薬効分類名持続性ACE阻害剤
一般的名称リシノプリル錠
リシノプリル錠5mg「トーワ」、リシノプリル錠10mg「トーワ」、リシノプリル錠20mg「トーワ」
LISINOPRIL TABLETS 5mg“TOWA”, LISINOPRIL TABLETS 10mg “TOWA”, LISINOPRIL TABLETS 20mg“TOWA”
製造販売元/東和薬品株式会社
その他の副作用
併用注意
カリウム保持性利尿剤
- スピロノラクトン、
トリアムテレン等
カリウム補給剤
- 塩化カリウム
血清カリウム値が上昇することがあるので、血清カリウム値の検査をするなど注意すること。
ACE阻害薬はアルドステロンの分泌を抑制することにより、腎からのカリウム排泄を減少させる。このことからACE阻害薬との併用によりカリウムの蓄積が起こる可能性があるとの報告がある。
利尿降圧剤、利尿剤
- トリクロルメチアジド、ヒドロクロロチアジド等
利尿剤で治療を受けている患者に本剤を初めて投与する場合、降圧作用が増強されるおそれがあるので少量から投与を開始するなど慎重に投与すること。
利尿剤の治療を受けている患者ではNa利尿により血漿レニン活性の亢進がみられ、ACE阻害薬の投与により急激な降圧を来すことがある。
リチウム製剤
- 炭酸リチウム
リチウム中毒(錯乱、振戦、消化器愁訴等)があらわれることがあるので併用する場合は血中のリチウム濃度に注意すること。
リチウムの近位尿細管での再吸収はナトリウムと競合するため、ACE阻害薬のナトリウム排泄増加作用によるナトリウム欠乏によりリチウムの再吸収が促進されリチウム貯留を来すことがある。
非ステロイド性消炎鎮痛剤
本剤の降圧作用が減弱するおそれがある。
プロスタグランジンの合成阻害作用により、本剤の降圧作用を減弱させる可能性がある。
非ステロイド性消炎鎮痛剤
腎機能を悪化させるおそれがある。
プロスタグランジンの合成阻害作用により、腎血流量が低下するためと考えられる。
カリジノゲナーゼ製剤
本剤との併用により過度の血圧低下が引き起こされる可能性がある。
ACE阻害薬のキニン分解抑制作用とカリジノゲナーゼ製剤のキニン産生作用により、キニンが増加し血管平滑筋の弛緩が増強される可能性がある。
アリスキレンフマル酸塩
腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがあるので腎機能、血清カリウム値及び血圧を十分に観察すること。
併用によりレニン・アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。
アンジオテンシンII受容体拮抗剤
腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがあるので腎機能、血清カリウム値及び血圧を十分に観察すること。
併用によりレニン・アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。
2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)
- 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 2.2 サクビトリルバルサルタンナトリウム水和物を投与中の患者又は投与中止から36時間以内の患者[10.1 参照]
- 2.3 *血管性浮腫の既往歴のある患者(アンジオテンシン変換酵素阻害剤等の薬剤による血管性浮腫、遺伝性血管性浮腫、後天性血管性浮腫、特発性血管性浮腫等)[高度の呼吸困難を伴う血管性浮腫を発現することがある。]
- 2.4 デキストラン硫酸固定化セルロース、トリプトファン固定化ポリビニルアルコール又はポリエチレンテレフタレートを用いた吸着器によるアフェレーシスを施行中の患者[10.1 参照]
- 2.5 アクリロニトリルメタリルスルホン酸ナトリウム膜(AN69)を用いた血液透析施行中の患者[10.1 参照],[13.2 参照]
- 2.6 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5 参照]
- 2.7 アリスキレンフマル酸塩を投与中の糖尿病患者(ただし、他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く)[10.1 参照]
6. 用法及び用量
