。また、腎機能障害、コントロール不良の糖尿病等により血清カリウム値が高くなりやすい患者では、血清カリウム値に注意すること。
-
9.1.3 脳血管障害のある患者
過度の降圧が脳血流不全を引き起こし、病態を悪化させるおそれがある。
-
9.1.4 厳重な減塩療法中の患者
アジルサルタンの投与により、急激な血圧の低下を起こすおそれがある。[11.1.2 参照]
- 9.1.5 薬剤過敏症の既往歴のある患者
9.2 腎機能障害患者
-
9.2.1 重篤な腎機能障害(eGFR 15mL/min/1.73m2未満)のある患者
腎機能を悪化させるおそれがある。アジルサルタンの血中濃度の上昇が認められた。[16.6.1 参照]
-
9.2.2 血液透析中の患者
アジルサルタンの投与により、急激な血圧の低下を起こすおそれがある。[11.1.2 参照]
9.3 肝機能障害患者
中等度の肝機能障害患者(Child-Pugh分類スコア:7~9)でアジルサルタンの血中濃度の上昇が報告されている。臨床試験では、高度な肝機能障害患者(Child-Pugh分類スコア:10以上)は除外されていた。また、アムロジピンベシル酸塩は主として肝臓で代謝されるため、血中濃度半減期の延長及び血中濃度-時間曲線下面積(AUC)が増大することがある。[16.6.2 参照]
9.4 生殖能を有する者
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。投与中に妊娠が判明した場合には、直ちに投与を中止すること。
妊娠中期及び末期にアンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤又はアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与された患者で羊水過少症、胎児・新生児の死亡、新生児の低血圧、腎不全、高カリウム血症、頭蓋の形成不全及び羊水過少症によると推測される四肢の拘縮、頭蓋顔面の変形、肺の低形成等があらわれたとの報告がある。また、アムロジピンベシル酸塩は動物試験で妊娠末期に投与すると妊娠期間及び分娩時間が延長することが認められている3)
。[2.2 参照],[9.4.1 参照]
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。ラットの周産期及び授乳期にアジルサルタンを強制経口投与すると、0.3mg/kg/日以上の群で出生児に腎盂拡張が認められ、10mg/kg/日以上で体重増加の抑制が認められている。また、アムロジピンベシル酸塩はヒト母乳中へ移行することが報告されている4) 。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
次の点に注意し、低用量から投与を開始するなど慎重に投与すること。
- 一般に過度の降圧は好ましくないとされている。脳梗塞等が起こるおそれがある。
- アムロジピンベシル酸塩は体内動態試験で血中濃度が高く、血中濃度半減期が長くなる傾向が認められている5) 。[16.6.3 参照]
10. 相互作用
10.1 併用禁忌(併用しないこと)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
非致死性脳卒中、腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧のリスク増加が報告されている。 |
レニン-アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。 |
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
降圧作用を有する薬剤 |
降圧作用が増強されるおそれがある。 |
相互に作用を増強するおそれがある。 |
血清カリウム値が上昇することがある。 |
アジルサルタンのアルドステロン分泌抑制作用によりカリウム貯留作用が増強することによる。 |
|
アジルサルタンを初めて投与する場合、降圧作用が増強するおそれがある。 |
利尿降圧剤で治療を受けている患者にはレニン活性が亢進している患者が多く、アジルサルタンが奏効しやすい。 |
|
アリスキレンフマル酸塩 |
腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがある。eGFRが60mL/min/1.73m2未満の腎機能障害のある患者へのアリスキレンフマル酸塩との併用については、治療上やむを得ないと判断される場合を除き避けること。 |
レニン-アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。 |
アンジオテンシン変換酵素阻害剤 |
腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがある。 |
レニン-アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。 |