通常、成人にはリシノプリル(無水物)として10~20mgを1日1回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、重症高血圧症又は腎障害を伴う高血圧症の患者では5mgから投与を開始することが望ましい。
通常、6歳以上の小児には、リシノプリル(無水物)として、0.07mg/kgを1日1回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
本剤はジギタリス製剤、利尿剤等の基礎治療剤と併用すること。通常、成人にはリシノプリル(無水物)として5~10mgを1日1回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、腎障害を伴う患者では初回用量として2.5mgから投与を開始することが望ましい。
7. 用法及び用量に関連する注意
- 7.1 6歳以上の小児に投与する場合には1日20mgを超えないこと。[9.7 参照]
- 7.2 高齢者では2.5mgから投与を開始することが望ましい。[9.8 参照],[16.1.2 参照]
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
-
9.1.1 両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者
治療上やむを得ないと判断される場合を除き使用は避けること。腎血流量の減少や糸球体ろ過圧の低下により急速に腎機能を悪化させるおそれがある。
-
9.1.2 高カリウム血症の患者
治療上やむを得ないと判断される場合を除き使用は避けること。また、腎機能障害、コントロール不良の糖尿病等により血清カリウム値が高くなりやすい患者では血清カリウム値に注意すること。高カリウム血症が発現するおそれがある。
高カリウム血症の患者においては、高カリウム血症を増悪させるおそれがある。
-
9.1.3 脳血管障害のある患者
過度の血圧低下により病態を悪化させるおそれがある。
-
9.1.4 重症の高血圧症患者
投与は少量より開始し、増量する場合は患者の状態を十分に観察しながら徐々に行うこと。初回投与後一過性の急激な血圧低下を起こす場合がある。
-
9.1.5 厳重な減塩療法中の患者
投与は少量より開始し、増量する場合は患者の状態を十分に観察しながら徐々に行うこと。初回投与後一過性の急激な血圧低下を起こす場合がある。
-
9.1.6 過度の血圧低下により心筋梗塞、又は脳血管障害の危険性のある患者
投与は少量より開始し、増量する場合は患者の状態を十分に観察しながら徐々に行うこと。初回投与後一過性の急激な血圧低下を起こす場合がある。
-
9.1.7 厳重な減塩療法中の患者
投与は少量より開始し、血圧が安定するまで観察を十分に行うこと。初回投与後一過性の急激な血圧低下を起こす場合がある。
-
9.1.8 低ナトリウム血症の患者
投与は少量より開始し、血圧が安定するまで観察を十分に行うこと。初回投与後一過性の急激な血圧低下を起こす場合がある。
-
9.1.9 低血圧の患者
投与は少量より開始し、血圧が安定するまで観察を十分に行うこと。初回投与後一過性の急激な血圧低下を起こす場合がある。
-
9.1.10 過度の血圧低下により心筋梗塞、又は脳血管障害の危険性のある患者
投与は少量より開始し、血圧が安定するまで観察を十分に行うこと。初回投与後一過性の急激な血圧低下を起こす場合がある。
-
9.1.11 大動脈弁狭窄症又は閉塞性肥大型心筋症のある患者
過度の血圧低下を来し、症状を悪化させるおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
投与量を半量にするか、若しくは投与間隔を延ばすなど慎重に投与すること。排泄の遅延による過度の血圧低下及び腎機能を悪化させるおそれがある。[16.1.2 参照]
投与は少量より開始し、増量する場合は患者の状態を十分に観察しながら徐々に行うこと。初回投与後一過性の急激な血圧低下を起こす場合がある。
投与は少量より開始し、血圧が安定するまで観察を十分に行うこと。初回投与後一過性の急激な血圧低下を起こす場合がある。
9.4 生殖能を有する者
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。また、投与中に妊娠が判明した場合には、直ちに投与を中止すること。妊娠中期及び末期にアンジオテンシン変換酵素阻害剤又はアンジオテンシンII受容体拮抗剤を投与された患者で羊水過少症、胎児・新生児の死亡、新生児の低血圧、腎不全、高カリウム血症、頭蓋の形成不全及び羊水過少症によると推測される四肢の拘縮、頭蓋顔面の変形、肺の低形成等があらわれたとの報告がある。また、海外で実施されたレトロスペクティブな疫学調査で、妊娠初期にアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与された患者群において、胎児奇形の相対リスクは降圧剤が投与されていない患者群に比べ高かったとの報告がある3) 。[2.6 参照],[9.4.1 参照]
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。
9.7 小児等
10. 相互作用
10.1 併用禁忌(併用しないこと)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
*血管性浮腫があらわれるおそれがある。左記薬剤が投与されている場合は、少なくとも本剤投与開始36時間前に中止すること。また、本剤投与終了後に左記薬剤を投与する場合は、本剤の最終投与から36時間後までは投与しないこと。 |
*併用により相加的にブラジキニンの分解を抑制し、血管性浮腫のリスクを増加させる可能性がある。 |
|
デキストラン硫酸固定化セルロース、トリプトファン固定化ポリビニルアルコール又はポリエチレンテレフタレートを用いた吸着器によるアフェレーシスの施行 |
血圧低下、潮紅、嘔気・嘔吐、腹痛、しびれ、熱感、呼吸困難、頻脈等のショック症状を起こすことがある。 |
陰性に荷電した吸着材により血中キニン系の代謝が亢進し、ブラジキニン産生が増大する。更にACE阻害薬はブラジキニンの代謝を阻害するため、ブラジキニンの蓄積が起こるとの考えが報告されている。 |
*血管性浮腫(顔面浮腫、喉頭浮腫)、嘔吐、腹部痙攣、気管支痙攣、血圧低下、チアノーゼ等のアナフィラキシーを発現することがある。 |
多価イオン体であるAN69により血中キニン系の代謝が亢進し、ブラジキニン産生が増大する。更にACE阻害薬はブラジキニンの代謝を阻害するため、ブラジキニンの蓄積が起こるとの考えが報告されている。 |
|
非致死性脳卒中、腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を発現するリスクが増加することがある。 |
併用によりレニン・アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。 危険因子:アリスキレンフマル酸塩を投与中の糖尿病患者(ただし、他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く) |
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
血清カリウム値が上昇することがあるので、血清カリウム値の検査をするなど注意すること。 |
ACE阻害薬はアルドステロンの分泌を抑制することにより、腎からのカリウム排泄を減少させる。このことからACE阻害薬との併用によりカリウムの蓄積が起こる可能性があるとの報告がある。 危険因子:腎機能障害のある患者、糖尿病の患者、最近利尿降圧剤の投与を開始した患者 |
|
利尿剤で治療を受けている患者に本剤を初めて投与する場合、降圧作用が増強されるおそれがあるので少量から投与を開始するなど慎重に投与すること。 |
利尿剤の治療を受けている患者ではNa利尿により血漿レニン活性の亢進がみられ、ACE阻害薬の投与により急激な降圧を来すことがある。 危険因子:最近利尿降圧剤の投与を開始した患者 |
|
リチウム中毒(錯乱、振戦、消化器愁訴等)があらわれることがあるので併用する場合は血中のリチウム濃度に注意すること。 |
リチウムの近位尿細管での再吸収はナトリウムと競合するため、ACE阻害薬のナトリウム排泄増加作用によるナトリウム欠乏によりリチウムの再吸収が促進されリチウム貯留を来すことがある。 |
|
非ステロイド性消炎鎮痛剤 |
本剤の降圧作用が減弱するおそれがある。 |
プロスタグランジンの合成阻害作用により、本剤の降圧作用を減弱させる可能性がある。 |
非ステロイド性消炎鎮痛剤 |
腎機能を悪化させるおそれがある。 |
プロスタグランジンの合成阻害作用により、腎血流量が低下するためと考えられる。 |
カリジノゲナーゼ製剤 |
本剤との併用により過度の血圧低下が引き起こされる可能性がある。 |
ACE阻害薬のキニン分解抑制作用とカリジノゲナーゼ製剤のキニン産生作用により、キニンが増加し血管平滑筋の弛緩が増強される可能性がある。 |
アリスキレンフマル酸塩 |
腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがあるので腎機能、血清カリウム値及び血圧を十分に観察すること。 なお、eGFRが60mL/min/1.73m2未満の腎機能障害のある患者へのアリスキレンフマル酸塩との併用については、治療上やむを得ないと判断される場合を除き避けること。 |
併用によりレニン・アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。 |
アンジオテンシンII受容体拮抗剤 |
腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがあるので腎機能、血清カリウム値及び血圧を十分に観察すること。 |
併用によりレニン・アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。 |
11. 副作用
11.1 重大な副作用
- 11.1.1 *呼吸困難を伴う顔面、舌、声門、喉頭の腫脹を症状とする血管性浮腫(頻度不明):異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、アドレナリン注射、気道確保など適切な処置を行うこと。
- 11.1.2 *腹痛、嘔気、嘔吐、下痢等を伴う腸管血管性浮腫(頻度不明)
- 11.1.3 急性腎障害(頻度不明)
- 11.1.4 高カリウム血症(頻度不明)
- 11.1.5 膵炎(頻度不明)
- 11.1.6 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)、天疱瘡様症状(頻度不明)
- 11.1.7 溶血性貧血(頻度不明)、血小板減少(頻度不明)
- 11.1.8 肝機能障害(頻度不明)、黄疸(頻度不明):AST、ALT、Al-P、γ-GTP等の著しい上昇を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。ごくまれに肝不全に至った症例が報告されている。
- 11.1.9 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)(頻度不明):低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム排泄量の増加、高張尿、痙攣、意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)があらわれることがあるので、このような場合には投与を中止し、水分摂取の制限等適切な処置を行うこと。
11.2 その他の副作用
5%以上 |
0.1~5%未満 |
0.1%未満 |
頻度不明 |
|
|---|---|---|---|---|
肝臓 |
AST上昇、ALT上昇、LDH上昇、Al-P上昇等 |
|||
腎臓 |
BUN上昇、クレアチニンの上昇、尿量減少 |
|||
血液 |
貧血(赤血球減少、ヘモグロビン減少、ヘマトクリット減少)、血小板減少 |
白血球減少、好酸球増加 |
||
皮膚 |
発疹、そう痒 |
光線過敏症等 |
||
呼吸器 |
咳嗽 |
咽頭部刺激感・不快感 |
気管支喘息の誘発、鼻炎、副鼻腔炎、嗄声 |
|
精神神経系 |
頭痛・頭重、めまい・ふらつき |
傾眠 |
しびれ、錯乱、睡眠障害(不眠等)、感覚異常(刺痛、灼熱感等)、抑うつ等の気分変調等 |
|
循環器 |
動悸、過度の血圧低下 |
起立性低血圧、胸部不快感、頻脈等 |
失神 |
|
消化器 |
嘔気、嘔吐、下痢、胃不快感 |
腹痛、食欲不振等 |
胃痛 |
|
その他 |
血清カリウム値上昇(特に重篤な腎機能障害を有する患者)、尿酸上昇、CK上昇、倦怠感 |
ほてり、口渇等 |
脱毛、勃起障害、発汗、低血糖、血清ナトリウム値低下、脱力感、味覚異常 |
2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)
- 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
- 2.2 サクビトリルバルサルタンナトリウム水和物を投与中の患者又は投与中止から36時間以内の患者[10.1 参照]
- 2.3 *血管性浮腫の既往歴のある患者(アンジオテンシン変換酵素阻害剤等の薬剤による血管性浮腫、遺伝性血管性浮腫、後天性血管性浮腫、特発性血管性浮腫等)[高度の呼吸困難を伴う血管性浮腫を発現することがある。]