リチウム |
アジルサルタンとの併用において、リチウム中毒が起こるおそれがある。 |
アジルサルタンにより腎尿細管におけるリチウムの再吸収が促進される。 |
降圧作用が減弱することがある。 |
非ステロイド性消炎鎮痛剤は血管拡張作用を有するプロスタグランジンの合成を阻害することから、降圧作用を減弱させる可能性がある。 |
|
腎機能障害のある患者では、さらに腎機能が悪化するおそれがある。 |
非ステロイド性消炎鎮痛剤のプロスタグランジン合成阻害作用により、腎血流量が低下するためと考えられている。 |
|
エリスロマイシン及びジルチアゼムとの併用により、アムロジピンベシル酸塩の血中濃度が上昇したとの報告がある。 |
アムロジピンベシル酸塩の代謝が競合的に阻害される可能性が考えられる。 |
|
アムロジピンベシル酸塩の血中濃度が低下するおそれがある。 |
アムロジピンベシル酸塩の代謝が促進される可能性が考えられる。 |
|
グレープフルーツジュース |
アムロジピンベシル酸塩の降圧作用が増強されるおそれがある。 |
グレープフルーツに含まれる成分がアムロジピンベシル酸塩の代謝を阻害し、アムロジピンベシル酸塩の血中濃度が上昇する可能性が考えられる。 |
シンバスタチン |
アムロジピンベシル酸塩とシンバスタチン80mg(国内未承認の高用量)との併用により、シンバスタチンのAUCが77%上昇したとの報告がある。 |
機序は不明である。 |
タクロリムス |
アムロジピンベシル酸塩との併用によりタクロリムスの血中濃度が上昇し、腎障害等のタクロリムスの副作用が発現するおそれがある。併用時にはタクロリムスの血中濃度をモニターし、必要に応じてタクロリムスの用量を調整すること。 |
アムロジピンベシル酸塩とタクロリムスは、主としてCYP3A4により代謝されるため、併用によりタクロリムスの代謝が阻害される可能性が考えられる。 |
11. 副作用
11.1 重大な副作用
-
11.1.1 **血管性浮腫(頻度不明)
顔面、口唇、舌、咽・喉頭等の腫脹を症状とする血管性浮腫があらわれることがある。また、腹痛、嘔気、嘔吐、下痢等を伴う腸管血管性浮腫があらわれることがある。
-
11.1.2 ショック、失神、意識消失(頻度不明)
冷感、嘔吐、意識消失等があらわれた場合には、直ちに適切な処置を行うこと。[9.1.4 参照],[9.2.2 参照],[10.2 参照]
- 11.1.3 急性腎障害(頻度不明)
- 11.1.4 高カリウム血症(頻度不明)
-
11.1.5 劇症肝炎、肝機能障害、黄疸(頻度不明)
AST、ALT、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがある。
-
11.1.6 横紋筋融解症(頻度不明)
筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意すること。
- 11.1.7 無顆粒球症、白血球減少、血小板減少(頻度不明)
-
11.1.8 房室ブロック(頻度不明)
徐脈、めまい等の初期症状があらわれることがある。
11.2 その他の副作用
0.1~5%未満 |
頻度不明 |
|
|---|---|---|
過敏症 |
湿疹 |
発疹、そう痒、じん麻疹、光線過敏症、多形紅斑、血管炎 |
循環器 |
めまい、ふらつき、浮腫、心房細動、徐脈、動悸、血圧低下、ほてり(熱感、顔面潮紅等)、期外収縮 |
胸痛、洞房又は房室ブロック、洞停止、頻脈 |
精神神経系 |
頭痛 |
頭重、眠気、振戦、末梢神経障害、気分動揺、不眠、錐体外路症状 |
代謝異常 |
血中尿酸上昇、糖尿病 |
血中カリウム上昇、血清コレステロール上昇、高血糖、尿中ブドウ糖陽性 |
消化器 |
下痢、心窩部痛、便秘、口内炎 |
軟便、嘔気、嘔吐、口渇、消化不良、排便回数増加、腹部膨満、胃腸炎、膵炎 |
肝臓 |
ALT、AST、AL-P、γ-GTPの上昇 |
LDH上昇、腹水 |
血液 |
ヘモグロビン減少 |
赤血球減少、白血球増加、紫斑 |
腎臓 |
クレアチニン上昇 |
BUN上昇、頻尿、夜間頻尿、尿管結石、尿潜血陽性、尿中蛋白陽性、勃起障害、排尿障害 |
その他 |
血中CK上昇、(連用により)歯肉肥厚 |
筋緊張亢進、筋痙攣、背痛、関節痛、筋肉痛、全身倦怠感、しびれ、脱力感、耳鳴、鼻出血、味覚異常、疲労、咳、発熱、視力異常、呼吸困難、異常感覚、多汗、血中カリウム減少、女性化乳房、脱毛、鼻炎、体重増加、体重減少、疼痛、皮膚変色 |
13. 過量投与
-
13.1 症状
過度の末梢血管拡張により、ショックを含む著しい血圧低下と反射性頻脈を起こすことがある。
-
13.2 処置
特異的な解毒薬はない。本剤の配合成分であるアジルサルタン及びアムロジピンベシル酸塩は蛋白結合率が高いため、透析による除去は有効ではない。また、アムロジピンベシル酸塩服用直後に活性炭を投与した場合、アムロジピンベシル酸塩のAUCは99%減少し、服用2時間後では49%減少したことから、アムロジピンベシル酸塩過量投与時の吸収抑制処置として活性炭投与が有効であると報告されている6) 。