- 2.4 デキストラン硫酸固定化セルロース、トリプトファン固定化ポリビニルアルコール又はポリエチレンテレフタレートを用いた吸着器によるアフェレーシスを施行中の患者[10.1 参照]
- 2.5 アクリロニトリルメタリルスルホン酸ナトリウム膜(AN69)を用いた血液透析施行中の患者[10.1 参照],[13.2 参照]
- 2.6 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5 参照]
- 2.7 アリスキレンフマル酸塩を投与中の糖尿病患者(ただし、他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く)[10.1 参照]
6. 用法及び用量
通常、成人にはリシノプリル(無水物)として10~20mgを1日1回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、重症高血圧症又は腎障害を伴う高血圧症の患者では5mgから投与を開始することが望ましい。
通常、6歳以上の小児には、リシノプリル(無水物)として、0.07mg/kgを1日1回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
本剤はジギタリス製剤、利尿剤等の基礎治療剤と併用すること。通常、成人にはリシノプリル(無水物)として5~10mgを1日1回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、腎障害を伴う患者では初回用量として2.5mgから投与を開始することが望ましい。
7. 用法及び用量に関連する注意
- 7.1 6歳以上の小児に投与する場合には1日20mgを超えないこと。[9.7 参照]
- 7.2 高齢者では2.5mgから投与を開始することが望ましい。[9.8 参照],[16.1.2 参照]
9. 特定の背景を有する患者に関する注意
9.1 合併症・既往歴等のある患者
-
9.1.1 両側性腎動脈狭窄のある患者又は片腎で腎動脈狭窄のある患者
治療上やむを得ないと判断される場合を除き使用は避けること。腎血流量の減少や糸球体ろ過圧の低下により急速に腎機能を悪化させるおそれがある。
-
9.1.2 高カリウム血症の患者
治療上やむを得ないと判断される場合を除き使用は避けること。また、腎機能障害、コントロール不良の糖尿病等により血清カリウム値が高くなりやすい患者では血清カリウム値に注意すること。高カリウム血症が発現するおそれがある。
高カリウム血症の患者においては、高カリウム血症を増悪させるおそれがある。
-
9.1.3 脳血管障害のある患者
過度の血圧低下により病態を悪化させるおそれがある。
-
9.1.4 重症の高血圧症患者
投与は少量より開始し、増量する場合は患者の状態を十分に観察しながら徐々に行うこと。初回投与後一過性の急激な血圧低下を起こす場合がある。
-
9.1.5 厳重な減塩療法中の患者
投与は少量より開始し、増量する場合は患者の状態を十分に観察しながら徐々に行うこと。初回投与後一過性の急激な血圧低下を起こす場合がある。
-
9.1.6 過度の血圧低下により心筋梗塞、又は脳血管障害の危険性のある患者
投与は少量より開始し、増量する場合は患者の状態を十分に観察しながら徐々に行うこと。初回投与後一過性の急激な血圧低下を起こす場合がある。
-
9.1.7 厳重な減塩療法中の患者
投与は少量より開始し、血圧が安定するまで観察を十分に行うこと。初回投与後一過性の急激な血圧低下を起こす場合がある。
-
9.1.8 低ナトリウム血症の患者
投与は少量より開始し、血圧が安定するまで観察を十分に行うこと。初回投与後一過性の急激な血圧低下を起こす場合がある。
-
9.1.9 低血圧の患者
投与は少量より開始し、血圧が安定するまで観察を十分に行うこと。初回投与後一過性の急激な血圧低下を起こす場合がある。
-
9.1.10 過度の血圧低下により心筋梗塞、又は脳血管障害の危険性のある患者
投与は少量より開始し、血圧が安定するまで観察を十分に行うこと。初回投与後一過性の急激な血圧低下を起こす場合がある。
-
9.1.11 大動脈弁狭窄症又は閉塞性肥大型心筋症のある患者
過度の血圧低下を来し、症状を悪化させるおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
投与量を半量にするか、若しくは投与間隔を延ばすなど慎重に投与すること。排泄の遅延による過度の血圧低下及び腎機能を悪化させるおそれがある。[16.1.2 参照]
投与は少量より開始し、増量する場合は患者の状態を十分に観察しながら徐々に行うこと。初回投与後一過性の急激な血圧低下を起こす場合がある。
投与は少量より開始し、血圧が安定するまで観察を十分に行うこと。初回投与後一過性の急激な血圧低下を起こす場合がある。
9.4 生殖能を有する者
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。また、投与中に妊娠が判明した場合には、直ちに投与を中止すること。妊娠中期及び末期にアンジオテンシン変換酵素阻害剤又はアンジオテンシンII受容体拮抗剤を投与された患者で羊水過少症、胎児・新生児の死亡、新生児の低血圧、腎不全、高カリウム血症、頭蓋の形成不全及び羊水過少症によると推測される四肢の拘縮、頭蓋顔面の変形、肺の低形成等があらわれたとの報告がある。また、海外で実施されたレトロスペクティブな疫学調査で、妊娠初期にアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与された患者群において、胎児奇形の相対リスクは降圧剤が投与されていない患者群に比べ高かったとの報告がある3) 。[2.6 参照],[9.4.1 参照]
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。
9.7 小児等
10. 相互作用
10.1 併用禁忌(併用しないこと)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
*血管性浮腫があらわれるおそれがある。左記薬剤が投与されている場合は、少なくとも本剤投与開始36時間前に中止すること。また、本剤投与終了後に左記薬剤を投与する場合は、本剤の最終投与から36時間後までは投与しないこと。 |
*併用により相加的にブラジキニンの分解を抑制し、血管性浮腫のリスクを増加させる可能性がある。 |
|
デキストラン硫酸固定化セルロース、トリプトファン固定化ポリビニルアルコール又はポリエチレンテレフタレートを用いた吸着器によるアフェレーシスの施行 |
血圧低下、潮紅、嘔気・嘔吐、腹痛、しびれ、熱感、呼吸困難、頻脈等のショック症状を起こすことがある。 |
陰性に荷電した吸着材により血中キニン系の代謝が亢進し、ブラジキニン産生が増大する。更にACE阻害薬はブラジキニンの代謝を阻害するため、ブラジキニンの蓄積が起こるとの考えが報告されている。 |
*血管性浮腫(顔面浮腫、喉頭浮腫)、嘔吐、腹部痙攣、気管支痙攣、血圧低下、チアノーゼ等のアナフィラキシーを発現することがある。 |
多価イオン体であるAN69により血中キニン系の代謝が亢進し、ブラジキニン産生が増大する。更にACE阻害薬はブラジキニンの代謝を阻害するため、ブラジキニンの蓄積が起こるとの考えが報告されている。 |
|
非致死性脳卒中、腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を発現するリスクが増加することがある。 |
併用によりレニン・アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。 危険因子:アリスキレンフマル酸塩を投与中の糖尿病患者(ただし、他の降圧治療を行ってもなお血圧のコントロールが著しく不良の患者を除く) |
10.2 併用注意(併用に注意すること)
| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
|---|---|---|
血清カリウム値が上昇することがあるので、血清カリウム値の検査をするなど注意すること。 |
ACE阻害薬はアルドステロンの分泌を抑制することにより、腎からのカリウム排泄を減少させる。このことからACE阻害薬との併用によりカリウムの蓄積が起こる可能性があるとの報告がある。 危険因子:腎機能障害のある患者、糖尿病の患者、最近利尿降圧剤の投与を開始した患者 |
|
利尿剤で治療を受けている患者に本剤を初めて投与する場合、降圧作用が増強されるおそれがあるので少量から投与を開始するなど慎重に投与すること。 |
利尿剤の治療を受けている患者ではNa利尿により血漿レニン活性の亢進がみられ、ACE阻害薬の投与により急激な降圧を来すことがある。 危険因子:最近利尿降圧剤の投与を開始した患者 |
|
リチウム中毒(錯乱、振戦、消化器愁訴等)があらわれることがあるので併用する場合は血中のリチウム濃度に注意すること。 |
リチウムの近位尿細管での再吸収はナトリウムと競合するため、ACE阻害薬のナトリウム排泄増加作用によるナトリウム欠乏によりリチウムの再吸収が促進されリチウム貯留を来すことがある。 |
|
非ステロイド性消炎鎮痛剤 |
本剤の降圧作用が減弱するおそれがある。 |
プロスタグランジンの合成阻害作用により、本剤の降圧作用を減弱させる可能性がある。 |
非ステロイド性消炎鎮痛剤 |
腎機能を悪化させるおそれがある。 |
プロスタグランジンの合成阻害作用により、腎血流量が低下するためと考えられる。 |
カリジノゲナーゼ製剤 |
本剤との併用により過度の血圧低下が引き起こされる可能性がある。 |
ACE阻害薬のキニン分解抑制作用とカリジノゲナーゼ製剤のキニン産生作用により、キニンが増加し血管平滑筋の弛緩が増強される可能性がある。 |
アリスキレンフマル酸塩 |
腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがあるので腎機能、血清カリウム値及び血圧を十分に観察すること。 なお、eGFRが60mL/min/1.73m2未満の腎機能障害のある患者へのアリスキレンフマル酸塩との併用については、治療上やむを得ないと判断される場合を除き避けること。 |
併用によりレニン・アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。 |
アンジオテンシンII受容体拮抗剤 |
腎機能障害、高カリウム血症及び低血圧を起こすおそれがあるので腎機能、血清カリウム値及び血圧を十分に観察すること。 |
併用によりレニン・アンジオテンシン系阻害作用が増強される可能性がある。 |
11. 副作用
11.1 重大な副作用
- 11.1.1 *呼吸困難を伴う顔面、舌、声門、喉頭の腫脹を症状とする血管性浮腫(頻度不明):異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、アドレナリン注射、気道確保など適切な処置を行うこと。
- 11.1.2 *腹痛、嘔気、嘔吐、下痢等を伴う腸管血管性浮腫(頻度不明)
- 11.1.3 急性腎障害(頻度不明)
- 11.1.4 高カリウム血症(頻度不明)
- 11.1.5 膵炎(頻度不明)
- 11.1.6 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)、天疱瘡様症状(頻度不明)
- 11.1.7 溶血性貧血(頻度不明)、血小板減少(頻度不明)
- 11.1.8 肝機能障害(頻度不明)、黄疸(頻度不明):AST、ALT、Al-P、γ-GTP等の著しい上昇を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。ごくまれに肝不全に至った症例が報告されている。
- 11.1.9 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)(頻度不明):低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム排泄量の増加、高張尿、痙攣、意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)があらわれることがあるので、このような場合には投与を中止し、水分摂取の制限等適切な処置を行うこと。
11.2 その他の副作用
5%以上 |
0.1~5%未満 |
0.1%未満 |
頻度不明 |
|
|---|---|---|---|---|
肝臓 |
AST上昇、ALT上昇、LDH上昇、Al-P上昇等 |
|||
腎臓 |
BUN上昇、クレアチニンの上昇、尿量減少 |
|||
血液 |
貧血(赤血球減少、ヘモグロビン減少、ヘマトクリット減少)、血小板減少 |
白血球減少、好酸球増加 |
||
皮膚 |
発疹、そう痒 |
光線過敏症等 |
||
呼吸器 |
咳嗽 |
咽頭部刺激感・不快感 |
気管支喘息の誘発、鼻炎、副鼻腔炎、嗄声 |
|
精神神経系 |
頭痛・頭重、めまい・ふらつき |
傾眠 |
しびれ、錯乱、睡眠障害(不眠等)、感覚異常(刺痛、灼熱感等)、抑うつ等の気分変調等 |
|
循環器 |
動悸、過度の血圧低下 |
起立性低血圧、胸部不快感、頻脈等 |
失神 |
|
消化器 |
嘔気、嘔吐、下痢、胃不快感 |
腹痛、食欲不振等 |
胃痛 |
|
その他 |
血清カリウム値上昇(特に重篤な腎機能障害を有する患者)、尿酸上昇、CK上昇、倦怠感 |
ほてり、口渇等 |
脱毛、勃起障害、発汗、低血糖、血清ナトリウム値低下、脱力感、味覚異常 |








